JP5581656B2 - 転炉排ガスの熱エネルギー回収方法およびその装置 - Google Patents

転炉排ガスの熱エネルギー回収方法およびその装置 Download PDF

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本発明は、転炉排ガスの熱エネルギーを回収する方法およびその装置に関し、特に、高温の転炉排ガスの顕熱を利用して、回収する排ガス中の熱エネルギー分を増大させて回収する方法と、この方法の実施に用いる装置に関するものである。
近年、転炉吹錬は、上吹きメインランスより酸素ガス(Oガス)を上吹きするとともに、炉底羽口より燃料、Oガスあるいは不活性ガスを底吹きする上底吹き方式が主流となっている。このような転炉吹錬において、吹込まれたOガスは、溶鋼中のCと反応してCOガスを発生し、操業条件によっても異なるが炉内は、1500℃〜1700℃程度の高温になる。このとき発生したCOガスは、可燃性ガスとしても使えることから、通常、回収したこの転炉排ガスを、燃料として使用するのが一般的である。
一般に、転炉1の炉口部には、図1に示すように、上部フード3a、下部フード3bと、その下部フード3bの下端部に装着された昇降式スカート2が配設されており、該昇降式スカート2によって炉口部をシールするようになっている。
転炉1から発生する高温の排ガスは、前記昇降式スカート2、転炉排ガスダクト3(固定式の上部3a・下部フード3b)、ガス冷却器4、集塵器8、8’等を経て排出されている。なお、ガス冷却器4では、排熱回収用のボイラを介して排ガスを冷却すると共に、ここでも熱エネルギーが回収できるようになっている。そして、集塵器8、8’では、集塵用散水式スプレーノズルが配設され、排ガスの冷却と共に集塵ができるようになっている。
ところで、転炉排ガスがもつ熱エネルギーを回収する技術としては、炭化水素系ガスとCOやHOとを排ガス顕熱を利用して高温で反応させることにより、還元ガスを製造する方法が知られている。例えば、特許文献1には、転炉の排ガス煙道中の1300℃以上の排ガス中に、メタンと水蒸気を添加して水性ガス化反応を生起させ、このことにより該排ガス中の熱量(カロリー)増加を図る転炉排ガスの増熱回収方法が開示されている。さらに、特許文献2には、各種製鉄設備から発生する排ガスのもつ熱エネルギーを排ガス回収設備を用いて回収するに当たり、その排ガス回収設備の供給配管から炭化水素を含む気体や液体を供給し、高温排ガス中の二酸化炭素および/または水蒸気と反応させることにより、高温排ガスの潜熱分を増大させる方法が開示されている。
特開平2−11715号公報 特開2000−212615号公報
前記従来技術においては、排ガスダクト等の排ガス回収設備内に、吹込みノズル(吹込み管)を介して炭化水素系の気体(メタンを主成分とする都市ガスやプロパンガス等)や、液体(重油等)を吹込んでいるが、これらは転炉回収排ガス等の副生ガスに比べて高価であり、製鉄所内のエネルギーバランスによっては吹き込まない方がよいことがある。しかも、高温の排ガスに曝されている前記吹込み管内には、前記の気体もしくは液体が、常時に供給されているという訳ではなく、一方で、転炉から発生する排ガス温度は、約1300℃にもなり、常にその高温雰囲気に曝されることになる。その結果、前記吹込み管は、気体もしくは液体が供給されている間は、それらによって冷却された状態にあるが、ひとたびガス等の供給が停止になった場合には、冷却手段を失って吹込み管先端部が該高温の排ガスによって溶損してしまうという問題があった。
また、転炉からの排ガス中には、吹錬中に発生した多量のダストを含有しているため、前記吹込み管に、還元剤として気体または液体が供給されていないと、該吹込み管がダストによって閉塞するという問題もあった。この問題に対しては、吹込み管に気体または液体を供給しないときに、該吹込み管に窒素等の不活性ガスを供給するという対策が考えられるが、この場合には、回収される転炉排ガスが窒素等の不活性ガスによって希釈され、回収排ガスの発熱量が低下するという問題が発生する。しかも、窒素等の不活性ガスを必要とすることから、その不活性ガスを製造するためのエネルギーが必要になるというマイナス要因もあった。
さらには、転炉から発生した排ガスに曝されて高温になった吹込み管(供給ノズル)から気体や液体からなる還元剤(炭化水素含有流体)を供給する場合、高温になった該ノズルの内壁面で炭化水素の脱水素化反応が起こってカーボンが析出し、それが内壁面に付着してノズル詰まりを発生することがあった。このカーボンによるノズル詰まりは、特に、液体状の炭化水素を使用する場合に顕著であった。
そこで、本発明は、従来技術の下で顕在化した前記課題を解決することを目的とし、特に、還元剤吹込み管の保護を図りながら、回収排ガスの一層の増熱を図るための熱エネルギーの回収方法と、この方法の実施に用いる回収装置とを提供することを目的とする。
本発明は、従来技術が抱えている上述した問題点を解決するために鋭意研究した結果、上記の目的を実施するには、上記吹込み管からは常時、冷却用ガスを流すこと、その冷却用ガスとしては、高価な炭化水素系のガスや液体を使うのではなく、製鉄所に自生するガス、とくに転炉から発生する排ガスの一部を利用することが有効であるとの知見を得て、本発明を開発するに到った。
即ち、本発明は、転炉排ガスのもつ熱エネルギーを、排ガス回収設備を使って回収するにあたり、該排ガス中に、転炉排ガスダクト部に取り付けた吹込み管を介して還元剤を吹込み、該排ガス中の二酸化炭素と、該還元剤とを反応させることにより、該排ガスの熱エネルギーを増大させる転炉排ガスの熱エネルギー回収方法において、転炉排ガスの排ガス回収設備の誘引送風機の出側から取出した、冷却され除塵されかつ改質された状態にある改質回収排ガスの一部を、吹込み管冷却用ガスとして前記吹込み管内に吹込むことを特徴とする転炉排ガスの熱エネルギー回収方法である。
そして、上記転炉排ガスの熱エネルギー回収方法においては、
(1)前記改質回収排ガスの一部を還元剤と予め混合して吹込むこと、
(2)前記吹込み管から吹き込む改質回収排ガスと還元剤との混合割合は、改質回収排ガスの量を還元剤の量に対して5〜20容積%とすること
より好ましい解決手段である。
また、本発明は、転炉排ガスのもつ熱エネルギーを、排ガス回収設備を使って回収するにあたり、該排ガス中に、転炉排ガスダクト部に取り付けた吹込み管を介して還元剤を吹込み、該排ガス中の二酸化炭素と、該還元剤とを反応させることにより、排ガス中の潜熱分を増大させる転炉排ガスの熱エネルギー回収装置において、 前記吹込み管が、転炉の排ガスダクトの、該ダクト内ガス流れ方向および/または該ダクトの周方向のそれぞれ1〜複数箇所に配設され、転炉排ガスと反応させるための還元剤と、転炉排ガスの排ガス回収設備の誘引送風機の出側から取出した、冷却され除塵されかつ改質された状態にある吹込み管冷却用ガスである改質回収排ガスの一部とを、吹込むことできることを特徴とする転炉排ガスの熱エネルギー回収装置を用いることが有効である。
なお、本発明の上記回収装置においては、前記改質回収排ガスは、冷却され除塵され改質された排ガスであることが、より有効な解決手段となる。
上記のように構成される本発明によれば、
(1)吹込み管が、転炉排ガスを改質処理して回収される改質回収排ガスによって、常に冷却されることになるため、溶損することがない、
(2)たとえ炭化水素含有ガス等の還元剤を、この吹込み管に供給していないときでも、転炉ダストの付着による詰りが生じることがない、
(3)還元剤成分である炭化水素の脱水素による吹込み管内へのカーボンの析出、付着がなくなる、
(4)改質回収排ガスの一部を吹込み管冷却ガスとして、転炉排ガスダクト内に還流させるので、この循環によって該排ガスの熱エネルギーが、非循環系の当初の回収排ガスよりもさらに増大する、
(5)還元剤である炭化水素含有流体が転炉排ガス回収設備に逆流するようなことがなく、排ガスからの熱エネルギーを常に安全に回収することができる、
(6)(1)〜(5)により、安定した転炉排ガスの熱エネルギー回収ができる、
という効果がある。
本発明の排ガス回収装置の一例を示す略線図である。
本発明は、転炉排ガス、とくに吹錬時に発生する排ガスの熱エネルギーを、排ガス回収設備を使って回収するにあたり、該排ガス中に、転炉排ガスダクト部に取り付けた吹込み管を介して還元剤を吹込み、該排ガス中の二酸化炭素と、該還元剤とを反応させることにより、排ガス中の潜熱分を増大させる転炉排ガスの熱エネルギー回収方法において、前記排ガス回収設備で改質処理されて回収される排ガスの一部を、該設備の誘引送風機の出側、好ましくは該誘引送風機の出側と放散塔との間の位置から取り出した、既に冷却され除塵されかつ改質された状態にある改質回収排ガス(以下、単に「回収排ガス」という)の一部を、前記吹込み管から吹込む転炉排ガスの熱エネルギー回収方法であって、前記吹込み管に熱負荷がかかっているか否かには関係なく、該吹込み管内に常に該回収排ガスを、吹込み管冷却用ガスとして吹き込むことで、吹込み管の溶損が起こらないようにするものである。前記回収排ガスは前記還元剤とともに、あるいは単独で吹込み管を介して排ガスダクト内に吹込む(還流)ものである。また、前記回収排ガスの一部を前記還元剤と予め混合して吹込み管を介して排ガスダクト内に吹込むことが好ましい。さらに、前記還元剤としては炭化水素を含む気体および/または液体を用いることが好ましい。
本発明における転炉排ガスの熱エネルギー回収方法は、基本的に、転炉から排出される1000℃以上である高温の排ガス(以下、「オフガス」という)に還元剤を添加し、このことにより、そのオフガス中に含まれている炭酸ガスと、炭化水素例えば天然ガス等の還元剤との、下記(1)式で示す改質反応を生起こさせることによって、オフガス潜熱分の増熱を図ると共に、炭酸ガスの排出量の削減を実現する転炉排ガスを改質回収する技術である。
CH+CO→2CO+2H ・・・ (1)
転炉から排出されるオフガスは、通常、10〜20容積%程度のCOと50〜80容積%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000kcal/m(Normal)程度、操業中の炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。この転炉オフガス中に、還元剤を添加して、その還元剤と炭酸ガスとによる上記(1)式の改質反応を導くことにより、回収排ガスの改質(増熱)と炭酸ガスの排出削減が同時に達成される。増熱された回収排ガス、即ち、改質された回収排ガスは、例えば、製鉄所内の各種熱源として使われるため、最終的には、炭酸ガスを排出することになるものの、製鉄所内で用いられる重油等の補助燃料を増熱分相当量削減することができるから、結果的にその分の炭酸ガスが削減できることになる。
本発明では、前記回収排ガスの一部を煙道(ダクト)内、即ち、上部フードや下部フードなどからなる排ガスダクト内に吹込んで供給するための吹込み管として、転炉オフガスを改質して得られる改質回収排ガスの一部を吹込み管冷却ガスとして、単独で吹込むこと、あるいは還元剤と予め混合した後、その混合ガスを転炉の排ガスダクト内へ吹込むことができるようにした単管構造からなるものを用いることが好ましい。
混合ガスを吹き込む場合の還元剤中に添加する前記回収排ガスの添加量は5〜20容積%とすることが好ましい。5容積%以上とすると吹込み管の冷却が十分となり、一方、20容積%以下とすると還元剤の昇温不足による改質反応の低下が生じない。
これにより、本発明では、吹込み管が、前記回収排ガスからなる冷却用ガスによって、還元剤を吹込むか否かに拘らず、常に冷却されることになるため、該吹込み管が転炉排ガスダクト内に露出し、輻射熱によって高温になったとしても、溶損するようなことがない。また、たとえ還元剤を吹き込まない場合であっても、ダスト付着による吹込み管の閉塞を招くことがなく、しかも還元剤成分である炭化水素の脱水素によるカーボン析出付着もなくなり、還元剤を安定して供給することができるようになる。
なお、既に一度は改質された前記回収排ガス、または前記回収排ガスと還元剤との混合ガスの添加位置は、ガス滞留時間ならびに添加位置におけるオフガスの温度を考慮して決定することが好ましい。例えば、図1は、吹込み管7を排ガスダクト3内の下部フード3bに設置した例である。ただし、本発明では、上記の他、例えばスカート2、上部フード3aなどに、1以上複数個の吹込み管7を、好ましくはタンゼンシャルな向きに設置して、吹込みを行ってもよい。
とくに、転炉オフガス中の炭酸ガス量が比較的少ない場合などでは、反応時間が短くてよいので、上部フード3aまたは下部フード3bよりもさらに下流側の排ガスダクト3内、例えば、ガス冷却器4位置などにおいて吹込みを行ってもよい。また、その位置は、排ガスダクト内ガス流れ方向および/または周方向の1箇所だけに限らず、複数箇所としてもよい。
本発明で用いることのできる還元剤としては、天然ガスや液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどから選ばれる物質の少なくとも1つの化石資源系化合物を用いることが好ましい。中でも天然ガスや液化石油ガス、軽質ナフサ、ラフィネート、ジメチルエーテルは、炭酸ガスとの反応性がよく、安価で大量の入手も容易であることから好ましい。
また、この還元剤としては、上記化石資源系化合物と共に、またはそれに代えて非化石資源系有機化合物を用いてもよい。非化石資源系有機化合物を用いると、炭酸ガス改質反応によってオフガスが増熱される分に加え、カーボンニュートラルな還元剤によって改質反応を行うため、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できる点において特に好ましい。この非化石資源系有機化合物としては、バイオエタノール、バイオディーゼルまたはこれらの混合物を挙げることができる。
なお、天然ガスや液化石油ガスのように、室温で気体である還元剤を用いる場合、ガス吹込みに適した吹込み管を用いればよく、吹込み管形状や吹込み管の本数にとくに制約はない。また、ラフィネート、バイオエタノール、バイオディーゼルのように、室温で液体の還元剤の場合は、これをミスト状に噴霧して注入してもよく、気化させた後、気体で注入してもよい。
さらに、ジメチルエーテルのような液化ガス、または非化石資源系有機化合物の液化ガスを還元剤とする場合は、事前に気化させて気体として注入してもよく、液体で供給し吹込み管近傍、あるいは吹込み管内で気化させて供給してもよい。吹込み管近傍、あるいは吹込み管内で気化させる場合には、気化熱によって吹込み管が冷却されるため、吹込み管の保護の点からは好ましい。
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、250トンの底吹き転炉における排ガス回収設備例の説明図である。この例で使用した転炉1は、650m(Normal)/minの酸素ガスを18本の炉底羽口5から供給するものである。その炉底羽口5は、同心2重管で、外管内環状流路から羽口冷却用の液化石油ガスを19.5m(Normal)/min供給している。炉内の脱炭反応により、COガスが発生し、炉口部分で一部空気を吸い込むため、回収すべきオフガスの成分は、CO=82.3容積%、CO=4.3容積%、H=5.2容積%、N=8.1容積%である。オフガスの総量は、1500m(Normal)/minである。従って、COは、65m(Normal)/minの速度で発生していることになる。この転炉からのオフガスは、スカート2、下部フード3b、上部フード3aを経てガス冷却器(輻射部)4にて冷却され、1次集塵器8、2次集塵器8’により該オフガス中のダストを除塵した後、誘引送風機9によって吸引されることにより、冷却され除塵され、そして改質された回収排ガスとなる。
一方、この例において、転炉排ガスダクト内オフガス中に吹き込む還元剤6としては、天然ガスを用いた。この還元剤6は、CHを90.7容積%、その他の炭化水素ガスを9.3容積%含んでおり、吹込み管7より転炉オフガス中に供給され、オフガス中の二酸化炭素と、上記(1)式の反応を起こすことにより、高温オフガスの潜熱分を増大させた改質回収排ガスとなる。この還元剤6は、COと等モル量、すなわち65m(Normal)/minを吹き込んだ。なお、この例で用いた転炉1は底吹き転炉であるので、上吹きランスは存在しない。
なお、前記回収排ガスは、一般には、誘引送風機9により吸引、昇圧された後、副生ガスとして工場13へ送られるが、吹錬直後および完了後の回収排ガスは、燃料としての熱量が低いため、燃焼放散塔10にて燃焼され、大気中に放散される。吹錬を開始し、回収排ガスの熱量が高くなった後に、水封逆止弁12を開け、3方切替弁11を切り換えて工場13への送気を行う。
本発明において、転炉排ガスダクト内オフガス中への前記回収排ガス等の吹込み管7は、吹錬直後および吹錬完了後の回収排ガスを含めて、誘引送風機9の出側の回収排ガス管14の位置より取り出し、冷却ガス配管15によって還流送気された回収排ガスの一部によって常に冷却される。
上述した転炉オフガスの熱エネルギー回収方法において、底吹き転炉のサブランスを利用し、脱炭吹錬の途中で、転炉スカート2の位置でのオフガス温度を測定したところ、還元剤(CH)の供給の有無にかかわらず、1480〜1630℃であった。一方、一次集塵器8前に設置した温度計の測温結果では、還元剤(CH)を供給しないときは480℃であり、供給したときは375℃であった。
また、一次集塵器8の位置から採取し、分析した回収排ガス組成は、還元剤(CH)を供給していないときには前述の組成であったのに対し、該回収排ガスを供給したときには、CO=80.5容積%、CO=0.2容積%、H=12.1容積%、N=7.2容積%であった。この場合、CO濃度は低下しているが、オフガス総量が1695m(Normal)/minと増加しているため、COガスとしての発生速度は、還元剤(CH)の供給により、1235m(Normal)/minから1365m(Normal)/minに増加した。また、還元剤(CH)の供給により、蒸気回収量は90kg/tから61kg/tまで低下したが、回収排ガスのカロリーは39.5×10kcal/t増加した。なお、CHのCO、Hへの転換のために消費されるガス顕熱が、そのまま蒸気回収量低減になるとすると、その低減量は、36.7kg/tになるはずであったが、29kg/tに抑えられていた。すなわち、蒸気回収効率は、還元剤(CH)供給の有無により同一ではなく、効率が多少向上したことになった。
また、吹込み管7に向う冷却ガス配管15を介して送給した回収排ガスは、還元剤(天然ガス)の約10容積%に当たる7.0m(Normal)/minとし、冷却用ガスとして転炉からの回収排ガスを使用したところ、回収排ガス中の燃焼性成分の減少が回避できるのみならずさらなる増熱を果すことができた。なお、本発明によれば、冷却用の回収排ガスの取り出し位置を、転炉排ガスの誘引送風機9の出側と放散塔10との間とすることにより、回収排ガスの放散の有無に拘らず冷却ガス供給の遮断がなくなり、吹錬開始から終了まで安定して吹込み管7の冷却を果たすことが可能になる。また、上記の実施形態では内径が100mmの単管を吹込み管として用いたが、吹込み管のサイズは適用する転炉の操業条件などにより適宜選択すればよい。
なお、吹込み管7としては、回収排ガスの一部と還元剤6とを予め混合した後、排ガスダクト3内へ吹込み供給できるようにした単管構造からなるものを用いる。この吹込み管7においては、回収排ガスの有効利用と共に、還元剤6の吹込みがない場合でも、常に前記回収排ガスの一部が吹込み管7へ供給される。
上記の実施形態では、吹込み管7として1本を用いた実施例であるが、転炉排ガスダクトの適所、例えば該ダクト内ガス流れ方向および/または該ダクトの周方向にそれぞれ複数の吹込み管7を設置しても同じ効果が生じる。
本発明は、転炉の排ガスだけでなく、炭酸ガスを含む高温の排ガスが排出される他の冶金炉排ガスの回収技術としても有効である。
1 転炉
2 スカート
3 排ガスダクト
3a 上部フード
3b 下部フード
4 ガス冷却器
5 底吹きノズル
6 還元剤
7 吹込み管
8、8’ 集塵器
9 誘引送風機
10 放散塔
11 3方切替弁
12 水封逆止弁
13 工場
14 回収排ガス管
15 冷却ガス配管

Claims (4)

  1. 転炉排ガスのもつ熱エネルギーを、排ガス回収設備を使って回収するにあたり、該排ガス中に、転炉排ガスダクト部に取り付けた吹込み管を介して還元剤を吹込み、該排ガス中の二酸化炭素と、該還元剤とを反応させることにより、該排ガスの熱エネルギーを増大させる転炉排ガスの熱エネルギー回収方法において、
    転炉排ガスの排ガス回収設備の誘引送風機の出側から取出した、冷却され除塵されかつ改質された状態にある改質回収排ガスの一部を、吹込み管冷却用ガスとして前記吹込み管内に吹込むことを特徴とする転炉排ガスの熱エネルギー回収方法。
  2. 前記改質回収排ガスの一部を還元剤と予め混合して吹込むことを特徴とする請求項1に記載の転炉排ガスの熱エネルギー回収方法。
  3. 前記吹込み管内に吹き込む改質回収排ガスと還元剤との混合割合は、改質回収排ガスの量を還元剤の量に対して5〜20容積%とすることを特徴とする請求項2に記載の転炉排ガスの熱エネルギー回収方法。
  4. 転炉排ガスのもつ熱エネルギーを、排ガス回収設備を使って回収するにあたり、該排ガス中に、転炉排ガスダクト部に取り付けた吹込み管を介して還元剤を吹込み、該排ガス中の二酸化炭素と、該還元剤とを反応させることにより、排ガス中の潜熱分を増大させる転炉排ガスの熱エネルギー回収装置において、
    前記吹込み管が、転炉の排ガスダクトの、該ダクト内ガス流れ方向および/または該ダクトの周方向のそれぞれ1〜複数箇所に配設され、転炉排ガスと反応させるための還元剤と、転炉排ガスの排ガス回収設備の誘引送風機の出側から取出した、冷却され除塵されかつ改質された状態にある吹込み管冷却用ガスである改質回収排ガスの一部とを、吹込むことできることを特徴とする転炉排ガスの熱エネルギー回収装置。
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