JP2010223573A - 冶金炉発生排ガスの冷却方法およびその装置 - Google Patents

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【課題】大掛りな冷却設備を利用することなく、冶金炉発生排ガスを化学的な反応を利用して簡便に冷却する方法およびそのための冷却装置を提供することにある。
【解決手段】一酸化炭素と炭酸ガスを含む高温の冶金炉発生排ガスに対し、主として煙道等から、その排ガスに対して還元剤を添加し、その還元剤と該排ガス中の炭酸ガスとの間で吸熱反応を起させ、その吸熱反応により当該排ガス自体を冷却するようにした冶金炉発生排ガスの冷却方法およびその装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、冶金炉から発生する高温排ガス、とくに高温の可燃性ガスを化学的な反応によって冷却する方法およびその装置に関する。とくに、本発明は、転炉から発生する酸化鉄微粉含有転炉排ガス中の炭酸ガスと還元剤との吸熱反応を利用することによって、排ガスダクト(煙道)に特別な冷却装置を用いることなく該排ガスの冷却を行う技術について提案する。
転炉や溶融還元炉、電気炉などの冶金炉から発生する高温の排ガスを冷却する方法としては、従来、排ガス回収設備の煙道(ダクト)に配設した水冷ジャケット(水冷パイプ)を使って排ガスの冷却を行い、そして熱交換器を用いて排熱の回収を行うという機械的な手法が代表的なものである(特許文献1、特許文献2参照)。
特公昭57−10930号公報 特開昭62−74018号公報
しかし、上掲の従来技術の場合、冶金炉の煙道、例えば転炉であれば輻射部(ダクト)を水冷構造にしなければならないことから、複雑で大懸りな構造の冷却用設備を構築しなければならないし、排熱ボイラーをも併設しなければならないという問題があった。しかも、対象となる排ガス(被冷却ガス)が800℃以上という高温の冶金炉発生排ガスであり、これを上記冷却設備にて冷却しようとすると、その高温に耐えられるような素材を用いることも不可欠となる。
その他、水噴霧法による冷却方法も考えられるが、噴霧および水とガスの接触のための大きな冷却装置を設けなければならないし、冷却後のガスに水蒸気が含まれるため、処理後のガスを可燃性ガスとして利用しようとする場合に不利である。
そこで、本発明の目的は、大掛りな冷却設備を構築することなく、冶金炉排ガスの顕熱を利用して800℃以上の高温の排ガスを化学的な反応を利用して簡便に冷却する方法およびそのための装置を提供することにある。
発明者らは、従来技術が抱えている前述の課題を解決するための技術につき検討した結果、以下に述べる解決手段に想到した。即ち、本発明は、一酸化炭素と炭酸ガスを含む高温の冶金炉発生排ガスに対し、その排ガスに対し還元剤を添加し、その還元剤と該排ガス中の炭酸ガスとの間で吸熱反応を起させ、その吸熱反応により当該排ガス自体を冷却するようにしたことを特徴とする冶金炉発生排ガスの冷却方法である。
本発明の冷却方法においては、
(1)前記還元剤の吹込みは、集塵器入側までの間の煙道(ダクト)において行い、この煙道内において前記吸熱反応を起こさせると共に、反応後のガス温度が800℃以上のときに反応を完了させること、
(2)前記煙道は、転炉の上部フードから1次集塵器入側までの輻射部であること、
(3)前記排ガスが、転炉から排出される転炉ダストを含有する転炉排ガスであること、
(4)前記吸熱反応を転炉ダスト中の酸化鉄微粉を触媒として起こさせること、
(5)前記還元剤は、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフイネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれる1種以上であること、
が、より好ましい解決手段を与える。
また、本発明に係る冶金炉発生排ガスの冷却装置は、冶金炉の煙道部分の1〜複数個所に、炭酸ガスおよび一酸化炭素を含む高温排ガス中の炭酸ガスと吸熱反応する還元剤を供給するための、還元剤吹込み管を配設したものである。
本発明の冷却装置においては、
(1)前記煙道部分が、転炉の上吹きランス部、もしくは転炉の排ガス回収設備における下部フードから1次集塵器入側までの輻射部であること、
(2)前記排ガスが、転炉から排出される転炉ダストを含有する転炉排ガスであること、
(3)前記排ガス中の炭酸ガスと還元剤との反応が、転炉ダスト中の酸化鉄微粉を触媒とする吸熱反応であること、
(4)前記還元剤は、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフイネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれる1種以上であること、
が、より好ましい解決手段を与える。
本発明によれば、炭酸ガスと共に一酸化炭素のような可燃性成分を含み、かつ温度が800℃以上である高温の冶金炉発生排ガスに対して還元剤を添加することにより、還元剤と炭酸ガスとによる吸熱反応を起こさせることにより、水冷ジャケットなどを用いずに、高温の排ガスを化学的に簡便に冷却することができるから、複雑で大掛りな冷却設備が不要になり、冶金炉の建設費用、メンテナンスや運転のコストひいては製品コストの低減に有効な技術を提案できる。
転炉排ガス回収設備における本発明に係るガス冷却方式を説明する模式図である。 実施例1で使用した模擬試験炉の略線図である。 還元剤吹込み管を具える転炉輻射部の一例を示す模式図である。 還元剤吹込み管を具える転炉輻射部の他の例を示す模式図である。 転炉ダストの反応温度と速度定数との関係を示すグラフである。
一般に、製鉄所では、転炉や溶融還元炉、電気炉などの冶金炉からは炭酸ガスを含む1000℃以上の大量の高温排ガスが発生する。これらの排ガスは、炭酸ガスの他に一酸化炭素などの可燃性成分を含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるためのエネルギー源としても利用されている。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスと反応して一酸化炭素や水素に改質されることが知られている。この場合、炭酸ガスに対して、メタンなどの各種炭化水素は還元剤として作用する。この反応は、吸熱反応であり、メタンと炭酸ガスが上記の改質反応を起こすと、△H298K=247kJの熱量を吸熱する。即ち、炭酸ガスを含む前記排ガスが、メタン等の還元剤と接触して、下記(1)式に示す改質反応を起こすと、該排ガスの温度は自然に降下することになる。
CH+CO→2CO+2H (1)
この(1)式に示す反応において生成する一酸化炭素や水素は可燃性ガスであり、このガスをエネルギー源として考えた場合、前記排ガスは(1)式の反応によってカロリーが増加する。つまり、高温の排ガスは一酸化炭素や水素などの可燃性成分を含む燃料ガスに改質され、これを冷却したものはエネルギー源として利用できるから、上掲の改質反応生成物は有用な燃料ガスとなる。
ところで、(1)式に示す改質反応は、高温ほど反応が進行しやすく、900℃での炭酸ガスの平衡転化率は約95%であり、約1000℃以上で平衡転化率がほぼ100%となる反応であることが知られている。
一方で、炭酸ガスを含むと共に、一酸化炭素や水素などの可燃性成分を含み、かつ800℃以上、好ましくは1000℃以上である高温可燃性ガスからなる冶金炉発生排ガス、例えば転炉ガスに対して、メタン等の還元剤を添加し、その還元剤と該排ガス中の炭酸ガスとを前記の吸熱反応を起こさせると、その吸熱反応により、該高温排ガスは、冷却設備に頼ることなく自身が急速に冷却することになる。
ただし、発明者らの研究によれば、上記の改質吸熱反応の完了温度が800℃よりも低くなると、固体カーボンの生成が顕著となると共に、設備内に固形物の堆積を招くという問題が発生することがわかった。そのため、前記改質吸熱反応は、反応後ガス温度が800℃以上のときに完了させることが望ましい。なお、800℃未満のより低温への冷却を目指す場合は、熱交換器など通常の冷却方法を併用することで実現できる。
ここで「改質吸熱反応の完了」とは、添加したメタン等の還元剤と排ガス中の炭酸ガスとの反応が、その雰囲気において概平衡まで改質反応が進行することを意味する。完全に平衡まで反応が進行するのは、理論上、無限大の滞留時間が必要なので、概平衡を厳密に定義することはできないが、本発明においては、改質前の排ガス中の水素ガス濃度に対して、水素ガス濃度が増加したときを「改質吸熱反応の完了」とする。改質反応によって排ガス温度が低下するので、反応後のガス温度が800℃以上の時に完了させることは物理的な意味がある。
一方、添加した還元剤に由来する水素原子は、改質反応によって水素ガスに変化する。エネルギー源として排ガスを回収するプロセスであれば、排ガス組成の分析は必須であり、水素ガス濃度によって反応の完了をモニターすることは化学的な意味があり、かつ、操業管理としても重要である。
脱炭吹錬では、元々、排ガス中の水素ガスが1容積%程度と少ないため、改質後のガス中の水素ガスは改質前に比べて2〜25倍程度に増加するため、モニターリングは容易である。よって、脱炭吹錬では改質前の2倍以上水素ガスが増加しているときに「改質吸熱反応の完了」とすることが好ましい。
一方、もともと排ガス流量が少なく、排ガス回収率の低い脱燐吹錬では、近年、廃プラスチックスなどを投入して排ガス量を多くし、回収率を高めることが行われている。廃プラスチックスなどの副原料から生成する水素ガスのため、改質前の排ガス中の水素ガス濃度は10〜15容積%程度に達する。また、底吹き転炉では羽口焼損防止の冷却ガスとしてLPGを供給しているため、LPGの分解によっても多量の水素ガスが発生する。このような多量の水素ガスが発生している場合は、改質後の排ガス中の水素濃度は改質前に比べて1〜5%程度の増加に過ぎない。よって、脱燐吹錬、底吹き転炉では、改質前の1%以上水素ガスが増加しているときに「改質吸熱反応の完了」とすることが好ましい。したがって、ガス分析装置の分析精度としては0.5容積%以下の精度が好ましく、0.1容積%以下の精度であれば特に好ましい。なお、このようなガス分析装置としては熱伝導度式の連続計測型分析装置やガスクロマトグラフなどを例示することができる。
本発明の冷却方法において特徴的なことは、例えば、転炉排ガスの場合、このガス中に転炉ダストと呼ばれる酸化鉄の微粉(0.5mm以下100μm超の微粒子および100μm以下のヒューム)を主成分とするダストを含んでいることである。この酸化鉄微粉(FeO、Fe、Feあるいはオキシ水酸化鉄のうち少なくとも1種を含む混合物)は、上記(1)式の改質吸熱反応(メタンの酸化反応)を、より低温で起こさせる改質触媒として機能するものであり、この酸化鉄微粉の存在により、前記排ガスが1000℃未満800℃以上であっても、前記(1)式の改質吸熱反応が進み、排ガスの効果的な冷却を実現する。このことによって、本発明では、高温の排ガスを水冷ジャケットのような冷却装置に頼ることなく、上記(1)式の改質吸熱反応によって、ガス自身を機械的な方法でなく化学的に効果的に冷却することができるようになる。なお、転炉ダストは、転炉から排出される高温の還元性ガスと接触するため、上記(1)式の改質吸熱反応の進行に伴い、一部が還元され、金属鉄が生成するが、改質触媒としての機能に差はない。
これらダストの改質触媒としての活性は、一般的な機械構造用炭素鋼の吹錬時に発生するダストについては、その比表面積が大きい程、活性が高い。また、ステンレス鋼などの特殊用途鋼の吹錬時に発生するダストについても優れた改質触媒としての機能を有する。この意味において、使用できるダストとしては、鋼種や転炉形式によらず、いわゆる製鉄、製鋼ダストであれば、本発明の冶金炉発生排ガスの冷却方法に有効に用いられる。
以下、本発明の一実施形態として、転炉吹錬時に炉口から排出される高温の転炉排ガスに適用した例を説明する。
転炉から排出される高温の排ガスは、通常、10〜20容積%程度のCOと50〜80容積%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000kcal/Nm程度、操業中の炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。本発明では、この転炉排ガスに対し、上吹きランス部もしくは煙道すなわち下部フードから1次集塵器入側までに至る輻射部のいずれか1ケ所または2ケ所以上において、メタンや天然ガス等の還元剤を所要量添加して、その還元剤と炭酸ガスとによる上述した(1)式に示す改質吸熱反応を導くことにより、転炉から排出される該排ガス自体を冷却する。
この改質吸熱反応を導くための還元剤の添加量については、転炉発生排ガス量(m/hr)に従い、COとCHのモル比に応じて決定されるが、例えば、COとCHのモル比を1:1とするならば、転炉発生排ガス量79,000m/hrでこのガス中のCO濃度が15容積%の時、還元剤であるメタンの添加量は11,850m/hr程度である。
この還元剤の添加によって、例えば、下部フードにおいて、1600℃程度の排ガスは、該輻射部に水冷ジャケット構造を設けなくとも、1次集塵器入側において、約1000℃にまで低下させることができる。なお、該輻射部を水冷構造にして機械的に強制冷却する方法を併用してもよい。
次に、図1は、本発明にかかる冶金炉発生排ガスの冷却方法を説明するための転炉の排ガス回収設備の略線図である。この図に示すように、転炉1から発生するガスは、スカート2、下部フード3および上部フード4を含む輻射部(煙道)を経て1次集塵器5で排出される。
本発明において、前記改質吸熱反応を導くための還元剤の添加位置は、上述したように、ランス8、下部フード3や上部フード4およびそれ以降の輻射部のうち、どの位置に還元剤吹込み管を設置してもよい。
ところで、本発明で用いることのできる還元剤は、天然ガスや液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフイネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどの化石資源系化合物から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。中でも天然ガスや液化石油ガス、軽質ナフサ、ラフイネート、ジメチルエーテルは、炭酸ガスとの反応性がよく、安価で大量の入手も容易であることから好ましい。天然ガスや液化石油ガスのように、室温で気体である還元剤を用いる場合、ガス吹込みに適した吹込み管、例えばノズルを用いればよく、ノズル形状やノズルの本数にとくに制約はない。また、ラフイネートのように、室温で液体の還元剤の場合は、これをミスト状に噴霧して注入してもよく、気化させた後、気体で注入してもよい。ミスト状で供給する場合、その液滴径は、炭酸ガスとの接触が効率的であればよく、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜100μmである。さらに、ジメチルエーテルのような液化ガスを還元剤とする場合は、事前に気化させて気体として注入してもよく、液体で供給し吹込み管近傍、あるいは吹込み管内で気化させて供給してもよい。この場合、吹込み管近傍、あるいは吹込み管内で気化させる場合、気化熱によって吹込み管、例えばノズルが冷却されるため、吹込み管の保護の点からは好ましい。
また、この還元剤としては、上記化石資源系化合物と共に、またはそれに代えて非化石資源系有機化合物を用いてもよい。非化石資源系有機化合物を用いると、改質吸熱反応によって排ガスが冷却および増熱される分に加え、カーボンニュートラルな還元剤によって改質吸熱反応を行うため、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できる点において特に好ましい。この非化石資源系有機化合物としては、バイオエタノール、バイオディーゼル、またはこれらの混合物を挙げることができる。このバイオエタノール、バイオディーゼルは、室温で液体であり、上記したラフィネートと同様に使用すればよい。また、非化石資源系有機化合物の液化ガスの場合は上記したジメチルエーテルと同様に使用すればよい。
(実施例1)
この実施例は、内径12mm、長さ5mのアルミナチューブ20からなる模擬試験炉を用いて実験した例である。図2に示すように、この試験炉は、アルミナチューブ20の上流側フランジF1に、模擬ガス導入管25を取付けると共に、外径3mmの還元剤(メタンガス)吹込み管21と熱電対保護管22とを取付け、メタンガスの添加は上流側フランジF1から1.5mの位置となるように、また、ガス温度の計測制御は上流側フランジF1から1mの位置となるよう、構成されたものである。また、この試験炉は、下流側フランジF0には、熱電対挿入管23、水冷式ガス冷却設備24が配設され、さらに、このガス冷却設備24の下流側には積算式ガス流量計とガス分析装置が配設されている。アルミナチューブ20全体は電気炉Eで覆われているが、上流側1mのヒーターのみを通電してこの部分を転炉模擬ガスの予熱ゾーンとし、それより下流側のヒーターは通電せず、断熱反応ゾーンとした。なお、前述したようにメタンガスは、予熱ゾーンの下流0.5mの位置で注入されるため、実際の断熱反応ゾーンの長さは3.5mである。
実験に当たっては、転炉模擬ガスとして、CO:50容積%、CO:15容積%、H:1容積%、N:34容積%の混合ガスを準備した。模擬ガス流量は1l/minに、メタンガス流量はCOと等量の150ml/minに固定し、予熱ゾーンの温度を1800℃、1500℃、1300℃と変化させて改質反応実験を行った。この例の下で、下流側フランジF0に取付けた熱電対により断熱反応ゾーンの出口温度を計則したところ、予熱ゾーン温度は1800℃、1500℃、1300℃の各実験での出口温度は、それぞれ、1060℃、840℃、775℃に低下し、出口での水素ガス濃度は、それぞれ21容積%、20容積%、19容積%であった。なお、断熱ゾーンでのガス滞留時間は2〜6秒であった。
増熱模擬ガスの温度が1060℃の実験(予熱ゾーン温度1800℃の場合)および増熱模擬ガスの温度が840℃の実験(予熱ゾーンの温度1500℃の場合)では目視によるカーボンの生成は認められなかったが、増熱模擬ガスの温度が800℃より低い実験(予熱ゾーン温度1300℃の場合)ではカーボンの生成が顕著であった。
(実施例2)
この実施例は、300tの上吹き転炉を用い、図3に示すように、上部フード4下端から転炉ダスト(酸化鉄微粉)を含む転炉排ガス(オフガス)中に、天然ガスを添加する還元剤吹込み管9を配設して、排気流路(煙道)である輻射部を冷却する試験を行った例である。通常時、上記転炉は、排気流路である下部フード3、上部フード4については、冷却管構造として水冷により冷却しているが、この水冷を停止して試験を行った。天然ガスを吹込んでいない時のオフガスは、流量79000m(Normal)/h、ガス組成はCO:50容積%、CO:15容積%、H:1容積%、N:34容積%である。添加した天然ガスは、CO流量と等しい11850m(Normal)/hとした。この天然ガスのCH含有率が92容積%であったので、COとCHのモル比は略1:1に近似できる。転炉炉口付近のオフガス温度は約1700℃であった。
オフガスの流量計とガス分析計を2次集塵機(ダストキャッチャー)6の下流側に、温度計10を一次集塵機(湿式集塵機)5の上流側に設置した。その後、天然ガスの添加を開始し、改質したオフガスの温度、流量、組成をモニターした。その結果、オフガスは、温度980℃、流量114400m(Normal)/h、組成は、CO:容積55%、CO:0.1容積%、H:21容積%、N:23.5容積%、CH:0.1容積%、O:0.1容積%未満となり、天然ガス吹込み管を設置することにより排気流路において何ら問題なくオフガスの冷却ができた。反応により、水素ガスは21倍に増加しており、980℃において改質吸熱反応が完了していた。
(実施例3)
還元剤吹込み管9を、図4に示すように、上部フード4上部の第1輻射部下端に設けたこと以外は、実施例2と同様の試験を行った。この還元剤吹込み管9部でのオフガス温度は約1300℃であった。
実施例2と同様に、天然ガスの添加を開始し、改質したオフガスの温度、流量、組成をモニターした。その結果、オフガスは、温度940℃、流量77280m(Normal)/h、組成は、CO:容積63%、CO:7容積%、H:8容積%、N:21容積%、CH:0.1容積%未満、O2:0.1容積%未満であり、排気流路において何ら問題なくオフガスの冷却ができた。また、反応により水素ガスが8倍に増加しており、940℃において改質反応が完了していた。
(実施例4)
ダスト粒子の調製
300tの上吹き転炉から排出される排ガスに、1次集塵器5と2次集塵器6の2段階に亘って水吹込みを行い、転炉ダストを集塵した。集められた転炉ダストを含んだ排水から、粗粒分離機を用いて100μm超の粗粒ダストを分離した。次いで、残った排水側に凝集剤を添加し、微細粒子を凝集沈殿させて濃縮し、その後、フィルタープレスにより脱水し微粉ダストを得た。
このようにして得られた粗粒ダストおよび微粒ダストをそれぞれ、105℃にて1晩乾燥後、乳鉢と乳棒を用い0.5mm以下に解砕し、再度105℃にて2時間乾燥させてから活性評価試験に供した。
活性評価試験および結果
この試験は、内径7cm、長さ200cmの石英製模擬試験炉を用いて行った例である。転炉模擬ガスとして、CO60容積%、CO15容積%、H1容積%、N24容積%の混合ガスを使用した。模擬ガス流量は、850ml/minに、メタンガスはCOと等量の127.5ml/minの流量に固定し、ダストを19ml充填した試験炉に導入した。電気炉により予備加熱を行うことで改質反応時の模擬ガス温度を700℃、800℃、900℃および1000℃と変化させ、それぞれ出口のガス組成を分析し、得られたガス組成およびダストとガス接触時間から見掛け速度定数k’を算出した。
ダストを添加していないブランクテストを含めた評価結果を図5に示した。この結果より、ダストが触媒として機能し、優れた改質反応活性を有することが確認された。
(実施例5)
普通鋼(一般構造用炭素鋼)の吹錬時に発生するダストとして、実施例4で調製した2種のダストと、別の250t上底吹き転炉から排出される2種の普通鋼吹錬時の転炉ダストと、そして、同じく250tの上底吹き転炉から排出されたステンレス鋼吹錬時に発生する転炉ダスト2種を選択し、これらの比表面積と細孔容積および改質触媒活性を測定した。
なお、上記250tの上底吹き転炉の集塵方法、集塵後の含水ダストの処理方法は実施例4と同様の方法である。また、改質触媒活性の測定は、反応温度を1000℃としたこと以外は、実施例4と同様の方法に従った。
表1に示した測定結果から明らかなように、実施例4で示した300t上吹き転炉から発生した普通鋼転炉ダストのみならず、他の転炉から発生した普通鋼転炉ダストも高い改質触喋活性を有することが確認された。さらに、ステンレス鋼の吹錬時に発生した転炉ダストは、普通鋼転炉ダストよりも触媒活性が高いことも確認された。なお、普通鋼吹錬時に発生したダストの触媒活性とダスト比表面積との間には一定の、相関が認められた。
なお、ステンレス鋼の吹錬時に発生したダストは、同程度の比表面積の普通鋼のダストよりも触媒活性がさらに高いことがわかった。これは、ステンレス鋼系ダストは、NiやCrなど、Fe以外の元素を含有するためと考えられる。NiやCrなど、共存元素の化学状態などの詳細は不明であるが、転炉から排出されるガスがCOを50〜80容積%含有する還元性のガスであることから、少なくとも一部は金属状態で存在するものと推察される。
以上の結果から化学状態によらず、転炉から発生するダストであれば、優れた改質触媒として作用し、しかもそれは鋼種や転炉形式によらず、転炉ダストでさえあれば、本発明の冶金炉発生排ガスの冷却技術として有効に用いられることが明らかである。
Figure 2010223573
本発明は、転炉の排ガスだけでなく、多量の炭酸ガスを含む高温のガスが排出される溶融還元炉や非鉄精錬で用いられる各種の炉などの冶金炉、とくに転炉ダストを含むその他の製鉄、製鋼ダスト等の酸化鉄微粉を含有して発生するような排ガスの冷却技術として有用である。
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 1次集塵器
6 2次集塵器
7 流量計・分析計
8 ランス
9 還元剤吹込み管
10 温度計
20 アルミナチューブ
21 還元剤吹込み管
22 熱電対保護管
23 熱電対挿入管
24 ガス冷却設備
25 模擬ガス導入管
F0 下流側フランジ
F1 上流側フランジ
E 電気炉

Claims (11)

  1. 一酸化炭素と炭酸ガスを含む高温の冶金炉発生排ガスに対し、その排ガスに対し還元剤を添加し、その還元剤と該排ガス中の炭酸ガスとの間で吸熱反応を起させ、その吸熱反応により当該排ガス自体を冷却するようにしたことを特徴とする冶金炉発生排ガスの冷却方法。
  2. 前記還元剤の吹込みは、集塵器入側までの間の煙道(ダクト)において行い、この煙道内において前記吸熱反応を起こさせると共に、反応後のガス温度が800℃以上のときに反応を完了させることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉発生排ガスの冷却方法。
  3. 前記煙道は、転炉の上部フードから1次集塵器入側までの輻射部であることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金炉発生排ガスの冷却方法。
  4. 前記排ガスが、転炉から排出される転炉ダストを含有する転炉排ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の冶金炉発生排ガスの冷却方法。
  5. 前記吸熱反応を転炉ダスト中の酸化鉄微粉を触媒として起こさせることを特徴とする請求項4に記載の冶金炉発生排ガスの冷却方法。
  6. 前記還元剤は、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフイネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の冶金炉発生排ガスの冷却方法。
  7. 冶金炉の煙道部分の1〜複数個所に、炭酸ガスおよび一酸化炭素を含む高温排ガス中の炭酸ガスと吸熱反応する還元剤を供給するための、還元剤吹込み管を配設したことを特徴とする冶金炉発生排ガスの冷却装置。
  8. 前記煙道部分が、転炉の上吹きランス部、もしくは転炉の排ガス回収設備における下部フードから1次集塵器入側までの輻射部であることを特徴とする請求項7に記載の冶金炉発生排ガスの冷却装置。
  9. 前記排ガスが、転炉から排出される転炉ダストを含有する転炉排ガスであることを特徴とする請求項7または8に記載の冶金炉発生排ガスの冷却装置。
  10. 前記排ガス中の炭酸ガスと還元剤との反応が、転炉ダスト中の酸化鉄微粉を触媒とする吸熱反応であることを特徴とする請求項9に記載の冶金炉発生排ガスの冷却装置。
  11. 前記還元剤は、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフイネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1に記載の冶金炉発生排ガスの冷却装置。
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