JP2002161303A - 溶融還元炉ガスの利用方法および利用装置 - Google Patents

溶融還元炉ガスの利用方法および利用装置

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JP2002161303A JP2000358051A JP2000358051A JP2002161303A JP 2002161303 A JP2002161303 A JP 2002161303A JP 2000358051 A JP2000358051 A JP 2000358051A JP 2000358051 A JP2000358051 A JP 2000358051A JP 2002161303 A JP2002161303 A JP 2002161303A
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健一 矢島
Hiroki Nomoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一酸化炭素を取り除いたり別の製造設備から
水素を供給したりすることなく、溶融還元炉の発生ガス
からメタノール等を多量に製造し、もって溶融還元シス
テムの経済性を向上させようとするものである。 【解決手段】 溶融還元炉から発生するガスに水蒸気
を加えたうえ、ガス中の水素と一酸化炭素との量的比
率を2:1に近づけるべく温度を設定してシフト反応を
起こさせ、水分と二酸化炭素とを除いたうえ、水素
と一酸化炭素とを反応させることによってメタノールを
合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、金属酸
化物を溶融還元するにともなって溶融還元炉が発生する
ガス(溶融還元炉ガス)を、メタノールやアンモニア等
の製造のために利用する方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】溶融還元法は、金属酸化物である鉄鉱石
やそれを部分的に還元した予備還元鉱石等を溶融還元炉
に装入し、炭素を含む固体燃料や酸素含有ガスを同時に
同炉内に入れて高温で還元反応を起こさせ、溶融金属を
製造するシステムである。溶融還元炉からは、CO(一
酸化炭素)およびH2(水素)を含む高温の水性ガスが
発生する。上記した予備還元鉱石の製造は、そのような
ガスの熱および化学的エネルギーを利用して鉱石を部分
的に還元することにより行われている。なお、溶融還元
法によって得られる金属には、鉄のほかにクロムやニッ
ケルなどがある。
【0003】溶融還元炉から発生する上記のガスが熱お
よび化学的エネルギーを保有するので、溶融還元法を経
済的に合理性のあるものにするには、そのガスをいかに
有効利用するかが重要である。ガスの従来の利用方法と
してつぎのようなものが知られている。
【0004】イ) ガス中の可燃性成分(CO、H2)に
着目して電気エネルギーを回収するもの。熱を回収した
のちのガスを燃焼させ、水蒸気を発生させて発電用ター
ビンを回し、電力を得ることによって溶融還元法の経済
性を高めるのである。
【0005】ロ) ガスを脱炭酸したのち、併設された他
の還元装置に送って金属の還元に利用するもの。他の還
元装置としてシャフト炉式の直接還元製鉄プラントが設
置された例がある。
【0006】ハ) ガスを利用してアルコールや炭化水素
を製造するもの。ガス中のCO2(二酸化炭素)または
COに、外部から供給するH2を結合させることによっ
てアルコールもしくは炭化水素を生成する例(特開平3
−240907号公報参照)や、ガス中のH2とCOと
を、吸着剤による吸収もしくはコークス炉ガスの添加に
よって量的に調整したうえ反応させて炭化水素ガスを生
成する例(特開昭63−47318号公報参照)が知ら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶融還元炉からの発生
ガスを利用する従来の技術には、つぎのような課題が付
随する。すなわち、まず、上記イ)のとおりガス中の可燃
成分を発電用燃料に使用する例については、発電用の機
器を含む設備全体に高額な初期投資が必要であるため、
とくに電力価格の低い国や地域などにおいて、システム
の経済性がほとんど改善されないことが多い。保守等の
理由で溶融還元炉の操業が停止したときに発電も停止し
てしまう、という不都合もある。また、上記ロ)のように
他の金属還元装置を併設してそれにガスを送る場合に
は、二つの異なる還元装置を連動させて操業する必要が
あるので、設備費が高額になることに加え、両設備を円
滑に連動させながら原料の質や量に応じた柔軟な操業を
することが難しい、というデメリットがある。
【0008】上記ハ)のようにガスを利用してアルコール
や炭化水素を製造する場合にも、改善すべき課題は存在
する。すなわち、特開平3−240907号公報に記載
の方法では、反応させるH2を外部から供給するため、
水素の製造設備が別途必要になる。溶融還元炉から発生
するガス中にはCOおよびCO2の量が多く、それに比
してH2の量が少ないため、COまたはCO2のほとんど
をアルコールや炭化水素に変えるためには量論的に多量
のH2が必要だからである。また、特開昭63−473
18号公報の方法をとる場合には、原料ガス中のCOを
吸着剤で吸着するなどして、ガス中のH2とCOとのモ
ル比を2.6〜4.5の範囲内に入るよう調整する必要
がある。炭化水素を生成するにはCOよりもH2が多く
必要であるにもかかわらず、溶融還元炉の発生ガス中に
はH2の量が少ないからである。吸着によって多くのC
Oが取り除かれて有効利用されないため、結果として、
炭化水素の生成量が少ないという不都合がある。
【0009】請求項の発明は、一酸化炭素を取り除いた
り別の製造設備からH2を供給したりすることなく、溶
融還元炉の発生ガスからメタノール等を多量に製造し、
もって溶融還元システムの経済性を向上させようとする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した溶融
還元炉ガスの利用方法は、 溶融還元炉から発生するガスに水蒸気(H2O)を
加えたうえ、 ガス(水蒸気を加えたのちのガス)中の水素
(H2)と一酸化炭素(CO)との量的比率を2:1に
近づけるべく温度を設定してシフト反応を起こさせ、 水分(H2O)と二酸化炭素(CO2)とを除いたう
え(ただし完全な除去を要するものではない)、 水素と一酸化炭素と(シフト反応させたのちのも
の)を反応させることによってメタノール(CH3
H)を合成する−ことを特徴とする。
【0011】上記にいう「シフト反応」は、COと水
分とが下記のようにCO2とH2とに変化する周知の反応
をさし、一酸化炭素転化反応などとも呼ばれるものであ
る。すなわち、 CO+H2O → CO2+H2−ΔH (ΔH > 11.24 kcal/モル = 47.1 k
J/モル) と表される反応であり、温度を下げることによって平衡
を移動させ、各気体の量的比率を変更することができ
る。また、H2とCOとからメタノールを合成する上記
の反応は、 2H2+CO → CH3OH によるものである。
【0012】請求項1の発明は、上記のように、溶融還
元炉から発生するガスにまず水蒸気を加え、COととも
にH2Oを多量に含むようになったガスを、適当な温度
の下でシフト反応させることによりガス中のH2とCO
との量的比率を2:1に近づける、という過程を含む。
加える水蒸気の量は (H2+H2O)/C の値が2.4
〜3.0になるようにし、シフト反応の温度は250℃
までとするのがよい。溶融還元炉の発生ガス中に含まれ
るCOと、シフト反応によってそのCO等からできるH
2とをメタノール合成用のガスとする(そののちガスを
冷却・脱水し、さらに脱炭酸する)ので、ガス中のCO
を十分利用して多量のメタノールを製造できることにな
る。溶融還元が1500℃前後の高温で行われることか
ら、発生ガス中にCH4がほとんど残留せずメタノール
合成に消費されない成分が少ないことは、好都合であ
る。また、H2とCOとの量的比率を上記のとおり2:
1に近づけることにより、の反応の際にCOおよびH
2にほとんど余剰を生じさせないでメタノールを合成で
き、したがってCOまたはH2の一方を取り除いたり他
の設備で製造して添加したりする必要がない。
【0013】溶融還元炉の発生ガス中にはCOが最も多
量に(全発生ガス中の40容量%前後)含まれており、
そのCOが上記のとおり有効に利用されることから、こ
の発明によれば溶融還元システムの経済性を大幅に向上
させることができる。ガス中に水蒸気を加えねばならな
いうえ、ガス中に含まれるCO2を余剰のH2Oとともに
取り除く必要があるとはいえ、水が安価に入手できるこ
とや、ガス中のCO2およびH2Oの除去が比較的容易で
あることを考え併せれば、発明によるメリットは極めて
大きいといえる。なおメタノールは、使用の容易な燃料
であ、海上輸送の容易さや市場性の高さの面でも好ま
しい物質であるうえ、ジメチルエーテルなど各種化学物
質の基本原料となる。後述(請求項3)のようにMTB
Eの製造原料となるほか将来の燃料電池用燃料として期
待される物質でもある。
【0014】請求項2に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、上記のように加える水蒸気を、溶融還元炉か
ら発生するガスの熱量を利用して得ることを特徴とす
る。すなわち、当該ガスが有する熱を利用するボイラ等
によって水蒸気を発生させ、その水蒸気を、シフト反応
のためにガス中に加えるのである。
【0015】この発明によれば、溶融還元炉のガスが有
する余剰の熱エネルギーを利用して水蒸気を発生させる
ので、水蒸気発生のための専用のエネルギーを系外から
供給することが不要であり、したがって溶融還元システ
ムの経済性向上の点でさらに好ましい。水蒸気の発生に
ともない、1500℃前後(1770K前後)もある溶
融還元炉ガスの温度を下げることになるので、ボイラな
ど水蒸気の発生手段をガスの上流側に配置すれば、その
下流側に設ける除塵やシフト反応、CO2除去等のため
の各手段を耐熱性の高いものにしなくても足りるように
なる。そのためこの発明は、必要なエネルギーおよび設
備のコストに関して一層のメリットをもたらすといえ
る。
【0016】請求項3に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、上記にしたがって合成したメタノール(の一部
または全部)をイソブチレン(別途供給される)と反応
させることによりメチルターシャルブチルエーテル(M
TBE)を製造することを特徴とする。イソブチレン
は、オレフィン(エチレン)プラントから生産される比
較的容易に入手できる物質であり、メタノールと反応さ
せることでMTBEを製造することが知られている。M
TBEは一般に、オクタン価向上剤としてガソリンに添
加して使用される。
【0017】請求項4に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、 1) 溶融還元炉から発生するガスに、同炉から発生する
ガスの熱量を利用して得る水蒸気(H2O)を加えたう
え、 2) そのガス中の水素(H2)を増やすべく温度または
圧力を設定してシフト反応を起こさせ、 3) 水分(H2O)と二酸化炭素(CO2)とを除いたう
え(ただし厳密な除去を要するものではない)、 4) ガス中の水素(シフト反応させたのちのもの)を窒
素N2(ガス中に含まれるもの、または別途供給される
もの)と反応させることによって、アンモニアを合成す
る−ことを特徴とする。
【0018】この2)にいう「シフト反応」も、請求項1
におけるのと同じく一酸化炭素転化反応であって、温度
等を変更することにより平衡を移動させ得るものであ
る。また、ガス中のH2とN2とによってアンモニアを合
成する上記4)の反応は、 3H2+N2 → 2NH3 によるものである。
【0019】この発明は、請求項1の発明と同じく、溶
融還元炉から発生するガスにまず水蒸気を加え、COと
ともにH2Oを多量に含むようになったそのガスを、適
当な温度または圧力下でシフト反応させることによりガ
ス中のH2を増やす、という過程を含む。溶融還元炉の
発生ガス中に多量に含まれるCO等からシフト反応によ
って製造されるH2を利用してアンモニアを合成するの
で、ガス中のCOを有効に利用して多量のアンモニアを
製造できることになる。ガス中のCO2およびH2Oの除
去が比較的容易であること、水蒸気としてガス中に加え
る水が安価であること、および、得られるアンモニア
が、尿素やメラミン樹脂の原料となるなど基本的な化学
原料として重要なものであることをも考え併せると、溶
融還元システムの経済性の向上に関するこの発明の意義
は大きいといえる。
【0020】またこの発明では、ガス中に加える水蒸気
を、上記1)のように、溶融還元炉から発生するガスの熱
量を利用して得ることをも特徴としている。当該ガスが
有する熱を利用するボイラ等によって水蒸気を発生さ
せ、その水蒸気を、シフト反応のためにガス中に加える
のである。これにより、水蒸気発生のための専用のエネ
ルギー供給が不要であり、したがって溶融還元システム
の経済性向上の点でさらに好ましい。水蒸気の発生にと
もなってガスの温度を下げることになるので、ボイラ等
の手段をガスの上流側に配置すれば、その下流側に設け
る除塵やシフト反応、CO2除去等のための各手段の耐
熱性能を下げることができるというメリットも付随す
る。
【0021】請求項5に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、溶融還元炉にて使用する酸素を空気からの分離
によって製造し、その際に生じる窒素を、シフト反応さ
せたのちの上記ガス中の水素(上記4)の水素)と反応さ
せることによって、上記のとおりアンモニアを合成する
ことを特徴とする。
【0022】溶融還元法によって溶融金属を得るために
は溶融還元炉内に酸素含有ガスを吹き入れることから、
酸素を製造する必要がある。その酸素を空気からの分離
によって製造する場合には、分離された残りの成分から
多量の窒素が製造される。そのように製造される窒素を
この発明にしたがって上記のとおりアンモニアの製造原
料にするなら、専ら窒素を製造するための設備が不要に
なるほか、酸素の製造段階でできる窒素を有効に利用す
ることができ、アンモニアの製造コストを一層に低減す
ることが可能になる。
【0023】請求項6に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、上記にしたがって合成したアンモニア(の一部
または全部)を、シフト反応ののちに除いた二酸化炭素
と反応させることにより、尿素を製造することを特徴と
する。
【0024】このようにすれば、設備費および運転費を
低く抑えながら効率的に尿素を製造することが可能にな
る。上記のようにアンモニアの製造過程で除去したCO
2を原料として利用するので、専用のCO2製造設備を設
置することも、その設備を運転することも必要ではない
からである。
【0025】請求項7に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、上記のようにメタノールまたはアンモニアを合
成する際のガスの圧縮を、溶融還元炉から発生するガス
の熱量を利用して得た水蒸気にて駆動される(つまり当
該水蒸気を駆動エネルギーとする蒸気タービン等を有す
る)コンプレッサにより行うことを特徴とする。
【0026】メタノールやアンモニアの合成を効率的に
行うには、原料となるガスを高圧にするのが好ましい。
しかし、そのためのガスの圧縮を系外のエネルギー(市
販の電力等)によって行うなら、そのための費用が不可
欠になるので溶融還元法の経済性を十分に高めることは
難しい。その点、この発明の方法なら、溶融還元炉のガ
スが有する余剰の熱量に基づいて得られる水蒸気のエネ
ルギーによってガスを圧縮する。したがって、当該圧縮
に関しては、運転コストの上昇を招く系外からのエネル
ギー供給が不要となり、溶融還元法の経済性がさらに高
められることになる。
【0027】請求項8に記載した溶融還元炉ガスの利用
装置は、 a) 溶融還元炉から発生するガスの経路に、 b) メタノール用またはアンモニア用のガス合成反応器
を c) ボイラ(蒸気発生器)、除塵機、CO2除去器、凝
縮器とともに配置したほか、 d) 上記合成反応器の上流側に、ガスの温度または圧力
を適宜に設定可能なシフト反応器を配置した−ことを特
徴とする。
【0028】この発明の装置は、メタノール用またはア
ンモニア用のガス合成反応器を、溶融還元炉から発生す
るガスの経路に配置したものであるため、ガス中の成分
をもとにメタノールまたはアンモニアを合成することが
可能である。溶融還元炉のガス中にはCOやH2、N2
どが含まれるので、それらのうちのCOとH2とをメタ
ノール用ガス合成反応器にて反応させることによりメタ
ノールを合成することができ、H2とN2とをアンモニア
用ガス合成反応器にて反応させることによりアンモニア
を合成することができる。反応に使用しないCO2と水
分とをCO2除去器や凝縮器によって除去し、また合成
反応器等の機能に支障をもたらすダスト類を除塵機によ
って取り除くので、合成反応の効率や円滑性の点でも問
題はない。
【0029】しかし、この発明の装置は上記のように、
ガスの温度または圧力を適宜に設定可能なシフト反応器
を合成反応器の上流側に配置し、さらにボイラをも備え
るものであるため、請求項1・2または4に係る発明を
直接に実施することが可能である。すなわち、メタノー
ル用のガス合成反応器を備えた場合には、溶融還元炉か
らのガスに水蒸気を加えたうえ当該ガス中のH2とCO
との量的比率を2:1に近づけるべくシフト反応を起こ
させ、そうしたのちのH2とCOとを反応させてメタノ
ールを合成すること、および加える上記の水蒸気を、溶
融還元炉のガスの熱量を利用して得ることができる。ア
ンモニア用のガス合成反応器を備えた場合には、溶融還
元炉から発生するガスに、同炉から発生するガスの熱量
を利用して得る水蒸気を加えたうえ、そのガス中の水素
(H2)を増やすべくシフト反応を起こさせ、そうした
のちのガス中の水素を窒素と反応させてアンモニアを合
成することができる。溶融還元炉の発生ガス中に多量に
含まれるCOを有効に利用して、多量のメタノールまた
はアンモニアを製造できることから、この発明によって
溶融還元システムの経済性を大幅に向上させることが可
能である。
【0030】請求項9に記載した溶融還元炉ガスの利用
装置は、上記したシフト反応器として、反応させるガス
により容器内で触媒を流動させる形式のものを接続した
ことを特徴とする。触媒としては、たとえばアイアンカ
ーバイドや還元鉄の粉粒体を使用できる。
【0031】このような形式のシフト反応器なら、ガス
と触媒との合計接触面積が広いために活発な反応が促進
されるほか、触媒の全体が均一に温度上昇して発熱が局
部には集中しがたい、といった利点がある。このような
利点に基づいて、シフト反応器に適当な容量をもたせる
なら、当該反応器を1段(1台)のみ配置することによ
っても十分な反応を起こさせることが可能になる。これ
に対して仮に、粒径の大きな触媒を固定配置したいわゆ
る固定層触媒をもつシフト反応器を使用するなら、ガス
と触媒との合計接触面積が小さいために反応の活発さが
低いほか、触媒が動かないために、H2の含有量を増や
すべく発熱することになるシフト反応による熱が触媒中
のいずれかの部分に集中したりガス温度が過剰に上昇し
たりする不都合が生じがちである。また、そのような不
都合を避けるためには小容量のシフト反応器を複数段接
続せざるを得ない、というデメリットも付随する。
【0032】上記のように流動させる触媒としては、請
求項10に記載したように平均粒径が2mm以下(好ま
しくは公称0.1mm以上・2.0mm以下)の還元鉄
を使用するのが好ましい。そのような触媒なら、ガスに
よって円滑に流動し、かつガスと広い面積を介して接触
することにより活発な反応を促進できるからである。
【0033】請求項11に記載した溶融還元炉ガスの利
用装置は、溶融還元炉から発生するガスの経路に、鉱石
を固体状態で部分的に還元(予備還元)する予備還元炉
を接続したことを特徴とする。上にいうガスの経路に
は、シフト反応器等へ至る上記の経路と直列に接続され
ていてガスの全量を流す経路のほか、シフト反応器等へ
至る上記の経路と並列に接続されていてガスの一部を流
す経路が含まれる。予備還元炉としては、還元性のある
上記のガスによって粉粒体の鉱石を流動させながら予備
還元する流動層炉形式のものや、炭素を含む固体燃料に
鉱石粉体を混合して造粒したうえ、回転炉床上において
その造粒物を上記ガス等により加熱し、もって炭素等の
作用で鉱石を予備還元する回転炉床炉形式のものが使用
され得る。
【0034】溶融還元炉からのガスは前述したようにC
OやH2を含む高温のものであるため、この発明のよう
に当該ガスの経路に予備還元炉を接続すれば、そのよう
なガスの作用で鉱石を部分的に還元することができる。
そうすれば、溶融還元炉のガスを一層有効に利用して溶
融還元システムの経済合理性をさらに高め得ることにな
る。なお、予備還元された鉱石(予備還元金属)は、溶
融還元炉に投入することにより溶融させ、同時に炉内に
入れる炭素等の燃料や酸素含有ガスと反応させることに
より最終還元させる。
【0035】
【発明の実施の形態】発明の実施形態の一つを図1に紹
介する。図1は、溶融還元炉1から発生するガスを利用
してメタノールおよびMTBE(メチルターシャルブチ
ルエーテル)を製造するための装置を示す系統図であ
る。
【0036】溶融還元炉1は、よく知られるとおり、鉄
鉱石などの金属酸化物(鉱石)を溶融状態で還元する手
段である。銑鉄などの溶融金属浴を炉内に保持させてお
き、金属酸化物とともに炭素含有の固体燃料(石炭等)
をその浴中に投入し、同時に酸素をその浴中に吹き込む
ことによって、 Fe23+5C+O2 → 2Fe+5CO などの反応により当該酸化物を還元して溶融金属(還元
金属)を得る。なお、炉内に生じるスラグについて流動
性および塩基度を確保すべく、金属浴中にはカルシウム
とマグネシウムを含む副原料をも同時に投入するのが一
般的である。
【0037】溶融還元炉1からは、COを含む1500
℃前後(1770K前後)のガスが多量に発生する。当
該ガス中には、CO(40%前後)のほか、CO2(1
5%前後)、H2O(15%前後)、H2(10%前
後)、N2(15%前後)などが含まれる。その一方、
高温であるためにメタンCH4の残留量は極めて少な
い。図1に示す装置は、そのようなガスをメタノールや
MTBEの製造に利用しようとするものである。
【0038】この装置では、溶融還元炉1から発生した
ガスを、まず経路1aを介してボイラ(廃熱回収手段)
11に通し、経路11aから除塵機(湿式集塵器)12
に送って含有ダストの除去を行い(経路12bから水と
ダストを排出する)、さらに経路12aによってシフト
反応器13に送っている。ボイラ11は、溶融還元炉1
から発生するガスの経路(ダクト)のうち最上流の部分
(炉口部を覆うフード内またはそれに近い部分)に設置
し、経路10aによってボイラ水をそれに供給すること
としている。ボイラ11で発生したばかりの高温・高圧
の水蒸気は、まず蒸気タービン(図示せず)に送り、合
成反応器14中のガスコンプレッサ(後述)を当該ター
ビンによって駆動させ、その後にシフト反応器13等に
送って反応用または加熱用に利用する。
【0039】シフト反応器13には、溶融還元炉1から
のガスとともに、ボイラ11で発生した上記の水蒸気も
経路11b・13bを介して送り込んでおり、同反応器
13では、ガス中に元々多量に含まれるCOと、追加さ
れて増量した水分H2Oとをシフト反応させ、 CO+H2O → CO2+H2 にしたがってCO2およびH2に変えている。メタノール
の合成のためにはH2とCOとの量的比率を2:1にす
るのが理想であるから、シフト反応器13においては、
適切な触媒を使用し、かつ設定温度を200℃前後(4
70°K前後)と比較的低くすることによって、上記反
応(発熱反応)の平衡を右寄りにおく。すなわち、圧平
衡定数Kp(=[CO2][H2]/[CO][H2O])
について、 Kp ≧ 1.0 となるようにしてCO2およびH2の量を増やす。シフト
反応器13において余剰となった水蒸気は、同反応器1
3内に付設した凝縮器(図示せず)において冷却するこ
とにより液体にし、経路13cを通して経路10aの水
とともに再びボイラ11へ供給する。また、やはりメタ
ノールの合成に使用しないCO2については、反応器1
3に付設した脱炭酸手段(CO2除去器)13wにおい
てその多くを除去し、経路13dにより排出する。脱炭
酸手段としては、公知のアミン法やホットポタシューム
法などを機能原理とするものを使用する。なお、脱炭酸
手段13wの加熱のためにも、ボイラ11で発生した水
蒸気を使用するのがエネルギー効率上好ましい。
【0040】シフト反応器13としては、固定層形式の
容器が直列に複数段配置されるのが一般的である。固定
層形式の容器とは、還元鉄等の触媒を固定層として内部
に設け、除塵器12を出たのち経路12aから送られる
ガスをその容器内に導入することによりシフト反応を起
こさせるものである。
【0041】しかし、シフト反応器13には、図2に示
すアンモニアの製造ライン(後述)において使用する図
3のシフト反応器23と同じく、流動層形式の反応塔2
3x等を使用するのもよい。触媒として作用する還元鉄
(またはアイアンカーバイド)等の粉粒体をその反応塔
内に入れ、経路22a(図1では除塵器12の後の経路
12aの相当)から送られるガスをその内部に導入し
て、当該粉粒体を流動させながらガスと触媒との接触を
はかるのである。触媒とする還元鉄は、予備還元の工程
で得られるものを使用するとよい。広い接触面積を介し
てガスと触媒とが活発に接触するうえ、シフト反応が発
熱反応であるにもかかわらず流動層は触媒床の温度を均
一に保持できるため、流動層形式の反応塔は、1基(1
段)のみであっても十分にシフト反応を促進することが
できる。当該反応塔内の触媒は、劣化する触媒を更新し
ながら循環使用するのがよい。なお、図3に示す蒸気添
加手段23yと熱交換器23zも、図2の例(後述)と
同じく図1のシフト反応器13のうちに配置しておくと
よい。
【0042】上記のようにシフト反応器13においてH
2とCOとの量的比率を2:1に近づけ、かつ水蒸気と
CO2とを除去したガスは、経路13aから合成反応器
14に送って、そこで昇温・昇圧し、 2H2+CO → CH3OH によりメタノールの合成を行う。合成反応器14は、反
応器本体のほか、ガスコンプレッサ、ガス加熱器、合成
化学物質冷却凝縮分離器(いずれも図示せず)をループ
(循環経路)内に配列することにより構成している。ガ
スコンプレッサの駆動には、上記のとおりボイラ11で
発生した水蒸気のエネルギーを使用する。また、上記ガ
ス加熱器の熱源としてもその水蒸気のエネルギーを利用
できる。CO2等の過度の蓄積を防止すべく、ループ内
にはガスの一部(テールガス。すなわち、メタノール合
成反応に消費されずに蓄積するメタンや稀ガス(Ar
等)、N2など)を外部へ取り出すための経路14cを
も設けている。
【0043】合成反応器14(の合成化学物質冷却凝縮
分離器)によって分離されたメタノールは、経路14a
から製品として回収するとともに、一部を経路14bか
らMTBE製造器15に送ってMTBEの製造に供す
る。同製造器15では、上記のようにメタノールが供給
されるとともに、外部から経路15aを通してイソブチ
レンが供給され、製造器15内で両者が反応しあう結
果、経路15cから水が排出されるとともに経路15b
からMTBEが得られる。なお、合成反応器14にて合
成したメタノールの一部を原料とし、上記と同様の製造
器(図示せず)を使用して、ジメチルエーテルを製造す
ることも可能である。
【0044】溶融還元炉1が発生するガスについては、
図1中に仮想線で示すように、その一部を予備還元炉2
に経由させたうえで上述したボイラ11以下の各機器へ
流すのもよい。予備還元炉2は、溶融還元炉1の発生ガ
スが有する熱的または化学的エネルギーを利用し、金属
酸化物(鉱石)を部分的に還元して予備還元金属(予備
還元鉱石)を製造する。そのように予備還元した鉱石を
溶融還元炉1に装入(図1の仮想線を参照)するなら、
溶融還元システムの全体的なエネルギー効率を高めるこ
とができる。予備還元炉2としては、上記のガスによっ
て粉粒状の鉱石を流動させながら還元する流動層炉形式
のものを使用するが、炭素を含む固体燃料に鉱石粉体を
混合して造粒したうえ、回転炉床上においてその造粒物
を上記ガス(の一部)の燃焼により加熱することによっ
て鉱石を還元する回転炉床炉形式のものに変えることも
可能である。そのほか、ボイラ11・除塵器12・シフ
ト反応器13の順序は図1以外のものでもよく、たとえ
ばボイラ11の後ろ(下流側)であって除塵器12の前
(上流側)にシフト反応器13を設けるのもよい。除塵
器12やシフト反応器13・CO2除去器13w・合成
反応器14等の各形式(機能原理など)も、適宜に選択
することができる。
【0045】図1の装置は、溶融還元炉1の発生ガス中
の化学成分(すなわち多量に含まれているCO等)を有
効利用してメタノールおよびMTBEを製造することか
ら、溶融還元システムの経済性を大幅に向上させること
ができる。メタノールが、使いやすい燃料であるととも
に化学原料として重要な基礎物質であって一般に高価で
あること、および、ボイラ11で発生させる水蒸気を介
して溶融還元炉ガスが有する熱的エネルギーをも有効利
用することを考慮すると、この装置による経済的な合理
性は極めて明確だといえる。
【0046】図2には、発明についての他の実施形態を
紹介する。この系統図は、溶融還元炉ガスを利用してア
ンモニアおよび尿素を製造するための装置に関する。使
用する溶融還元炉1は、図1の装置で使用したのと同じ
ものであり、鉄鉱石などの金属酸化物(鉱石)とともに
炭素含有の固体燃料(石炭等)を浴中に投入し、同時に
酸素O2を吹き込むことによって溶融金属(還元金属)
を得る手段である。吹き込むO2は、酸素製造器3によ
って大気中から窒素N2を分離することにより製造す
る。こうして運転される溶融還元炉1からは、COやC
2、H2O、H2、N2などを含む高温度のガスが多量に
発生するので、これらのガスを利用して図2の装置はア
ンモニアや尿素を製造する。ただし、溶融還元炉1の発
生ガスは、図1の場合と同様に一部を予備還元炉2に送
り、予備還元金属(予備還元鉱石)にまで鉱石を部分的
に還元するのに使用するのもよい。その場合、予備還元
された鉱石を溶融還元炉1に装入するとともに、予備還
元炉2を経由したガスは溶融還元炉1からのガスと合流
させてボイラ21等に送る。予備還元炉2としては、粉
粒状の鉱石を流動させて還元する流動層炉形式のもの、
または、炭素を含む固体燃料に鉱石粉体とを混合し造粒
したものを回転炉床上で加熱・還元する回転炉床炉形式
のものなどを使用できる。
【0047】溶融還元炉1から発生したガスは、まず経
路1aを介してボイラ(廃熱回収手段)21に通す。予
備還元炉2を経由させたガスがある場合には、それも同
じボイラ21に流す。そしてボイラ11を出たガスは、
経路21aから除塵機(湿式集塵器)22に送り、経路
22bから水とダストを排出しながら、経路22aを介
してシフト反応器23に送る。図1の装置におけるもの
と同じく、ボイラ21は、溶融還元炉1から発生するガ
スの経路のうち最上流の部分に設置し、経路20aから
それにボイラ水を供給する。発生した水蒸気は、まず蒸
気タービン(図示せず)等で動力用に利用し、その後に
反応用または加熱用に利用するのが好ましい。
【0048】シフト反応器23には、溶融還元炉1の発
生ガスを経路22aから送るほか、ボイラ11で発生し
た水蒸気(上記のようにたとえば蒸気タービンを経由し
たもの)も経路21b・23bを介して送り込み、ガス
中のCOとH2Oとをシフト反応させ、 CO+H2O → CO2+H2 にしたがって多量のH2を製造する。アンモニアの合成
には多量のH2が必要であるから、シフト反応器23に
おいては、適切な触媒を使用するとともに、ガス等の温
度を300℃(570°K前後)以下の適当な温度にす
ることにより上記反応(発熱反応)を右側に進めてH2
の量を増やす。すなわちこの例でも、圧平衡定数K
p(前記)が、Kp≧1.0 となるようにする。
【0049】シフト反応器23としては、還元鉄等の触
媒を固定層として内部に設けた固定層形式の容器を使用
することも可能だが、この例では、図3に示す流動層形
式のシフト反応器23を使用している。図3の反応器2
3は、触媒としての粉粒体を入れた容器内にガスを導入
することにより当該粉粒体を流動させながらガスと触媒
との接触をはかる流動層式の反応塔23xを主要機器と
し、その前後に蒸気添加手段23yと熱交換器23zと
を付設したものである。経路22aから送られるガスを
熱交換器23zにおいて適切な温度に加熱し、かつ蒸気
添加手段23yで水蒸気過多にしたうえ、反応塔23x
に送ってシフト反応を起こさせる。流動層においてガス
と触媒とが活発に接触することから、反応塔23xは1
段(1基)のみでありながら十分にシフト反応を促進で
き、多量のH2を発生させ得る。触媒としては還元鉄ま
たはアイアンカーバイドの粉粒体を使用し、循環させる
ことによってそれらの長期間の使用を可能にする。な
お、熱交換器23zは、除塵器22(図2)を出て経路
22aから送られるガスを、シフト反応後のガスの熱を
用いて300℃(570°K前後)近くに加熱するため
の手段。また蒸気添加手段23yは、図1のボイラ21
にて発生した水蒸気を、経路21b・23bを通して経
路22aのガスに加えるための手段である。
【0050】反応塔23xにおいては、たとえば、公称
平均粒径が0.1〜2.0mmの還元鉄粉粒体を触媒と
し、その触媒層の静止層高を1.0〜3.0mにして、
空塔速度が1.0〜2.0m/secとなるようにガス
を送って反応塔23x内の温度を250℃以上(300
℃以下)にしたとき、ガスのシフト転化率がほとんど平
衡した。
【0051】シフト反応器23において余剰となった水
蒸気は、同反応器23内に付設した凝縮器(図示せず)
にて液体にし、図2中の経路23cを通して経路20a
の水とともに再びボイラ21へ供給する。不要のCO2
については、経路23aを介し、シフト反応器23の後
に設けたCO2除去器24(脱炭酸手段。アミン法やホ
ットポタシューム法などをとるもの)に送ってその多く
を除去する。なお、CO2除去器24の加熱を効率的に
行うためには、ボイラ11で発生した水蒸気を使用する
のがよい。
【0052】シフト反応器23とCO2除去器24とを
経て多量のH2を含むようになったガスは、図2の経路
24aを通して合成反応器25へ送り、そこで窒素N2
と反応させてアンモニアNH3を合成させる。N2として
は、元々ガス中に15%前後含まれているもの(前記)
に加えて、先に述べた酸素製造器3においてO2と分離
されたものをも、経路3nを通し合成反応器25へ送る
ことによってNH3の合成に使用する。H2とN2とによ
ってアンモニアを合成する反応は、 3H2+N2 → 2NH3 であるから、H2とN2との量的比率を3:1に近づけた
うえで反応させるのが、循環ガス組成を維持すべく抜き
出すテールガスの量を減らせる意味で好ましい。合成反
応器25は、反応器本体のほか、ガスコンプレッサ、ガ
ス加熱器、合成化学物質冷却凝縮分離器(いずれも図示
せず)をループ(循環経路)のうちに配列したものであ
る。N2などの過度の蓄積を防止すべく、ループ内には
ガスの一部(テールガス)を外部へ取り出すための経路
25cをも設けている。ボイラ21で発生した前記の水
蒸気は、合成反応器24中のガスコンプレッサの動力源
として使用し、さらにガス加熱器の熱源として使用す
る。
【0053】合成反応器25(の合成化学物質冷却凝縮
分離器)によって分離されたアンモニアは、経路25a
から製品として回収するとともに、一部を経路25bよ
り尿素製造器26へ送って尿素CO(NH22の合成に
供する。尿素の合成のためにアンモニアと結合させるC
2については、CO2除去器24においてガス中より取
り除いたものを、経路24bから尿素製造器26へ供給
する。合成した尿素は経路26aから回収し、その合成
にともなってできたH2Oは経路26bから排出する。
【0054】図2の装置においても、ボイラ21よりも
下流で除塵器22の上流にあたる位置にシフト反応器2
3を設けるなど、ボイラ21・除塵器22・シフト反応
器23の順序は適宜に変更すればよい。除塵器22やシ
フト反応器23・CO2除去器24・合成反応器25等
のそれぞれの形式(機能原理など)も、適宜に選択する
ことができる。
【0055】図2の装置では、金属を還元することと併
せて、溶融還元炉1の発生ガス中に多量に含まれるCO
等をもとに製造されるH2を利用してアンモニア等を合
成するので、溶融還元システムの経済性が十分に高い。
アンモニアが化学原料として重要な基礎物質であるこ
と、溶融還元炉内に吹き込むO2を製造する際に分離さ
れたN2をも原料に使用してアンモニアの製造コストを
低減していること、ボイラ21で発生させる水蒸気を介
して溶融還元炉1のガスの熱エネルギーをも有効利用す
ること、合成したアンモニアとガス中から除去したCO
2との反応によって尿素をも製造し、しかもその際、必
要な原料を別途にわざわざ用意して供給するものではな
いこと−を考慮すると、この装置によるガスの利用方法
がいかに経済的であるかが分かる。
【0056】
【発明の効果】請求項1に記載した溶融還元炉ガスの利
用方法によると、還元金属とともにメタノールを製造で
きることから、溶融還元システムの経済性を大幅に向上
させることができる。これに関し、溶融還元炉ガスのう
ちに多量に含まれるCOをフルに利用して多量のメタノ
ールを製造できる点、さらには、COおよびH2の余剰
がほとんど生じないためその一方を除去したり他の設備
で製造し添加したりする必要がない点なども、経済性の
観点から有意義である。そのほか、溶融還元炉ガスを発
電等に使用する従来の利用方法に比べると、メタノール
という貯蔵・出荷が自在なために連続生産を必要としな
い物を製造するのであるから、溶融還元炉を停止自在に
操業できるという利点もある。
【0057】請求項2に記載した方法は、溶融還元炉の
ガスが有する余剰の熱エネルギーを利用して水蒸気を発
生させるので、溶融還元システムの経済性向上の点でさ
らに好ましい。下流側に設ける除塵やシフト反応、CO
2除去等のための各手段を耐熱度の低いものにできるた
め、設備コストに関しても有利である。
【0058】請求項3に記載の方法によると、種々の化
学物質の原料となる重要な基礎物質であるMTBEを効
率的に製造することができる。
【0059】請求項4に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法によると、還元した金属とともにアンモニアを製造
できることから、溶融還元システムの経済性を大幅に向
上させることができる。これに関し、溶融還元炉の発生
ガス中に多量に含まれるCOやH2を原料とするのでガ
スを有効利用して多量のアンモニアを製造できる点
よび、溶融還元炉ガスが有する余剰の熱エネルギーにて
発生させる水蒸気をシフト反応のために使用するので、
水蒸気発生のための専用のエネルギー供給が不要である
点なども、経済性の観点で有意義である。溶融還元炉ガ
スを発電に使用する従来の利用方法に比べると、溶融還
元炉の連続操業を不可欠としない点でも有利である。
【0060】請求項5に記載した方法は、溶融還元炉の
操業に必要なO2の製造時にできるN2をアンモニアの製
造原料とするので、N2専用の製造設備が不要であるほ
か、O2製造時の副産物であるN2を有効利用すること
ができ、したがってアンモニアの製造コストを一層低減
することができる。
【0061】請求項6に記載した溶融還元炉ガスの利用
方法は、上記によって合成したアンモニアとガス中から
除いたCO2とを反応させることにより尿素を合成する
ものであるから、設備費および運転費を低く抑えながら
効率的に尿素を製造することができる。つまり、専用の
CO2製造設備を設置することも、それを運転すること
も不要である。
【0062】請求項7に記載の方法は、上記のようにメ
タノールまたはアンモニアを合成する際のガスの圧縮
を、溶融還元炉ガスの熱量を利用して得た水蒸気のエネ
ルギーにより行うので、当該圧縮のために系外からエネ
ルギー供給をする必要がなく、溶融還元法の経済性がさ
らに高められる。
【0063】請求項8に記載した溶融還元炉ガスの利用
装置は、メタノール用またはアンモニア用のガス合成反
応器などを備えているので、溶融還元炉ガスの成分をも
とにメタノールまたはアンモニアを合成することができ
る。とくに、ガスの温度を適宜に設定可能なシフト反応
器を合成反応器の上流側に配置し、さらにボイラをも備
えるものであるため、請求項1・2または4に係る発明
を直接に実施することが可能である。したがって、溶融
還元炉の発生ガス中に多量に含まれるCO等を有効利用
して多量のメタノールまたはアンモニアを製造でき、溶
融還元システムの経済性を大幅に向上させることができ
る。
【0064】請求項9に記載した装置では、流動層形式
のシフト反応器において広い面積を介し触媒が均一にガ
スと接触するため、活発な反応が促進されるほか、触媒
層温度が均一となって触媒の局部的な発熱が生じがた
い。そのため、シフト反応器を1段(1台)のみ配置す
ることによっても十分な反応を起こさせることが可能に
なる。
【0065】請求項10に記載した装置によると、ガス
によって触媒が円滑に流動し、かつガスと触媒とが広い
面積で接触するので、活発な反応が促進される。
【0066】請求項11に記載した溶融還元炉ガスの利
用装置は、ガスの経路に予備還元炉を接続することによ
り溶融還元炉ガスの還元力を利用するため、同ガスの一
層の有効利用、ひいては溶融還元システムに関する経済
合理性の一層の向上を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明について実施の形態を示す系統図であっ
て、溶融還元炉ガスを利用してメタノールおよびMTB
Eを製造するための装置を示す。
【図2】発明について図1とは別の実施形態を示す系統
図であって、溶融還元炉ガスを利用してアンモニアおよ
び尿素を製造するための装置を示す。
【図3】図2等の装置において使用するシフト反応器の
一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 溶融還元装置 2 予備還元炉 11・21 ボイラ 12・22 除塵器 13・23 シフト反応器 13W・24 CO2除去器 14・25 合成反応器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 273/02 C07C 273/02 275/00 275/00 C10K 1/02 C10K 1/02 1/04 1/04 1/16 1/16 3/02 3/02 F27D 17/00 101 F27D 17/00 101A 104 104G // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 矢島 健一 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 野本 博樹 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC29 AC41 AC43 AC57 BA19 BA32 4H039 CA60 CA71 CB20 4H060 AA01 AA02 BB06 BB12 BB23 BB24 BB25 DD02 DD05 DD24 GG08 4K012 DA00 DA01 DA05 4K056 AA00 DA02 DA17 DA31 DB02 DB04 DB05 DB11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融還元炉から発生するガスに水蒸気を
    加えたうえ、ガス中の水素と一酸化炭素との量的比率を
    2:1に近づけるべく温度を設定してシフト反応を起こ
    させ、水分と二酸化炭素とを除いたうえガス中の水素と
    一酸化炭素とからメタノールを合成することを特徴とす
    る溶融還元炉ガスの利用方法。
  2. 【請求項2】 上記のように加える水蒸気を、溶融還元
    炉から発生するガスの熱量を利用して得ることを特徴と
    する請求項1に記載の溶融還元炉ガスの利用方法。
  3. 【請求項3】 合成したメタノールをイソブチレンと反
    応させることによってメチルターシャルブチルエーテル
    を製造することを特徴とする請求項1または2に記載の
    溶融還元炉ガスの利用方法。
  4. 【請求項4】 溶融還元炉から発生するガスに、同炉か
    ら発生するガスの熱量を利用して得る水蒸気を加えたう
    え、そのガス中の水素を増やすべく温度または圧力を設
    定してシフト反応を起こさせ、水分と二酸化炭素とを除
    いたうえガス中の水素を窒素と反応させることによりア
    ンモニアを合成することを特徴とする溶融還元炉ガスの
    利用方法。
  5. 【請求項5】 溶融還元炉にて使用する酸素を空気から
    の分離によって製造し、その際に生じる窒素を、シフト
    反応させたのちの上記ガス中の水素と反応させることを
    特徴とする請求項4に記載の溶融還元炉ガスの利用方
    法。
  6. 【請求項6】 合成したアンモニアを、シフト反応のの
    ちに除いた二酸化炭素と反応させることにより、尿素を
    製造することを特徴とする請求項4または5に記載の溶
    融還元炉ガスの利用方法。
  7. 【請求項7】 メタノールまたはアンモニアを合成する
    際のガスの圧縮を、溶融還元炉から発生するガスの熱量
    を利用して得た水蒸気にて駆動されるコンプレッサによ
    り行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の溶融還元炉ガスの利用方法。
  8. 【請求項8】 溶融還元炉から発生するガスの経路に、
    メタノール用またはアンモニア用のガス合成反応器をボ
    イラ、除塵機、CO2除去器、凝縮器とともに配置した
    ほか、上記合成反応器の上流側に、ガスの温度または圧
    力を適宜に設定可能なシフト反応器を配置したことを特
    徴とする溶融還元炉ガスの利用装置。
  9. 【請求項9】 シフト反応器として、反応させるガスに
    より容器内で触媒を流動させる形式のものを接続したこ
    とを特徴とする請求項8に記載の溶融還元炉ガスの利用
    装置。
  10. 【請求項10】 上記の触媒として、平均粒径が2mm
    以下の還元鉄を使用することを特徴とする請求項9に記
    載の溶融還元炉ガスの利用装置。
  11. 【請求項11】 溶融還元炉から発生するガスの経路
    に、鉱石を固体状態で部分的に還元する予備還元炉を接
    続したことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記
    載の溶融還元炉ガスの利用装置。
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