JP2004059949A - 鉄スクラップの溶解方法及び溶解設備 - Google Patents

鉄スクラップの溶解方法及び溶解設備 Download PDF

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岩崎 克博
Takeshi Nakayama
中山 剛
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Abstract

【課題】鉄スクラップ、特にプラスチックやゴム等の燃料代替可能成分を多量に混入した鉄スクラップを鉄スクラップ溶解設備で溶解する場合に、溶解過程で発生する排ガスの潜熱及び顕熱を効率的に回収する。
【解決手段】鉄スクラップ15,16の溶解時に発生する排ガスを用いて鉄スクラップ15,16を予熱し、予熱した鉄スクラップを鉄スクラップ溶解設備1の溶解室2内で溶解する際に、鉄スクラップ予熱後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を利用して支燃性ガスを予熱し、予熱した支燃性ガスを、溶解室内のガス空間及び予熱室3の後段に設けた燃焼室32内のガス空間のうちの少なくともどちらか一方に吹き込み、このガス空間における排ガス中の可燃性ガスの燃焼を促進させながら鉄スクラップを溶解する。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄スクラップの溶解方法及び溶解設備に関し、詳しくは、鉄スクラップの溶解過程で発生する排ガスの潜熱又は/及び顕熱を効率的にエネルギー回収することが可能な、鉄スクラップの溶解方法及び溶解設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アーク溶解設備によって鉄スクラップを溶解する際には、アーク加熱に費やす電力使用量を削減するため、溶解中に発生する高温の排ガスを利用して鉄スクラップを予熱し、予熱した鉄スクラップを溶解する方法が広く行われている。この場合、所謂「市中屑」と呼ばれる鉄スクラップには、切削油やグリース、更にはプラスチック、ゴム等が混入しており、このような可燃物質、即ち燃料代替可能成分を混入する鉄スクラップをアーク溶解設備で溶解した場合、燃料代替可能成分の燃焼による予熱温度の若干の上昇があるものの、燃料代替可能成分のエネルギー回収は極めて少なく、これら成分は概ね燃焼した後に大気に放散されている。
【0003】
一方、使用済み自動車や使用済み家電機器等の鉄系粗大廃棄物は、有価部品、例えば使用済み自動車の場合にはバッテリー、エンジン、タイヤ等が取り外された後にプレスされ、プレス後にシュレッダー処理され、鉄源として再利用されている。このシュレッダー処理時に、プラスチック、ゴム、鉄、アルミニウム、銅等々が混在したシュレッダーダストが発生する。約1トンの使用済み自動車1台から、約200kgのシュレッダーダストが発生し、日本で年間およそ80万トンのシュレッダーダストが使用済み自動車から発生している。このシュレッダーダストは、埋立て処分されるか廃棄物焼却炉にて燃焼・溶融処理されている。
【0004】
埋立て処分は処分地が限られることから、高額の処分費用が必要となり、又、焼却炉による燃焼処理では、シュレッダーダスト中の灰分及び金属分が残留し、この処分が問題になる。更に、シュレッダーダストをガス化すると同時に、不燃分を直接溶融する方法では、鉄及び銅を主成分とする溶融金属が生成し、これは凝固後にカウンターウェイトとしての利用があるが、使用量に限度があり、この地金の処分が問題となる。
【0005】
この問題を解決するため、使用済み自動車をプレスしたプレス屑(以下「廃車プレス屑」と呼ぶ)をシュレッダー処理せずに、廃車プレス屑のままで溶銑と混合し、転炉に代表される製鋼溶解炉で溶解する方法が、特開平10−330821号公報に提案されている。この方法によれば、シュレッダーダストは発生せず、又、プラスチックやゴム等は溶解時の熱源にもなり、効率良く廃車プレス屑を溶解することができる。しかしながらこの方法でも、上記のアーク溶解設備と同様に、廃車プレス屑中のプラスチックやゴム等の燃料代替可能成分のエネルギー回収ができず、これら成分は概ね燃焼した後に大気に放散されており、ダイオキシン分解のための二次燃焼用燃料として使用されているのが、その数少ない有効活用方法であった。
【0006】
尚、一般的な廃棄物燃焼炉における排ガスからのエネルギー回収方法は、ボイラーを用いて排ガスの熱を回収し、蒸気を発生させ、この蒸気によって発電する方法であるが、排ガス中の腐食性成分や付着性成分等のために、高圧蒸気の回収は困難であり、発電効率、即ちエネルギー回収率は、10%〜20%程度とかなり低い。これに加えて、鉄スクラップ溶解設備の場合は一般的にバッチ操業のため、蒸気を回収しての発電は更に効率が低くならざるを得ない。このようにエネルギー回収率が比較的低いにも拘わらず、ボイラー及び蒸気発電タービンが高価であることから、アーク溶解設備等の鉄スクラップ溶解設備では経済的に成り立たたず、従って、このようなエネルギー回収設備は鉄スクラップ溶解設備には設置されておらず、前述したように排ガスを用いて鉄スクラップを予熱する程度であった。
【0007】
又、一般的に鉄スクラップ溶解用のアーク溶解設備においては、通常の操業中、溶解室内への周辺からの空気の巻き込みがあり、鉄スクラップを溶解室内へ装入した直後等の時期には、この巻き込み空気によって溶解室内の鉄スクラップが冷却され、溶解の遅れる部分が生じることも問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鉄スクラップ、特にプラスチックやゴム等の燃料代替可能成分を多量に混入した鉄スクラップをアーク溶解設備等の鉄スクラップ溶解設備で溶解する場合、或いは、このような燃料代替可能成分と共に鉄スクラップをアーク溶解設備等の鉄スクラップ溶解設備で溶解する場合に、この溶解過程で発生する排ガスの潜熱又は/及び顕熱を効率的にエネルギー回収することが可能である、鉄スクラップの溶解方法及び溶解設備を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の発明に係る鉄スクラップの溶解方法は、鉄スクラップの溶解時に発生する排ガスを用いて鉄スクラップを予熱し、予熱した鉄スクラップを鉄スクラップ溶解設備の溶解室内で溶解する、鉄スクラップの溶解方法において、鉄スクラップ予熱後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を利用して支燃性ガスを予熱し、予熱した支燃性ガスを、溶解室内のガス空間及び予熱室の後段に設けた燃焼室内のガス空間のうちの少なくともどちらか一方に吹き込み、当該ガス空間における排ガス中の可燃性ガスの燃焼を促進させることを特徴とするものである。
【0010】
第2の発明に係る鉄スクラップの溶解方法は、第1の発明において、前記支燃性ガスは、空気を主成分とし、予め除湿された後に予熱されることを特徴とするものである。
【0011】
第3の発明に係る鉄スクラップの溶解方法は、第1又は第2の発明において、前記支燃性ガスは、旋回流を形成するように前記ガス空間に吹き込まれることを特徴とするものである。
【0012】
第4の発明に係る鉄スクラップの溶解方法は、第1ないし第3の発明のいずれかにおいて、前記溶解室内に酸素吹込ランスを介して純酸素又は酸素含有ガスを吹き込むと共に、当該純酸素又は酸素含有ガスの吹き込みによって発生する可燃性ガスの発生領域近傍に、前記支燃性ガスを吹き込むことを特徴とするものである。
【0013】
第5の発明に係る鉄スクラップの溶解方法は、第1ないし第4の発明のいずれかにおいて、前記鉄スクラップには、使用済み自動車をプレスした廃車プレス屑が混合されていることを特徴とするものである。
【0014】
第6の発明に係る鉄スクラップの溶解設備は、鉄スクラップを溶解するための溶解室と、溶解室で発生した排ガスを用いて鉄スクラップを予熱する予熱室と、鉄スクラップを予熱した後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を回収して支燃性ガスを予熱するための熱回収手段と、熱回収手段により予熱された支燃性ガスを前記溶解室内のガス空間に吹き込むための支燃性ガス吹込手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
第7の発明に係る鉄スクラップの溶解設備は、鉄スクラップを溶解するための溶解室と、溶解室で発生した排ガスを用いて鉄スクラップを予熱する予熱室と、予熱室から排出される排ガスを燃焼するための燃焼室と、鉄スクラップを予熱した後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を回収して支燃性ガスを予熱するための熱回収手段と、熱回収手段により予熱された支燃性ガスを、前記溶解室内のガス空間及び前記燃焼室内のガス空間のうちの少なくともどちらか一方に吹き込むための支燃性ガス吹込手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
第8の発明に係る鉄スクラップの溶解設備は、第6又は第7の発明において、更に、前記溶解室には、溶解室内に酸素又は酸素含有ガスを供給するための酸素供給手段が備えられていると共に、当該酸素供給手段の近傍に前記支燃性ガス吹込手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
上記構成の本発明に係る鉄スクラップの溶解方法及び溶解設備によれば、鉄スクラップの溶解に伴って発生する排ガスの熱回収が十分に行われ、鉄スクラップ溶解設備全体の省エネルギー化を図ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す図であって、本発明に係る鉄スクラップ溶解用のアーク溶解設備の側面概略図である。
【0019】
図1において、内部を耐火物で施工され、底部に底部電極6を備えた溶解室2の上部には、シャフト型の予熱室3と水冷構造の側壁部4とが配置され、この予熱室3で覆われない側壁部4の上部開口部は、開閉自在な水冷構造の上蓋5で覆われている。この上蓋5を貫通して、溶解室2内へ上下移動可能な黒鉛製の上部電極7が設けられており、底部電極6と上部電極7とは直流電源(図示せず)に連結し、底部電極6と上部電極7との間でアーク19を発生させる。
【0020】
予熱室3の上方には、走行台車24に吊り下げられた底開き型の供給用バケット14が設けられ、この供給用バケット14から、予熱室3の上部に設けられた開閉自在な供給口20を介して、溶解用鉄源として市中屑や廃車プレス屑及び廃家電屑等の鉄スクラップが予熱室3内に装入される。この場合、これらの鉄スクラップに加えて直接還元鉄や冷銑等を溶解用鉄源として用いてもよい。図1は、市中屑15と廃車プレス屑16とを溶解用鉄源とした例を示している。
【0021】
ここで、廃車プレス屑16とは、バッテリーやタイヤ等の有価部品が取り除かれた使用済み自動車をプレスしたものやプレス後に切断したものであり、一方、廃家電屑とは、冷却剤などの除去すべき部分が取り除かれた使用済み家電機器のプレスする前のもの又はプレス後のもので、除去すべき部分がない場合には廃家電機器の形状そのままであってもよい。家電機器の外殻は直方体形状をしており、且つ、家電機器の大きさであれば、その大きさのままでも大半の家電機器は溶解することができるので、使用済み家電機器の場合には、プレス費用を削減する観点からプレスせず、その形状のままで溶解することが好ましい。従って、廃家電屑にも、プラスチック、ウレタン、ゴム、布等の可燃物質、即ち、燃料代替可能成分が含まれている。
【0022】
予熱室3の上端には、排ガス処理設備31と連結するダクト21が設けられており、溶解室2で発生する高温の排ガスは、予熱室3及びダクト21を経由して排ガス処理設備31へ排出される。その際、予熱室3を通過する排ガスにより、予熱室3内に装入された市中屑15及び廃車プレス屑16は予熱され、予熱された市中屑15及び廃車プレス屑16は、溶解室2内で溶解される量に見合って、溶解室2内に自由落下し、溶解室2へ装入される。
【0023】
上蓋5を貫通して、溶解室2内を上下移動可能な酸素吹込ランス8と炭材吹込ランス9とが設けられ、酸素吹込ランス8からは酸素又は酸素含有ガスが溶解室2内に吹き込まれ、炭材吹込ランス9からは空気や窒素等を搬送用ガスとしてコークス、チャー、石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室2内に吹き込まれる。又、上蓋5を貫通して、酸素吹込ランス8の近傍に支燃性ガス吹込ランス10が設置されており、支燃性ガス吹込ランス10から溶解室2内のガス空間に支燃性ガスが吹き込まれる。ここで、支燃性ガスとは、酸素や空気等の酸素含有ガス、又はその他の酸化性ガスのことであり、支燃性ガスとしては、取り扱いが簡単であることから、空気を用いることが好ましい。
【0024】
支燃性ガス吹込ランス10から溶解室2内の空間に支燃性ガスを吹き込む際に、吹き込まれた支燃性ガスが当該空間内で旋回流を形成するように吹き込むことが好ましい。具体的には、例えば、支燃性ガスの流れが上蓋5に沿うように斜めに吹き込むことによって旋回流を得ることができる。このようにして吹き込むことにより、排ガスと支燃性ガスとの混合が促進され、排ガス中のCOガス等の可燃性ガスの燃焼が促進され、排ガス温度を高めることができる。又、支燃性ガス吹込ランス10は酸素吹込ランス8の近傍に配置することが好ましい。このような配置により、酸素又は酸素含有ガスの吹き込みにより発生するCOガス等の可燃性ガスと支燃性ガスとの混合が促進され、同様に、排ガス中の可燃性ガスの燃焼が促進され、排ガス温度を高めることができる。
【0025】
溶解室2の予熱室3が直結されている側とは反対側に設けられた突出部2aには、その底部に、扉22で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出湯口12と、その側壁に、扉23で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出滓口13とが設けられている。
【0026】
ダクト21の下流側の排ガス処理設備31として、先ず最初に燃焼室32がダクト21と連結して設けられている。この燃焼室32には、支燃性ガス吹込ノズル33が設置されており、吹き込まれる支燃性ガスにより燃焼室32内において、溶解室2で発生する排ガス中の未燃焼の可燃性ガスが燃焼する。溶解室2内に支燃性ガスを吹き込む場合と同様に、支燃性ガス吹込ノズル33から燃焼室32内の空間に支燃性ガスを吹き込む際に、吹き込まれた支燃性ガスが当該空間内で旋回流を形成するように吹き込むことが好ましい。尚、燃焼室32には、重油、灯油、LPG等の燃料を用いる補助バーナー(図示せず)を設置し、補助バーナーにより排ガスの燃焼を促進させてもよい。支燃性ガスを予熱して吹き込むことにより、燃焼性が向上するので、補助燃料使用量を低減することができる。支燃性ガスが700℃以上に予熱される場合には、補助燃料をほとんど必要とせずに操業することができる。
【0027】
燃焼室32の下流側には、排ガスの潜熱又は/及び顕熱を回収し、回収した熱により溶解室2及び燃焼室32に吹き込まれる支燃性ガスを予熱するための熱交換器34が設置されている。熱交換器34により予熱された支燃性ガスは、溶解室2に設けられた支燃性ガス吹込ランス10、及び、燃焼室32に設けられた支燃性ガス吹込ノズル33に送られるようになっている。支燃性ガスは、コンプレッサー(図示せず)により加圧されて熱交換器34に供給される。この場合、支燃性ガス中の水分を予め除去しておくことが好ましい。予め除湿した後に予熱することにより、消炎性を有する水分が除去されて排ガス中の可燃性ガスの燃焼が促進されると同時に、水分が溶解室2内の雰囲気温度まで上昇する分の顕熱分を省略することができる。熱交換器34としては、慣用のレキュペレーターを用いてもよいし、ボイラーチューブないしは管群タイプの熱交換器でもよい。燃焼室32から排出される排ガスはかなり高温となるので、熱交換を向上させる観点から、支燃性ガスを振動させて熱交換させることが好ましい。このようにすることで、より効率良く高温ガスとの熱交換を行うことができる。
【0028】
熱交換器34の下流側には冷却室35が設置されている。この冷却室35には水噴霧ノズル36が設置されており、冷却水を噴霧して排ガスを急冷することにより、ダイオキシン等の有害物質の発生を防止することができる。
【0029】
冷却室35の出側には、希釈用空気供給管37が接続されており、希釈用空気供給管37によって、冷却室35から排出される排ガス中に希釈用空気が混合されるようになっている。希釈用空気としては、建家を集塵するために吸引した空気であっても、又、希釈用空気として専用に供給する空気であっても、どちらでもよい。
【0030】
希釈用空気供給管37の接続位置の下流側には、吸着剤供給部38と、吸着剤供給部38に繋がるブロワー39とが設置されており、ブロワー39を介して吸着剤供給部38から排ガス中に吸着剤を供給することで、有害物質を更に低レベルまで低減することができる。この場合、吸着剤としては消石灰、活性炭、石炭灰等を用いることができる。吸着剤供給部38の下流側にはバグフィルター40が設置され、バグフィルター40を通過した排ガスは、バグフィルター40の下流側に設けられたブロワー41を介して、ブロワー41の下流に設置された煙突42から大気に放出される。このようにして直流式アーク溶解設備1が構成されている。
【0031】
このように構成される直流式アーク溶解設備1における鉄スクラップの溶解方法は、次のようにして行われる。先ず、供給用バケット14を用いて、予熱室3内に溶解用鉄源として市中屑15、廃車プレス屑16、廃家電屑等の鉄スクラップを装入する。前述したように、溶解用鉄源として直接還元鉄や冷銑等を加えてもよい。
【0032】
但し、本発明においては、廃車プレス屑16及び廃家電屑のうちの少なくとも1種と、市中屑15、直接還元鉄、冷銑のうちの少なくとも1種とを溶解室2内で一緒に溶解することが好ましい。廃車プレス屑16及び廃家電屑には、前述のように、プラスチック、ウレタン、ゴム、布等の可燃物質、即ち、燃料代替可能成分が含まれている。因みに、自動車1台に相当する廃車プレス屑16の発熱量は、およそ3350MJ(800Mcal)程度である。
【0033】
これらの可燃物質が溶解中にガス化して、COガスや水素ガス等の可燃性ガスが生成される。この可燃性ガスを、溶解室2内及び予熱室3内で燃焼させることにより、高温度の排ガスを得ることができ、予熱室3内に滞留する溶解用鉄源を効率良く予熱することができる。又、可燃性ガスの一部は未燃焼のままで排ガスとして溶解室2から排出され、この未燃焼の可燃性ガスを燃焼室32で燃焼させることにより、排ガスをダイオキシン類等の有害物質の分解に十分な温度、例えば800℃以上に容易に昇温することができる。更に、燃焼室32から排出される排ガスの温度が高くなるため、後段の熱交換器34では支燃性ガスを高温にまで予熱することができる。
【0034】
即ち、廃車プレス屑16又は廃家電屑に含まれる、プラスチック、ウレタン、ゴム、布等の可燃物質がガス化した際に発生するCOガスや水素ガス等の可燃性ガスを熱源として排ガス並びに支燃性ガスを昇温することができるので、これらを昇温するための燃料が別途必要でなく、低コストで鉄スクラップを溶解することが可能となる。本実施の形態では、図1に示すように、プラスチック等の燃料代替可能成分を大量に含有する溶解用鉄源として廃車プレス屑16を用い、市中屑15と混合して溶解している。
【0035】
供給用バケット14により、予熱室3内に装入された市中屑15及び廃車プレス屑16は、予熱室3を経由して溶解室2内にも装入され、やがて予熱室3内を充填する。尚、溶解室2内へこれらの溶解用鉄源を均一に装入するために、上蓋5を開けて予熱室3と反対側の部位の溶解室2内にこれら溶解用鉄源を装入することもできる。
【0036】
次いで、底部電極6と上部電極7との間に直流電流を給電しつつ上部電極7を昇降させ、底部電極6と上部電極7との間、又は、装入された市中屑15及び廃車プレス屑16と上部電極7との間でアーク19を発生させる。そして、発生するアーク熱により市中屑15及び廃車プレス屑16を溶解して溶湯17を生成させる。溶湯17の生成に伴って、生石灰、蛍石等のフラックスを溶解室2内に装入して溶融スラグ18を溶湯17上に形成させ、溶湯17の酸化を防止すると共に溶湯17の保温を図る。溶融スラグ18の量が多すぎる場合には、操業中でも出滓口13から排滓することができる。
【0037】
溶湯17の生成する頃から、酸素吹込ランス8から酸素又は酸素含有ガスを、又、炭材吹込ランス9から炭材を、溶解室2内の溶湯17又は溶融スラグ18中に吹き込む。吹き込まれて溶湯17中に溶解した炭材又は溶融スラグ18中に懸濁した炭材は、吹き込まれる酸素と反応して燃焼熱を発生し、補助熱源として作用して電力使用量を節約する。同時に、反応生成物のCOガス気泡11が溶融スラグ18をフォーミングさせ、アーク19が溶融スラグ18に包まれた、所謂スラグフォーミング操業となるので、アーク19の着熱効率が上昇する。酸素吹込ランス8から吹き込まれる酸素は溶湯17と反応してFeOとなるが、このFeOは吹き込まれた炭材により還元される。
【0038】
酸素吹込ランス8からの吹き込み開始に前後して、支燃性ガス吹込ランス10を用いて溶解室2内のガス空間部への支燃性ガスの吹き込みを開始する。支燃性ガスの吹き込みにより、廃車プレス屑16に含有されるプラスチックやゴム等の燃料代替可能成分それ自体、及び、これら燃料代替可能成分が熱分解して生じた可燃性ガス、並びに、酸素吹き込みによって生じたCOガスの燃焼が促進され、排ガス温度が上昇し、予熱室3内の市中屑15及び廃車プレス屑16の予熱温度が上昇すると共に、予熱室3から排出される排ガス温度が上昇する。
【0039】
同時に、酸素及び炭材の吹き込みによって大量に発生する高温のCOガスと、このCOガスの一部が、支燃性ガス吹込ランス10からの支燃性ガス及び溶解室2内への侵入空気により燃焼して生成するCO ガスとが、予熱室3を通りダクト21を経由して排出され、予熱室3内の市中屑15及び廃車プレス屑16を効率良く予熱する。
【0040】
溶湯17の生成に伴い、予熱室3内の市中屑15及び廃車プレス屑16は溶解室2内で溶解された量に見合って溶解室2内に自由落下して減少するので、この減少分を補うために供給用バケット14から予熱室3へ市中屑15及び廃車プレス屑16を装入する。この市中屑15及び廃車プレス屑16の予熱室3内への装入は、市中屑15及び廃車プレス屑16が予熱室3と溶解室2とに連続して存在する状態を保つように、連続的又は断続的に行う。
【0041】
このようにして市中屑15及び廃車プレス屑16を溶解して、所定量の溶湯17、例えば1ヒート分の溶湯17が溶解室2内に溜まったなら、必要に応じて溶湯17の成分を調整した後、溶解室2を出湯口12側に傾動させつつ、出湯口12を塞いでいた扉22を開き、出湯口12から1ヒート分の溶湯17を取鍋等の溶湯保持容器(図示せず)へ出湯する。
【0042】
出湯時、予熱室3及び溶解室2内に未溶解の市中屑15及び廃車プレス屑16が連続して存在する状態を保つようにしてもよく、又、予熱室3及び溶解室2内の市中屑15及び廃車プレス屑16を全て溶解してから出湯してもよい。予熱室3及び溶解室2内にこれらの溶解用鉄源を残留させた場合には、2ヒート目以降に溶解する溶解用鉄源を全て予熱することが可能となり、電力使用量を削減することができ、一方、溶解用鉄源を出湯毎に全て溶解する場合には、出湯時の溶湯17の温度を任意に調整することができるので、溶湯温度低下に起因する出湯時のトラブル(出湯口12の閉塞等)を防止することができる。
【0043】
出湯時に、予熱室3及び溶解室2内に未溶解の市中屑15及び廃車プレス屑16が連続して存在する状態を保つようにした場合には、溶湯17中にこれら溶解用鉄源が埋没して共存しているので、溶湯温度は凝固温度近傍になり、十分な過熱度を得ることが困難である。そこで、出湯時の溶湯温度を上昇させる場合には、所定量、例えば1ヒート分の溶湯17が溶解室2内に溜まったなら、溶解室2を出湯口12側に傾動した状態で、アーク19により加熱することが好ましい。このようにすることで、溶湯17中に埋没する未溶解の市中屑15及び廃車プレス屑16が減少し、溶湯17との接触面積が低減し、溶湯17の温度上昇に寄与する加熱エネルギー分が増加するので、大きな過熱度を持った溶湯17を得ることができる。
【0044】
そして出湯後、必要に応じて溶湯17を取鍋精錬炉等にて昇温して精錬した後、連続鋳造機等で鋳造する。溶湯17を出湯し、更に必要に応じて溶融スラグ18を排滓した後、溶解室2を水平に戻し、出湯口12及び出滓口13内に詰め砂又はマッド材を充填した後、次回ヒートの溶解を開始する。次回ヒートの溶解方法も上記に準じて実施する。
【0045】
この間、廃車プレス屑16中の鉄分はアーク加熱及び溶湯17の熱により溶解され、一方、廃車プレス屑16中の燃料代替可能成分は熱分解されてCOガスや水素ガス等の可燃性ガスとなる。廃車プレス屑16から発生する可燃性ガスは、溶解室2内に供給される支燃性ガス等によって溶解室2内及び予熱室3内で一部分は燃焼するが、酸素吹き込みにより生成したCOガスの未燃焼分と共に、予熱室3を通過した後にダクト21を通って燃焼室32に至る。
【0046】
燃焼室32においては、支燃性ガス吹込ノズル33を介して供給される支燃性ガスにより、排ガス中の可燃性ガスがほぼ完全に燃焼し、排ガスは900〜1000℃に昇温される。これにより、ダイオキシンに代表される芳香族塩素化合物等の有害物質の発生、及び白煙、悪臭の発生が防止される。
【0047】
燃焼室32で900〜1000℃に加熱された排ガスは、熱交換器34により熱交換され、ダイオキシン等の有害物質の再合成が起き難い400℃程度まで急冷される。一方、支燃性ガスは熱交換器34によって500〜600℃程度に予熱される。このように支燃性ガスが高温度に予熱されるので、溶解室2内の排ガス温度及び燃焼室32内の排ガス温度が上昇し、排ガス中の可燃性ガスの燃焼が促進される。
【0048】
熱交換器34で400℃程度まで冷却された排ガスは、冷却室35で更に200℃程度まで冷却され、ダイオキシン等の有害物質の再合成が防止される。更に、排ガスは、希釈用空気供給管37からの希釈用空気と混合され、100℃程度まで冷却される。更に、必要に応じて吸着剤供給部38から吸着剤を供給して、排ガス中に残留するダイオキシン等の有害物質を吸着・除去する。排ガスは、バグフィルター40で除塵された後、煙突42から大気に放散される。
【0049】
このようにして鉄スクラップを溶解することで、予熱室3内の予熱温度が上昇し、電力原単位を大幅に低減することが可能となる。又、廃車プレス屑16や廃家電屑を混合して溶解した場合には、使用済み自動車や使用済み家電機器等をシュレッダー処理することなしに溶解すること、即ち、シュレッダーダストを発生させずに鉄鋼製品の鉄源としてリサイクルすることができる。更に、燃焼室32においては、廃車プレス屑16中の燃料代替可能成分が熱分解して生成する可燃性ガス、並びに、未燃焼のまま残留するCOガスをほぼ完全に燃焼させ、そこから排出する排ガスの温度を900℃以上の高温にすると共に、その後、熱交換器34、冷却室35及び希釈用空気により排ガスを冷却するので、大がかりな設備がなくともダイオキシンに代表される芳香族塩素化合物等の有害物質の発生、及び白煙、悪臭の発生を防止することができる。
【0050】
尚、可燃性ガスが溶解室2内及び予熱室3内で燃焼してしまい、未燃焼の可燃性ガスが予熱室3の出口において残留しない場合には、熱交換器34を予熱室3の出口から燃焼室32に至るまでの間に設けて熱回収することができる。但し、鉄スクラップ溶解設備の排ガスの持つエネルギーとしては、潜熱分が大きい傾向にあるので、一般的には、燃焼室32で未燃焼の可燃性ガスを燃焼させ、発生する潜熱分を熱交換器34によって回収するようにした設備構成とすることが望ましい。
【0051】
又、上記説明では、鉄スクラップ溶解設備としてアーク溶解設備を用いているが、ガスバーナー加熱、電気誘導加熱、プラズマガス加熱等の加熱源を有する溶解設備を用いることができる。この場合、加熱源は異なるものの、溶解方法は基本的に上記のアーク溶解設備と同様であり、従って、上記に沿って本発明を実施することができる。更に、直流式のアーク溶解設備を用いているが、交流式アーク溶解設備でも全く支障なく本発明を適用でき、又、排ガス処理設備31の配置や構成等の違いは、本発明の支障とならないことは言うまでもない。
【0052】
【実施例】
図1に示すアーク溶解設備における本発明の実施例を以下に説明する。溶解室は、直径6.2m、高さ3.5mであり、予熱室は、幅3.6m、長さ3.6m、高さ6mの直方体形状である。熱交換器としては、慣用のレキュペレーターを用いた。用いた鉄スクラップは、市中屑と廃車プレス屑の2種であり、廃車プレス屑の配合比率を24mass%とした。廃車プレス屑には、約21mass%のプラスチックやゴム等の可燃物質が含まれている。
【0053】
先ず、予熱室内及び溶解室内に、廃車プレス屑の配合比率が約24mass%になるように混合した市中屑と廃車プレス屑とを合計で約70トン装入し、直径が28インチの黒鉛製上部電極を用い、最大600V、100kAの電源容量でアークを形成して鉄スクラップを溶解した。溶鋼の生成に伴って、生石灰と蛍石とを添加して溶融スラグを形成し、次いで、酸素吹込ランスから溶鋼トン当たり28Nm (以下「Nm /t」と記す)の酸素を、又、炭材吹込ランスから溶鋼トン当たり28kg(以下「kg/t」と記す)のコークスを溶融スラグ中に吹き込んだ。酸素及び炭材の吹き込み開始と同時に、支燃性ガス吹込ランスから804Nm /minの空気を溶解室内に吹き込んだ。酸素及びコークスの吹き込みにより、溶融スラグはフォーミングして、上部電極の先端は溶融スラグ中に埋没した。この時の電圧をおよそ450Vに設定した。
【0054】
予熱室内の市中屑及び廃車プレス屑が溶解に伴って下降したならば、廃車プレス屑の配合比率が24mass%になるように配合量を調整しながら、供給用バケットにより市中屑及び廃車プレス屑を予熱室に供給し、予熱室内の市中屑及び廃車プレス屑の高さを一定の高さに保持しながら溶解を続けた。
【0055】
このように、溶解室内及び予熱室内に連続して市中屑及び廃車プレス屑が存在する状態で溶解を進行させ、溶解室内に約120トンの溶鋼が生成した時点で、溶解室内及び予熱室内に連続して市中屑及び廃車プレス屑が存在する状態を保ったまま、約40トンの溶鋼を溶解室に残し、1ヒート分の80トンの溶鋼を取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の炭素濃度は0.1mass%で、溶鋼温度は1565℃であった。
【0056】
出湯後、再通電すると共に、酸素、コークス、並びに支燃性ガスとしての空気の吹き込みを再開した。この時の電圧は500Vで再通電した。再開後、予熱室内の市中屑及び廃車プレス屑の高さを一定の高さに保持しながら溶解を続け、再度溶解室内の溶鋼が120トンになったら約40トンの溶鋼を残して80トンの溶鋼を出湯することを繰り返し実施した。
【0057】
この場合、予熱室から排出される排ガス流量は約870Nm /minになり、燃焼室内では支燃性ガスとして189Nm /minの空気を吹き込み、未燃焼の可燃性ガス及びCOガスを燃焼させた。燃焼後の燃焼室出口での排ガスは、その温度が900℃で、その流量は約1057Nm /minであった。この排ガスを熱交換器に通すことで、排ガスの温度は約400℃まで低下し、一方、支燃性ガスとして用いた空気は25℃から557℃に加熱された。即ち、熱交換器における熱回収効率は約56%であった。
【0058】
熱交換器から排出された排ガスは、冷却室内で200℃まで冷却され、その後、希釈用空気供給管から約1000Nm /minの空気を供給して、排ガスの温度を110℃程度まで低下させた。更に、1kg/t程度の活性炭を吸着剤として排ガス中に供給し、バグフィルターで除塵した。このようにして処理することで、煙突から排出される時の排ガス中のダイオキシン濃度は0.01ngTEQ/Nm 以下の極めて低い値であった。
【0059】
又、以上のようにして溶解した結果、酸素吹き込み量が28Nm /t、コークス吹き込み量が28kg/tの条件下で、160kWh/tの電力原単位で、1時間当たり108トンの溶鋼を溶解することができた。酸素吹き込み量及びコークス吹き込み量が同一条件で、支燃性ガスを吹き込まない場合の電力原単位が約260kWh/tであったのに対し、本発明の方法により、支燃性ガスを圧送するためのコンプレッサーの電力使用量(50kWh/t程度)を差し引いても、全体で少なくとも50kWh/tの電力原単位を削減することが達成された。表1に、操業条件及び定常状態時のガス流量や温度等を示す。
【0060】
【表1】
Figure 2004059949
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、鉄スクラップ予熱後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を利用して支燃性ガスを予熱し、この予熱した支燃性ガスを鉄スクラップの溶解時に用いるので、鉄スクラップ溶解設備全体の省エネルギー化が達成され、少ないエネルギー使用量で鉄スクラップを溶解することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄スクラップ溶解用のアーク溶解設備の側面概略図である。
【符号の説明】
1 直流式アーク溶解設備
2 溶解室
3 予熱室
6 底部電極
7 上部電極
8 酸素吹込ランス
9 炭材吹込ランス
10 支燃性ガス吹込ランス
12 出湯口
15 市中屑
16 廃車プレス屑
17 溶湯
18 溶融スラグ
19 アーク
31 排ガス処理設備
32 燃焼室
33 支燃性ガス吹込ノズル
34 熱交換器
35 冷却室
37 希釈用空気供給管
38 吸着剤供給部
40 バグフィルター
42 煙突

Claims (8)

  1. 鉄スクラップの溶解時に発生する排ガスを用いて鉄スクラップを予熱し、予熱した鉄スクラップを鉄スクラップ溶解設備の溶解室内で溶解する、鉄スクラップの溶解方法において、鉄スクラップ予熱後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を利用して支燃性ガスを予熱し、予熱した支燃性ガスを、溶解室内のガス空間及び予熱室の後段に設けた燃焼室内のガス空間のうちの少なくともどちらか一方に吹き込み、当該ガス空間における排ガス中の可燃性ガスの燃焼を促進させることを特徴とする、鉄スクラップの溶解方法。
  2. 前記支燃性ガスは、空気を主成分とし、予め除湿された後に予熱されることを特徴とする、請求項1に記載の鉄スクラップの溶解方法。
  3. 前記支燃性ガスは、旋回流を形成するように前記ガス空間に吹き込まれることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の鉄スクラップの溶解方法。
  4. 前記溶解室内に酸素吹込ランスを介して純酸素又は酸素含有ガスを吹き込むと共に、当該純酸素又は酸素含有ガスの吹き込みによって発生する可燃性ガスの発生領域近傍に、前記支燃性ガスを吹き込むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の鉄スクラップの溶解方法。
  5. 前記鉄スクラップには、使用済み自動車をプレスした廃車プレス屑が混合されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の鉄スクラップの溶解方法。
  6. 鉄スクラップを溶解するための溶解室と、溶解室で発生した排ガスを用いて鉄スクラップを予熱する予熱室と、鉄スクラップを予熱した後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を回収して支燃性ガスを予熱するための熱回収手段と、熱回収手段により予熱された支燃性ガスを前記溶解室内のガス空間に吹き込むための支燃性ガス吹込手段と、を備えていることを特徴とする、鉄スクラップの溶解設備。
  7. 鉄スクラップを溶解するための溶解室と、溶解室で発生した排ガスを用いて鉄スクラップを予熱する予熱室と、予熱室から排出される排ガスを燃焼するための燃焼室と、鉄スクラップを予熱した後の排ガスの潜熱又は/及び顕熱を回収して支燃性ガスを予熱するための熱回収手段と、熱回収手段により予熱された支燃性ガスを、前記溶解室内のガス空間及び前記燃焼室内のガス空間のうちの少なくともどちらか一方に吹き込むための支燃性ガス吹込手段と、を備えていることを特徴とする、鉄スクラップの溶解設備。
  8. 更に、前記溶解室には、溶解室内に酸素又は酸素含有ガスを供給するための酸素供給手段が備えられていると共に、当該酸素供給手段の近傍に前記支燃性ガス吹込手段が設けられていることを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の鉄スクラップの溶解設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101988800A (zh) * 2009-07-30 2011-03-23 钢铁普蓝特克股份有限公司 电弧熔化设备以及使用电弧熔化设备的熔融金属的制造方法

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