JP2760155B2 - 溶銑の製造方法 - Google Patents

溶銑の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、製鋼用転炉に類似す
る筒型炉を用いスクラップと鉄鉱石を鉄源とする溶銑の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄源としてのスクラップは、転炉
製鋼時の冷材として少量使用されているが、大部分は電
気炉において溶解精錬されてきた。しかし電気料金の高
い我が国では、その使用量の増加にともない消費電力が
著しく増大し、スクラップを使用する利点が失われつつ
ある。
【0003】このようなことから、溶解熱源を電力より
安いコークスや石炭などの炭材に求め、転炉型溶解炉
(以下、転炉と略記する)によりスクラップを溶解しよ
うとする次のような転炉スクラップ溶解法が提案されて
いる。製鋼時の熱勘定改善方法(特公昭56−8085号公
報)、リアクター製鉄方法および装置(特開昭57−19
8206号公報)、スクラップの溶解精錬方法(特開昭62
−47417 号公報)、溶銑の製造方法(特開平1−7561
4 号公報)など。
【0004】これらの方法は、スクラップ配合率を高め
るかあるいはスクラップだけを使用する転炉製鋼法であ
る。しかしながら、スクラップの需給バランスは非常に
不安定なものであり、需要が多くなればその価格が高騰
してスクラップを使用する製銑法および製鋼法はコスト
的に不利になる。
【0005】そこで本出願人は、スクラップとともに鉄
鉱石を鉄源として使用する溶銑の製造方法を開発して先
に特許出願を行った(特開平1−290711号)。この特開
平1−290711号公報の方法では、図1に示すように、炉
壁下部に支燃性ガスと必要に応じて燃料を吹き込む一次
羽口3-1 と、その上部炉壁に支燃性ガスを吹き込む二次
羽口3-2 と、炉底に溶銑とスラグを排出する出銑口5と
を備えた転炉型の筒型炉1を用いる。この筒型1により
溶銑を製造するには、まず炉内下部にコークス充填層7
を、その上にスクラップと鉄鉱石を主体とする充填層
(以下、これを鉄源充填層と記すことがある)8を形成
する。そして下部のコークス層7に一次羽口3-1 から支
燃性ガス(または更に燃料)を吹き込み、下記 (1)式の
反応を起こさせ、その反応熱によりコークス層充填7を
高温に保持する。 C+1/2 O2→CO+29,400 kcal/kmol・C …(1) 。
【0006】この (1)式で発生したCOは、鉄源充填層8
内で、二次羽口3-2 から吹き込まれる支燃性ガスと下記
(2)式の反応(二次燃焼)を起こす。この反応熱はスク
ラップと鉄鉱石の加熱および溶融に利用される。 CO+1/2 O2→ CO2+67,590 kcal/kmol・CO …(2) 。
【0007】ここで溶融した鉄鉱石(溶融酸化鉄)は、
下部のコークス充填層7に滴下し、高温のコークスと下
記 (3)式の反応によりすみやかに還元される。 Fe2O3 +3C→2Fe+3CO−108,090 kcal/kmol・Fe2O3 …(3) 。
【0008】上記 (3)式の反応のとき、近くに CO2が存
在しないため、 (3)式の反応が阻害されることはない。
また (1)式および (3)式の反応で発生したCOは、鉄源充
填層8内で二次燃焼を起こし、それらの加熱と溶融に有
効に利用される。
【0009】以上のように、上記特開平1−290711号公
報に示した方法は、転炉内の反応帯をコークス充填層
と、スクラップと鉄鉱石の充填層の2つに分け、下部の
コークス層で溶融酸化鉄の還元を行うと同時に可燃性ガ
スを発生させ、このガスを上部のスクラップと鉄鉱石の
層内で燃焼させ、それらの加熱と溶融を行うようにした
ものである。これにより、転炉に類似した小型で簡単な
構造の炉で、しかも高い燃料利用効率でスクラップと鉄
鉱石とから溶銑を製造することが可能になった。
【0010】しかしながら、この方法では炉壁に設けた
わずか数本の羽口から常温の支燃性ガス(酸素または酸
素を含むガス)を吹き込むので、特に炉径が大きくなる
とガスジェットを中心部まで到達させることが難しく、
スクラップの溶解と鉄鉱石還元が不均等になり、炉内原
料の荷下がりが不均一になって操業が不安定になる。
【0011】また一次羽口と二次羽口から多量の支燃性
ガスを吹き込むので羽口寿命が短く、羽口冷却のために
プロパン等の液化石油ガスを吹き込むと製造コストが高
くなる。さらに、最後まで残った鉱石等は炉壁近くで溶
解することになるので、炉壁の損傷が激しい。また、炉
の修理や休止の場合、炉内下部に固着した残留物(コー
クス、スラグ、地金などの混合物)を一次羽口と二次羽
口から多量の酸素を吹き込んで溶解するといった処置が
必要になるが、そうすると羽口を損傷するばかりでな
く、炉壁耐火物の損傷も著しくなる。
【0012】なお、本出願人は上記特開平1−290711号
公報の製銑法を応用して、一次羽口と二次羽口に加えて
上吹きランスを設け、上吹きランスから支燃性ガスおよ
び/または燃料の一部をスクラップ充填層に上吹きする
方法を先に提案した(特開平2−213407号…A26506 の
こと…) 。しかし、この方法で使用する炉は、依然とし
て二次羽口を有する筒型炉であり、ランスから吹き込む
支燃性ガスはこの二次羽口から吹き込む支燃性ガスを補
う程度のものに過ぎない。そのため、前述の問題点を解
決するには不十分である。
【0013】一方、近年における鋼の材質の高級化の一
つとして、低硫黄鋼の製造が増大しており、低硫黄銑の
安価な製造法の確立が要望されている。これに応じるべ
く、本出願人は、上記特開平1−290711号公報の製銑法
の改良法として、筒型炉の底吹羽口(図1の3-3)から溶
解が完了した炉内の溶銑に脱硫剤を吹き込む方法(特願
平1−181397号)、筒型炉の炉底部に蓄積中のスラグお
よび溶銑が底吹きガスで炉内にフォーミング層を形成す
る時期以降に、そのフォーミング層に一次羽口および/
または二次羽口から脱硫剤を吹き込む方法(特願平2−
137344号)を提案した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように本出願
人が先に提案した特開平1−290711号公報の製銑法は、
小型の筒型炉を用いて高い燃料利用効率でスクラップと
鉄鉱石とから溶銑を製造することができる。しかし、二
次燃焼域は特に高温で、しかも酸化雰囲気であるため、
二次羽口およびその周辺耐火物の溶損が他の部位に比べ
て著しくなり、羽口寿命および炉体寿命が短いという問
題がある。また、寿命延長のため二次羽口の冷却用不活
性ガスを大量に使用すると、熱的に不利となるばかりで
なく、支燃性ガス供給量が制約されて生産性の向上を阻
害することになる。
【0015】上記の問題点を解決するため、前掲の特開
平2−213407号公報では上吹きランスを用いて支燃性ガ
スを補助的に供給する方法を提案した。しかし、この上
吹きランスは、その先端をスクラップ層の上に位置させ
て使用する方法であって、充填層内にランスを直接挿入
して支燃性ガスを吹き込むのではない。これは、ランス
として水冷ランスを使用することを前提としたため、そ
の先端を高温のスクラップ層内まで下ろすとランスが損
傷して水蒸気爆発等の危険性があるからである。従っ
て、スクラップ層の上に位置したランスから吹き込む支
燃性ガスだけで二次燃焼を効果的に行わせるのは難し
く、二次燃焼率をさらに向上させることができないない
という問題が残されている。そのため、筒型炉にはどう
しても二次羽口を設けなければならなかった。
【0016】一方、筒型炉を用いて低硫黄銑を製造する
方法として提案した前記特願平1−181397号および特願
平2−137344号公報の発明においては、底吹羽口あるい
は一次羽口および/または二次羽口が常時、溶銑とスラ
グあるいはそのフォーミング層に浸漬しているため、羽
口およびその周辺耐火物の溶損が加速され、羽口寿命お
よび炉体寿命が短い。
【0017】本発明の目的は、前記筒型炉による溶銑の
製造方法および低硫黄銑の製造方法をさらに発展させ、
羽口および周辺耐火物の溶損を防止し、羽口冷却用の不
活性ガス吹き込みによる熱的ロスと支燃性ガス供給量の
制約とを解消して、熱効率および生産性を向上できるよ
うにすると共に、低硫黄銑の製造もできる溶銑の製造方
法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、下記と
の組み合わせ、およびこれらと更にとの組合せを特
徴とする溶銑の製造方法を要旨とする。
【0019】炉上部に開口部を、炉下部に一次羽口を
それぞれ有する筒型炉と、上下に昇降可能に懸垂された
消耗式ランスとを使用すること、上記筒型炉の炉底か
ら一次羽口を含むレベルまでコークスの充填層を形成さ
せ、その上部にスクラップおよび鉄鉱石を主体とする充
填層(鉄源充填層)を形成させ、この層内に上記のラン
スの先端を位置させた状態で一次羽口から支燃性ガス又
は支燃性ガスと燃料とを吹き込み、上記のランスから支
燃性ガスを吹き込んでスクラップおよび鉄鉱石を主体と
する充填層を加熱溶融して還元すること、鉄源充填層
が溶解した後、ランスを降下させてその先端を溶銑(厳
密には溶銑とスラグの混在層であるが、ここでは単に溶
銑と記す)内に浸漬し、このランスから不活性ガスをキ
ャリヤーとして精錬剤を吹き込むこと。
【0020】本発明において使用する筒型炉の一次羽口
は炉体の下部炉壁に設ける。炉の下部には出銑口、排滓
口またはこれらを兼ねた排出口を設ける。また炉の開口
部の上方にはランスの支持昇降装置の外に、排ガス回収
設備を設けるのが望ましい。
【0021】本発明方法を実施する場合は、炉壁上部の
二次羽口は必要としないが、炉自体に二次羽口、あるい
は更に炉底羽口を設けておくことは何ら差し支えない。
【0022】消耗式ランスとしては、溶銑成分に影響を
与えない材質のものならどんなものでもよいが、通常の
ガス配管用鋼管のような鋼管が最も安価で簡便である。
その外面をマグネシアれんが等でコーティングすれば耐
久性が向上する。
【0023】溶銑内に浸漬したランスから不活性ガスを
キャリヤーとして吹き込む精錬剤は低硫黄銑の製造を目
的とする場合は生石灰粉のような脱硫剤である。その
他、低燐銑の製造を目的として酸化鉄と生石灰粉を混合
した脱燐剤を吹き込むなど、目的に応じて種々の精練剤
を吹き込むことができる。
【0024】上記の本発明方法は、コークス充填層と鉄
源充填層とを順次交互に装入して連続的に操業すること
もできる。この場合は、ランスの先端は最下部の鉄源充
填層内、または前記のとおり溶銑中に位置させることに
なる。
【0025】本発明方法において使用する鉱石は通常の
鉄鉱石の外に、Mn、Cr、Mo、Niなどを多く含む鉱石また
はこれらの酸化物を使用することができる。また、これ
らの鉱石類およびコークスとともに、珪石、石灰石、蛇
紋岩、蛍石などの副原料を装入することができる。スク
ラップとしてもステンレス鋼スクラップのような高合金
スクラップを使用して、その中の有用元素を再利用する
ことが可能である。鉄鉱石等は炉の上部開口部からだけ
でなく、粉状にして一次羽口および/またはランスから
吹き込んでもよい。
【0026】一次羽口およびランスから吹き込む支燃性
ガスはO2含有ガスである。一次羽口からは支燃性ガスと
ともに粉体、液体または気体の助燃用燃料を吹き込むこ
ともできる。
【0027】ランスは、水冷しない消耗式のものである
が、前記のとおりその表面を耐火物でコーティングして
寿命延長を図るのが望ましい。ランスの昇降装置として
は、従来の転炉ランスの昇降装置と同じようなものが使
用できるが、その先端位置を確認する下記の検出装置を
付属させておくことが必要である。
【0028】本発明方法において重要なことは、ランス
の先端を溶解操業中に鉄源充填層(連続操業の場合は、
一番下の鉄源充填層)内に位置させることである。これ
は次のようにして行うことができる。すなわち、炉体側
壁の高さ方向に複数個配置したファイバースコープで炉
内の装入物を監視し、あるいはサウンジング計測によっ
て装入物の層高を求める。一方、溶解中の上吹きランス
の先端位置は、例えばランスの先端付近から高さ方向に
間隔をおいて複数個埋め込んだ熱電対による温度測定、
あるいは溶損による断線状況の検知によって求める。そ
して、スクラップと鉄鉱石の溶解およびランスの溶損の
進行に合わせてランスパイプを昇降させればよい。
【0029】低硫黄銑を製造する場合は、炉底に溜まっ
た溶銑(溶銑とスラグの混在層)内に浸漬したランスか
ら脱硫剤を吹き込む。脱硫剤として一般的なのは CaOを
主成分とする粉体である。 CaO以外に CaCO3、CaF2ある
いは金属Alを混合した粉体であってもよい。脱硫剤吹き
込み中のランスの溶損も前記のようにランスに埋め込ん
だ熱電対等を用いて検出することができる。
【0030】
【作用】以下、図面を用いて本発明の溶銑の製造方法を
さらに説明する。
【0031】図2は、本発明の溶銑製造方法を連続的に
実施する場合の筒型炉の断面および原燃料の装入状態を
模式的に示した図である。まず、通常の操業を行う場合
には、筒型炉1の最下部にコークス充填層7を、その上
部にスクラップと鉄鉱石を主体とする鉄源充填層8を形
成する。ランス4は、鉄源充填層8を形成する途中にお
いて、炉内に装入してその先端を鉄源充填層8内部に位
置させる。
【0032】次に次回溶解用のコークス充填層7Aを置
き、さらにその上部に鉄源充填層8Aを形成する。このよ
うな原燃料の装入状態にしておいて、一次羽口3-1 から
支燃性ガス(あるいはさらに燃料)を、ランス4から支
燃性ガスを吹き込んで鉄源充填層8を溶解する。このと
き、鉄源充填層8の層内にランス4から吹き込まれた支
燃性ガスが均一に分散されるので、前記 (2)式に示す二
次燃焼が効率的に進行する。溶解の進行に合わせてラン
ス4を降下させ、その先端を常に最下層の鉄源充填層内
に位置するように調整するので、この層内での二次燃焼
は常に効率よく行なわれ、前記の図1に示したような炉
壁上部の二次羽口3-2 は不必要になる。ランスは水冷式
ではないから、溶損しても水蒸気爆発等の危険はない。
【0033】本発明の方法は、一回の原燃料の装入、溶
解を終了させて溶銑およびスラグを排出してから、再度
装入、溶解を繰り返すバッチ式で操業することもでき
る。連続操業の場合には、原燃料は開口部2のレベルま
で常時積み上げるように溶解途中において連続的に装入
するのがよい。これによってスクラップ装入時の衝撃や
高温排ガスでランスパイプが受けるダメージを軽減する
ことができる。このようにして、スクラップと鉄鉱石を
鉄源として熱効率よく溶銑を製造することができる。
【0034】低硫黄銑を製造する場合は鉄源充填層8が
溶解して炉底に溶銑とスラグ9が適量形成された時点で
支燃性ガスの供給を停止し、ランス4を降下させてその
先端が溶銑、スラグ層9内に浸漬するようにし、例えば
N2ガスをキャリヤーとして脱硫剤を吹き込む。このよう
にすれば、炉底に脱硫剤吹き込み用の羽口を別途設ける
必要がなく、従って、この羽口の溶損による炉の寿命の
短縮という問題がなくなる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明の溶銑の製造方法
を具体的に説明する。
【0036】この実施例では図2に示す構造の筒型炉を
用いた。この炉は直径1.5m、炉底から炉開口部までの高
さ3.6m、内容積6.0m3 である。炉壁には一次羽口3-1 が
炉底から0.8mの高さ位置に90°間隔で4本設置され、炉
上部には消耗式ランス4が上下に昇降可能に懸垂して設
置されている。このランス4は、市販のガス管( JIS規
格65A)製の内径67.9mmで外面をマグネシヤ耐火物でコ
ーティングしたものである。炉底中央部に出銑口5、炉
底から0.6m上の炉壁に排滓口6がそれぞれ設けられてい
る。
【0037】原料のスクラップは、最大寸法0.4m角、嵩
比重 3.5t/m3の普通鋼プレス屑 (鉄純度99%) を用い
た。原料の鉄鉱石、コークスおよび一次羽口から吹き込
んだ微粉炭の組成をそれぞれ表1および表2に示す。ま
た、粉体脱硫剤の配合組成を表3に示す。
【0038】まず、コークス(石灰石、蛇紋岩、珪石等
の媒溶剤を含む)を炉底から一次羽口上部のレベルまで
装入してコークス充填層を形成し、その上にスクラップ
と鉄鉱石を装入しその充填層を形成させた。この途中に
おいて、ランスをスクラップと鉄鉱石の充填層の中間レ
ベルより下方の高さ位置で充填層内に配置した。次い
で、次回溶解用のコークスとスクラップおよび鉄鉱石と
を順次装入した後、一次羽口およびランスから、表4の
送風条件にしたがって純O2と微粉炭および羽口冷却N2
吹き込んで溶解を進行させた。
【0039】ランスの先端が鉄源充填層内に常時位置す
るように、鉄源充填層の下降をサウンジング装置で測定
し、下降速度に応じてランスを徐々に降下させた。所定
量の溶解が完了した時点でランスからのO2供給を停止し
てランスを降下させ、スラグ、溶銑内にパイプを浸漬さ
せた後、N2ガスをキャリアとして脱硫剤を表5に示す吹
き込み条件で吹き込み溶銑を脱硫した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【比較例】前記の図1に示すように一次羽口、二次羽口
および炉底羽口を有する筒型炉を使用した。炉の基本仕
様は実施例で用いたものと同じである。操業条件は、二
次羽口と底吹羽口からの吹き込み条件を表4、表5に示
したようにしたこと以外、実施例と同じである。
【0046】表6に実施例の操業諸元および操業成績を
比較例と対比して示した。実施例1と2、および比較例
1と2は、それぞれ鉱石使用比率を25、50重量% (鉄換
算)とした場合である。
【0047】表6の実施例1と比較例1および実施例2
と比較例2を対比すると、それぞれ燃料原単位が 4.6%
および 4.9%、O2原単位が 4.8%および5%低減されて
いることがわかる。また、溶解時間はそれぞれ14.3%と
13.8%短縮されている。この結果から、本発明方法で
は、比較例の方法に比べ燃料消費量およびO2消費量が減
って、しかも溶解時間が短縮され、熱効率の高い溶解が
行われていることが明らかである。
【0048】また、二次羽口周辺の耐火物溶損は 50
%、底吹羽口周辺の耐火物の溶損は60%強、全部位平均
耐火物溶損はそれぞれ25%、30%低減している。これに
より、本発明法方法では、耐火物の溶損が少ない操業が
できることも明らかである。なお、実施例で使用した炉
には炉壁の二次羽口および底吹羽口はないが、これらに
該当する部分を調査した。
【0049】表6の溶銑中の硫黄(S)の含有量に示さ
れるとおり、低硫黄銑の製造においても、本発明方法
は、底吹羽口を使用した比較例の方法と同等の効果を奏
している。
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】本発明法によれば小型の筒型炉を用いて
スクラップと鉄鉱石とから効率よく溶銑を製造すること
ができる。即ち、炉口から装入するランスを使用するこ
とによって熱効率が高くなり、燃料の節減と生産性の向
上が図られ、しかも二次羽口、底吹羽口を使用しなくて
もよいので羽口や炉壁耐火物の損傷を最低限にすること
ができる。更に、硫黄含有量の少ない溶銑を製造できる
等、その効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
図1は、筒型炉による従来の溶銑製造方法を説明する概
略断面図、図2は、本発明を実施する筒型炉の断面およ
び原燃料の装入状態を示す図、である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 11/00 - 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に開口部を、下部に一次羽口をそれぞ
    れ有する筒型炉と、上下に昇降可能に懸垂された消耗式
    ランスとを使用し、上記筒型炉の炉底から一次羽口を含
    むレベルまでコークスの充填層を形成させ、その上部に
    スクラップおよび鉄鉱石を主体とする充填層を形成さ
    せ、このスクラップおよび鉄鉱石を主体とする充填層内
    に上記のランスの先端を位置させた状態で一次羽口と上
    記のランスから支燃性ガスを吹き込んでスクラップおよ
    び鉄鉱石を主体とする充填層を加熱溶融して還元するこ
    とを特徴とする溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】スクラップおよび鉄鉱石を主体とする充填
    層が溶解した後、ランスを降下させてその先端を溶銑内
    に浸漬し、このランスから不活性ガスをキャリヤーとし
    て精錬剤を吹き込むことを特徴とする請求項1の溶銑の
    製造方法。
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