JP2013147692A - 高出銑比高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質COGを用いて、低コークス比を維持しつつ高出銑比高炉操業ができる方法を提案することにある。
【解決手段】高炉の少なくともシャフト部から改質COGを吹き込むと共に、焼結鉱を炉内に装入するに当たっては、還元粉化指数(RDI)の低い焼結鉱を炉壁側の位置に、そして還元粉化指数(RDI)の高い焼結鉱を炉中心側の位置に装入して操業する高出銑比高炉操業方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高出銑比高炉操業方法に関し、特に、還元ガスとして水素含有改質コークス炉ガス(以下、「COG」という)を使って還元材の使用量を抑えつつ出銑量の増大を図ることのできる低還元材比・高出銑比の高炉操業方法について提案する。
近年、製鉄所は、深刻化しつつある地球温暖化対策のために、二酸化炭素排出量の抑制が強く求められている。こうした背景の下で、最近の高炉操業では、還元材比を低く抑えた低還元材比高炉操業が行なわれている。例えば、こうした高炉操業の一例として、還元材であるコークスの一部を水素含有率の高い改質COGに代替させてコークスの使用量を低下させることによりCO2排出量を削減する操業が行なわれるようになった。しかし、その水素還元反応は吸熱反応であり、これらの反応が高炉内で起こった場合、装入物の熱容量が見かけ上増加するという問題がある。
また、羽口から水素を吹き込む場合、羽口前空間の温度を確保するために、高酸素富化操業が必要となるが、この方法の場合は窒素ガス量が相対的に減少してトータルガス量が減少する。そのため、高炉内での熱流比が高くなり、炉上部の温度が低下するなどして、焼結鉱の低温域滞留時間が長くなる。その結果、焼結鉱中のFeからFeへの還元に伴う体積膨張による粉化現象、いわゆる還元粉化が増大し、高炉内の通気性を悪化させるという問題があった。
そこで、従来は、このことに対処するため、下記文献にも記載されているように、微粉炭の多量吹き込みによって低コークス比高炉操業を行なう方法などが提案されている。
例えば、特許文献1では、多量の微粉炭を吹き込みを行なうと共に、鉄鉱石や石灰石、珪石、蛇紋岩に0.5〜3.0mmのドロマイト粒子を460〜100mass%を配合して、SiO2:4.2〜4.9mass%、MgO:1.5〜3.0mass%を含有する焼結鉱による高炉操業方法を提案している。このような微粉炭多量吹き込み高炉操業においては、軟化融着帯の幅を従来よりも小さくなるように制御して炉下部の通気抵抗の悪化を抑え、これによって、150kg/t−pig以上の微粉炭多量吹き込みを実現している。
また、特許文献2では、安価な原料を高炉内に装入する方法において、通常の原料よりも物理的および化学的性状が劣る劣質原料を、所定の位置に確実に堆積させる装入物分布制御方法を開示している。
非特許文献1では、還元コークスとしてコークス炉の乾留過程で発生するコークス炉ガス(COG)を改質して水素濃度を高めた改質COGを高炉の下部あるいは中部から吹き込むCO2低減技術について開示している。
非特許文献2では、高炉内における焼結鉱の還元粉化挙動を目的として、実炉に即した条件下で還元粉化試験を行い、還元粉化性に及ぼす高炉内各要因の影響について開示している。
特開平11−131151号公報 特開2003−328018号公報
http://jisf.or.jp/course50/technology01、「環境調和型製鉄プロセス技術開発に関する研究」 「鉄と鋼」、第68(1982)、第740頁「高炉操業におよぼす焼結鉱還元粉化性状の影響」
特許文献1、2はいずれも、微粉炭の多量吹き込み時でも安定した高炉操業を行なうための方法を開示するに止まり、高炉シャフト部から改質COGを吹き込んで出銑量を増大させる高炉操業方法を提案するものではない。
非特許文献1、2はいずれも、改質COGの吹き込み技術等を開示しているものの、上述したとおり、高出銑比高炉操業のための方法を提案するものではない。
即ち、これらの従来技術は、高炉シャフト部から改質COGを吹き込んで、低コークス比を維持しつつ出銑量の増大を図るための方法について提案するものではない。
そこで、本発明の目的は、改質COGを用いて、低コークス比を維持しつつ高出銑比高炉操業ができる方法を提案することにある。
従来技術が抱えている前述の問題点を克服することができると共に、上記目的を実現できる方法として、高炉の少なくともシャフト部から改質COGを吹き込むと共に、焼結鉱を炉内に装入するに当たっては、還元粉化指数の低い焼結鉱を炉壁側の位置に、そして還元粉化指数の高い焼結鉱を炉中心側の位置に装入して操業することを特徴とする高出銑比高炉操業方法を提案する。
前記の本発明方法においては、
(1)前記改質COGは、シャフト部の1100〜1300℃の温度領域の位置から150〜200Nm/t吹き込むこと、
(2)還元粉化指数の低い焼結鉱は、炉半径方向における無次元半径で炉壁から炉中心に向って1/4までの範囲の位置に装入すること、
(3)還元粉化指数の低い焼結鉱は、RDI値で34%未満の焼結鉱であること、
(4)前記還元粉化指数の高い焼結鉱は、炉半径方向における無次元半径で炉壁から炉中心に向って1/4〜4/4の範囲の位置に装入すること、
(5)還元粉化指数の高い焼結鉱は、RDI値で34%以上の焼結鉱であることが有効な解決手段である。
前述のような構成を有する本発明方法によれば、水素を含有する改質COGを高炉の少なくともシャフト部から吹き込むと共に、焼結鉱を低RDIのものと高RDIのものとに分別して炉半径方向の異なる位置に装入することで、焼結鉱の炉内での還元粉化を抑制することができるから、安定した高炉の操業が可能になると同時に、出銑量の増大が図れる。さらに、本発明によれば、改質COGを適量使用すること、及びその吹き込みの位置を特定することによって、低コークス比操業をも同様に達成することができる。
水素の有無における還元率と還元粉化率の関係を示す図である。 機械的負荷付与後の焼結鉱の粒度分布を示す図である。 還元ガス中に水素を添加しない場合の焼結鉱表面付近の断面組織写真図である。 還元ガス中に水素を添加した場合の焼結鉱表面付近の断面組織写真図である。 水素添加の有無による焼結鉱内亀裂密度の分布の違いを示す図である。 還元ガス中に水素を添加しない場合における焼結鉱内亀裂密度の変化を示すグラフである。 還元ガス中に水素を添加した場合における焼結鉱内亀裂密度の変化を示すグラフである。 本発明方法に従って改質COGを吹き込む様子を示す高炉の略線図である。 高RDI焼結鉱と低RDI焼結鉱を重ねて堆積させた通常の状況を示す模式図である。 高RDI焼結鉱と低RDI焼結鉱を炉半径方向に沿う異なる位置に堆積させた本発明方法に適合する状態を示す模式図である。 改質COGの吹き込み量と出銑量との関係を示す図である。 高炉内の温度分布の図である。 炉高方向における還元粉化率の分布図である。
一般に、焼結鉱は高炉上部で還元され、ヘマタイト(Fe)からマグネタイト(Fe)に相変化することが知られている。この相変化には体積膨張を伴うため、炉頂部に装入した焼結鉱中には歪みや亀裂が発生して脆くなり、自壊して粉化(還元粉化)することが知られている。こうした焼結鉱粉化率の増大が起こると、高炉内における通気抵抗が大きくなり、その分ガス利用率が低下することで、出銑量の減少を招くこととなる。
そこで、発明者らは、上述した還元粉化を抑制して出銑量の増大を図るための方法として、高炉シャフト部から炉内に水素リッチな改質COGを吹き込む方法に着目し、できればさらに、従来よりも高速で効率がよく、CO2の発生も少なくなる高炉操業の確立を目指して実験を行なった。
即ち、装入した焼結鉱が炉内でどのように粉化するかということを明らかにするために、その改質COGに相当するガスとして、還元ガス中に水素を添加したガスを用いて焼結鉱の還元粉化のメカニズムについて調査した。その結果、次のようなことが判明した。
なお、上記の検討に当たっては、まず、高炉操業を物質バランスと熱バランスの両面から解析する総括熱物質収支モデルを設定し、この総括物質収支モデルに高炉シャフト部から改質COGを吹き込んだ場合の高炉操業条件を入力して高炉操業緒言元を算出すると共に、高炉をメッシュ状に分割して、各々のメッシュにおける物質収支および熱収支を計算する部分収支モデルを設定し、この部分収支モデルに、前記総括物質収支モデルで入力した高炉操業条件と、上記高炉操業緒言元を入力して高炉内の各位置におけるガス組成分布と温度分布および装入物炉内降下速度を算出する。
次いで、こうして算出した高炉内の各位置の温度分布とガス組成分布および装入物炉内降下速度から、高炉内を降下する焼結鉱の還元条件の経時変化、即ち、焼結鉱が高炉に装入された後の経過時間と還元ガス組成および還元温度との関係を推定し、この推定した還元条件の経時変化を模擬して還元試験条件;還元時間に対する還元ガス組成および反応温度を設定し、これらの設定条件下で、還元試験を実施し、還元後の焼結鉱の還元率や還元粉化率を測定し、評価することで、高炉内における焼結鉱の還元粉化性状を正確に評価することにした。
以下に本発明で採用する上記の総括物質収支モデルと部分収支モデルについて具体的に説明する。
(A)総括熱物質収支モデル解析
本発明では、この総括熱物質収支モデルに、評価しようとしている高炉の操業条件を入力して、炉頂ガス成分や送風量、送風温度、送風湿分、酸素富化量、出滓量ならびに出滓成分、鉱石原単位、コークス比、還元材比、送風原単位、酸素原単位、スラグ比、ソルーションロス反応量、排出ガス量等の高炉操業諸元を算出する。この計算に用いる総括熱物質収支モデルの例としては、特に制限はないが、リストモデルと呼ばれるモデルを用いることが好ましい。
ここで、上記総括熱物質収支モデルに入力する高炉操業条件は、出銑量、羽口吹込み物質の種類、量、組成および焼結鉱とコークスの装入重量比(焼結鉱/コークス比)等である。そして、この総括熱物質収支モデルでは、「物質収支」については、高炉内に装入される焼結鉱、コークス、羽口吹き込み物質などの全装入物質中に含まれるFe,C,H,O,Sおよびアッシュ成分と、高炉から排出される溶銑やスラグ、排出ガス中に含まれるFe,C,H,O,Sおよびアッシュ成分の収支を計算する。一方、「熱収支」については、供給熱量をコークスの燃焼熱、空気の顕熱、酸化鉄から鉄への還元熱等とし、所要熱量をソルーションロス反応熱、不純物として含まれる酸化物の還元熱、Cの鉄への溶解熱、溶銑の顕熱、スラグの顕熱、炉壁からの熱損失、送風湿分等が関与する反応における吸熱、羽口からの添加物が関与する反応における吸熱とし、それら供給熱量と所要熱量との収支を計算する。
このようにして、高炉全体での物質収支と熱収支を計算する。即ち、高炉装入物、送風量、出銑滓量、排ガス量とに関する物質精算、さらにそれらの装入物質の入熱と排出物質の出熱との差をとる熱精算を用いて、炉頂ガス成分や送風量、送風温度、送風湿分、酸素富化量、出滓量ならびに出滓成分、鉱石原単位、コークス比、還元材比、送風原単位、酸素原単位、スラグ比、ソルーションロス反応量、排出ガス量等の高炉操業諸元を算出する。
(B)部分収支モデル解析
次いで、高炉の内部を、一定の基準に従ってメッシュ状に切って分割し、各々のメッシュ部分における「物質収支」および「熱収支」を計算する部分収支モデルを設定し、その部分収支モデルに、前述した総括熱物質収支モデルに入力した高炉操業条件および算出した前記操業諸元を入力して、高炉内の温度分布とガス組成分布および装入物炉内降下速度を算出する。
この「部分収支モデル」では、総括熱物質収支モデルで算出した高炉操業諸元を高炉全体として満足し、かつ、高炉内部の各々のメッシュが連続的に変化している状態を計算することにより、高炉内の温度分布やガス組成分布を算出する。
具体的には、まず、高炉の炉高方向に、間隔が炉内の層状構造の層厚に近くなるように分割し、また、高炉の半径方向には、炉高方向と同程度の大きさに分割してメッシュを切り、それらのまわりに境界用のメッシュを設ける。メッシュの最小単位である三角メッシュは、上記の方法で得られる四角メッシュを鈍角が出にくい方向に分割して得る。ガス流れや固体流れ、液体流れは三角メッシュで計算し、伝熱(温度)や反応(ガス組成)は四角メッシュで計算する。そして、各々のメッシュごとに、ガス、固体、液体の各相についての部分物質収支と部分熱収支を計算する。その他計算方法の詳細については、桑原らの技術文献(「高炉プロセスの数学的二次元モデル」,鉄と鋼,日本鉄鋼協会,Vol.77(1991)No.10,p.1593〜1600)が参考となる
(C)還元試験条件の設定
次いで、先に算出した高炉内の温度分布とガス組成分布および装入物炉内降下速度から、焼結鉱が高炉内を降下していく際の還元条件の経時変化、すなわち、焼結鉱の装入後経過時間に対する還元ガス組成および還元温度の変化を推定し、その推定した還元条件を模擬して、焼結鉱の還元試験における還元条件、すなわち、還元時間とともに変化させる還元ガス組成および還元温度を設定する。
具体的には、還元試験における昇温速度は、先に算定した高炉内の温度分布を半径方向に平均化して高炉の炉高方向における平均温度分布を求め、この炉高方向の平均温度分布と、先に(B)の部分収支モデルで算定した装入物炉内降下速度とから、焼結鉱が炉内を降下していく際の装入後経過時間に対する平均温度の変化を求め、この平均温度の経時変化を、還元試験における温度条件として設定してやればよい。
また、還元試験におけるガス組成は、先に算定した高炉内のガス組成分布を半径方向に平均化して高炉の炉高方向における平均ガス組成分布を求め、この炉高方向の平均ガス組成分布と、先に(B)の部分収支モデルで算定した装入物炉内降下速度とから、焼結鉱が炉内を降下していく際の装入後経過時間に対する平均ガス組成の変化を求め、この平均ガス組成の経時変化を、還元試験における還元ガス組成条件として設定してやればよい。
なお、上記設定した還元時間とガス組成との関係は連続的であるが、還元試験を簡略化するために、還元温度を数段階に分けて、還元ガスの組成を変更するようにしてもよい。ただし、ガス組成を自動制御できる場合には、さらに細かく組成を変更し、あるいは、連続的に変化させる方がよいことは勿論である。
(D)焼結鉱の還元試験
次いで、上記の処理を経て設定された、焼結鉱が高炉内を降下していく際の還元条件の経時変化を模擬した条件下として、高炉炉頂温度相当の温度から昇温しながら900℃以下の任意の温度まで、焼結鉱の還元試験を行う。この還元試験に用いる装置としては、昇温しながら還元試験が行なえるような高炉シャフト部模擬試験装置を用いることが好ましい。
即ち、この焼結鉱還元試験は、高炉炉頂温度(200〜400℃)から昇温しながら900℃以下の任意の温度までの範囲で実施する。なお、還元試験を行う温度の上限を900℃とする理由は、還元温度が900℃を超えると、焼結鉱の軟化が起こるようになるので、還元粉化性状を評価する意味が失われてしまうからである。したがって、還元試験は、高炉炉頂温度から900℃以下の任意の温度範囲であれば、焼結鉱の還元粉化性状の評価には十分である。ただし、上限温度が低すぎても、還元粉化が起こらないため、還元試験は少なくとも500℃以上まで実施するのが好ましい。
(E)還元粉化性状等の評価
上記のようにして還元試験に供した焼結鉱は、その後、JIS M8712「鉄鉱石−回転強度試験方法」に準拠してタンブラー試験を実施し、還元粉化率を測定し、還元粉化性状を評価する。またはさらに、JIS M8713「鉄鉱石−被還元性試験方法」に準じて、還元率を測定してもよい。
上記還元試験の結果の一例を、還元率と還元粉化率との関係として図1に示す。この図に示すように、炉内に水素含有還元ガスを吹き込んだ場合、還元率が2%より高い領域で還元粉化率が増大していた。この点については、従来、焼結鉱の還元粉化は、ヘマタイト(Fe)からマグネタイト(Fe)へ還元される相変化に伴う体積膨張が原因とされていたが、図1に示すところによると、等しい還元率における還元粉化率を比較すると、還元ガス中に水素を添加した場合と水素を添加しない場合とでは還元粉化率に差があることがわかる。つまり、還元粉化が起こる原因は、ヘマタイト(Fe)からマグネタイト(Fe)に還元されるときの相変化による体積膨張以外にも原因があることが考えられる。
そこで、還元ガス中に水素を添加した場合と水素を添加しない場合の還元粉化の違いを確認するため、還元試験およびタンブラー試験後の焼結鉱の粒度を調査した。図2は、その結果を示したものである。この図に示すように、還元ガス中に水素を添加した場合、粗粒の残留比率が減少することがわかった。そこで、粗粒の残留比率が減少する理由を調べるため、焼結鉱の表面付近の断面組織を光学顕微鏡で観察した。このとき撮影した画像を図3(水素無添加)、図4(水素添加)に示す。それによれば水素を添加しない例では、表面付近に微細な亀裂が多く入っていたが、還元ガス中に水素を添加すると、粗大な亀裂が多く確認されたものの、微細な亀裂の方はあまり確認されなかった。
次に、発明者らは、焼結鉱内の亀裂密度について定量的な調査を行なった。この調査では、焼結鉱の断面組織内の光学顕微鏡画像を格子状に分割し、同心円状に位置する格子内の亀裂密度の平均値を測定値とて亀裂密度の分布を求めた。焼結鉱内の単位断面積当たりの亀裂密度の測定結果を図5、図6、図7に示した。これらの図から判るように、還元ガス中に水素を添加した場合と水素を添加しない場合との焼結鉱について、還元率が殆ど等しい焼結鉱内部の亀裂密度の分布を比較すると、水素を添加しない場合では表面付近ほど亀裂密度が高く、還元ガス中に水素を添加した場合では、中心部にも多くの亀裂が認められた。つまり、還元ガス中に水素を添加しない場合、還元率が増加すると表面付近の亀裂密度が大きくなるが、表面から離れるほど亀裂密度に変化は見られなくなるに対し、還元ガス中に水素を添加した場合は、還元率が増加すると表面近傍のみならず中心部の亀裂密度も増加していることがわかる。
以上のことを整理すると、還元ガス中に水素を添加しない場合では、表面破壊が優勢になって還元粉化が進みやすく、一方、還元ガス中に水素を添加した場合では、水素分子が焼結鉱内部まで進み、内部を起点として焼結鉱が大きく割れる体積破壊が優勢になっていると考えられる。
上記実験結果を踏まえてこれを整理すると、還元ガス中に水素を添加しない場合と水素を添加した場合では、同じ還元率であったとしても還元粉化率や亀裂密度の分布、機械的負加付与後の粗粒の残留比率あるいは還元に伴う亀裂密度分布の変化は異なることが判った。
そこで、これらの違いを定量的なものにするため、化学反応速度論的な解析を行った。即ち、N2−COガスとN2−H2ガスを用いて、JIS−RI試験(JIS M 8713)を行い、その試験結果から既知の未反応核モデルを用いて、還元ガス中に水素を添加しない場合と水素を添加した場合の焼結鉱の粒内拡散係数Deを求めることにした。
ここで、粒内拡散係数Deは、「CO−CO2混合ガスによる酸化鉄ペレットの段階ごと還元」、鉄と鋼、第63年(1977)第7号、第1099−1107頁に示される界面未反応核モデルを用いた還元解析から求められるものである。
上記の解析試験の結果によると、水素無添加の場合におけるDeは0.13cm2/s、水素を添加した場合のDeは1.80cm2/sとなった。つまり、還元ガス中に水素を添加した場合の方が、焼結鉱の粒内拡散係数が大きく、還元反応において水素分子が焼結鉱内部へよく拡散し還元がよく進行することが判る。一方で、還元ガス中に水素を添加しない場合、すなわちCO還元が進行する場合、表面破壊が優勢の還元粉化がよく進むが、還元ガス中に水素を添加した場合には、水素分子が焼結鉱内部にまで入り、その内部を起点として焼結鉱が割れる体積破壊が優勢に進むことがわかった。
以上のことから、還元粉化を抑えて出銑量の増大を図るには、水素添加の還元ガス、即ち、前記改質COGを用いることが有効であるとの結論が得られた。
次に、発明者らは、高炉の操業において、前記改質COGをシャフト部からどのように吹き込むのが好ましいかについて、さらに検討を行なった。この検討に当たっては、150〜250Nm/tの改質COGを、シャフト部の炉内温度1100℃〜1300℃に相当する位置から吹き込んだ。その結果、図8に示すように、羽口から吹き込んだガスG1は炉の中心側を上昇し、シャフト部から吹き込んだガスG0は炉壁側を流れて上昇することを知見した。しかも、これらの2ヶ所から吹き込んだガスは、炉内では互いに合流しないと考えられる。そこで、たとえば、羽口からは空気を吹き込み、シャフト部からは改質COGを吹き込むと、この両者は混合することなく、炉頂部に達すると考えられる。
その結果、こうした操業では、炉壁側での水素濃度は高く、炉の中心側では水素濃度が低くなる。従って、この場合において、例えば、高RDI焼結鉱と低RDI焼結鉱とを重なり合うように装入して積層させた場合、図9に示すように、改質COGとの接触機会は炉壁側が高いことから、この炉壁側部分の還元粉化の方がより進んで、還元粉化率が増大する。このことにより、炉内での圧損が増大し、送風量が限界に達して出銑量の低下を招くようになる。
このように、水素リッチな改質COG吹き込み雰囲気下で焼結鉱を還元しようとした場合、上記のような高・低RDI焼結鉱の通常の積層装入では、特に炉壁側において焼結鉱内部への水素分子の拡散により還元粉化が進行し還元元粉化率が増大する。そこで、本発明では、図10に示すように、高RDI焼結鉱を炉の中心側の位置に装入し、一方、低RDI焼結鉱の多くが炉壁側に堆積するように装入することにした。その結果、高RDI焼結鉱が改質COGに接触する機会が少なくなるため、焼結鉱の還元粉化が抑制され、還元粉化率も低下して出銑量の増加が期待できるようになる。
次に、前記改質COGについて説明する。この改質COGについて、本発明では、ガス中に含まれるH2の含有量によって決定する。一般に、製鉄所ではコークスを製造する際にコークス炉ガス(COG)が発生するが、このCOG中のH2含有量は50vol%程度である。これに対し、本発明で使用する改質COGとは、上記COGの熱エネルギーを利用して、COG中に含まれる炭化水素やタールを熱分解しながら、COG中のH2含有量を10〜20vol%程度増加させたガスである。従って、本発明で使用可能な改質COGとは、このガス中に含まれるH2の含有量が60〜70vol%程度のものである。
その改質COGのシャフト部からの炉内への吹き込み量については、図11に示すように、改質COGを150Nm/t吹き込んだ場合、出銑量が急激に増大しているという経験から、下限値は150Nm/tとすることが好ましい。また、改質COG吹き込み量が150Nm/t、200Nm/t、300Nm/t吹き込んだ場合の出銑量は殆ど変化しておらず、製鉄所で製造できる改質COGの最大量は300Nm/tであることから、上限値は300Nm/t程度とすることが好ましい。
上述したように、本発明では、高RDI焼結鉱は炉半径方向の中心側に装入し、低RDI焼結鉱については、炉壁寄りの位置に装入することが好ましい。
例えば、還元粉化指数の低い焼結鉱として、RDI値で34%未満の焼結鉱を、炉半径方向における無次元半径で炉壁から炉中心に向って、1/4までの範囲の位置(炉壁寄り)に装入する。一方、還元粉化指数の大きい焼結鉱として、RDI値で34%以上の焼結鉱を、炉半径方向における無次元半径で炉壁から炉中心に向って、1/4〜4/4の範囲の位置に装入する。以下、その理由について詳しく説明するが、これは発明者らが行なった以下の試験操業の結果から得られたものである。
即ち、この試験操業では、高RDI焼結鉱として、RDI値が37.6%の焼結鉱を用い、一方、低RDI焼結鉱としてはRDI値が28.2%の焼結鉱を用いた。これらの焼結鉱を表2、3に示すように、低RDI焼結鉱については炉壁から炉半径方向の中心部に向って1/4までの範囲の位置に装入し、高RDI焼結鉱は炉半径方向の炉壁から炉中心に向って1/4〜4/4までの範囲の位置に装入した(発明例2)ときの出銑量と、RDI値が33.8%の焼結鉱を炉壁から炉半径方向の中心部に向って1/4までの範囲の位置に装入し、RDI焼結鉱が37.6%の焼結鉱を炉半径方向の炉壁から炉中心に向って1/4〜4/4までの範囲の位置に装入した場合(発明例6)における出銑量とを比較すると、この両者は殆ど等しいものとなっている。しかし、RDI値が34.5%の焼結鉱を炉壁から炉半径方向の中心部に向って1/4までの範囲の位置に装入し、RDI焼結鉱が37.6%の焼結鉱を炉半径方向の炉壁から炉中心に向って1/4〜4/4までの範囲の位置に装入した場合(比較例7)における出銑量と、RDI値が33.8%の焼結鉱を炉壁から炉半径方向の中心部に向って1/4までの範囲の位置に装入し、RDI焼結鉱が37.6%の焼結鉱を炉半径方向の炉壁から炉中心に向って1/4〜4/4までの範囲の位置に装入した場合(発明例6)における出銑量とを比較すると、発明例6における出銑量の方が約306t/日多い。また、炉半径方向の炉壁から炉中心に向って1/4〜4/4までの範囲の位置に装入する焼結鉱のRDI値を37.6%と一定にし、炉壁から炉半径方向の中心部に向って1/4までの範囲の位置に装入する焼結鉱のRDI値が33.8%と34.5%の場合とでは出銑量が大きく異なっている。以上の結果から、本発明では、RDI値が34%以上の焼結鉱を高RDI焼結鉱とし、RDI値が34%未満の焼結鉱を低RDI焼結鉱と定義することにした。
次に、本発明において、改質COGを吹き込む温度領域としては、炉内温度が1100℃〜1300℃であるシャフト部としたが、これは次の理由で設定した。即ち、図12に示すように、高炉内の温度分布は、上部熱交換帯、ガスと固体間の温度差が非常に小さく温度が殆ど一定である熱保存帯、下部熱交換帯から成り立っており、熱保存帯の温度は約1000℃である。1000℃以下の箇所から改質COGを吹き込んだ場合、改質COGが熱保存帯を通過しないため、改質COGが熱保存帯での還元に寄与せず、上部熱交換帯での還元にのみ寄与することとなる。これらの理由から、改質COGを熱保存帯での還元に寄与させるため、改質COGを吹き込む温度領域の下限温度を熱保存帯の温度よりも高い1100℃とした。吹き込み位置の上限温度については、上限温度が高すぎると、吹き込み羽口の周囲に滴下帯からのスラグが付着する。これらの理由から、改質COGを吹き込む温度領域の上限温度を、滴下帯の温度よりも低い1300℃とした。
本発明方法に従い、図8に示すような内容積5000mの高炉に改質COG吹き込みの操業を行なった。即ち、羽口先温度が2200℃、羽口から吹き込む送風温度が1140℃の高炉操業において、水素含有還元材である改質COG(H2含有量:65vol%、CO含有量:35vol%)を、150Nm/t、200Nm/t、300Nm/tの条件について、炉内温度が1200℃程度のシャフト部から吹きむ操業と、200Nm/tの改質COGを炉内温度が1100℃程度および1300℃程度の位置から吹き込む操業とを行った。なお、改質COGについては、このガス中に含まれる全ての炭化水素、タールを熱分解し、水素濃度を15%増量させたものを用いた。
炉内温度の測定は、次のような懸垂型多点式温度計を用いた。この温度計は、3.2mmφのステンレス製シース熱電対に錘を付けて炉内の装入物表面に降下させておき、次の焼結鉱装入によりその錘を装入物に捕捉させる。従って、該シース熱電対は、装入物と共に約60〜80mm/minの速度で炉内を順次に降下しながら炉内温度を連続的に測定できるようにしたものである。
なお、装入した焼結鉱は、RDIが28.2%のものと37.6%の2種類の焼結鉱を用いた。
試験は、本発明に適合する例(発明例)として、改質COG(H含有量:65vol%、CO含有量:35vol%)150Nm/t、200Nm/t、300Nm/tを炉内温度1200℃の箇所から吹き込んだ例、および200Nm/tの改質COGを炉内温度1100℃、1300℃の箇所から吹き込んだ例(発明例4、5)を示す。発明例と比較例の各高炉操業条件、およびその操業条件下における炉頂ガスの量、組成、温度を表2、3に示した。
これらの表に示すように、比較例1は、改質COGを全く吹き込まない操業であり、比較例2は、炉内温度1200℃の領域から改質COGを少量(100Nm/t)吹き込んだ操業例である。比較例1と比較例2とを比べた場合、この両者の間では出銑量の大幅な増加は見込まれず殆ど同じであった。
これに対し、発明例1は、炉内温度が1200℃のシャフト部から改質COGを150Nm/t吹き込んだ操業例である。この発明例1を比較例1と比べると、発明例の方が出銑量にして351t/day多く、還元材比は37kg/t減少した。発明例1と比較例2とを比べると、発明例1の方が出銑量は341t/day多く、還元材比は19kg/t少なかった。
発明例2は、炉内温度が1200℃のシャフト部から改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業例である。この発明例2と比較例1とを比べると、発明例2の方が出銑量にして372t/day多く、還元材比については40kg/t少なかった。また、発明例2と比較例2とを比べると、発明例2の方が出銑量で362t/day多く、還元材比は22kg/t少なかった。
発明例3は、炉内温度が1200℃程度であるシャフト部から改質COGを300Nm/t吹き込んだ操業例である。この発明例3と比較例1とを比べると、発明例3の方が出銑量にして374t/day多く、還元材比は43kg/t少なかった。また、この発明例3と比較例2とを比べると、発明例3の方が出銑量にして3464t/day多く、還元材比は25kg/t少なかった。
なお、比較例3は、炉内温度が800℃の高炉シャフト部の位置から改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業例であり、比較例4は、炉内温度が1000℃の位置から改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業例である。因みに、比較例3と比較例4とを比べると、出銑量の増加量は殆んど差がなく同じであった。
また、発明例2と比較例3および比較例4との還元材比について比較したところ、こられはいずれも同じレベルであった。しかし、出銑量については、発明例2の方が比較例3と比べて335t/day多く、比較例4と比べて326t/day多かった。
発明例1は、炉内温度が1200℃のシャフト位置から改質COGを150Nm/t吹き込んだ例である。発明例1と比較例3および比較例4の出銑量を比べると、発明例1の方が比較例3に比べて314t/day多く、比較例4に比べて305t/day多かった。
発明例3は、シャフト部の炉内温度が1200℃の位置から改質COGを300Nm/t吹き込んだ操業である。出銑量について、発明例3と比較例3および比較例4とを比べると、発明例3の方が比較例3よりも337t/day多く、また、比較例4よりも328t/day多かった。
発明例4は、シャフト部の炉内温度が1100℃の位置から改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業である。この発明例4と比較例3および比較例4とを比べると、出銑量については発明例4の方が比較例3よりも334t/day多く、比較例4よりも325t/day多かった。
発明例5は、シャフト部の炉内温度が1300℃の位置から改質COGを300Nm/t吹き込んだ操業である。この発明例5と比較例3および比較例4とを比べると、発明例5の出銑量の方が比較例3よりも336t/day多く、比較例4より327t/day多かった。
なお、比較例5は、高RDI焼結鉱(RDI:37.6%)を高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4までの範囲の位置に装入し、低RDI焼結鉱(RDI:28.2%)を高炉半径方向の無次元半径で1/4の位置から炉の中心方向にかけての中心部(無次元半径で1/4〜4/4)にかけて装入し、シャフト部の炉内温度が1200℃の位置から改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業例である。比較例6は、高RDI焼結鉱(RDI:37.6%)を炉半径方向の無次元半径で1/2の位置から炉の中心方向にかけての中心部(無次元半径で2/4〜4/4)にかけて装入し、低RDI焼結鉱(RDI:28.2%)を高炉半径方向炉壁から無次元半径で1/2までの範囲の位置に装入し、かつシャフト部の炉内温度が1200℃の位置からは改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業例である。この比較例6と比較例5とを比べた場合、出銑量の増加量は僅か16t/dayであり、殆ど差がなかった。
一方、発明例2は、高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4までの範囲の位置にRDI:28.2%の焼結鉱(低RDI焼結鉱)を装入し、無次元半径で1/4の位置から炉の中心部にかけての範囲の位置にRDI:37.6%の焼結鉱(高RDI焼結鉱)を装入し、シャフト部の炉内温度が1200℃の位置に改質COGを200Nm/t吹き込んだ操業例である。この発明例2と前記比較例5とを比較すると、還元材比はほぼ同じであるが、発明例2の出銑量は369t/dayも増加した。また、この発明例2と比較例6を比べた場合、還元材比は同じであるが、発明例2の出銑量は353t/dayも多かった。さらに、発明例1と比較例5とを比べると、発明例1の出銑量が348t/day多く、比較例6と比較すると、332t/day多かった。さらに、発明例3と比較例5とを比べると、発明例3の出銑量は371t/day多く、比較例6を比べると発明例3の方が約355t/day出銑量の増加を確認した。
なお、本発明例において、改質COGを吹き込む位置を、シャフト部の炉内温度が1200℃の位置から吹き込むことにより、酸素富化率の低減も得られた。
本発明の高炉操業方法の特徴は、表1に示すRDIの異なる2種類の焼結鉱を使用した。そして、原料の高炉内への装入に際しては、鉱石層とコークス層とを交互に積層させる際に、鉱石層を積層形成するための原料を2バッチに分割し、1バッチ目は、高RDIの焼結鉱を高炉半径方向の無次元半径で1/4の位置から炉の中心部にかけての範囲の位置に装入し、2バッチ目は、低RDI焼結鉱を高炉半径方向の炉壁側から無次元半径で1/4までの範囲の位置(炉壁側)に装入した。
高炉の高さ方向における還元粉化率の測定については、垂直ゾンデをゾンデ挿入口より炉内原料堆積面まで機械的に押し込んだ後、ゾンデ吊り下げワイヤーを緩め、装入物と共に自然降下させ、所定の深さに達した時点で、炉周辺部(高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4までの範囲の位置)の装入物と、炉中間部(高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4〜4/4までの範囲の位置)の装入物を試料容器内に落とし込み、その後、ゾンデ上部より窒素ガスを吹き込み、冷却を促進しながらゾンデを引き上げるという手法を用いて行なう。
上記測定値からの還元粉化率の算出は、以下のように行った。
まず、高炉半径方向の炉壁側から無次元半径で1/4の位置までの範囲における炉内面積と、高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4〜4/4までの範囲の位置における炉内面積の比が7:9であることから、高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4までの範囲の還元粉化率をA%、高炉半径方向の炉壁から無次元半径で1/4〜4/4までの範囲の還元粉化率をB%とした場合、高炉内における還元粉化率の平均値を(7/16)×A+(9/16)×Bの式に基づいて算出した。測定結果については、図13に示すように、高炉の高さ方向における還元粉化率は、従来の通常操業と同等となった。
Figure 2013147692
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本発明方法に係る技術は、単に出鉱量の増大を図る場合だけでなく、低コークス比操業を目指す場合にも有効な高炉操業方法である。

Claims (6)

  1. 高炉の少なくともシャフト部から改質COGを吹き込むと共に、焼結鉱を炉内に装入するに当たっては、還元粉化指数(RDI)の低い焼結鉱を炉壁側の位置に、そして還元粉化指数(RDI)の高い焼結鉱を炉中心側の位置に装入して操業することを特徴とする高出銑比高炉操業方法。
  2. 前記改質COGは、シャフト部の1100〜1300℃の温度領域の位置から150〜200Nm/t吹き込むこと特徴とする請求項1に記載の高出銑比高炉操業方法。
  3. 還元粉化指数の低い焼結鉱は、炉半径方向における無次元半径で炉壁から炉中心に向って、1/4までの範囲の位置に装入すること特徴とする請求項1または2に記載の高出銑比高炉操業方法。
  4. 還元粉化指数の低い焼結鉱は、RDI値で34%未満の焼結鉱であること特徴とする請求項3に記載の高出銑比高炉操業方法。
  5. 前記還元粉化指数の高い焼結鉱は、炉半径方向における無次元半径で炉壁から炉中心に向って、1/4〜4/4の範囲の位置に装入すること特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の高出銑比高炉操業方法。
  6. 還元粉化指数の高い焼結鉱は、RDI値で34%以上の焼結鉱であること特徴とする請求項5に記載の高出銑比高炉操業方法。
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