JP2979788B2 - 溶銑の製造方法 - Google Patents

溶銑の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、筒型炉を使用し鉄鉱
石とスクラップを鉄源として溶銑を製造する操業方法の
改善、特に棚吊り、吹抜け等の炉況悪化に対応できる操
業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、銑鉄はその大部分が高炉によって
製造されている。高炉製銑法そのものは、永年にわたる
改良が積み重ねられて銑鉄の大量生産技術としては極め
て優れたものとなっている。しかし、高炉製銑法は、鉄
源としては焼結鉱を、燃料(還元剤)としては高品質の
コークスを使用するものであり、利用できる原燃料の制
約がある。また、近年の高炉は巨大化し、しかも一旦火
入れした後は停止、再起動が簡単にはできないため、鋼
材需要の変動に応じる柔軟性に乏しい。
【0003】上記のような従来の高炉製銑法の問題点を
解消すべく、本出願人は製鋼用の転炉に類似する筒型炉
を使用し、鉱石とスクラップを鉄源として用いる新しい
製銑方法および製造装置を提案した(特開平1−290711
号公報、特開平3−150309号公報)。その銑鉄製造方法
では図4に模式的に示すような転炉型式の筒型炉1を用
いる。この筒型炉1は図示のように、炉上部に炉内ガス
の排出と原料装入用の開口部(炉口)2、炉壁下部に支
燃性ガスと必要に応じて燃料を吹き込む一次羽口3、そ
の上部炉壁に支燃性ガスを吹き込む二次羽口4、炉底に
出銑口5とスラグを排出する排滓口10を備えている。こ
の炉は、傾動でき、出銑量調整のために炉底に湯溜部を
有する構造のものが望ましい。
【0004】上記筒型炉1を用いて溶銑を製造するに
は、まず炉内下部にコークス充填層7を、その上にスク
ラップと鉄鉱石の充填層8を形成させる。そして下部の
コークス層7に一次羽口3から支燃性ガス(酸素または
酸素含有ガス)を吹き込んで下記 (1)式の反応を生じさ
せ、その反応熱によってコークス層7を高温に保つ。
【0005】 C+1/2O2 →CO+29,400kcal/kmol ・C …(1) 上記 (1)式で発生したCOは、スクラップと鉄鉱石の充填
層8で二次羽口4から吹き込まれる支燃性ガスと下記
(2)式の反応(2次燃焼)を起こす。その反応熱はスク
ラップと鉄鉱石の加熱および溶融に利用される。
【0006】 CO+1/2O2 → CO2+67,590kcal/kmol ・CO …(2) この反応で溶融した鉄鉱石(溶融酸化鉄)は下部のコー
クス充填層7に滴下して高温のコークスと下記 (3)式よ
り反応してすみやかに還元される。
【0007】 Fe2O3 +3C→2Fe+3CO−108,090kcal/kmol・Fe2O3 …(3) 上記 (3)式の反応のとき、近くに CO2が存在しないか
ら、 CO2で (3)式の反応が阻害されることはない。そし
て(1)式および (3)式で発生したCOはスクラップと鉄鉱
石の充填層8内で2次燃焼するために、それらの加熱と
溶融に有効に利用さて高い燃料効率が達成される。
【0008】以上のように本出願人が先に提案した上記
溶銑の製造方法によれば、転炉型式の筒型炉でスクラッ
プと鉄鉱石から熱効率よく溶銑を製造することができる
が、実際の操業ではフラッディング(吹き上げ)や棚吊
りが生じて炉況が不調にならないようにすることが重要
である。
【0009】しかし、鉄鉱石の配合比率を高めた操業を
すると、スクラップと鉄鉱石の充填層中の鉄鉱石の比率
が多くなり、フラッディングや棚吊りの発生頻度が増加
して操業が不安定になる。そして極端な場合は炉況不調
が慢性化して出銑量の低下を招き、操業諸元(原単位)
が悪化することがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、筒型炉を使
用してスクラップと鉄鉱石を用いて溶銑を製造するのに
際して鉄鉱石の配合比率が高い場合でもフラッディング
や棚吊りを防止して、炉況を安定に維持し、生産効率の
悪化を抑制できる操業方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは筒型炉内に
コークス充填層とスクラップと鉄鉱石の充填層を形成
し、鉄鉱石の配合比率を高めた操業時に炉内が不安定に
なる炉況を詳細に観察し、炉況不調を改善する手段につ
いて検討を重ねた結果、下記の知見を得た。即ち、 (a) フラッディングにより吹き上げられる物はフォーミ
ングした FeOを主成分とするスラグである。
【0012】(b) 鉄鉱石配合比率が高くなると、フラッ
ディングによる吹き上げ量が増加し、上部の温度の低い
充填層内に付着固化して棚吊りを生ずる。
【0013】(c) 棚吊りが発生すると、炉内ガスの流れ
が偏る。そしてガス流のアンバランスが拡大すると、棚
吊りが非定常に棚落ちし、温度の低い鉱石等が炉下部に
流入して固着し、炉の有効容積を減少させるとともに炉
冷をひきおこす。さらにガス流れの偏りに基づく充填層
内の熱交換の悪化によって熱効率が低下して炉冷をひき
おこす。このため出銑量が低下する。
【0014】(d) 筒型炉内にコークス充填層と鉄鉱石充
填層を交互に形成し、一次羽口から支燃性ガスを吹き込
んで酸化鉄を還元した後、スクラップ充填層を追加形成
して、一次羽口および二次羽口から支燃性ガスを吹き込
んでスクラップと還元鉄とを溶解することにより、フラ
ッディングや棚吊りが防止され操業が安定化する。
【0015】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
のであり、その要旨は下記の溶銑の製造方法にある。
【0016】上部にガスの排出と原料装入用の炉口を、
炉壁下部および/または炉底に一次羽口を、その上部炉
壁に単段または複数段の二次羽口を、炉底または炉壁下
部に出銑口と底吹羽口を有する筒型炉を使用し、炉底か
ら一次羽口を含むレベルまでコークスの充填層を形成さ
せ、その上に二次羽口を含むレベルまで鉄鉱石の充填層
とコークスの充填層とを交互に複数層形成させた後、一
次羽口から支燃性ガスと燃料を吹き込んで鉄鉱石を還元
し、その還元が完了した時点で前記複数層の上にスクラ
ップの充填層を形成させ、一次羽口から支燃性ガスと燃
料を、二次羽口から支燃性ガスを吹き込むことを特徴と
する溶銑の製造方法。
【0017】
【作用】図を用いて本発明の方法を説明する。
【0018】図1は、本発明方法を実施する筒型炉の原
料装入状態を模式的に示すもので、図の (a),(b),(c),
(d),(e)はそれぞれ下記の工程a、b、c、d、eに相
当する。
【0019】装置としては図1に示すように上部にガス
の排出とスクラップ、鉄鉱石およびコークスの装入のた
めの炉口(開口部)2を有し、炉壁下部に一次羽口3、
その上部に二次羽口4を有する筒型炉1を用いる。溶解
操作は下記の5つの工程で構成される。
【0020】a.炉口2からまずコークスおよび所要の
副原料を装入して炉底から一次羽口3を含むレベルまで
コークス充填層7-1 を形成させ、その上に交互に鉄鉱石
充填層8A-1、コークス充填層7-2 、鉄鉱石充填層8A-2、
コークス充填層7-3 を、複数層形成させる第1の装入工
程。
【0021】b.一次羽口3から支燃性ガスと必要に応
じて燃料を吹き込み、鉄鉱石を還元して還元鉄層8B-1、
8B-2を製造する還元工程。
【0022】c.鉄鉱石の還元が終了した時点で上記複
数層の上にスクラップ充填層8Cを形成させる第2の装入
工程。
【0023】d.一次羽口3から支燃性ガスと必要に応
じて燃料を吹き込み、二次羽口4から支燃性ガスを吹き
込んで還元鉄とスクラップとを溶融して、溶銑9Aを製造
する溶融工程。
【0024】e.生成した溶銑9Aおよびスラグ9Bを炉か
ら排出する出銑工程。
【0025】ここで、aおよびbの操作を行う目的は、
下部のコークス充填層7-1 内において一次羽口3から吹
き込む支燃性ガスにより、コークスと燃料とを前記 (1)
式により部分酸化燃焼させ、COを主成分とするガスを製
造して、燃焼発熱によりコークス充填層7-1 を高温に保
持し、上部に形成された鉄鉱石充填層8A-1内の鉄鉱石を
次の (4)式により還元させるためである。
【0026】 Fe2O3(固体)+3CO=2Fe(固体)+3CO2 +6480 kcal/kmol・CO …(4) なお、鉄鉱石充填層8A-1の還元で上記 (4)式で生成した
CO2 は、コークス充填層7-2 で次の (5)式によりCOに変
成され、その上方にある鉄鉱石充填層8A-2も上記(4)式
により還元される。
【0027】 C+CO2 =2CO−38190 kcal/kmol・C …(5) このようにすれば還元鉄層8B-1、8B-2を形成させること
ができる。
【0028】次に、cおよびdの操作を行う目的は、下
部のコークス充填層7-1 内において一次羽口3から吹き
込む支燃性ガスにより、コークスと燃料とを前記 (1)式
により部分酸化燃焼させ、COを主成分とするガスを製造
してコークス充填層7-1 を高温に保持し、かつ上部の還
元鉄層8B-1、8B-2およびスクラップ充填層8C内で、二次
羽口4から吹き込む支燃性ガスにより、下部で発生する
COを主成分とするガスを前記 (2)式により二次燃焼させ
るためである。
【0029】このようにすれば上部の二次燃焼の発熱に
より還元鉄とスクラップとを加熱溶融し溶鉄を生成さ
せ、これを重力により下部のコークス充填層7-1 内に滴
下させることができる。このときの滴下物は還元鉄の溶
融物であり、 FeOを主成分とする鉄鉱石溶融スラグより
粘性が低い。従って鉄鉱石溶融スラグのように下部で発
生するCOによりフォーミングして、さらにCOで上部へ吹
き飛ばされてフラッディングや棚吊りを生ずることはな
いので、鉄鉱石の配合比率が高くても安定した操業を行
うことができる。下部のコークス充填層7-1 は前記 (1)
式の部分酸化反応により高温に加熱されているため、生
成した溶鉄は高温のコークスにより浸炭され、溶銑9Aと
なる。
【0030】生成した溶銑9Aとスラグ9Bはeの操作によ
り炉外に排出され、次回の一連の操業につながる。なお
排滓および出銑は、炉内で溶銑9Aと自然分離したスラグ
9Bが排滓口10より上のレベルにあり、溶銑9Aが排滓口10
より下のレベルにある時、炉体を傾動してスラグ9Bを排
滓口10から排出し、この後溶銑9Aを出銑口5から排出し
て行われるが、炉体を傾動せず出銑口5から溶銑9Aとス
ラグ9Bを排出してもよい。
【0031】ここで、aおよびcの装入操作において炉
内に装入する鉄鉱石とスクラップの量はbの還元操作で
生成した還元鉄とcの装入操作で装入したスクラップと
をdの溶解操作で加熱溶解すべき量とし、炉内に装入す
るコークスの量もbの還元操作およびdの溶解操作にお
いて消費する量とする。しかし、bの溶解操作において
下部に形成させるコークス充填層7-1 内のコークス量は
装入するコークス量に一致させる必要はなく、むしろ消
費する量より多い一定の量とすることが望ましい。一定
の量とは、コークスの充填層高さが装入時は一次羽口レ
ベルより上に位置し、bの還元操作が完了した時点でも
一次羽口レベルより下に位置することがない量である。
この場合、dの溶解操作終了時点において炉内にコーク
スが残留することになるが、この残留コークスは次回に
繰越し使用されることになる。
【0032】本発明方法の実施に際しては、一次羽口を
炉底または/および炉側壁に設置し、二次羽口をその上
方に一段ないしは複数段配置するのがよい。二次羽口は
bの還元操作が完了した時点における還元鉄層の下端に
位置させることが、二次燃焼発熱を還元鉄とスクラップ
の加熱溶融に活用する上において望ましい。これはコー
クス充填層7-1 の直上に位置する還元鉄とスクラップが
二次燃焼発熱により加熱溶融され、生成した溶鉄が直ち
にコークスと接触して浸炭されやすくするためである。
さらに一次羽口からは支燃性ガスとともに燃料を吹き込
む方が望ましい。その理由は、鉄鉱石の使用比率が増加
するとコークス比の増加を余儀なくされ、この場合、コ
ークスの占有空間が増加するからである。したがって、
小型の筒型炉の場合、スクラップと鉄鉱石を装入する空
間の余裕が取れなくなる事態が発生する。燃料を使用し
てコークスの使用量を節減することにより、スクラップ
と鉄鉱石の装入空間を確保することができる。さらにb
の還元操作完了時点のコークス充填層7-1 の高さを一次
羽口レベルより上に調整することができる。
【0033】一次羽口および二次羽口から吹き込む支燃
性ガスは、O2またはO2を含有するガスである。一次羽口
から支燃性ガスとともに、吹き込む燃料は微粉炭や重
油、天然ガスなどの気体または液体の燃料を用いるのが
望ましい。
【0034】なお、上記の方法において、炉口から装入
する鉱石は、通常の鉄鉱石の外にMn、Cr、Mo、Niなどを
多く含む鉱石またはこれらの酸化物を使用することがで
きる。また、これらの鉱石類およびコークスとともに、
珪石、石灰石、蛇紋岩、蛍石などの副原料を装入するこ
とができる。スクラップとしても、ステンレス鋼スクラ
ップのような高合金スクラップを使用してその中の有用
元素を再利用することが可能である。
【0035】また、 CaOなどの脱硫剤を炉底に設けた羽
口(図示せず)から吹き込んで低硫黄銑を製造すること
もできる。
【0036】前記dの溶解操作中、還元鉄とスクラップ
の溶解の進行とともに、炉内に空間的な余裕が生ずるの
で次回の溶解に消費すべきコークスと鉄鉱石とをスクラ
ップ充填層8Cの上部に交互に順次装入することができ
る。そして溶解操作の後半で、還元鉄層とスクラップの
充填層から排出される高温ガスにより装入されたコーク
スと鉄鉱石が加熱される。したがって溶解後半の排ガス
顕熱は次回の溶解操作に利用されることになり、結果と
して熱効率の改善に結びつけることができ、小型の筒型
炉でも連続溶解が可能となる。
【0037】前記dの溶解操作中、鉄鉱石充填層8B-1と
8B-2との間および鉄鉱石充填層8B-2とコークス充填層8C
との間にはコークス充填層7-2 、7-3 が存在する。した
がって単段の二次羽口から支燃性ガスを吹き込むと、そ
の一部がコークスの燃焼に無駄に消費されることにな
る。このため先に本出願人が特開平3−111505号公報に
おいて開示したように、複数段の二次羽口を設け還元鉄
層およびスクラップ充填層が二次羽口レベル面に存在す
るときだけ支燃性ガスを吹き込むのが望ましい。
【0038】以下、本発明の実施例を比較例とともに説
明する。
【0039】
【実施例】この例は図1で説明した操業の例である。
【0040】炉としては直径1.5m、炉底から炉口までの
高さ3.6m、内容積 6.0m3の転炉筒型炉を使用した。一次
羽口は炉底から1.4mの炉側壁に90度間隔で4本設置し、
二次羽口は炉底から2.0mの炉側壁に90度間隔で4本設置
した。出銑口は炉底中心に排滓口は炉底から 0.73m上方
の炉側壁に設置した。
【0041】原料としては最大寸法0.4m、嵩密度3500kg
/m3 のスクラップ (鉄純度99%) および表1に示した塊
鉱石を使用した。燃料は表2に示したコークスと微粉炭
を使用した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】操業の基本条件としては、一次羽口から吹
き込む支燃性ガスとして酸素を使用し、送酸量は1000Nm
3/h とした。同時に微粉炭を還元期は600kg/h 、溶解期
は1400kg/hで吹き込んだ。また、二次羽口から吹き込む
支燃性ガスとしても酸素を使用し、流量は800Nm3/hとし
た。1チャージで製造すべき溶銑量は8トンとし、スク
ラップとともに使用する鉱石の使用比率を75% (鉄分換
算値)の条件に設定し、前述した工程操作に従って溶銑
を製造した。
【0045】なお還元期の終了の判定は送酸量と微粉炭
から持ち込まれる酸素量との和で示されるInput O2と排
ガス流量および組成から算出されるCO、 CO2、 H2O中の
酸素量であるOutput O2 がほぼ等しくなったと判断され
る時点とした。具体的には(Output O2 − Input O2)/
(Output O2) ≦0.05で還元終了と判定した。
【0046】〔比較例〕溶解開始前に炉内にスクラップ
充填層を形成させ、二次羽口前で鉄鉱石とスクラップと
を同時に溶解し、溶融鉄鉱石スラグは下部コークス充填
層で還元して溶銑を製造したこと以外は実施例と同じ操
業を行った。
【0047】図2および図3は溶銑製造時の炉内装入物
パターンおよび送酸、燃料吹き込みパターンの推移を示
す図であり、図2は実施例の還元期、溶解期分離型操業
パターン、図3は比較例の溶解、還元同時進行型操業パ
ターンを示す。
【0048】表3に操業結果を実施例と比較例とを対比
して示す。同表から明らかなように実施例では排ガス平
均温度がほぼ 160℃、排ガス平均利用率がほぼ36%に一
定になっており、フラッディングは完全に防止され、棚
吊りも発生しなかった。即ち、本発明方法により炉況を
安定化することができ、生産量のばらつきを小さくし安
定した低い酸素および燃料消費量で溶銑を製造すること
ができた。
【0049】これに対し比較例では二次羽口レベル以上
で強熱下でスクラップおよび鉄鉱石を溶融させ、一次羽
口の高温強還元雰囲気中で溶融酸化鉄を還元しているの
で、安定した操業が行える範囲では実施例より高い熱効
率が得られた。しかし、吹き抜けが発生して排ガス平均
温度が 660℃に上昇し、排ガス平均利用率が13%に低下
する頻度が増加し、棚吊り回数も1チャージ平均5回に
達した。即ち、比較例では安定操業が困難であり、目標
生産量を達成できないばかりでなく、生産性の低下、酸
素および燃料消費量増大を招いた。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高炉に比較して
はるかに小型で簡便な筒型炉を使用し、かつ鉄源として
高配合比率の鉱石とともにスクラップを使用して、柔軟
性に富んだ製銑を行うことができる。しかも吹き抜けや
棚吊りの発生が防止されるので、安定した炉況で操業が
できる。従って目標生産量に合致した生産を行うことが
容易であるとともに生産性の向上、燃料や酸素の消費量
の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の工程を模式的に示すもので、
(a)図は第1の装入工程、(b)図は還元工程、
(c)図は第2の装入工程、(d)図は溶融工程、
(e)図は出銑工程における炉内装入物の状態を示す。
【図2】本発明の実施例である還元期、溶解期分離型操
業パターンにおける炉内装入物パターンおよび送酸、燃
料吹き込みパターンの推移を示す図である。
【図3】溶解、還元同時進行型操業パターンの比較例に
おける図2と同様の図である。
【図4】本発明方法の実施に使用する筒型炉とその原料
装入状態を模式的に示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部にガスの排出と原料装入用の炉口を、
    炉壁下部および/または炉底に一次羽口を、その上部炉
    壁に単段または複数段の二次羽口を、炉底または炉壁下
    部に出銑口を有する筒型炉を使用し、炉底から一次羽口
    を含むレベルまでコークスの充填層を形成させ、その上
    に二次羽口を含むレベルまで鉄鉱石の充填層とコークス
    の充填層とを交互に複数層形成させた後、一次羽口から
    支燃性ガスを吹き込んで鉄鉱石を還元し、その還元が完
    了した時点で前記複数層の上にスクラップの充填層を形
    成させ、一次羽口および二次羽口から支燃性ガスを吹き
    込むことを特徴とする溶銑の製造方法。
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