JP2000192129A - 転炉操業方法 - Google Patents

転炉操業方法

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JP2000192129A
JP2000192129A JP10365541A JP36554198A JP2000192129A JP 2000192129 A JP2000192129 A JP 2000192129A JP 10365541 A JP10365541 A JP 10365541A JP 36554198 A JP36554198 A JP 36554198A JP 2000192129 A JP2000192129 A JP 2000192129A
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gas
synthetic resin
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amount
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JP10365541A
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Yasuo Kamei
康夫 亀井
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料ガスまたは蒸気としての転炉ガスエネルギ
ー回収量の大幅な増加を可能ならしめる転炉操業方法を
提供する。 【解決手段】吹錬中に、転炉内および転炉ガス煙道内の
いずれかまたは両方へ合成樹脂を導入し、転炉ガス中の
CO2 濃度を低下させ、COおよびH2 濃度を増加させ
て、転炉ガスの発熱量を高めるとともに転炉ガス量を増
加させ、非燃焼式で転炉ガスを回収するか、または、合
成樹脂を導入するとともに、転炉炉口部とフードの隙間
からの空気の吸い込みおよび/または送風機による煙道
内への空気の吹き込みを行って、転炉ガス中のCO、H
2 、炭化水素ガスおよび合成樹脂を燃焼させ、転炉ガス
煙道で排ガスボイラにより蒸気を回収する操業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転炉操業方法、詳しく
は、吹錬中に転炉内および/またはフードを含む転炉ガ
ス煙道内へ合成樹脂を導入して、転炉ガスの量および発
熱量の増加を図り、または転炉排ガスボイラによる蒸気
製造量の増加を図る転炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の社会環境問題の一つは、廃棄物の
埋め立て地の確保が年々困難になっていることである。
この原因の一つとして嵩ばる合成樹脂の廃棄量が増加し
ていることがあげられる。合成樹脂の廃棄量は年間90
0万t/年弱にも達しており、そのうち約40%弱が埋
め立て、40%弱が単純焼却されており、有効利用され
ているものはわずかな量にとどまっている。このうち、
単純焼却においては、ダイオキシンの生成、排出などの
公害問題が顕在化してきていることなどから、環境への
悪影響のない廃合成樹脂類の有効利用方法の開発が望ま
れている。
【0003】このような背景から、廃合成樹脂類を高炉
の羽口部から吹き込む操業が提案されている。しかし、
我が国の家庭などから排出される一般廃棄物中の合成樹
脂の中には、通常、塩化ビニルが8%程度含まれている
ことから、そのまま高炉へ吹き込むことに対しては問題
視する意見があり、脱塩素してから高炉へ吹き込もうと
いう提案がある。
【0004】一方、転炉操業で廃合成樹脂を使用する技
術に関しては下記のものがある。
【0005】転炉操業には、転炉ガスを燃焼させずに燃
料ガスとして回収する非燃焼式の操業と、転炉ガスを燃
焼させ、排ガスボイラにより蒸気を製造(転炉ガスの燃
焼熱を蒸気として回収)する燃焼式の操業とがある。こ
のうち、非燃焼式ガス回収法を採用する操業で発生する
転炉ガス中には、一般的に、CO2 が約4〜30%含ま
れている。このCO2 は転炉内での二次燃焼や炉口部と
フードの隙間から吸引される空気により転炉ガス中のC
Oが燃焼して生成するものである。転炉ガスを利用する
立場からするとCO2 の存在は転炉ガスの発熱量を低下
させることになるため、できるだけCO2 濃度が低い方
が望ましい。
【0006】この転炉ガス中のCO2 を低下させるため
の一手段として転炉操業で合成樹脂を使用する方法に関
しては、例えば、特開昭53ー53504号公報に、石
灰石、ドロマイト原石等の鉱石とコークス、石炭、重
油、タール、黒鉛、合成樹脂等の炭素含有物質を同時に
使用してCOを多く発生させ、常時高CO濃度を保持し
た転炉ガスを非燃焼式で回収する方法が示されている。
【0007】一方、塩素を含有する合成樹脂を転炉内で
燃焼させ、燃焼によって生じる塩素含有化合物を溶融ス
ラグに捕集させる方法が特開平9ー89235号公報に
開示されている。
【0008】また、合成樹脂を鋼滓のフォーミング鎮静
剤として利用する技術に関し、ちり紙用古紙スラッジと
廃プラスチックとの混合物を使用する方法が特開平8ー
269521号公報に、石炭、石灰石、プラスチックお
よび紙スラッジのうちの1種以上と微粒鉄粉とにバイン
ダーを添加して混合し、圧縮してブリケットにして使用
する方法が特開平9ー217107号公報に示されてい
る。これらはいずれも廃プラスチックの急速な燃焼によ
り爆発的に発生するガスが鋼滓を攪拌し、鋼滓中に滞留
しているCOガスを放出させることを利用してフォーミ
ングを鎮静化させるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法はいずれも
合成樹脂を転炉で使用する方法に関するものであるが、
特開昭53ー53504号公報に記載の方法は、合成樹
脂を単独で使用せず、同時に使用する副原料や燃料の使
用量に制限があることから合成樹脂の使用量が制限され
ること、および吹錬中いつでも使用できるというわけに
はいかないことから、転炉ガスエネルギー回収量(燃料
ガスとしてのエネルギー回収量)の大幅な増加にはつな
がらなかった。
【0010】また、特開平9ー89235号公報に記載
の方法は、塩素含有合成樹脂を転炉内で燃焼して生成す
る塩素含有化合物をスラグに捕集することが主目的であ
り、積極的に転炉ガスの改質(発熱量の増加)、転炉ガ
ス量の増大、あるいは回収蒸気量の増加を図るものでは
ない。
【0011】一方、特開平8ー269521号公報と特
開平9ー217107号公報に記載される方法は、いず
れもスラグのフォーミング現象が発生した時にこれを鎮
静化させるために使用するものであり、吹練中常時使用
するものではないため、転炉ガスエネルギー回収量を増
加させることはできなかった。
【0012】本発明の目的は、上述した従来技術におけ
る欠点を克服し、転炉ガスまたは蒸気として回収される
エネルギー量の大幅な増加を可能ならしめる転炉操業方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2)の転炉操業方法にある。
【0014】(1)吹錬中に、転炉内およびフードを含
む転炉ガス煙道内のいずれかまたは両方へ合成樹脂を導
入し、転炉ガス中のCO2 濃度を低下させ、COおよび
2 濃度を増加させて転炉ガスの発熱量を高めるととも
に、転炉ガス量を増加させ、非燃焼式で転炉ガスを回収
する転炉操業方法。
【0015】(2)吹錬中に、転炉内およびフードを含
む転炉ガス煙道内のいずれかまたは両方へ合成樹脂を導
入するとともに、転炉炉口部とフードの隙間から空気を
吸い込み、および/または送風機でフードを含む煙道内
へ空気を吹き込み、転炉ガス中のCO、H2 、炭化水素
ガスおよび合成樹脂を燃焼させ、転炉ガス煙道で排ガス
ボイラにより蒸気を製造する転炉操業方法。
【0016】前記の「フードを含む転炉ガス煙道」と
は、転炉の炉口部と煙道との隙間およびその近傍を外側
から覆うフードの部分もここでは転炉ガス煙道に含める
ことを意味する。すなわち、フードは炉口部と煙道を接
続するものではなく、後述する図1に示すように、炉口
部と煙道との隙間を中心としてその近傍を外側から覆っ
て煙道内への空気の漏洩を最小限に止めるためのもの
で、外見にはフードと認識されるが、実質的には煙道を
構成しており、このフードで覆われた部分もここでは転
炉ガス煙道という。以下、「フードを含む転炉ガス煙
道」を「転炉ガス煙道」または単に「煙道」ともいう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の転炉操業方法につ
いて詳細に説明する。
【0018】非燃焼式で転炉ガスを回収する転炉操業方
法においては、炉内および/または転炉ガス煙道内へ導
入された合成樹脂は、高温雰囲気のため、炭素、炭化水
素ガス、水素などに熱分解し、生成した炭素、炭化水素
ガスと転炉ガス中のCO2 とが反応してCO、H2 を生
成する。すなわち、合成樹脂を炉内および/または転炉
ガス煙道内へ導入することにより、転炉ガス中のCO2
濃度を低下させ、COおよびH2 濃度を増加させて転炉
ガスの発熱量を高めるとともに、転炉ガス量を増加させ
ることができる。
【0019】この転炉操業方法によれば、合成樹脂を単
独で使用するため、従来法と比較すると合成樹脂の使用
量を大幅に増加させることができ、その結果、COおよ
びH2 濃度が高く、したがって発熱量の高い良質な転炉
ガスを多量に得ることができる。
【0020】この操業方法において、転炉ガス中のCO
2 濃度を測定し、CO2 濃度に応じて合成樹脂の導入量
を制御し、転炉ガス中のCO2 濃度の低下を図るのが好
ましい。転炉ガス中のCO2 濃度を連続的に測定し、C
2 濃度が低下するまで合成樹脂の導入量を増加させる
ことにより、効率的に高発熱量の転炉ガスを多量に得る
ことができるからである。
【0021】この方法をさらに効率的に行うために、転
炉ガス中のCO2 濃度と炭化水素ガス濃度を測定し、C
2 濃度および炭化水素ガス濃度に応じて合成樹脂の導
入量を制御し、転炉ガス中CO2 濃度の低下を図るのが
一層好ましい。
【0022】CO2 濃度の測定のみであると、合成樹脂
の導入量を制御してCO2 濃度を低下させることはでき
ても、合成樹脂を必要以上に使用してしまうことを効果
的に防止することはできない。この欠点を解決するため
には、転炉ガス中のCO2 濃度に加えてメタン等の炭化
水素ガス濃度を連続的に測定してCO2 濃度と炭化水素
ガス濃度に応じて合成樹脂導入量を制御すればよい。す
なわち、合成樹脂導入量が少ないとCO2 濃度が高く、
炭化水素ガスは含まれないかあるいは低濃度である。一
方、合成樹脂導入量が多すぎるとCO2 濃度は低くなる
が、炭化水素ガス濃度が高くなる。したがって、合成樹
脂の導入量を転炉ガス中のCO2 量に見あった量とする
には、CO2 濃度および炭化水素ガス濃度のいずれもが
低い値を示すように合成樹脂量を調節すればよいことに
なる。
【0023】なお、これらの方法で高温ガス中に導入さ
れた合成樹脂はすみやかに分解・ガス化してCO2 と反
応するため、鋼の精錬用にランスから吹き込まれる酸素
と反応する量は極めて少ない。すなわち、この転炉操業
方法では、合成樹脂を燃焼して燃料として使用するので
はなく、転炉ガスの改質材として使用するので、転炉本
来の精錬機能への影響はほとんどない。また、この方法
によれば、合成樹脂中の不燃分や塩素含有化合物は、気
流に伴われて炉外へ排出されるので、転炉スラグに捕集
されることはなく、転炉精錬で重要な役割をはたすスラ
グ成分への影響もない。
【0024】一方、転炉ガスを燃焼させ、排ガスボイラ
により蒸気を製造する本発明の転炉操業方法は、吹錬中
に、転炉内および転炉ガス煙道内のいずれかまたは両方
へ合成樹脂を導入するとともに、転炉炉口部とフードの
隙間から空気を吸い込み、および/または送風機でフー
ドを含む煙道内へ空気を吹き込み、転炉ガス中のCO、
2 、炭化水素ガスおよび合成樹脂を燃焼させて、転炉
ガス煙道で排ガスボイラにより転炉ガスの有するエネル
ギーを蒸気として回収する方法である。
【0025】転炉ガス中のCO、H2 、炭化水素ガスお
よび合成樹脂を燃焼させるための空気は、炉口部とフー
ドの隙間を広げたり、あるいは煙道途中に設けられてい
るダンパーの開度を調整することにより炉口部とフード
の隙間から吸い込んだ空気でもよいし、送風機で煙道内
へ吹き込んだ空気でもよい。あるいはその両方の空気を
用いてもよい。
【0026】蒸気の回収は、一般的には煙道を構成する
排ガスボイラが用いられており、これにより行えばよ
い。ただし、この方法に限定されない。
【0027】この転炉ガスを燃焼させ、蒸気を回収する
転炉操業方法の最大の特徴は、転炉ガスにもともと含ま
れるCOの燃焼に加え、合成樹脂の分解生成物である炭
素や炭化水素ガスと転炉ガス中のCO2 とが反応して生
成したCO、H2 、および前記分解して生成した炭化水
素ガスを燃焼させ、さらに合成樹脂そのものも燃焼させ
るので、従来の方法と比較して蒸気回収量を大幅に増加
させることができる点にある。
【0028】この転炉操業方法をさらに効率的に行うた
めには、燃焼後の転炉ガス中のCO濃度を測定し、CO
濃度に応じて合成樹脂の導入量または燃焼用空気量を調
整するのが好ましい。すなわち、転炉ガス中のCO、H
2 、炭化水素ガス、合成樹脂等の可燃物の量に対して燃
焼用空気の量が少ないと不完全燃焼してCOが残留する
ので、このような場合は、合成樹脂量を減少するか、燃
焼用空気の吹き込み量を増加して燃焼後の転炉ガス中に
COが残留しないようにすれば、未燃ガスの発生を回避
することができる。合成樹脂量の減少と燃焼用空気吹き
込み量の増加を同時に行ってもよい。なお、燃焼用空気
の吹き込み量の調整は、前記のように、転炉炉口部とフ
ードの隙間から空気を吸い込むことにより、または送風
機でフードを含む煙道内へ空気を吹き込むことにより行
えばよく、両者を併用してもよい。
【0029】次に、合成樹脂を導入する方法を図1に基
づいて述べる。
【0030】図1は、本発明の操業方法を実施するため
の転炉および転炉ガスの処理フローの一例を示す図で、
転炉ガスおよび合成樹脂を燃焼して蒸気として回収する
ハーフボイラを備えた転炉の場合の図である。図示する
ように、転炉本体1の上方に設けられ、炉口部との隙間
がフード5で覆われた煙道6がボイラ8を構成してお
り、ボイラ8に接続して、転炉ガスを冷却するとともに
湿式除塵するための冷却器9および電気集塵機10が順
に設けられ、煙突12に接続されている。符号11は転
炉ガスを吸引するための吸引機である。
【0031】転炉本体1の炉口部には昇降可能な送酸用
のランス2が取り付けられ、炉壁には、炉内へ合成樹脂
を投入するための投入シュート22、および炉内へ合成
樹脂を気流吹き込みするための吹き込みランス23が設
けられている。また、この例では、煙道6にも合成樹脂
の投入シュート20、および吹き込みランス21が取り
付けられている。符号7は燃焼用空気を導入する二次燃
焼用送風機である。なお、前記のランス2は、後に詳述
するが、精錬用の酸素の他に合成樹脂を気流輸送で吹き
込める構造を有するランスとするのがよい。
【0032】合成樹脂の導入方法としては、転炉ガスの
煙道6に設置された投入シュート20により合成樹脂を
煙道内へ投入する方法、転炉ガス煙道に設置された吹き
込みランス21により粉砕、切断等の加工処理が施され
た合成樹脂を煙道内へ気流吹き込みする方法、転炉炉壁
に設置された投入シュート22により合成樹脂を炉内へ
投入する方法、転炉炉壁に設置された吹き込みランス2
3により粉砕、切断等の加工処理が施された合成樹脂を
炉内へ気流吹き込みする方法、ランス2を使用して、粉
砕、切断等の加工処理が施された合成樹脂を炉内へ気流
吹き込みする方法等が採用できる。これらの方法のいず
れか一つ、または二つ以上を使用して合成樹脂を転炉内
および煙道内のいずれかまたは両方へ導入すればよい。
【0033】なお、投入シュート20、22を用いて投
入する場合、合成樹脂は粒状、礫状、塊状などいずれで
もよく、その形状に特に制約はない。一方、吹き込みラ
ンス21、23またはランス2を用いて気流吹き込みす
る場合は、ランス詰まりが生じないように、必要に応
じ、あらかじめ合成樹脂に粉砕、切断または造粒等の加
工処理を施しておくのがよい。
【0034】図2は、前記の粉砕、切断等の加工処理が
施された合成樹脂を気流輸送により炉内へ吹き込める構
造を有するランス(送酸用ランス)の一例の先端部の構
造を示す図である。(a)は縦断面図、(b)は平面図
である。図示するように、このランスは、酸素ガスの導
入孔と、冷却水の供給口および排出口を備えた通常の送
酸用ランスとは異なり、さらに合成樹脂を吹き込むため
の合成樹脂導入孔が取り付けられている。このランスを
用いれば、1本のランスで精錬用酸素と合成樹脂を吹き
込めるので、本発明の操業方法を実施する上で好適であ
る。
【0035】上記の合成樹脂の導入方法のいずれを用い
るか、すなわち、合成樹脂を投入シュートを用いて投入
するか、吹き込みランスないしは送酸用ランスを用いて
吹き込むかによって、使用する合成樹脂の大きさに関
し、それぞれ好ましい範囲が存在する。
【0036】投入シュートを用いて合成樹脂を炉内およ
び/または転炉ガス煙道内へ投入する場合は、合成樹脂
がガスと十分混合しないまま転炉ガス流に伴われて炉外
へ排出してしまわないように、合成樹脂の自重で炉内へ
落下する程度の大きさが望ましい。種々検討した結果、
合成樹脂の形状、材質にもよるが、最大長さまたは粒状
の場合は粒径が1mm〜500mmの範囲にあるものが
効率的に使用できることが判明した。最大長さが500
mmを超えると樹脂の溶融・ガス化速度および転炉ガス
の改質反応速度が低下し、精錬用酸素の一部が合成樹脂
の燃焼に消費されて酸素原単位が上昇する。
【0037】一方、合成樹脂を気流吹き込みする場合
は、吹き込みに使用する気流に乗せて転炉ガスとの良好
な混合状態を得、かつ反応を促進できるように、その大
きさは細かい方が望ましい。種々検討した結果、最大長
さまたは粒状の場合は粒径が10mm以下の範囲にある
ものが効率的に使用できることがわかった。
【0038】転炉で塩素を含む合成樹脂を使用する際、
排ガス中に塩化水素やダイオキシン等がふくまれること
が懸念される。しかし、転炉ガスは通常大量の水により
急冷され、この時、冷却水中に塩化水素が溶け込むの
で、塩素含有樹脂を多量に使用しない限り、冷却後の回
収された転炉ガス、あるいは転炉ガス燃焼式(蒸気回収
式)の転炉操業における燃焼排ガス中に混入する塩化水
素量は極めて少なく、実際の操業上問題はない。
【0039】ダイオキシンについても、湿式除塵で高温
のガスを急冷する通常の転炉設備では問題はない。設備
上高温のガスを急冷できない場合については、塩素含有
樹脂を選別して除去した合成樹脂を使用するか、また
は、脱塩素処理した合成樹脂を使用することにより塩化
水素およびダイオキシンの発生を防止できる。
【0040】また、一般家庭から排出される廃合成樹脂
の中にはボトル容器や合成樹脂との複合紙などが含まれ
ているが、本発明の操業方法では、廃合成樹脂製品から
ラベルを除去したり、紙と合成樹脂との複合材から紙を
除去するする必要はなく、そのままの状態で転炉への供
給に適した形状に加工処理し、全く問題なく使用するこ
とができる。
【0041】上述した本発明の転炉操業方法によれば、
公害(ダイオキシンの発生)と埋め立て地不足の両問題
を緩和することができるとともに、従来、利用されずに
焼却あるは埋め立てされていた廃合成樹脂を転炉操業で
有用なエネルギー(燃料ガスまたは蒸気)として回収
し、製鉄所の省エネルギーの促進にも活用できることに
なり、その効果は極めて大きい。
【0042】
【実施例】前記の図1に示した構成を有する転炉ガス燃
焼式(蒸気回収式)の試験転炉、および図示していない
非燃焼式(転炉ガス回収式)の試験転炉を用いて本発明
の方法で操業を行い、蒸気回収量、回収転炉ガス量、回
収転炉ガスの発熱量を従来の転炉を用いた場合と比較し
た。
【0043】表1に結果を示す。
【0044】
【表1】
【0045】ケース1とケース2は比較例で、従来法に
該当するケースである。ケース1は非燃焼式で蒸気回収
は実施しておらず、ケース2は燃焼式でハーフボイラに
より蒸気回収を実施している。
【0046】ケース3〜ケース13は実施例で、本発明
の操業方法によるものであり、ケース3〜ケース8は転
炉ガスの処理設備が非燃焼式で蒸気回収設備が設置され
ていない転炉を使用したケース、ケース9〜ケース13
は転炉ガスの処理設備が燃焼式でハーフボイラ式の蒸気
回収設備が設置されている転炉を使用したケースであ
る。使用した合成樹脂はポリエチレン系の樹脂を主体と
するもので、その粒径と転炉内または転炉ガス煙道内へ
の導入方法については表1に併せて示した。
【0047】まず、非燃焼式の転炉を使用した実施例で
あるケース3〜ケース8では、いずれも比較例のケース
1に比べて転炉ガス量、ガス発熱量が増加しており、本
発明の効果を確認できた。
【0048】また、合成樹脂の導入を投入シュートを用
いて行う方式(投入方式)を採用したケース3とケース
4、および吹き込みランスを用いて行う方式(吹き込み
方式)を採用したケース5とケース6は、それぞれ導入
方法は同じとし、合成樹脂の最大長さまたは粒径を変更
したケースである。投入方式の場合、合成樹脂の最大長
さが大きいケース4の方が粒径が小さいケース3よりも
転炉ガス量、ガス発熱量が増加し、また、吹き込み方式
の場合は、粒径が小さいケース6の方が粒径(または最
大長さ)の大きいケース5より転炉ガス量、発熱量とも
増加しており、導入方法によって合成樹脂の好ましい最
大長さまたは粒径範囲があることが認められた。
【0049】ケース7は前記の図2に示した構成を有す
るランスから合成樹脂を吹き込んだ操業実施例であり、
良好な結果が得られた。
【0050】ケース8は転炉ガス中のCO2 および炭化
水素ガスの連続測定結果に応じて合成樹脂使用量を調整
した場合であり、同じ粒径の合成樹脂を、同じ方法で導
入したケース6やランスを用いたケース7に比べて回収
転炉ガス量およびガス発熱量ともさらに良好な結果が得
られた。
【0051】次に、燃焼式の転炉を使用した実施例であ
るケース9〜ケース13では、いずれも比較例のケース
2に比べて蒸気回収量が増加しており、本発明の効果が
認められた。
【0052】ケース11とケース12は、同じ吹き込み
方法で、合成樹脂の吹き込み量を変更した場合である
が、合成樹脂の吹き込み量を増加したケース12では蒸
気回収量がケース11と比較して増加していることが認
められる。
【0053】ケース13は燃焼排ガス中のCO濃度の連
続測定結果に応じて燃焼用空気量の調整を実施した例で
あり、燃焼用空気量の調整を行っていないケース12よ
りもさらに回収蒸気量を増加できることが判明した。
【0054】
【発明の効果】本発明の転炉操業方法によれば、従来、
利用されずに焼却あるは埋め立てされていた廃合成樹脂
を転炉で使用して有用なエネルギー(燃料ガスまたは蒸
気)として回収することができ、埋め立て地確保の問題
および焼却に伴うダイオキシンの発生の問題を緩和する
ことができる。この方法は、製鉄所の省エネルギーの促
進にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の操業方法を実施するための転炉および
転炉ガスの処理フローの一例を示す図である。
【図2】本発明の操業方法で用いる送酸用ランスの一例
の先端部の構造を示す図である。
【符号の説明】
1:転炉本体 2:ランス 3:鋼浴 4:スラグ 5:フード 6:煙道 7:二次燃焼用送風機 8:ボイラ 9:冷却器 10:電気集塵機 11:吸引機 12:煙突 20:投入シュート 21:吹き込みランス 22:投入シュート 23:吹き込みランス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転炉ガスを回収する非燃焼式の転炉操業方
    法であって、吹錬中に、転炉内およびフードを含む転炉
    ガス煙道内のいずれかまたは両方へ合成樹脂を導入し、
    転炉ガス中のCO2 濃度を低下させ、COおよびH2
    度を増加させて転炉ガスの発熱量を高めるとともに、転
    炉ガス量を増加させることを特徴とする転炉操業方法。
  2. 【請求項2】転炉ガス中のCO2 濃度を測定し、CO2
    濃度に応じて合成樹脂の導入量を制御することを特徴と
    する請求項1に記載の転炉操業方法。
  3. 【請求項3】転炉ガス中のCO2 濃度と炭化水素ガス濃
    度を測定し、CO2 濃度および炭化水素ガス濃度に応じ
    て合成樹脂の導入量を制御することを特徴とする請求項
    1に記載の転炉操業方法。
  4. 【請求項4】転炉ガスを燃焼させ、転炉ガス煙道で排ガ
    スボイラにより蒸気を製造する燃焼式の転炉操業方法で
    あって、吹錬中に、転炉内およびフードを含む転炉ガス
    煙道内のいずれかまたは両方へ合成樹脂を導入するとと
    もに、転炉炉口部とフードの隙間から空気を吸い込み、
    および/または送風機でフードを含む煙道内へ空気を吹
    き込み、転炉ガス中のCO、H2 、炭化水素ガスおよび
    合成樹脂を燃焼させることを特徴とする転炉操業方法。
  5. 【請求項5】燃焼後の転炉ガス中のCO濃度を測定し、
    CO濃度に応じて合成樹脂の導入量または燃焼用空気量
    を調整することを特徴とする請求項4に記載の転炉操業
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の転炉
    操業方法の実施に用いるランスであって、酸素を炉内へ
    吹き込むための酸素導入孔に加え、合成樹脂導入孔を有
    することを特徴とするランス。
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