JP2666385B2 - 溶銑の製造方法 - Google Patents
溶銑の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、上部に原料装入用の炉口、底部に出銑口
を有する筒型炉を使用し、スクラップと鉱石を鉄源とし
て溶銑を製造する方法に関する。
を有する筒型炉を使用し、スクラップと鉱石を鉄源とし
て溶銑を製造する方法に関する。
(従来の技術) 従来、鉄源としてのスクラップは、転炉製鋼時の冷材
として一部使用されているが、大部分は電気炉において
溶解・精錬されてきた。しかし、電気料金の高い我が国
では、その使用量の増加に伴って消費電力が著しく増大
し、スクラップを使用する利点が失われつつある。
として一部使用されているが、大部分は電気炉において
溶解・精錬されてきた。しかし、電気料金の高い我が国
では、その使用量の増加に伴って消費電力が著しく増大
し、スクラップを使用する利点が失われつつある。
そこで、溶解熱源を電力より安いコークスあるいは石
炭等の炭材に求め、転炉でスクラップを溶解しようとす
る転炉スクラップ溶解法が種々提案されている。それら
の代表的なものは、下記のとおりである。
炭等の炭材に求め、転炉でスクラップを溶解しようとす
る転炉スクラップ溶解法が種々提案されている。それら
の代表的なものは、下記のとおりである。
(a)製鋼製の熱勘定改善方法(特公昭56−8085号公
報) 上吹ノズルおよび底吹ノズルから酸素を吹き込んでス
クラップの使用比率を高める方法であり、コークス、石
炭、石油等でスクラップを予熱した場合には、全量スク
ラップ溶解もできるとしている。
報) 上吹ノズルおよび底吹ノズルから酸素を吹き込んでス
クラップの使用比率を高める方法であり、コークス、石
炭、石油等でスクラップを予熱した場合には、全量スク
ラップ溶解もできるとしている。
(b)リアクター製鉄方法および装置(特開昭57−1982
06号公報) 溶鉄を収容した転炉型反応炉にスクラップを装入して
炭材と酸素を吹き込み、炭材の燃焼熱でスクラップを溶
解させると共に、高温の排ガスで予熱炉内のスクラップ
を予熱するという方法である。
06号公報) 溶鉄を収容した転炉型反応炉にスクラップを装入して
炭材と酸素を吹き込み、炭材の燃焼熱でスクラップを溶
解させると共に、高温の排ガスで予熱炉内のスクラップ
を予熱するという方法である。
(c)スクラップの溶解精錬方法(特開昭62−47417号
公報) 上底吹転炉に装入された石炭またはコークス等の炭材
に底吹酸素により着火した後スクラップを装入し、上方
から炭材を装入しながら上吹ランスと底吹羽口から送酸
してスクラップを溶解する方法である。
公報) 上底吹転炉に装入された石炭またはコークス等の炭材
に底吹酸素により着火した後スクラップを装入し、上方
から炭材を装入しながら上吹ランスと底吹羽口から送酸
してスクラップを溶解する方法である。
(d)溶銑製造方法(本出願人の提案した特願昭62−23
3548号) 横吹羽口と底吹羽口を設けた転炉内の下部にコークス
充填層を形成し後スクラップを横吹羽口より上のレベル
まで装入し、底吹羽口から酸素を吹き込んで高温のCOを
発生させ、横吹羽口から酸素を吹き込み、前記COをスク
ラップ層内で燃焼させてスクラップを溶解する方法であ
る。
3548号) 横吹羽口と底吹羽口を設けた転炉内の下部にコークス
充填層を形成し後スクラップを横吹羽口より上のレベル
まで装入し、底吹羽口から酸素を吹き込んで高温のCOを
発生させ、横吹羽口から酸素を吹き込み、前記COをスク
ラップ層内で燃焼させてスクラップを溶解する方法であ
る。
ところで、転炉型製鋼炉スクラップを主原料にして、
銑鉄を効率よく、低コストで製造できるようにするに
は、少なくとも次の三つの課題が解決されていなければ
ならない。即ち、 (A)安価で、安定して入手可能な燃料を使用できるこ
と、 (B)スクラップ以外の鉄源が使用できること、 (C)高い熱効率が得られること、 である。
銑鉄を効率よく、低コストで製造できるようにするに
は、少なくとも次の三つの課題が解決されていなければ
ならない。即ち、 (A)安価で、安定して入手可能な燃料を使用できるこ
と、 (B)スクラップ以外の鉄源が使用できること、 (C)高い熱効率が得られること、 である。
前記(A)における燃料としては、石炭、天然ガス、
石油、コークス等が対象になるが、コークスは粘結炭を
コークス炉で乾留して製造したものであり、資源および
コスト面から制約される。従って石炭、天然ガス、石油
などの一次燃料が使用できることが好ましい。
石油、コークス等が対象になるが、コークスは粘結炭を
コークス炉で乾留して製造したものであり、資源および
コスト面から制約される。従って石炭、天然ガス、石油
などの一次燃料が使用できることが好ましい。
前記(B)の鉄源では、スクラップは将来的に必ずし
も価格および供給面で安定していないことから、スクラ
ップ以外の鉄源も使用できることが望ましい。鉄源には
鉄鉱石、還元鉄、型銑などがあるが、還元鉄は直接製鉄
法の成品、型銑は高炉の成品でありコストが高いため、
鉄鉱石が使用できることが好ましい。
も価格および供給面で安定していないことから、スクラ
ップ以外の鉄源も使用できることが望ましい。鉄源には
鉄鉱石、還元鉄、型銑などがあるが、還元鉄は直接製鉄
法の成品、型銑は高炉の成品でありコストが高いため、
鉄鉱石が使用できることが好ましい。
前記(C)の熱効率は、燃焼における下記(1)式お
よび(2)式の何れの燃焼反応を主体にするか((2)
式の比率が大きいほど燃焼効率が高い)、あるいは燃焼
反応で発生する顕熱をどれだけ利用できるかに依存す
る。
よび(2)式の何れの燃焼反応を主体にするか((2)
式の比率が大きいほど燃焼効率が高い)、あるいは燃焼
反応で発生する顕熱をどれだけ利用できるかに依存す
る。
2C+O2=2CO+58800Kcal/Kmol O2 ……(1) C+O2=CO2+97000Kcal/Kmol O2 ……(2) 多くの場合、COガスは回収され他の工程の動力源とし
て活用される。従って製鉄所全体のことを考慮すると、
必ずしも溶解工程において燃焼効率を高める必要がない
場合もある。即ち、他工程の動力事情に見合った燃焼効
率に調整できることが好ましい。
て活用される。従って製鉄所全体のことを考慮すると、
必ずしも溶解工程において燃焼効率を高める必要がない
場合もある。即ち、他工程の動力事情に見合った燃焼効
率に調整できることが好ましい。
以上に述べた(A)〜(C)の観点に立って、従来の
スクラップ多配合製鋼法(a)〜(d)を検討すると、
それぞれ下記のような問題点を有する。
スクラップ多配合製鋼法(a)〜(d)を検討すると、
それぞれ下記のような問題点を有する。
(a)の方法は、石炭やコークス等を使用できるため
燃料面では有利である。しかし酸素と燃料を上吹して鉄
浴を直接加熱するため、高温ガスはそのまま排出され顕
熱の利用率が低い。またスクラップ以外にも型銑や還元
鉄等も使用できるとしているが、還元雰囲気が生起され
ないことから鉱石の使用は困難である。
燃料面では有利である。しかし酸素と燃料を上吹して鉄
浴を直接加熱するため、高温ガスはそのまま排出され顕
熱の利用率が低い。またスクラップ以外にも型銑や還元
鉄等も使用できるとしているが、還元雰囲気が生起され
ないことから鉱石の使用は困難である。
(b)の方法は、燃料上の制約がないので有利であ
り、またスクラップ予熱炉を設けているから排ガスの顕
熱利用率は高いが、設備が複雑化する。この方法も前記
(a)法と同様に鉱石の使用はできないという問題があ
る。
り、またスクラップ予熱炉を設けているから排ガスの顕
熱利用率は高いが、設備が複雑化する。この方法も前記
(a)法と同様に鉱石の使用はできないという問題があ
る。
(c)の方法は酸素上吹のため、高温排ガスがそのま
ま排出され顕熱が利用できない。
ま排出され顕熱が利用できない。
(d)の方法は、炉内下部のコークス充填層内で燃焼
反応を起こさせ、発生した高温ガスで上部のスクラップ
を加熱するようにしているため、顕熱の利用率は高い。
下部コークス層で発生したCOを、スクラップ層内で横吹
羽口から吹き込む酸素量を調整して下記(3)式に示す
2次燃焼をさせれば、燃焼効率を自在に制御することが
できる。
反応を起こさせ、発生した高温ガスで上部のスクラップ
を加熱するようにしているため、顕熱の利用率は高い。
下部コークス層で発生したCOを、スクラップ層内で横吹
羽口から吹き込む酸素量を調整して下記(3)式に示す
2次燃焼をさせれば、燃焼効率を自在に制御することが
できる。
CO+1/2 O2=CO2+67600Kcal/Kmol CO ……(3) しかし、この方法で使用する鉄源は全量スクラップで
あり、スクラップが不足するような事態が生じた場合に
は安定した操業ができないという不安がある。
あり、スクラップが不足するような事態が生じた場合に
は安定した操業ができないという不安がある。
そこで、本発明者は、スクラップの需給変動が生じ、
スクラップが不足することがあっても、これに替わる鉄
源を容易に入手でき、安定した操業が可能になる製銑方
法について検討を重ねた結果、安価で豊富に存在する鉄
源である鉄鉱石を使用する溶銑の製造方法を発明し、先
に特許出願した(特願昭63−122292号)。
スクラップが不足することがあっても、これに替わる鉄
源を容易に入手でき、安定した操業が可能になる製銑方
法について検討を重ねた結果、安価で豊富に存在する鉄
源である鉄鉱石を使用する溶銑の製造方法を発明し、先
に特許出願した(特願昭63−122292号)。
上記特願昭63−122292号の方法(以下、(e)法と記
す)は、本出願人の提案になる前記(d)法におけるス
クラップの一部を鉄鉱石に替えるものであって、炉壁下
部に一次羽口を、その上部に二次羽口を備えた筒型(転
炉型)の炉を使用し、炉底から一次羽口を含み二次羽口
の直下まで塊コークス層を形成させ、その上に二次羽口
を含んで炉壁肩部までスクラップと鉄鉱石からなる層を
形成させた後、一次羽口から支燃性ガスと燃料を、二次
羽口から支燃性ガスを吹き込んでスクラップと鉄鉱石を
溶解・精錬して溶銑を製造する方法である。
す)は、本出願人の提案になる前記(d)法におけるス
クラップの一部を鉄鉱石に替えるものであって、炉壁下
部に一次羽口を、その上部に二次羽口を備えた筒型(転
炉型)の炉を使用し、炉底から一次羽口を含み二次羽口
の直下まで塊コークス層を形成させ、その上に二次羽口
を含んで炉壁肩部までスクラップと鉄鉱石からなる層を
形成させた後、一次羽口から支燃性ガスと燃料を、二次
羽口から支燃性ガスを吹き込んでスクラップと鉄鉱石を
溶解・精錬して溶銑を製造する方法である。
(e)法において最も重要な点は、塊コークスを使用
することにある。塊コークスは、〈1〉炉内下部で空気
や酸素などの支燃性ガスによって、前記(1)式の反応
を生起させCOと熱を発生させる役割、〈2〉前記(1)
式の反応で発生した顕熱の助けを借りて鉄鉱石を溶融還
元する還元剤の役割、〈3〉コークス充填層を形成して
生成した溶鉄をその空間に保持するとともに、上部の未
溶解スクラップと鉄鉱石が下部に降下しないよいに支持
するスペーサーの役割、をしている。
することにある。塊コークスは、〈1〉炉内下部で空気
や酸素などの支燃性ガスによって、前記(1)式の反応
を生起させCOと熱を発生させる役割、〈2〉前記(1)
式の反応で発生した顕熱の助けを借りて鉄鉱石を溶融還
元する還元剤の役割、〈3〉コークス充填層を形成して
生成した溶鉄をその空間に保持するとともに、上部の未
溶解スクラップと鉄鉱石が下部に降下しないよいに支持
するスペーサーの役割、をしている。
前記〈1〉の燃料としての役割に注目すると、コーク
スには(1)式の部分酸化燃焼をさせ、(2)式の完全
燃焼反応を起こさせないことが大切である。即ち、コー
クスが(2)式によって完全燃焼してしまうと、還元材
としてのコークスの役割が失われる。発生したCO2やH2O
(他の燃料の燃焼生成物)は、溶融還元反応を妨げる。
しかし、(1)式の部分燃焼であれば、残ったCが下記
(5)式および(6)式の反応によってCO2やH2Oを直ち
に溶融還元反応に寄与するCOおよびH2に変換させ、実質
的に燃焼反応を(1)式の部分燃焼反応にすることがで
きる。
スには(1)式の部分酸化燃焼をさせ、(2)式の完全
燃焼反応を起こさせないことが大切である。即ち、コー
クスが(2)式によって完全燃焼してしまうと、還元材
としてのコークスの役割が失われる。発生したCO2やH2O
(他の燃料の燃焼生成物)は、溶融還元反応を妨げる。
しかし、(1)式の部分燃焼であれば、残ったCが下記
(5)式および(6)式の反応によってCO2やH2Oを直ち
に溶融還元反応に寄与するCOおよびH2に変換させ、実質
的に燃焼反応を(1)式の部分燃焼反応にすることがで
きる。
CO2+C=2CO−38200Kcal/Kmol C ……(5) H2O+C=H2+CO−28400Kcal/Kmol C ……(6) 以上のように、(e)法によれば、鉄源はスクラップ
に限らず鉄鉱石も使用が可能となる。
に限らず鉄鉱石も使用が可能となる。
しかしながら、前記(e)法では、コークスにスペー
サーとしての役割もあって、高価な塊コークスを必要と
するという難点がある。
サーとしての役割もあって、高価な塊コークスを必要と
するという難点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、鉄源としてはスクラップとともに鉄
鉱石が使用でき、燃料および還元剤としては高価な塊コ
ークスに替えて安価に入手できる石炭粉、粉コークス、
天然ガス、重油等の燃料を使用し、低コストで効率よく
製銑できる溶銑の製造方法を提供することにある。
鉱石が使用でき、燃料および還元剤としては高価な塊コ
ークスに替えて安価に入手できる石炭粉、粉コークス、
天然ガス、重油等の燃料を使用し、低コストで効率よく
製銑できる溶銑の製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記のような粉状、気体または液体状の
燃料(以下、まとめて非塊状燃料という)を使用して、
前記塊コークスの〈1〉、〈2〉および〈3〉の役割を
代替させる手段について種々研究を続け、下記のごとき
貴重な知見を得た。
燃料(以下、まとめて非塊状燃料という)を使用して、
前記塊コークスの〈1〉、〈2〉および〈3〉の役割を
代替させる手段について種々研究を続け、下記のごとき
貴重な知見を得た。
前記〈1〉に替わる手段 鉄源を装入した炉内に、上記の非塊状燃料と支燃性ガ
ス(O2を含む気体、即ち空気、酸素富化空気、純酸素
等)を吹き込んで燃焼させるとき、非塊状燃料中の炭素
量(Cf kg/h)を、この非塊状燃料中に含まれる酸素(O
f kg/h)と支燃性ガス中の酸素(Og kg/h)と結合して
一酸化炭素(CO)を生成する化学量論的な量よりも過剰
になるようにする。そうすれば、前記の(1)式の反応
でCOが生成して溶融還元に必要な熱が得られると同時
に、高温の未燃焼炭素が残留し、これが(5)式および
(6)式によってCO2およびH2Oの生成を防ぐ。
ス(O2を含む気体、即ち空気、酸素富化空気、純酸素
等)を吹き込んで燃焼させるとき、非塊状燃料中の炭素
量(Cf kg/h)を、この非塊状燃料中に含まれる酸素(O
f kg/h)と支燃性ガス中の酸素(Og kg/h)と結合して
一酸化炭素(CO)を生成する化学量論的な量よりも過剰
になるようにする。そうすれば、前記の(1)式の反応
でCOが生成して溶融還元に必要な熱が得られると同時
に、高温の未燃焼炭素が残留し、これが(5)式および
(6)式によってCO2およびH2Oの生成を防ぐ。
前記〈2〉に替わる手段 〈1〉の燃焼反応の際に発生するCOおよび未燃焼炭素
は還元剤として鉄鉱石の還元に寄与する。
は還元剤として鉄鉱石の還元に寄与する。
前記〈3〉に替わる手段 銑鉄は炭素を多く含有するため鋼(スクラップ)より
融点が低い。スクラップと鉄鉱石を還元して溶鉄を製造
する過程で浸炭を充分に進行させ、溶鉄を速やかに銑鉄
にすれば、炉下部でも溶銑およびスラグと未溶解スクラ
ップを共存させることができるため、未溶解スクラップ
と鉄鉱石層をスペーサーとして使用できる。即ち、スペ
ーサーは必ずしも塊コークスである必要はない。
融点が低い。スクラップと鉄鉱石を還元して溶鉄を製造
する過程で浸炭を充分に進行させ、溶鉄を速やかに銑鉄
にすれば、炉下部でも溶銑およびスラグと未溶解スクラ
ップを共存させることができるため、未溶解スクラップ
と鉄鉱石層をスペーサーとして使用できる。即ち、スペ
ーサーは必ずしも塊コークスである必要はない。
上記の基本的な知見に基づいてなされた本発明は、次
のとおりの溶銑の製造方法をその要旨とする。
のとおりの溶銑の製造方法をその要旨とする。
『炉上部にガスの排出と原料装入用の炉口を、炉壁下
部に一次羽口を、その上部炉壁に二次羽口を、炉底に出
銑口をそれぞれ備えた筒型炉を使用すること、二次羽口
レベル以上までスクラップと鉄鉱石の充填層を形成させ
ること、一次羽口から支燃焼ガスと気体、液体または粉
状固体の炭素含有物質を、二次羽口から支燃性ガスをそ
れぞれ吹き込むこと、および一次羽口から吹き込む炭素
含有物質中の炭素が、その炭素含有物質中の酸素および
上記一次羽口から吹き込まれる支燃性ガス中の酸素と結
合して一酸化炭素を生成する化学量論的炭素量よりも過
剰になるように調整すること、を特徴とする溶銑の製造
方法』 上記本発明の溶銑の製造方法において、スクラップと
鉄鉱石の層には、石灰石、蛇紋岩、硅石、その他の副原
料を必要に応じて供給する。炭素含有物質としては、粉
状の石炭(粉炭)、粉コークス、等の粉状固体燃料の
外、重油、灯油などの液体燃料、天然ガス、コークス炉
ガスのような気体燃料を単独あるいは適宜組み合わせて
使用できるが、現在最も安価で実用的なのは粉炭であ
る。
部に一次羽口を、その上部炉壁に二次羽口を、炉底に出
銑口をそれぞれ備えた筒型炉を使用すること、二次羽口
レベル以上までスクラップと鉄鉱石の充填層を形成させ
ること、一次羽口から支燃焼ガスと気体、液体または粉
状固体の炭素含有物質を、二次羽口から支燃性ガスをそ
れぞれ吹き込むこと、および一次羽口から吹き込む炭素
含有物質中の炭素が、その炭素含有物質中の酸素および
上記一次羽口から吹き込まれる支燃性ガス中の酸素と結
合して一酸化炭素を生成する化学量論的炭素量よりも過
剰になるように調整すること、を特徴とする溶銑の製造
方法』 上記本発明の溶銑の製造方法において、スクラップと
鉄鉱石の層には、石灰石、蛇紋岩、硅石、その他の副原
料を必要に応じて供給する。炭素含有物質としては、粉
状の石炭(粉炭)、粉コークス、等の粉状固体燃料の
外、重油、灯油などの液体燃料、天然ガス、コークス炉
ガスのような気体燃料を単独あるいは適宜組み合わせて
使用できるが、現在最も安価で実用的なのは粉炭であ
る。
支燃性ガスは、酸素含有気体であり、代表的なのは純
酸素である。
酸素である。
一次羽口からは支燃性ガスとともに、上記の非塊状燃
料を吹き込むのであるが、重要なことは、この燃料に含
まれる炭素と、支燃性ガスおよび燃料に含まれる酸素の
バランスである。
料を吹き込むのであるが、重要なことは、この燃料に含
まれる炭素と、支燃性ガスおよび燃料に含まれる酸素の
バランスである。
先に述べたとおり、一次羽口の近傍では、(1)式の
不完全燃焼を起こさせ、なお未燃焼炭素を残留させなけ
ればならない。そのためには、先に定義したCf、Of、お
よびOgが、次の関係になければならない。
不完全燃焼を起こさせ、なお未燃焼炭素を残留させなけ
ればならない。そのためには、先に定義したCf、Of、お
よびOgが、次の関係になければならない。
Cf/12>Of/16+Og/16(kmol/h) さて、上記の本発明方法は、上部に原料装入用(排ガ
ス回収用を兼ねる)の開口部(炉口)を持ち、下部に出
銑口(スラグ排出口を兼ねてもよく、スラグ排出口を別
個に設けてもよい)を持つ筒型の炉で実施する。炉のイ
メージとしては、製鋼用の転炉やキュポラに近い。
ス回収用を兼ねる)の開口部(炉口)を持ち、下部に出
銑口(スラグ排出口を兼ねてもよく、スラグ排出口を別
個に設けてもよい)を持つ筒型の炉で実施する。炉のイ
メージとしては、製鋼用の転炉やキュポラに近い。
操業は、従来の高炉におけるように、炉口から鉄源お
よび必要な副原料を連続投入し、出銑口から連続的或い
は間歇的に出銑、出滓する連続操業方式をとることがで
きる。この場合、一次羽口レベルで、(1)式の不完全
燃焼が起きて発熱し、スクラップと鉄鉱石の溶融と還元
が進行し、二次羽口レベルでは、上昇してくるガスの顕
熱とCOの二次燃焼((3)式)とによって、スクラップ
と鉄鉱石の層が充分に予熱される。この場合、原料の層
高が二次羽口以上の所定のレベルに維持されるように、
原料の装入速度を調整しなければならない。層高は、例
えば高炉で使用されているサウンジングロッドを用いて
計測することができる。
よび必要な副原料を連続投入し、出銑口から連続的或い
は間歇的に出銑、出滓する連続操業方式をとることがで
きる。この場合、一次羽口レベルで、(1)式の不完全
燃焼が起きて発熱し、スクラップと鉄鉱石の溶融と還元
が進行し、二次羽口レベルでは、上昇してくるガスの顕
熱とCOの二次燃焼((3)式)とによって、スクラップ
と鉄鉱石の層が充分に予熱される。この場合、原料の層
高が二次羽口以上の所定のレベルに維持されるように、
原料の装入速度を調整しなければならない。層高は、例
えば高炉で使用されているサウンジングロッドを用いて
計測することができる。
この操業形態が、特許請求の範囲第2項に記載した
『生成した溶銑とスラグを炉底の出銑口から排出しつつ
炉口からスクラップと鉄鉱石を装入し、そのスクラップ
と鉄鉱石の充填層の上端を二次羽口レベル以上に維持し
て連続的に操業する特許請求の範囲第1項記載の溶銑の
製造方法』である。
『生成した溶銑とスラグを炉底の出銑口から排出しつつ
炉口からスクラップと鉄鉱石を装入し、そのスクラップ
と鉄鉱石の充填層の上端を二次羽口レベル以上に維持し
て連続的に操業する特許請求の範囲第1項記載の溶銑の
製造方法』である。
また、本発明方法の操業は、原料の装入と溶銑(およ
びスラグ)の排出を間歇的に行う、いわゆるバッチ式で
実施することもできる。この操業形態が、特許請求の範
囲第3項記載の『下記からの工程を繰り返すことを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の溶銑の製造方
法。
びスラグ)の排出を間歇的に行う、いわゆるバッチ式で
実施することもできる。この操業形態が、特許請求の範
囲第3項記載の『下記からの工程を繰り返すことを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の溶銑の製造方
法。
炉底部に残存する未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層の上に、二次羽口レベル以上までスクラップと鉄鉱石
を装入してそれらの充填層を形成させる工程、 一次羽口から前記未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層に支燃性ガスと気体、液体または粉状固体の炭素含有
物質を、二次羽口から前記スクラップと鉄鉱石の充填層
に支燃性ガスをそれぞれ吹き込み、しかも、一次羽口か
ら吹き込む炭素含有物質中の炭素が、その炭素含有物質
中の酸素および一次羽口から吹き込まれる支燃性ガス中
の酸素と結合して一酸化炭素を生成する化学量論的炭素
量よりも過剰になるように調整する工程、 スクラップと鉄鉱石の充填層頂部が一次羽口レベル以
上の所定のレベルまで降下したら、炉内に未溶解スクラ
ップと未溶解鉄鉱石の層を残存させたまま、溶銑および
スラグを排出する工程。』である。
層の上に、二次羽口レベル以上までスクラップと鉄鉱石
を装入してそれらの充填層を形成させる工程、 一次羽口から前記未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層に支燃性ガスと気体、液体または粉状固体の炭素含有
物質を、二次羽口から前記スクラップと鉄鉱石の充填層
に支燃性ガスをそれぞれ吹き込み、しかも、一次羽口か
ら吹き込む炭素含有物質中の炭素が、その炭素含有物質
中の酸素および一次羽口から吹き込まれる支燃性ガス中
の酸素と結合して一酸化炭素を生成する化学量論的炭素
量よりも過剰になるように調整する工程、 スクラップと鉄鉱石の充填層頂部が一次羽口レベル以
上の所定のレベルまで降下したら、炉内に未溶解スクラ
ップと未溶解鉄鉱石の層を残存させたまま、溶銑および
スラグを排出する工程。』である。
このバッチ式の操業においては、未溶解スクラップと
鉄鉱石の層の頂部が一次羽口レベル以上の所定のレベル
まできた時に、これらを残存させた状態で、生成した溶
銑とスラグを出銑口から出銑し、そのあと新しいスクラ
ップと鉄鉱石を未溶解スクラップと鉄鉱石の層の上に装
入する。一次羽口近傍の未溶解スクラップと鉄鉱石層は
加熱されているため、一次羽口から吹き込まれる支燃性
ガスによる炭素含有物質の燃焼は円滑に進行し、溶解、
還元、浸炭が速やかに行われる。新しく装入されたスク
ラップと鉄鉱石の層は、二次羽口レベルより上で、COの
2次燃焼による熱で効率よく予熱される。
鉄鉱石の層の頂部が一次羽口レベル以上の所定のレベル
まできた時に、これらを残存させた状態で、生成した溶
銑とスラグを出銑口から出銑し、そのあと新しいスクラ
ップと鉄鉱石を未溶解スクラップと鉄鉱石の層の上に装
入する。一次羽口近傍の未溶解スクラップと鉄鉱石層は
加熱されているため、一次羽口から吹き込まれる支燃性
ガスによる炭素含有物質の燃焼は円滑に進行し、溶解、
還元、浸炭が速やかに行われる。新しく装入されたスク
ラップと鉄鉱石の層は、二次羽口レベルより上で、COの
2次燃焼による熱で効率よく予熱される。
なお、本発明においては、最初の溶解は従来法どおり
に塊コークスを用いて行うか、あるいは溶解までの時間
はかかるがスクラップと鉄鉱石を装入した後、支燃性ガ
スと燃料で着火して本発明の工程に入ることができる。
に塊コークスを用いて行うか、あるいは溶解までの時間
はかかるがスクラップと鉄鉱石を装入した後、支燃性ガ
スと燃料で着火して本発明の工程に入ることができる。
(作用) 以下、本発明の溶銑の製造方法について、図面を用い
て説明する。
て説明する。
第1図は、転炉型筒型炉の略式断面を示す図である。
図中において、1は筒型炉、2は炉口、3は一次羽口、
4は二次羽口、5は出銑口(出滓口を兼ねる)であり、
筒型炉1内に未溶解スクラップ(6−1)と未溶解鉄鉱
石(6−2)の層6の上に新しいスクラップ(7−1)
と鉄鉱石(7−2)の層7が形成された状態を示してい
る。
図中において、1は筒型炉、2は炉口、3は一次羽口、
4は二次羽口、5は出銑口(出滓口を兼ねる)であり、
筒型炉1内に未溶解スクラップ(6−1)と未溶解鉄鉱
石(6−2)の層6の上に新しいスクラップ(7−1)
と鉄鉱石(7−2)の層7が形成された状態を示してい
る。
なお、本発明におけるスクラップと鉄鉱石の比率は鉄
鉱石がスクラップの30%以下となる量が望ましい。それ
は、鉄鉱石は、1000℃を越えると軟化して収縮する性質
があるため、スペーサとなるべきスクラップの比率を、
ある程度以上多くとる必要があることによる。
鉱石がスクラップの30%以下となる量が望ましい。それ
は、鉄鉱石は、1000℃を越えると軟化して収縮する性質
があるため、スペーサとなるべきスクラップの比率を、
ある程度以上多くとる必要があることによる。
第2図は、一次羽口から未溶解スクラップと未溶解鉄
鉱石の層6に支燃性ガス8と非塊状燃料9とを吹き込
み、上部の二次羽口から新しいスクラップと鉄鉱石の層
7内に支燃性ガス10を吹き込む工程である。この工程の
一次羽口レベルでは、燃料中の炭素が部分燃焼してCOが
発生し、未溶解スクラップと鉄鉱石の溶融還元が進行
し、残留するCは溶鉄に浸炭して炭素含有量の高い(従
って、融点の低い)溶銑ができる。二次羽口レベルで
は、下部で発生したCOを支燃性ガスで2次燃焼させてス
クラップと鉄鉱石を予熱する。
鉱石の層6に支燃性ガス8と非塊状燃料9とを吹き込
み、上部の二次羽口から新しいスクラップと鉄鉱石の層
7内に支燃性ガス10を吹き込む工程である。この工程の
一次羽口レベルでは、燃料中の炭素が部分燃焼してCOが
発生し、未溶解スクラップと鉄鉱石の溶融還元が進行
し、残留するCは溶鉄に浸炭して炭素含有量の高い(従
って、融点の低い)溶銑ができる。二次羽口レベルで
は、下部で発生したCOを支燃性ガスで2次燃焼させてス
クラップと鉄鉱石を予熱する。
また、一次羽口におけるガス火炎温度はスクラップと
鉄鉱石の溶解・還元を円滑に進行させるため、1500℃以
上に保つことが望ましい。
鉄鉱石の溶解・還元を円滑に進行させるため、1500℃以
上に保つことが望ましい。
第3図は、第2図の工程が進行して溶銑とスラグの層
11が生成して炉底部に貯留し、後から装入されたスクラ
ップと鉄鉱石の層が未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層6を形成し、溶銑およびスラグと共存している状態が
示されている。
11が生成して炉底部に貯留し、後から装入されたスクラ
ップと鉄鉱石の層が未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層6を形成し、溶銑およびスラグと共存している状態が
示されている。
第4図は、溶銑とスラグ11が出銑口から出銑され(出
銑工程)、未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の層6が炉
内に残存した状態を示している。この後、再び新しいス
クラップと鉄鉱石が装入されて第1図の状態になる。
銑工程)、未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の層6が炉
内に残存した状態を示している。この後、再び新しいス
クラップと鉄鉱石が装入されて第1図の状態になる。
以上のように、本発明方法では、連続的または間歇的
に第1図〜第4図に示されるとおりの工程が繰り返して
行われ、極めて熱効率の高い製銑が行われるのである。
に第1図〜第4図に示されるとおりの工程が繰り返して
行われ、極めて熱効率の高い製銑が行われるのである。
(実施例) 以下、実施例によって本発明の溶銑製造方法を更に具
体的に説明する。
体的に説明する。
(本発明例1) 使用した炉は、第1図に示した形式の炉で、直径1.5
m、炉底から炉口までの高さが3.6m、内容積6.0m3で、炉
底から1.4m上部の炉壁に90度間隔で4本の一次羽口を設
け、二次羽口は炉底から2.0mの上の炉壁に90度間隔で4
本設けた。また炉底中央部に出銑口を設けた。
m、炉底から炉口までの高さが3.6m、内容積6.0m3で、炉
底から1.4m上部の炉壁に90度間隔で4本の一次羽口を設
け、二次羽口は炉底から2.0mの上の炉壁に90度間隔で4
本設けた。また炉底中央部に出銑口を設けた。
鉄源は、最大寸法400mm、嵩比重3500Kg/m3のスクラッ
プ(鉄純度99%)と、第1表に示す成分で粒径10〜25mm
の塊鉱石を使用した。
プ(鉄純度99%)と、第1表に示す成分で粒径10〜25mm
の塊鉱石を使用した。
燃料は、第2表に示す組成で粒度200メッシュ以下の
微粉炭を用いた。
微粉炭を用いた。
以上のような設備、鉄源および燃料を使用し、1チャ
ージ8トンの溶銑(鉄鉱石比率は鉄換算で25重量%)を
製造した。
ージ8トンの溶銑(鉄鉱石比率は鉄換算で25重量%)を
製造した。
最初の溶解は、(e)法によって行い、二回目から本
発明の方法で操業した。炉内のスクラップと鉄鉱石の層
頂部が二次羽口レベル下まで降下したので、溶銑8トン
(T.Fe=98重量%と想定)に相当するスクラップ5.91ト
ンと鉄鉱石2.98トンを装入した。同時にスラグの流動性
確保と溶銑の脱硫を促進させるため、スラグの塩基度1.
25、アルミナ12.5重量%、マグネシア10.0重量%になる
ように石灰石、蛇紋岩、硅石等の副原料を装入した。
発明の方法で操業した。炉内のスクラップと鉄鉱石の層
頂部が二次羽口レベル下まで降下したので、溶銑8トン
(T.Fe=98重量%と想定)に相当するスクラップ5.91ト
ンと鉄鉱石2.98トンを装入した。同時にスラグの流動性
確保と溶銑の脱硫を促進させるため、スラグの塩基度1.
25、アルミナ12.5重量%、マグネシア10.0重量%になる
ように石灰石、蛇紋岩、硅石等の副原料を装入した。
次に溶解工程に入り、一次羽口から1000Nm3/h、二次
羽口から600Nm3/hの酸素(支燃性ガス)を吹き込んだ。
同時に一次羽口から微粉炭を吹き込んだが、第1表に示
す微粉炭を使用する場合、COを生成する炭素と酸素の化
学量論的な比率(炭素の化学当量と酸素の化学当量が等
しくなる流量比率)は、微粉炭1kgに対し酸素0.644Nm3
であるから、発生するガスを全量COおよびH2にするには
微粉炭は1552Kg/hでよいが、溶融還元および浸炭するた
めの未燃焼炭素を生成させるため、22470Kg/hの微粉炭
を吹き込んだ。
羽口から600Nm3/hの酸素(支燃性ガス)を吹き込んだ。
同時に一次羽口から微粉炭を吹き込んだが、第1表に示
す微粉炭を使用する場合、COを生成する炭素と酸素の化
学量論的な比率(炭素の化学当量と酸素の化学当量が等
しくなる流量比率)は、微粉炭1kgに対し酸素0.644Nm3
であるから、発生するガスを全量COおよびH2にするには
微粉炭は1552Kg/hでよいが、溶融還元および浸炭するた
めの未燃焼炭素を生成させるため、22470Kg/hの微粉炭
を吹き込んだ。
溶解中、炉内原料の層頂部高さを1分間隔で測定し、
層頂部が炉底から2m(二次羽口レベルの直下)になった
時に、一次羽口および二次羽口からの酸素と微粉炭の吹
き込みを停止した。
層頂部が炉底から2m(二次羽口レベルの直下)になった
時に、一次羽口および二次羽口からの酸素と微粉炭の吹
き込みを停止した。
この後、未溶解スラップと鉄鉱石を炉内に残存させた
まま、出銑口から溶銑とスラグを排出した。結果を第3
表に本発明例1として示す。
まま、出銑口から溶銑とスラグを排出した。結果を第3
表に本発明例1として示す。
(本発明例2) 用いた炉は、本発明例1と同じ炉とし、この炉の上方
にスクラップを連続的に投入するための装置を設けた。
また、鉄源と燃料は第1表および第2表に示すものを用
いた。
にスクラップを連続的に投入するための装置を設けた。
また、鉄源と燃料は第1表および第2表に示すものを用
いた。
以上の設備、鉄源および燃料を使用して、連続的に溶
銑を製造する操業を行った。まず、炉口からコークスを
一次羽口の上部、即ち炉口から1.8mのレベルまで装入し
てコークス充填層を形成させた。次に炉口からスクラッ
プと副原料(石灰石、蛇紋岩、硅石)を装入し、炉底か
ら3.5mの高さまで充填した。そして、一次羽口から酸素
1000Nm3/hと微粉炭1552kg/hを吹き込んだ。この微粉炭
の供給速度は、酸素1000Nm3/hと反応してCOを生成させ
るのに必要な化学量論的に相当する。二次羽口からは酸
素600Nm3/hを吹き込んでスクラップの溶解を行った。ス
クラップ充填層の層頂部高さをサウンジングロッドで計
測しながら操業を進め、スクラップと鉄鉱石を炉口から
連続的に装入して充填層頂部高さが常に3.5mとなるよう
に調節した。なお、スクラップと鉄鉱石の割合は重量比
で3:1である。
銑を製造する操業を行った。まず、炉口からコークスを
一次羽口の上部、即ち炉口から1.8mのレベルまで装入し
てコークス充填層を形成させた。次に炉口からスクラッ
プと副原料(石灰石、蛇紋岩、硅石)を装入し、炉底か
ら3.5mの高さまで充填した。そして、一次羽口から酸素
1000Nm3/hと微粉炭1552kg/hを吹き込んだ。この微粉炭
の供給速度は、酸素1000Nm3/hと反応してCOを生成させ
るのに必要な化学量論的に相当する。二次羽口からは酸
素600Nm3/hを吹き込んでスクラップの溶解を行った。ス
クラップ充填層の層頂部高さをサウンジングロッドで計
測しながら操業を進め、スクラップと鉄鉱石を炉口から
連続的に装入して充填層頂部高さが常に3.5mとなるよう
に調節した。なお、スクラップと鉄鉱石の割合は重量比
で3:1である。
出銑口は開放しておき、生成した溶銑とスラグは出銑
口から連続的に排出されるようにした。
口から連続的に排出されるようにした。
スタート時のコークスおよびスクラップの充填層が燃
焼され、溶解されてなくなった後の定常操業が可能にな
った時点で、微粉炭の吹き込み量を2755kg/hに上げ、ス
クラップと鉄鉱石の装入量をそれぞれ7.5t/h、3.8t/hと
し、副原料の石灰石、蛇紋岩、硅石の装入量を、それぞ
れ760kg/h、133kg/h、20kg/hとして操業を続けた。
焼され、溶解されてなくなった後の定常操業が可能にな
った時点で、微粉炭の吹き込み量を2755kg/hに上げ、ス
クラップと鉄鉱石の装入量をそれぞれ7.5t/h、3.8t/hと
し、副原料の石灰石、蛇紋岩、硅石の装入量を、それぞ
れ760kg/h、133kg/h、20kg/hとして操業を続けた。
また、微粉炭の吹き込み量は、生成するスラグ中のFe
Oを分析してFeOが2.0重量%以下になるように調整し
た。
Oを分析してFeOが2.0重量%以下になるように調整し
た。
本実施例の操業条件および操業結果を、本発明例2と
して第3表に示す。
して第3表に示す。
(比較例) 前記した(e)法を比較例として操業した。使用炉は
本発明例1と同じ炉とし、鉄鉱石は第1表に示すもの、
塊コークスおよび微粉炭は第2表に示すものを用いた。
本発明例1と同じ炉とし、鉄鉱石は第1表に示すもの、
塊コークスおよび微粉炭は第2表に示すものを用いた。
まず、二次羽口レベルまで塊コークスを装入し、その
上にスクラップと鉄鉱石を炉壁肩部まで装入した。その
後一次羽口から酸素1000Nm3/hと微粉炭1400Kg/hを、二
次羽口から酸素600Nm3/hを吹き込み、スクラップと鉄鉱
石が完全に溶解するまで操業を続けた。溶解完了後、溶
銑とスラグを出銑口から排出した。その結果を比較例と
して第3表に示す。
上にスクラップと鉄鉱石を炉壁肩部まで装入した。その
後一次羽口から酸素1000Nm3/hと微粉炭1400Kg/hを、二
次羽口から酸素600Nm3/hを吹き込み、スクラップと鉄鉱
石が完全に溶解するまで操業を続けた。溶解完了後、溶
銑とスラグを出銑口から排出した。その結果を比較例と
して第3表に示す。
塊コークスを使用しない本発明例1(バッチ操業)と
本発明例2(連続操業)、塊コークスを用いた比較例の
それぞれ操業結果を示した第3表から次のことが分か
る。
本発明例2(連続操業)、塊コークスを用いた比較例の
それぞれ操業結果を示した第3表から次のことが分か
る。
本発明例1と比較例を比べると、溶銑成分では、本発
明例1が比較例よりCが底く、Sが高い。本発明例1の
場合、炉下部にコークス充填層が形成されていないた
め、還元雰囲気が弱いことと、溶銑中炭素も溶融還元に
作用していたためと考えられる。
明例1が比較例よりCが底く、Sが高い。本発明例1の
場合、炉下部にコークス充填層が形成されていないた
め、還元雰囲気が弱いことと、溶銑中炭素も溶融還元に
作用していたためと考えられる。
スクラップと鉄鉱石の使用量をみると本発明例1の方
が多いが、溶銑のCが少ない代わりに鉄分が多くなって
おり、鉄歩留は変わらない。
が多いが、溶銑のCが少ない代わりに鉄分が多くなって
おり、鉄歩留は変わらない。
排ガス温度、ガス利用率とも大差がなく比較例と同等
の燃料の燃焼効率および顕熱の利用率が達成されてお
り、酸素原単位、燃料比、溶解時間も大きな差はない。
の燃料の燃焼効率および顕熱の利用率が達成されてお
り、酸素原単位、燃料比、溶解時間も大きな差はない。
バッチ操業の本発明例1と連続操業の本発明例2を比
較すると、第3表に示されているように、本発明例2で
は常時スクラップおよび鉄鉱石が供給されているので、
排ガス温度が低く、無駄に排出される熱量が少なくなっ
ている。このため、本発明例1の燃料使用量が330kg/t
であるのに対し、本発明例2の場合は271kg/tであり、
約18%節減されている。
較すると、第3表に示されているように、本発明例2で
は常時スクラップおよび鉄鉱石が供給されているので、
排ガス温度が低く、無駄に排出される熱量が少なくなっ
ている。このため、本発明例1の燃料使用量が330kg/t
であるのに対し、本発明例2の場合は271kg/tであり、
約18%節減されている。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の方法によれば、高炉に
比較して操業の自由度の高い転炉型筒型炉を使用し、鉄
源としてスクラップと鉄鉱石を、燃料として安価で資源
的に豊富な微粉炭等の燃料を使用して銑鉄を製造するこ
とができる。
比較して操業の自由度の高い転炉型筒型炉を使用し、鉄
源としてスクラップと鉄鉱石を、燃料として安価で資源
的に豊富な微粉炭等の燃料を使用して銑鉄を製造するこ
とができる。
本発明方法では、鉄鉱石の溶融還元も支障なく行われ
るから、スクラップの供給が不足する事態が生じた場合
でも、鉄源不足のために操業に支障を来すようなことは
ない。また高価な塊コークスを使用しないため、低コス
トで製銑できるという大きな利点がある。
るから、スクラップの供給が不足する事態が生じた場合
でも、鉄源不足のために操業に支障を来すようなことは
ない。また高価な塊コークスを使用しないため、低コス
トで製銑できるという大きな利点がある。
第1図は、筒型炉内の未溶解原料の上に新原料が装入さ
れた状態を示す略式断面図、 第2図は、溶解中の状態を示す略式断面図、 第3図は、溶解後の状態を示す略式断面図、 第4図は、溶銑とスラグが排出された後の状態を示す略
式断面図、である。 1は筒型炉、2は炉口、3は一次羽口、4は二次羽口、
5は出銑口、6は未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層、7は新たに装入されたスクラップと鉄鉱石の層、8
および10は支燃性ガス、9は粉状固体、気体、または液
体の燃料、11は溶銑とスラグ。
れた状態を示す略式断面図、 第2図は、溶解中の状態を示す略式断面図、 第3図は、溶解後の状態を示す略式断面図、 第4図は、溶銑とスラグが排出された後の状態を示す略
式断面図、である。 1は筒型炉、2は炉口、3は一次羽口、4は二次羽口、
5は出銑口、6は未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層、7は新たに装入されたスクラップと鉄鉱石の層、8
および10は支燃性ガス、9は粉状固体、気体、または液
体の燃料、11は溶銑とスラグ。
Claims (3)
- 【請求項1】炉上部にガスの排出と原料装入用の炉口
を、炉壁下部に一次羽口を、その上部炉壁に二次羽口
を、炉底に出銑口をそれぞれ備えた筒型炉を使用するこ
と、二次羽口レベル以上までスクラップと鉄鉱石の充填
層を形成させること、一次羽口から支燃性ガスと気体、
液体または粉状固体の炭素含有物質を、二次羽口から支
燃性ガスをそれぞれ吹き込むこと、および一次羽口から
吹き込む炭素含有物質中の炭素が、その炭素含有物質中
の酸素および上記一次羽口から吹き込まれる支燃性ガス
中の酸素と結合して一酸化炭素を生成する化学量論的炭
素量よりも過剰になるように調整すること、を特徴とす
る溶銑の製造方法。 - 【請求項2】生成した溶銑とスラグを炉底の出銑口から
排出しつつ炉口からスクラップと鉄鉱石を装入し、その
スクラップと鉄鉱石の充填層の上端を二次羽口レベル以
上に維持して連続的に操業する特許請求の範囲第1項記
載の溶銑の製造方法。 - 【請求項3】下記からの工程を繰り返すことを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の溶銑の製造方法。 炉底部に残存する未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層の上に、二次羽口レベル以上までスクラップと鉄鉱石
を装入してそれらの充填層を形成させる工程、 一次羽口から前記未溶解スクラップと未溶解鉄鉱石の
層に支燃性ガスと気体、液体または粉状固体の炭素含有
物質を、二次羽口から前記スクラップと鉄鉱石の充填層
に支燃性ガスをそれぞれ吹き込み、しかも、一次羽口か
ら吹き込む炭素含有物質中の炭素が、その炭素含有物質
中の酸素および一次羽口から吹き込まれる支燃性ガス中
の酸素と結合して一酸化炭素を生成する化学量論的炭素
量よりも過剰になるように調整する工程、 スクラップと鉄鉱石の充填層頂部が一次羽口レベル以
上の所定のレベルまで降下したら、炉内に未溶解スクラ
ップと未溶解鉄鉱石の層を残存させたまま、溶銑および
スラグを排出する工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16458788A JP2666385B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 溶銑の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16458788A JP2666385B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 溶銑の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0215106A JPH0215106A (ja) | 1990-01-18 |
JP2666385B2 true JP2666385B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=15796010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16458788A Expired - Lifetime JP2666385B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 溶銑の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666385B2 (ja) |
-
1988
- 1988-06-30 JP JP16458788A patent/JP2666385B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0215106A (ja) | 1990-01-18 |
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