JP2010100876A - 冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
カーボンや非燃焼成分など堆積がなく、排ガスの増熱と共に炭酸ガスの排出削減とを同時に実現し、高温排ガスの改質・増熱を図る。
【解決手段】高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導くことにより、改質反応後の排ガス中に還元剤が残留するように還元剤を添加し、改質された排ガスを急冷することにより、冶金炉発生排ガスの改質・増熱を図る方法とその装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄設備、特に、転炉や溶融還元炉のような冶金炉から発生する炭酸ガス含有排ガスを、改質と同時に増熱を図る技術、およびこの方法の実施に用いる冶金炉発生排ガスの改質・増熱装置に関する。特に、本発明では、排ガスの顕熱を利用することにより、外部から供給する還元剤と排ガス中の炭酸ガスとの効果的な改質反応を導くと同時に増熱を図り、もって炭酸ガスの排出量削減にも有効な技術を提案する。
近年、産業界にとっては、地球環境を保護し地球温暖化を抑制するために、炭酸ガスの排出削減が重要な課題となっている。特に、製鉄所においては、炭酸ガスの排出削減に向けた努力は、企業の存続にも関わる最重要の課題となっている。従来、そのための各種の提案がなされてきたが、本格的な炭酸ガスの発生を抑制する技術は、未だ満足すべきものがないのが実情である。
一般に、製鉄所では、転炉や溶融還元炉などから多量の炭酸ガスを含む高温の排ガスが発生する。これらの排ガスは、炭酸ガスの他に一酸化炭素や水素などを含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるエネルギー源としても利用されている。また、こうした高温の排ガスの顕熱を利用するという観点からは、ボイラーに供給して低圧のスチームを発生させることで、廃熱回収を行うことが一般的である。しかしながら、製鉄所での低圧スチームの利用価値は低く、むしろ高温の排出ガスを化学的に利用できるようにすることが望ましいとされている。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素に改質できることが知られている。この反応を利用した廃熱回収技術として、特許文献1には、転炉等の精錬設備から発生する、二酸化炭素および/または水蒸気を含む高温の排ガス中に、炭化水素を含む気体および/または液体を供給して改質反応を起こさせ、該排ガス中の一酸化炭素と水素を増加させることにより、排ガスの潜熱を増大させる「増熱」を図る方法が開示されている。
この文献1に開示の方法では、転炉排ガス中に天然ガスを吹込んで、下記(1)式の改質反応を行わせる際に、この反応が完了していると考えられる位置の温度を375℃程度まで低下させている。しかしながら、発明者らの研究によれば、改質反応の完了温度が800℃よりも低くなると、カーボンの生成が顕著となり、排ガス回収設備内にカーボンやダストの堆積を招くという問題があることがわかった。その上、改質反応の完了温度が低下すると、改質反応効率の低下を招き、二酸化炭素の転化率も低下する。
CH+CO→2CO+2H (1)
また、特許文献2には、転炉から排出するガスの温度が600℃以上となる位置に石炭を供給し、排ガスと石炭とを対向接触させることによって、下記(2)式の改質反応を行わせて一酸化炭素を生成させ、排ガスの増熱を図る方法が開示されている。
CO+C→2CO (2)
この文献2に開示の方法では、安価な石炭を用いて改質反応を行わせる点において優れているが、石炭に含まれる非燃焼成分(SiO、Al等)が煙道内に堆積したり、転炉内に落下してスラグ量の増大を招くという問題がある。
また、特許文献3には、転炉から発生する排ガスの温度が1300℃以上である位置にメタンおよび水蒸気を添加して下記(3)式の水性ガス反応を行なわせ、排出ガス中の一酸化炭素と水素の増量を図る方法およびその装置が開示されている。
CH+HO→CO+3H (3)
この文献3に開示の方法では、水蒸気の添加によって起こる反応ではCOとHの発生だけであり、二酸化炭素が絡む改質反応が起らないため、COの削減に何ら寄与しないという問題がある。
特開2000−212615号公報 特開平5−117668号公報 特開平2−11715号公報
上述したように、転炉や溶融還元炉などの冶金炉から発生する、炭酸ガス含有排出ガスの顕熱を利用して、排ガスの潜熱分を増大((1)式の吸熱分を反応生成物の燃焼熱の形で蓄積する)させる、所謂、増熱を図る従来技術では、カーボンの堆積や炭酸ガスの反応効率低下を招いたり、SiOやAl等の非燃焼成分の堆積を招いたり、あるいは、炭酸ガスが反応に関与しないため、排ガスの増熱および炭酸ガスの排出削減に効果がないという課題に加え、増熱された排ガスは発熱量が低いため、これを幅広い分野で利用することができないという課題があった。
そこで、本発明の目的は、カーボンや非燃焼成分などが排ガス回収設備内に堆積することがなく、効率的な炭酸ガス改質反応を導くことにより、排ガスの増熱と共に炭酸ガスの排出量削減とをともに実現できる、高温排ガス改質・増熱方法とそのための装置とを提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を克服し、高温排ガスの効率的な増熱と炭酸ガスの排出量削減とを実現するために、本発明では、冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行う際に、改質反応後の排ガス中に還元剤が残留するように還元剤を添加し、かつ改質された排ガスを急冷すること、を特徴とする冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法を提案する。
なお、本発明の改質・増熱方法において、
(1)前記還元剤は、天然ガス、プロパンガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれるいずれか1種以上の化石資源系化合物を用いること、
(2)また、前記還元剤は、上記の化石資源系化合物に加えて、またはそれに代えて非化石資源系有機化合物を用いること、
(3)前記急冷の処理は、800〜375℃の温度域を、300℃/s以上の速度で冷却すること、
よりが好適な解決手段を提供できる。
また、本発明は、上記の改質・増熱方法の実施に当たり、冶金炉から排出される高温の排ガスを、排ガス回収設備内において、その排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行うと同時に増熱を図る装置であって、前記排ガス回収設備中に、改質反応によって増熱された排ガスの温度を計測する温度計測装置と、該温度計測装置からの出力によって作動する還元剤の添加量を制御する流量制御装置と、還元剤吹込み装置と、そして該温度計測装置の下流に配置される急冷装置とを設けてなることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質・増熱装置を提供する。
なお、本発明においては、前記急冷装置が、湿式集塵機であることがより好適な解決手段を提供できる。
(1)本発明によれば、転炉等の冶金炉から排出される高温の排ガスの顕熱を利用すると同時に、還元剤の添加によって炭酸ガス改質反応を導く際に、改質反応後の排ガス中に未反応の還元剤が残留するように、排ガス中の炭酸ガスを改質するのに必要な還元剤の量よりも過剰に添加し、かつその改質された排ガスを急冷することとによって、カーボンや非燃焼成分の発生、堆積がなく、排ガスの熱量をコークス炉ガスと同程度の熱量に増熱させることができるようになると共に、排ガスの利用拡大と炭酸ガスの排出削減を同時に達成することができるようになる。
(2)また、本発明では、改質反応のために、燃料や化学原料として、現在あるいは将来、安価に大量に生産される物質を用いる方法、装置であるから経済的であり、特に、バイオエタノール、バイオディーゼルなどの非化石資源系有機化合物を還元剤として用いることにより、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できるようになる。
本発明は、カーボンや非燃焼成分などが煙道、とくに排ガス回収設備内に堆積するようなことがなく、しかも改質した排ガスの熱量をコークス炉ガスと同程度の熱量にまで増熱させることにより、排ガスの利用分野の拡大と、炭酸ガスの排出量削減とを同時に達成するための、高温排ガスの改質・増熱技術に関する提案である。具体的には、冶金炉(以下、「転炉」の例で述べる)から排出される排ガス(以下、単に「オフガス」という)に還元剤を添加し、このことにより、そのオフガス中に含まれている炭酸ガスと天然ガス等の還元剤との、上記(1)式で示すような改質反応を起させる際に、改質反応後の排ガス中に還元剤が残留するように、排ガス中の炭酸ガスを改質するのに必要な量よりも過剰な量の還元剤を添加すること、即ち、排ガス中の炭酸ガスと反応する当量の還元剤量よりも化学量論的に多量の還元剤を添加し、さらに改質されたその排ガスは800〜375℃の温度範囲を急冷する排ガスの処理方法およびその処理のための装置である。
転炉から排出されるオフガスは、通常、10〜20容積%程度のCOと50〜80容積%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000kcal/Nm程度、操業中の炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。本発明では、この転炉のオフガス中に、天然ガス等の還元剤を過剰に添加して、その還元剤と炭酸ガスとによる上記(1)式の改質反応を導くことにより、該オフガスの増熱と炭酸ガスの排出削減を同時に達成しようとするものである。即ち、増熱され、改質されたオフガスは、例えば、製鉄所内の各種熱源として使われる(燃焼させる)ため、最終的には炭酸ガスを排出することになるものの、製鉄所内で用いられる重油等の補助燃料を増熱分相当量削減でき、その分だけ発生炭酸ガス量を削減できることになる。
図1は、本発明にかかる排ガス改質方法を説明するための転炉の排ガス回収設備の略線図である。この図に示すように、転炉1から発生するオフガスは、スカート2、下部フード3、上部フード4、1次集塵機(湿式集塵機)5、2次集塵機13等を経て排出される間に、この1次集塵機5の入側に配設した温度計10にて連続的に排ガス温度が計測される。なお、該オフガス中の酸素濃度が低いときは、改質反応用還元剤の添加(注入)量を制御する制御弁7を閉とすると同時に、ガス流路切替弁8を閉にし、該オフガスがフレア9側に流れるようにする。
例えば、温度計10で計測されるオフガス温度が800℃以上であれば、温度計10よりも上流側で多量のカーボンが生成する可能性はないので、ガス流路切替弁8を開にし、オフガスがガスホルダー(図示せず)側に流れるようにすると同時に、流量制御弁7を開として、酸素上吹きランス11の側管から改質反応用還元剤の添加を行う。転炉操業条件の変化などにより温度計10で計測されるオフガス温度が降下した場合は、改質反応によってさらにオフガス温度が低下し、その結果、多量のカーボンが生成するようになるため、流量制御弁7を閉とし、還元剤の添加を停止することが好ましい。
本発明は、改質したオフガスを広く利用できるように、改質したガス中に還元剤を残留させて、増熱を図ることを特徴としている。
しかし、改質ガス中に還元剤を残留させることは、とくに800℃以下の温度域で多量のカーボンが生成し、排ガス回収設備中に堆積するようになり、本発明の目的が達成できなくなる。したがって、カーボン生成域である800〜375℃を急冷することが必要となる。具体的には、800〜375℃の温度域が300℃/s以上の冷却速度となるように急冷することが有効である。そのために、本発明では、温度計10の設置位置の下流側に急冷装置を設けることにした。
この点に関し、転炉などの冶金炉から発生するオフガスは、通常、溶鋼の飛沫と考えられる鉄を主成分とするダストが多く混在する。したがって、排ガス急冷装置として、もし湿式の集塵装置を選択すれば、オフガスの急冷とダストの除去が同時に行われるようになるため、合理的である。図1に示した1次集塵機5は、湿式集塵機の例を示す。
かかる排ガス急冷装置は温度計10の下流側に設置されていることが必要である。その理由は、もし、排ガス急冷装置が温度計10の上流側に設置されていたとしたら、温度計10で計測されるガス温度が急冷後の温度であるため、前述した転炉操業条件の変化などによるオフガス温度の低下によるカーボンの生成を防止できなくなるからである。そして、カーボンの生成反応を抑制するためには、その間の距離(温度計と急冷装置との間隔)は短いほど好ましい。例えば、オフガス回収設備の内径が4mφ(断面積12.6m)、温度計10の位置でのオフガスが流量146000Nm/h、温度980℃(線速度15m/S)の場合、温度計10と排ガス急冷装置間のガス滞留時間は1秒以下に当る位置に配置することが好ましく、従って、その間の距離は約15m以下になることが好適となる。
ところで、炭酸ガス改質反応の化学量論では、下記の一般式(4)に示すように、還元剤1モルに対し、炭酸ガスは(X−Z)モルが反応することを意味している。一般的には、当量の還元剤を注入することが好ましいが、本発明では、改質反応後の排ガス中に還元剤を残留させることで増熱させることが必要である。このために、化学量論的に、排ガス中の炭酸ガス当量よりも多い還元剤を添加することが好ましい。
Figure 2010100876
排ガス中の炭酸ガス量に対し、還元剤をどの程度に過剰添加するかは、未改質のオフガスの低位発熱量(以下、単に「熱量」と言う)、目標とする増熱したオフガスの熱量、さらに、還元剤の熱量によって決めることができる。その過剰な還元剤とは、炭酸ガスの2倍モル以上を添加することが好ましい。さらに好ましくは6倍以上である。例えば、未改質のオフガスの熱量が1840kcal/Nm(ガス組成:CO:60容積%、CO:15容積%、H:1容積%、N:24容積%)であり、目標とする増熱したオフガスの熱量が4500kcal/Nm、さらに、還元剤としてメタン(熱量:8600kcal/Nm)を用いる場合、炭酸ガスの約6倍モルのメタンを添加すればよい。同様に、目標とする増熱したオフガスの熱量が3000kcal/Nmであれば、炭酸ガスの約2倍モルのメタンを添加すればよい。
還元剤の添加位置から温度計10までのガス滞留時間は、好ましくは0.01〜50秒、より好ましくは0.1〜20秒程度とするのがよい。このガス滞留時間を0.01秒以上で、改質反応を完了させるのに必要な反応時間が得られ、炭酸ガスはほぼ平衡まで反応するため効率的である。一方、このガス滞留時間は50秒以内であれば、反応を確実に完了させることができ、かつ煙道を長くする必要が生じることがないので、オフガス設備を安価に建設することができる。
例えば、転炉オフガス中の炭酸ガス濃度が15容積%で、還元剤としてメタンを用い、添加位置におけるオフガス温度が1600℃以上の場合、炭酸ガスと当量のメタンを添加するには、滞留時間を0.5〜5秒とすると改質反応を完了させることができ、反応完了時のガス温度は800℃以上となる。
なお、還元剤の添加位置は、前記ガス滞留時間ならびに添加位置におけるオフガスの温度を考慮して決定することが好ましい。例えば、ガス滞留時間が、前述したように、0.01〜50秒、好ましくは0.1〜20秒の場合、還元剤の添加位置は、オフガス温度ができるだけ高い温度となる位置にすることが好ましい。
図1は、還元剤を酸素上吹きランスの側管から注入する例である。このように、本発明において、その添加位置として、ランス11に注目した理由は、このランス11は上吹き転炉の操業には不可欠な設備であり、これをそのまま利用することは実用的であると言える。ただし、本発明では、還元剤の添加位置を上記のランス側管部だけでなく、例えば、スカート2や上部フード4、下部フード3の上部などに、ノズルを設置して還元剤の添加を行ってもよい。
とくに、転炉オフガス中の炭酸ガス量が比較的少ない場合などでは、反応時間が短くてよいので、下部フード3よりもさらに上部(下流側)での位置で還元剤の添加を行なってもよい。また、その添加位置は1箇所だけに限らず、複数個所としてもよく、例えば、ランス11の側管部と下部フード3の上部の2個所で行うようにしてもよい。
次に、本発明で用いることのできる還元剤としては、
(1)天然ガスやプロパンガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどの化石資源系化合物、
(2)非化石資源系有機化合物
などから選ばれる物質の少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
天然ガスやプロパンガス、軽質ナフサ、ラフィネート、ジメチルエーテルなどの前記化石資源系化合物は、炭酸ガスとの反応性がよく、安価で大量の入手も容易であり好ましい。天然ガスやプロパンガスのように、室温で気体である還元剤を用いる場合、ガス吹き込みに適したノズルを用いればよく、ノズル形状やノズルの本数にとくに制約はない。また、ラフィネートのように、室温で液体の還元剤の場合は、これをミスト状に噴霧して注入してもよく、気化させた後、気体で注入してもよい。ミスト状で供給する場合、その液滴径は、炭酸ガスとの接触が効率的であればよく、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜100μmである。さらに、ジメチルエーテルのような液化ガスを還元剤とする場合は、事前に気化させて気体として注入してもよく、液体で供給しノズル近傍、あるいはノズル内で気化させて供給してもよい。この場合、ノズル近傍、あるいはノズル内で気化させる場合、気化熱によってノズルが冷却されるため、ノズルの保護の点からは好ましい。
一方、還元剤として、上記化石資源系化合物と共に、またはそれに代えて非化石資源系有機化合物を用いてもよい。非化石資源系有機化合物を還元剤として選択すると、炭酸ガス改質反応によってオフガスが増熱される分に加え、カーボンニュートラルな還元剤によって改質反応を行うため、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できる点で好ましい。この非化石資源系有機化合物としては、バイオエタノール、バイオディーゼルまたはこれらの混合物を挙げることができる。なお、バイオエタノール、バイオディーゼルなどは、通常、室温で液体であるため、これをミスト状に噴霧して注入するか、気化させた後、気体として注入することが好ましい。
次に、上述したオフガス改質方法の実施に当たって、本発明では、オフガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を促進する改質装置として、排ガス回収設備中、図示例では、転炉ダクト中に、改質反応によって増熱された排ガスの温度を計測する温度計測装置を配設し、この温度計測装置からの出力によって作動する還元剤の添加(注入)量を制御する流量制御装置を配設し、前記温度計測装置の下流側の近傍に排ガス急冷装置を配設すると共に、該流量制御装置の作動によって流量制御される還元剤を、所定の位置、例えば、上記上吹きランス11の側管部あるいはスカート等に配設したノズル等から、オフガス中に添加するための還元剤吹込み装置とを設けてなる冶金炉発生排ガスの改質・増熱装置を提案する。
本発明において、前記排ガス急冷装置は、温度計測装置、即ち、温度計10の下流に設置することが必要であり、この温度計10と前記排ガス急冷装置5間のガス滞留時間が1秒以下となるよう、排ガス急冷装置5の位置を定めることが好ましい。排ガス急冷装置5としては限定的なものではないが、各種の急冷熱交換器、濡壁塔、スプレー塔、湿式集塵機などを挙げることができる。中でも湿式集塵機は、転炉オフガス中には上述したようなダストが混在するため、オフガスの急冷とダストの除去を同時に行うことができるので特に好ましい。
図1は、排ガス回収設備内に設置される改質・増熱装置の制御系を点線で示すものである。この図において、還元剤供給のための流量制御弁7は1個だけであり、それを温度計測用の温度計10の出力によって制御するようにしているが、演算装置12を介して図示していない2個の制御弁を使って別々に制御するようにしてもよい。また、ガス流路切替弁8を開とする信号(ガスホルダー側にオフガスがながれる)によって制御弁7を制御してもよい。
(実施例1)
この実施例は、300tの上吹き転炉を用い、上部フードからオフガス中に天然ガスを添加する試験を行った例である。天然ガスを吹込んでいない時のオフガスは流量67000Nm/h、ガス組成はCO:60容積%、CO:15容積%、H:2容積%、N:24容積%であったので、COを10050Nm/h排出していたことになる。
これは炭酸ガスの質量では、1年あたりに換算すると、103000t/年に相当する。添加した天然ガスは、CO流量と等しい60300Nm/hとした。この天然ガスのCH含有率が92容積%であったので、COとCHのモル比は略1:6に近似できる。なお、転炉炉口付近のオフガス温度は約1600℃であった。
2次集塵機(ダストキャッチャー)の下流側の位置にオフガスの流量計とガス分析計とを設置し、一次集塵機(湿式集塵機)の上流側の約5mの位置に温度計10を設置し、改質したオフガス温度とオフガスの酸素濃度とによって、天然ガスの添加量を制御できるようにした。吹錬開始直後は酸素がリークしていたため、酸素濃度が1容積%以下になったところで天然ガスの添加を開始し、改質したオフガスの温度、流量、組成をモニターした。その結果、オフガスは、温度900℃、流量146000Nm/h、組成は、CO:40容積%、CO:0.5容積%、H:14容積%、N:11容積%、CH:34.5容積%、O:0.1容積%未満であり、平衡を考慮するとCOはほぼ完全に反応していた。900℃の改質後のオフガスは、一次集塵機により300℃に冷却速度600℃/Sで冷却され、煙道へのカーボンなどのダストの生成や堆積は認められず、何ら問題なくオフガスの改質ができた。
そして、天然ガス添加前のオフガスの熱量は1840kcal/Nmであったが、天然ガス添加後では4530kcal/Nmと、コークス炉ガスと同等の熱量に増熱されていた。天然ガス添加後のオフガス流量はオフガス146000Nm/hなので、時間当たりの熱量は661Gcal/hであった。天然ガス添加前では123Gcal/hなので、5倍に増熱されたことになる。この効果は、体積あたりの熱量が2.5倍に増大したこと、およびガス体積が2.1倍に増大したことになる。
(比較例1)
天然ガスの添加位置を改質反応が全く起こらない2次集塵機下流側とし、添加量をCO2流量の4.4倍である44200Nm/hとしたこと以外は実施例1と同様にして天然ガス添加試験を行った。その結果、オフガスは、流量111200Nm/h、組成は、CO:36容積%、CO:9容積%、H:0.6容積%、N:14.4容積%CH:40容積%、O:0.1容積%未満、熱量:4530kcal/Nmであった。これは、時間当たりでは504Gcal/hに相当する。天然ガス添加量は実施例に比べて少ないが、改質反応が起こらないので、流量は天然ガスを添加した分だけの増加に過ぎず、その結果として、実施例と比較して157Gcal/h低い熱量となった。また、炭酸ガスも何ら削減することはできないことは自明である。
本発明は、転炉の排ガスだけでなく、多量の炭酸ガスを含む高温のガスが排出される溶
融還元炉や非鉄精錬で用いられる各種の炉などの冶金炉の排ガス改質・増熱技術として有用である。
本発明を説明するための、転炉排ガス回収設備の略線図である;
符号の説明
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 1次集塵機(湿式集塵機)
6 ガス分析計
7 制御弁
8 ガス流路切替弁
9 フレア
10 温度計
11酸素上吹きランス
12 演算装置
13 2次集塵機

Claims (6)

  1. 冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行う際に、改質反応後の排ガス中に還元剤が残留するように還元剤を添加し、かつ改質された排ガスを急冷すること、を特徴とする冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法。
  2. 前記還元剤は、天然ガス、プロパンガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれるいずれか1種以上の化石資源系化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法。
  3. 前記還元剤は、非化石資源系有機化合物を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法。
  4. 前記急冷の処理は、800〜375℃の温度域を300℃/s以上の速度で冷却することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法。
  5. 冶金炉から排出される高温の排ガスを、排ガス回収設備内において、その排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行うと同時に増熱を図る装置であって、前記排ガス回収設備中に、改質反応によって増熱された排ガスの温度を計測する温度計測装置と、該温度計測装置からの出力によって作動する還元剤の添加量を制御する流量制御装置と、還元剤吹込み装置と、そして該温度計測装置の下流に配置される急冷装置とを設けてなることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質・増熱装置。
  6. 前記排ガス急冷装置が、湿式集塵機であることを特徴とする請求項5に記載の冶金炉発生排ガスの改質・増熱装置。
JP2008271557A 2008-10-22 2008-10-22 冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法およびその装置 Expired - Fee Related JP5453760B2 (ja)

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