JP2015178932A - 冶金炉発生排ガスの改質方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的な炭酸ガス改質反応を導くことにより、煙道へのカーボンや非燃焼成分など堆積がなく、排ガスの増熱と共に炭酸ガスの排出量削減ならびにエネルギーコストの削減と資源の有効利用を実現できる、冶金炉発生排ガスの改質方法とそのための装置とを提案することにある。
【解決手段】冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと該還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行なうにあたり、前記還元剤として、廃プラスチックと酸化鉄とを混合して造粒した粒子からなる固体還元材を用い、かつその固体還元材の添加を該排ガス中の酸素濃度が1容積%以下のときに行なうと共に、前記改質反応を排ガス温度が800℃以上のときに完了させる冶金炉発生排ガスの改質方法と、そのための改質装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、製鉄設備、例えば、転炉や溶融還元炉のような冶金炉から発生する炭酸ガス含有排ガスを改質することによって熱エネルギーとして有効に回収する方法、およびこの方法の実施に用いる冶金炉発生排ガスの改質装置に関する。特に、本発明では、高温排ガスのもつ顕熱を利用することにより、外部から供給する還元剤と排ガス中の炭酸ガスとの改質反応によって、該排ガスの熱エネルギーを増大させると共に炭酸ガスの排出量を削減するのに有効な技術を提案する。
近年、地球環境を保護し地球温暖化を防止するために、炭酸ガスの排出削減が重要な課題となっている。特に、製鉄所において、炭酸ガス排出量を削減することは、企業の存続にも関る最重要の課題となっている。従来、そのための各種の提案がなされてきたが、本格的な炭酸ガス削減技術は、未だ完成していないのが実情である。
製鉄所では、一般に、転炉や溶融還元炉などから炭酸ガスを多量に含む高温の排ガスが発生する。これらの排ガスは、炭酸ガスの他に一酸化炭素や水素などを含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるエネルギー源としても利用されている。また、こうした高温の排ガスの顕熱を利用するという観点からは、ボイラーに供給して低圧のスチームを発生させることで、廃熱回収を行なうことが一般的である。しかしながら、製鉄所での低圧スチームの利用価値は低く、むしろ高温の排出ガスをそのまま化学的に利用できるようにすることが望まれている。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素に変わることが知られている。この反応を利用した廃熱回収技術として、特許文献1には、転炉等の精錬設備から発生する、二酸化炭素および/または水蒸気を含む高温の排ガス中に、炭化水素を含む気体および/または液体を供給して改質反応を起こさせ、該排ガス中の一酸化炭素と水素を増加させることにより、排ガスの潜熱を増大させる「増熱」を図る方法が開示されている。
この文献1に開示の方法では、転炉排ガス中に天然ガスを吹込んで、下記(1)式の改質反応を行わせる際に、この反応が完了していると考えられる位置の温度を375℃程度まで低下させている。しかしながら、発明者らの研究によれば、改質反応の完了温度が800℃よりも低くなると、カーボンの生成が顕著となり、排ガス回収設備内にカーボンやダストの堆積を招くという問題があることがわかった。その上、改質反応の完了温度が低下すると、改質反応効率の低下を招き、二酸化炭素の転化率も低下する。
CH+CO→2CO+2H (1)
また、特許文献2には、転炉から排出するガスの温度が600℃以上となる位置に石炭を供給し、排ガスと石炭とを接触させることによって、下記(2)式の改質反応を行わせて一酸化炭素を生成させ、排ガスの増熱を図る方法が開示されている。
CO+C→2CO (2)
この文献2に開示の方法では、安価な石炭を用いて改質反応を行わせる点において優れているが、石炭に含まれる非燃焼成分(SiO、AL等)が煙道内に堆積したり、転炉内に落下してスラグ量の増大を招くという問題がある。
また、特許文献3には、転炉から発生する排ガスの温度が1300℃以上である位置に、メタンおよび水蒸気を添加して下記(3)式の水性ガス反応を行なわせ、排出ガス中の一酸化炭素と水素の増量を図る方法およびその装置が開示されている。
CH+HO→CO+3H (3)
この文献3に開示の方法では、水蒸気の添加によって起こる反応ではCOとHの発生だけであり、二酸化炭素が絡む改質反応が起らないため、COの削減に何ら寄与しないという問題がある。
また、本発明者らはかって、主として改質効率の向上やCOの削減などを目的として、特許文献4に開示のような冶金炉発生排ガスの改質方法について提案した。ただし、この技術は、改質用還元剤として、天然ガスや液化石油ガス、メタン、エタン等の気体還元剤を使用する方法である。この技術では、冶金炉発生排ガスに添加するに際し、気体還元剤を単に吹き込むだけで足りるので、取扱いや操業・設備化が容易である。
特開2000−212615号公報 特開平5−117668号公報 特開平2−11715号公報 特開2010−255087号公報
上述したように、特許文献1〜3に記載の技術は、転炉や溶融還元炉などの冶金炉から発生する炭酸ガス含有排出ガスの顕熱を利用して、排ガスの潜熱分を増大((1)式の吸熱分を反応生成物の燃焼熱の形で蓄積する)させる、所謂、増熱を図る方法である。即ち、この従来技術では、カーボンの堆積や炭酸ガスの反応効率の低下を招いたり、SiOやAL等の非燃焼成分の堆積を招いたり、あるいは炭酸ガスが反応に関与しないため、排ガスの増熱および炭酸ガスの排出削減に効果がないという課題があった。また、特許文献4に開示の技術は、新規の化石資源系化合物の気体を用いるので、エネルギーコストの上昇を招く他、資源の有効利用、環境保護という観点に欠けるという課題を残していた。
そこで、本発明の目的は、効率的な炭酸ガス改質反応を導くことにより、煙道へのカーボンや非燃焼成分など堆積がなく、排ガスの増熱と共に炭酸ガスの排出量削減ならびにエネルギーコストの削減と資源の有効利用を実現できる、冶金炉発生排ガスの改質方法とそのための装置とを提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を克服し、冶金炉排ガスの効率的な増熱と炭酸ガスの排出抑制やエネルギーコスト削減ならびに資源保護等を実現するために、本発明では、冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと該還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行なうにあたり、前記還元剤として、廃プラスチック粒子からなる固体還元材を用い、かつその固体還元材の添加を該排ガス中の酸素濃度が1容積%以下のときに行ない、そして、前記改質反応を排ガス温度が800℃以上のときに完了させることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質方法を採用する。
また、本発明は、冶金炉から排出される高温の排ガスに固体還元材を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと廃プラスチック粒子からなる固体還元材とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行なう装置であって、排ガス回収設備中に、排ガス中の酸素濃度を計測する濃度計測装置と、該濃度計測装置の出力によって排ガス管路の流路切替を行なう流路切替装置と、改質反応によって増熱された排ガスの温度を計測する温度計測装置と、固体還元材添加装置、および、該温度計測装置からの出力および濃度計測装置の出力によって作動する廃プラスッチク粒子からなる固体還元材の添加量を制御する固体還元材添加制御装置とを設けてなることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質装置を提供する。
なお、本発明においては、
(1)前記固体還元材は、廃プラスチックと酸化鉄とを混合して造粒した粒状物であること、
(2)前記酸化鉄は、鉄鉱石、転炉ダスト、圧延スラッジのうちの少なくとも1つ以上を混合造粒した粒状物を用いること、
(3)前記固体還元材の粒子は、冶金炉から吹き上げられる排ガスによって流動しつづけて冶金炉内には落下しない大きさであること、
(4)冶金炉内に落下しない固体還元材粒子の大きさは、ストークスの式により計算される粒子の流動速度V粒子と排ガス流速V排ガスの関係が、V粒子<V排ガスを満足する関係にあること、
(5)前記固体還元材の粒子は、排ガス温度が800℃以上のときに分解反応が完了する大きさであること,
(6)排ガス温度が800℃以上のときに分解反応を完了させるための固体還元材粒子は、排ガス流量Kと排ガスダクト面積Aとから算出される排ガス流速V排ガスとし、かつ固体還元材粒子と排ガス速度のスリップ率αを0.4〜0.6としたときの、固体還元材の流動速度V粒子:α×V排ガスを求め、該固体還元材に添加位置から1次集塵器による冷却位置までの排ガスライン長さLをその固体還元材流動速度V粒子にて除すことで、温度800℃以上の排ガス中に滞留する固体還元材の時間を算出し、ラボ実験結果から、その滞留時間以内で分解反応が完了する大きさの粒径dであること、
(7)前記濃度計測装置は、排ガス回収設備中の1次集塵機の上流側および/または2次集塵機の下流側に配設されたガス分析計であること、
(8)前記流路切替装置は、濃度計測装置による酸素濃度の出力に応じて作動し、フレアもしくはガスホルダーへの流路を選択するガス流路切替弁であること、
(9)前記温度計測装置は、排ガス回収設備中の1次集塵機の入側に配設された温度計であること、
(10)前記固体還元材添加制御装置は、濃度計測装置および温度計測装置からの出力によって作動するものであって、該濃度計測装置が検知した排ガス中酸素濃度が1容積%以下を出力したときに固体還元材の添加を指示すると共に、その固体還元材が煙道内で流動状態を維持できるように、そして該温度計測装置が検知する排ガス温度が800℃以上を出力しているときに固体還元材の分解反応が完了するように、該固体還元材の粒径、添加量を制御するものであること、
(11)前記固体還元材添加装置は、転炉の排ガス回収設備におけるスカートから1次集塵機までの間の、1〜複数個所に設置されたディスペンサーであること、
がより好適な解決手段となり得る。
(1)本発明によれば、転炉等の冶金炉から排出される高温の排ガスの顕熱を利用できると同時に、固体還元材粒子の添加によって炭酸ガス改質反応を導く際に、該固体還元材の種類、その形態(粒径)、添加の時期、添加の方法、改質反応時期などのいずれか1以上を制御することによって、排ガス系へのカーボンや非燃焼成分の発生、堆積をなくすことができる他、排ガスの増熱と炭酸ガスの効率的な排出削減、さらには環境保護、エネルギーコスト削減等を達成することができる。
(2)特に、本発明では、改質反応のために、利用する還元剤として、現在あるいは将来に亘って安価で大量に発生する廃プラスチックを用いる方法と、そのための装置を提供するのであるから、コスト的に有利である。
本発明に係る廃プラスチック添加による排ガス顕熱回収の概念図である。 排ガス中への廃プラスチック添加時の熱バランスを示す説明図である。 本発明を説明するための、転炉排ガス回収設備の略線図である。 本発明に係る排ガス改質装置の略線図である。
本発明では、第1に、炭酸ガス改質反応を完全に進行させることにより、煙道へのカーボンや非燃焼成分などの堆積を起させることなく、効率的な排ガスの増熱と炭酸ガスの排出量削減とを達成し、かつ環境保護、エネルギーコストの低減を図るための、高温排ガスの改質方法を提案する。具体的には、図1に示すイメージ図に示すように、冶金炉(以下、「転炉」の例で述べる)から排出される排ガス(以下、「オフガス」という)中に廃プラスチク等の固体還元材粒子を添加し、このことにより、そのオフガス中に含まれている炭酸ガスと該固体還元材との、上記(1)式で示す改質反応を起させる際に、その固体還元材の添加開始の時期を、オフガス中の酸素濃度が1容積%以下になった時になるように、かつオフガスの温度が800℃以上のときに該改質反応が完了するように、該固体還元材の形状(大きさ)、添加量、添加時期(添加位置)などのいずれか1以上を制御することによって、オフガスの増熱を図る排ガスの改質方法である。
転炉から排出されるオフガスは、通常、10〜20容積%程度のCOと50〜80容積%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000Kcal/Nm程度、操業中の炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。本発明では、この転炉のオフガス中に、廃プラスチックである固体還元材の粒子を添加することにより、固体還元材の熱分解によって生成するCやHと炭酸ガスとによる上記(2)式の改質反応を導くことにより、該オフガスの増熱と炭酸ガスの排出量の抑制が同時に達成される。
即ち、増熱されたオフガス(改質オフガス)は、例えば、製鉄所内の燃焼用熱源(燃料)として使われるため、最終的には炭酸ガスを排出することになるものの、製鉄所内で用いられる重油等の補助燃料を増熱分相当量だけ削減でき、その分の炭酸ガスが削減できることになる。図2は、固体還元材(廃プラスチック)添加時の熱バランスを示す。この図に示すとおり、本発明に従って排ガスの回収を行なうと、プラスチック1kg当たり、9600Kcalの熱量を回収できることになる。
次に、図3は、本発明にかかる排ガスの改質方法を説明するための、転炉の排ガス回収設備の略線図である。この図に示すように、転炉1から発生するオフガスは、スカート2、下部フード3、上部フード4、1次集塵機(湿式集塵機)5、2次集塵機13等を経て排出される間に、この2次集塵機13の出側に配設したガス分析計6にて連続的または半連続的に、あるいは間欠的に酸素濃度が計測される。なお、該オフガス中の酸素濃度が1容積%より多いときは、改質反応用固体還元材の添加量を制御する制御弁7を閉とすると同時に、ガス流路切替弁8を閉にし、該オフガスがフレア9側に流れるようにする。
ガス分析計6の形式はとくに限定しないが、酸素濃度の他、炭酸ガス濃度(流量)やオフガス流量の計測もできるものが好ましい。このガス分析計6の計測値からは、炭酸ガスの流量を求めることができ、ひいては改質反応用固体還元材の添加量を決定することができるようになる。
即ち、ガス分析計の出力のうち、酸素濃度値が1容積%以下まで低下し、かつ、前記温度計10で計測されるオフガスの温度が800℃以上であれば、ガス流路切替弁8を開にし、オフガスがガスホルダー(図示せず)側に流れるようにすると同時に、添加量制御弁7を開として、前記上部・下部フード3、4のいずれかの位置から改質反応用の固体還元材粒子の添加を行なう。そして、温度計10によって、オフガスの温度を連続的に計測し、増熱されたオフガスの温度が800℃以上のときに改質反応が完了するように、所定の大きさに調整された固体還元材の大きさ、添加量、添加位置などを制御する。
上述したように、オフガス中への前記固体還元材粒子の添加は、該オフガスの酸素濃度が1容積%以下のときに行なう。その理由は、オフガス中の酸素が1容積%よりも多くなると、オフガス中の水素ガスや固体還元材の熱分解によって発生する水素原子が酸素と反応しやすくなって水蒸気を発生し、この水蒸気による還元材添加に伴う改質反応が進行するため、炭酸ガスの転化率が低下し、炭酸ガス削減効果が低下するからである。また、オフガス中の酸素濃度が1容積%より多いときに固体還元材を添加すると、発火や爆発の危険性もある。
前記(1)式で示される炭酸ガス改質反応を効率的に行なわせるためには、オフガス中の酸素濃度を限りなくゼロに近づけることが好ましいが、1容積%程度までの混入は許容される範囲である。それは、転炉の排ガス回収設備というのは、空気が少し混入するように作られているためであり、また、酸素濃度を検出限界以下にまで低下させるには長時間が必要である。もし、固体還元材を添加することができないとなると、増熱効果が低下するばかりでなく、フレア9で燃焼させる量が増大し、結果として炭酸ガス排出量の増大を招くので好ましくない。従って、本発明において、固体還元材のオフガス中への注入を開始するときの、オフガス中の酸素濃度は、1容積%以下にすることが条件である。
また、本発明では、高温排ガスのもつ顕熱を利用した上記改質反応によって、その反応生成物である燃料の潜熱となって増熱された状態のオフガスの温度が800℃以上のときに、該改質反応が完了するように、該固体還元材の形状、添加量あるいは添加位置等を調整する。特に、前記改質反応完了時のオフガス温度としては、800℃以上であることが必要であり、850℃以上であればより好ましい。その理由は、前記改質反応完了時のオフガス温度が800℃よりも低くなると、フライアッシュ等のカーボンが発生して煙道に堆積するだけでなく、炭酸ガスの転化率が低下し、増熱効果ならびに炭酸ガス削減効果がともに低下するためである。
つまり、本発明の考え方は、オフガス中の炭酸ガス流量によって改質反応を制御するのではなく、改質反応完了時のオフガス温度(≧800℃)を目標にして該オフガスの増熱制御を行なう点を基本とする。このような制御の方法は、転炉は一般に、回分式の炉であり、溶鋼中に酸化鉄が増大するなどの吹錬異常が発生すると、オフガスの温度が大きく変動する性質をもっていることを考慮したものである。つまり、このような方法によれば、オフガス温度の変動による影響を排除するのに有利だからである。
増熱した(熱エネルギーとして蓄積された)オフガスの温度が800℃以上のときに前記改質反応が完了するように、固体還元材の添加を行なうには、炭酸ガス流量、該固体還元材の種類その添加量、炭酸ガス改質反応の化学量論、固体還元材添加位置におけるオフガス温度、あるいは固体還元材添加位置から温度計10の位置までのガス滞留時間などのいずれか1以上について制御する方法などが考えられる。
なお、上記の説明において、炭酸ガス改質反応の化学量論とは、下記の一般式(4)に示すように、例えば、ペットボトルのような各種のプラスチック容器などに用いられるプラスチックであるポリプロピレンを固体還元材として用いる場合、1モルの該固体還元材に対し、3モルの炭酸ガスが反応することを意味している。一般的には、炭酸ガスに対して当量の固体還元材を添加することが好ましいが、添加位置におけるオフガスの温度が、温度計10の位置での下限温度である800℃に比べてあまり高くない場合、当量よりも少ない量を添加することが好ましい。その理由は、例えば、転炉オフガスの炭酸ガス濃度が15容積%で、固体還元材として廃プラスチックを用いる場合、(x−z+1)/2=1が当量であることから、注入位置におけるオフガス温度が1600℃程度以上であれば、炭酸ガスと等量の廃プラスチックを添加すればよい。しかし、注入位置におけるオフガス温度が1200℃程度であれば、当量の2/3程度が適切な廃プラスチック添加量となる。ここで適切な添加量とは、増熱されたオフガスの温度が800℃以上を示す位置で改質反応が完了できる量を意味する。
(C+3CO → 3CO+ 3H (4)
次に、上記のガス滞留時間は、好ましくは0.01〜50秒、より好ましくは0.1〜20秒の範囲にするのがよい。このガス滞留時間を0.01秒以上とすれば改質反応を完了させるに十分な反応時間が得られ、未反応の固体還元材が排ガス煙道に残留したり、炉内に落下したりするようなことがなくなる。一方、改質反応を確実に完了させるために必要なガス滞留時間の上限は、50秒程度である。即ち、50秒も滞留させると反応は確実に完了し、かつ煙道を長くする必要が生じることもないので、オフガス設備が高価になることがない。このガス滞留時間はまた、ガス添加の位置の調整によっても調整が可能である。
例えば、転炉オフガス中の炭酸ガス濃度が15容積%で、固体還元材として廃プラスチック粒子を用い、添加位置における転炉オフガス温度が1600℃以上のとき、炭酸ガスと当量の廃プラスチック粒子を添加した場合、ガス滞留時間を0.5〜5秒程度とすれば改質反応を完了させることができ、このときの反応完了時ガス温度は800℃以上となると考えられる。
次に、固体還元材として用いる廃プラスチック粒子の添加量は、その量を熱量基準で算出すると、例えば、オフガス温度が1600℃であるときに反応の完了温度を800℃以上とするには、温度差として800℃未満に対応する分のガスエネルギーをプラスチックの添加によって吸収すればよいことになる。ここで、800℃の温度低下を導くのに必要なエネルギーは、排ガス流量:80000Nm/hの場合、混合ガスの比熱を2.9kcal/Nm・kとすると、24.5Gcal/hとなり、図2の熱分解分および改質分の吸熱量から、廃プラスチックの吹込み可能量を計算すると、約117kg/min(約7000kg/h)となる。
なお、固体還元材である廃プラスチックを添加する位置は、前記ガス滞留時間ならびに添加位置におけるオフガスの温度を考慮して決定することが好ましい。例えば、ガス滞留時間が、前述したように、0.01〜50秒の場合、固体還元材の添加位置は、オフガス温度ができるだけ高い温度である位置を選択するようにすることが好ましい。図1は、廃プラスチックの粒子を上部フード4から添加する例である。ただし、本発明では、その他に排ガス回収設備におけるスカート2や下部フード3の上部から1次集塵器5までの間において添加してもよい。
例えば、転炉オフガス中の炭酸ガス量が比較的少ない場合などでは、反応時間が短かくてよいので、下部フード3よりもさらに上方位置で該固体還元材の添加を行なってもよい。また、その添加位置は1箇所だけに限らず、複数個所としてもよい。
本発明で用いることのできる固体還元材としては、プラスチック、特に廃プラスチックが好適である。ここで、廃プラスチックとは、エポキシ樹脂やフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンのような熱可塑性樹脂などからなるプラスチック製品と、その製造過程で生じたプラスチックかすなどからなるものであって、合成ゴムなどの産業廃棄物を除く、合成粒子化合物に係る固形物である。なお、こうした廃プラスチックに対しては、少量(20mass%以下)の転炉ダスト等の含炭素酸化鉄粉などを混合した混合粒子、あるいは該廃プラスチックと鉄鉱石や圧延スラッジなどとの混合粒子であってもよい。
この固体還元材の主成分となる廃プラスチックは、粒子の大きさがあまり小さすぎてもまた大きすぎてもよくない。例えば、2〜5mmφ×5〜20mmL程度の大きさの粒状・棒状の固体粒子であって、その粒子サイズは、転炉の上部フード4から添加されたときに、転炉の炉内から吹き上げられる高温の排ガス上昇流によって、流動浮上しつづけて、炉内に落下するようなことのない程度の大きさにする。即ち、該固体粒子に働く重量と吹き上げられる流体(排ガス)の力(速度)とが釣り合い、全体が均一な1つの流体となって挙動(煙道を上昇)する大きさのものに粉砕し、あるいは造粒し、成形したものが用いられる。これらの粒子の上・下限の大きさは、慣性力と粘性力との比で定義される下記レイノルズ数(Re)に依拠して決定することができ(実施例1)、この範囲を外れると反応領域が層流域や乱流域となって、失速して落下したり反応せずに吹き抜けたりするおそれがある。
Re<2:ストークス域(層流域)
2<Re<500:アレン域(中間域)
500<Re<10:ニュートン域(乱流域)
ストークスの適用はRe<2の領域。
このように、高温の転炉等の排ガスが上昇する環境(反応領域)における粒子の終端速度である沈降速度は、粒子レイノルズ数(Re)をも考慮することが望ましい。即ち、本発明では、下記(5)式のレイノルズ数(Re)が2〜500を示す場合、反応領域は安定し、ストークスの式を沈降速度の計算式として十分に使用することができるものと考えられる。その理由は、Re:2以上であれば、粒子流動が安定して、煙道において浮遊状態となり、(1)式の改質反応を維持する上で好適な環境になりやすからである。一方、Re:500を超えると、落下するおそれが高くなる。
Re=duρf/η (5)
u:流速(粒子の相対速度)m/s
ρf:流体の密度(g/cm
η:粘性係数(Pa・s)
参考のために、廃プラスチックならびに該廃プラスチックを主成分として含む各種の固体還元材粒子の密度とレイノルズ数(Re)とを表1に示す。大きさは直径6mmの球体として、空気の粘性係数を60×10−6Pa・sとした。
Figure 2015178932
前述したように、本発明では、層流を示していると考えられるRe:2〜500の条件下において、下記(6)式のストークスの法則が適用される。そして、層流条件における固体還元材粒子の大きさは、第1に、転炉排ガス温度が800℃以上のときにおいて分解反応が完了する大きさ(相対的に小さい)ものを用いることが好適である。それと同時に、前述したとおり、炉内に落下しない大きさであることも必要である。その大きさは、下記ストークスの式より計算される粒子の流動(終端)速度V粒子と排ガス(流体)の流速V排ガスとの関係が、V粒子<流速V排ガスの関係にあることが必要である。
Vs=Dp(ρp−ρf)g/18η (6)
ただし、Vs:流動(終端)速度[m/s]
Dp:粒子径[m]
ρp:粒子密度[kg/m]
ρf:流体の密度[kg/m]
g:重力の加速度[m/s]
η:流体の粘度[Pa・s]=N/m・s
その上で、本発明においては、前述したように、転炉排ガス温度が800℃以上のとき(時間内)において、前記(2)、(3)、(4)式の分解反応が完了(改質反応が完了)するように、排ガス回収設備中の1次集塵器入側に設置されることが好ましい温度計測装置の出力が800℃以上を維持できるように固体還元材粒子の大きさ(直径d)を常にフィードバック制御することが好ましい。この粒子の粒径(d)は、排ガス流量kと排ガスダクト面積Aから排ガス流速V排ガスを算出し、予めラボ実験にて固体還元材粒子と排ガス速度のスリップ率(α:0.4〜0.6程度)を考慮して算出しておくと共に、固体還元材の添加速度V粒子をα×V排ガスから算出し、添加位置から冷却位置までの排ガスライン長さLを固体還元材の添加速度V粒子にて除すことで、温度800℃以上の排ガス中に滞在する固体還元材の時間を算出し、ラボ実験結果からその時間以内で分解反応が完了するような大きさとなる該固体還元材の粒子直径(d)を決定する。ここで、前記スリップ率(α)とは、気体輸送されている粒子の速度を気体の速度で除した値のことである。
上述したオフガス改質方法の実施に当たって、本発明では、オフガス中に含まる炭酸ガスと廃プラスチック粒子からなる固体還元材とによる改質反応を促進する改質装置としては、排ガス回収設備中に、
a.オフガス中の酸素濃度を計測する濃度計測装置と、
b.その濃度計測装置からの出力に基づく改質オフガス中の酸素濃度に応じて、即ち、酸素濃度が1容積%より多いか少ないかに応じて,排ガス管路の流路切替を行なう流路切替装置と、
c.改質反応によって増熱された改質オフガスの温度を計測する温度計測装置と、
d.固体還元材の添加位置から1次集塵機の入側にある温度計の位置までのガス滞留時間が0.01〜50秒となる位置に設置された固体還元材添加装置と、
e.廃プラスチック粒子からなる還元剤の添加量を制御する固体還元材添加制御装置と、
を設けてなる冶金炉発生排ガスの改質装置を提案する。
前記濃度計測装置としては、2次集塵機、例えば、第2ダストキャッチャー13の下流側管路内に配設することが好ましいガス分析計6が用いられる。
前記流路切替装置としては、ガス分析計6による酸素濃度値の出力によって開閉制御されるガス流路切替弁8をフレア9への流路もしくはガスホルダー(図示せず)への流路のいずれかが選択できるように、それらとの分岐部分に配設したものが用いられる。
前記温度計測装置は、一次集塵機5の入側に当たる排ダクトの輻射部との境界部分に配設することが好ましい温度計10を使用する。
前記固体還元材添加装置は、転炉の排ガス回収設備におけるスカートから1次集塵機までの間の、1〜複数個所に設置されたディスペンサーを用いる。例えば、そのディスペンサーとしては、樋状、円筒状の投入シュートの他、テーブルフィーダーやロータリーフィーダーなどを用いることができ、より好ましくは搬送ガスを使って加圧下(タンク内圧50〜250Pa)に添加できる構造のものを用いる。
廃プラスチック粒子である固体還元材添加制御装置は、濃度計測装置および温度計測装置からの出力によって作動するものであって、該濃度計測装置が検知した排ガス中酸素濃度が1容積%以下を出力したときに固体還元材の添加を指示し、そして該温度計測装置が検知する排ガス温度が800℃以上を出力しているときに固体還元材の分解反応が完了するように、上述したような方法により該固体還元材の形状や添加量、煙道中における流動状態を制御するものである。
なお、前記排ガス回収設備中の2次集塵機の下流側にはオフガスの流量を測定するガス流量計を設けておくことが好ましい。
図1は、前記改質装置の制御系を点線で示す。この図においては、廃プラスチック粒子からなる固体還元材を添加するための、添加装置14(複数個、ただし、その全てが作動する必要はない)で、該固体還元材添加量制御弁7については1個だけを示した。これらは、酸素濃度測定用ガス分析計6と温度計測用温度計10の出力によって制御するようにしているが、演算装置12を介して他の制御弁を使って別々に制御するようにしてもよいし、ガス分析計6の出力でガス流路切替弁8を制御すると同時にこの切替弁の下流側に、さらに別の制御弁を設置し、前記温度計10の出力によって制御するようにしてもよい。
この実施例は、300tの上吹き転炉を用い、煙道の輻射部から転炉排ガス(オフガス)中に、表2に示す廃プラスチック粒子(以下、「廃プラ粒子」という)をディスペンサーを使って添加する試験を行った例である。廃プラ粒子が添加されるオフガスの流量は79000Nm/h、オフガスの組成はCO:50容積%、CO:15容積%、H:1容積%、N:34容積%であったので、COを11850Nm/h排出していたことになる。
Figure 2015178932
これは炭酸ガス重量では、1年あたりに換算すると122000t/年に相当する。オフガスの流量:79000Nm/hでの排ガス流速を算出すると、輻射部内径の一辺が約4mとし、ガス温度を1300℃とした場合、約8m/sとなる。廃プラ粒子は、ディスペンサーを用いてガス流の方向に対して水平方向に添加した。この場合の鉛直方向のレイノルズ数(Re)を算出すると、排ガスと粒子の相対速度(u)を8m/s、1300℃における排ガスの密度(ρ)を0.2kg/m、粘性係数(η)を≦60×10−6Pa・sとして、管直径:4mmの場合と長さの10mmとした場合のReの値は、約120および約300となり、レイノルズ数の範囲は層流を示す中間域となる。この場合の終端速度(Ut)は下記(7)式で算出することができ、それは終端速度:0.2m/sおよび0.5m/sとなり、落下速度は極端に小さく、さらに、廃プラ粒子は、輻射部に投入されると同時に高温のガスにあって反応し粒径も小さくなり、落下することなく排ガスに運ばれるため、輻射部から下方の転炉炉内に落下することもない。
Ut=((4/225)((ρp−ρf)/ρfη))1/3d (7)
なお、添加装置から1次集塵機までの距離は約25mであり、排ガス速度を約8m/sとすると、添加位置から1次集塵機までの排ガスが通過する時間は約3秒程度となり、前述したラボ実験の知見から固体還元材粒子と排ガス速度のスリップ率(α)を0.4〜0.6程度とすると、添加された廃プラ粒子が1次集塵機に到達する時間、すなわち反応を完了させる時間は5〜8秒程度となる。なお、このケースでは、粒子の流動速度(V粒子:0.2m/s)<排ガス流速(V排ガス:8m/s)の関係を満足していることがわかった。
ここで、添加する廃プラ粒子の量は、CO流量を考慮して3000kg/hとした。この廃プラスチック粒子とこれの添加によるCOとのモル比は、略1:1に近似するものである。なお、転炉炉口付近のオフガス温度は約1700℃であった。
次に、オフガスの流量計とガス分析計を2次集塵機(ダストキャッチャー)の下流側に、温度計を一次集塵機(湿式集塵機)の上流側に設置し、オフガスの酸素濃度と改質したオフガス温度によって、廃プラ粒子の添加量を制御する実験を行なった。吹錬開始直後は酸素がリークしていたため、その後、酸素濃度が1容積%以下になったところで廃プラ粒子の添加を開始し、改質したオフガスの温度、流量、組成をモニターした。その結果、オフガスは、温度1100℃、流量88500Nm/h、組成は、CO:容積55%、CO:8容積%、H:7容積%、N:24容積%、O:0.1容積%未満であり、平衡を考慮すると改質反応は温度計測位置で完結していた。そして、煙道へのカーボンなどのダストの生成や堆積は認められず、集塵水での炭素検出もなく、何ら問題なくオフガスの改質ができた。
また、改質前のオフガスの燃焼熱は1537kcal/Nmであったが、改質後では1813kcal/Nmと、オフガス体積規準で18%増熱されていた。オフガス流量も1.12倍になっているため、増熱量は非常に大きいことがわかった。
実施例2
廃プラ粒子を、実施例1よりも上流側である上部フードにおいて、オフガス温度が1300℃となる位置から添加したこと以外は、実施例1と同様にして固体還元材の添加試験を行った。改質後のオフガスは、温度:910℃、組成は、CO:55容積%、CO:10容積%、H:5容積%、N:34容積%、O:0.1容積%未満となっていた。
(比較例1)
廃プラ粒子に代えて天然ガスを、実施例1よりも上流側である上部フードにおいて、オフガス温度が1300℃となる位置から吹き込んだこと以外は、実施例2と同様にしてガス還元剤の吹込み試験を行った。改質後のオフガスは、温度:770℃、組成は、CO48容積%、CO:12容積%、H:1容積%、N:34容積%、O:0.1容積%未満となっていた。また、一次集塵水において炭素が検出された。
本発明は、転炉の排ガスだけでなく、多量の炭酸ガスを含む高温のガスが排出される溶融還元炉や非鉄精錬で用いられる各種の炉などの冶金炉の排ガス改質技術として有用である。
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 1次集塵機
6 ガス分析計
7 制御弁
8 ガス流路切替弁
9 フレア
10 温度計
11 酸素上吹きランス
12 演算装置
13 2次集塵機
14 ディスペンサー

Claims (15)

  1. 冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと該還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行なうにあたり、前記還元剤として、廃プラスチック粒子からなる固体還元材を用い、かつその固体還元材の添加を該排ガス中の酸素濃度が1容積%以下のときに行ない、そして、前記改質反応を排ガス温度が800℃以上のときに完了させることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質方法。
  2. 前記固体還元材は、廃プラスチックと酸化鉄とを混合して造粒した粒状物であることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  3. 前記酸化鉄は、鉄鉱石、転炉ダスト、圧延スラッジのうちの少なくとも1つ以上を混合造粒した粒状物を用いることを特徴とする請求項2に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  4. 前記固体還元材の粒子は、冶金炉から吹き上げられる排ガスによって流動しつづけて冶金炉内には落下しない大きさであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  5. 冶金炉内に落下しない固体還元材粒子の大きさは、ストークスの式により計算される粒子の流動速度V粒子と排ガス流速V排ガスの関係が、V粒子<V排ガスを満足する関係にあることを特徴とする請求項4に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  6. 前記固体還元材の粒子は、排ガス温度が800℃以上のときに分解反応が完了する大きさであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  7. 排ガス温度が800℃以上のときに分解反応を完了させるための固体還元材粒子は、排ガス流量Kと排ガスダクト面積Aとから算出される排ガス流速V排ガスとし、かつ固体還元材粒子と排ガス速度のスリップ率αを0.4〜0.6としたときの、固体還元材の流動速度V粒子:α×V排ガスを求め、該固体還元材に添加位置から1次集塵器による冷却位置までの排ガスライン長さLをその固体還元材流動速度V粒子にて除すことで、温度800℃以上の排ガス中に滞留する固体還元材の時間を算出し、ラボ実験結果から、その滞留時間以内で分解反応が完了する大きさの粒径dであることを特徴とする請求項6に記載の冶金炉発生排ガスの改質方法。
  8. 冶金炉から排出される高温の排ガスに固体還元材を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと廃プラスチック粒子からなる固体還元材とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行なう装置であって、排ガス回収設備中に、排ガス中の酸素濃度を計測する濃度計測装置と、該濃度計測装置の出力によって排ガス管路の流路切替を行なう流路切替装置と、改質反応によって増熱された排ガスの温度を計測する温度計測装置と、固体還元材添加装置、および、該温度計測装置からの出力および濃度計測装置の出力によって作動する廃プラスッチク粒子からなる固体還元材の添加量を制御する固体還元材添加制御装置とを設けてなることを特徴とする冶金炉発生排ガスの改質装置。
  9. 前記濃度計測装置は、排ガス回収設備中の1次集塵機の上流側および/または2次集塵機の下流側に配設されたガス分析計であることを特徴とする請求項8に記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
  10. 前記流路切替装置は、濃度計測装置による酸素濃度の出力に応じて作動し、フレアもしくはガスホルダーへの流路を選択するガス流路切替弁であることを特徴とする請求項8または9に記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
  11. 前記温度計測装置は、排ガス回収設備中の1次集塵機の入側に配設された温度計であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
  12. 前記固体還元材添加装置は、転炉の排ガス回収設備におけるスカートから1次集塵機までの間の、1〜複数個所に設置されたディスペンサーであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
  13. 前記固体還元材添加制御装置は、濃度計測装置および温度計測装置からの出力によって作動するものであって、該濃度計測装置が検知した排ガス中酸素濃度が1容積%以下を出力したときに固体還元材の添加を指示すると共に、その固体還元材が煙道内で流動状態を維持できるように、そして該温度計測装置が検知する排ガス温度が800℃以上を出力しているときに固体還元材の分解反応が完了するように、該固体還元材の粒径、添加量を制御するものであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
  14. 冶金炉内に落下しない固体還元材粒子の大きさは、ストークスの式により計算される粒子の流動速度V粒子と排ガス流速V排ガスの関係が、V粒子<V排ガスを満足する関係にあることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
  15. 排ガス温度が800℃以上のときに分解反応を完了させるための固体還元材粒子は、排ガス流量Kと排ガスダクト面積Aとから算出される排ガス流速V排ガスとし、かつ固体還元材粒子と排ガス速度のスリップ率αを0.4〜0.6としたときの、固体還元材の流動速度V粒子:α×V排ガスを求め、該固体還元材に添加位置から1次集塵器による冷却位置までの排ガスライン長さLをその固体還元材流動速度V粒子にて除すことで、温度800℃以上の排ガス中に滞留する固体還元材の時間を算出し、ラボ実験結果から、その滞留時間以内で分解反応が完了する大きさの粒径dであることを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載の冶金炉発生排ガスの改質装置。
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CN109628682A (zh) * 2018-12-18 2019-04-16 武汉科技大学 一种废旧塑料颗粒的高效利用方法

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