JP2003027124A - 冷鉄源の溶解方法 - Google Patents

冷鉄源の溶解方法

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JP2003027124A
JP2003027124A JP2001209112A JP2001209112A JP2003027124A JP 2003027124 A JP2003027124 A JP 2003027124A JP 2001209112 A JP2001209112 A JP 2001209112A JP 2001209112 A JP2001209112 A JP 2001209112A JP 2003027124 A JP2003027124 A JP 2003027124A
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melting
exhaust gas
iron
chamber
scrap
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Toshimichi Maki
敏道 牧
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク溶解設備を用いて鉄スクラップ等の冷
鉄源を溶解する際に、アーク溶解設備から排出される排
ガス中のダイオキシン類等の有害物質を低コストで低減
する。 【解決手段】 冷鉄源18,19を溶解するための溶解
室2と、溶解室から排出される排ガスを昇温する燃焼室
32と、燃焼室から排出される排ガスを冷却する冷却設
備35と、を備えたアーク溶解設備を用い、溶解用鉄源
として鉄スクラップ、直接還元鉄、冷銑のうちの少なく
とも1種と、廃車プレス屑、廃家電屑のうちの少なくと
も1種とを溶解室内に装入してアーク22により溶解
し、この溶解中に発生する排ガス中の可燃性ガスを燃焼
室で燃焼して排ガスを昇温し、その後、冷却設備で排ガ
スを冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップ、直
接還元鉄及び廃車プレス屑等の冷鉄源をアークにて溶解
する冷鉄源の溶解方法に関し、詳しくはダイオキシン類
等の有害物質の排出量を低コストで少なくすることの可
能な溶解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、資源及び環境問題から、発生量の
多い鉄スクラップをアーク溶解設備により溶解するプロ
セスが増加している。アーク溶解設備において鉄スクラ
ップ等の冷鉄源を溶解する際には、鉄スクラップ等に付
着している油分や鉄スクラップに混入しているプラスチ
ック及びビニール類が鉄スクラップの溶解中に加熱さ
れ、ダイオキシン類等の有害物質が発生して排ガス中に
混入することが知られている。
【0003】このダイオキシン類等の有害物質の排出を
効率良く低減する手段として、排ガスを昇温し、排ガス
中に含まれる有害物質を燃焼・分解する方法が提案され
ており、例えば、特開平6−117780号公報には、
アーク溶解設備の溶解室又は原料予熱装置からの排ガス
をバーナーが設置された燃焼室に導入し、このバーナー
により排ガスを燃焼・加熱してダイオキシン類等の有害
物質を分解し、その後、加熱した排ガスをガスクーラー
に導入し、噴霧水により急冷してダイオキシン類等の再
合成を防止する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された方法では、アーク溶解設備又は原料予熱
装置からの排ガスを昇温するための燃料が必要である。
ダイオキシン類を完全に分解するにはおよそ800℃以
上に加熱する必要があり、一般に用いられている、生産
能力が50トン/hr〜100トン/hr規模のアーク
溶解設備においては、灯油に換算しておよそ溶鋼1トン
当たり25リットル以上の排ガス昇温用燃料が必要であ
る。これを溶鋼1トン当たりのコストに換算すると50
0円程度となり、鉄スクラップを溶解するための電力消
費量コストの20〜25%にも相当するコスト増加とな
る。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、アーク溶解設備を用いて鉄ス
クラップ等の冷鉄源を溶解する際に、アーク溶解設備か
ら排出される排ガス中のダイオキシン類等の有害物質を
低コストで低減することができる冷鉄源の溶解方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明による冷鉄源
の溶解方法は、冷鉄源を溶解するための溶解室と、溶解
室から排出される排ガスを昇温する燃焼室と、燃焼室か
ら排出される排ガスを冷却する冷却設備と、を備えたア
ーク溶解設備を用い、溶解用鉄源として鉄スクラップ、
直接還元鉄、冷銑のうちの少なくとも1種と、廃車プレ
ス屑、廃家電屑のうちの少なくとも1種とを溶解室内に
装入してアークにより溶解し、この溶解中に発生する排
ガス中の可燃性ガスを燃焼室で燃焼して排ガスを昇温
し、その後、冷却設備で排ガスを冷却することを特徴と
するものである。
【0007】第2の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
1の発明において、前記燃焼室は排ガスを加熱するため
の加熱源を備えており、この加熱源により排ガスを昇温
することを特徴とするものである。
【0008】第3の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
1の発明又は第2の発明において、前記燃焼室では排ガ
スを800℃以上まで昇温し、前記冷却設備では排ガス
を250℃以下まで冷却することを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明においては廃車プレス屑及び廃家電
屑のうちの少なくとも1種と、鉄スクラップ、直接還元
鉄、冷銑のうちの少なくとも1種とを溶解室内で一緒に
溶解する。廃車プレス屑及び廃家電屑にはプラスチッ
ク、ウレタン、ゴム、布等の可燃物質が含まれている。
因みに自動車1台に相当する廃車プレス屑の発熱量はお
よそ3350MJ(800Mcal)程度である。
【0010】これらの可燃物質が溶解中にガス化してC
Oガスや水素ガス等の可燃性ガスが生成される。この可
燃性ガスは、溶解室内への侵入空気等により一部は燃焼
するが、未燃焼の状態で排ガスとして溶解室から排出さ
れる。この未燃焼の可燃性ガスを溶解室の後段に設置し
た燃焼室で燃焼させ、この燃焼熱により排ガスをダイオ
キシン類等の有害物質の分解に十分な温度、例えば80
0℃以上に昇温する。燃焼室内に空気を導入することに
より可燃性ガスは容易に燃焼室内で燃焼する。更に、燃
焼室の後段には排ガスを急速に冷却するための冷却装置
を設け、800℃以上の排ガスを250℃以下に急冷す
る。これによりダイオキシン類等の有害物質の再合成を
防止することができ、最終的に排ガス中のダイオキシン
類等の有害物質の濃度を規制値以下にすることができ
る。
【0011】即ち、本発明では廃車プレス屑又は廃家電
屑に含まれる、プラスチック、ウレタン、ゴム、布等の
可燃物質がガス化した際に発生するCOガスや水素ガス
等の可燃性ガスを熱源として排ガスを昇温するので、排
ガスを昇温するための燃焼が別途必要でなく、低コスト
でダイオキシン類等の有害物質の低減が可能である。
【0012】但し、廃車プレス屑又は廃家電屑の溶解が
進行して可燃性ガスの発生量が低下し、排ガス温度をダ
イオキシン類等の有害物質の分解に十分な温度に維持で
きなくなる場合も発生する。この場合には、燃焼室に加
熱源を設け、この加熱源により廃ガスの昇温を補助する
ことにより、所定の温度以上に保つことができる。
【0013】尚、本発明において、廃車プレス屑とは、
バッテリーやタイヤ等の有価部品が取り除かれた使用済
み自動車をプレスしたものやプレス後に切断したもので
あり、又、廃家電屑とは、冷却剤等の除去すべき部分が
取り除かれた使用済み家電機器のプレスする前のもの又
はプレス後のもので、除去すべき部分がない場合には廃
家電機器の形状そのままであっても良い。家電機器の外
殻は直方体形状をしており、家電機器の大きさであれば
その大きさのままでも大半の家電機器は通常のアーク溶
解設備で溶解することができるので、使用済み家電機器
の場合には、プレス費用を削減する観点からプレスせ
ず、その形状のままで溶解することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。先ず、第1の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示
す図であって、本発明による溶解方法を実施したアーク
溶解設備の概略図である。
【0015】図1に示すように、このアーク溶解設備
は、鉄スクラップ18や廃車プレス屑19等の冷鉄源を
溶解するための溶解設備1と、溶解設備1から発生する
排ガスを処理するための排ガス処理設備31とを備えて
いる。溶解設備1は、内部に耐火物が施行された溶解室
2と、溶解室2の側壁に接続して設置された水冷構造の
側壁部4と、側壁部4の上部開口部を覆うように設置さ
れた、開閉自在な水冷構造の蓋5とを備えており、側壁
部4には排ガス処理設備31に連結するダクト14が設
置されている。
【0016】蓋5を貫通して溶解室2の上方からその中
にほぼ垂直に上部電極7が挿入されており、一方、溶解
室2の底部には、上部電極7とほぼ対向する位置に底部
電極6が設けられている。底部電極6と上部電極7とは
直流電源(図示せず)に連結されており、底部電極6と
上部電極7との間でアーク22を発生させる。
【0017】溶解室2には、溶解用鉄源として鉄スクラ
ップ18、直接還元鉄、冷銑のうちの1種若しくは2種
以上と廃車プレス屑19、廃家電屑のうちの少なくとも
1種とが蓋5を開放して適宜の手段により予め装入さ
れ、装入されたこれら冷鉄源は、底部電極6と上部電極
7との間に形成されるアーク22により溶解され、溶湯
20となる。溶湯20の上にはスラグ21が形成されて
おり、アーク22はこのスラグ21内に形成されること
となる。図1は、鉄スクラップ18と廃車プレス屑19
とを溶解用鉄源として使用した場合を示している。
【0018】又、溶解室2には酸素吹き込みランス8と
炭材吹き込みランス9とがその先端を溶湯20の湯面に
向けて挿入されており、酸素吹き込みランス8からは酸
素が供給され、炭材吹き込みランス9からは補助熱源と
しての炭材、例えばコークス等が吹き込まれる。酸素吹
き込みランス8より溶湯20中若しくはスラグ21中に
酸素を吹き込むことにより、溶湯20の加熱を補助する
ことができ、又、炭材吹き込みランス9より炭材を供給
することにより、炭材と酸素との反応によりCOガスを
生じさせて溶湯20の加熱を補助することができるの
で、酸素及び炭材を吹き込むことが好ましい。
【0019】溶解室2のダクト14が設置されている側
とは異なる部分に設けられた突出部2aには、その底部
に、扉15で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又
はマッド剤が充填された出湯口10と、その側壁に、扉
16で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又はマッ
ド剤が充填された出滓口11とが設けられている。
【0020】ダクト14の下流側の排ガス処理設備31
として、先ず最初に燃焼室32がダクト14と連結して
設けられている。燃焼室32には空気等の酸素含有ガス
が導入されるようになっており、排ガス中に含まれる可
燃性ガスはこの酸素含有ガスによりほぼ完全に燃焼し、
排ガスを昇温する。但し、未燃焼の可燃性ガス量が少な
い場合には、所定の温度まで排ガスを昇温できないの
で、補助としてバーナー33が設置されている。バーナ
ー33で重油、灯油、LPG等の化石燃料を燃焼するこ
とにより、排ガスを所定温度まで昇温することができ
る。燃焼室32には温度計34が設置されており、排ガ
ス温度は温度計34に監視され、常に所定温度以上にな
るように制御されている。
【0021】燃焼室32の下流側には排ガスの冷却装置
としてガス冷却塔35が設置されており、昇温された排
ガスをガス冷却塔35により急冷することにより、前述
したように、ダイオキシン類に代表される芳香族塩素化
合物等の有害物質の発生、並びに、白煙・悪臭の発生を
防止することができる。
【0022】ガス冷却塔35の下流側には、吸着剤供給
部36が設けられており、そこから排ガスに吸着剤を供
給することにより、有害物質を更に低レベルまで低減す
ることができる。この場合に、吸着剤としては消石灰、
活性炭、石炭灰等を用いることができ、これらを排ガス
に噴霧することにより供給することができる。更に、排
ガスはバグフィルター37を経てスタック38に至り大
気に放出される。尚、参照符号39はブロワーである。
【0023】このように構成されるアーク溶解設備にお
いて冷鉄源を溶解するに際しては、先ず、溶解室2に鉄
スクラップ18、直接還元鉄、冷銑のうちの少なくとも
1種と廃車プレス屑19、廃家電屑のうちの少なくとも
1種とを装入し、上部電極7によりアーク22を形成
し、装入したこれらの冷鉄源を溶解する。この際に、酸
素吹き込みランス8により酸素を供給し、装入した冷鉄
源の溶解を補助する。そして、溶解室2内に溶湯20が
溜まってきたら、炭材吹き込みランス9から溶湯20中
若しくはスラグ21中に補助熱源としての炭材を吹き込
み、生成するCOガス気泡23によりスラグ21をフォ
ーミングさせ、スラグフォーミング操業に移行し、上部
電極7の先端をスラグ21中に埋没させてアーク22が
スラグ21内に形成されるようにする。この補助熱源と
しての炭材は供給された酸素により燃焼し、鉄スクラッ
プ18や廃車プレス屑19の溶解に寄与する。
【0024】溶解が進行して溶解室2内の鉄スクラップ
18や廃車プレス屑19等が減少したら、溶解を中断
し、蓋5を解放して鉄スクラップ18、直接還元鉄、冷
銑のうちの少なくとも1種と廃車プレス屑19、廃家電
屑のうちの少なくとも1種とを追加装入し、蓋5を閉鎖
して溶解を再開する。
【0025】このようにして溶解を続け、所定量の溶湯
20、例えば1ヒート分の溶湯20が溶解室2内に溜ま
ったなら、溶解室2を出湯口10側に傾動させつつ、出
湯口10を塞いでいた扉15を開き、出湯口10から1
ヒート分の溶湯20を溶湯保持容器(図示せず)へ出湯
する。
【0026】この間、廃車プレス屑19中及び廃家電屑
中の鉄分はアーク加熱及び溶湯20の熱により溶解さ
れ、一方、廃車プレス屑19中及び廃家電屑中の可燃物
質は熱分解されてCOガスや水素ガス等の可燃性ガスと
なる。この可燃性ガスは溶解室2内に侵入する空気等に
より一部燃焼するが、未燃焼の可燃性ガスは排ガス共に
ブロワー39により吸引され、ダクト14を経由して、
排ガス処理設備31に導かれる。
【0027】排ガス中の可燃性ガスは燃焼室32内に供
給される酸素含有ガスにより燃焼し、排ガスは昇温され
る。ダイオキシン類等の有害物質を分解するために排ガ
ス温度を800℃以上にする必要があり、排ガス中の可
燃性ガスの燃焼のみでは排ガスを800℃以上に昇温で
きない場合には、バーナー33を用いて800℃以上に
昇温する。これにより排ガス中に含まれるダイオキシン
類等の有害物質を分解することができる。そして、燃焼
室32で800℃以上に昇温された排ガスはガス冷却塔
35で250℃以下に急冷されるので、ダイオキシン類
等の有害物質の再合成が防止され、ダイオキシン類に代
表される芳香族塩素化合物等の有害物質の発生並びに白
煙・悪臭の発生を完全に防止することができる。更に、
吸着剤供給部36から吸着剤を排ガスに供給することに
より、排ガス中の有害物質をより一層低レベルまで低減
することができる。
【0028】排ガスはバグフィルター37を経てスタッ
ク38に至り大気に放出される。この場合、有害物質の
発生を有効に防止する観点からは、燃焼室32内におけ
る排ガスの温度をこれらの分解が促進される850℃以
上に昇温することが好ましく、900℃以上にすること
が一層好ましい。
【0029】このように、本発明では、鉄スクラップ1
8、直接還元鉄、冷銑のうちの少なくとも1種と同時
に、可燃物質を大量に含む廃車プレス屑19又は廃家電
屑を溶解するので、廃車プレス屑19又は廃家電屑に含
まれる可燃物質がガス化した際に発生するCOガスや水
素ガス等の可燃性ガスを熱源として排ガスを昇温するこ
とができ、排ガスを昇温するための燃焼が別途必要でな
く、低コストでダイオキシン類等の有害物質の低減が可
能となる。
【0030】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図2は、本発明の第2の実施の形態を示す図であっ
て、本発明による溶解方法を実施したアーク溶解設備の
概略図である。図2に示すように、このアーク溶解設備
は、鉄スクラップ18や廃プレス屑19等の冷鉄源を溶
解するための溶解設備1Aと、溶解設備1Aから発生す
る排ガスを処理するための排ガス処理設備31とを備え
ている。
【0031】この溶解設備1Aは、溶解室2の上部に直
結し、上方に向かって延在するシャフト型の予熱室3を
備えており、側壁部4の上部開口部には予熱室3で覆わ
れない範囲に蓋5が設置されている。予熱室3の上方に
は、鉄スクラップ18や廃車プレス屑19等の冷鉄源を
供給するための底開き型の供給用バケット12が走行台
車17に吊り下げられて設けられており、この供給用バ
ケット12により、予熱室3の上部に設けられた供給口
13を開閉させて、鉄スクラップ18や廃車プレス屑1
9等の冷鉄源が溶解用鉄源として予熱室3内に装入され
る。又、予熱室3の上部には、排ガス処理設備31に連
結するダクト14が設けられており、溶解室2で発生す
る高温の排ガスは、予熱室3及びダクト14を経由して
排出される。その際、予熱室3を通過する排ガスによ
り、予熱室3内に装入された溶解用鉄源が予熱されるよ
うになっている。溶解設備1Aが、図1に示す溶解設備
1と対比して異なる部分は以上の点であり、その他の部
分は図1に示す溶解設備1と同一である。溶解設備1と
同一の部分は同一符号により示し、その説明は省略す
る。尚、排ガス処理設備31は図1に示す排ガス処理設
備31と同一である。
【0032】このように構成されるアーク溶解設備にお
ける冷鉄源の溶解方法は、基本的には上述した第1の実
施の形態と同様であり、そのため重複することもある
が、以下に説明する。
【0033】先ず、供給用バケット12を介して鉄スク
ラップ18、直接還元鉄、冷銑のうちの1種若しくは2
種以上と、廃車プレス屑19、廃家電屑のうちの少なく
とも1種とを予熱室3内に装入する。予熱室3内に装入
されたこれらの冷鉄源は、溶解室2内にも初装入として
装入される。こうして、鉄スクラップ18、直接還元
鉄、冷銑のうちの1種若しくは2種以上と廃車プレス屑
19、廃家電屑のうちの少なくとも1種とから構成され
る冷鉄源が溶解室2と予熱室3とに連続して存在する状
態とする。この場合、初装入としての冷鉄源を溶解室2
内へ均一に装入するため、蓋5を開けて予熱室3と反対
側の溶解室2内に冷鉄源を予め装入しておくこともでき
る。
【0034】次いで、上部電極7によりアーク22を形
成し、発生するアーク熱により冷鉄源を溶解する。この
際に、酸素吹き込みランス8により酸素を供給し、冷鉄
源の溶解を補助する。そして、溶解室2内に溶湯20が
溜まってきたら、炭材吹き込みランス9からスラグ21
中に補助熱源としての炭材を吹き込む。吹き込まれた炭
材と、吹き込まれる酸素とが反応して燃焼熱を発生し、
補助熱源として作用して電力使用量を節約すると共に、
反応生成物のCOガス気泡23がスラグ21をフォーミ
ングさせ、アーク22がスラグ21に包まれるので、ア
ーク22の着熱効率が上昇する。又、これらにより発生
する排ガスは予熱室3及びダクト14を経由して排出さ
れ、この排ガスの熱により予熱室3内の冷鉄源が予熱さ
れる。
【0035】溶解室2内での冷鉄源の溶解に伴い、予熱
室3内の冷鉄源が順次溶解室2内に供給されるため、予
熱室3内の冷鉄源の上端位置が低下してくる。この場
合、予熱室3内に装入した冷鉄源が溶解室2と予熱室3
とに連続して存在する状態を保つように、供給用バケッ
ト12から予熱室3へ、鉄スクラップ18、直接還元
鉄、冷銑のうちの1種若しくは2種以上と廃車プレス屑
19、廃家電屑のうちの少なくとも1種とから構成され
る冷鉄源を連続的又は断続的に装入する。これにより、
常に一定以上の冷鉄源が溶解室2内及び予熱室3内に存
在している状態が保たれる。図1は、鉄スクラップ18
と廃車プレス屑19とを溶解用鉄源として使用した場合
を示している。
【0036】このように、冷鉄源を連続的若しくは断続
的に予熱室3内に供給しながら、溶解室2内の冷鉄源を
溶解し、所定量の溶湯20が溶解室2内に生成したなら
ば、溶解室2を出湯口10側に傾動し、溶解室2及び予
熱室3に冷鉄源が連続して存在する状態で出湯口10か
ら溶湯保持容器(図示せず)に1ヒート分の溶湯20を
出湯する。溶湯20を出湯し、更に必要に応じてスラグ
21を排滓した後、溶解室2を水平に戻して溶解を再開
する。
【0037】この間、廃車プレス屑19中及び廃家電屑
中の鉄分はアーク加熱及び溶湯20の熱により溶解さ
れ、一方、廃車プレス屑19中及び廃家電屑中の可燃物
質は予熱室3内又は溶解室2内で排ガスの熱又は溶湯2
0の熱により熱分解され、COガスや水素ガス等の可燃
性ガスとなる。この可燃性ガスは溶解室2内に侵入する
空気等により一部燃焼するが、未燃焼の可燃性ガスは排
ガス共にブロワー39により吸引され、ダクト14を経
由して、排ガス処理設備31に導かれる。
【0038】排ガス中の可燃性ガスは燃焼室32内に供
給される酸素含有ガスにより燃焼し、排ガスは昇温され
る。ダイオキシン類等の有害物質を分解するために排ガ
ス温度を800℃以上にする必要があり、排ガス中の可
燃性ガスの燃焼のみでは排ガスを800℃以上に昇温で
きない場合には、バーナー33を用いて800℃以上に
昇温する。これにより排ガス中に含まれるダイオキシン
類等の有害物質を分解することができる。そして、燃焼
室32で800℃以上に昇温された排ガスはガス冷却塔
35で250℃以下に急冷されるので、ダイオキシン類
等の有害物質の再合成が防止され、ダイオキシン類に代
表される芳香族塩素化合物等の有害物質の発生並びに白
煙・悪臭の発生を完全に防止することができる。更に、
吸着剤供給部36から吸着剤を排ガスに供給することに
より、排ガス中の有害物質をより一層低レベルまで低減
することができる。
【0039】排ガスはバグフィルター37を経てスタッ
ク38に至り大気に放出される。この場合、有害物質の
発生を有効に防止する観点からは、燃焼室32内におけ
る排ガスの温度をこれらの分解が促進される850℃以
上に昇温することが好ましく、900℃以上にすること
が一層好ましい。
【0040】このように、本発明では、鉄スクラップ1
8、直接還元鉄、冷銑のうちの少なくとも1種と同時
に、可燃物質を大量に含む廃車プレス屑19又は廃家電
屑を溶解するので、廃車プレス屑19又は廃家電屑に含
まれる可燃物質がガス化した際に発生するCOガスや水
素ガス等の可燃性ガスを熱源として排ガスを昇温するこ
とができ、排ガスを昇温するための燃焼が別途必要でな
く、低コストでダイオキシン類等の有害物質の低減が可
能となる。又、本実施の形態では、廃車プレス屑19又
は廃家電屑のうちの1種以上が予熱室3内に常時存在す
るので、廃車プレス屑19又は廃家電屑から発生する可
燃性ガスが排ガス中に存在し、燃焼室32での補助燃料
用のバーナー33の燃料がほとんど不要となり、更なる
低コスト化が達成される。
【0041】尚、上記説明では、直流式のアーク溶解設
備を用いているが、交流式アーク溶解設備でも全く支障
なく本発明を適用できる。又、溶解室2における予熱室
3と出湯口10との位置関係は溶解室2の中心に対して
180度の対向する位置に限るものではなく90度の位
置であっても良く、更に、排ガス処理設備31の配置や
構成等の違いは、本発明の支障とならないことは言うま
でもない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、鉄スクラップ、直接還
元鉄、冷銑のうちの少なくとも1種と同時に、可燃物質
を含む廃車プレス屑又は廃家電屑を溶解するので、廃車
プレス屑又は廃家電屑に含まれる可燃物質がガス化した
際に発生するCOガスや水素ガス等の可燃性ガスを熱源
として排ガスをダイオキシン類等の有害物資の分解温度
以上にまで昇温することができ、排ガスを昇温するため
の燃焼が別途必要でなく、低コストでダイオキシン類等
の有害物質の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す図であって、本発明に
よる溶解方法を実施したアーク溶解設備の概略図であ
る。
【図2】第2の実施の形態を示す図であって、本発明に
よる溶解方法を実施したアーク溶解設備の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 溶解設備 1A 溶解設備 2 溶解室 3 予熱室 6 底部電極 7 上部電極 18 鉄スクラップ 19 廃車プレス屑 20 溶湯 21 スラグ 31 排ガス処理設備 32 燃焼室 35 ガス冷却塔 36 吸着剤供給部 37 バグフィルター 38 スタック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 17/00 F23J 15/00 K Fターム(参考) 3K070 DA04 DA05 DA09 DA24 DA32 DA56 DA64 DA72 3K078 AA01 AA08 BA08 BA22 CA02 CA07 CA11 CA24 4K014 CD16 4K056 AA02 AA05 BB08 CA02 DB07 DB10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、溶解
    室から排出される排ガスを昇温する燃焼室と、燃焼室か
    ら排出される排ガスを冷却する冷却設備と、を備えたア
    ーク溶解設備を用い、溶解用鉄源として鉄スクラップ、
    直接還元鉄、冷銑のうちの少なくとも1種と、廃車プレ
    ス屑、廃家電屑のうちの少なくとも1種とを溶解室内に
    装入してアークにより溶解し、この溶解中に発生する排
    ガス中の可燃性ガスを燃焼室で燃焼して排ガスを昇温
    し、その後、冷却設備で排ガスを冷却することを特徴と
    する冷鉄源の溶解方法。
  2. 【請求項2】 前記燃焼室は排ガスを加熱するための加
    熱源を備えており、この加熱源により排ガスを昇温する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷鉄源の溶解方法。
  3. 【請求項3】 前記燃焼室では排ガスを800℃以上ま
    で昇温し、前記冷却設備では排ガスを250℃以下まで
    冷却することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の冷鉄源の溶解方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043314A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Nippon Steel Corp 還元鉄及び銑鉄の製造方法
JP2012500897A (ja) * 2008-08-29 2012-01-12 ニューサウス イノベイションズ ピーティーワイ リミテッド フェロアロイの製造

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