JP5064330B2 - 還元鉄及び銑鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化鉄(主として、Fe23)を主体とする酸化鉄原料を還元ガスで直接還元して還元鉄を製造する方法、及び、製造した還元鉄を、焼結鉱、ペレット、ブリケット、スクラップ、粒銑、形銑等に替わる製鉄原料として使用して銑鉄を製造する方法に関するものである。
従来から、還元ガスとして、天然ガス、又は、天然ガスを改質したガス(CO及びH2が主成分)を用い、酸化鉄(主として、Fe23)を主体とする酸化鉄原料(以下「酸化鉄原料」ということがある)を直接還元する方法が知られている(例えば、特許文献1、参照)。
一般に、天然ガスを用いる直接還元法においては、天然ガスにH2O又はCO2を添加し、Ni、Co、Fe等の触媒の存在下で改質して(下記(1)及び(2)式、参照)、CO濃度とH2濃度を高めた還元ガスを用いている。
CH4+H2O → CO+3H2−59.1kcal/mol …(1)
CH4+CO2 → 2CO+2H2−49.3kcal/mol …(2)
ただし、上記方法を実施するプラントの建設は、天然ガスの安定供給が可能な天然ガス産出地にほぼ限られてしまう。
石炭をガス化した時に発生するガス(石炭ガス化炉ガス)が、天然ガス又は改質天然ガスと同種の還元成分(CO、H2)を含んでいるので、コークス製造用の原料炭に比べて安価な一般炭をガス化炉でガス化し(CO、H2、及び/又は、H2Sを主成分とするガスが得られる)、該ガスを還元ガスとして使用する還元鉄の製造方法も提案されている(特許文献2及び3、参照)。
また、CO及び/又はH2を所要量含んでいれば還元ガスとして機能するので、CO及び/又はH2を所要量含む廃ガスを、直接、又は、改質して、酸化鉄原料の直接還元に用いる方法も提案されている(特許文献4〜11、参照)。なお、特許文献9〜11に開示の直接還元法は、通称、MIDREX法と言われている還元法である。
一般に、Fe23を主体とする鉄鉱石を、H2及びCOを含む還元ガスで還元する場合、下記式(3)及び(4)の反応で還元が進行する。
Fe23+3H2 → 2Fe+3H2O−22.8kcal/mol …(3)
Fe23+3CO → 2Fe+3CO2+6.7kcal/mol …(4)
即ち、H2によるFe23の還元は、上記(3)式の吸熱反応により進行し、COによるFe23の還元は、上記(4)式の発熱反応により進行する。
それ故、還元炉内の温度を所要レベルに維持し、Fe23の還元を効率的に促進するためには、還元ガスを所定温度以上に加熱して炉内に導入するとともに、還元ガス中のH2とCOの量比を所定範囲内に調整し、上記(3)式の吸熱反応による熱量の低下分を、上記(4)式の発熱反応による発熱で補償する必要がある。
還元プロセスにより還元条件は異なるが、例えば、常圧の縦型ショフト炉を用いる直接還元法(MIDREX法[特許文献9〜11、参照])で、(a)塊状鉄鉱石、(b)粉状鉄鉱石を塊成化したペレット又はブリケット、及び/又は、(c)焼結鉱を還元して還元鉄を製造する場合、通常、還元ガスの温度は800〜1000℃、還元ガス中のH2とCOの合計濃度は90モル%程度、モル比:H2/COは1.5程度である。
ところで、製鉄プロセスにおいては、高炉ガス(以下「BFG」ということがある)、コークス炉ガス(以下「COG」ということがある)、及び、転炉ガス(以下「LDG」ということがある)などの副生ガスが大量に発生する。表1に、これら副生ガスの組成と保有熱量を示す。
Figure 0005064330
表1に示すように、COG及びLDGは、CO及びH2を合計で50モル%以上含んでいるので、還元ガスとして機能し得るガスであるが、発熱量が大きい(表1、参照)ことから、もっぱら、製鉄プロセスにおける加熱炉などの燃料として利用されているのが現状である(図1、参照)。
また、BFGは、CO及びH2の含有量が合計で30モル%より低いので、単独では還元ガスとして機能し得ないが、製鉄プロセスにおける加熱炉などの燃料として利用されているのが現状である(図1、参照)。
即ち、製鉄プロセスで発生する副生ガスは、いずれも、本来備える還元能が活用されずに、CO2を多く含む燃焼排ガスとして、大気中に放散されているのが現状である。
特開昭63−213613号公報 特開昭56−105411号公報 特開2004−169074号公報 特開昭61−099613号公報 米国特許第3558118号明細書 米国特許第3850616号明細書 米国特許第3883123号明細書 米国特許第3948646号明細書 米国特許第3617227号明細書 米国特許第3748120号明細書 米国特許第3748120号明細書
前述したように、製鉄プロセスで発生する副生ガスは、本来備える還元能が活用されないまま、CO2の放散源となっているのが現状である。そこで、本発明は、製鉄プロセスで発生する副生ガスを還元ガスとして使用して、還元鉄を製造するとともに、製鉄プロセスにおいて放出するCO2量を削減して、地球温暖化防止に寄与することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意研究した。その結果、製鉄プロセスで発生する複数の副生ガスを、必要に応じ改質し、適宜、混合して、H2含有率[質量%]とCO含有率[質量%]の比:H2/COを所定の範囲内に調整すれば、還元鉄の製造に必要な還元能を有する還元ガスを製造できることが判明した。
そして、上記還元ガスを用いて製造した還元鉄を製鉄原料として使用することにより、製鉄プロセスで発生するCO2量を削減できることが判明した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)酸化鉄原料を還元ガスで還元して還元鉄を製造する方法において、
(i)製鉄プロセスで発生するH及び/又はCOを含む複数の副生ガスを混合し、H 含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H /COを所定の範囲内に調整することにより還元ガスを製造し、
(ii)上記還元ガスを還元鉄製造装置に供給する
ことを特徴とする還元鉄の製造方法。
(2)前記副生ガスが、高炉及び/又はコークス充填型溶融炉より発生した副生ガス、コークス炉より発生した副生ガス、及び、転炉より発生した副生ガスであることを特徴とする上記(1)に記載の還元鉄の製造方法。
(3)H及び/又はCOの含有の異なる前記副生ガスの中から2種以上の副生ガスを選択して混合し、H含有率[モル%]及びCO含有率[モル%]、並びに、H含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H/COを調整して還元ガスを製造することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の還元鉄の製造方法。
(4)H2及び/又はCOの含有率の異なる前記副生ガスの中から1種又は2種以上の副生ガスを選択し、及び/又は、混合し、次いで、該副生ガスにH2O及び/又はCO2を添加して改質し、H2含有率[モル%]及びCO含有率[モル%]、並びに、H2含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H2/COを調整して還元ガスを製造することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の還元鉄の製造方法。
(5)H2及び/又はCOの含有率の異なる前記副生ガスの中から選択した1種又は2種以上の副生ガスと、該副生ガスにH2O及び/又はCO2を添加して改質したH2及び/又はCOの含有率の異なる改質副生ガスの中から、1種又は2種以上の副生ガスを選択して混合し、H2含有率[モル%]及びCO含有率[モル%]、並びに、H2含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H2/COを調整して還元ガスを製造することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の還元鉄の製造方法。
(6)前記H及び/又はCOの含有の異なる前記副生ガスの中から選択した副生ガスは、予め、副生ガス中に含まれる 、HO、及び、COの1種又は2種以上を除去したものであることを特徴とする上記(3)〜(5)のいずれかに記載の還元鉄の製造方法。
(7)前記還元鉄製造装置がシャフト炉であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の還元鉄の製造方法。
(8)前記シャフト炉に装入する酸化鉄原料が、粉状鉄鉱石を塊成化した焼結鉱:20質量%以上と、残部:塊状鉄鉱石、及び、粉状鉄鉱石を塊成化したペレット及びブリケットの1種又は2種以上からなることを特徴とする上記(7)に記載の還元鉄の製造方法。
(9)前記還元ガスのH2/COを、
(i)H2/COと、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた、安定操業を維持するための上記酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)との関係に基づいて、耐還元粉化指数RDI(%)が許容限界値(上限値)以下となるように設定する
ことを特徴とする上記(8)に記載の還元鉄の製造方法。
(10)前記還元ガスのH2/COを、
(i)H2/COと、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた、安定操業を維持するための上記酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)との関係、及び、
(ii)H2/COと、還元鉄の平均金属化率(トータル鉄に対する金属鉄の質量割合):60%以上を達成するための上記酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)の許容限界値(下限値)との関係に基づいて、被還元性JIS−RI(%)が許容限界値(下限値)以上で、耐還元粉化指数RDI(%)が許容限界値(上限値)以下となるように設定する
ことを特徴とする上記(8)に記載の還元鉄の製造方法。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の還元鉄の製造方法で製造した還元鉄の部又は全部を、溶融還元炉に装入して溶融及び還元し銑鉄を製造することを特徴とする銑鉄の製造方法。
(12)前記還元鉄の部又は全部を、スクラップ、粒銑、及び、形銑の一部又は全部に替えて装入することを特徴とする上記(11)に記載の銑鉄の製造方法。
(13)前記溶融還元炉が、高炉、コークス充填型溶融炉、電気炉、転炉、及び、混銑炉のいずれかであることを特徴とする上記(11)又は(12)に記載の銑鉄の製造方法。
本発明によれば、製鉄プロセスで発生する副生ガスを有効に還元鉄の製造に用いることができるととともに、製鉄プロセスで発生するCO2量を、高炉法で発生するCO2の量より低減することができる。
本発明について、以下、詳細に説明する。
1)還元鉄の製造方法について説明する。
図1に、高炉、コークス炉、及び、転炉を例にとり、製鉄プロセスで発生する副生ガスの従来の利用態様を示す。図に示すように、高炉ガス、コークス炉ガス、及び、転炉ガスは、従来から、製鉄プロセスにおける熱風炉、加熱炉、自家発電所などの燃料として利用されている。
図1に示す従来の副生ガスの利用態様においては、燃焼排ガス中にCO2が多量に含まれているので、CO2の削減を期待することはできない。
本発明は、酸化鉄原料を還元ガスで還元して還元鉄を製造する還元鉄の製造方法において、
(i)製鉄プロセスで発生するH2及び/又はCOを含む副生ガスから還元ガスを製造し、
(ii)上記還元ガスを還元鉄製造装置に供給する
ことを基本的な技術思想とする。
本発明の副生ガスは、製鉄プロセスにおいて発生し、H2及び/又はCOを含む副生ガスであればよく、特に、発生源に制限はないが、大量に得られる点で、高炉や、コークス充填型溶融炉より発生した副生ガス、コークス炉より発生した副生ガス、及び、転炉より発生した副生ガスが好ましい。
そして、(a)H2及び/又はCO含有量の異なる前記副生ガスの中から、2種以上の副生ガスを選択して混合し、又は、(b)H2及び/又はCOの含有率の異なる上記副生ガスの中から、1種又は2種以上の副生ガスを選択し、及び/又は、混合し、次いで、H2O及び/又はCO2を添加して改質し、又は、(c)H2及び/又はCOの含有率の異なる前記副生ガスの中から選択した1種又は2種以上の副生ガスと、該副生ガスにH2O及び/又はCO2を添加して改質したH2及び/又はCOの含有率の異なる改質副生ガスの中から、1種又は2種以上の副生ガスを選択して混合して、還元ガスを製造する。
好ましくは、前記(a)〜(c)において、前記H2及び/又はCOの含有量の異なる副生ガスの中から選択した副生ガスについては、予め、改質副生ガスの中に含まれるN2、H2O、及び、CO2の1種又は2種以上を除去して、還元ガスを製造する。
この時、前記製鉄プロセスで発生した副生ガスに加えて、還元鉄製造装置(還元炉)より発生するガスや、天然ガスを改質したガス、及び、一般炭をガス化炉でガス化したガスなどの製鉄プロセス以外で発生した、H2及び/又はCOを含む還元ガスを混合してもよい。
還元ガスの還元能は、H2含有率[質量%]とCO含有率[質量%]に依存し、しかも、吸熱反応と発熱反応により進行するので(前記式(3)及び(4)、参照)、H2含有率[質量%]とCO含有率[質量%]の比:H2/CO(以下、単に「H2/CO」ということがある)を所定の範囲内に調整することが必要である。
図2に、酸化鉄の還元平衡状態図を示す。図2(a)は、CO−CO系ガスを用いた場合の酸化鉄とCOの還元平衡状態図であり、図2(b)は、H−HO系ガスを用いた場合の酸化鉄とH2の還元平衡状態図である。
図2に示すように、酸化鉄の還元性(還元反応速度)は、還元ガス中のCO及び/又はH(還元性成分)の含有率に依存する。
例えば、1000℃で、Fe23を、Fe34、FeOを経て、Feまで還元するために、(i)還元ガスとしてCO−CO系ガスを用いる場合には、還元ガス中に、CO:72モル%以上が必要であり、(ii)還元ガスとしてH−HO系ガスを用いる場合には、還元ガス中に、H2:55モル%以上が必要である。
また、還元ガスとして、CO−CO系ガスとH−HO系ガスを、M1(モル%):M2(モル%)で混合した還元ガスを用いる場合には、同様に、1000℃でFeまで還元するのに必要となる還元ガス中のCO含有率は、72×M1/100(モル%)で、同H2含有率は、55×M2/100(モル%)となる。
このように、還元ガスのCO含有率とH2含有率を調整することにより、酸化鉄原料の還元性を確保することができる。
また、COによる還元は発熱反応で進行し、H2による還元は吸熱反応で進行するので、炉内における熱量を所定のレベルに維持するために、モル比H2/COを所定の範囲内に調整する必要がある。
また、モル比H2/COは、還元炉に装入する酸化鉄原料の還元粉化特性にも影響し、特に、酸化鉄原料中に、塊状鉄鉱石やペレットに比べて還元粉化し易い焼結鉱石を含む場合は、還元炉の通気性を良好に維持し、安定した操業を行うためには、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)、さらには、被還元性JIS−RI(%)を考慮して設定することが望ましい。この点については、後述する。
図3に、本発明の利用態様の一例を示す。
図3に示すように、(i)高炉ガス(BFG)は、CO及びH2の含有量が少ないため、H2O及び/又はCO2で改質し、また、(ii)コークス炉ガス(COG)、及び、転炉ガス(LDG)は、必要に応じ、H2O及び/又はCO2で改質し(以下、改質した副生ガスを「改質副生ガス」という)、これら副生ガス及び改質副生ガスの中から、適宜、1種又は2種以上を選択して混合し、還元鉄製造装置に供給する。
なお、高炉ガス(BFG)、コークス炉ガス(COG)、及び、転炉ガス(LDG)は、改質前に、予め、副生ガス中に含まれるN2、H2O、及びCO2の1種又は2種以上を除去するのが好ましい。
還元鉄製造装置より発生するガス(以下「ARG」ということがある)は、ガス分析の結果に従い使用先を決定する。この場合、既存の副生ガスと混合してもよいし、また、改質後、既存の副生ガスと混合してもよい。
なお、表1に示すように、高炉ガス(BFG)は、COG、及び、LDGに比べ、CO量及びH2量が少ないので、H2O及び/又はCO2で改質して用いるのが好ましい。
本発明においては、BFG、COG、LDG等の副生ガス中のガス成分(特に、COとH2)を適宜分析してガス成分を把握し(図示なし)、複数の副生ガス及び改質副生ガスの1種又は2種以上を混合し、H2含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H2/COが所定の範囲内ある還元ガスを製造して還元鉄製造装置に供給する。
副生ガスの成分分析は、連続的に行なうのが望ましいが、炉操業が安定していて、成分組成に大きな変化がない場合には、間欠的に行ってもよい。
図3中の(1)は、BFGとCOGを混合する利用態様を示す。この場合、必要に応じ、BFG及びCOGの一方又は両方を改質してもよい。図3中の(2)は、LDGとCOGを混合する利用態様を示す。この場合も、必要に応じ、LDG及びCOGの一方又は両方を改質してもよい。
また、図3中の(3)は、BFGとLDGを混合する利用態様を示す。この場合も、必要に応じ、BFG及びLDGの一方又は両方を改質してもよい。図3中の(4)は、BFG、COG、及び、LDGを混合する利用態様を示す。この場合も、必要に応じ、BFG、COG、及び、LDGの1種以上を改質してもよい。
上記利用態様で製造した還元ガスを、還元鉄製造装置に供給する前に、ガス成分を分析し、H2/COが所定の範囲内にあることを確認することが望ましい。
ただし、本発明においては、最終的に、還元鉄製造装置に供給する還元ガスとして、H2/COが所定の範囲内にある還元ガスが得られればよいので、製鉄プロセスで発生する副生ガスの利用態様は、図3に示す利用態様に限定されない。前述したように、製鉄プロセス以外で発生した還元能を備えるガスを混合してもよい。
所定の範囲のH2/COを有する還元ガスを製造するために、副生ガスの成分組成を調整する必要がある場合には、(a)成分分析を行なう前に、副生ガスを改質(脱CO2、CH4の加水分解等)するか、(b)副生ガスを複数混合するか、又は、(c)改質副生ガスと他の副生ガス(改質してもしなくてもよい)を混合する。
即ち、本発明においては、副生ガス及び/又は改質副生ガスの混合割合を調整し、還元ガスのH2/COを所定の範囲内に調整する。
また、本発明においては、製鉄プロセスで発生するH2及び/又はCOの含有率の異なる前記副生ガスの中から、1種又は2種以上の副生ガスを選択し、及び/又は、混合し、次いで、該副生ガスにH2O又はCO2を添加し、Fe、Ni、Co等の触媒の存在下で加熱して改質し、好ましくは改質後、窒素を除去し、還元ガスを製造してもよい。
この場合、副生ガス及びH2O又はCO2の混合割合を調整して改質し、好ましくは改質前に、予め、副生ガス中に含まれるN2、H2O、及び、CO2の1種又は2種以上を除去し、還元ガスのモル比H2/COを所定の範囲内に調整する。
本発明で用いる還元鉄製造装置は、酸化鉄原料を還元し得る装置であればよく、特定構造の還元装置に限定されないが、従来技術で用いるシャフト炉が好ましい。
酸化鉄原料は、主にFe23を含むものであればよく、その形態は、塊状鉄鉱石(塊鉱石)、粉状鉄鉱石(鉄含有ダスト類を含む)を塊成化した焼結鉱、及び、粉状鉄鉱石(鉄含有ダスト類を含む)を塊成化したペレットが好ましい。
還元鉄製造装置としてシャフト炉を用いる場合、酸化鉄原料として、例えば、粉状鉄鉱石を塊成化した焼結鉱:20質量%以上、及び、残部:塊状鉄鉱石、及び、粉状鉄鉱石を塊成化したペレット及びブリケットの1種又は2種以上からなる酸化鉄原料を使用することができる。
粉状鉄鉱石を塊成化したペレット及びブリケットは、それぞれ、焼成したものと、非焼成のものとに区分される。また、非焼成ペレットには、さらに、炭素を含有し、被還元性が向上した含炭ペレットがあり、また、非焼成ブリケットには、同じく、炭素を含有し、被還元性が向上した含炭ブリケットがある。
焼結鉱は、その他の塊成鉱及び塊状鉄鉱石に比べて、二次ヘマタイト(Fe23)の含有量が多く、かつ、気孔率が高く、還元粉化し易い。このため、酸化鉄原料中の焼結鉱の含有率(質量%)、焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、焼結鉱中の気孔率(体積%)は、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)、及び、還元炉内の通気性に影響する。
図4に、焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率及び焼結鉱気孔率と、還元粉化率との関係を示す。還元温度を還元粉化が進行し易い550℃に設定し、焼結鉱単体の還元粉化特性を調査した。図4に示すように、焼結鉱単体中の2次ヘマタイト含有率及び焼結鉱気孔率の増加に伴って、焼結鉱のRDI(%)は増加する、即ち、還元炉内の還元粉化率は増大する。
焼結鉱を、酸化鉄原料の一部又は全部として用いる場合、焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率及び焼結鉱気孔率に基づいて、予め、耐還元粉化指数RDI(%)を推定しておくことが必要である。
なお、耐還元粉化指数RDI(%)は、JIS M8720に準じて測定する。つまり、16−20mmに篩い分けた500gの焼結鉱試料を、550℃のもとで、CO:30%、N2:70%の還元ガス中で30分還元し、その後、回転ドラム内に充填し、900回転させた後、篩い分け、−2.83mmの割合(%)で表示する。
焼結鉱を含む酸化鉄原料の還元操業を安定的に継続するためには、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)を所要のレベルに維持しなければならない。
それ故、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)と、還元ガスのH2/COとの関係を予め求め、該関係に基づいて、H2/COの所定範囲を、耐還元粉化指数RDI(%)が許容限界値(上限値)以下となるように設定する。
まず、図5に、表2に示す成分組成と性状の焼結鉱、ペレット、及び、塊鉱石のそれぞれを酸化鉄原料として用い、550℃で還元した場合における、還元ガスのモル比H2/COと還元粉化率(%)の関係を示す。図5中、横軸上のH2/CO=1.5は、天然ガスを改質したときの一条件を示している。
Figure 0005064330
被還元性JIS−RIも、表2に示すように、塊鉱石<RDI35焼結鉱<ペレット<RDI45焼結鉱の順で増加する。一方、焼結鉱中の2次ヘマタイトや気孔率などの性状により焼結鉱の耐還元粉化指数RDIは変化する。このため、表2に示すように、耐還元粉化指数RDI(%)は、塊鉱石<ペレット<RDI35焼結鉱<RDI45焼結鉱の順に増加する。
つまり、表2に示すように、ペレット中の気孔率が、RDI35焼結鉱及びRDI45焼結鉱に比べて少ないので、ペレットの還元粉化率(%)は、RDI35焼結鉱及びRDI45焼結鉱の耐還元粉化指数RDI(%)より小さい値となる。
図6に、焼結鉱を配合した酸化鉄原料をシャフト炉に供給し、還元ガス温度1000℃で還元を行なう場合における、還元炉の安定操業を維持するための酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDIの許容限界値(上限値)と、還元ガスのH2/COの関係の一例を示す。
図6から、還元炉の通気性を良好に維持した安定操業を行うためには、酸化物原料の耐還元粉化指数RDIが増加するのに伴い、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDIの許容限界値(上限値)以下になるように、還元ガスのモル比H2/COを下げる必要があることが解る。
即ち、塊鉱石又はペレットと、これらよりも還元粉化し易い性状の焼結鉱を配合した酸化鉄原料を、シャフト炉で還元する場合、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合割合の増大、及び/又は、焼結鉱中の2次ヘマタイト及び気孔率の増加(耐還元粉化指数RDIの増加)に伴い、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDIは低下するため、その低下に応じ、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDIの許容限界値(上限値)以下になるように、還元ガスのモル比H2/COを下げなければ、安定操業を行うことができないこととなる。
図7に、表2に示す塊鉱石又はペレットと焼結鉱を適宜配合した酸化鉄原料(500g)を、550℃で90分、H2/CO:1.5又は1.0の還元ガスで還元したときの、焼結鉱の配合割合と還元粉化率の関係を示す。還元後、−3mmの粉率を測定し、還元粉化率とした。図7から、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合割合、及び/又は、H2/COが高くなると、還元粉化率は上昇することが解る。
図7において、シャフト炉における操業を安定化するための還元粉化率(%)の許容値(上限値)を、かりに35%とすると、酸化鉄原料の還元粉化率(%)が許容上限値:35%以下になるように、焼結鉱のRDIに影響を及ぼす焼結鉱中の気孔率、2次ヘマタイト量、及び、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合割合に応じて、還元ガスのH2/COを調整する必要がある。
ここで、一例として、図8に、RDI35焼結鉱と塊鉱石(表2、参照)を配合した酸化鉄原料をシャフト炉に装入し、還元温度:1000℃で還元したときの、還元炉の安定操業を維持するための還元粉化率の許容限界値(上限値)(%)と還元ガスのH2/COの関係を示す。
天然ガスを改質した通常の還元ガス(H2/CO=1.5)を使用するシャフト炉での操業においては、酸化物原料のRDIが15以上(焼結鉱配合率:20%以上に相当する)になると、還元過程(ヘマタイト→マグネタイト)で還元粉化率が増加して、操業が不安定になる。
焼結鉱は、塊鉱石、ペレットに比べて、気孔率及び2次ヘマタイト含有率が高く、かつ、RDIが高いので、焼結鉱を酸化鉄原料中に多量に配合すると、酸化鉄原料自体のRDIが高くなるので、還元ガスのH2/COを1.5以下にする必要がある。
図8に示す操業例は、LDG、COGの改質ガス、及び、BFGの改質ガスを混合して、還元ガスのH2/COを1.5以下に調整したものである。例えば、焼結鉱の配合割合が40%の場合、還元ガスのH2/COを1.1に調整する。この調整により、還元粉化率が低下して、安定操業を行うことができる。
即ち、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合割合、及び、酸化鉄原料中に配合する焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率、及び、焼結鉱気孔率に応じて、還元ガスのH2/COを、炉内還元粉化率が、安定操業が可能な許容限界値(上限値)になるように調整する。
したがって、予め、焼結鉱を配合した酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDIの許容限界値(上限値)と還元ガスのH2/COの関係を求め、該関係基づいて、酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDIが、還元粉化の許容限界値(上限値)以下となるように、還元ガスのH2/COを調整すれば、シャフト炉での還元操業を安定して継続することができる。
次に、酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)について説明する。
酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)は、得られる還元鉄の金属化率に影響するので、金属化率を高める場合には、酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)を考慮する必要がある。
なお、被還元性JIS−RI(%)は、JIS M8713に準じて測定する。つまり、19.0−22.4mmに篩い分けた500gの焼結鉱試料を、900℃のもとで、COを30%、N2を70%含む還元ガスで180分還元した後、還元前の被還元酸素量に対する還元酸素量の割合で表示する。
所定の金属化率(例えば、60%以上)を達成するためには、酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)を所要のレベルに維持しなければならない。それ故、被還元性JIS−RI(%)の許容限界値(下限値)と、還元ガスのH2/COとの関係を予め求め、該関係に基づいて、還元ガスのモル比H2/COの所定の範囲を、被還元性JIS−RI(%)の許容限界値(下限値)以上となるように設定する。
図9に、酸化鉄原料おして、表2に示す組成及び性状の焼結鉱、ペレット、及び、塊鉱石を、それぞれ単体でシャフト炉に装入し、900℃で還元したときの金属化率(%)と還元ガスのモル比H2/COの関係を示す。還元ガスのモル比H2/COの上昇に伴い、金属化率(%)は向上することが解る。
JIS−RI:65及びJIS−RI:75の焼結鉱と、JIS−RI:70のペレット、JIS−RI:55の塊鉱石(表2、参照)を、配合割合を変えて配合した500gの酸化鉄原料試料を、H2/CO=0.5、0.8、及び、1.5の条件で、900℃、180分還元した。還元後の金属化率(%)と、焼結鉱の配合割合の関係を、図10に示す。なお、図中には、金属化率(%)の許容値(下限値)60%のライン(図中、a)と、ベース原料と同等の金属化率を維持するライン(図中、b)を示した。
JIS−RI:75の焼結鉱の配合割合を高めていくと、金属化率(%)は上昇する。一方、JIS−RI:65の焼結鉱を使用する場合、塊鉱石と置換する場合においては、焼結鉱の配合割合を高めていくと、金属化率(%)は上昇するが、JIS−RI:70のペレッとの置換では、焼結鉱の配合率を高めると、金属化率(%)は低下する。
したがって、(i)H2/COと、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた、安定操業を維持するための酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)との関係に加え、(ii)H2/COと、還元鉄の平均金属化率(トータル鉄に対する金属鉄の質量割合):60%以上を達成するための酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)の許容限界値(下限値)との関係が重要である。
図11に、還元ガス温度1000℃の条件における、H2/COと、金属化率(トータル鉄に対する金属鉄の質量割合):60〜85%を達成する酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)の関係を示す。被還元性JIS−RI(%)の上昇を狙う場合、還元ガスのモル比H2/COを低減する必要があることが解る。
したがって、60%以上の金属化率を確実に得るには、還元ガスのモル比H2/COは、(i)H2/COと、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた、安定操業を維持するための酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)との関係、及び、(ii)H2/COと、還元鉄の平均金属化率(トータル鉄に対する金属鉄の質量割合):60%以上を達成するための酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)の許容限界値(下限値)との関係に基づいて、被還元性JIS−RI(%)が許容限界値(下限値)以上で、耐還元粉化指数RDI(%)が許容限界値(上限値)以下となるように設定する必要がある。
図12に、焼結鉱と塊鉱石を混合した酸化鉄原料を用い、還元ガス温度1000℃で還元した場合における、金属化率60%と通気性(炉内粉率上限)を満足するJIS−RIとモル比H2/COの関係を示す。
通常操業では、JIS−RI:55程度の塊鉱石を使用し、天然ガスを改質したガス(H2/CO=1.5)で操業しているが、天然ガスの代わりに製鉄プロセスで発生する副生ガス:LDG+COGを使用し、H2/CO=1.20で操業したところ、還元鉄(製品)の金属化率が低下し、操業が不安定になった。
図13に、焼結鉱とペレットを混合した酸化鉄原料を用い、還元ガス温度1000℃で還元した場合における、金属化率60%と通気性(炉内粉率上限)を満足するJIS−RIとモル比H2/COの関係を示す。
ペレットは、塊状鉄鉱石に比べて、JIS−RIが高く、RDIが高いので、図12に示す関係に比べて、JIS−RIが高く、RDIが高い条件で、通気性と還元性を同時に満足する操業範囲が存在する。製鉄プロセスで発生する副生ガス:LDG+COGを混合し、H2/CO=1.20となるように調整して操業する場合、酸化鉄原料のJIS−RIが67以上の範囲(RDI35焼結鉱の場合)、又は、73以下の範囲(RDI145焼結鉱の場合)にあれば、下限金属化率60%と通気性を同時に満足する安定操業域が存在する。
2)次に、銑鉄の製造方法について説明する。
本発明の銑鉄の製造方法においては、本発明の還元鉄の製造方法で製造した還元鉄の1部又は全部を、高炉や、コークス充填型溶融炉、電気炉、及び、転炉に装入して溶融し、銑鉄を製造する。
還元鉄の1部又は全部を、スクラップや粒銑、形銑の一部又は全部に替えて転炉やTPC(混銑車)等の溶銑搬送装置に装入してもよい。この時、製造した還元鉄を熱間で装入することが望ましい。
例えば、還元鉄製造炉の出側に断熱構造のホッパーを設け、所定量をTPC(混銑車)に切り出し、その後、TPCで受銑することにより製造した還元鉄を溶解し、溶銑を増やすことができる。700℃で装入した場合、常温の約1.5倍の還元鉄を、混銑車(TPC)等の混銑炉内に投入することができる。
本発明は、このように、製鉄プロセスで発生する副生ガスを活用して酸化鉄原料を還元して還元鉄を製造する工程、及び、該工程で製造した還元鉄を含む製鉄原料を溶融する工程を通じ、製鉄プロセスで発生するCO2の量を削減することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例で採用する条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
COGとLDGを混合した還元ガスを用いて還元鉄を製造し、冷却した後、還元鉄を竪型溶解炉で溶解した例を示す。気体に係る%は「モル%」を意味する。
ガス分析の結果、COGの成分組成は、CO:5%、H2:55%で、LDGの成分組成は、CO:70%、H2:20%であった(表1、参照)。そこで、COG:65%、LDG:35%の割合で混合し、還元ガスを製造した。還元ガスの成分組成は、分析の結果、表3に示すように、CO:27.8%、H2:42.8%であり、計画通りの混合であった。
Figure 0005064330
表3に示す還元ガスを、28kNm3/Hr(COG:18kNm3/Hr、LDG:10kNm3/Hr)で還元鉄製造装置に供給した。還元鉄供給装置は、φ5mの縦型シャフト炉本体、還元ガス予熱炉、除塵装置、CO2除去装置等から構成されているものである。
還元鉄製造装置に、酸化鉄原料として、塊鉱石とペレットを半々で配合したものを装入した。塊鉱石とペレットの径は、略10mm程度である。900℃に加熱した還元ガスを、ショフト炉本体に供給し、還元鉄を製造した。還元鉄の再酸化を防止するため、熱間でブリケット(以下、HBI(ホットブリケットアイアン))にして冷却した。生産速度は、約40t/Hであった。
上記HBIを、67m3のキュポラに装入して溶解し、銑鉄を製造した。還元鉄製造から銑鉄製造までに要したエネルギーは4.4Gcal/tであり、大型高炉での溶銑製造エネルギー4.2Gcal/tより大きいが、CO2発生量は、1200kg/tであり、高炉法によるCO2発生量:1600kg/tの3/4であった。これは、製鉄プロセスで発生するH2を含む副生ガスを還元ガスとして活用したことによるものといえる。
(実施例2)
還元ガスとして天然ガスを改質したガス(H2/CO=約1.5)、酸化鉄原料として、塊鉱石(RDI:10%、JIS−RI:55)とペレット(RDI:15%、JIS−RI:70)を用い、シャフト炉で通常の操業を実施した。次に、比較例1及び2として、上記酸化物原料にRDI:35%、JIS−RI:65の焼結鉱、又は、RDI:45%、JIS−RI:75の焼結鉱を配合して操業し、操業状態を確認した。
次に、本発明の実施例として、還元ガスとして、製鉄プロセスで発生した高炉ガス(BFG)、コークス炉ガス(COG)、及び、転炉ガス(LDG)を、そのまま又は改質して混合し、H2/COを、所定の範囲内に調整した還元ガスを製造し、該還元ガスを用い、酸化鉄原料として、RDIの異なる焼結鉱を所定の配合割合で配合した酸化鉄原料をシャフト炉に装入し、同様に、操業状態を確認した。
表4に、試験条件及び試験結果を示す。
Figure 0005064330
表4において比較例1は、酸化物原料に、RDI:35%、JIS−RI:65の焼結鉱を20%配合した操業例であるが、天然ガスを改質したH2/CO:1.5の還元ガスで、安定操業が可能であった。
次に、比較例2として、酸化物原料に、RDI:45%、JIS-RI:75の焼結鉱を配合し、その配合割合を25%に増加し、他の条件は、比較例1と同じ条件で操業を実施した。その結果、焼結鉱のRDIの増加、又は、酸化物原料中の焼結鉱配合割合の増加に伴う還元粉化により、通気変動が生じ始め、操業が不安定となった。
実施例1は、焼結鉱の配合割合及び還元ガスの条件以外は、比較例1と同じ条件で、天然ガスに転炉ガス(LDG)を混合して、H2/CO:1.2に低下させた還元ガスを用いた操業例である。実施例1の操業例は、酸化物原料中の焼結鉱の配合割合が、比較例1よりも高い25%の場合でも、還元ガスのH2/COの低下により、安定操業が可能となった例である。
実施例2は、還元ガスの条件以外は、実施例1と同じ条件で、還元ガスとして、製鉄所の副生ガスであるコークス炉ガス(COG)と転炉ガス(LDG)を混合して、H2/CO:1.2に調整した還元ガスを用いた操業例である。同様に、安定操業が可能となった操業例である。
実施例3は、還元ガスのH2/CO、及び、焼結鉱の配合割合以外は、実施例2と同じ条件で、焼結鉱の配合割合を50%に増加した操業例である。還元ガスのH2/COを1.0に調整することで、安定操業が可能となった操業例である。
実施例1〜3の結果を含む、還元粉化率の許容値(上限値)及び酸化物原料のRDIと、還元ガスのH2/COとの関係は、図6に示す傾向にある。
塊鉱石やペレットに比べて、気孔率及び2次へマタイト含有率が高く、かつ、RDIが高い焼結鉱を、酸化物原料中に多量に配合する場合は、酸化物原料のRDIが高くたるため、H2/COの異なる複数の製鉄所副生ガスを混合して、H2/COを1.5より低くなるように調整する必要がある。
実施例4は、実施例3よりもRDIが高い焼結鉱(RDI:45の焼結鉱)を、実施例3よりも高い60%の配合割合で配合し、コークス炉ガス(COG)と転炉ガス(LDG)の混合比により、還元ガスのH2/COを、実施例3よりも低く(H2/CO:0.5)調整した操業例である。実施例4では、実施例3よりも、酸化物原料のRDIが増加したにもかかわらず、安定操業が可能となった。
実施例5は、高炉ガス(BFG)、コークス炉ガス(COG)、及び、転炉ガス(LDG)を混合し、H2/CO:0.4に調整した還元ガスを用い、酸化物原料中のRDI:45の焼結鉱を70%に増加し、残部をペレット(30%)とした操業例であるが、安定操業が可能であった。
前述したように、本発明によれば、製鉄プロセスで発生する副生ガスを有効に還元鉄の製造に用いることができるととともに、製鉄プロセスで発生するCO2量を、高炉法で発生するCO2量より低減することができる。よって、本発明は、製鉄産業において利用可能性が高いものである。
製鉄プロセスで発生する副生ガスの従来の利用態様を示す図である。 製鉄プロセスで発生する副生ガスの本発明の利用態様を示す図である。 酸化鉄の還元平衡状態図である。(a)は、酸化鉄とCOの還元平衡状態図であり、(b)は、酸化鉄とH2の還元平衡状態図である。 酸化物原料が焼結鉱単体の場合における、気孔率及び2次ヘマタイト含有率と還元粉化率の許容値(上限値)との関係の一例を示す図である。 酸化物原料が、焼結鉱単体、ペレット単体、及び、塊鉱石単体の場合における、還元ガスのH2/COと還元粉化率との関係の一例を示す図である。 焼結鉱を配合した酸化鉄原料の、還元炉の安定操業を維持するための耐還元粉化指数RDIの許容限界値(上限値)と、還元ガスのH2/COの関係を示す図である。 酸化物原料中の焼結鉱の配合割合及び還元ガスのH2/COと、還元粉化率との関係の一例を示す図である。 焼結鉱の配合割合と、還元ガスのH2/COとの関係の一例を示す図である。 焼結鉱、ペレット、及び、塊鉱石を、それぞれ単体で酸化鉄原料として用い900℃で還元したときの金属化率(%)と還元ガスのモル比H2/COの関係を示す図である。 酸化鉄原料中の焼結鉱の配合割合と、還元後の金属化率(%)との関係を示す図である。 還元ガス温度1000℃の条件における、H2/COと、金属化率(トータル鉄に対する金属鉄の質量割合):60〜85%を達成する酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)の関係を示す図である。 焼結鉱と塊鉱石を混合した酸化鉄原料を用い、還元ガス温度1000℃で還元した場合における、金属化率60%と通気性(炉内粉率上限)を満足するJIS−RIとモル比H2/COの関係を示す図である。 焼結鉱とペレットを混合した酸化鉄原料を用い、還元ガス温度1000℃で還元した場合における、金属化率60%と通気性(炉内粉率上限)を満足するJIS−RIとモル比H2/COの関係を示す。

Claims (13)

  1. 酸化鉄原料を還元ガスで還元して還元鉄を製造する方法において、
    (i)製鉄プロセスで発生するH及び/又はCOを含む複数の副生ガスを混合し、H 含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H /COを所定の範囲内に調整することにより還元ガスを製造し、
    (ii)上記還元ガスを還元鉄製造装置に供給する
    ことを特徴とする還元鉄の製造方法。
  2. 前記副生ガスが、高炉及び/又はコークス充填型溶融炉より発生した副生ガス、コークス炉より発生した副生ガス、及び、転炉より発生した副生ガスであることを特徴とする請求項1に記載の還元鉄の製造方法。
  3. 及び/又はCOの含有の異なる前記副生ガスの中から2種以上の副生ガスを選択して混合し、H含有率[モル%]及びCO含有率[モル%]、並びに、H含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H/COを調整して還元ガスを製造することを特徴とする請求項1又は2に記載の還元鉄の製造方法。
  4. 及び/又はCOの含有率の異なる前記副生ガスの中から1種又は2種以上の副生ガスを選択し、及び/又は、混合し、次いで、該副生ガスにHO及び/又はCOを添加して改質し、H含有率[モル%]及びCO含有率[モル%]、並びに、H含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H/COを調整して還元ガスを製造することを特徴とする請求項1又は2に記載の還元鉄の製造方法。
  5. 及び/又はCOの含有率の異なる前記副生ガスの中から選択した1種又は2種以上の副生ガスと、該副生ガスにHO及び/又はCOを添加して改質したH及び/又はCOの含有率の異なる改質副生ガスの中から、1種又は2種以上の副生ガスを選択して混合し、H含有率[モル%]及びCO含有率[モル%]、並びに、H含有率[モル%]とCO含有率[モル%]の比:H/COを調整して還元ガスを製造することを特徴とする請求項1又は2に記載の還元鉄の製造方法。
  6. 前記H及び/又はCOの含有の異なる副生ガスの中から選択した副生ガスは、予め、副生ガス中に含まれるN、HO、及び、COの1種又は2種以上を除去したものであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の還元鉄の製造方法。
  7. 前記還元鉄製造方法がシャフト炉であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の還元鉄の製造方法。
  8. 前記シャフト炉に装入する酸化鉄原料が、粉状鉄鉱石を塊成化した焼結鉱:20質量%以上と、残部:塊状鉄鉱石、及び、粉状鉄鉱石を塊成化したペレット及びブリケットの1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項7に記載の還元鉄の製造方法。
  9. 前記還元ガスのH/COを、
    (i)H/COと、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた、安定操業を維持するための上記酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)との関係に基づいて、耐還元粉化指数RDI(%)が許容限界値(上限値)以下となるように設定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の還元鉄の製造方法。
  10. 前記還元ガスのH/COを、
    (i)H/COと、酸化鉄原料中の焼結鉱の配合率(質量%)、該焼結鉱中の2次ヘマタイト含有率(質量%)、及び、該焼結鉱中の気孔率(体積%)に応じて求めた、安定操業を維持するための上記酸化鉄原料の耐還元粉化指数RDI(%)の許容限界値(上限値)との関係、及び、
    (ii)H/COと、還元鉄の平均金属化率(トータル鉄に対する金属鉄の質量割合):60%以上を達成するための上記酸化鉄原料の被還元性JIS−RI(%)の許容限界値(下限値)との関係に基づいて、被還元性JIS−RI(%)が許容限界値(下限値)以上で、耐還元粉化指数RDI(%)が許容限界値(上限値)以下となるように設定することを特徴とする請求項8に記載の還元鉄の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の還元鉄の製造方法で製造した還元鉄の部又は全部を、溶融還元炉に装入して溶融及び還元し銑鉄を製造することを特徴とする銑鉄の製造方法。
  12. 前記還元鉄の部又は全部を、スクラップ、粒銑、及び、形銑の一部又は全部に替えて装入することを特徴とする請求項11に記載の銑鉄の製造方法。
  13. 前記溶融還元炉が、高炉、コークス充填型溶融炉、電気炉、転炉、及び、混銑炉のいずれかであることを特徴とする請求項11又は12に記載の銑鉄の製造方法。
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