JP2022054397A - 高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】RW内の理論燃焼温度が適正範囲の上限を超過したとしても、炉況への悪影響を防止できる高炉操業方法を提供する。【解決手段】炉頂からコークスと鉄源原料とを交互に装入し、炉下部に設けられた羽口から熱風とともに微粉炭を吹き込む高炉操業方法であって、レースウェイでコークスを燃焼してもコークス強度の低下量が変化しない理論燃焼温度の上限温度を基準理論燃焼温度とすると、羽口からの吹き込み条件から求められるレースウェイにおける理論燃焼温度と、理論燃焼温度とレースウェイにおいて前記理論燃焼温度で燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係と、を用いて、基準理論燃焼温度で燃焼されたコークスのコークス強度である基準コークス強度からの低下量を求め、当該低下量に対応して基準理論燃焼温度以下での操業において装入していたコークスよりもコークス強度を高めたコークスを高炉に装入する。【選択図】図3

Description

本発明は、高炉操業方法に関する。
高炉操業では、炉頂から鉄鉱石や焼結鉱などの鉄源原料と、これらの還元材となるコークスとが交互に装入され、炉下部の羽口と呼ばれる送風口から熱せられた空気が送風されている。羽口先端の炉内側では、送風によって押しのけられたコークスが旋回しながら燃焼する空隙率が高いレースウェイ(以後、RWと記載する。)と呼ばれる空間が形成される。
また、近年では、羽口から100μm程度に破砕された微粉炭を還元材として吹き込みながら高炉操業を行う例も多い。羽口における操業条件の変更は、溶銑滓や炉芯に近い位置でのアクションになるので、炉頂における装入条件の変更よりも速効性が高く、炉内通気性や熱レベルの変動をはじめとした広範囲の炉況変化に対応できる。しかしながら、羽口での操業条件の変更には一定の制約がある。その制約の1つが理論燃焼温度(以後、TFTと記載する。)である。TFTは、羽口から炉内へ吹き込まれた送風や吹き込み微粉炭、さらに炉頂から降下したコークスがRWで反応し、N、CO、Hの混合ガス(ボッシュガス)となった際の温度として計算される値である。非特許文献1には、TFTが下記(2)式で算出されることが記載されている。
tf=(2450+Q+Q)/(C×V-0.3)・・・(2)
上記(2)式において、TftはTFT(℃)であり、Qは羽口先で燃焼するコークス中の炭素1kg当たりのコークス以外の還元材の燃焼ガス化反応熱(kcal/kg)、Qは羽口先で燃焼するコークス中の炭素1kgあたりの送風顕熱(kcal/kg)、Cはボッシュガス比熱(kcal/(Nm×K))、Vは羽口先で燃焼するコークス中の炭素1kg当たりのボッシュガス量(Nm/kg)である。
、Q、C、Vの値は、高炉操業における還元材や送風の原単位、組成により変化する値であるが、高炉を操業する上で一般的に測定、分析される値から算出できる。例えば、Qであれば羽口から吹き込まれる還元材の量、成分、発熱量、出銑量およびコークス比から算出できる。Qは送風量、送風組成、送風温度から算出でき、Cは送風組成から算出できる。さらに、Vも還元材使用量、還元材や送風組成から算出できる。このTFTが高温側、または、低温側に大きく変化すると安定して高炉を操業できなくなる。このため、高炉操業では、RWにおけるTFTの適正範囲を経験的に定めて管理しており、この適正範囲が羽口における操業条件変更の制約になっている。
RWにおけるTFTが適正範囲を高温側に超過した場合、RWのコークス強度低下が低下する。RWでの旋回による摩耗、酸素、二酸化炭素または水蒸気との反応によってコークスは粉化する。高炉内で発生するコークス粉の大半はRWで発生するといわれるほどである。このため、RWにおいてコークス強度が低下すると、コークスの粉化が促進されるのでRWのコークス粉が増大する。
RWで発生したコークス粉は、炉内を上昇するガスに随伴して炉内奥部に侵入し、これにより、コークス充填層の空隙率が低下する。コークス充填層の空隙率の低下は、高炉内の通気性および通融性の低下を招き、これが高炉操業の不調の原因となる。
RWにおけるTFTが適正範囲を高温側に超過するとRWのコークス強度が低下するので、RWでの旋回および反応によりコークス粉が増大し、炉況に悪影響を及ぼす。一方、RWのコークス強度の低下を抑制し、コークス粉の発生を抑制できれば、TFTの適正範囲の上限側の緩和につながり、羽口における操業条件変更の自由度を拡大できる。
RWでのコークス粉の発生を抑制する技術として、特許文献1には、高炉の炉壁側に高反応性のコークスを装入し、コークスの消費を早めることでRWでのコークスの粉化を抑制する技術が開示されている。
特開平7-278624号公報
重見彰利著、「製銑ハンドブック」、地人書館、P217
しかしながら、コークスの反応性とコークス強度とには強い負の相関関係があることが知られており、高反応性であるほどコークスのコークス強度は低くなる。このため、特許文献1に開示された技術では、高反応性のコークスを装入することでRWにおけるコークスの粉化は抑制できたとしても、コークス強度が低いために炉内を降下する際のコークスの粉化が激しくなって炉内のガス流れが変化してしまい、結果として高炉操業の安定化を実現できない、という課題があった。本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、RW内の理論燃焼温度が適正範囲の上限を超過したとしても、炉況への悪影響を抑制できる高炉操業方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]炉頂からコークスと鉄源原料とを交互に装入し、炉下部に設けられた羽口から熱風とともに微粉炭を吹き込む高炉操業方法であって、レースウェイにおいて前記コークスを燃焼してもコークス強度の低下量が変化しない理論燃焼温度の上限温度を基準理論燃焼温度とすると、前記羽口からの吹き込み条件から求められるレースウェイにおける理論燃焼温度と、前記理論燃焼温度とレースウェイにおいて前記理論燃焼温度で燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係と、を用いて、前記基準理論燃焼温度で燃焼されたコークスのコークス強度である基準コークス強度からの低下量を求め、前記低下量に対応して前記基準理論燃焼温度以下での操業において装入していたコークスよりもコークス強度を高めたコークスを高炉に装入する、高炉操業方法。
[2]前記コークス強度を高めたコークスを、少なくとも高炉の無次元半径0.3以上1.0以下の範囲内に装入する、[1]に記載の高炉操業方法.
[3]前記対応関係は下記(1)式である、[1]または[2]に記載の高炉操業方法。
ΔI=A×(Ttf-B)・・・(1)
上記(1)式において、ΔIは前記低下量であり、Ttfはレースウェイにおける理論燃焼温度(℃)であり、Bは基準理論燃焼温度(℃)であり、Aは前記対応関係から定まる定数である。
本発明に係る高炉操業方法を用いることで、理論燃焼温度が適正範囲の上限を超過したとしてもRWでのコークス粉の増加を抑制でき、炉況に悪影響を及ぼすことが抑制される。これにより、羽口での操業条件変更の自由度が高められ、高炉の安定操業に寄与できる。
高炉10の断面模式図である。 コークスの燃焼試験に用いられる実験炉20の一例を示す断面模式図である。 TFTとコークス強度との関係を示すグラフである。
図1は、高炉10の断面模式図である。図1を用いて、まず、高炉操業について説明する。高炉操業は、高炉10の炉頂から鉱石とコークスとを高炉内に交互かつ層状に装入されるとともに、高炉の炉下部に設けられた羽口16から熱風と、微粉炭等の還元材が送り込まれて実施される。高炉操業では、炉半径方向(炉口径方向)の鉱石層12とコークス層14の堆積後の形状および厚み等の分布を調整することで高炉内でのガスの流れ18を制御している。ここで、鉱石は、鉄源原料の一例であり、鉄源原料としては、鉄鉱石(鉱石)の他に、例えば、焼結鉱、ペレット、スクラップ、還元鉄が用いられる。
このような高炉操業において、羽口16は溶銑滓や炉芯に近いので、羽口16での吹き込み条件の変更は炉頂における装入条件等の変更よりも速効性があり、炉内通気性や熱レベルの変動をはじめとした広範囲の炉況変化に迅速に対応できる。例えば、高炉10から出銑される銑鉄の銑鉄温度が低下した場合には羽口16から吹込む熱風の温度を上昇させる。これにより、出銑される銑鉄の銑鉄温度を迅速に高めることができる。
一方、羽口16での吹き込み条件を大きく変更すると、RWにおけるTFTが適正範囲を超える場合がある。TFTが適性範囲内である場合に当該TFTで燃焼させたRWのコークスのコークス強度を基準コークス強度とすると、TFTが適正範囲を超えると当該基準コークス強度よりコークス強度が低下する。このコークス強度の低下によりRWのコークス粉が増加し、このコークス粉の増加によりコークス充填層の空隙率が低下し、これにより高炉内の通気性および通融性が悪化して炉況悪化の原因となる。このように羽口16の吹き込み条件の変更がかえって炉況を悪化させることになることから、羽口16での吹き込み条件の変更は、RWにおけるTFTが適正範囲内となる範囲内に限られる。
これに対して、本実施形態に係る高炉操業方法では、羽口16からの吹き込み条件を変更するにあたり、当該吹き込み条件からRWにおけるTFTを求め、TFTとRWにおいてTFTで燃焼されるコークスのコークス強度との対応関係とを用いて、当該TFTで燃焼された場合に基準コークス強度よりも低下するコークス強度の低下量を求め、当該低下量に対応して、基準理論燃焼温度以下での操業において装入していたコークスよりもコークス強度を高めたコークスを高炉10に装入する。これにより、羽口16の操業条件の変更によりTFTが適正範囲を超え、RW内のコークス強度が基準コークス強度よりも低下したとしても、その増加分以上コークス強度が高められているコークスを用いるので、RWにおけるコークス粉の増加は防止され、炉況に悪影響を及ぼすことを防止できる。
次に、RWのTFTと当該TFTで燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係について説明する。RWのTFTと該TFTで燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係は、コークスの燃焼試験を行うことにより求められる。図2は、コークスの燃焼試験に用いられる実験炉20の一例を示す断面模式図である。
実験炉20は、高炉の羽口近傍を模擬した装置であり、微粉炭ホッパー22と、微粉炭搬送管32と、微粉炭吹き込みランス34と、コークスホッパー24と、ブローパイプ36と、燃焼炉本体40とを有する。燃焼炉本体40は、400mm×1000mm×1100mmの直方体のコークス充填領域を有し、その一側面に内径65mmの羽口42が設けられている。ブローパイプ36は、燃焼炉本体40における羽口42が設けられた一側面に接続されている。また、燃焼炉本体40の上面には排気口44が設けられている。
コークスホッパー24は下部にフィーダー28と搬送管30とを有する。搬送管30は、燃焼炉本体40の上面に接続されている。コークスホッパー24に貯留されたコークス60は、フィーダー28によって定量的に送出され、搬送管30を通り、燃焼炉本体40に送り込まれる。これにより、燃焼炉本体40内にコークス60が充填される。
微粉炭ホッパー22は下部にフィーダー26を有する。また、微粉炭吹き込みランス34は、ブローパイプ36を貫通し、ブローパイプ36の内側に微粉炭吹き込みランス34の先端が突出して接続されている。
微粉炭ホッパー22に貯留された微粉炭は、フィーダー26によって定量的に送出され、微粉炭搬送管32および微粉炭吹き込みランス34を通り、ブローパイプ36内に送り込まれる。ブローパイプ36には熱風38が吹き込まれ、微粉炭吹き込みランス34から吹き込まれた微粉炭が、熱風38とともに羽口42からコークス60が充填されている燃焼炉本体40に吹き込まれる。燃焼炉本体40に吹き込まれる熱風により羽口42の先端近傍にRW50が形成される。
図2に示した実験炉20に、平均粒径15~25mmであってI型ドラム強度が85.1のコークスを充填してコークス60の燃焼試験を実施した。TFTはブローパイプ36から吹き込まれる熱風38および微粉炭の吹き込み条件を変えることで調整した。ブローパイプ36からの吹き込み条件を変えた後、当該吹き込み条件で熱風および微粉炭を3時間吹き込んでコークス60を燃焼させた。3時間後にRW内のコークス60を採取し、当該コークス60のI型ドラム強度を測定した。
コークスのI型ドラム強度は、以下の手順で測定する。まず、I型ドラム(φ132mm×700mmの円筒)に粒径20±1mmのコークスを75g投入する。次に、I型ドラムを20rpmで600回転させる。回転終了後にI型ドラムから回収されたコークスを目開き10mmの篩で分級し、初期投入質量に対する目開き10mmの篩上となった質量の割合(百分率)を算出する。この質量割合がI型ドラム強度である。本実施形態および後述する実施例では、コークスのコークス強度として上記手順で測定されるI型ドラム強度を用いた。
なお、本発明を実施する上で用いるコークス強度は、I型ドラム強度に限るものではない。コークス強度としてはI型ドラム強度の他に、日本工業規格「JIS K 2151 コークス類-試験方法」に規定される、ドラム法やタンブラー法により定義される強度を用いてもよい。ドラム法、タンブラー法のいずれもI型ドラム強度と同様に、数値が高いほど強度が高いことを示す指標であるため、これらの強度を用いて式(1)の定数を決定してもよい。
図3は、TFTと当該TFTで燃焼されたコークス強度との関係を示すグラフである。図3の横軸はTFT(℃)であり、縦軸は燃焼後のコークスのI型ドラム強度である。TFTは、ブローパイプ36から吹き込まれる熱風38および微粉炭の吹き込み条件と上記数式(2)とを用いて算出した。
図3に示すように、TFTが2300℃以下では当該TFTでコークスを燃焼してもコークス強度の低下量は変化しなかった。コークス強度の低下量が変化しないTFTの上限温度である2300℃を基準TFTとし、当該基準TFTで燃焼されたコークスのコークス強度を基準コークス強度とすると、TFTが基準TFTを超えて高くなると、当該温度で燃焼されたRW内のコークスのコークス強度は基準コークス強度よりも大きく低下した。図3のTFTが基準TFT以上となるコークス強度のプロットから、基準コークス強度からのコークス強度の低下量を算出する下記(3)式が得られる。
ΔI=0.00795×(Ttf-2300)・・・(3)
上記(3)式において、ΔIは基準コークス強度からのコークス強度の低下量であり、TtfはTFT(℃)であり、2300は基準TFT(℃)である。上記(3)式における0.00795を定数Aとし、基準TFTをB(℃)とすると、上記(3)式は下記(1)式で表すことができる。
ΔI=A×(Ttf-B)・・・(1)
上記(1)式のΔIは基準コークス強度からのコークス強度の低下量であり、TtfはTFT(℃)であり、Bは基準TFT(℃)であり、Aは、図3に示したTFTとRWにおいてTFTで燃焼させたコークスのコークス強度との対応関係から定まる定数である。このようにして定められる上記(3)式や(1)式は、TFTとRWにおいてTFTで燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係の具体例である。また、ΔIとして算出される「低下量」は、マイナスの値または0(ゼロ)として算出された場合はコークス強度の低下は無かったことを意味し、プラスの値として算出された場合にコークス強度が低下したことを意味する。
このようにして、TFTとRWにおいてTFTで燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係が得られれば、羽口16での吹き込み条件を変更するにあたり、上記(2)式を用いて羽口16での吹き込み条件変更後のTFTを算出し、算出されたTFTと上記(3)式とを用いることで基準コークス強度からのコークス強度の低下量を求めることができる。基準コークス強度からのコークス強度の低下量が求められれば、当該低下量に対応したコークスのコークス強度、すなわち、当該低下量以上コークス強度が高められたコークスのコークス強度を特定することができるので、羽口16での吹き込み条件を変更するにあたって当該コークス強度に強度を高めたコークスを高炉に装入して高炉操業を実施できる。これにより、羽口16での吹き込み条件の変更によりTFTが適正範囲の上限を超過したとしてもRWでのコークス粉の増加を防止でき、炉況に悪影響を及ぼすことを防止できる。
コークス強度を高めたコークスを高炉に装入される全てのコークスに用いてもよく、高炉に装入されるコークスの一部に用いてもよい。一部にコークス強度を高めたコークスを用いる場合には、少なくとも高炉の無次元半径が0.3以上1.0の範囲内に装入されるコークスにコークス強度を高めたコークスを用いる。
高炉の無次元半径が0.3以上1.0以下の範囲内に装入されるコークスは、高炉10内を降下しRWに流入するが、無次元半径が0.0以上0.3未満の範囲内に装入されるコークスは、高炉10の炉下部のコークス充填層を形成し、RWに流入しないのでTFTが適正範囲を超えたとしてもコークス強度は低下せず、粉化しない。このため、無次元半径が0.0以上0.3未満の範囲内に装入されるコークスには、コークス強度を高めたコークスを用いなくてもよい。
コークス強度の異なるコークスを高炉10に装入する装入方法としては、コークス強度が異なるコークスを複数の炉頂ホッパーに別々に装入し、これらの炉頂ホッパーからコークス強度の異なるコークスを高炉10の所定の装入範囲に装入してよい。また、1つの炉頂ホッパーから装入されるコークスのコークス強度を装入の前後半で変え、これによりコークス強度の異なるコークスを高炉10の所定の装入範囲に装入してもよい。
コークス強度を高めたコークスを用いることでTFTが適正範囲の上限を超過したとしても炉況に悪影響を及ぼさないことから、本実施形態に係る高炉操業方法では、TFTが適正範囲の上限を超過する範囲まで羽口16での操業条件を変更できるようになる。これにより、従来よりも羽口16での操業条件変更の自由度が高まり、さらに広範囲の炉況変化に対応できるようになるので、本実施形態に係る高炉操業方法を実施することで、より高炉の安定操業に寄与できることがわかる。
なお、本実施形態に係る高炉操業方法では、RWにおけるTFTとRWにおいてTFTで燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係として上記(3)式を用いる例で説明したが、これに限らない。例えば、RWにおけるTFTとRWにおいてTFTで燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係として、TFTから当該TFTで燃焼させた後のコークス強度を算出する式を用いてもよく、当該式から算出されるコークス強度と、基準コークス強度とから、基準コークス強度からの低下量を求めてもよい。
次に、本実施形態に係る高炉操業方法の効果を確認した実施例を説明する。本実施例では、図2に示した実験炉20を用いて、TFTおよびコークス強度を変化させて燃焼試験を行い、試験中の炉内圧損、試験後のRWのコークス強度およびコークス粉率を評価した。実験炉20での燃焼試験が、実際の高炉におけるTFT変動に伴う炉内圧損、RWのコークス強度およびコークス粉率の変化を模擬するように、燃焼試験の試験条件を実際の高炉操業に基づいた条件に設定した。燃焼試験の試験条件と試験結果を表1に示す。なお、実験炉20内の炉内圧損が4.00kPa/mを超過する場合には、実際の高炉操業においても炉況が悪化することを事前に確認している。また、本実施例において基準TFTは2300℃であり、基準コークス強度はI型ドラム強度で81.2である。
Figure 2022054397000002
発明例1では、TFTを2200℃に設定し、I型ドラム強度85.1のコークスを充填コークスとして使用した。TFT(2200℃)と(3)式から予測される基準コークス強度からの低下量ΔIが-0.8であったことから、装入コークスのコークス強度を高める必要はないと判断し、装入コークスのコークス強度を充填コークスのコークス強度と同じにして燃焼試験を行った。この結果、炉内圧損は3.92kPa/m、RWのコークス強度は81.1、RWのコークス粉率は4.55%になった。このように、発明例1では、炉内圧損が4.00kPa/m以下になったので、実際の高炉においても安定操業が維持できることが確認された。
発明例2では、TFTを2300℃に設定し、I型ドラム強度85.1のコークスを充填コークスとして使用した。TFT(2300℃)と(3)式から予測される基準コークス強度からの低下量ΔIが0であったことから、装入コークスのコークス強度を高める必要はないと判断し、装入コークスのコークス強度を充填コークスのコークス強度と同じにして燃焼試験を行った。この結果、炉内圧損は3.90kPa/m、RW内のコークス強度は81.2、RW内のコークス粉率は4.41%になった。このように、発明例2では、炉内圧損が4.00kPa/m以下になったので、実際の高炉においても安定操業が維持できることが確認された。
発明例3では、TFTを2450℃に設定し、I型ドラム強度85.1のコークスを充填コークスとして使用した。TFT(2450℃)と(3)式から予測される基準コークス強度からの低下量ΔIが1.2であったことから、装入コークスにコークス強度86.3のコークスを用いて燃焼試験を行った。この結果、炉内圧損は3.94kPa/m、RWのコークス強度は81.0、RWのコークス粉率は4.71%になった。このように、発明例3では、炉内圧損が4.00kPa/m以下になったので、実際の高炉においても安定操業が維持できることが確認された。
一方、比較例1では、TFTを2450℃に設定し、I型ドラム強度85.1のコークスを充填コークスとして使用した。TFT(2450℃)と(3)式から予測される基準コークス強度からの低下量ΔIは1.2であったが、装入コークスのコークス強度を充填コークスのコークス強度と同じにして燃焼試験を行った。この結果、炉内圧損は4.87kPa/m、RWのコークス強度は80.2、RWのコークス粉率は5.51%になった。このように、比較例1では、炉内圧損が4.00kPa/mを超過したので、実際の高炉においては炉況を悪化させてしまうことが確認された。
発明例3および比較例1の結果から、羽口16での吹き込み条件を変更するにあたり、羽口16での吹き込み条件変更後のTFTを算出し、算出されたTFTと上記(3)式とを用いて基準コークス強度からの低下量を求め、当該低下量に対応してコークス強度を高めたコークスを高炉に装入することで、TFTが適正範囲(本実施例の場合2200~2300℃)の上限を超過したとしてもRW内のコークスの粉の増加を防止でき、これにより、炉況に悪影響を及ぼすことが防止されることが確認された。
10 高炉
12 鉱石層
14 コークス層
16 羽口
18 ガスの流れ
20 実験炉
22 微粉炭ホッパー
24 コークスホッパー
26 フィーダー
28 フィーダー
30 搬送管
32 微粉炭搬送管
34 微粉炭吹き込みランス
36 ブローパイプ
38 熱風
40 燃焼炉本体
42 羽口
44 排気口
50 RW
60 コークス

Claims (3)

  1. 炉頂からコークスと鉄源原料とを交互に装入し、炉下部に設けられた羽口から熱風とともに微粉炭を吹き込む高炉操業方法であって、
    レースウェイにおいて前記コークスを燃焼してもコークス強度の低下量が変化しない理論燃焼温度の上限温度を基準理論燃焼温度とすると、
    前記羽口からの吹き込み条件から求められるレースウェイにおける理論燃焼温度と、
    前記理論燃焼温度とレースウェイにおいて前記理論燃焼温度で燃焼されたコークスのコークス強度との対応関係と、
    を用いて、前記基準理論燃焼温度で燃焼されたコークスのコークス強度である基準コークス強度からの低下量を求め、
    前記低下量に対応して前記基準理論燃焼温度以下での操業において装入していたコークスよりもコークス強度を高めたコークスを高炉に装入する、高炉操業方法。
  2. 前記コークス強度を高めたコークスを、少なくとも高炉の無次元半径0.3以上1.0以下の範囲内に装入する、請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記対応関係は下記(1)式である、請求項1または請求項2に記載の高炉操業方法。
    ΔI=A×(Ttf-B)・・・(1)
    上記(1)式において、ΔIは前記低下量であり、Ttfはレースウェイにおける理論燃焼温度(℃)であり、Bは基準理論燃焼温度(℃)であり、Aは前記対応関係から定まる定数である。
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Citations (6)

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