JP2666396B2 - 溶銑の製造方法 - Google Patents

溶銑の製造方法

Info

Publication number
JP2666396B2
JP2666396B2 JP18726088A JP18726088A JP2666396B2 JP 2666396 B2 JP2666396 B2 JP 2666396B2 JP 18726088 A JP18726088 A JP 18726088A JP 18726088 A JP18726088 A JP 18726088A JP 2666396 B2 JP2666396 B2 JP 2666396B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scrap
furnace
hot metal
coke
tuyere
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18726088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0238506A (ja
Inventor
秀行 山岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP18726088A priority Critical patent/JP2666396B2/ja
Publication of JPH0238506A publication Critical patent/JPH0238506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2666396B2 publication Critical patent/JP2666396B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、筒型炉を使用してスクラップと鉄鉱石を鉄
源として銑鉄を製造する方法に関する。
(従来の技術) 従来、製鋼原料としてのスクラップは、転炉製鋼時の
冷材として一部使用されているが、大部分は電気炉で溶
解・精錬されてきた。しかし、電気料金の高い我が国で
は、その使用量の増加に伴って消費電力が著しく増大
し、スクラップを使用する利点が失われつつある。
そこで、溶解熱源を電力より安いコークス、石炭等の
炭材に求め、転炉でスクラップを溶解する転炉スクラッ
プ溶解法が種々提案されている。それらの代表的なもの
は、下記のとおりである。
(a)製鋼時の熱勘定改善方法(特公昭56−8085号公
報) 上吹ノズルおよび底吹ノズルから酸素を吹き込んでス
クラップの使用比率を高める方法であり、コークス、石
炭、石油等でスクラップを予熱した場合には、全量スク
ラップ溶解もできるとしている。
(b)リアクター製鉄方法および装置(特開昭57−1982
06号公報) 溶鉄を収容した転炉型反応炉にスクラップを装入して
炭材と酸素を吹き込み、炭材の燃焼熱でスクラップを溶
解させると共に、高温の排ガスで予熱炉内のスクラップ
を予熱する方法である。
(c)スクラップの溶解精錬方法(特開昭62−47417号
公報) 上底吹き転炉に装入された石炭またはコークス等の炭
材に底吹酸素により着火した後スクラップを装入し、上
方から炭材を装入しながら上吹ランスと底吹羽口から送
酸してスクラップを溶解する方法である。
(d)溶銑製造方法(本出願人の提案した特願昭62−23
3548号) 横吹羽口と底吹羽口を設けた転炉内の下部にコークス
充填層を形成した後スクラップを横吹羽口より上のレベ
ルまで装入し、底吹羽口から酸素を吹き込んで高温のCO
を発生させ、横吹羽口から酸素を吹き込み前記COをスク
ラップ層内で燃焼させてスクラップを溶解する方法であ
る。
上記の各方法は、何れも転炉製鋼法におけるスクラッ
プ配合率の増加あるいはスクラップを全量使用できる転
炉製鉄法として提案されたものである。しかし、スクラ
ップの需給バランスは極めて不安定なものであり、需要
が多くなれば、スクラップ価格は高騰してスクラップを
使用する製鉄法あるいは製鋼法はコスト的に不利とな
る。また、スクラップ中には様々な合金元素(例えば、
Ni,Cr,Cu,Sn,Zn等)が含まれており、精錬過程で溶湯中
から除去するのが難しいという問題がある。
従って、鉄源としてスクラップを主原料とする転炉型
製鉄方法では、スクラップ以外の鉄源、例えば、型銑、
還元鉄などをスクラップ代替材として使用することが望
ましい。しかし、型銑は高炉で、還元鉄は直接製鉄炉で
製造されるものであるから、これらを鉄源として大量に
使用するとコスト的に不利になる。
そこで、鉄源として安価な鉄鉱石を用いる溶融還元法
が提案されている。溶融還元法では、炭材中のCを転炉
型炉内の鉄浴に一旦溶解させると共に、鉄鉱石を鉄浴の
熱で溶融する。鉄鉱石の酸化鉄(主としてFe2O3)は鉄
浴中のCと下記(1)式の反応を生じて還元される。
Fe2O3+3C→2Fe+3CO−108,090Kcal/Kmol・Fe2O3 …(1) 上記反応は、高炉における固体還元反応とは異なり、
反応速度が極めて大きいことから、転炉のような小型炉
でも効率よく還元できる。前記(1)式の反応は大きな
吸熱を伴うが、この反応で発生するCOを下記(2)式の
燃焼反応によって発熱させ吸熱分を補うことができる。
CO+1/2O2→CO2+67,5900Kcal/Kmol・CO …(2) 前記(2)式で発生するCO2により炉内は酸化性雰囲
気になるため、(1)式の溶融還元反応の進行が妨げら
れる。CO2の発生を防止して熱補償をするためには、例
えば、下記(3)式のように、炭材中のCとO2とで部分
酸化反応を生じさせる必要がある。
C+1/2O2→CO+29,400Kcal/Kmol・C …(3) しかし、(3)式で発生する高温のCOは、利用されな
いまま炉外に排出されるため、燃料の有効利用効率が悪
化する。
以上のように、従来の転炉型炉による銑鉄製造方法で
は、スクラップと鉄鉱石から効率よく溶銑を製造できな
いのが実情である。
そこで、本発明者は、転炉型の炉を用いて溶銑を製造
する方法について検討を重ねた結果、(A)スクラップ
および塊鉱石を鉄源として使用できること、(B)燃料
利用効率(熱効率)が高いこと、を両立できる溶銑の製
造方法を発明し、先に特許出願した(特願昭63−122292
号)。
上記特願昭63−122292号の方法(以下、(e)法と記
す)は、上部に開口を有する転炉型式の筒型炉を使用す
るもので、炉内下部にコークス層を形成させ、その上に
スクラップと鉄鉱石からなる充填層を形成させる。そし
て下部のコークス層に一次羽口から支燃性ガスを吹き込
んで前記(3)式の反応を起こさせ、発生する反応熱で
コークス層を高温に保持する。(3)式で発生したCO
は、スクラップと鉄鉱石からなる上部充填層内で二次羽
口から吹き込まれる支燃性ガスと前記(2)式の燃焼反
応(二次燃焼)を起させ、発生する反応熱によりスクラ
ップと鉄鉱石を加熱・溶融する。
溶融された鉄鉱石(溶融酸化鉄)は、下部のコークス
層に滴下して高温のコークスと前記(1)式の反応を起
こし速やかに還元される。このとき、近傍にCO2が存在
しないため、CO2によって(1)式の反応が阻害される
ことはない。前記(1)式および(3)式の反応で発生
したCOは、スクラップと鉄鉱石の充填層内で二次燃焼さ
れるため高い燃料利用効率が達成される。
上記のように、(e)法によりスクラップの一部を鉄
鉱石で代替することができるようになると共に、燃料の
利用効率を高めることが可能になった。
しかしながら、上記(e)法では、スクラップと塊鉱
石を使用するため、塊鉱石(スクラップの大きさに比べ
約50分の1)の比率が増加すると、下部のコークス層か
ら上昇してくるCOと二次羽口から吹き込まれる支燃性ガ
スとの混合が悪くなり、二次燃焼反応の開始位置がスク
ラップと塊鉱石の充填層の上部に移行し、反応熱が充分
に利用されないという問題が生じた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、転炉型式の筒型炉を使用して溶銑を
製造するにあたり、スクラップと塊鉱石だけでなく、粉
鉱石、焼結鉱粉のような粉状鉄源をも有効利用して、低
コストで、熱効率の良好な溶銑の製造方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、前記(e)法において、塊鉱石比率を増
大させると適正な二次燃焼ができないという問題を解決
する方法として、塊鉱石の替りに粉鉱石を使用すること
を考えついた。
溶銑の製造方法において粉鉱石を使用することは、高
炉製銑法で既に実施されている(例えば、特願昭57−18
5910号公報、特願昭58−71308号公報など)。これら
は、高炉羽口から炉内コークス充填層(レースウエイ)
に粉鉱石を吹き込み、粉鉱石が溶解されて生成する溶
融酸化鉄の還元による吸熱反応を利用して溶銑の温度制
御を行う場合、Siの低い溶銑を製造する場合、或いは
溶銑量を増加させる場合などに行われている。
この様な事実に基づいて、本発明者は、前記(e)法
で使用する塊鉱石の替わりに粉鉱石を炉壁下部に設けた
一次羽口からコークス充填層内に吹き込んだ。しかし、
吹き込まれた粉鉱石の溶解および溶融還元反応による吸
熱によって、コークス充填層の温度が低下するため、一
次羽口から吹き込む支燃性ガスと燃料の消費量が大幅に
増加する問題が生じた。
そこで、更に研究を進めた結果、粉鉱石を一次羽口か
ら吹き込むのではなく、二次羽口から支燃性ガスと共に
吹き込めば、支燃性ガスや燃料の増加を伴うことなく効
果的に粉鉱石を溶解できることを知見した。
即ち、二次羽口から吹き込まれた支燃性ガスは、炉下
部から上昇してきた可燃性ガスを二次燃焼させて高温の
火炎を形成するが、支燃性ガスと共に粉鉱石を吹き込む
と、粉鉱石は高温火炎に晒され瞬間的に溶解され液滴と
なる。生成した微細な液滴は燃焼ガスと共にスクラップ
充填層内を上昇するが、液滴同志が衝突し会って液滴径
は増大すると共にスクラップと接触して捕獲されて炉内
を滴下し、スクラップが溶解されて生成する溶鉄ととも
に炉底に滞留する。
このように、二次羽口から粉鉱石を吹き込むことによ
り、塊鉱石を使用する場合とほぼ同じコークス消費量お
よび支燃性ガス量で操業することが可能になることが分
かった。
ここに、本発明は、 「上部に炉内ガスの排出口と原料装入用開口部を、炉底
部および/または炉壁下部に一次羽口を、炉壁上部に二
次羽口を備えた筒型炉を使用して溶銑を製造する方法に
おいて、炉底から一次羽口を含むレベルまでコークスの
充填層を形成させ、該コークス充填層の上に二次羽口を
含み炉肩部までスクラップ充填層を形成させた後、一次
羽口から支燃性ガスを、二次羽口から支燃性ガスと粉状
鉄源を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造方法」 を要旨する。
また、上記方法において、溶解操作性の優れた実施態
様として「溶解末期にスクラップ充填層の上にコークス
を装入し、該コークス充填層頂部が一次羽口を含むレベ
ルまで降下したら溶解操作を中断して溶銑およびスラグ
を排出し、その後前記コークス充填層上にスクラップを
装入することを特徴とする溶銑の製造方法」がある。
更に、本発明においては、燃料の多様化のため溶解中
に必要に応じて一次羽口から支燃性ガスと各種の燃料、
即ち、重油、灯油、天然ガスのような炭化水素系燃料、
石炭粉、コークス粉あるいはこれらの混合物等を吹き込
むことができる。
なお、本発明においては、粉鉱石の吹き込みを阻害し
ない程度に、スクラップ中に塊鉱石を混合することがで
きる。また、石灰石、蛇紋岩、硅石のような通常使用さ
れる副原料は、スクラップ充填層に混合すればよい。
(作用) 以下、図面を用いて本発明の方法を具体的に説明す
る。第1図(a)(b)(c)は、本発明の方法を実施
する装置(筒型炉)と原料装入状態を模式的に示したも
のである。図示のように、筒型炉1は上部にガスの排出
とスクラップおよびコークス装入用開口部2を有し、炉
壁に一次羽口3と二次羽口4を備えている。溶解操作
は、下記のa、b、cの3つの工程で構成されている。
a.開口部2からコークスを炉底から一次羽口を含むレベ
ルまで装入してコークス充填層5を形成させ、その上に
スクラップを炉肩部まで装入してスクラップ充填債6を
形成する工程(第1図(a)に相当する)。
b.一次羽口から支燃性ガス7と、必要に応じて燃料8を
吹き込み、二次羽口から支燃性ガス9と粉状鉄源10を吹
き込んでスクラップおよび紛状鉄源を溶融して溶銑を製
造する溶融還元工程(第1図(b)に相当する)。
c.生成した溶銑(スラグを含む)11を炉から排出する出
銑工程(第1図(c)に相当する)。
上記aおよびbの操作を行う目的は、炉下部のコーク
ス充填層5内で一次羽口から吹き込む支燃性ガス7によ
ってコークス5を前記(3)式による部分燃焼させ、CO
を主成分とするガスを発生させると共に燃焼熱によって
コークス充填層5を高温に保持し、かつ、二次羽口から
支燃性ガス9と粉鉱石10をスクラップ充填層6内に吹き
込んで、下部で発生したCOを主成分とするガスを前記
(2)式によって二次燃焼させる。そして、二次燃焼に
よりスクラップを溶鉄に、粉鉱石を溶融酸化鉄にして下
部のコークス充填層に滴下させる。
下部のコークス充填層は(3)式の部分酸化反応によ
り高温に加熱されているから、滴下して来る溶融酸化鉄
を前記(1)式によって溶融還元して溶鉄にする。更
に、生成した溶鉄を高温のコークスにより浸炭させ溶銑
にする。
炉底部に貯留した溶銑とスラグ11は、cの操作により
炉外に排出され、次回の操業に繋がる。
ところで、上記した範囲の本発明の実施態様では、次
の2つの点が懸念される。
第一は、溶解末期において熱効率が低下する傾向があ
ることである。溶解操作の後半になると、スクラップの
温度が上昇するための高温のガスが排出され、更に末期
になると、スクラップ充填層が減少して二次羽口がスク
ラップ充填層の上に露出し、二次燃焼は炉内上部空間で
行われるようになる。従って、二次燃焼の熱効率は、溶
解操作末期ではかなり低下し、燃料比の悪化や溶解時間
の延長を来す。
第2は、溶解末期にスクラップが溶け残ることであ
る。羽口を炉底および炉壁に多数設置しても、炉全体を
カバーすることは不可能であり、ガス流通の悪い領域が
炉内に局所的に形成される。このような領域に存在する
スクラップは、高温ガスとの接触が悪いため溶け残り、
溶解時間の延長や溶銑量のばらつきを引き起こす可能性
がある。
上記2つの問題は、次に述べる本発明の望ましい実施
態様によって解決される。
すなわち、溶解操作の末期に次回の溶解で消費される
と予想される量のコークスをスクラップ充填層上に装入
し、スクラップ充填層を通って排出される高温ガスでコ
ークス充填層を加熱する。そしてコークス充填層の頂部
が一次羽口を含むレベルまで降下した時点で、溶解操作
を中断して生成した溶銑とスラグを排出する。加熱され
たコークス充填層および未溶解スクラップなどの固形物
は炉内に残存させ、次回の溶解操作に引き継ぐ。
上記のような繰返し操業を行えば、前記2つの問題は
解決され、高い熱効率が維持されると共に生産性の安定
した操業を行うことができる。
さて、本発明の方法で使用される粉状鉄源は、支燃性
ガスとして酸素ガスを用いる場合には、二次燃焼温度は
3000℃以上に達するため、粒径5mm程度の粗粒鉱石でも
瞬時に溶解される。しかし気流輸送による輸送抵抗の低
減と配管摩耗防止等の点から2mm程度以下にすることが
好ましい。
必要に応じて一次羽口から吹き込む燃料としては、重
油などの液体化石燃料、粉コークス、紛状の重質油残渣
などを使用することができるが、一次燃焼の発熱源は炭
素の部分酸化反応であるから、炭素含有量の大きいもの
が好ましい。
スクラップは、各種の鉄屑を使用することができる
外、型銑、還元鉄等も使用できる。また二次燃焼を阻害
しない範囲ならば、塊鉱石を加えることも可能である
(例えば、粒径10mm程度の塊鉱石ならば、30%程度の配
合比まで可能である)。
(実施例) 以下、実施例により本発明の溶銑の製造方法を具体的
に説明する。
(本発明例) 使用した炉は、第1図に示した筒型炉で、炉寸法は直
径1.5m、炉底から炉口までの高さが3.8m、内容積6.9m3
であり、炉底から0.8m上部の炉壁に90度間隔で4本の一
次羽口と炉底から1.2m上の炉壁に90度間隔で4本の二次
羽口が設けられている。
鉄源は、最大寸法400mm、嵩比重3.5t/m3のスクラップ
(鉄純度99%)と、第1表に示す成分で粒径2mm以下の
粉鉱石を使用した。
燃料は、第2表に記載する粉コークスと微粉炭を用い
た。
以上のような設備、鉄源および燃料を使用して8トン
の溶銑を製造した。
まず、前回の操業から引き継いだコークス充填層の頂
部が二次羽口レベル(炉底から1.2mの位置)に達したと
ころで、その上に製造する溶銑量の75%に相当する量の
スクラップを装入した。
次に一次羽口からコークス充填層内に酸素ガスを1000
Nm3/hと微粉炭1400Kg/hを同時に吹き込むと共に、二次
羽口からスクラップ充填層内に酸素ガスを600Nm3/hと、
製造する溶銑量の25重量%に相当する量の粉鉱石を吹き
込んだ。そして層の降下に対応させて次回に消費すべき
コークスと副原料を装入してスクラップ充填層の上にコ
ークス充填層を形成させた。副原料は生成する溶銑の脱
硫とスラグの流動性を保つためであり、石灰石および蛇
紋岩を使用した。このような操業を続けスクラップ充填
層の頂部が二次羽口レベルに達した時点で溶解操作を中
断し、生成した溶銑とスラグを出銑口から出銑した。操
業諸元および操業結果を第3表の本発明法の欄に示す。
(比較例1) 本比較例1は、上記本発明例において二次羽口に吹き
込んだ粉鉱石(溶銑量の25重量%に相当する量)を一次
羽口から吹き込んだ場合であり、他の操業諸元は上記発
明例と全く同じである。この操業結果を第3表の比較例
1の欄に示す。
(比較例2) 本比較例2は、前記(e)法、すなわち塊鉱石を使用
した場合の操業であり、操業手順は下記に拠った。ま
ず、前回の操業から引き継いだコークス充填層(その頂
部が炉底から1.2mの高さ)の上に、炉口から溶銑8トン
の75重量%に相当するスクラップと25重量%に相当する
塊鉱石を装入した。次に一次羽口から1000Nm3/hの酸素
ガスと1400Kg/hの微粉炭を吹き込み、二次羽口から600N
m3/hの酸素ガスを吹き込み溶解操作を実施した。その結
果を第3表の比較例2の欄に示す。
第3表に示される結果から、本発明例の場合は、比較
例2((e)法)より鉱石使用量で5Kg/t、燃料使用量
で2Kg/t増加しているが、他は比較例2の場合と全く変
わらなかった。鉱石使用量が上記のように5Kg/t増加し
た原因は、粉鉱石の一部が炉外に排出されたためと考え
られる。
一方、粉鉱石を一次羽口から吹き込んだ比較例1の場
合は、燃料および酸素の使用量が大幅に増加している。
これは、下部コークス充填層が粉鉱石の溶解吸熱と溶解
酸化鉄の還元吸熱とによる温度低下を熱補償するため、
それらの増加を余儀なくされたからである。
以上のように、本発明法によれば、燃料および支燃性
ガスの使用量を増加させることなく、塊鉱石に替えて粉
状鉄源を使用することができる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の方法によれば、燃料お
よび支燃性ガスの使用量を増加することなく、スクラッ
プと共に粉鉱石を使用できるようになった。粉鉱石は塊
鉱石に比べ安価で容易に入手でき、また塊成化すること
なく使用できるので、溶銑製造コストの低減が図れるな
ど、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)(c)は、本発明になる溶銑の製造
方法を実施する装置の一例および溶解操作を説明する
図、である。 1は筒型炉、2は開口部、2aは出銑口、3は一次羽口、
4は二次羽口、5はコークス充填層、6はスクラップ充
填層、7及び9は支燃性ガス、8は燃料、10は粉状鉄
源、11は溶銑およびスラグ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に炉内ガスの排出と原料装入用の開口
    部を、炉底部および/または炉壁下部に一次羽口を、炉
    壁上部に二次羽口を備えた筒型炉を使用して溶銑を製造
    する方法において、炉底から一次羽口を含むレベルまで
    コークスの充填層を形成させ、該コークス充填層の上に
    二次羽口を含み炉肩部までスクラップ充填層を形成させ
    た後、一次羽口から支燃性ガスを、二次羽口から支燃性
    ガスと粉状鉄源を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造
    方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の溶銑の製造方
    法において、溶解操作の末期にスクラップ充填層の上に
    コークスを装入し、該コークス充填層頂部が一次羽口を
    含むレベルまで降下したら溶解操作を中断して溶銑およ
    びスラグを排出し、その後前記コークス充填層上にスク
    ラップを装入することを特徴とする溶銑の製造方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    溶銑の製造方法において、一次羽口から支燃性ガスと共
    に燃料を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造方法。
JP18726088A 1988-07-27 1988-07-27 溶銑の製造方法 Expired - Lifetime JP2666396B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18726088A JP2666396B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 溶銑の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18726088A JP2666396B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 溶銑の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0238506A JPH0238506A (ja) 1990-02-07
JP2666396B2 true JP2666396B2 (ja) 1997-10-22

Family

ID=16202863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18726088A Expired - Lifetime JP2666396B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 溶銑の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2666396B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5230823A (en) * 1989-05-22 1993-07-27 The Procter & Gamble Company Light-duty liquid or gel dishwashing detergent composition containing an alkyl ethoxy carboxylate surfactant

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0238506A (ja) 1990-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101558170A (zh) 使用棕榈壳木炭的电弧炉炼钢方法
JP2666396B2 (ja) 溶銑の製造方法
RU2678557C2 (ru) Металлургическая печь
EP0382900B1 (en) Method for manufacturing molten pig iron
JPH0368082B2 (ja)
US20050151307A1 (en) Method and apparatus for producing molten iron
JP2666397B2 (ja) 溶銑の製造方法
JP3629740B2 (ja) 溶銑の製造方法
JP2560669B2 (ja) 溶銑の製造方法
JP2661478B2 (ja) 筒型炉およびこれを用いる溶銑の製造方法
JP2666385B2 (ja) 溶銑の製造方法
WO1997012066A1 (fr) Procede de reduction par fusion de minerai de chrome
JP7416043B2 (ja) 溶鉄の精錬方法
JP2730183B2 (ja) 希小金属の回収を兼ねた溶銑の製造方法
JP2817245B2 (ja) 銑鉄の製造方法
JP2530932Y2 (ja) 筒型炉微粉炭吹込みノズル
JP2897362B2 (ja) 溶銑の製造方法
JPH07278624A (ja) 高炉における微粉炭多量吹込み操業方法
JPH0382703A (ja) 溶銑の製造装置及び製造方法
JP2760155B2 (ja) 溶銑の製造方法
JP2970465B2 (ja) 溶銑の製造装置および方法
JP2837282B2 (ja) 含クロム溶銑の製造方法
AU708255B2 (en) Direct iron and steelmaking
JP2979788B2 (ja) 溶銑の製造方法
JPH01195211A (ja) 酸化鉄の溶融還元方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 12