JPH1161284A - 焼結鉱の還元粉化性の評価試験方法 - Google Patents

焼結鉱の還元粉化性の評価試験方法

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JPH1161284A
JPH1161284A JP22052297A JP22052297A JPH1161284A JP H1161284 A JPH1161284 A JP H1161284A JP 22052297 A JP22052297 A JP 22052297A JP 22052297 A JP22052297 A JP 22052297A JP H1161284 A JPH1161284 A JP H1161284A
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reduction
pulverized coal
sinter
blast furnace
coke
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JP22052297A
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English (en)
Inventor
Koichi Ichikawa
孝一 市川
Hidetoshi Noda
英俊 野田
Noboru Sakamoto
登 坂本
Hideaki Sato
秀明 佐藤
Takashi Watanabe
隆志 渡辺
Shoichi Mutsukawa
庄一 六川
Takanori Inokuchi
孝憲 井ノ口
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉炭吹込み高炉操業で、焼結鉱の還元粉化
発生温度域での滞留時間を正確に評価し、現実の高炉操
業条件下における還元粉化発生域でのガスの還元ポテン
シャルを正確に評価し、低SiO2 焼結鉱の還元粉化性
を適正評価する。 【解決手段】 炉内物質移動と熱移動をモデル化し(5,
2) 、高炉操業に応じた条件により上記モデルで還元粉
化温度域での滞留時間を算出する(4) 。向流移動層での
気固伝熱特性モデルを用いる。微粉炭吹込量に応じてシ
ャフトガスに含まれる水素量等を算出する(6) 。こうし
て算出された還元粉化温度域での焼結鉱滞留時間及び水
素混合量等に基づき焼結鉱の適正還元粉化試験を行なう
(12)。 【効果】 低SiO2 焼結鉱使用により高炉の炉内反応
状態が変化しても、これに応じて焼結鉱の還元粉化特性
を適切に評価できるので、焼結鉱の品質特に還元粉化性
に関する過剰品質管理が防止され適正化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、従来、高炉への
一般的な燃料供給方法であったコークスの炉頂からの装
入方式に対して、広くは微粉炭吹込み操業等、高炉への
燃料供給方法が従来と異なる操業形態に変化したことに
応じた、高炉への装入原料焼結鉱の還元粉化性の評価方
法に関するものであり、特に、このように燃料装入方法
の変化に対して低SiO2 焼結鉱の還元粉化特性を適切
に評価しようとする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉で溶銑を製造するために、従来、主
原料としての焼結鉱、燃料としてのコークス、及び造滓
材としての石灰等が炉頂から装入されている。高炉内に
装入された焼結鉱は炉内上部の500〜600℃の温度
領域を通過する間に、初期の還元を受ける。即ち、焼結
鉱中のヘマタイト相が還元されてマグネタイト相に変化
する。この相変化には体積膨張を伴うので、焼結鉱は粉
化現象を起こす。この焼結鉱の粉化が進むと、高炉内の
通気性が悪くなり、炉況の不安定化と出銑量の低下をま
ねく。従って、焼結鉱の物性として、この還元粉化性は
一定値以下に管理されている。
【0003】焼結鉱の還元粉化性の評価方法としては、
一般に、日本鉄鋼協会製銑部会により制定された還元粉
化指数(RDI)があり、広く使われている。この方法
は、粒径15〜20mmの焼結鉱を550℃に昇温し、
CO:30vol.% 及びN2 :70vol.% からなる混合ガ
スで30分間還元する。冷却後、小型タンブラで900
回転させた後、3mmの篩で篩分け、3mm以下のもの
の割合で表わすというものである。このRDIによる焼
結鉱の還元粉化性の管理値については、高炉の特性及び
操業条件に依存するが、通常は3mm以下割合を40%
前後とするように管理されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近、炉頂
から装入するコークスの一部代替として、微粉炭を高炉
下部から吹き込む、微粉炭吹込み技術が開発された。微
粉炭吹込み(PCI)によりコークス装入比率を減らす
ことができ、原料炭使用量及び溶銑製造コストが低減さ
れる。また、微粉炭吹込み量の増加によりその効果も大
きくなる。しかし、炉頂から供給される燃料であるコー
クのス装入比率が減少し、炉下部から供給される微粉炭
吹込み量が増加したことにより、高炉内の固体装入物と
ガスとに分配される熱量の比、熱流比(固体熱容量/ガ
ス熱容量)が変化している。即ち、炉頂からのコークス
装入のみの場合に対して、微粉炭吹込み量が増えると共
に、熱流比が小さくなる。その結果、原料の昇温速度は
上昇し、500〜600℃の還元粉化温度域に保持され
る時間が短縮される傾向にある。また、微粉炭吹込みに
より、微粉炭の燃焼・分解時に水素が発生し、シャフト
ガス中に還元速度を早める水素の含有率が増える。従っ
て、ガス量の増加、ガス酸化度の低下、水素の上昇によ
りシャフトガスの還元ポテンシャルが高くなる。
【0005】このように、微粉炭吹込み操業による熱流
比低下により、炉内装入物が還元粉化温度域に保持され
る時間が短縮され、一方、還元性ガスの還元ポテンシャ
ルが高くなる。ところが、現状は、微粉炭吹込み操業下
で使用される焼結鉱に対しても、還元粉化性の評価試験
は、従来通りの試験条件で行なわれている。従って、そ
の評価試験では、実操業における高炉内の焼結鉱の還元
粉化性が反映されていない。特に、最近のように、焼結
鉱の鉄分含有量を高めるために、SiO2 含有率を低く
した焼結鉱においては、ヘマタイトの増加及びスラグ量
の減少により、一般に還元性(JIS−RI)に優れ、
高炉内の通気性を改善し、また環境上処理の必要な高炉
するスラグの発生量が低減するなどの優位性をもつもの
の、還元粉化が進み易くなっている。しかしながら、同
時に微粉炭吹込み操業が普及しつつあるので、それによ
る炉内温度分布の変化による還元粉化抑制効果も考慮し
た評価試験が行なわれなければならない。従って、従来
の評価試験条件では、過剰に過酷な評価結果になってお
り、必要以上に耐還元粉化性に優れた焼結鉱を用いるこ
ととなっている。
【0006】この発明の課題は、微粉炭吹込みが行なわ
れる高炉操業の、具体的な操業条件下における炉内温度
分布を明らかにし、焼結鉱が還元粉化の発生する温度域
である500〜600℃の温度区間の滞留時間を正確に
評価すること、及び、上記具体的条件下における500
〜600℃の炉内温度域のガスの還元ポテンシャルを正
確に評価する方法を確立することである。
【0007】かくして、この発明の目的は、上記課題を
解決することにより、微粉炭吹込み高炉操業で使用され
る焼結鉱、特に、低SiO2 含有率焼結鉱の還元粉化性
を適正に評価し、還元性(JIS−RI)等他の優れた
焼結特性を有効に利用する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、焼結鉱の還元粉化性の適正な評価方法を開発
するために鋭意研究を重ねた。
【0009】本発明者等は、実操業の高炉炉内における
熱移動を評価する適切なモデルを設定し、これに基づき
高炉における操業条件を用いて高炉の炉内温度分布を正
確に求めることができ、且つ、500〜600℃の温度
域を装入物が通過するに要する時間を正確に求めること
ができることを知見した。
【0010】この発明は上記知見に基づきなされたもの
であり、請求項1記載の焼結鉱の還元粉化性の評価試験
方法は、次の通りである。高炉のオールコークス操業に
おいて使用される原料焼結鉱に対する還元粉化性の評価
試験方法において、高炉における現実の操業がオールコ
ークス操業であると微粉炭吹込み操業であるとを問わず
当該現実の操業条件に依存することなく、還元粉化性の
前記評価試験における前記焼結鉱の還元時間及び還元ポ
テンシャルをそれぞれ予め一定値に定め、これら一定値
に定められた定還元時間及び定還元ポテンシャルのそれ
ぞれに対して、下記(a)〜(c)、及び、(d)〜
(f)のそれぞれの工程により当該現実の操業条件に応
じた補正をし、こうして適正に補正された標準還元時間
の間、こうして適正に補正された標準還元ポテンシャル
を有する雰囲気で、下記工程(g)で調製された試料に
ついて試験することに特徴を有するものである。
【0011】(a)前記オールコークス操業における前
記高炉の炉内装入物及びガスに関する気体・固体間の熱
移動を評価するモデルを設定し、この熱移動モデルに基
づき、当該オールコークスの現実の操業条件を用いて前
記高炉の炉内温度分布を推定する。 (b)上記(a)で推定された前記炉内温度分布、及び
当該オールコークスの現実の操業条件を用いて、前記原
料焼結鉱が前記炉内の500〜600℃の温度領域を通
過するのに要する焼結鉱滞留時間を算定する。 (c)上記(b)で算定された前記焼結鉱滞留時間に応
じて、前記定還元時間を補正し、当該オールコークス操
業時に使用する焼結鉱の還元粉化試験で採用する還元時
間である標準還元時間を定める。
【0012】更に、 (d)前記オールコークス操業における前記高炉シャフ
ト部における総括物質収支モデルを設定し、この総括物
質収支モデルに基づき、当該オールコークスの現実の操
業条件を用いて前記高炉のシャフトガス組成及びシャフ
トガス流量を推定する。 (e)上記(d)で求められた当該オールコークス操業
時の前記シャフトガス組成及びシャフトガス流量を用い
て、前記シャフト内還元ポテンシャルを算定する。 (f)前記(e)で算定された前記シャフト内還元ポテ
ンシャルに応じて、前記定還元ポテンシャルを補正し、
当該オールコークス操業時に使用する焼結鉱の還元粉化
試験で採用する還元ポテンシャルである標準還元ポテン
シャルを定める。
【0013】(g)当該オールコークス操業において使
用する前記原料焼結鉱と同じロットと認定されるロット
の焼結鉱の一部を採取し、還元粉化性評価試験用の試料
に調製する。
【0014】請求項2記載の焼結鉱の還元粉化性の評価
試験方法は、次の通りである。高炉の炉内に微粉炭を吹
き込みながら溶銑を製造する微粉炭吹込み操業において
使用される原料焼結鉱に対する還元粉化性の評価試験方
法において、請求項1記載の発明の方法を、予め複数種
のオールコークス操業条件下で実施し、前記複数種の操
業条件の中から下記(h)の工程で選定される選定標準
操業において使用される原料焼結鉱に対する還元粉化性
評価試験において採用される標準還元時間である選定標
準還元時間、及び標準還元ポテンシャルである選定標準
還元ポテンシャルのそれぞれに対して、下記(i)〜
(k)、及び、(l)〜(n)のそれぞれの工程により
当該現実の微粉炭吹込みに応じた補正をし、こうして適
正に補正された適正還元時間の間、及びこうして適正に
補正された適正還元ポテンシャルを有する雰囲気で、下
記工程(o)で調製された試料について試験することに
特徴を有するものである。
【0015】(h)シャフト部における熱効率が当該微
粉炭吹込み操業時の値と同じであるオールコークス操業
を、前記複数のオールコークス操業から選定する。 (i)前記微粉炭吹込み操業における前記高炉の炉内装
入物及びガスに関する気体・固体間の熱移動を評価する
モデルを設定し、この熱移動モデルに基づき、当該微粉
炭吹込みの現実の操業条件を用いて前記高炉の炉内温度
分布を推定する。 (j)上記(i)で推定された前記炉内温度分布、及び
当該微粉炭吹込みの現実の操業条件を用いて、前記原料
焼結鉱が前記炉内の500〜600℃の温度領域を通過
するのに要する焼結鉱滞留時間を算定する。 (k)上記(j)で算定された前記焼結鉱滞留時間に応
じて、前記選定標準還元時間を補正し、当該微粉炭吹込
み操業時に使用する焼結鉱の還元粉化試験で採用する還
元時間である適正還元時間を定める。
【0016】更に、 (l)前記微粉炭吹込み操業における高炉シャフト部に
おける総括物質収支モデルを設定し、この総括物質収支
モデルに基づき、当該微粉炭吹込みの現実の操業条件を
用いて前記高炉のシャフトガス組成及びシャフトガス流
量を推定する。 (m)上記(i)で求められた当該微粉炭吹込み操業時
の前記シャフトガス組成及びシャフトガス流量を用い
て、前記シャフト内還元ポテンシャルを算定する。 (n)前記(j)で算定された前記シャフト内還元ポテ
ンシャルに応じて、前記選定標準還元ポテンシャルを補
正し、当該微粉炭吹込み操業時に使用する焼結鉱の還元
粉化試験で採用する還元ポテンシャルである適正還元ポ
テンシャルを定める。
【0017】(o)当該微粉炭吹込み操業において使用
する前記原料焼結鉱と同じロットと認定されるロットの
焼結鉱の一部を採取し、還元粉化性評価試験用の試料に
調製する。
【0018】請求項3記載の焼結鉱の還元粉化性の評価
試験方法は、請求項1及び請求項2記載の評価試験方法
において、シャフト内雰囲気の前記還元ポテンシャル
を、シャフトガス中の水素ガス含有率に応じて評価する
ことに特徴を有するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を、
図面を参照しながら説明する。図1に、この発明の焼結
鉱還元粉化性の評価試験方法を説明するフローチャート
を示す。
【0020】高炉の炉内装入物及びガスの熱移動を、向
流移動層における気固伝熱特性モデルを用い、高炉操業
条件(1)に応じてモデル解析(2)を行なう。操業条
件として、鉱石/コークス比、微粉炭吹込み量、出銑比
及び送風条件を与えて、炉内装入物の温度分布(3)を
求める。焼結鉱の還元粉化温度域とみなすことができる
500〜600℃の温度領域での焼結鉱の滞留時間
(t’)(4)を算出する。一方、総括物質収支モデル
を用い、高炉操業条件(1)を使用し、且つシャフト部
における還元平衡からのずれを仮定して標準操業時のモ
デル解析(5)を行なう。微粉炭の吹込み量に応じて発
生し混入する水素ガス量を算出し、シャフトガス成分組
成(GPCI ’)及びガス量を算出する。ここで算定する
ガス種は、H 2 、H2 O、CO、CO2 、O2 及びN2
とする。
【0021】炉内に微粉炭を吹き込まない操業(「標準
操業」)において使用する原料焼結鉱の還元粉化性を評
価するときに行なう、従来の評価試験(「標準還元粉化
試験」)における試験条件を基準とする。ここで、標準
還元粉化試験として、前述した日本鉄鋼協会製銑部会に
より制定された還元粉化指数(RDI)を求める方法
(以下、「従来法」という)を採用する。
【0022】還元所要時間に関しては、従来法において
採用されている還元時間(「標準還元時間」)t
s (7)を、下記(1)式により補正し(8)、適正還
元時間を算定する(9)。
【0023】 ta ’=ts ×(tPCI ’/tPCI=0 ’) ------------------(1) 但し、 ta ’ :適正還元時間(min) ts :標準還元時間(=30min) tPCI ’:微粉炭を所定量吹き込んだ操業時の還元温度
領域の焼結鉱の算定滞留時間(min) tPCI=0 ’微粉炭を吹き込まない操業時の還元温度領域
の焼結鉱の算定滞留時間(min) 一方、所要還元雰囲気のガス成分に関しては、従来法に
おいて採用されている還元ガスの成分組成であるCO:
30vol.% 及びN2 :70vol.% からなる混合ガスを、
上記シャフトガス成分組成GPCI ’(6)に修正し、こ
れを適正還元ガス組成(10)とする。ただし、O2
少量のため無視し、また、実用上はH2Oも無視しても
よく、H2 Oについてはその含有率をN2 含有率に加算
した組成のガスを用いても差し支えない: Ga ’=GPCI ’ ------------------------(2) 但し、 Ga ’ :適正還元ガス組成 GPCI ’:微粉炭を所定量吹き込んだ操業時の、算定シ
ャフトガスの成分組成と同一の成分組成を有するガス こうして求められた適正還元ガス組成(Ga ’)の雰囲
気で、微粉炭吹込み操業で使用する焼結鉱(11)から
粒径15〜20mmに篩分けされた焼結鉱試料を、55
0℃に昇温し、適正還元時間の間、還元する(12)。
冷却後、従来法と同じく小型タンブラで900回転させ
た後、3mmの篩で篩分け(13)、3mm以下のもの
の割合で還元粉化性を表わす、還元粉化性指数「RDI
PCI 」(14)を求めた。なお、従来法で求められた還
元粉化性指数は「RDIS 」で表わす。
【0024】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に説明
する。本発明の方法による焼結鉱の還元粉化性の評価試
験(実施例)を、上記実施の形態に基づき行なった。一
方、標準還元試験として上記従来法による評価試験(比
較例)を行なった。
【0025】表1に、実施例及び比較例における高炉の
操業条件を示す。微粉炭を高炉下部から吹込んだ。微粉
炭吹込み量(PCI量)は、0、100及び200Kg
/t装入の3水準とした。
【0026】
【表1】
【0027】実施例では、気固伝熱モデル及び総括物質
収支モデルに基づき、表1に示した各操業条件を用い、
図1に示した手順に従い、炉内温度分布を求めた後、上
記(1)式により、適正還元時間ta ’(min)を求
め、また、(2)式により適正還元ガス組成Ga ’を求
めた。次いで、上記各適正値条件を織り込んで、550
℃で焼結鉱試料の還元試験を行ない、還元粉化性指数R
DIPCI を求めた。
【0028】一方、比較例では、従来法により焼結鉱試
料の還元試験を行ない、還元粉化性指数RDIS を求め
た。表2に、実施例及び比較例の各還元試験で評価に供
した焼結鉱試料の化学成分組成を示す。供試焼結鉱の種
類(A、B、C及びD)に関しては、微粉炭吹込みによ
る焼結鉱の還元粉化温度領域での滞留時間の短縮化によ
る有利性を考慮し、特に、SiO2 含有率に注目し、通
常焼結鉱のSiO2 含有率水準である5.2wt.%から、
低SiO2 焼結鉱の3.8wt.%までの各種水準のものを
選定した。
【0029】
【表2】
【0030】表3〜5及び表6に、それぞれ実施例及び
比較例の評価試験における供試焼結鉱試料の種類(A、
B、C及びD)と、還元試験条件とを示す。表3〜5及
び表6に示した条件下で還元試験を行ない、実施例及び
比較例によるそれぞれの還元粉化性指数、RDIPCI
びRDIS を求めた。その結果を、表3〜5及び表6に
併記する。
【0031】更に、表3〜5及び表6に示した、実施例
1〜28及び比較例1〜4の試験条件下で、SiO2
有率が異なる焼結鉱種類A、B及びCを使用した操業に
おいて、高炉シャフト部における圧力損失係数(KS
を測定した。その結果を、表7〜8及び表9に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】上記結果より、下記事項がわかる。PCI
が100kg/t- pig以上の操業条件下では、RD
PCI はRDI S に比べ低下し、それと相関して圧力損
失係数KS も低下している。
【0040】このように、本発明によれば、微粉炭吹込
み条件下での高炉内における焼結鉱の還元粉化性を適切
に評価することができるので、RDIS では使用困難と
判断される低SiO2 焼結鉱であっても、RDIPCI
より使用可能と判断されるものは、実際に高炉の通気性
に悪影響を与えることなく使用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
高炉への燃料供給方法が従来の炉頂からコークスを装入
する操業に対して、コークスの一部代替として炉下部か
ら微粉炭等を吹込む操業に変化し、また、これに伴い主
原料としての焼結鉱にSiO2含有率の低いものを使用
する場合に、高炉の炉内反応状態が変化しても、これに
応じて焼結鉱の還元粉化特性を適切に評価する試験方法
を提供することができる。従って、焼結鉱の品質、特に
還元粉化性に関する品質管理が過剰に厳しくなることを
防止し、適切な品質管理をすることが可能となり、工業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の焼結鉱還元粉化性の評価試験方法を
説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 高炉操業条件 2 気固体伝熱モデル解析 3 炉内温度分布 4 滞留時間 5 総括物質収支モデル解析 6 シャフトガス成分組成及びガス量 7 標準還元時間 8 tS の補正 9 適正還元時間 10 適正還元ガス組成 11 焼結鉱試料 12 適正還元試験 13 篩分け 14 RDIPCI
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 秀明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 隆志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 六川 庄一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 井ノ口 孝憲 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉のオールコークス操業において使用
    される原料焼結鉱に対する還元粉化性の評価試験方法に
    おいて、 高炉における現実の操業がオールコークス操業であると
    微粉炭吹込み操業であるとを問わず当該現実の操業条件
    に依存することなく、還元粉化性の前記評価試験におけ
    る前記焼結鉱の還元時間及び還元ポテンシャルをそれぞ
    れ予め一定値に定め、これら一定値に定められた定還元
    時間及び定還元ポテンシャルのそれぞれに対して、下記
    (a)〜(c)、及び、(d)〜(f)のそれぞれの工
    程により当該現実の操業条件に応じた補正をし、こうし
    て適正に補正された標準還元時間の間、こうして適正に
    補正された標準還元ポテンシャルを有する雰囲気で、下
    記工程(g)で調製された試料について試験することを
    特徴とする、焼結鉱の還元粉化性の評価試験方法。 (a)前記オールコークス操業における前記高炉の炉内
    装入物及びガスに関する気体・固体間の熱移動を評価す
    るモデルを設定し、この熱移動モデルに基づき、当該オ
    ールコークスの現実の操業条件を用いて前記高炉の炉内
    温度分布を推定する。 (b)上記(a)で推定された前記炉内温度分布、及び
    当該オールコークスの現実の操業条件を用いて、前記原
    料焼結鉱が前記炉内の500〜600℃の温度領域を通
    過するのに要する焼結鉱滞留時間を算定する。 (c)上記(b)で算定された前記焼結鉱滞留時間に応
    じて、前記定還元時間を補正し、当該オールコークス操
    業時に使用する焼結鉱の還元粉化試験で採用する還元時
    間である標準還元時間を定める。更に、 (d)前記オールコークス操業における前記高炉シャフ
    ト部における総括物質収支モデルを設定し、この総括物
    質収支モデルに基づき、当該オールコークスの現実の操
    業条件を用いて前記高炉のシャフトガス組成及びシャフ
    トガス流量を推定する。 (e)上記(d)で求められた当該オールコークス操業
    時の前記シャフトガス組成及びシャフトガス流量を用い
    て、前記シャフト内還元ポテンシャルを算定する。 (f)前記(e)で算定された前記シャフト内還元ポテ
    ンシャルに応じて、前記定還元ポテンシャルを補正し、
    当該オールコークス操業時に使用する焼結鉱の還元粉化
    試験で採用する還元ポテンシャルである標準還元ポテン
    シャルを定める。 (g)当該オールコークス操業において使用する前記原
    料焼結鉱と同じロットと認定されるロットの焼結鉱の一
    部を採取し、還元粉化性評価試験用の試料に調製する。
  2. 【請求項2】 高炉の炉内に微粉炭を吹き込みながら溶
    銑を製造する微粉炭吹込み操業において使用される原料
    焼結鉱に対する還元粉化性の評価試験方法において、 請求項1記載の発明の方法を、予め複数種のオールコー
    クス操業条件下で実施し、前記複数種の操業条件の中か
    ら下記(h)の工程で選定される選定標準操業において
    使用される原料焼結鉱に対する還元粉化性評価試験にお
    いて採用される標準還元時間である選定標準還元時間、
    及び標準還元ポテンシャルである選定標準還元ポテンシ
    ャルのそれぞれに対して、下記(i)〜(k)、及び、
    (l)〜(n)のそれぞれの工程により当該現実の微粉
    炭吹込みに応じた補正をし、こうして適正に補正された
    適正還元時間の間、及びこうして適正に補正された適正
    還元ポテンシャルを有する雰囲気で、下記工程(o)で
    調製された試料について試験することを特徴とする、焼
    結鉱の還元粉化性の評価試験方法。 (h)シャフト部における熱効率が当該微粉炭吹込み操
    業時の値と同じであるオールコークス操業を、前記複数
    のオールコークス操業から選定する。 (i)前記微粉炭吹込み操業における前記高炉の炉内装
    入物及びガスに関する気体・固体間の熱移動を評価する
    モデルを設定し、この熱移動モデルに基づき、当該微粉
    炭吹込みの現実の操業条件を用いて前記高炉の炉内温度
    分布を推定する。 (j)上記(i)で推定された前記炉内温度分布、及び
    当該微粉炭吹込みの現実の操業条件を用いて、前記原料
    焼結鉱が前記炉内の500〜600℃の温度領域を通過
    するのに要する焼結鉱滞留時間を算定する。 (k)上記(j)で算定された前記焼結鉱滞留時間に応
    じて、前記選定標準還元時間を補正し、当該微粉炭吹込
    み操業時に使用する焼結鉱の還元粉化試験で採用する還
    元時間である適正還元時間を定める。更に、 (l)前記微粉炭吹込み操業における高炉シャフト部に
    おける総括物質収支モデルを設定し、この総括物質収支
    モデルに基づき、当該微粉炭吹込みの現実の操業条件を
    用いて前記高炉のシャフトガス組成及びシャフトガス流
    量を推定する。 (m)上記(i)で求められた当該微粉炭吹込み操業時
    の前記シャフトガス組成及びシャフトガス流量を用い
    て、前記シャフト内還元ポテンシャルを算定する。 (n)前記(j)で算定された前記シャフト内還元ポテ
    ンシャルに応じて、前記選定標準還元ポテンシャルを補
    正し、当該微粉炭吹込み操業時に使用する焼結鉱の還元
    粉化試験で採用する還元ポテンシャルである適正還元ポ
    テンシャルを定める。 (o)当該微粉炭吹込み操業において使用する前記原料
    焼結鉱と同じロットと認定されるロットの焼結鉱の一部
    を採取し、還元粉化性評価試験用の試料に調製する。
  3. 【請求項3】 シャフト内雰囲気の前記還元ポテンシャ
    ルは、シャフトガス中の水素ガス含有率に応じて評価す
    る、請求項1又は2記載の焼結鉱の還元粉化性の評価試
    験方法。
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