JP2018178252A - 回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法及び回転炉床炉 - Google Patents

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【課題】回転炉床炉で得られる還元鉄の再酸化を抑制して、金属化率を高めることができる還元鉄の製造方法、及びこれに用いる回転炉床炉を提供する。【解決手段】環状の炉体内を回転する回転炉床に酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成物を装入し、炉体に備え付けられた加熱手段により塊成物を加熱する回転炉床炉を用いた還元鉄を製造するにあたり、回転炉床上の塊成物を還元する還元区域に対して、非酸化性ガス供給装置から非酸化性ガスを供給して、回転炉床上に装入された塊成物からなる塊成物装入層の上面近傍を非酸化性雰囲気にしながら、塊成物を還元する還元鉄の製造方法であり、また、このような非酸化性ガス供給装置を備えた回転炉床炉である。【選択図】図4

Description

この発明は、回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法、及び回転炉床炉に関し、詳しくは、得られる還元鉄の再酸化を抑制して金属化率を高めることができる還元鉄の製造方法、及びそれに用いる回転炉床炉に関する。
鉄鉱石等の酸化鉄含有物質(酸化鉄原料)に含まれる酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法として、石炭等の炭材(還元材)を酸化鉄原料と共に塊成物に含めて還元鉄を得るような還元鉄製造プロセスが注目されている。そのひとつに、環状の炉体内を回転する回転炉床を備えた回転炉床炉(RHF)により塊成物を加熱し、還元鉄を製造した後に炉外へ排出するというプロセスがある。
このプロセスは、製鉄ダスト等の酸化鉄原料と、粉状の石炭やコークス等の還元材とを混合し、ペレットやブリケットのような塊成物に成形して回転炉床に装入し、炉体内の加熱区間に設けられたバーナーの燃焼によるガス伝熱と輻射熱で加熱して還元鉄を製造するものである。そのため、現在広く用いられている高炉プロセスに比べて原料性状の制約が少なく、高炉プロセスで用いることの出来ない原料を使用することで、低コストでの鉄生産が可能になる。
このように回転炉床炉を用いて還元鉄を製造する場合、その製造能力、すなわち、単位時間あたりに原料中の酸化鉄が還元される量は、主として、回転炉床の炉床面積と炉温によって決定される。このうち、炉温については、既に、実操業では、設備制約等の観点で許容される範囲で可能な限り高くしている。一方で、炉床面積を改めて拡張するのは容易でなく、仮に回転炉床上での装入量を増やすために敷き詰める塊成物の層数を多くしようとすると、表層側の塊成物に比べて下層側の塊成物の加熱が不十分となって、かえって還元効率が低下してしまう。
ここで、還元鉄製造原料である塊成物は一般に多孔質体であり、塊成物内の伝導伝熱は極めて遅い。また、この還元鉄製造の反応系においては、還元に係わる一酸化炭素(CO)は、塊成物に含まれる炭材中の炭素(C)と気孔内に存在する二酸化炭素(CO2)とが反応して生成するが、この一酸化炭素生成反応(ブードア反応:C+CO⇔2CO)が吸熱反応であるため、還元反応を進行させるためには、反応熱を補償する熱量を塊成物の外部から供給し続ける必要がある。ところが、回転炉床炉での塊成物の還元反応は、炉からの輻射による入熱が塊成物内部へ伝わり、その入熱量を駆動力に反応が進むものであり、これには比較的大きな入熱を要する。また、炉の後段では金属化率が少なくとも60%程度に達しており、塊成物はより多孔性の構造になり、その結果、気孔中のガスによって伝導伝熱が阻害され、外から熱を十分に与えても中心まで熱が伝わり難い構造となる。そのため、塊成物内部の還元を促進させるためには多量の熱を必要とし、このような塊成物の還元反応は、塊成物の伝熱が反応を律速していると考えられている。
そこで、一般には、塊成物に含まれる炭材から発生したCOガスを可燃性揮発成分として有効利用することを目的に、炉体内に燃焼用空気(二次空気、二次燃焼空気等と呼ばれる)を吹き込んで燃焼させ、炉体内の雰囲気温度を上げて伝熱を高める方法が用いられている(特許文献1、非特許文献1参照)。しかしながら、得られる還元鉄の金属化率を思うように高めることはできていない。
一方で、バーナーの輻射熱による加熱とは別に、炉体に設けられたマイクロ波発振装置により特定のマイクロ波出力を有するマイクロ波を照射して、塊成物を加熱する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法によれば、回転炉床に装入された塊成物全体に対して均一な加熱が行われるようになり、加熱むらが抑制されて還元効率を向上させることができる。しかしながら、この方法では、高い設備費を要すると共に、製造コストが増大してしまう問題がある。
また、回転炉床炉で製造された還元鉄を引き続きロータリーキルン式の還元炉で還元することで、還元鉄の金属化率を高める方法が提案されている(特許文献3参照)。上述したように、還元鉄製造原料である塊成物は多孔質体であり、しかも、回転炉床炉での加熱の最終段階においては更に気孔率が大きくなってしまうことから、回転炉床炉による加熱には限界があるとして、この方法では、回転炉床炉による還元とロータリーキルンによる還元との2段階の還元ステップを通じて、還元効率を高めるようにしている。しかしながら、回転炉床炉のみで還元鉄を製造する場合に比べて工程数が増え、コストも嵩んでしまう。
なお、通常の直火型バーナーに替えて、セラミックス系材料からなる外筒を有したラディアントチューブバーナーを加熱手段として炉体に設けて、酸素含有ガスを供給しながら還元鉄を製造する回転炉床炉が提案されており(特許文献4参照)、これによって、炉体内の塊成物から発生した可燃性揮発成分(CO)がバーナー排ガスにより希釈されるのを防いで、二次空気を吹き込んだ際の可燃性揮発成分(CO)の燃焼率を向上させることができるとしている。
特開2001−288504号公報(段落0021) 特開2012−82495号公報(請求項1) 特許第5825459号(請求項1) 特開2011−27345号公報(段落0058)
立石雅孝、原田孝夫、八十格、多田俊哉、「還元鉄プロセスにおけるCFDモデリング」、神戸製鋼技報、Vol.60 No.1(2010年4月)、p43−49
回転炉床炉を用いた還元鉄の製造は、製鉄所で発生する鉄分含有ダスト等を有効に利用する環境調和型プロセスであると言える。特に、近年では、ゼロエミッションの推進を目的として、製鉄ダストやスラッジといった製鉄プロセスで発生する副産物の再資源化だけでなく、粉状の鉄鉱石といった劣質鉱石や劣質石炭のような劣質原料が還元鉄の製造に用いられるようになっており、劣質鉱石はダストに比べて還元性に劣るため、回転炉床炉の製造能力を更に高める必要がある。
しかしながら、上述したとおり、実操業での回転炉床炉の炉温は許容される範囲で最大に高められており、また、二次空気を吹き込んで可燃性揮発成分(CO)を燃焼させることも行われているが、これらよりも更に加熱条件を改善するのは難しい状況にある。一方で、マイクロ波照射による加熱や、ロータリーキルンを組み合わせた方法等も検討されているが、コスト性や作業効率等の問題を解消する必要がある。
そこで、本発明者らは、回転炉床炉による還元鉄の製造において、新たな手段で製造能力を向上させることについて鋭意検討を重ねた結果、これまでは塊成物の還元反応が伝熱律速であると考えられていたところ、むしろ、塊成物から発生する可燃性揮発成分を燃焼させずに、炉体内で塊成物を還元する還元区域に非酸化性のガスを供給して、還元鉄の再酸化を抑制することで、得られる還元鉄の金属化率が高められるようになることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、回転炉床炉で得られる還元鉄の再酸化を抑制して、金属化率を高めることができる還元鉄の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、還元鉄の再酸化を抑制して金属化率を高めることができる回転炉床炉を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)環状の炉体内を回転する回転炉床に酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成物を装入し、炉体に備え付けられた加熱手段により塊成物を加熱する回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法であって、
前記炉体が、回転炉床上の塊成物を昇温する予熱区域と、回転炉床上の塊成物を還元する還元区域とを有しており、該還元区域に非酸化性ガスを供給して、少なくとも前記回転炉床上に装入された塊成物からなる塊成物装入層の上面近傍を非酸化性雰囲気にしながら、塊成物を還元することを特徴とする、回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
(2)前記非酸化性ガスが不活性ガスであるか、COガスであるか、又はこれらの組み合わせである、(1)に記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
(3)前記炉体の還元区域における加熱手段が直火型バーナーであり、該直火型バーナーを空気比1以下で燃焼させて塊成物を加熱する、(1)又は(2)に記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
(4)前記炉体の還元区域における加熱手段がラディアントチューブバーナーであり、該ラディアントチューブバーナーにより塊成物を加熱する、(1)又は(2)に記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
(5)前記炉体の還元区域に供給する非酸化性ガスを回転炉床炉から排出される排ガスで予熱して供給する、(1)〜(4)のいずれかに記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
(6)前記予熱区域では、バーナーの燃焼による燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させて加熱する、(1)〜(5)のいずれかに記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
(7)環状の炉体内を回転する回転炉床に酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成物を装入し、炉体に備え付けられた加熱手段により塊成物を加熱して還元鉄を製造する回転炉床炉であって、
前記炉体が、回転炉床上の塊成物を昇温する予熱区域と、回転炉床上の塊成物を還元する還元区域とを有しており、該還元区域に非酸化性ガスを供給して、少なくとも前記回転炉床上に装入された塊成物からなる塊成物装入層の上面近傍を非酸化性雰囲気にする非酸化性ガス供給装置を備えたことを特徴とする、回転炉床炉。
(8)前記非酸化性ガス供給装置から供給される非酸化性ガスが、不活性ガスであるか、COガスであるか、又はこれらの組み合わせである、(7)に記載の回転炉床炉。
(9)前記炉体の還元区域における加熱手段が、空気比1以下で燃焼させる直火型バーナーである、(7)又は(8)に記載の回転炉床炉。
(10)前記炉体の還元区域における加熱手段が、ラディアントチューブバーナーである、(7)又は(8)に記載の回転炉床炉。
(11)前記非酸化性ガス供給装置から供給される非酸化性ガスを回転炉床炉から排出される排ガスで予熱する予熱装置を備える、(7)〜(10)のいずれかに記載の回転炉床炉。
本発明によれば、回転炉床炉で得られる還元鉄の再酸化を抑制して、金属化率を高めることができる。特に、本発明では、回転炉床炉の炉温を更に高温にしたり、マイクロ波発振装置やロータリーキルンのような特殊な装置を必要としないことから、コスト性や作業効率に優れて、効率良く還元鉄を製造することができるようになる。
図1は、回転炉床炉を説明するために外観を模式的に示した斜視説明図である。 図2は、回転炉床炉を周方向に沿って展開した模式説明図である。 図3は、Fe−O−C系における還元平衡図である。 図4は、本発明における炉体内の還元区域での様子を模式的に示した説明図(図1におけるX−X断面)である。 図5は、炉体内の予熱区域でのバーナーによる加熱の様子を模式的に示した説明図である。 図6は、炉体内の予熱区域でのバーナーによる別の加熱の様子を模式的に示した説明図である。 図7は、熱交換器(予熱装置)を使って非酸化性ガスを回転炉床炉から排出される排ガスで予熱して炉体に供給する様子を示した模式説明図である。 図8は、実験例2で使用した実験装置の模式説明図である。 図9は、実験例1で使用した実験装置の模式説明図である。 図10は、従来法における炉体内の還元区域での様子を模式的に示した説明図(図1におけるX−X断面)である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、環状の炉体内を回転する回転炉床に酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成物を装入し、炉体に備え付けられた加熱手段により塊成物を加熱する回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法に関する。この還元鉄の製造は、回転炉床炉内で主に下記式(1)、(2)のような反応が繰り返されることで酸化鉄原料が還元されるものと考えられる。
Fe+ 3CO → 2Fe + 3CO ……(1)
CO + C → 2CO … …(2)
すなわち、先ず、反応式(2)で示されるように、塊成物に含まれる石炭等の還元材がガス化してCOを発生し、これが還元材中のCと反応してCOを生成する。このガス化は800℃程度で起こり、高い温度が必要となることから、還元鉄の反応が伝熱律速と言われる所以でもある。そして、反応式(1)で示したように、このCOが塊成物中の酸化鉄原料を還元して、還元鉄が得られる。その際、還元鉄の形成と共に発生するCOの一部は反応式(2)で利用される。
このような反応を行うにあたり、例えば、予め、製鉄ダスト等の酸化鉄原料と、粉状の石炭やコークス等の還元材とを所定の配合比で配合し、ボールミル等の粉砕機で所定の粒径まで粉砕して、更に混練機等を用いて混練する。その際、水分量を調整する調湿処理等を施して、得られた混練物をパンペレタイザー(皿型造粒機)、ダブルロール圧縮機(ブリケット製造機)、押し出し成形機等によりペレットやブリケット等に成形し、その後、乾燥機により乾燥して、水分含有量が8%以下程度の塊成物を製造する。得られた塊成物は、図1に示したような回転炉床炉1に塊成物を装入して加熱する。この回転炉床炉1は、環状の炉体内を同心円で回転する回転炉床を有しており、回転炉床上に装入された塊成物が炉体内を周方向に沿って移動する過程で加熱され、還元されて還元鉄となり、炉体から取り出される。
図2には、回転炉床炉1を周方向に沿って展開した模式説明図が示されている。炉体2に設けられた装入口4から回転炉床3上に装入された塊成物5は、レベラー6により平坦にならされて塊成物の装入層(塊成物装入層)7が形成され、回転炉床3の回転に伴って炉体2内を移動していく。その間、塊成物装入層7を形成する塊成物5は、炉体2の炉壁(内周壁、外周壁)や炉上に設けられた加熱手段である複数のバーナー9によって生じた高温燃焼ガスの輻射熱により加熱され、塊成物5中の還元材により酸化鉄原料が還元され、還元された酸化鉄原料である還元鉄は、高温の状態で排出スクリュー8によって払出し口11から払い出される。通常は、炉体2内を回転炉床3が約10分から20分程度かけて1回転することで、還元反応は終了する。一方で、炉体2内で発生する排ガスは、炉体2に設けられた排気口12から排気して炉圧の上昇を防ぐようにしており、これにより、環状の炉体2内には排気口12に向けた対向流が形成される。
ここで、塊成物装入層7を形成する塊成物5は、いくつかの加熱区間ごとに炉体2内の温度を制御しながら段階的に温度が高められて、最終的には約1100℃程度まで加熱されるのが一般的であるが、塊成物5を回転炉床3に装入して急激に加熱すると、塊成物5に含まれた水分によって爆裂するおそれがある。そのため、塊成物5の温度を徐々に高めた後に還元反応が進むようにしており、炉体2内を大きく2つに分けると、回転炉床3上の塊成物5の昇温を主な目的とする予熱区域(予熱ゾーン)と、回転炉床3上の塊成物5の還元を主な目的とする還元区域(還元ゾーン)とに区分けすることができる。上述したように、塊成物に含まれる還元材がガス化して酸化鉄原料の還元がはじまることから、装入口4から装入された塊成物5の温度が800℃程度に加熱されるまでを予熱区域とし、それ以降、塊成物5の温度が最終的な加熱温度になるまでを還元区域と言うこともできる。
ところで、従来法では、炉体2内の雰囲気温度を高める目的から、炉体2の還元区域に二次空気を吹き込んで、塊成物に含まれる還元材から発生したCOガスを燃焼させている。これは、図10に示したように、回転炉床3上の塊成物5からなる塊成物装入層7の上面7a近傍には、上記式(2)で示した還元材から発生するCOガスが十分に満たされた雰囲気を形成しており(図中の領域21)、炉体2の炉壁に設けられたバーナー9の下方の空気吹出し口20から二次空気を吹き出すことで、更に上層に存在する余剰のCOガスを燃焼させるという考えのものである(図中の領域22)。すなわち、回転炉床炉での還元反応は、塊成物の伝熱が反応を律速しており、塊成物の加熱温度を上昇させることが重要であるという認識に基づいている。ところが、下記の実施例における実験結果によれば、塊成物装入層7の上面7a近傍では十分なCO雰囲気が形成されずに、還元鉄の再酸化が生じる環境にあることが判明した。
そのため、本発明においては、炉体2の還元区域で非酸化性ガスを供給して、少なくとも塊成物装入層7の上面7a近傍を非酸化性雰囲気にしながら、塊成物5の還元反応を進めるようにする。これは、回転炉床炉での還元反応は塊成物の伝熱律速であるという考えよりは、むしろ、還元雰囲気を形成することが還元鉄の金属化率を向上させる上で重要になるというものである。つまり、従来法のように、還元区域において二次空気を吹き込むと、図10に示したような塊成物装入層7の上面7a近傍のCOガスも即座に燃焼されてしまい、還元に不利な状態になってしまう。また、二次空気の吹き込みが無い場合でも、回転炉床炉の構造上、炉体2内には対向流が発生していることから、予熱区域から大気中の酸素が供給されるなどして再酸化が生じてしまう。そこで、本発明では、還元区域に非酸化性ガスを供給して、少なくとも塊成物装入層7の上面7a近傍に非酸化性雰囲気が形成されるようにする。
ここで、図3には、Fe−O−C系における還元平衡図が示されている。これは、下記式(ii)、(iii)、(iv)の反応に関してそれぞれΔG(標準自由エネルギー変化)を求めることで、各反応での温度と気体分圧の関係が求まり、それらを横軸が温度(℃)、縦軸がPCO/P(ただし、P=PCO+PCO2である。PCOはCO分圧、PCO2はCO分圧を示す。)で表したときの状態図である。
Figure 2018178252
炉後段である炉体2内の還元区域における塊成物の温度は、一般には、少なくとも1100℃付近になる。このときに金属鉄(Fe)が得られるためには、図3の平衡状態図によれば、1100℃では少なくともPCO/P=0.72であることが分かる。このとき、ガスのマスバランスから計算されるCO分圧(PCO2)は0.2程度であるが、還元最盛期では還元でCOガスが発生し、予熱ゾーンに比べてCO分圧(PCO2)又はCO分圧(PCO)が高いことを考慮して、P=0.4であると仮定すると、金属鉄(Fe)が得られるために必要なCO分圧(PCO)は28.8%以上となる。実炉での操業において、還元反応により発生したCOは、炉から供給される空気と燃焼し、完全燃焼させた状態で炉外へ排出しているため、一般に、排気口12から排出される排ガスのCO濃度は1%を切っている。そのため、平衡論的にみれば、炉体2内の還元区域でのCO濃度は不足している、つまり再酸化傾向にあると言える。そのため、本発明では、特に再酸化の影響が大きい炉後段の還元区域において、CO濃度を高めるような雰囲気制御が必要であると考え、これに基づいて還元効果を最大化するものである。
炉体2の還元区域に供給する非酸化性ガスとしては、窒素や希ガスのような不活性ガスを挙げることができる。なかでも好ましくは、コスト性を考慮すると窒素であるのがよい。また、COガスを供給したり、不活性ガスとCOガスの両方を供給して、少なくとも塊成物装入層7の上面7a近傍が還元雰囲気で保たれるようにしてもよい。COガスを供給する際には、好ましくは、図3の平衡状態図と排ガスのCO濃度等を比較して、供給量を決めるのがよい。このように、炉体2内の還元区域に非酸化性ガスを供給することで、対向流による排ガスの影響等を排除しながら、回転炉床3上の塊成物の再酸化を抑制することができる。
非酸化性ガスは、炉体2に非酸化性ガス供給装置を設けて供給することができる。非酸化性ガス供給装置の炉体2内での供給口は、好ましくは、回転炉床3上の塊成物装入層7の上面7aと加熱手段であるバーナー9との間に設けられるようにするのがよく、より好ましくは、塊成物装入層7の上面7a近傍に設けられるようにするのがよいが、炉体2内の還元区域に設けられた従来の空気吹出し口を非酸化性ガス吹出し口9として利用するようにしてもよい。すなわち、図4に示したように、炉体2の炉壁(内周壁、外周壁)に設けられたバーナー9の下方の非酸化性ガス吹出し口10から非酸化性ガスを供給することができ、これによって、塊成物5からなる塊成物装入層7の上面7a近傍を非酸化性雰囲気にすることができると共に、炉体2に設けられた非酸化性ガス吹出し口10の高さまでの領域(図中の領域13)を非酸化性雰囲気にして、塊成物の酸化鉄原料が還元して得られた還元鉄が酸化性のガス(ここではOやCO等)に接触して再酸化されるのを抑制することができる。また、非酸化性ガスは、炉体2内の還元区域の複数箇所で供給するようにしてもよい。
本発明において、加熱手段9については特に制限はなく、炉体2の予熱区域の加熱手段9a、還元区域の加熱手段9bともに、公知の回転炉床炉と同様、炉体2内に燃焼炎を噴き出すいわゆる直火型のバーナーを用いることができる。このうち、還元区域の加熱手段9bについては、非酸化性雰囲気が保たれることを考慮して、好ましくは、LPG、LNG、COG等の燃料を直火型バーナーにより空気比1以下で燃焼させるのがよい。なお、再酸化を防止する観点から、還元区域では、望ましくはバーナーの燃焼による燃焼炎を塊成物に接触させずに、輻射熱で加熱するようにするのがよい。
また、炉体2の還元区域における加熱手段9bとして、非燃焼性の加熱装置であるラディアントチューブバーナーを用いるようにしてもよい。直火型バーナーとは違い、燃焼に伴う排ガスの発生がないことから、酸化性のガスによる還元鉄の再酸化のおそれを排除することができる。この場合であっても、その還元区域に非酸化性ガスを供給する必要はあり、また、先の特許文献4のようにセラミックス系材料からなる外筒を有したラディアントチューブバーナーを用いるときには、外筒の消耗を防ぐために、非酸化性ガスとして不活性ガスを供給するのが望ましい。
一方、炉体2の予熱区域では、バーナーの燃焼による燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させて加熱するようにしてもよい。先の反応式(1)、(2)で示したような塊成物の還元反応が進行するのは、塊成物の温度が800℃程度まで加熱された以降であるため、予熱区域では加熱時における雰囲気の影響を特段考慮しなくてもよく、塊成物の水分含有量が8質量%以下であれば、従来考えられていたような爆裂は生じないことを確認している。そのため、回転炉床炉の炉体内での塊成物の昇温を主な目的とする予熱区域では、還元区域でのような専ら輻射熱による加熱だけでなく、バーナーの燃焼炎を塊成物に接触させる加熱を含めるようにすることができる。これにより、従来に比べて予熱時間を短縮でき、還元効率を高めて還元鉄を製造することができるようになる。
燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させて加熱するためには、例えば、図5に示したように、加熱手段9aであるバーナー9の位置を塊成物装入層7の上面7a近傍まで下げて、燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させるようにしてもよく、図6に示したように、バーナー9の噴射口を回転炉床側に向けて傾斜させ、燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させるようにしてもよい。更には、図5、6に示した加熱手段9aとして、拡散火炎を形成して、直火型バーナーに比べて燃焼炎が燃え広がり易いリジェネバーナーを用いるようにしてもよい。
また、本発明においては、炉体2の還元区域に供給する非酸化性ガスを回転炉床炉から排出される排ガスで予熱して供給するようにしてもよい。これによって、還元区域内の温度が低下するのを防ぐことができる。例えば、図5に示したように、熱交換器からなる予熱装置を使って、回転炉床炉1の排気口12から排気された排ガスで非酸化性ガス(不活性ガス、COガス)を予熱することができる。
本発明において、回転炉床炉の構造や還元鉄製造原料として用いる塊成物など、上記で説明した以外では公知のものと同様にすることができる。回転炉床炉に装入する塊成物の水分含有量についても従来と同様にすることができるが、燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させて加熱する場合には、塊成物の水分含有量が8質量%以下となるようにするのがよい。この水分含有量はできるだけ少ない方が望ましいが、乾燥処理の手間等を考えると実質的には2質量%以上8質量%以下程度であればよい。そして、本発明によって得られた還元後の塊成物(還元鉄)は、例えば、電気炉製鋼での主原料やスクラップ溶解時の希釈用鉄源として用いたり、或いは高炉で再利用したりするなど、従来と同様に有効に利用することができる。特に、本発明では、炉温を更に高める必要であったり、特殊な装置が必要となるなど、高い設備費や製造コストが増大するようなこともなく、得られる還元鉄の金属化率を効率的に高めることができるようになる。
以下、実験例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実験例1)
先ず、この実験例1は、雰囲気制御を行わずに、大気雰囲気下で塊成物を加熱実験した例であり、炉体の還元区域において、非酸化性雰囲気を形成せずに塊成物の還元反応を進めた状態を模した比較例に相当するものである。
酸化鉄原料である製鉄ダスト79質量%と、還元材である石炭20質量%とを、バインダーであるベントナイト1質量%と共に混合し、適量の水分を添加した混合物を製造した。その後、この混合物を混練した後にブリケットマシンに装入し、平均径60mm×厚み30mmの生ブリケットを製造した。製造した生ブリケットは、乾燥機を用いて水分を除去し、水分含有率が3質量%の乾燥ブリケット(塊成物)を用意した。この乾燥ブリケットの成分を分析した結果を表1に示す。
Figure 2018178252
次いで、図7に実験装置を示したように、上記で得られた乾燥ブリケット5を幅150mm×奥行150mm×高さ90mmの耐火物容器14に入れ、直火型バーナー8を左右両側の炉壁に備えて、幅2000mm×奥行2000mm×高さ3000mmの炉内サイズを有する実験炉15に設置した。乾燥ブリケット5を耐火物容器14に入れるにあたり、先ずは、20個の乾燥ブリケット5を互いに隙間が空かないようにしながら、耐火物容器14の底面を全て覆い尽くすようにして敷き詰めた(図中の3層目)。次いで、その上に20個の乾燥ブリケット5を同じく互いに隙間が空かないようにしながら、下層の乾燥ブリケット5を覆い尽くすようにして並べて(図中の2層目)、更にその上に20個の乾燥ブリケット5を同様にして並べて(図中の1層目)、耐火物容器14内に乾燥ブリケット5がその厚み方向に3層積層されるようにして、高さおよそ80mmのブリケット装入層(塊成物装入層)7を形成した。
また、乾燥ブリケット5からなる装入層を形成した耐火物容器14は、耐火物からなる台座16の上に載せて実験炉15に設置されるようにした。このとき、直火型バーナー9のフレームと耐火物容器14内に形成したブリケット装入層7における最上層(1層目)の乾燥ブリケット5の上面との距離が500mmとなるようにした。
上記のようにして準備した実験炉15の蓋を閉じ、実験炉15内の雰囲気を大気雰囲気のままで、LPGをバーナー燃料として空気比1.05で燃焼させて、炉温が1100℃、1200℃、1300℃の3段階の温度に設定できるようにして、それぞれの温度で20分間加熱する加熱実験を行った。加熱終了後は、実験炉15内が室温になるまで放冷し、ブリケット装入層7の各層に位置した加熱後のブリケットの還元状態を評価した。なお、実験炉15には図示外の排気口が設けられており、炉圧の上昇を防ぐようにしている。また、実験炉15内の温度をそれぞれの設定温度(炉温)にする際には、昇温速度1000℃/時で昇温した。
還元状態の評価にあたっては、加熱後のブリケット中に含有する金属鉄分(メタル鉄、M.Fe)、及び全鉄分(トータル鉄、T.Fe)の質量%を化学形態分析により同定し、(金属鉄分/全鉄分)×100で表される値(単位:%)から金属化率を求めるようにして、ブリケット装入層7の各層(1層目〜3層目)からそれぞれ3個の加熱後ブリケットの金属化率を求めて、平均値を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2018178252
表2に示されているように、実験炉15内の温度(炉温)を1100℃にして20分間加熱した場合、ブリケットの加熱が十分ではなく、最上層の1層目のみ、やや還元が進行しているものの、金属化率は約37%に留まり、それより下層の2層目、3層目のブリケットでは更に加熱が不足して、還元鉄はほとんど得られなかった。
炉温1200℃で20分加熱した場合には、炉温1100℃の場合に比べて、いずれのブリケットも金属化率が上がっているが、それでも十分な金属化率とは言えない。ここで、興味深いことに、2層目のブリケットの金属化率の方が、1層目のブリケットの金属化率より高い値を示した。
炉温1300℃の場合には、2層目、3層目で金属化率がそれぞれ86.34%、94.93%となり高い金属化率が得られていたが、1層目のブリケットの金属化率が54.51%であって最上層の金属化率が最低値を示しており、最下層の3層目が最も高い金属化率を示した。これは、炉温1200℃の1層目、2層目での関係を含めて、再酸化の影響であると考えられ、たとえ、伝熱が十分であってブリケットの還元反応が進んでも、再酸化によって金属化率が下がってしまうことを表していると推察される。
(実験例2)
次に、この実験例2は、雰囲気制御を行って塊成物を加熱実験した例であり、炉体の還元区域において、非酸化性雰囲気を形成して塊成物の還元反応を進めた状態を模した実施例に相当するものである。
上記実験例1と同じ原料を用いて、同様にして乾燥ブリケット5を製造し、また、図6にこの実験例2に係る実験装置を示したように、ブリケット装入層7を形成した耐火物容器14の開口部が全て塞がれるように、厚さ3mmのステンレス製(SUS310)の蓋材17で蓋をした以外は、実験例1の実験装置と同様にして、炉温1100℃、1200℃、1300℃の3段階の温度でそれぞれ20分間加熱する加熱実験を行った。加熱終了後、実験炉15内が室温になるまで放冷し、ブリケット装入層7の各層に位置した加熱後のブリケットの還元状態を実験例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。なお、この実験例2で耐火物容器14に蓋をしたのは、加熱実験中に、耐火物容器14内の乾燥ブリケット5が実験炉15内の空気(酸素)と接触するのを防ぐためである。
Figure 2018178252
表3に示したとおり、実験炉15内の温度(炉温)を1100℃にして20分間加熱した場合には、やはり、ブリケットの加熱が不十分であり、いずれのブリケットも金属化率は実験例1の場合とさほど違いはなかった。
炉温1200℃で20分加熱した場合は、まだブリケットの加熱は十分ではなく、最下層である3層目のブリケットの金属化率は実験例1の3層目のものとほぼ同じ値を示していたが、この実験例2では、最上層である1層目とその下の2層目のブリケットの金属化率が、実験例1の場合より大幅に向上していた。また、実験例1で見られたような1層目と2層目の金属化率の逆転現象は起きておらず、再酸化が抑制されたと考えられる。
炉温1300℃の場合には、1層目〜3層目の全てにおいて金属化率が約95%を示す極めて良好な結果を示し、上記と同様、再酸化が抑制されたためであると考えられる。つまり、蓋17で蓋をした耐火物容器14内のブリケット5では、上述した反応式(1)、(2)が繰り返され、その際、外部からの空気(酸素)の供給が遮断されたことから、還元鉄の再酸化が防止されて、高い金属化率をそのまま維持することができたものと考えられる。
これらの実験例1、2から分かるように、十分な伝熱がなされていても、雰囲気制御を行わなければ、最終的に得られる還元鉄の金属化率を高めることはできない。そのため、本発明のように炉体の還元区域に非酸化性ガスを供給し、少なくとも塊成物の装入層の上面近傍を非酸化性雰囲気にして、塊成物の還元反応が行われるようにすれば、金属化率の高い還元鉄が得られるようになることから、本発明は、コスト性や作業効率に優れて、良好な還元鉄を効率良く製造することができる還元鉄の製造方法であるといえる。
(実験例3)
実験例3は、炉体の予熱区域において、バーナーの燃焼炎を塊成物に接触させて加熱する状態を模したものであり、予熱時間の短縮を図る効果を確認するための実験(水準1〜4)である。
上記実験例1と同じ原料を用いて、乾燥ブリケット5を製造し、耐火物容器14に収容するまでは実験例1と同様にした。但し、この実験例3では、ブリケットを3層ではなく2層に積層してブリケット装入層7を形成した。
この実験例3における水準1の実験では、先の実験例1と同様、LPGを燃料としてバーナー9を燃焼させて炉内雰囲気温度を1200℃にした実験炉15に耐火物容器14を設置し、実験炉15を大気雰囲気のまま蓋を閉じて、17分間加熱(通常加熱)した。加熱終了後は、実験炉15内が室温になるまで放冷し、取り出した加熱後のブリケットの還元状態を評価した。
また、水準2の実験では、先の実験例2と同様、ブリケット装入層7を形成した耐火物容器14の開口部をステンレス製の蓋材17で蓋をして、実験炉15で加熱(雰囲気加熱)する以外は水準1と同様にした。
一方、水準3の実験では、乾燥ブリケット5の入った耐火物容器14を実験炉15に設置する前に、アセチレンバーナーの燃焼炎をブリケット装入層7の表面に接触させてブリケット5を直接加熱(直火加熱)した。その際、ブリケット装入層7の表面にあたるブリケット5のひとつに下方側から熱電対を挿入し、測温しながらアセチレンバーナーで加熱したところ、加熱時間4分でブリケット5の中心温度が800℃に到達したため、直ちに、予めLPGを燃料としてバーナー9を燃焼させて炉内雰囲気温度を1200℃にした実験炉15に耐火物容器14ごと設置し、引き続き、この実験炉15で13分間加熱する加熱実験を行った。
また、水準4の実験では、アセチレンバーナーで4分間の直火加熱を行って耐火物容器14を実験炉15に設置する際に、耐火物容器14の開口部をステンレス製の蓋材17で蓋をし、引き続き、実験炉15で加熱するようにした以外は水準3と同様にした。
還元状態の評価にあたっては、実験例1、2の場合と同様、加熱後のブリケット中に含有する金属鉄分(メタル鉄、M.Fe)、及び全鉄分(トータル鉄、T.Fe)の質量%を化学形態分析により同定し、先に示した式より金属化率を求めるようにして、ブリケット装入層7の各層(1層目、2層目)からそれぞれ3個の加熱後ブリケットを取り出し、それらの金属化率を求めて、平均値から各水準の金属化率を算出した。結果を表4に示す。
Figure 2018178252
表4に示された結果について、先ず、この実験例3に係る水準1と水準2とを比べると、水準2の金属化率の方が高いことが分かる。つまり、先の実験例1、2の場合と同様、再酸化が抑制されたためと考えられ・BR>驕Bまた、水準3の結果は、直火加熱を加えたことで、予熱時間が短縮されて相対的に還元時間が増えたことから、金属化率の増加につながったと考えられる。更に、水準4では、水準3の場合に加えて、還元時に雰囲気制御がなされたことで、再酸化が抑制されて、結果的に最も高い金属化率を示した。
1:回転炉床炉、2:炉体、3:回転炉床、4:装入口、5:塊成物、6:レベラー、7:装入層、8:排出スクリュー、9、9a、9b:加熱手段(バーナー)、10:非酸化性ガス吹出し口、11:払出し口、12:排気口、13:非酸化性雰囲気領域、14:耐火物容器、15:実験炉、16:耐火物製台座、17:蓋、20:空気吹出し口。

Claims (11)

  1. 環状の炉体内を回転する回転炉床に酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成物を装入し、炉体に備え付けられた加熱手段により塊成物を加熱する回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法であって、
    前記炉体が、回転炉床上の塊成物を昇温する予熱区域と、回転炉床上の塊成物を還元する還元区域とを有しており、該還元区域に非酸化性ガスを供給して、少なくとも前記回転炉床上に装入された塊成物からなる塊成物装入層の上面近傍を非酸化性雰囲気にしながら、塊成物を還元することを特徴とする、回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
  2. 前記非酸化性ガスが不活性ガスであるか、COガスであるか、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
  3. 前記炉体の還元区域における加熱手段が直火型バーナーであり、該直火型バーナーを空気比1以下で燃焼させて塊成物を加熱する、請求項1又は2に記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
  4. 前記炉体の還元区域における加熱手段がラディアントチューブバーナーであり、該ラディアントチューブバーナーにより塊成物を加熱する、請求項1又は2に記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
  5. 前記炉体の還元区域に供給する非酸化性ガスを回転炉床炉から排出される排ガスで予熱して供給する、請求項1〜4のいずれかに記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
  6. 前記予熱区域では、バーナーの燃焼による燃焼炎を塊成物装入層の表面に接触させて加熱する、請求項1〜5のいずれかに記載の回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法。
  7. 環状の炉体内を回転する回転炉床に酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成物を装入し、炉体に備え付けられた加熱手段により塊成物を加熱して還元鉄を製造する回転炉床炉であって、
    前記炉体が、回転炉床上の塊成物を昇温する予熱区域と、回転炉床上の塊成物を還元する還元区域とを有しており、該還元区域に非酸化性ガスを供給して、少なくとも前記回転炉床上に装入された塊成物からなる塊成物装入層の上面近傍を非酸化性雰囲気にする非酸化性ガス供給装置を備えたことを特徴とする、回転炉床炉。
  8. 前記非酸化性ガス供給装置から供給される非酸化性ガスが、不活性ガスであるか、COガスであるか、又はこれらの組み合わせである、請求項7に記載の回転炉床炉。
  9. 前記炉体の還元区域における加熱手段が、空気比1以下で燃焼させる直火型バーナーである、請求項7又は8に記載の回転炉床炉。
  10. 前記炉体の還元区域における加熱手段が、ラディアントチューブバーナーである、請求項7又は8に記載の回転炉床炉。
  11. 前記非酸化性ガス供給装置から供給される非酸化性ガスを回転炉床炉から排出される排ガスで予熱する予熱装置を備える、請求項7〜10のいずれかに記載の回転炉床炉。
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