JP5487607B2 - 冶金炉発生排ガスの改質方法およびその装置 - Google Patents

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本発明は、製鉄設備、特に、転炉や溶融還元炉のような冶金炉から発生する高温炭酸ガス含有排ガスの改質を行って熱エネルギーを有効に回収する方法およびこの方法の実施に用いる冶金炉発生排ガスの改質装置に関する。特に、本発明では、高温排ガスの顕熱を有効に利用することにより、外部から供給する還元剤と排ガス中の炭酸ガスとの効率の良い改質反応を導いて、該排ガスの熱エネルギーを増大させると共に実質的な炭酸ガス排出量の削減に有効な技術を提案する。
近年、地球環境を保護し地球温暖化を防止するために、炭酸ガスの排出削減が重要な課題となっている。特に、製鉄所において、炭酸ガスの排出削減は、企業の存続にも関わる大きな課題となっている。従来、その課題解決のための各種の提案がされてきたが、本格的で真に有効な炭酸ガス削減技術は、未だ完成の域に達していないのが実情である。
製鉄所では、一般に、転炉や溶融還元炉などからは、炭酸ガスを多量に含む高温の排ガスが発生する。これらの排ガスは、炭酸ガスの他に一酸化炭素や水素などを含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるエネルギー源としても利用されている。また、こうした高温の排ガスの顕熱を利用するという観点からは、ボイラーに供給して低圧のスチームを発生させることで、廃熱の回収を行うことが一般的である。しかしながら、製鉄所での低圧スチームの利用価値は低く、むしろ高温の排出ガスを化学的に利用できるようにすることが望まれている。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素に改質されることが知られている。この反応を利用した廃熱回収技術として、下記の特許文献1には、転炉等の精錬設備から発生する、二酸化炭素および/または水蒸気を含む高温の排ガス中に、炭化水素を含む気体および/または液体を供給して改質反応を起こさせ、該排ガス中の一酸化炭素と水素を増加させることにより、排ガスの潜熱を増大させる「増熱」を図る方法が開示されている。
この文献1に開示の方法では、転炉排ガス中に天然ガスを吹込んで、下記(1)式の改質反応を行わせる際に、この反応が完了していると考えられる位置の温度を375℃程度まで低下させている。しかしながら、熱によって進行する気相反応系では主反応、副反応という区別がなく、とくに改質反応の完了温度が800℃よりも低くなるとカーボンの生成が顕著となり、排ガス回収設備内にカーボンやダストの堆積を招くという問題がある。
CH+CO→2CO+2H (1)
また、下記の特許文献2には、転炉から排出されるガスの温度が600℃以上となる位置に石炭を供給し、排ガスと石炭とを対向接触させることによって、下記(2)式の改質反応を行わせて一酸化炭素を生成させ、排ガスの増熱を図る方法が開示されている。
CO+C→2CO (2)
この文献2に開示の方法では、安価な石炭を用いて改質反応を行わせる点において優れているが、石炭に含まれる非燃焼成分(SiO、Al等)が煙道内に堆積したり、転炉内に落下してスラグ量の増大を招くという問題がある。
また、特許文献3には、転炉から発生する排ガスの温度が1300℃以上である位置にメタンおよび水蒸気を添加して下記(3)式の水性ガス反応を行なわせ、排出ガス中の一酸化炭素と水素の増量を図る方法およびその装置が開示されている。
CH+HO→CO+3H (3)
この文献3に開示されている方法では、水蒸気の添加によってCOとHの発生だけが起こる反応であり、二酸化炭素が絡む改質反応が起らないため、COの削減に何ら寄与しないという問題がある。
特開2000−212615号公報 特開平5−117668号公報 特開平2−11715号公報
上述したように、転炉や溶融還元炉などの冶金炉から発生する、炭酸ガス含有排出ガスの顕熱を利用して、排ガスの潜熱分を増大((1)式の吸熱分を反応生成物の燃焼熱の形で蓄積する)させる、所謂、増熱を図る従来技術では、カーボンの堆積や炭酸ガスの反応効率低下を招いたり、SiOやAl等の非燃焼成分の堆積を招いたり、あるいは、炭酸ガスが反応に関与しないため、排ガスの増熱および炭酸ガスの排出削減に効果がないという課題があった。
また、発生排ガスの温度は、一般に、冶金炉の操業状況により大きく変動し、短時間でこの変動を反映させるようなシステムを構築するのは困難である。とりわけ、該排ガスの温度が低下した時は、メタンと炭酸ガスの反応が遅れるだけでなく、残留しているメタンからカーボンを生成する反応の方が優勢となり、ダストの増加を招くと共に、オフガスの顕熱を化学エネルギーとして回収することができなくなるという問題もある。
本発明の目的は、効率的な炭酸ガス改質反応を導くにあたり、カーボンや非燃焼成分などの堆積がなく、冶金炉の操業変動に対する応答性がよく、排ガスの増熱や炭酸ガスの排出削減にも有効な冶金炉発生排ガスの改質方法と、そのための改質装置を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を克服し、高温排ガスの効率的な増熱と炭酸ガスの排出量削減とを同時に達成することができ、かつ冶金炉の操業変動にもよく追随していけるようにするために、本発明では、冶金炉の煙道を通じて排出される高温の排ガスに対し還元剤を添加することにより、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと該還元剤とによる改質反応を導いて排ガスの改質を行うにあたり、その改質反応を、前記煙道の内壁面に被覆した金属ニッケルの介在下で行わせることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質方法を提案する。
なお、本発明の前記改質方法においては、
(1)前記還元剤としては、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれる物質の1種以上の化石資源系化合物を用いること、
(2)前記還元剤としては、非化石資源系有機化合物を用いること、
がより好適な解決手段を提供することができる。
また、本発明は、冶金炉の煙道に、その内壁面に金属ニッケルの被覆層を設け、その煙道中および/または該煙道の上流の位置に還元剤吹込み装置を設けてなる冶金炉発生排ガスの改質装置である。
なお、本発明の前記改質装置においては、前記還元剤吹込み装置として、転炉の上吹きランス部、もしくは転炉の排ガス回収設備におけるスカートから輻射部の1次集塵機の上流側までの間の、一箇所以上に設置することがより好適な解決手段を提供することができる。
(1)本発明によれば、転炉等の冶金炉から排出される高温の排ガスの顕熱を有効に利用することができると同時に、還元剤の添加によって炭酸ガス改質反応を導く際に還元剤の添加位置や反応系に金属ニッケルを触媒として介在させるという制御を行うことによって、カーボンや非燃焼成分の発生、堆積がなく、排ガスの増熱と炭酸ガスの排出削減を効果的に達成することができる。
(2)そして、本発明によれば、煙道中に単に金属ニッケル触媒を介在させるという簡単な方法で、効果的な改質反応を導く方法であるから、複雑な方法、装置を頼ることなく、冶金炉の操業変動にも素早く対応することができる方法および装置を提供することができる。
(3)本発明では、改質反応のために、還元剤として、現在あるいは将来にわたって安定供給される物質を用いる方法、装置であるから経済的である。
本発明は、カーボンや非燃焼成分などが煙道内に堆積するようなことがなく、炭酸ガス改質反応を完全に進行させして、排ガスの増熱と炭酸ガスの排出量削減とを効率的に達成するための、高温排ガスの改質方法を提案する。具体的には、冶金炉(以下、「転炉」の例で述べる)から排出される高温排ガス(以下、「オフガス」という)が通過する煙道の内壁部表面に、溶射等の方法で金属ニッケルを、例えば溶射して被覆したものを用いると共に、このような環境下において、前記オフガス中に還元剤を添加する方法である。このような構成にすることにより、金属ニッケルの触媒作用により、たとえ改質反応時の温度が800℃以下の温度になったとしても、カーボンの析出や非燃焼成分の発生を抑制することができ、オフガスの増熱をひいては効率的に図ることができる排ガスの改質方法を提案するものである。
転炉から排出されるオフガスというのは、通常、10〜20容積%程度のCOと50〜80容積%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000kcal/Nm程度、操業中の炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。本発明では、この転炉オフガスが通過する煙道内の内壁面に、金属ニッケルを予め被覆しておくことが特徴的な構成である。
そして、転炉の操業中に、前記煙道内を通過するオフガスに対し、転炉の上吹きランス部や転炉排ガス回収設備におけるスカート部から輻射部の1次集塵機の上流側までの間の、1〜複数個所から天然ガス等の還元剤を添加し、その還元剤と炭酸ガスとによる上記(1)式の改質反応を起こさせる。この時、オフガスの温度は転炉の操業状況により変化する他、還元剤とオフガス中の炭酸ガスとの反応によっても温度が低下する。このとき、オフガス温度が800℃以上であれば、還元剤とオフガス中の炭酸ガスとの反応が優先的に起こる。しかし、そのオフガス温度が転炉等の操業要因により低下した場合や還元剤とオフガス中の炭酸ガスとの反応により800℃未満に低下するような場合、炭酸ガスと還元剤の気相における反応およびカーボン析出反応の反応速度が低下する。
しかしながら、本発明方法を採用した場合は、上述したように、オフガスが通過する煙道内の内壁面に金属ニッケルが被覆されているので、該金属ニッケルのもつ触媒作用により、反応温度が800℃未満になる条件においても600℃以上であれば還元剤とオフガス中炭酸ガスとの反応速度の低下を抑制することができる。その結果、オフガスは、増熱され、例えば、製鉄所内の各種熱源として使われる(燃焼させる)ため、最終的には炭酸ガスを排出することになるものの、製鉄所内で用いられる重油等の補助燃料を、増熱分相当量だけ削減することができ、その分の炭酸ガスが削減できることになる。
図1は、本発明にかかる排ガス改質方法を説明するための転炉の排ガス回収設備の略線図である。この図に示すように、転炉1から発生するオフガスは、スカート2、下部フード3、上部フード4、1次集塵機(湿式集塵機)5、2次集塵機13等を経て排出される間に、この2次集塵機13の出側に配設したガス分析計6にて連続的または半連続的に、あるいは間欠的に酸素濃度が計測される。なお、該オフガス中の酸素濃度が1容積%より多いときは、改質反応用還元剤の添加(注入)量を制御する制御弁7を閉とすると同時に、ガス流路切替弁8を閉にし、該オフガスがフレア9側に流れるようにする。
なお、本発明において、煙道とは、下部フード3から一次集塵機5までの間の内部空間を指す。
ガス分析計6の形式はとくに限定しないが、酸素濃度の他、炭酸ガス濃度(流量)やオフガス流量の計測もできるものが好ましい。このガス分析計6の計測値からは、炭酸ガスの流量を求めることができ、ひいては改質反応用還元剤の注入量を決定することができるようになる。
例えば、酸素濃度が1容積%以下まで低下すれば、温度計10で計測されるオフガス温度が800℃未満であっても、600℃以上であればガス流路切替弁8を開にし、オフガスがガスホルダー(図示せず)側に流れるようにすると同時に、流量制御弁7を開として、酸素上吹きランス11の側管から改質反応用還元剤の添加を行う。そして、ガス分析計6によって、改質後のオフガスの組成を連続的に計測し、この計測値に応じて、還元剤の注入量および/または、添加(注入)位置を制御する。
なお、還元剤の添加位置は、前記ガス滞留時間ならびに添加位置におけるオフガスの温度を考慮して決定することが好ましい。例えば、ガス滞留時間が、前述したように、0.01〜50秒、好ましくは0.1〜20秒の場合、還元剤の添加位置は、オフガス温度ができるだけ高い温度となる位置とすることが好ましい。図1は、還元剤を酸素上吹きランスの側管から注入する例である。その他、その添加位置としては、スカート2、上部フード4や下部フード3の上部などにノズルを設置して、還元剤の添加を行ってもよい。
とくに、転炉オフガス中の炭酸ガス量が比較的少ない場合などでは、反応時間が短くてよいので、下部フード3よりもさらに上部での位置で還元剤の添加を行なってもよい。また、その添加位置は1箇所だけに限らず、複数個所としてもよく、例えば、ランス11の側管と下部フード3の上部の2個所で行うようにしてもよい。
次に、本発明で用いることのできる還元剤としては、天然ガスや液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどから選ばれる物質の少なくとも1つの化石資源系化合物を用いることが好ましい。中でも天然ガスやプロパンガス、軽質ナフサ、ラフィネート、ジメチルエーテルは、炭酸ガスとの反応性がよく、安価で大量の入手も容易であることから好ましい。
また、この還元剤としては、上記化石資源系化合物と共に、またはそれに代えて非化石資源系有機化合物を用いてもよい。非化石資源系有機化合物を用いると、炭酸ガス改質反応によってオフガスが増熱される分に加え、カーボンニュートラルな還元剤によって改質反応を行うため、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できる点において特に好ましい。この非化石資源系有機化合物としては、バイオエタノール、バイオディーゼル、またはこれらの混合物を挙げることができる。
なお、天然ガスやメタンのように、室温で気体である還元剤を用いる場合、ガス吹き込みに適したノズルを用いればよく、ノズル形状やノズルの本数にとくに制約はない。また、ラフィネート、バイオエタノール、バイオディーゼルのように、室温で液体の還元剤の場合は、これをミスト状に噴霧して注入してもよく、気化させた後、気体で注入してもよい。ミスト状で供給する場合、その液滴径は、炭酸ガスとの接触が効率的であればよく、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜100μmである。
さらに、液化石油ガスやジメチルエーテルのような液化ガス、または非化石資源系有機化合物の液化ガスを還元剤とする場合は、事前に気化させて気体として注入してもよく、液体で供給しノズル近傍、あるいはノズル内で気化させて供給してもよい。この場合、ノズル近傍、あるいはノズル内で気化させる場合、気化熱によってノズルが冷却されるため、ノズルの保護の点からは好ましい。
上述したオフガス改質方法の実施に当たって、本発明では、オフガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を促進する改質装置として、排ガス回収設備中に、オフガス中の酸素濃度を計測する濃度計測装置と、その濃度計測装置からの出力に基づく改質オフガス中の酸素濃度に応じて、即ち、酸素濃度が1容積%より多いか少ないかに応じて排ガス管路の流路切替を行う流路切替装置と、そして、改質反応によって増熱された改質オフガスの温度を計測する温度計測装置と、そして、該温度計測装置からの出力および濃度計測装置の出力によって作動する還元剤の添加(注入)量を制御する流量制御装置を配設すると共に、該流量制御装置の作動によって制御される還元剤を、所定の位置、例えば、上記上吹きランスの側管部あるいはスカート等に配設したノズルから、オフガス中に添加するための還元剤吹込み装置とを設けてなる冶金炉発生排ガスの改質装置を用いることができる。
前記濃度計測装置としては、2次集塵機、例えば、第2ダストキャッチャー13の下流側管路内に配設したガス分析計6が用いられ、前記流路切替装置としては、ガス分析計6の酸素濃度値の出力によって開閉制御されるガス流路切替弁8をフレア9への流路とガスホルダー(図示せず)への流路のいずれかが選択できるように、それらとの分岐部分に配設したものが用いることができる。そして、前記温度計測装置は、一次集塵機5の入側に当たる排ダクトの輻射部との境界部分に配設された温度計10によって構成されたものを用いる。なお、前記排ガス回収設備中の2次集塵機13の下流側にオフガスの流量を測定するガス流量計15を設けておくことが好ましい。
図1は、上記改質装置の制御系を点線で示す。この図においては、還元剤供給のための流量制御弁7は1個だけであり、それを酸素濃度測定用ガス分析計6、ガス流量計15および温度計測用温度計10から選ばれる一以上の出力によって制御するようにしているが、演算装置12を介して図示していない2個の制御弁を使って別々に制御するようにしてもよいし、ガス分析計6の出力でガス流路切替弁8を制御すると同時にこの切替弁の下流側に、さらに別の制御弁を設置し、前記温度計10の出力によって制御するようにしてもよい。
(実施例1)
この実施例は、300t上吹き転炉1を用い、上部フードからオフガス中に天然ガスを添加する試験を行った例である。天然ガスを吹き込む上部フード4から1次集塵機5の冷却水との合流部までの煙道内内壁面に金属ニッケルを溶射し、厚み
0.1mm程度の金属ニッケル被覆層14を被覆形成した。天然ガスを吹込んでいない時のオフガスは流量79,000Nm/h、ガス組成はCO:50容積%、CO:15容積%、H:1容積%、N:34容積%であったので、COを11850Nm/h排出していた。
添加した天然ガスは、CO流量と等しい11,850Nm/hとした。この天然ガスのCH含有率が92容積%であったので、COとCHのモル比は略1:1に近似できる。なお、転炉炉口付近のオフガス温度は約1,700℃であった。
そして、オフガスの流量計15とガス分析計6を2次集塵機(ダストキャッチャー)の下流側に、温度計を一次集塵機(湿式集塵機)の上流側に設置し、オフガスの酸素濃度と改質したオフガス温度によって、天然ガスの添加量を制御できるようにした。吹錬開始後、酸素濃度が1容積%以下になったところで天然ガスの添加を開始し、改質したオフガスの温度、流量、組成をモニターした。その結果、オフガスは、温度980℃、流量114,400Nm/h、組成は、CO:容積55%、CO:0.1容積%、H:21容積%、N:23.5容積%、CH:0.1容積%、O:0.1容積%未満であった。
その後、転炉炉口付近のオフガスの温度が1,350℃まで低下し、改質したオフガスの温度は630℃まで低下したが、オフガスの流量、組成にはほぼ変化はなかった。
吹錬終了後、煙道内を観察したところ、カーボンなどのダストの生成や堆積は認められず、何ら問題なくオフガスの改質ができた。
また、改質前のオフガスの燃焼熱は1,537kcal/Nmであったが、改質後では2,220kcal/Nmと、オフガス体積規準で44%増熱されていた。オフガス流量も1.45倍になっているため、増熱量は非常に大きいことがわかった。ただし、ここには還元剤として添加した天然ガスの熱量が含まれているため、それを除いた真の増熱率は29%となった。
(比較例1)
煙道内内壁面に金属ニッケルを溶射していないこと以外は、実施例1と同様にして還元剤の添加試験を行った。吹錬の途中で転炉炉口のオフガス温度が1,350℃に低下し、改質後のオフガスは、温度:680℃、組成は、CO:52容積%、CO:4容積%、H:15容積%、N:25容積%、CH:4容積%、O:0.1容積%未満と、COが4容積%もリークしていた。さらに、カーボンが約4重量%生成し、煙道に堆積していた。
本発明は、転炉の排ガスだけでなく、多量の炭酸ガスを含む高温のガスが排出される溶融還元炉や非鉄精錬で用いられる各種の炉などの冶金炉の排ガス改質技術として有用である。
本発明を説明するための、転炉排ガス回収設備の略線図である。
符号の説明
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 1次集塵機
6 ガス分析計
7 制御弁
8 ガス流路切替弁
9 フレア
10 温度計
11 酸素上吹きランス
12 演算装置
13 2次集塵機
14 金属ニッケル被覆層
15 ガス流量計
P 煙道

Claims (5)

  1. 冶金炉の煙道を通じて排出される高温の排ガスに対し還元剤を添加することにより、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと該還元剤とによる改質反応を導いて排ガスの改質を行うにあたり、その改質反応を、前記煙道の内壁面に被覆した金属ニッケルの介在下で行わせることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質方法。
  2. 前記還元剤が、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれる物質の1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  3. 前記還元剤は、非化石資源系有機化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  4. 冶金炉の煙道に、その内壁面に金属ニッケルの被覆層を設け、その煙道中および/または該煙道の上流の位置に還元剤吹込み装置を設けてなる冶金炉発生排ガスの改質装置。
  5. 前記還元剤吹込み装置は、転炉の上吹きランス部、もしくは転炉の排ガス回収設備におけるスカートから輻射部の1次集塵機の上流側までの間の、一箇所以上に設置されたものであることを特徴とする請求項4に記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
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