JP5223054B2 - 炭酸ガスの分解方法 - Google Patents

炭酸ガスの分解方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5223054B2
JP5223054B2 JP2008258000A JP2008258000A JP5223054B2 JP 5223054 B2 JP5223054 B2 JP 5223054B2 JP 2008258000 A JP2008258000 A JP 2008258000A JP 2008258000 A JP2008258000 A JP 2008258000A JP 5223054 B2 JP5223054 B2 JP 5223054B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
carbon dioxide
decomposition
exhaust gas
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008258000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010082611A (ja
Inventor
克彦 高木
旭男 多田
文保 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Kitami Institute of Technology NUC
Original Assignee
JFE Steel Corp
Kitami Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, Kitami Institute of Technology NUC filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2008258000A priority Critical patent/JP5223054B2/ja
Publication of JP2010082611A publication Critical patent/JP2010082611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5223054B2 publication Critical patent/JP5223054B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/143Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions of methane [CH4]

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

本発明は、炭酸ガスの分解方法に関し、特に、製鉄所等での転炉や溶融還元炉において発生する炭酸ガス含有高温排気ガスからこの排気ガスのもつ顕熱を利用して炭酸ガスの分解を行わせると同時に、分解反応物質の還元をも実現させることを通じて、最終的に炭酸ガスの排出削減と廃熱の有効利用を果すための技術を提案する。
近年、炭酸ガスは、地球温暖化を防止し、地球環境を保護をするために、排出量を削減することが焦眉の急務となっている。特に、製鉄所における炭酸ガスの排出削減は、企業にとって最重要の課題である。従来、そのための各種の提案がなされているが、とくに転炉などの精錬炉から排出される高温排ガス中の炭酸ガス分解、回収技術は、一層の改善が求められている。
製鉄所では、一般に、転炉や溶融還元炉などから多量の炭酸ガスを含む高温の排気ガスが発生する。これらの排気ガス(以下、「排ガス」という)は、炭酸ガスの他に一酸化炭素や水素などを含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるためのエネルギー源としても利用されている。また、こうした高温排ガスの顕熱を利用するという観点からは、ボイラー等に供給して低圧のスチームを発生させるという方法で、廃熱の回収を行うことが一般的である。しかしながら、製鉄所での低圧スチームの利用価値は低く、むしろ高温の排ガスを化学的に利用できるようにすることの方が望ましいと言える。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素に変化することが知られている。この反応を利用した技術として、特許文献1では、転炉等の精錬設備から発生する、二酸化炭素および/または水蒸気を含む高温の排ガス中に、炭化水素を含む気体および/または液体を供給して上記の反応を起こさせ、該排ガス中の一酸化炭素と水素を増加させることにより、排ガスの潜熱を増大させて「増熱」を図る方法を提案している。
この文献1に開示の技術については、転炉で発生する高温排ガス中に、天然ガスを吹込んで、下記(1)式の改質反応を行わせる際に、この反応を低温域(375℃)で完了させているために、カーボンの生成が著しくなり、排ガス回収設備内にカーボンの堆積を招くという問題があることがわかった。とくに、炭酸ガス分解(改質)反応の完了温度の低下は、反応効率の低下をも招き、二酸化炭素の転化率が低下する。
CH+CO→2CO+2H (1)
また、特許文献2には、転炉から発生する排ガスに対し、その温度が600℃以上となる位置に石炭を供給し、排ガスと石炭とを対向接触させることによって、下記(2)式の改質反応を行わせて一酸化炭素を生成させ、排ガスの増熱を図る方法が開示されている。
CO+C→2CO (2)
しかし、この文献2に開示の方法は、安価な石炭を用いて改質反応を行わせる点において優れているが、石炭に含まれる非燃焼成分(SiO、Al等)が煙道内に堆積したり、転炉内に落下してスラグ量の増大を招くという問題がある。
一方、特許文献3には、炭酸ガスを水素を使って分解する際に、金属酸化物触媒を用いて、一酸化炭素への転化率を向上させる方法の開示がある。しかし、この方法では、触媒として用いる金属酸化物触媒を有効に利用するという視点がなく、最終的な炭酸ガスの排出量削減への寄与が小さいという課題がある。
さらに、特許文献4では、低級炭化水素に低濃度の酸化性ガスあるいは還元性ガスを共存させることで、低級炭化水素を分解して機能性ナノ炭素および水素を製造する方法を開示している。しかし、この技術は、触媒活性を維持することを目的としていて、炭酸ガス分解反応によって生成する炭素の有効利用についての考察がなく、炭酸ガス削減効果が小さいという課題がある。
特開2000−212615号公報 特開平5−117668号公報 特開平8−245211号公報 特開2006−315891号公報
上述したように、転炉や溶融還元炉などの冶金炉から発生する、炭酸ガス含有排出ガスの顕熱を利用して、排ガスの潜熱分を増大させて、増熱を図る従来技術では、カーボンの堆積や炭酸ガスの分解反応効率の低下を招いたり、SiOやAl等の非燃焼成分の堆積を招いたり、あるいはその分解反応によって発生する炭素を有効に利用する方策を持たないために、最終的に炭酸ガス排出削減の効果が少ないという課題があった。
そこで、本発明の目的は、炭酸ガスの効率的な分解反応を導くことができると共に、生成する黒鉛の有効な利用を実現して炭酸ガスの実質的で効果的な排出削減を図ることができる炭酸ガス分解方法を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を克服し、高温排ガス中に含まれる炭酸ガスを効率的な分解を通じて炭酸ガスの実質的な排出削減を実現するために、本発明は、炭酸ガスを分解する方法において、CO、NおよびHOから選ばれる少なくとも1種を含み、かつ炭酸ガスを1vol%以上含有する炭酸ガス含有ガスである転炉排ガスと、その炭酸ガス中の酸素原子と反応する還元物質である天然ガスと、炭酸ガスの分解反応を促進する分解反応物質である粉状鉄鉱石とを、転炉排ガス回収設備最上部から天然ガスと粉状鉄鉱石とを添加して、450〜1500℃の温度で共存する状態に保持することによって、前記転炉排ガス中の炭酸ガスの分解と共に前記分解反応物質である粉状鉄鉱石上に炭素を付着させて、該鉄鉱石表面部分の還元を行なわせることを特徴とする炭酸ガスの分解方法を提案する。
なお、本発明の前記分解方法において、転炉の排ガスの顕熱を、該転炉排ガス中の炭酸ガスを分解するための熱源とすることがより好適な解決手段を提供できる。
(1)本発明によれば、転炉等の精錬炉から排出される炭酸ガス含有高温排ガスの顕熱を無駄なく利用して炭酸ガスの排出削減を実現すると同時に、その炭酸ガス含有高温排ガスに還元物質の他、分解反応物質を添加することによって、炭酸ガス分解反応時に生成するカーボンなどが煙道等に堆積するのを防止する一方でこれを有効に利用することができる。即ち、炭酸ガス分解反応によって析出生成するカーボンを、前記分解反応物質の表面に付着させると同時にこれを還元することにより、該カーボン等を煙道に排出させないようにすると共に該カーボンを有効に利用することができる。
(2)また、本発明方法では、前記分解反応のために用いる物質がいずれも、燃料や化学原料として、現在あるいは将来も安価にかつ大量に生産される物質を用いる方法であるから経済的である。
本発明の特徴の1つは、カーボンやダスト等の非燃焼成分が煙道に排出されて無駄に廃棄されるようなことなく、しかも、炭酸ガスの分解反応についてはこれを完全に進行させるようにして、炭酸ガス排出量の実質的な削減を達成することにある。具体的には、本発明方法では、精錬炉(以下、「転炉」の例で述べる)から排出される炭酸ガスを含有する高温の排ガス(以下、「オフガス」という)に対し、その排ガス中の炭酸ガス中の酸素原子と反応する還元物質を添加し、このオフガスのもつ顕熱を利用することにより、該オフガス中に含まれている炭酸ガスと該還元物質との、上記(1)式の分解反応を起させるようにする。ただし、このときのオフガスの温度を00℃以上の高温として該分解反応が円滑に進むようにして、該オフガス中炭酸ガスの効率的な分解反応の促進を図るようにすると同時に、この温度域への保持によって分解生成する炭素を有効に利用することが好ましい。
転炉から排出される上記オフガスは、通常、10〜20vol%程度のCOと50〜80vol%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000kcal/Nm程度、操業中の炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。本発明は、この転炉のオフガス中に、メタンや天然ガス等の還元物質と酸化鉄等の分解反応物質を添加して共存させ、上記(1)、(2)式の炭酸ガス分解反応を導くと同時に、このときに析出生成する炭素(カーボン)を該分解反応物質表面に付着させると同時に高温保持にって一部(表面)を還元した上で、その物質ごとに回収することにより、最終的に炭酸ガスの実質的な排出削減が実現していく方法である。
前記オフガスは、一般的には、製鉄所内のエネルギー源として循環使用されている(燃焼させる)が、この場合、最終的には炭酸ガスを排出することにつながる。しかし、本発明の場合、そのオフガスを上述したように処理して増熱させることにより、製鉄所内で用いられる燃料をその増熱分だけ削減できるだけでなく、分解反応物質(酸化鉄等)の一部の還元をもたらして、ひいては燃料使用量の低減を実現して、その分の炭酸ガスの削減を達成しようとするものである。
なお、炭酸ガス含有ガスが上記オフガスである場合、このオフガス中に含まれる炭酸ガス濃度は1vol%以上、好ましくは3vol%以上、より好ましく5vol%以上のものを用いる。オフガス中の炭酸ガス濃度が1vol%未満では炭酸ガス分解反応の転化率には何ら問題はないが、分解・消費される炭酸ガス量が少なく、その結果、設備コストが高くなり好ましくないが、3vol%以上では分解・消費される炭酸ガス量が多くなり、全体のコストに占める設備コストの割合が低下するため、より好ましい。
本発明にかかる炭酸ガス分解方法の適用が考えられる設備の例としては、図1に示すような転炉の排ガス回収設備がある。この図に示すように、転炉1から発生する高温のオフガスは、スカート2、下部フード3、上部フード4、1次集塵機(湿式集塵機)5、2次集塵機13等を経て排出される間に、2次集塵機13の出側に配設されたガス分析計6にて連続的または半連続的に、あるいは間欠的に酸素濃度の計測が行われる。なお、該オフガス中の酸素濃度が1vol%より多いときは、分解反応用還元物質の酸素酸化防止のため、分解(改質)反応用還元物質の添加(注入)量を制御する制御弁7を閉とすると同時に、ガス流路切替弁8を閉にし、該オフガスがフレア9側に流れるようにする。
ガス分析計6の形式はとくに限定しないが、酸素濃度の他、炭酸ガス濃度(流量)やオフガス流量の計測もできるものが好ましい。そして、このガス分析計6の計測値から、炭酸ガスの流量を求めることができ、ひいては前記分解反応用還元物質の添加量を決定することができるようになる。
例えば、酸素濃度が1vol%以下にまで低下し、かつ、温度計10で計測されるオフガス温度が200℃以上になれば、ガス流路切替弁8を開にし、オフガスがガスホルダー(図示せず)側に流れるようにすると同時に、流量制御弁7を開として、排ガス回収設備最上部から分解反応用還元物質の添加を行う。そして、前記温度計10によって、オフガスの温度を連続的に計測し、オフガスの温度が200℃以上で分解反応が完了するように、還元物質の注入量および/または、添加(注入)位置を必要に応じて制御する。
本発明では、上記オフガス中の炭酸ガスと、その炭酸ガスの酸素原子と反応する還元物質とを連続的に接触させつつかつ共存する状態におくことが重要である。ここで、還元物質とは、1分子中に少なくとも2個の水素原子を含む化合物および/または該化合物を含むものであることが好ましく、このような化合物として、水素、メタン、エタン、メタノール、ジメチルエーテル、天然ガス、プロパンガス、コークス炉ガス、ナフサ、ラフィネートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。本発明では、上記のように少なくとも2個の水素原子を含む化合物を用いるため、当該プロセスだけを考慮すると、炭酸ガスの削減は達成されないようにも考えられるが、以下の説明からわかるように、最終的には炭酸ガス削減が可能である。
これら還元物質中の1分子中に少なくとも2個の水素原子を含む化合物の合計の容積:オフガス中の炭酸ガスの容積の比で0.01:1〜3:1の割合で添加することが好ましく、0.1:1〜2:1の割合で添加することがより好ましい。前記化合物合計の容積比が0.01:1よりも小さいと、炭酸ガスの分解効率が著しく低下するため好ましくない。一方、3:1より大きいと、オフガスの増熱効果が低くなるばかりでなく、コスト高となるため好ましくない。これらの還元物質の添加方法は、気体であれば一般的にはノズルで注入すればよく、液体の場合はミスト状に噴霧して添加することが好ましい。
本発明では、前記高温オフガス中にはまた、還元物質の他に、この還元物質を活性化して炭酸ガスの分解反応を開始、促進させる作用を担う分解反応物質を加え、これらを炭酸ガスと常に共存する状態にしておく必要がある。その理由は、これらを互いに共存させた状態におくことで、そのオフガスの熱(450〜1500℃)により、上記(1)式の反応の他に、
Figure 0005223054
の反応が起こり、該分解反応物質(Fe)上にカーボン(C)の析出が起こると同時に、その分解反応物質の一部の還元(Fe→Fe、FeO)が進行する。なお、ここでは還元物質としてCHを、分解反応物質としてFe選択した場合を例示した。
前記分解反応物質とは、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化チタンおよび酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の酸化物を用いることが好ましい。本発明では、これらの酸化物の少なくとも一部が、これらの酸化物表面に付着した炭素によって部分的に還元される結果、間接的に還元物質の消費量低減に寄与する。
なお、これらの分解反応物質は、ロータリーキルンのような反応装置内や、図1に例示した邪魔板17を有する煙道内で、前記オフガスや還元物質からなる気体と連続的に接触させる必要があるため、粉状や粒状であることが好ましいが、固体の供給・排出装置の特性に応じて、塊状であっても用いることができる。粉状や粒状の場合、粒径は10μm〜20mm程度にすることが好ましく、50μm〜10mmがより好ましい。それは、粒径が10μmより小さいと供給、排出装置、あるいは、反応装置内での飛散や閉塞の原因となる一方、20mmより大きいと、接触効率が低くなるためである。
これら分解反応物質の反応装置内滞留時間は、1分〜5時間程度が好ましく、10分〜3時間が特に好ましい。滞留時間が1分未満では反応時間が短く、炭酸ガスの分解反応効率が低くなり好ましくない。一方、滞留時間が5時間より長くなると、炭酸ガスの分解反応効率には何ら問題がないものの、反応装置が大きくなり非経済的である。
また、本発明方法では、該オフガス中の炭酸ガスが、その炭酸ガス中の酸素原子と反応する、好適には1分子中に少なくとも2個の水素原子を含む化合物である還元物質と反応し、上記(1)式に示すように、一酸化炭素と水素を生成する分解反応によって増熱効果が生じる。即ち、これら本発明の反応は、オフガスのもつ顕熱を熱源とするため、オフガスの増熱が促進され、その分、重油等の補助燃料使用量の削減も達成される。本発明によって、炭素ガスの削減は、前述した分解反応物質へのカーボンの付着による燃料や還元剤消費量の低減と、オフガス増熱による補助燃料使用量削減の両方の効果によって達成される。
本発明において、炭酸ガスの分解反応を開始促進させることができる前記分解反応物質は、触媒としてではなく反応物質の一部として機能するものであるから、供給と排出が連続的に行われるようにすることが望ましく、いわゆる炭酸ガスならびに還元物質と常に共存する状態に置かれることが必要である。このような状態を維持できる装置としては、とくに限定はしないが、ロータリーキルンのような連続式熱処理装置、移動床反応器のような連続的に粉体の供給と排出が可能な接触反応装置の他に、スクリューフィーダーやニーダー等の固体の供給・排出機能を備えた反応装置等を例示することができる。
なお、この分解反応物質は、高温のオフガスと接触させる際、ロータリーキルン等の上記反応装置等に供給する前に、オフガス等によって予熱しておくことが、熱効率向上の観点から好ましい。熱交換器の方式としては、固体と気体の熱交換が行われるものであればよく、とくに限定されるものではない。
本発明において、上述した各物質の共存する状態において上記の反応を効率よく行わせるための該オフガスの温度は、使用する前記還元物質によって変わるので、一概に結論できない。例えば、前記還元物質としてメタンを選択する場合、該オフガスの好適温度範囲は、00℃以上1500℃以下が好ましく、500℃以上1200℃以下が特に好ましい。それは、00℃未満では炭酸ガス分解反応の効率が低下するためである。一方、この温度が1500℃よりも高温になると析出炭素の炭酸ガスによる再酸化のため、炭酸ガスの炭素の分解反応物質への析出付着効率が低下するため好ましくない。また、前記還元物質として、ジメチルエーテルを選択した場合、00℃以上1200℃以下が好ましく、400℃以上1000℃以下が特に好ましい。それは、00℃未満では炭酸ガス分解反応の効率が著しく低下するため好ましくなく、1200℃よりも高温では炭素の析出付着効率の低下のみならず、ジメチルエーテルの熱分解が起こるようになるため好ましくない。
このようにオフガスの好適温度範囲は、炭酸ガス中の酸素原子と反応できる還元物質の種類によって変わるが、このことは、本発明の適用対象プロセスのオフガス温度によって、炭酸ガス中の酸素原子と反応できる物質を適宜選択することによって、最良の炭酸ガス分解効率を得ることができることを意味している。
参考例1)
炭酸ガスの分解反応物質として鉄鉱石(オーストラリア産、Fe含有率60mass%)(1.2kg)とγ−Al(0.8kg)の機械的混合物(粒状)を用い、これを内径240mmのステンレス製試料管に入れ、この試料管を雰囲気制御型ロータリーキルンの中央に固定した。また、炭酸ガス中の酸素原子と反応できる還元物質としてCHを用いた。そして、炭酸ガス含有ガスとしてはCO(50vol%)とN(50vol%)の混合ガスを、流量:1Nm/h、CO/CHの流量比を1/1、反応温度を800℃として、前記ロータリキルン中に供給してCO分解実験を行った。
その結果、COは、転化率18%で分解し、気相にはCOとHとが生成した。実験終了後に試料管から固体(混合物)を取出したところ、その固体は黒色に着色しており、多量のカーボンが析出して付着していた。この固体についてX線回折を行ったところ、表面に付着していたカーボンはアモルファスであり、固体本体中の鉄鉱石(Fe)はFe3O4に還元されていることがわかった。
参考例2)
炭酸ガスの分解反応物質としての鉄鉱石に混合する酸化物を、MgOとしたこと以外は、参考例1と同様の条件でCO分解実験を行った。
その結果、COは転化率13%で分解し、気相にはCOとHが生成した。実験終了後に回収した固体の分析を行ったところ、参考例1と同様に鉄鉱石はFeに還元されていた。
参考例3)
炭酸ガスの分解反応物質としての鉄鉱石に混合する酸化物をTiOとしたこと以外は、参考例1と同様の条件でCO分解実験を行った。
その結果、COは転化率21%で分解し、気相にはCOとHが生成した。実験終了後に回収した固体の分析を行ったところ、参考例1と同様に鉄鉱石はFeに還元されていた。
(実施例
この実施例は、300tの上吹き転炉を用い、排ガス回収設備最上部(第二輻射部上部)から天然ガスと粉状鉄鉱石とを添加して、炭酸ガス分解実験を行った例である。この例において、一般の排ガス回収設備では、最上部から湿式集塵機までの距離が短く、十分な滞留時間が確保できないため、図1のような内部に邪魔板を配置し、湿式集塵機までの距離の長い(約20m)ダクトを設置して、実験を行った。
実験開始前のオフガスは、流量79000Nm/h、組成がCO:50vol%、CO2:15vol%、H:1vol%、N:34vol%であったので、COを11850Nm/h排出していたことになる。注入した天然ガスは、CO流量の1/3である3950Nm/hとした。また、鉄鉱石は参考例1と同様のものを用いたが、粒径2mm以上を除去し、供給量は1500kg/hとした。なお、転炉炉口付近のオフガス温度は約1600℃、湿式集塵機直前の温度は700℃であった。
2次集塵機の下流に設置したオフガスのガス分析計によって、酸素濃度が1vol%以下になったところで天然ガスと粉鉱石の添加を開始した。実験開始後のオフガスは、湿式集塵機直前の温度で450℃、流量87000Nm/h、組成はCO:51vol%、CO:10vol%、H:7vol%、N:31vol%で、CH:2vol%あり、COは転化率24%となった。回収した鉄鉱石を分析した結果、カーボンの含有率は5mass%であり、鉄鉱石の酸化鉄(Fe)のほとんどがFeに還元されていた。
(比較例1)
炭酸ガスの分解反応物質としてSiOを用いたこと以外は参考例1と同様の条件でCO分解実験を行った。
その結果、COは転化率0.1%以下であり、ほとんど反応が進行しなかった。また、実験終了後に回収した鉄鉱石にも何ら変化が確認されなかった。
本発明の炭酸ガスの分解方法は、製鉄所などにおける炭酸ガスの排出削減技術として有効なだけでなく、二酸化炭素の改質方法としてその他の化学工業の分野において応用が可能である。
本発明を説明するための、転炉排ガス回収設備の略線図である。
符号の説明
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 1次集塵機(湿式集塵機)
6 ガス分析計
7 制御弁
8 ガス流路切替弁
9 フレア
10 温度計
11 酸素上吹きランス
12 演算装置
13 2次集塵機
14 ホッパー
15 供給弁
16 排出弁
17 邪魔板

Claims (2)

  1. 炭酸ガスを分解する方法において、CO、NおよびHOから選ばれる少なくとも1種を含み、かつ炭酸ガスを1vol%以上含有する炭酸ガス含有ガスである転炉排ガスと、
    その炭酸ガス中の酸素原子と反応する還元物質である天然ガスと、炭酸ガスの分解反応を促進する分解反応物質である粉状鉄鉱石とを、転炉排ガス回収設備最上部から天然ガスと粉状鉄鉱石とを添加して、450〜1500℃の温度で共存する状態に保持することによって、前記転炉排ガス中の炭酸ガスの分解と共に前記分解反応物質である粉状鉄鉱石上に炭素を付着させて、該鉄鉱石表面部分の還元を行なわせることを特徴とする炭酸ガスの分解方法。
  2. 転炉の排ガスの顕熱を、該転炉排ガス中の炭酸ガスを分解するための熱源とすることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスの分解方法。
JP2008258000A 2008-10-03 2008-10-03 炭酸ガスの分解方法 Expired - Fee Related JP5223054B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008258000A JP5223054B2 (ja) 2008-10-03 2008-10-03 炭酸ガスの分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008258000A JP5223054B2 (ja) 2008-10-03 2008-10-03 炭酸ガスの分解方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010082611A JP2010082611A (ja) 2010-04-15
JP5223054B2 true JP5223054B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=42247097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008258000A Expired - Fee Related JP5223054B2 (ja) 2008-10-03 2008-10-03 炭酸ガスの分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5223054B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5540658B2 (ja) * 2009-11-11 2014-07-02 Jfeスチール株式会社 冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法
JP5935605B2 (ja) * 2011-11-08 2016-06-15 Jfeスチール株式会社 製鉄所の操業方法及び二酸化炭素ガスの分解装置
KR102189389B1 (ko) * 2012-12-18 2020-12-14 린데 악티엔게젤샤프트 용광로 가스, 수반 가스 및/또는 바이오가스를 활용하는 방법
JP6547633B2 (ja) * 2015-09-04 2019-07-24 日本製鉄株式会社 炭酸化物からの膜状遊離炭素製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0461913A (ja) * 1990-06-26 1992-02-27 Nippon Steel Corp 炭酸ガスの分解方法および分解装置
JP2004255227A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Jfe Engineering Kk Co2分解装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010082611A (ja) 2010-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
He et al. Biomass chemical-looping gasification coupled with water/CO2-splitting using NiFe2O4 as an oxygen carrier
Chen et al. An evaluation of hydrogen production from the perspective of using blast furnace gas and coke oven gas as feedstocks
Lin et al. Chemical looping gasification coupled with steam reforming of biomass using NiFe2O4: Kinetic analysis of DAEM-TI, thermodynamic simulation of OC redox, and a loop test
KR101551887B1 (ko) 코크스오븐가스와 산소제강로가스를 이용하여 산화철을 금속철로 환원하기 위한 시스템 및 그 방법
Purwanto et al. Hydrogen production from biogas using hot slag
JP5807786B2 (ja) 鉄、セミスチールおよび還元ガスを生産する装置と方法
JP5857054B2 (ja) 水素および一酸化炭素を含有した還元ガスを供給源として用いて直接還元鉄を製造する方法並びに装置
AU2009214417B2 (en) Method for melting raw iron while recirculating blast furnace gas by adding hydrocarbons
US9255224B2 (en) Method for increasing amount of coke oven gas by using carbon dioxide
US20140343339A1 (en) Method for obtaining olefins from furnace gases of steel works
JP5223054B2 (ja) 炭酸ガスの分解方法
EP3378921A1 (en) Method for gasifying carbonaceous fuel, method for operating iron mill, and method for producing gasified gas
EP3360948A1 (en) Carbonaceous fuel gasification method, steel mill operation method, and gasified gas production method
CN114787392A (zh) 用于操作高炉的方法
CN108884503B (zh) 用于生产海绵铁的方法和设备
JP2000212615A (ja) 製鉄設備排ガスからのエネルギ―回収方法
Kurniawan et al. Reduction of mild-dehydrated, low-grade iron ore by ethanol
JP7307858B2 (ja) 一酸化炭素製造方法およびその活用
JP2002161303A (ja) 溶融還元炉ガスの利用方法および利用装置
JP2010100876A (ja) 冶金炉発生排ガスの改質・増熱方法およびその装置
WO2013064870A1 (en) Process for producing direct reduced iron (dri) with less co2 emissions to the atmosphere
JPS649376B2 (ja)
JP2007051181A (ja) コークス炉ガスの顕熱回収方法
JP7415133B2 (ja) 二酸化炭素の還元方法
JP5439978B2 (ja) 溶融還元方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130123

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5223054

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees