JP4697340B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭と鉄鉱石の混合物を成型し、乾留して製造するフェロコークスを高炉原料として使用し、低還元材比操業を安定的に実施するための高炉の操業方法に関するものである。
近年、炭酸ガス排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、製鉄業においても排出COの抑制は重要な課題である。これを受け、最近の高炉操業では、低還元材比(低RAR)操業が強力に推進されている。RARは、Reduction Agent Ratioの略で、銑鉄1t製造当たりの、吹き込み還元材と炉頂から装入されるコークスの合計量である。高炉は、主にコークス及び微粉炭を還元材として使用しており、低還元材比、ひいては炭酸ガス排出抑制を達成するためにはコークスなどを廃プラ、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)、重油等の水素含有率の高い還元材で置換する方策が有効である。水素含有率の高い還元材を高炉で用いる技術として、例えば下記特許文献1では、高炉にLNGを羽口より吹き込み、製銑工程で排出される炭酸ガスを低減させる低炭酸ガス排出製鉄法が記載されている。
また、別の方法として、鉄源として、鉄鉱石ではなく、既に還元された鉄スクラップを高炉原料として使用する方法もあるが、高炉操業を考えた場合、装入する鉄スクラップの大きさ(サイズ)、亜鉛、銅等の不純物濃度の制約があり、適切な前処理を必要とする。
更には、下記特許文献2に記載されるように、石炭と鉄鉱石とを混合し、成型した成型物を乾留して製造されるフェロコークスを用いた方法もある。フェロコークスは、高反応性のため、焼結鉱の還元を促進すると共に、一部還元された鉄鉱石が含まれているので、高炉の熱保存帯温度を下げることができ、還元材比を低下させることができる。
しかしながら、RARが低下すると、原理的に送風量が低下し、この結果、シャフト上部、即ち炉頂部においては装入物の昇温が遅れ、順調な還元が達成されなくなるばかりか、亜鉛化合物などの壁付きが助長され、風圧変動や荷下がり異常などの炉況不調を招くことが懸念されている。また、炉頂温度が低下して100℃を割り込むような場合には、排ガス中の水分が配管内に凝縮する問題が生じる。
フェロコークスを用いた場合の炉頂ガス温度制御方法として、下記特許文献3に記載されるように高炉装入原料を加熱した後に炉頂から装入する方法や、下記特許文献4に記載されるように、羽口からの送風の酸素富化率、羽口からの還元材の吹き込み量、羽口からの送風の窒素富化率の中から選ばれる1種、又は2種以上を制御する方法がある。
特開平3−240906号公報 特開2006−28594号公報 特開2008−111145号公報 特開2008−111172号公報
通常の高炉操業では、炉頂ガス温度の低下による問題の発生を防止するため、炉頂温度を100℃以上、好ましくは120℃以上に保持した操業を行っている。しかしながら、前述のように、高炉原料としてフェロコークスを使用して熱保存帯(thermal reserve zone)温度低下による低還元材比操業を指向する場合は、炉頂ガス温度が大きく低下し、通常の操業範囲内での操業条件の変更で各種の炉況不調、特に炉上部の昇温不良を回避することは困難であり、前記先行技術においては以下の問題点がある。
(特許文献1)
羽口からの投入水素量が増え、酸化鉄の還元のうち、水素還元の比率が大きくなっていくと、シャフト部の温度が低下し、鉄鉱石、焼結鉱等装入物の低温領域での滞留時間が拡大する可能性があることを示唆している。シャフト部の低温領域の拡大は、焼結鉱の還元粉化領域の拡大を意味し、還元による鉄鉱石等の粉化により、通気性及び装入物降下挙動を悪化させる。
(特許文献3)
高炉装入原料の一部としてフェロコークスを使用する高炉操業の際に、高炉の炉頂部に設置された原料装入用のバンカー内で高炉装入原料を加熱する方法であるが、例えば、1日10000tの溶銑を製造する高炉において、約15000tの鉄鉱石、約3200tのコークスを100℃〜200℃に予熱するためには膨大な熱量を必要とし、経済的でないと考えられる。
(特許文献4)
高炉装入原料の一部としてフェロコークスを使用する高炉操業の際に、羽口からの送風の酸素富化率、羽口からの還元材吹き込み量、羽口からの送風の窒素富化率の中から選ばれる1種、又は2種以上を制御する方法であるが、この方法では、各高炉の操業毎の最適条件を事前に詳細に調査する必要があること、また送風への酸素富化、窒素富化、吹き込み還元材の吹き込み量には高炉毎の設備能力上、調整幅に限界があることも考えられ、非常に優れた技術でありながら、送風機、酸素分離器、吹き込み還元材乾燥、粉砕、搬送設備などの多岐にわたる大規模な設備投資が必要となる可能性がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、低RAR操業(炭酸ガス排出量削減)を行う場合であっても、特に炉頂部の昇温不良を低コストで回避することができる高炉操業方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、高炉への装入原料としてフェロコークスを使用し、高炉のシャフト部から高炉内にシャフトガスを吹き込み、高炉の炉頂ガス温度に応じて、前記シャフトガスの吹き込み温度、吹き込み量、及び、吹き込み高さ位置からなるグループから選択された少なくとも一つを制御する、高炉操業方法を提供する。シャフトガスとは、高炉のシャフト部から高炉内に吹き込むガスのことである。
前記装入原料は、鉄鉱石、コークスと前記フェロコークスを含み、前記フェロコークスがコークスとフェロコークスの合計である全コークス量の2mass%以上、60mass%以下であるのが好ましい。より好ましくは、10mass%以上、35mass%以下である。
前記少なくとも一つを制御は、高炉のシャフト部から吹き込むシャフトガスの吹き込み温度、吹き込み量、及び吹き込み高さ位置からなるグループから選択された少なくとも一つを制御することにより、炉頂ガス温度を80℃超えに制御することからなるのが好ましい。
前記少なくとも一つを制御は、高炉の炉内温度が前記シャフトガスの温度より低い位置をシャフトガス吹き込み高さ位置となるように、シャフトガス吹き込み高さ位置を制御することからなるのが望ましい。
前記シャフトガスの吹き込みは、シャフト部に設けられたシャフトガスの吹き込み管から6〜100m/sの先端ガス流速でシャフトガスを高炉内に吹き込むのが好ましい。前記先端ガス流速が、10〜72m/sであるのがより好ましく、15〜72m/sであるのが最も好ましい。
前記シャフトガスの吹き込み温度は、200〜1000℃であるのが好ましい。
前記シャフトガスの吹き込み量は、20〜200Nm3/tであるのが好ましい。
前記シャフトガスの吹き込みは、水平または水平から下向き45°の範囲の角度でシャフト部から高炉内にシャフトガスを吹き込むことからなるのが好ましい。前記角度は下向き15°〜45°であるのが好ましい。
前記シャフトガスの吹き込みは、原料表面から7m以上深い位置から高炉内にシャフトガスを吹き込むことからなるのが望ましい。
前記シャフトガスの吹き込みは、高炉円周方向の4ヶ所以上から高炉内にガスを吹き込むことからなるのが望ましい。
前記シャフトガスは、Oの除去された燃焼排ガスであるのが望ましい。
前記シャフトガスは、少なくともCO及びCOの何れか一方又は双方を含有する燃焼排ガスであるのが望ましい。
前記シャフトガスは、高炉ガスであるのが望ましい。
而して、本発明の高炉操業方法によれば、装入原料の一部としてフェロコークスを使用する高炉操業の際に、炉頂ガス温度に応じて、シャフト部からのシャフトガスの吹き込み温度、吹き込み量、及び吹き込み高さ位置の何れか又は2種又は3種を組合せて制御することにより、炉頂ガス温度の低下を抑制することとしたため、低RAR操業(炭酸ガス排出量削減)を行う場合であっても、大規模な設備投資を必要とせず、炉頂部の昇温不良を低コストで回避することができる。
また、前記装入原料の一部として使用するフェロコークスは、熱保存帯温度低下効果が発現する全コークス量の2mass%以上、炉下部でのフェロコークス存在量過多による通気性悪化を回避するための60mass%以下の高炉操業の際に、炉頂ガス温度に応じて炉頂ガス温度の低下を抑制することとしたため、高炉の安定操業をフェロコークス使用下において実現できる。
また、前記炉頂ガス温度を80℃超えに維持することができるため、ダスト排出量が低下し、通気変動に繋がり、高炉の安定操業が阻害されるという不都合の発生がない。
さらに、前記シャフトガスの吹き込み管の先端ガス流速を6〜100m/s以下として、シャフト部からシャフトガスを吹き込むため、吹き込む部位に、鉱石、コークスの混合層形成が生じにくく、高炉操業に悪影響がでない。
また、前記シャフトガスの吹き込み温度は、200〜1000℃として行なうため、装入物加熱が効率よく可能となり、高炉炉頂部の炉頂ガス温度を80℃超えに維持することが効果的にできる。
また、前記シャフトガスの吹き込み量を、20〜200Nm/tとして装入物の加熱を行なうため、装入物の昇温が効率的にできる。
また、前記シャフト部から吹き込まれるシャフトガス温度に応じて、炉内温度がシャフトガス温度より低い位置をシャフトガス吹き込み高さ位置とすることとしたため、シャフトガスによって炉内を冷やすことがない。
また、前記シャフトガス吹き込み角度を水平0°から下向き45°の範囲で行なうため、シャフトガス吹き込み部分を閉塞させることがない。
また、前記シャフト部から吹き込まれるシャフトガスを、高炉内装入物の原料表から7m以上深い位置で行なうようにしたため、吹き込んだシャフトガスの吹き抜けが防止され、吹き込むシャフトガスによる装入物の加熱を有効に実現できる。
また、前記シャフトガスの吹き込みは、高炉円周方向の4ヶ所以上から行なうことにより、高炉円周方向で均一な炉頂温度維持が可能となる。
また、シャフトガスとして、Oの除去された燃焼排ガスを用いることとしたため、炉内の還元作用を阻害することがない。
また、シャフトガスとして、少なくともCO及びCOの何れか一方又は双方を含有する燃焼排ガスを用いることとしたため、炉内の還元作用を阻害することがなく、高炉ガスを始め、多種の燃焼排ガス及びその顕熱を利用することができる。
また、シャフトガスとして高炉ガスを用いることとしたため、炉内雰囲気を確保することができる。
本発明の高炉操業方法が適用された高炉の一実施形態を示す縦断面図である。 シャフトガスによる炉頂ガス温度及び装入物温度の影響の説明図である。 図1のシャフトガス吹き込み管部分の拡大図である(θ=0°)。 図1のシャフトガス吹き込み管部分の拡大図である(θ>0°)。 図1のシャフトガス吹き込み管部分の拡大図である(θ<0°)。 実験に使用した冷間模型装置の概略を示す縦断面図である。 図6のシャフトガス吹き込み管部分の拡大図である。 冷間模型実験から得られたシャフトガス吹き込み管先端のガス流速と平均混合層深度との関係を示すグラフである。 冷間模型実験から得られたシャフトガス吹き込み角度と原料の流れ込み長さとの関係を示すグラフである。 冷間模型実験から得られたシャフトガス吹き込み角度と原料堆積面におけるガス流速との関係を示すグラフである。
次に、本発明の高炉操業方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の高炉操業方法が適用された高炉の全体図である。シャフトとは、この高炉のうち、高炉上部から下方に向けて下広がりになった部分である。
この高炉1では、羽口2から熱風を吹き込み、炉内に装入されたコークスを燃焼させて鉄鉱石を還元、溶融させて溶銑とし、炉床部に設けた図示しない出銑孔から出銑する操業を行う。なお、図中の矢印は、ガス流れを示している。
本実施形態では、装入原料の一部として、石炭と鉄鉱石の混合物を成型し、乾留して製造するフェロコークスを使用するもので、本発明でのフェロコークスとは、石炭と鉄鉱石とを70mass%以上含有する原料を用いて製造したフェロコークスである。フェロコークスは、鉄鉱石が一部還元されていると同時に、鉄鉱石の触媒効果でコークスの反応性を高めることができ、高炉の中でのガス利用率を高められるため、少なくとも鉄鉱石の配合比率を5mass%以上好ましくは10mass%以上とし、鉄鉱石の配合比率が40mass%超であると、フェロコークスの強度が急激に低下するため、鉄鉱石を、鉄鉱石と石炭の合計量の5〜40mass%、好ましくは10〜40mass%となるように添加し、成型機で成型した塊成型物をシャフト炉型熱処理炉等で熱風を用いた直接加熱法にて乾留して製造されたフェロコークスである。
また、前記シャフト部内で塊成型物は900℃以上の温度になるので、石炭と接触している鉄鉱石が還元され、鉄鉱石の還元率60%超となるフェロコークスである。鉄鉱石中の鉄の還元率が60%以上、好ましくは70%以上と高くなると、鉄鉱石の配合によりフェロコークスのコークスドラム強度や圧潰強度が高くなり、高炉内でのフェロコークスの粉化をより抑制することができるので好ましい。
このようなフェロコークスは、鉄鉱石が一部還元されていると同時に、鉄鉱石の触媒効果でコークスの反応性を高めることができ、高炉の中でのガス利用率を高められるため、これを用いることで高炉の還元材比を低下させることができる。
なお、本発明におけるシャフトガス吹き込みによる炉頂ガス温度制御の対象となるフェロコークスの使用量は、熱保存帯温度低下効果が発現し、高炉炉頂ガス温度の低下が生じ始める全コークス量の2mass%以上から、高炉炉内でガス化しきれなかったフェロコークスが炉下部に多量に存在して高炉内部の通気性が悪化する全コークス量の60mass%までである。さらに、前記フェロコークスが全コークス量の10mass%以上、35mass%以下であるのがより好ましい。
高炉内で発生した高炉ガスは、高炉炉体から炉頂に設置されているアップテイクを経由して、外に排出され、回収されている。本発明において炉頂ガス温度は、前記アップテイクで測定される高炉ガス温度を称して炉頂ガス温度と規定する。
高炉の熱物質収支モデルによる炉頂ガス温度変化の検討結果を下記表1に示す。
ヒートロス、微粉炭比を一定にして熱保存帯温度、シャフト効率が炉頂温度に及ぼす影響を調査した。表中のベースに対して、装入物分布調整等でガス還元効率を表すシャフト効率を0.05改善させた場合のケース1では、還元材比はベースに対して、−18.2kg/tとなり、炉頂温度の低下は、−14.6℃であった。一方、フェロコークスを使用した場合に想定される熱保存帯温度が大幅に低下したようなケース2では還元材比は−37.0kg/tとなり、炉頂ガス温度の低下は、−85.7℃であった。どちらのケースも還元材比の低下により炉頂ガス温度は低下するが、熱保存帯温度が低下したケース2の方が、炉頂ガス温度低下に及ぼす影響が大きいことが分かる。また、一般に還元材比を低下させると炉頂ガス温度も低下するが、還元材比1kg/t低減時の炉頂ガス温度低下量は、ケース1では−0.8、ケース2では−2.32となり、熱保存帯温度低下を伴う還元材比低下時は、炉頂ガス温度の低下幅が大きいことがわかる。従って、フェロコークス使用によって熱保存帯温度低下を介して還元材比低減を図る場合には、通常の還元材比低減よりも炉頂ガス温度の確保に留意する必要がある。そのため、高炉においてフェロコークスを使用するような場合は、炉頂ガス温度の低減対策として本発明に示すシャフト部からのシャフトガスの吹き込みによる温度制御を行う高炉操業方法がより有効となるのである。
Figure 0004697340
高炉ガスをシャフトガスとして利用する場合、高炉1の炉内ガス、所謂高炉ガスは、一部を排気すると共に、一部を循環して、シャフト部に設けられたシャフトガス吹き込み管3から高炉1内にシャフトガスとして吹き込む。シャフトガスは、必要に応じて、加熱装置によって加熱される。また、高炉ガスをシャフトガスとする場合、高炉ガスは製鉄所内でエネルギー源として有効に使用されているため、個別の燃焼ガスを混入して加熱装置内で燃焼させて高炉ガスを加熱するか、或いはバーナやヒータ、蓄熱体などの外部加熱手段によって高炉ガスを加熱する。なお、高炉ガス自体を燃焼させ、昇温して使うこともできる。シャフトガスとしては、高炉1の炉内雰囲気を保持するという意味で高炉ガスが最も理想的である。シャフトガスには、高炉ガスの他、例えばコークス炉から得られる、所謂コークス炉ガスなどの燃焼排ガスを用いることもできる。シャフトガスの要件として重要なのは、炉内の還元雰囲気を阻害しないことであり、そのための必須要件はOを含まないことである。もし、Oを含む場合、Oを除去してから用いるべきである。また、燃焼排ガスであることから、COやCOを含んでいる。
シャフトガスのシャフトガス吹き込み管3は、例えば高炉1の周方向全周に等間隔で設け、シャフトガスが高炉の周方向全周から等間隔に吹き込まれるようにすると共に、そのシャフトガス吹き込み管3の高さ位置を調整可能とするため多段配置とした。
前記シャフトガスが高炉の周方向全周から等間隔に吹き込まれるように、本発明では、少なくとも高炉円周方向の4カ所以上から行う。4カ所以上で等間隔の配置で吹き込むことにより、高炉円周方向でほぼ均一の温度分布を得ることができる。好ましくは6カ所以上がよい。また、前記シャフトガス吹き込み管3の高さ位置を調整可能とするため多段配置とする理由は、シャフトガスの温度や高炉1の炉頂部の温度に応じて、シャフトガスの吹き込み高さ位置を変更可能としたものである。また、本発明においては、図2に示す理由から、シャフトガスは、原料表層から7mより下に吹き込む。図2は、シャフトガスを吹き込んだ際、炉頂温度と固体(装入物)温度にシャフトガスが及ぼす効果を示したもので、原料表層からの各位置における温度変化を示したものである。即ち、吹き込んだシャフトガスにより、装入物が加熱され、同時に炉頂ガス温度も上昇するが、装入物はシャフトガス吹き込み位置が原料表層から7mに達した段階で装入物加熱もほぼ完了する結果が得られ、その結果から、シャフトガスは、原料表層から7mより下に吹き込む必要があることが判明した。
更に、上記のように高炉における低RAR操業を行う際に、炉内の還元効率向上や、炉上部の昇温不良を回避するためにシャフト部からガス吹き込みを行う場合、シャフト部の中段位置にシャフトガスの吹き込み管を設置すると、炉内の原料が吹き込み管内に流入して閉塞してしまい、予熱ガスの安定供給の妨げになる恐れがある。高炉で使用される原料の静的安息角は35〜45°、またシャフト部中段付近における粉体圧は凡そ0.8〜1.6kPaであることが知られている。つまり、炉内の原料は、原料の安息角に従った流れ込み現象のみならず、炉内の粉体圧によって押し出されるような力が働き、設置されたシャフトガス吹き込み管が閉塞される場合があることが予想される。シャフトガス吹き込み管が閉塞されると、シャフトガス吹き込み時に、シャフトガス吹き込み管内での吹き抜けやシャフトガスの逆流なども考えられる。そこで本発明者等は、原料によるシャフトガス吹き込み管の閉塞を防止するため、シャフトガス吹き込み管の設置角度を検討した。
図3は、シャフトガス吹き込み管3を水平に設置し、シャフトガス4の吹き込みを水平方向に行う、水平に対するシャフトガス4の傾斜角度θ=0°の吹き込みの場合である。図中の符号9は、炉内におけるシャフトガスの流れを示す。この場合、シャフトガス吹き込み管3からシャフトガス4が高炉1内に吹き込まれるが、流れ込み現象や、炉内の粉体圧による押し出しで、炉内の鉱石(原料)5やコークス6のシャフトガス吹き込み管3への流れ込みが発生する恐れがある。
図4は、シャフトガス吹き込み管3を下向きの角度に設置し、シャフトガス4の吹き込みを下向きに行う、水平に対するシャフトガス4の傾斜角度θ>0°の吹き込みの場合である。このような場合には、シャフトガス吹き込み管3への鉱石5やコークス6の流れ込みは発生しにくい。
これに対し、図5は、シャフトガス吹き込み管3を上向きの角度に設置し、シャフトガス4の吹き込みを上向きに行う、水平に対するシャフトガス4の傾斜角度θ<0°の吹き込みの場合である。このような場合には、シャフトガス吹き込み管3への鉱石5やコークス6の流れ込みが容易となり、それらの流れ込み19によるシャフトガス吹き込み管3の閉塞が発生すると考えられる。
次に本発明者等は、模型実験を行うことでシャフトガス吹き込み管の閉塞が発生しない条件を検討した。そのため、1/21の高炉冷間模型を製作し、まず、シャフト部からのガス吹き込みにより、吹き込み管先端にレースウエイが形成されるガス流速の調査を行った。シャフト部からのガス吹き込みの際には、吹き込みガス(シャフトガス)による原料充填層の流動化や撹拌を生じさせないことが重要である。原料充填層の流動化は、炉内原料の吹き込みガスから受ける抗力が、原料の降下(荷下がり)の慣性力を上回るために発生する。それゆえ原料充填層の流動化を防止するためには、シャフトガスから受ける抗力が原料降下の慣性力を下回るように、低ガス流速の吹き込み条件を実現することが好ましい。
図6に模型装置の概略を示す。模型装置11は、炉体14、羽口12、シャフトガス吹き込み管13を備える。炉体14は、内寸炉口半径271mm、炉高1493mmであり、下部はSUS容器を、上部はアクリル容器を用いた。シャフトガス吹き込み管13には内径10mmのパイプを使用し、これは実機換算で0.035m相当であった。炉内に充填される原料は、実機で使用する鉱石(焼結鉱)5とコークス6を用い、模型の縮尺比に従って粉砕、分級して使用した。また、実機の原料の荷下がりと羽口からの送風を実現するために、炉体下部に設置した振動フィーダー7から原料を切り出し、ボッシュ下端の羽口12からはエアー8を導入した。模型装置11の原料切り出し速度と送風条件は、原料がガスから受ける抗力を考慮し、実機とFr数(フルード数)一定の条件とした。
模型実験ではまず、シャフトガス吹き込み角度θを0°(水平)とし、シャフトガス吹き込み量を変化させ、シャフトガス吹き込み管3の先端のガス速度を制御し、シャフトガス吹き込み管3の先端で、混合層の発生状況を観察した。図5中の四角で囲まれた範囲を拡大して図7に示す。図7において、符号22はレースウエイに相当し、その下部に形成されるコークスと鉱石(焼結鉱)との混合層23の混合層深度aを測定した。
図8には、シャフトガス吹き込み管3先端のガス流速と、シャフト部に形成された平均混合層深度の関係を示す。平均混合層深度は、1層の鉱石層(焼結鉱層)と1層のコークス層の計2層で1チャージが構成されるものとし、前述したシャフトガス吹き込み管3の先端部下方に形成された混合層23の5チャージの範囲における炉径方向の深さの平均とした。ガス流速と平均混合層深度は、実機炉内温度と圧力で補正し、縮尺に応じて実機相当の値に換算した。実験結果、レースウエイ22は、シャフトガス吹き込み管3の先端ガス流速が100m/s以下で発生せず、図8に示す領域(凡そ先端ガス流速100m/s以下の領域)bでは混合層の形成は見られなかった。それゆえ、以下の実験では、シャフトガス吹き込み管3の先端ガス流速を100m/sに固定し、シャフトガス吹き込み角度θの検討を行った。なお、混合層が形成されると、その混合層により局所的な還元不良、所謂生降りが発生するほか、炉内ガスが乱れ、通気悪化を引き起こすことになる。従って、前記シャフトガス吹き込み管3の先端のガス流速は,100m/s以下とする必要があり、また、吹き込み量確保のためには、6m/s以とする必要があるため6〜100m/sとし、より好ましくは10〜72m/s、望ましくは15〜72m/sである。
シャフトガス吹き込み角度の影響を調べるために、図3〜図5におけるシャフトガスの吹き込み傾斜角度θを−30°〜70°(θ<0°は上向きのシャフトガス吹き込み、θ>0°は下向きのシャフトガス吹き込み)の範囲で変化させて実験を行った。図9には、シャフトガス吹き込み角度と炉内原料の流れ込み長さとの関係を示す。流れ込み長さは、図5のように、炉内原料がシャフトガス吹き込み管の内部に流入して堆積している状況において、シャフトガス吹き込み管先端から流入している原料の先端までの距離dであり、実験で得た距離dを実機での流れ込み長さに換算して表した。図9に示すように、シャフトガス吹き込み管の角度、即ちシャフトガスの吹き込み角度が0°〜70°の範囲では、シャフトガス吹き込みの抗力により、炉内原料のシャフトガス吹き込み管への流れ込みは殆ど観察されなかった。しかしながら、シャフトガスの吹き込み角度が−20°〜0°の範囲では、炉内原料のシャフトガス吹き込み管への流れ込みが発生し、−30°〜−20°の範囲では、実験開始直後にシャフトガス吹き込み管が完全に閉塞されてしまった。
また、図10には、模型実験における炉内原料堆積面(シャフトガス吹き込み管直上部の炉壁近傍)でのガス流速とシャフトガス吹き込み角度との関係を示す。堆積面でのガス流速は、熱線流速計を用いて測定した。図10によれば、シャフトガス吹き込み角度が−20°〜45°までの範囲では、堆積面近傍のガス流速は殆ど変化しないが、シャフトガス吹き込み角度が45°以上では、ガス流速が増加することが分かる。これは、炉内の径方向のガス流分配が、シャフトガス吹き込みの影響を受けて変化し、周辺ガス流が強化されたことを示唆するものである。一般的に、高炉内の周辺ガス流が強化されることは、炉壁からのヒートロスの増加による還元材比増加につながるとされるため、壁際のガス流速が増加する現象は好ましいことではない。
以上の模型実験の結果より、シャフトガス吹き込み管内への炉内原料の流れ込みを防止し、また炉壁からのヒートロスを増加させることなく、シャフトガスの炉内への安定供給を可能とする適正な吹き込み角度は水平に対して0°以上45°以下の範囲であると考えられる。なお、実機での操業変動を考慮すれば、シャフトガス吹き込み角度は15°以上45°以下の範囲が好ましい。
また、シャフトガスの吹き込み量は、鉱石層、コークス層の昇温加熱のためには少なくとも20Nm(標準状態)/t(装入量当たり)のシャフトガスの吹き込み量が必要であり、上限は昇温コストから200Nm(標準状態)/t(装入量当たり)となる。好ましくは30〜180Nm(標準状態)/t(装入量当たり)である。
更に、シャフトガスの吹き込み温度は、200℃未満では、制御対象である炉頂ガス温度と差が小さくなり、昇温効果が不足するため、200℃以上の温度が装入物加熱のために必要であり、上限は、吹き込み設備の耐熱温度、コストから定まるが、1000℃以下が好ましい。
また、吹き込み位置は、高炉内装入物温度が、吹き込まれるシャフトガスの吹き込み温度より低い温度領域で吹込む必要があるため、前述したように、シャフトガス吹き込み管の高さ位置を調整可能とするものである。炉頂温度低下が軽微なときは、炉頂の近くで高炉の周方向全周に等間隔に設けられたシャフトガス吹き込み管からシャフトガス吹き込みを開始し、炉頂温度を観察する。炉頂温度低下が進展する場合は、炉頂部より低い位置で高炉の周方向全周に等間隔に設けられたシャフトガス吹き込み管からもシャフトガスの吹き込みを行う。この場合、炉頂部より低い位置から吹き込まれるシャフトガスの温度を、炉頂部から吹き込まれるシャフトガスの温度より高くして、装入物加熱を強化するなどの炉頂温度制御を加えた高炉操業を行う。または、炉頂温度低下が軽微なときは、炉頂の近くで高炉の周方向全周に等間隔に設けられたシャフトガス吹き込み管からシャフトガス吹き込みを開始し、炉頂温度を観察する。炉頂温度低下が進展する場合は、炉頂部より低い装入原料表層から7m位置で高炉の周方向全周に等間隔に設けられたシャフトガス吹き込み管からのシャフトガスの吹き込みに切り替えたシャフトガス吹き込みを行う。この場合、炉頂部より低い位置から吹き込まれるシャフトガスの温度を、炉頂部から吹き込まれていたシャフトガスの温度より高くして、装入物加熱を強化するなどの炉頂温度制御を加えた高炉操業を行う。
また、本発明者等は、通常操業を行っている高炉に対し、フェロコークスの装入を行い、還元材比の低下に伴う炉頂温度低下の確認後、図1に示す高炉シャフト部からシャフトガスを吹き込む試験を行った。試験を行う上で、加熱されたシャフトガスの吹き込み温度、吹き込み量、吹き込み高さ位置を変化させて、炉頂温度の変化の様子を調査した。
本実施形態では、炉内容積5000mの高炉において、フェロコークスを装入原料として用いない通常の操業であるコークス比390kg/t、微粉炭比100kg/tの操業条件をベースに、鉄:コークス=0.4:0.6の質量比のフェロコークスを使用した操業試験を行った。フェロコークスは、以下のようにして製造した。鉄鉱石と石炭との混合物(0.4:0.6の質量比率)に、バインダーとしてアスファルトピッチと軟ピッチの混合物を5mass%添加して、ミキサーで撹拌して混合した後、線圧5t/cmで成型して6ccのブリケット成型物を製造した。鉄鉱石には、粒径100ミクロン以下(−100μm)のペレットフィードを用いた。石炭には最大平均反射率1.0%の石炭を用いた。石炭の粒度は、全量を粒径3mm以下(−3mm)に粉砕したものを用いた。このブリケットを専用の乾留炉であるシャフト炉で加熱して石炭を乾留し、フェロコークスを製造した。そして、このフェロコークスと鉄原料とを混合し、その混合物と塊コークスとを交互に炉内に装入して操業を行った。
下記表2に、前述したベース条件、フェロコークス使用条件、試験条件と高炉操業結果を示す。
Figure 0004697340
ケース1は送風条件、微粉炭吹き込み量をベース条件と同じとして、コークスと置換してフェロコークスを使用した場合である。この場合、炉頂温度が99.2℃に低下し、ダスト排出量が低下し、通気変動につながり、高炉の安定操業が阻害された。これに対し、ケース2〜ケース10では、炉頂ガス温度の回復を目的とし、フェロコークス使用と同時にシャフト部にシャフトガス吹き込みを行った。
ケース2〜ケース4は、シャフトガス吹き込み量を20〜200Nm/tの中から65Nm/t一定とし、シャフトガス吹き込み温度を夫々200℃、600℃、1000℃とした。なお、表中の無次元高さ位置は、シャフトガスの吹き込み高さ位置を示し、図1に示すように高炉シャフト部の全長をh0(m)とし、シャフトガス吹き込み高さh(m)の高炉シャフト部h0(m)に対する割合を無次元高さ位置として示し、ケース2〜ケース4では、無次元高さ位置を0.8とした。
また、ケース5〜ケース7では、シャフトガス吹き込み温度を600℃、吹き込み高さ位置を無次元高さ位置0.6とし、シャフトガス吹き込み量を夫々32.5Nm/t、65Nm/t、97.5Nm/tとした。また、ケース8〜ケース10では、シャフトガス吹き込み温度を1000℃、シャフトガス吹き込み量を97.5Nm/tとし、シャフトガス吹き込み高さ位置を無次元高さ位置で夫々0.4、0.6、0.8とした。
ケース1に対して、ケース2〜ケース10の何れも炉頂温度の回復が確認され、低還元材比操業においても安定した炉況を継続することができた。また、シャフトガスの吹き込み量、吹き込み高さ位置、吹き込み温度の操作因子の違いにより、炉頂温度の回復量も変化するため、必要最低限の温度回復量を目指して調整することが可能である。
ケース1〜ケース10の試験後、更にコークス比を低減し、フェロコークス比を増大し、還元材比を低減化して実際に高炉操業を行った。試験ケース11〜ケース20のフェロコークス使用条件、試験条件と高炉操業結果を示す。
Figure 0004697340
ケース11〜ケース15は、送風条件、微粉炭吹き込み量をベース条件と同じにして、コークスと置換して使用するフェロコークスを100kg/tまで増加した例である。ケース11〜ケース15では、コークス比250kg/t、フェロコークス比100kg/t、微粉炭比100kg/tとした結果、還元材比は450kg/tとなった。ケース11ではシャフトガスを吹き込まない場合、炉頂温度が73.0℃に低下し、ダスト排出量が低下し、通気変動に繋がり、高炉の安定操業が阻害された。これに対し、ケース12、ケース13ではシャフトガス吹き込み温度を600℃、シャフトガス吹き込み量を夫々97.5Nm/t、130Nm/tとし、シャフトガス吹き込み高さ位置を無次元高さ位置で夫々0.4、0.8とした。また、ケース14、ケース15ではシャフトガス吹き込み温度を1000℃、シャフトガス吹き込み量を65Nm/tとし、シャフトガス吹き込み高さ位置を無次元高さ位置で夫々0.4、0.6とした。この結果、炉頂温度は、それぞれ107.3℃、116.8℃、109.0℃、113.4℃と100℃以上となり、ケース11で生じた不具合は解消された。
ケース16〜ケース20は、コークスと置換して使用するフェロコークスをさらに120kg/tまで増加した例である。ケース16〜ケース20では、コークス比222kg/t、フェロコークス比120kg/t、微粉炭比100kg/tとした結果、還元材比は442kg/tとなった。シャフトガスを吹き込まないケース16では、炉頂温度が62.5℃に低下し、ダスト排出量が低下し、通気変動に繋がり、高炉の安定操業が阻害された。これに対し、ケース17ではシャフトガス吹き込み温度を600℃、シャフトガス吹き込み量を130Nm/tとし、シャフトガス吹き込み高さ位置を無次元高さ位置で0.6とした。また、ケース18〜ケース20ではシャフトガス吹き込み温度を1000℃、シャフトガス吹き込み量を夫々65Nm/t、97.5Nm/t、130Nm/tとし、シャフトガス吹き込み高さ位置を無次元高さ位置で夫々0.8、0.4、0.6とした。この結果、炉頂温度は、それぞれ103.9℃、116.8℃、108.7℃、116.5℃、137.2℃と、それぞれ炉頂温度は、100℃以上となり、ケース16で生じた不具合は解消された。
シャフトガスを吹き込まないケース11、ケース16に対して、シャフトガス吹き込みを行うケース12〜ケース15、ケース17〜ケース20の何れも100℃を超える炉頂温度の回復が確認され、更なる低還元材比操業においても安定した炉況を継続することができた。また、ケース2〜ケース10の場合と同様に、シャフトガスの吹き込み量、吹き込み高さ位置、吹き込み温度の操作因子の違いにより、炉頂温度の回復量も変化するため、必要最低限の温度回復量を目指して調整することが可能である。
なお、シャフト部から吹き込むシャフトガスは、吹き込む位置の炉内温度以上であることが望ましい。吹き込む位置の温度よりシャフトガスの温度が低い場合には、炉内を逆に冷やしてしまう恐れがあるためである。
また、シャフトガスとして、高炉の炉頂ガスの一部を用いる場合については、高炉の炉頂ガスは製鉄所内でエネルギー源として有効に使用されているため、その炉頂温度の必要回復量に応じて、シャフトガスの吹き込み量、吹き込み高さ位置、吹き込み温度の操作因子を調整することにより、より少ない高炉ガス循環量で、最大限の効果を得ることが可能となり、省エネルギーにつながる。
このように、本実施形態の高炉操業方法では、装入原料の一部としてフェロコークスを使用する高炉操業の際に、炉頂ガス温度に応じて、シャフト部からのシャフトガスの吹き込み温度、吹き込み量、及び吹き込み高さ位置の何れか又は2種又は3種を組合せて制御することにより、炉頂ガス温度の低下を抑制することとしたため、低RAR操業(炭酸ガス排出量削減)を行う場合であっても、大規模な設備投資を必要とせず、炉頂部の昇温不良を低コストで回避することができる。
また、シャフト部から吹き込まれるシャフトガス温度に応じて、炉内温度がシャフトガス温度より低い位置をシャフトガス吹き込み高さ位置とすることとしたため、シャフトガスによって炉内を冷やすことがない。
また、シャフトガスとして、Oの除去された燃焼排ガスを用いることにより、炉内の還元作用を阻害することがない。
また、シャフトガスとして、少なくともCO及びCOの何れか一方又は双方を含有する燃焼排ガスを用いることにより、炉内の還元作用を阻害することがなく、高炉ガスを始め、多種の燃焼排ガス及びその顕熱を利用することができる。
また、シャフトガスとして高炉ガスを用いることにより、炉内雰囲気を確保することができる。
なお、本発明における炉頂温度とは、本発明の高炉操業方法では、炉頂部の温度を80℃以上に保持しながら高炉操業を行うこととする。これにより、低RAR操業(炭酸ガス排出量削減)を行う場合であっても、特に炉頂部の昇温不良を回避することができる。炉頂温度を80℃以上に保持しながら高炉操業を継続している限り、排ガス中の水分凝縮も操業継続中は回避できるが、好ましくは、温度的に水分凝縮を回避できる100℃以上、望ましくは100℃超えである110℃以上に炉頂部の温度を保持する。上限は指向する低RAR操業にもよるが、300℃以下、好ましくは200℃以下である。
なお、前記低RAR操業(炭酸ガス排出量削減)とは、本発明ではコークスをフェロコークスと置換してコークス比(還元剤比)470kg/t以下の低RAR操業を指すものである。
1は高炉、2は羽口、3はシャフトガス吹き込み管、4はシャフトガス、5は鉱石(原料)、6はコークス、19は流れ込み

Claims (17)

  1. 高炉への装入原料としてフェロコークスを使用し、
    高炉のシャフト部から高炉内にガスを吹き込み、
    高炉内で発生した高炉ガスを、高炉炉体から炉頂に設置されているアップテイクを経由して、外に排出し、回収し、
    前記アップテイクで炉頂ガス温度を測定し、
    前記アップテイクで測定された高炉の炉頂ガス温度に応じて、前記ガスの吹き込み温度、吹き込み量、及び、吹き込み高さ位置からなるグループから選択された少なくとも一つを制御する、
    高炉操業方法。
  2. 前記装入原料が、鉄鉱石、コークスと前記フェロコークスを含み、
    前記フェロコークスが、コークスとフェロコークスの合計である全コークス量の2mass%以上、60mass%以下である、
    請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記フェロコークスが、コークスとフェロコークスの合計である全コークス量の10mass%以上、35mass%以下である、
    請求項1に記載の高炉操業方法。
  4. 記高炉のシャフト部から吹き込むガスの吹き込み温度、吹き込み量、及び吹き込み高さ位置からなるグループから選択された少なくとも一つを制御することにより、炉頂ガス温度を80℃超えに維持することからなる請求項1に記載の高炉操業方法。
  5. 前記ガスの吹き込みが、シャフト部に設けられたガスの吹き込み管から6〜100m/sの先端ガス流速でガスを高炉内に吹き込むことからなる請求項1に記載の高炉操業方法。
  6. 前記先端ガス流速が、10〜72m/sである請求項5に記載の高炉操業方法。
  7. 前記先端ガス流速が、15〜72m/sである請求項6に記載の高炉操業方法。
  8. 前記ガスの吹き込み温度が、200〜1000℃である請求項1に記載の高炉操業方法。
  9. 前記ガスの吹き込み量が、20〜200Nm3/トン−銑鉄である請求項1に記載の高炉操業方法。
  10. 炉の炉内温度が前記ガスの温度より低い位置をガス吹き込み高さ位置となるように、ガス吹き込み管の高さ位置を多段配置として、ガス吹き込み高さ位置を制御することからなる、請求項1に記載の高炉操業方法。
  11. 前記ガスの吹き込みが、水平または水平から下向き45°の範囲の角度でシャフト部から高炉内にガスを吹き込むことからなる請求項1に記載の高炉操業方法。
  12. 前記角度が、下向き15°〜45°である請求項11に記載の高炉操業方法。
  13. 前記ガスの吹き込みが、原料表面から7m以上深い位置から高炉内にガスを吹き込むことからなる請求項1に記載の高炉操業方法。
  14. 前記ガスの吹き込みが、高炉円周方向の4ヶ所以上から高炉内にガスを吹き込むことからなる請求項1に記載の高炉操業方法。
  15. 前記ガスが、O2の除去された燃焼排ガスである請求項1に記載の高炉操業方法。
  16. 前記ガスが、少なくともCO及びCO2の何れか一方又は双方を含有する燃焼排ガスである請求項1に記載の高炉操業方法。
  17. 前記ガスが、高炉ガスである請求項1に記載の高炉操業方法。
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