JP2001221418A - 廃電池の処理炉 - Google Patents

廃電池の処理炉

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JP2001221418A
JP2001221418A JP2000032579A JP2000032579A JP2001221418A JP 2001221418 A JP2001221418 A JP 2001221418A JP 2000032579 A JP2000032579 A JP 2000032579A JP 2000032579 A JP2000032579 A JP 2000032579A JP 2001221418 A JP2001221418 A JP 2001221418A
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furnace
temperature
waste battery
gas
tuyere
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JP2000032579A
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Natsuo Ishiwatari
夏生 石渡
Yoshiaki Hara
義明 原
Masato Mizufuji
政人 水藤
Toshio Fujimura
俊生 藤村
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、廃棄に無害化が必要な電池を、1回
の処理で、従来より容易、大量且つ安価に処理可能な廃
電池の処理炉を提供することを目的としている。 【解決手段】炉頂より炭素系固形燃料が装入され、内部
にその充填層を形成する筒状の竪型炉体と、該炉体の側
壁に設けられ、前記炭素系固形燃料を燃焼させて炉内を
高温還元雰囲気にするガスの吹き込み羽口と、炉頂に設
けられ、炉内に廃電池及びフラックスを投入する原材料
装入口と、炉内で生成した溶融物を炉外へ排出する溶融
物排出口と、燃焼排ガスを炉外へ導く煙道及び吸引ファ
ンと、該燃焼排ガスから揮発性金属を含むダストを分
離、回収するダスト回収装置とを備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃電池の処理炉に
係わり、詳しくは、人体に有害な重金属を含み、従来、
その無害化に複数回にわたる処理が必要であった廃電池
を1回の処理で無害物とする技術である。
【0002】
【従来の技術】現代社会においては、大量の電池が様々
な用途に使用されている。この電池には、マンガン電
池、アルカリ電池、水銀電池等の所謂「1次電池」と称
されるものや、Ni−Cd電池、鉛蓄電池等の「2次電
池」と称されるものがある。そして、一般には、金属、
プラスティック、紙類等で形成した容器内に塩類からな
る水溶液と金属類、炭素等の電極とを詰め込んだ構造に
なっている。その金属には、亜鉛、鉛、カドミニウム、
水銀等の比較的蒸気圧が高いものと、鉄、銅、ニッケル
等の蒸気圧の低いものとが混在して使用されているが、
そのうち、鉛、カドミュウム、水銀等は、重金属と呼ば
れ、人体に有害なものである。そのため、使用済みにな
った電池を廃棄するには無害化処理が必要で、従来より
様々な方法で行われてきた。
【0003】その代表的な処理方法に焼却がある。この
方法は、廃電池をゴミ等の焼却炉に投入して内部に含ま
れる有機物等を燃焼し、排ガスとして除去すると共に、
金属等を溶融して金属分に富んだ溶融物及び滓(スラ
グ)として分離、回収するものである。その際、前記重
金属は、焼却炉内で還元揮発して排ガスに移行するが、
後に凝縮して飛灰と呼ばれるダストに含有させて回収し
たり、あるいは酸化物としてスラグ中へ移行する。とこ
ろが、この飛灰及びスラグは、含有する重金属の濃度が
現存する方法で回収してリサイクルするには低過ぎるの
で、利用することができず、管理型の埋立場に備蓄する
しかない。しかしながら、管理型埋め立てを採用して
も、重金属が溶出して環境へ拡散し、周囲の生態系へ悪
影響を及ぼすことが懸念されている。
【0004】そこで、かかるゴミ等の焼却炉から排出さ
れた飛灰やスラグの処理についても、以前より技術開発
が多々行なわれている。例えば、特開平6−23825
9号公報、特開平9−038627号公報、特開平9−
192625公報及び特開平9−314089号公報
は、焼却炉から発生する飛灰等からの重金属の溶出を防
止したり、重金属と他の成分とを分離して、重金属の再
利用を容易にする技術を提案している。確かにこれら技
術を採用すると、焼却灰や飛灰等に含まれる重金属化合
物とその他無機質化合物との混合物から重金属を分離抽
出することはできる。
【0005】しかしながら、これらの技術を実用化する
には、焼却炉に加えて専用の装置が別途必要になるばか
りでなく、処理時間の延長、処理要員の確保等に起因し
て処理費が著しく上昇するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、廃棄に無害化が必要な電池を、1回の処理で、
従来より容易、大量且つ安価に処理可能な廃電池の処理
炉を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究し、その成果を本発明に具現化し
た。
【0008】すなわち、本発明は、炉頂より炭素系固形
燃料が装入され、内部にその充填層を形成する筒状の竪
型炉体と、該炉体の側壁に設けられ、前記炭素系固形燃
料を燃焼させて炉内を高温還元雰囲気にするガスの吹き
込み羽口と、炉頂に設けられ、炉内に廃電池及びフラッ
クスを投入する原材料装入口と、炉内で生成した溶融物
を炉外へ排出する溶融物排出口と、燃焼排ガスを炉外へ
導く煙道及び吸引ファンと、該燃焼排ガスから揮発性金
属を含むダストを分離、回収するダスト回収装置とを備
えたことを特徴とする廃電池の処理炉である。
【0009】また、本発明は、前記羽口前での雰囲気温
度を1500〜3000℃にする前記ガスの酸素富化装
置を該羽口に連接してなることを特徴とする廃電池の処
理炉である。
【0010】さらに、本発明は、炉頂における燃焼排ガ
スの温度を500〜1200℃にする2次燃焼用酸化性
ガスの吹込口を、前記炉の上部空間に設けたことを特徴
とする廃電池の処理炉である。
【0011】本発明によれば、炉内の雰囲気温度が従来
の焼却炉に比べて一段と安定し、且つ高温還元条件に維
持できるようになるので、廃電池に含まれる亜鉛、鉛、
カドミュウム、水銀等の揮発性重金属の酸化物、ハロゲ
ン化物等の化合物は、円滑に還元が進み、蒸気化させる
ことが可能になる。従って、上記重金属は、燃焼排ガス
が伴うダスト中に従来に比べて非常に高い濃度で含有さ
れるようになり、回収されたダストは、そのままの形態
で該重金属の精錬原料として再利用できるようになる。
また、スラグとして回収される溶融滓は、前記重金属の
含有量が従来に比べて著しく低減しているので、埋め立
てたり、路盤材として再利用できるようになる。さら
に、マンガン、ニッケル、鉄等の金属は、メタル分とし
て回収され、このメタル分もそのままの形態で金属精錬
用原料として再利用できる。つまり、本発明によれば、
処理に手間がかかっていた廃電池を1回の処理で無害化
でき、且つ資源の有効利用が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯を
交え、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】廃電池に含まれる亜鉛、鉛、カドミュウ
ム、水銀等は、酸化物、ハロゲン化物等の化合物あるい
は金属として存在している。従って、これら金属は、還
元雰囲気で金属化させると共に、高温条件下に十分にさ
らして蒸気化させることにより、分離回収できる。しか
しながら、発明者が従来のゴミ焼却炉を見直したとこ
ろ、それらの炉では、熱源にバーナを用いるものが多
く、これらの金属酸化物やハロゲン化物等の化合物の還
元反応を十分に行い、且つ蒸気化するには不十分な構造
であると考えられた。
【0014】そこで、発明者は、従来の炉に比べて一層
安定した還元雰囲気及び高温が確保できれば、1回の処
理で廃電池を処理可能と考え、炉の構造に着眼した研究
を行ない、以下に述べる構造の炉を開発したのである。
つまり、本発明は、飛灰等発生させる従来のゴミ焼却あ
るいは熱処理を行う行程において、廃電池中に含まれる
亜鉛、鉛、カドミュウム、水銀等は排ガスダストとし
て、可燃成分は排ガスとして、脈石分(SiO2,Ca
O,A123,MgO等)は溶融スラグとして、鉄、
銅、ニッケル等のメタル分は溶融金属として完全に分離
回収し、廃電池を1回の処理で一気に無害化させるため
の炉である。
【0015】本発明に係る還元雰囲気と高温状態を実現
するための炉の構造を、図1に模式的に示す。それは、
炭素系固形燃料12を炉頂より装入し、内部に該炭素系
固形燃料12の充填層が形成できる筒状の竪型炉13を
基本とする。炭素系固形燃料12は、炉体の上方に位置
する上部ホッパ1より、炉頂部に一定の装入面(ストッ
クライン)を形成するように装入される。充填層とする
のは、炉内をまんべんなく還元雰囲気にして、廃電池1
4に含まれる重金属の還元反応をどこでも起き易くする
ためである。炭素系固形燃料12としては、廃電池14
の通常処理では炉体が低い小型炉で十分であるので、一
般の燃料用塊コークスを使用すれば良い。ただし、炉体
の高さを増して大型炉にしたい場合には、炉内の通気性
を安定して確保するため、破壊に強い冶金用塊コークス
の使用が好ましい。
【0016】また、本発明では、この炭素系固形燃料1
2の一部を燃焼させて、炉内を高温で且つCOガスに富
んだ強い還元性雰囲気にするためのガス16を吹き込む
羽口2,3を炉体の側壁に設けるようにしている。この
ガス16は、通常、600〜1000℃に加熱された空
気(熱風)が使用される。この羽口2,3は、通常、で
きるだけ炉体の下方に位置させ、炉体が筒状であるから
炉壁に沿い複数本配置するのが良い。炉内の還元雰囲気
や温度を均一に分布させるためである。また、この羽口
2,3は、図1に示すように、上下方向では多段(通常
は、2段)に配置させるのが好ましい。炭素系固形燃料
12の燃焼によって形成される高温還元雰囲気の領域を
上下羽口間の全体にわたるようにして、廃電池14を長
時間この雰囲気にさらせるからである。
【0017】さらに、この高温で且つ強還元性の雰囲気
をより確実に安定して形成させるため、吹き込むガス
(熱風)16に酸素を添加するのが好ましい。つまり、
酸素を富化して燃焼を活発にするのである。このため、
本発明では、前記羽口2,3へ通じる配管に、酸素富化
装置(図示せず)を連接させるようにしてある。この酸
素富化装置としては、高炉での送風に用いているものが
利用できる。
【0018】処理対象の廃電池14は、通常、炉頂部に
炭素系固形燃料の装入口と別途設けた原材料装入口4よ
り炉内に投入される。装入された廃電池14は、その後
炭素系固形燃料12の降下に伴い徐々に下方へ移動し、
特に高温で且つ還元雰囲気が強い羽口前の領域(図1の
〇で囲んだ領域)へ到達する。そして、そこで、前記重
金属の酸化物等が還元され、金属として蒸発し、上昇す
るようになる。また、廃電池14は、熱風(ガス)16
をキャリアガスとして利用し、炉内に吹き込んでも良
い。その方が羽口前に直接投入できるからである。その
ため、本発明では、羽口2,3に通じる配管又は羽口自
体に廃乾電池14を送り込むための供給口5を別途設置
しても良い。
【0019】ところで、この羽口前の高温、強還元雰囲
気の領域では、前記重金属酸化物等の還元、蒸発の以外
にも、前記プラスチック、紙等容器の燃焼や、低揮発性
金属やその酸化物等の還元、溶解が生じる。その際、重
金属や低揮発性金属をその他の物質と分離する現象を促
進させることが望ましい。そこで、本発明では、その分
離促進のため、炉頂の原材料装入口4あるいは羽口2,
3に設けた廃電池14の供給口5から、別途フラックス
15を炉内へ供給するようにした。そのフラックス15
としては、各種金属の鉱石、焼結鉱、スクラップ、各種
ダスト等の塊あるいは粉が利用できる。これにより、所
謂「精錬」が行なえるからである。また、羽口2,3か
らは、LNG,コークス炉発生ガス等の燃焼性ガス、も
しくは石炭、廃プラスチック等の固形燃料を同時に吹き
込むようにして、前記炭素系固形燃料12の使用量を低
減させても良い。これによって、低コストで経済性の高
い廃電池14の処理が可能となるからである。
【0020】次に、蒸気化した亜鉛、鉛、カドミュウ
ム、水銀等の重金属は、燃焼排ガス17に伴われて前記
充填層内を上昇して炉頂の空間部18へ運ばれ、排気口
19から吸引ファン(図示せず)に引かれて煙道20を
流れ、ダスト回収装置9へ導かれる。そして、このダス
ト回収装置9で重金属蒸気は急激に冷却されて凝固し、
固体となってダスト21中に包含される。従って、この
ダスト21を回収すれば、重金属を無害化したことにな
る。なお、ダスト回収装置9としては、公知のもので良
く、燃焼排ガス17に直接冷却水をかけダストスラリー
として回収する湿式方式と、冷却板などで間接的に冷却
してからダストをバッグフィルタ、サイクロン等で回収
する乾式のいずれもが利用できる。また、本発明では、
蒸気化した金属が炉内において凝集固化するのを防止す
るため、炉頂の空間部18で燃焼排ガス中のCOガスを
二次燃焼させる酸化性ガス(一般には、空気、酸素ガ
ス)の吹込口8を設けるようにするのが良い。この空間
部18での燃焼で、炉頂温度を500℃〜1200℃の
範囲に調整し、凝固化を予防するのである。炉内で蒸気
化金属が凝集固化すると、炭素系固形燃料12の充填層
内で固まり、他の物質の降下不良を起こし、所謂「棚吊
り」の状態となり、操業の安定性が著なわれることにな
る。調整する温度範囲を500〜1200℃としたの
は、500℃未満では、操業が不安定になったからであ
り、1200℃超えでは、炉頂に配置した各種装置の保
全に問題が生じるからである。
【0021】一方、蒸気圧の低い鉄、銅、ニッケル等
は、揮発性の高い前記重金属と分離し、そのまま溶融状
態でメタル分11として充填層内を滴下し、直接還元さ
れない酸化物である所謂「脈石分」(SiO2,Ca
O,A123,MgO等)は、前記フラックスと一緒に
なって溶融スラグ10となって滴下して、炉床23に貯
まる。その際、比重の大きいメタル分11は、溶融スラ
グ10より下方に位置することになるので、この両者
は、自然に分離する。その後、炉床23に設けた溶融物
の排出口6を介して炉外に排出し、銑滓バック7で回収
する。
【0022】このようにして回収されたダスト21は、
従来のゴミ焼却炉で得たダストと比較して、亜鉛、鉛、
カドミュウム、水銀等が著しく濃化している。よって、
このダスト21は、これら金属類の再生原料として使用
可能となる。また、メタル分11は、製鉄原料として使
用可能であり、溶融スラグ10は、亜鉛、鉛、カドミュ
ウム、水銀等の濃度が低く、大気下で土壌への溶出を起
こさないため、そのまま埋め立てしたり、あるいは路盤
材等として使用可能である。
【0023】説明の最後になるが、羽口2,3前で金属
酸化物等の良好な還元を行うには、その位置で廃電池1
4及び他の原料が溶融され、流動していることが重要で
ある。溶融及び流動することにより、還元剤である炭素
との接触面積が増加したり、酸化物内での物質移動が活
発になって、還元反応速度が大きくなるからである。そ
のため、本発明では、羽口前の雰囲気温度(以下、羽口
前温度ともいう)を1500〜3000℃にするのが好
ましい。下限を1500℃としたのは、廃電池14中に
含まれる金属は、周囲に存在する炭素を取り込むことで
融点が低下し、1500℃程度で十分な流動性を確保す
ることができるからである。一方、廃電池14に含まれ
る高融点の酸化物は、適当な造滓剤(主として、Ca
O,SiO 2,A123源)を廃電池14や炭素系固形
燃料12と共に炉内へ装入することによって成分が変わ
り、その溶融温度を低下することができる。こうした造
滓剤と高融点酸化物とのスラグ化を促進するためには、
羽口前温度が高い方が好ましいが、また、羽口前温度を
必要以上に上昇させることは、炉体耐火物の損傷を促進
する可能性があり、さらに、省エネルギーの観点からみ
ても上限を設ける必要がある。これらの観点からみて、
羽口前温度は3000℃を超える必要がない。そのため
に、本発明では、前記温度範囲の上限を3000℃とし
たのである。この温度範囲にあれば、溶融スラグ10も
十分な流動性を確保できるからである。
【0024】なお、上記の羽口前温度は、下記(1)式
で予測可能であり、上記本発明に係る廃電池14の処理
炉を操業するには、この1500〜3000℃を満たす
ように、送風温度、酸素富化量、電池装入量、他の原料
装入量を決定するのが好ましい。
【0025】 TFT=[(BV+EO2)×BT×Cg+(Mc×Cc+Md×Cd+Ma ×Ca)×0.75×TFT−Md×Qd−Ma×Qa+Mc×Qc]/[Cg ×(1.21BV+2E02)+Mm×Cm+Ms×Cs+Mv×Cv] …(式1) ここで、各記号は、「TFT:羽口前温度(℃)、B
V:送風量(Nm3/min)、BT:送風温度
(℃)、EO2:酸素富化量(Nm3/min)、Mc:
塊コークスの装入量(kg/min)、Md:廃電池の
装入量(kg/min),Ma:電池以外の固形物質の
装入量(kg/min)、Mm:メタル生成量(kg/
min)、Ms:スラグ生成量(kg/min)、M
v:金属蒸気の生成量(kg/min)、Qd:電池内
の材料成分の直接還元熱量(kJ/kg)、Qa:電池
以外の固形物質の直接還元熱量(kJ/kg)、Qc:
塊コークスの燃焼熱量(kJ/kg)、Cg:ガス成分
の定圧比熱(kJ/kg・℃)、Cc:コークスの比熱
(kJ/kg・℃)、Cd:電池材料の比熱(kJ/k
g・℃)、Ca:電池以外の物質の比熱(kJ/kg・
℃)、Cm:メタル分の比熱(kJ/kg・℃)、C
s:溶融スラグの比熱(kJ/kg・℃)、Cv:金属
蒸気の定圧比熱(kJ/kg・℃)」とする。
【0026】
【実施例】炉体高さ3m,内容積8m3の図1に示した
構造の竪型炉13を用いて本発明を実施した。その際、
炭素系固形燃料12としては、平均粒径30mmの一般
塊コークスを予め装入し、炉内に該コークスの充填層を
形成した。なお、この塊コークスは、操業の開始後も引
き続き約12kg/minの速度で連続的に装入した。
羽口2,3は、上下二段にして炉周に沿い1組配設して
ある。この羽口2,3を介して吹き込むガス16には、
熱風が用いられたが、その送風温度、酸素富化率は種々
変更するようにし、塊コークス装入量をそれに応じて変
更した。また、炉頂の空間部18には、二次燃焼用酸素
ガス22を供給したが、その供給量も適宜変更するよう
にした。
【0027】投入した廃電池14には、収集した雑多な
形式のものが一括混合して使用した。その平均組成を表
1に示す。また、該廃電池14と一緒に、表2に示す組
成のフラックス15も投入した。このフラックス15に
は、他所で別途回収した製鉄ダストを用い、羽口前で塊
コークスの燃焼で生じる灰分と混合して滓化した場合
に、SiO2,CaO,A123の比率が2:2:1に
なるように、造滓剤として珪石及び生石灰を10質量%
配合している。また、羽口前の雰囲気温度を計算するた
めに使用した各種の物理定数を、表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】 上記以外の操業条件及び操業で得た炉頂温度、羽口前温
度、ダストでの亜鉛回収率、メタル分でのマンガン回収
率、スラグ中の亜鉛濃度及び平均棚吊り回数を、表4及
び表5に一括して示す。このうち、スラグ中の亜鉛濃度
が高いと、スラグ中から溶出し易くなるため、スラグ中
の亜鉛濃度は、0.1質量%以下としなければならな
い。また、棚吊りが発生した場合には、装入物の降下を
良好にするために送風量を低下する必要に迫られる。よ
って、処理量が低下するばかりか、最悪の場合操業停止
に追い込まれるために、棚吊りの防止が安定操業に不可
欠である。
【0031】表4は、送風温度を種々変更して羽口前温
度を調整しつつ操業した場合の実施例である。発明法1
〜4では、スラグ中の亜鉛濃度が1質量%以下で、メタ
ル分でのマンガンの回収率も75%以上の高収率を維持
している。しかし、比較例1〜2に示すように、羽口前
温度が1500℃より低くなると、スラグ中の亜鉛濃度
は上昇し、マンガン回収率も急激に低下する。その様子
は、それぞれ図2及び図3で明らかにしている。
【0032】表5は、炉頂における2次燃焼用酸素ガス
22の量を種々変更して炉頂温度を調整した実施例であ
る。発明法5〜7では、ダスト中での亜鉛分の回収率が
90%以上の高収率を示し、棚吊りも1時間当たり0.
2回以下と安定した操業が行われている。一方、比較例
3〜4に示すように、炉頂の空間部18における雰囲気
温度が500℃より低くなると、ダストでの亜鉛回収率
が低下し、棚吊りの回数も急激に増加する。その様子も
また図4及び図5に示しておく。
【0033】このように、本発明に係る廃電池の処理炉
を使用すれば、羽口前の雰囲気温度及び炉頂温度を適切
に調整することで、従来のゴミ焼却炉より一層安定にし
て、且つ1回の処理で廃電池を無害化できることが明ら
かである。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、従来
の焼却炉より一層安定にして、且つ1回の処理で大量の
廃電池を容易に無害化できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃電池の処理炉を示す模式図であ
る。
【図2】羽口前温度とスラグ中の亜鉛濃度との関係を示
す図である。
【図3】羽口前温度とメタル分でのマンガン回収率との
関係を示す図である。
【図4】炉頂温度と棚吊り回数との関係を示す図であ
る。
【図5】炉頂温度とダスト中での亜鉛回収率との関係を
示す図である。
【符号の説明】
1 上部ホッパ 2 上段羽口 3 下段羽口 4 原材料装入口 5 供給口 6 溶融物の排出口 7 鉄滓バック 8 2次燃焼用酸化性ガスの吹込口 9 ダスト回収装置 10 溶融スラグ 11 メタル分 12 炭素系固形燃料 13 竪型炉 14 廃電池 15 フラックス 16 ガス(熱風) 17 燃焼排ガス 18 空間部 19 排気口 20 煙道 21 ダスト 22 2次燃焼用酸化性ガス 23 炉床
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23J 15/00 F23L 9/02 4D004 15/06 B09B 5/00 ZABA F23L 7/00 F23J 15/00 Z 9/02 K (72)発明者 水藤 政人 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 藤村 俊生 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 3K023 KA02 KD01 3K061 AA16 AC20 BA05 DA12 DA18 DB15 DB16 3K065 AA16 AC20 BA05 HA05 3K070 DA01 DA29 DA32 DA37 DA45 DA83 3K078 AA04 AA05 AA08 BA03 BA21 4D004 AA23 AB03 AC05 BA02 BA05 CA22 CA27 CA28 CA29 CA37 CB02 CB34 CC11 DA03 DA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉頂より炭素系固形燃料が装入され、内
    部にその充填層を形成する筒状の竪型炉体と、該炉体の
    側壁に設けられ、前記炭素系固形燃料を燃焼させて炉内
    を高温還元雰囲気にするガスの吹き込み羽口と、炉頂に
    設けられ、炉内に廃電池及びフラックスを投入する原材
    料装入口と、炉内で生成した溶融物を炉外へ排出する溶
    融物排出口と、燃焼排ガスを炉外へ導く煙道及び吸引フ
    ァンと、該燃焼排ガスから揮発性金属を含むダストを分
    離、回収するダスト回収装置とを備えたことを特徴とす
    る廃電池の処理炉。
  2. 【請求項2】 前記羽口前での雰囲気温度を1500〜
    3000℃にする前記ガスの酸素富化装置を、該羽口に
    連接してなることを特徴とする請求項1記載の廃電池の
    処理炉。
  3. 【請求項3】 炉頂における燃焼排ガスの温度を500
    〜1200℃にする2次燃焼用酸化性ガスの吹込口を前
    記炉体の上部空間に設けたことを特徴とする請求項1又
    は2記載の廃電池の処理炉。
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