JPH10237513A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JPH10237513A
JPH10237513A JP4500797A JP4500797A JPH10237513A JP H10237513 A JPH10237513 A JP H10237513A JP 4500797 A JP4500797 A JP 4500797A JP 4500797 A JP4500797 A JP 4500797A JP H10237513 A JPH10237513 A JP H10237513A
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JP
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coke
core
blast furnace
furnace
alkali
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JP4500797A
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Inventor
Shinichi Suyama
真一 須山
Hiroshi Irie
寛 入江
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コストの上昇を最小限に抑制しつつ炉内でのコ
ークスの粉化を抑え、安定した操業を行うことができる
高炉操業方法を提供する。 【解決手段】高炉羽口部のレースウェイ内のアルカリ金
属輝度を計測することにより炉心コークスのアルカリ成
分(Na2 OおよびK2 O)量を推定し、その値からさ
らに前記炉心コークスの温度を推定して炉心での活性化
状況を判定し、その結果に基づいて炉心の活性を維持で
きるように操業条件を変更し、高炉操業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉炉心内の活性
化状況を判定し、操業にフィードバックする高炉操業方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉は、炉上部からコークスと鉱石を層
状に装入し、炉下部の羽口から熱風を吹き込んで、コー
クスおよび鉱石と熱風とが向流する状態で鉱石の還元、
溶解を行う反応装置である。
【0003】コークスは、炉上部では鉱石とともに降下
し、ほぼ1000℃以上の温度領域で、下部から上昇す
るガス中の炭酸ガス(CO2 )あるいは水蒸気(H2
O)と反応してガス化する。その際、コークスの炭酸ガ
スや水蒸気との反応性(以下、コークスのCO2 との反
応性、あるいは単にコークスの反応性という)が高い
と、それによって、コークスは、表面のみならず内部ま
でカーボン生地が浸食された状態となるため、外部から
の応力やコークス同士の摩耗に対する抵抗力が弱く、粉
化しやすい状態となる。
【0004】炉下部の1400℃以上の高温度領域で
は、鉱石は還元、溶解されて銑鉄およびスラグとして存
在しており、コークスが形成する充填層(いわゆる炉心
と呼ばれている部分)の中を滴下する。このコークス充
填層は、羽口から吹き込まれた熱風が、羽口前にレース
ウェイを形成した後、上昇ガスとして通過する部分であ
るとともに、上述したように溶解物の滴下する部分でも
あって、その通気性、通液性を良好に維持することは高
炉の安定操業を考える上で極めて重要である。
【0005】レースウェイでは、送風された熱風中の酸
素(O2 )や水蒸気(H2 O)とコークスとの間に激し
い燃焼・ガス化反応が生じているが、このレースウェイ
内へ降下するコークスは、降下に伴う摩耗やコークス同
士の衝突により粉化し、その粉はレースウェイ内の表層
や炉心部に移動して炉心部の空間に存在し、通気性、通
液性を阻害することになる。また、炉の中央部を降下し
て、レースウェイ内に入らず炉心を形成するコークス
(以下、炉心コークスという)も、上述した1000℃
以上でのCO2 との反応と降下時の摩耗等によって劣化
し、粉化するので、同じく炉心部の通気性、通液性が損
なわれる。
【0006】炉心部での通気性、通液性を評価する指標
としては、高炉の休風時に炉心部から採取したコークス
を篩い分けして得られる粒度分布から求めた、例えば粒
径3mm未満の粉コークスの比率や、炉心コークスの推
定温度などが使用される。なお、炉心コークスの温度を
直接に測定する手段はないが、通常は、採取したコーク
スの黒鉛化度をX線回折により測定して、あらかじめ作
成しておいたコークスの履歴温度と黒鉛化度との関係
(すなわち、検量線)から推定する方法が採られる。
【0007】粉コークスの比率が低く、炉心コークスの
推定温度が高い状態の場合、炉心部での通気性、通液性
が良好であり、「炉心が活性化している」と称し、その
反対の場合、つまり、粉コークスの比率が高く、炉心コ
ークスの推定温度が低い場合は通気性、通液性が低下し
ており、「炉心が不活性である」と称している。
【0008】ところで、近年、コークスの使用量を低減
する目的で羽口から微粉炭を吹き込み、レースウェイ内
で燃焼させて燃料として使用するいわゆる微粉炭吹き込
み操業が一般化している。さらに、その吹き込み量も、
例えば200kg/銑鉄tという多量となり、コークス
比を300kg/銑鉄t程度まで低減する操業も行われ
ている。このような微粉炭吹き込み操業においてコーク
スが受ける影響を、微粉炭吹き込みのないオールコーク
ス操業(正確には、微粉炭等の補助燃料が吹き込まれて
いない操業)の場合と比較すると、微粉炭吹き込み操業
では、炉上部から装入されるコークスは鉱石に対して相
対的に少量であり、かつ、レースウェイ部では微粉炭が
燃焼するため滞留時間が長くなるので、コークスは機械
的に劣化しやすい状況になっている。
【0009】このようなコークスの粉化と、それによる
炉心部の通気性、通液性の低下は、コークスのCO2
の反応性が高いほど生じやすい。
【0010】このコークスの反応性に対して、コークス
の灰分中に含まれるアルカリ成分(Na2 O、K2 O)
が強く影響し、コークスの品質に悪影響(コークスの反
応性の増大等)を及ぼす。また、高炉内ではアルカリ成
分は循環・蓄積され、その挙動は操業条件に依存するこ
と等もよく知られている。そのため、高炉内でのコーク
スの反応性は、装入コークス中に含まれるアルカリ成分
の含有量のみではなく、装入後に炉内で吸収された(つ
まり、炉内に蓄積された)アルカリ量にも大きく依存す
る。
【0011】図1は、装入コークスの灰分に含まれるア
ルカリ成分の含有量と炉心コークスの灰分に含まれるア
ルカリ成分の含有量(図では、装入コークスもしくは炉
心コークス灰分中アルカリと表示した。なお、%は重量
%を意味する)の相関性を示した図で、実施例で用いた
内容積が2700m3 の高炉で得られた結果の一例であ
る。ここで、アルカリ成分の含有量(以下、アルカリ成
分量ともいう)とは、Na2 OおよびK2 Oの合計含有
量である。また、炉心コークスについてのアルカリ成分
量は、高炉の休風時に炉心部から採取したコークスを対
象として得られた結果である。
【0012】アルカリ成分は、高炉内で循環・蓄積され
るために、炉心コークスの灰分に含まれるアルカリ成分
量(以下、単に炉心コークスのアルカリ成分量ともい
う)は装入コークスの灰分に含まれるアルカリ成分量
(以下、単に装入コークスのアルカリ成分量ともいう)
に比較して著しく多い。さらに、装入コークス中のアル
カリ成分量が多いほど、炉心部のアルカリ成分量が多い
ことが読みとれる。
【0013】しかし、炉心コークスのアルカリ成分量
は、装入コークスのアルカリ成分量のみならず、アルカ
リ成分の排出量にも依存する。アルカリは、主にスラグ
の成分として、スラグの排出に伴って排出されるので、
装入物(鉱石、コークス)からのアルカリ蒸発量のみな
らずスラグからの再蒸発量によって異なり、後者はま
た、高炉操業条件(スラグ比、スラグ組成など)によっ
て影響されるので、極めて複雑である。
【0014】したがって、図1からは、炉心コークスの
アルカリ成分量を低減するためには、装入コークスのア
ルカリ成分量を低減することが望ましいという定性的な
ガイドラインしか得られない。
【0015】従来から、炉心部を含む高炉内の高温度領
域におけるコークスの管理指標としては、反応後強度
(Coke Strength after reac
tion、以下、CSRと記す)が広く使用されてい
る。これは、反応温度1100℃でコークスとCO2
反応させた後に、I型ドラム試験での回転試験を行い、
測定されたコークス強度である。
【0016】この測定方法からも理解されるように、こ
の指標は、ドラム強度に代表される冷間強度とコークス
の反応性に対する評価とが統合された指標であるが、測
定条件が一定のもとでの試験であり、高炉内の状況の変
化に応じたコークスの評価方法としては十分なものでは
ない。
【0017】しかしながら、炉下部におけるコークスの
性状等については、実測が困難であり、また、CSRと
高炉操業との間には、例えば、CSRの低下に伴い炉心
部のコークスの粉率(粒径3mm未満の粉コークスの比
率)が上昇する等の一定の相関関係が得られることか
ら、通常は、装入コークスのCSRが一定値(例えば、
56〜57程度)以上に維持されるように管理されてい
る。
【0018】しかし、既に述べてきたように、高炉内の
コークスの挙動は高炉操業状況によって変化するため、
一般的には、装入コークスのCSRは高炉操業変動幅を
見込んだ管理値、言い替えると過剰品質を維持しながら
管理されているのが実状である。
【0019】装入コークスのCSRを高い値に維持する
ためには、高品質の石炭を使用しなければならず、燃料
コストの上昇につながる。したがって、操業状況に必要
以上のCSRを維持することは避けなければならず、C
SRに代わるより適正な管理指標が望まれている。
【0020】これに対して、例えば、特開昭60−25
1205号公報には、レースウェイ内のアルカリ金属蒸
気の濃度を測定し、その情報を炉内におけるコークスの
挙動や性状に関連づけて、高炉操業条件を制御する方法
が開示されている。しかしながら、この方法では、レー
スウェイの温度とレースウェイ内のアルカリ金属濃度と
の関係から、レースウェイへ供給されるコークスが炉内
のどの領域(炉心側か、炉壁側か)のものであるかを定
性的に推定するに留まっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みなされたもので、高品質の石炭の使用等によ
る燃料コストの上昇を最小限に抑制しつつ炉内でのコー
クスの粉化を抑制し、炉内の通気性、通液性を良好に維
持して、安定した操業を行うことができる高炉操業方法
を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、炉心の活性化状況を判定して、こ
れを操業アクションに結びつける、という考え方のもと
に検討を重ねた。なお、炉心の活性化状況とは、上部か
らの滴下物と羽口からの熱風が炉心側まで通過している
状況にあるか、あるいは炉壁側に偏った状況にあるかを
表すもので、炉心における粉コークスの比率や炉心コー
クス温度などにより判定することができる。前述したよ
うに、炉心における粉コークスの比率が低く、コークス
の温度が高い状態の場合、「炉心が活性化した状態」に
あり、炉心部での通気性、通液性が良好に保たれる。そ
の逆の場合は、「炉心が不活性の状態」にあり、炉心部
での通気性、通液性が低下する。
【0023】この検討の結果、高炉羽口部においてレー
スウェイ内のアルカリ金属輝度を求め、炉心コークスの
アルカリ成分量、さらには炉心のコークス温度を推定し
て炉心での活性化状況を判定し、その結果を基に、高品
位炭を配合して装入コークスの品質を調整したり、高炉
羽口から吹き込む微粉炭に加えて塩基性造滓剤の吹き込
みを行ったりすることによって安定した操業を行うこと
が可能であることを確認し、本発明をなすに至った。
【0024】本発明の要旨は、下記の高炉操業方法にあ
る。
【0025】高炉羽口部のレースウェイ内のアルカリ金
属輝度を計測することにより炉心コークスの灰分中のア
ルカリ成分量を推定し、その値からさらに前記炉心コー
クスの温度を推定して炉心での活性化状況を判定し、そ
の結果に基づいて炉心の活性を維持できるように操業条
件の変更を行うことを特徴とする高炉操業方法。
【0026】ここで、「炉心での活性化状況を判定す
る」とは、前述した活性化の状況(すなわち、上部から
の滴下物と羽口からの熱風が炉心側まで通過している状
況にあるか否か)を判定することをいう。その手段とし
ては、炉心における粉コークスの比率や炉心コークス温
度などを用いることができるが、必ずしもこれに限定さ
れない。
【0027】また、「操業条件の変更を行う」とは、後
に詳述するが、例えば、装入コークスの品質を調整した
り、送風条件を変化させたりして、炉心の活性を維持で
きるように操業条件を変更することをいう。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高炉操業方法(以
下、本発明方法ともいう)について詳細に説明する。
【0029】本発明方法は、前記のように、炉心での活
性化状況を判定し、その結果に基づいて炉心の活性を維
持できるように操業条件の変更を行う方法である。炉心
での活性化状況の判定は、高炉羽口部のレースウェイ内
のアルカリ金属輝度を計測することによって炉心コーク
スのアルカリ成分量を推定し、その値からさらに炉心コ
ークスの温度を推定することによって行う。
【0030】図2は、炉心コークスの灰分中のアルカリ
成分量と、炉心コークスの温度および炉心コークスの灰
分中の酸性成分であるアルミナ(Al23)、シリカ
(SiO2 )の含有量(アルミナ、シリカ成分量)との
相関性を示した図である。炉心コークスの灰分中のアル
カリ成分量およびアルミナ、シリカ成分量(図では、炉
心コークス灰分中アルカリまたはアルミナ・シリカと表
示した。%は重量%を意味する)は、図1におけると同
様、実施例で用いた内容積が2700m3 の高炉で、休
風時に炉心部から採取したコークスを対象として得られ
た結果である。
【0031】この図2から、炉心コークスの灰分中のア
ルカリ成分量が低い場合は炉心コークスの温度が高く、
アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2 )の揮発が
進んでいることがわかる。この場合は、炉心が活性化し
ているとみることができる。一方、炉心コークス温度が
低く、特に1400℃以下の温度では、炉心コークスの
灰分中のアルカリ成分量が急上昇しており、アルミナ、
シリカ成分が炉心コークスに蓄積されるとともに、その
ような酸性成分が多いため、炉心スラグの融点が高くな
って通液性が低下していると推察される。この場合は、
炉心が不活性であると推測される。
【0032】このように、炉心コークスのアルカリ成分
量から炉心コークスの温度を推定することができ、炉心
での活性化状況を炉心コークスの温度(推定値)を介し
て判定することができる。
【0033】高炉炉心内のコークス中のアルカリ成分量
は、高炉羽口部のレースウェイ内のアルカリ金属輝度を
計測することにより推定することができる。
【0034】図3は休風前に測定したレースウェイ内の
アルカリ金属の輝度強度(Na2 OおよびK2 Oの合算
値で、ベースを100とした相対値で表示)と休風時に
採取した炉心コークスの灰分中に含まれるアルカリ成分
の含有量(図では、炉心コークス灰分中アルカリと表示
した。なお、%は重量%を意味する)の関係を示した図
で、後述する実施例で用いたものと同じ高炉で操業した
場合に得られたデータである。
【0035】この結果から、レースウェイ内のアルカリ
金属輝度強度(これは、アルカリ金属蒸気の濃度、すな
わちレースウェイ内のアルカリ金属蒸気量に依存する)
と炉心コークスの灰分中に含まれるアルカリ成分の含有
量との間には良い相関関係があり、レースウェイ内のア
ルカリ金属輝度強度の測定は、炉心コークスのアルカリ
成分量を推定する方法として十分利用可能であることが
わかる。なお、炉容や操業条件が異なる場合は、それぞ
れ同様な相関関係を求めておけばよい。
【0036】レースウェイ内のアルカリ金属輝度強度の
測定は、前記の特開昭60−251205号公報に記載
される、羽口光の分光分析によって得られるアルカリ金
属の共鳴線の強度を測定する方法など、公知の方法を応
用して行えばよい。
【0037】本発明方法では、上記のようにして判定さ
れた炉心での活性化状況に基づいて炉心の活性を維持で
きるように操業条件の変更を行うのであるが、特定の操
業条件に限定した変更を行う必要はなく、従来、炉心の
活性を高め、維持するために用いられている方法はいず
れも適用できる。
【0038】例えば、後述する実施例で用いた、高品位
炭を配合して装入コークスの品質を調整する方法、高炉
羽口から吹き込む微粉炭に加えて塩基性造滓剤の吹き込
みを行う方法の他、装入物分布の調整により炉中心部の
鉱石/コークス比を下げる方法、装入コークスの粒径を
上げる方法、羽口風速を上げる方法、等の方法を、本発
明方法で判定される炉心での活性化状況(炉心内コーク
スの温度の上昇の程度、炉心コークスの灰分中の酸性成
分の上昇の程度等)に応じて適宜行えばよい。
【0039】上記のように、本発明方法によれば、炉心
コークスの灰分中に含まれるアルカリ成分の含有量を精
度よく推定することができるので、前記の図2に示した
関係から炉心コークスの温度、および炉心コークスの灰
分中の酸性成分(アルミナ、シリカ)の蓄積量も精度よ
く推定することができ、炉心での活性化状況を的確に判
定することができる。しかも、これをオンラインで行う
ことができるので、従来、炉心部での通気性、通液性を
評価する指標として使用されてきたそれぞれ炉心コーク
スの推定温度の場合のように、月1回程度の休風時に採
取したサンプルをさらに事前処理して分析するというタ
イムラグを生じることなく、炉心部の活性度を維持し、
または、不活性時には回復のための操業アクションを迅
速にとることができ、コストの上昇を最小限に抑える適
切な操業が可能となる。
【0040】例えば、レースウェイ内のアルカリ金属輝
度強度の測定により炉心不活性の状況が検知できたとき
には、即座にCSR上昇のアクションを採れば、炉心部
でのコークスの粉化を抑制することができ、炉心部の活
性の回復を早めることができる。
【0041】また、炉心コークスの灰分中の酸性成分の
上昇に対処するためには、羽口から塩基性物質の吹き込
みを行うことで、通液性の改善を図ることも可能とな
る。
【0042】
【実施例】内容積2700m3 の高炉において、出銑比
を約2.0(出銑量:5400t/日)、装入コークス
CSRを56〜61、微粉炭比を150kg/銑鉄tと
し、本発明方法を適用して操業を行い、操業の安定性、
炉心コークスの粉率(粒径3mm未満(−3mm)の粉
コークスの比率)炉心コークス温度の推定等の調査を行
った。
【0043】操業時の装入コークスおよび炉心コークス
のアルカリ成分量等の操業条件、レースウェイ内のアル
カリ金属輝度強度、炉心コークスの粉率、炉心コークス
推定温度等を、比較例、従来例とともに表1に示す。な
お、炉心コークスのアルカリ成分量は、前記のレースウ
ェイ内のアルカリ金属輝度強度の計測結果から推定し
た。また、炉心コークスの粉率は、休風時に炉心部から
採取したコークスを篩い分けして求めたものである。
【0044】
【表1】
【0045】表1において、実施例1は、装入コークス
中のアルカリ成分量を3.0%、装入コークスのCSR
を58として操業を行った場合である。この場合は、炉
心コークスの粉率は14%で、炉心コークス推定温度も
1550℃であり、安定かつ効率の良い操業ができた。
以下、このときの操業をベース操業という。
【0046】比較例は、装入コークス中のアルカリ成分
量が上昇して、装入コークスのCSRが2%低下した場
合の操業結果である。この場合には、炉内に循環・蓄積
するアルカリ成分量が増加したため、炉心コークスのア
ルカリ成分量と粉率が増加して、炉心の通気性、通液性
が不安定になり、操業面から出銑量をベース操業並に確
保することは困難であった。
【0047】実施例2では、比較例において、レースウ
ェイ内のアルカリ金属輝度強度が115を示した時点か
ら即座に、コークス炉で製造されるコークスについては
高品位炭を配合してCSRを61へ増加させ、炉心コー
クスの粉率減少と炉心コークス温度の上昇を図った。
【0048】その結果、レースウェイ内のアルカリ金属
輝度強度がベース操業時に比べ3%の上昇に留まったこ
とからも推定されるように、炉心コークスの粉率の上昇
を1%に、炉心コークス温度の低下を20℃に止めるこ
とができ、出銑量も5400t/日を確保することがで
きた。
【0049】実施例3は、操作のタイミングについては
実施例2の場合と同様に比較例でレースウェイ内のアル
カリ金属輝度強度が115を示した時点であるが、炉心
コークスのアルミナ、シリカの上昇に起因する通液性の
悪化の改善を狙って、羽口から微粉炭の吹き込みに加え
て塩基性造滓剤の吹き込みを実施した場合である。塩基
性造滓剤としては、この場合はドロマイトを使用した
が、石灰石、マグネシアクリンカー等も使用することが
できる。
【0050】この場合も、レースウェイ内のアルカリ金
属輝度強度の上昇がベース操業時に比べ5%に留まった
ことからも推定されるように、炉心コークスの粉率の上
昇を2%に、炉心コークス温度の低下を30℃に止める
ことができ、出銑量も5400t/日を確保して、ほぼ
ベース操業時並の操業を維持することができた。
【0051】従来例は、本発明方法において行うレース
ウェイ内のアルカリ金属輝度強度の計測を実施しなかっ
た場合で、装入コークス中のアルカリ含有量の増加に伴
う炉内状況の悪化が顕在化し、前記の比較例に見られる
ように、炉心の通気性、通液性が不安定になった後に、
装入コークスのCSRの上昇によって対処しようとした
例である。実施例2におけると同様に装入コークスのC
SRを61へ上昇させるという操業アクションをとった
にもかかわらず、その対応が遅れたために炉況が十分に
回復せず、ベース操業時に比べて炉心コークスの粉率が
8%の上昇、炉心コークス温度が80℃の低下となっ
て、出銑量も5400t/日を大きく下回る結果となっ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明の高炉操業方法によれば、高品質
の石炭の使用等による燃料コストの上昇を最小限に抑制
することができ、また、多大な設備投資を必要とせず
に、炉内でのコークスの粉化を抑制し、炉内の通気性、
通液性を良好に維持して、安定した操業を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装入コークスの灰分に含まれるアルカリ成分量
と炉心コークスの灰分に含まれるアルカリ成分量の関係
を示す図である。
【図2】炉心コークスの灰分に含まれるアルカリ成分量
と、炉心コークスの温度および炉心コークスの灰分に含
まれる酸性成分(アルミナ、シリカ)との相関性を示し
た図である。
【図3】レースウェイ内のアルカリ金属輝度強度と炉心
コークスの灰分中に含まれるアルカリ成分量の関係を示
す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉羽口部のレースウェイ内のアルカリ金
    属輝度を計測することにより炉心コークスの灰分中のア
    ルカリ成分量を推定し、その値からさらに前記炉心コー
    クスの温度を推定して炉心での活性化状況を判定し、そ
    の結果に基づいて炉心の活性を維持できるように操業条
    件の変更を行うことを特徴とする高炉操業方法。
JP4500797A 1997-02-28 1997-02-28 高炉操業方法 Pending JPH10237513A (ja)

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