JPH1129808A - 溶銑製造方法 - Google Patents

溶銑製造方法

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JPH1129808A
JPH1129808A JP9183597A JP18359797A JPH1129808A JP H1129808 A JPH1129808 A JP H1129808A JP 9183597 A JP9183597 A JP 9183597A JP 18359797 A JP18359797 A JP 18359797A JP H1129808 A JPH1129808 A JP H1129808A
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JP
Japan
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furnace
iron
gas
reduction
bed
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Pending
Application number
JP9183597A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kamei
康夫 亀井
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
Koichi One
公一 大根
Yoshihisa Nakamura
義久 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1129808A publication Critical patent/JPH1129808A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B13/00Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
    • C21B13/10Making spongy iron or liquid steel, by direct processes in hearth-type furnaces
    • C21B13/105Rotary hearth-type furnaces
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/134Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions by avoiding CO2, e.g. using hydrogen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉状鉄原料から、簡略な工程で効率よく安価に
良質の溶銑を製造する方法を提供する。 【解決手段】(1)次のからまでの工程で還元鉄を
得る予備還元工程…〔粉状鉄原料と粉状固体還元剤を
混合して混合物を得る工程、前記混合物を団塊化また
はタイル状に成形して、加熱された予備還元炉(回転炉
床炉7)内へ装入する工程、予備還元炉内へ燃料と酸
素含有ガスを吹き込み、炉内温度が1100℃以上にな
るように維持して前記粉状鉄原料を還元する工程〕と、
(2)この還元鉄を炉から排出する工程と、(3)排出
した還元鉄を高温状態で炉内に炭材の充填層を有する竪
型炉10へ装入し、還元、溶解して溶銑と溶滓を得る還
元・溶解工程と、(4)この溶銑と溶滓を炉下部出銑口
から抽出する工程と、(5)竪型炉の生成ガス(排ガ
ス)を回収するガス回収工程とを備える溶銑製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化鉄を主成分と
して含む粉状の原料、すなわち、粉状の鉄鉱石や製鉄所
で発生する鉄分を含んだダスト、スラッジ、スケール等
(以下、これらを総称して「粉状鉄原料」と記す)と、
石炭、木炭、コークス(石油コークスを含む)等の、主
に炭素を含む固体物質の粉末(以下、これらを総称して
「粉状固体還元剤」と記す)を混合し、団塊化またはタ
イル状に成形して加熱された炉に装入し、高温還元して
還元鉄を製造し、この還元鉄を高温状態で製錬炉(竪型
炉)へ装入して溶銑を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶銑は主に高炉法により製造され
てきた。高炉法は、塊状の鉄原料と塊状のコークスを炉
上部から装入し、炉下部に設置された羽口から熱風を吹
き込んでコークスを燃焼させて高温の還元ガスを生成
し、鉄原料の主成分である酸化鉄を還元し、溶解するプ
ロセスである。
【0003】最近においては、シャフト還元炉で塊状の
鉄原料を還元して還元鉄を製造し、この還元鉄を高温状
態で炉上部から炭材流動層型溶解炉へ装入して還元と溶
解を行い、溶銑を製造する方法が開発され、すでに実用
化されている。
【0004】また、粉鉄鉱石から直接溶銑を製造する方
法としても、種々の方法が開発されている。例えば、特
公平3−60883号公報には、微粉鉄鉱石と微粉炭素
質材とを団塊化し、この団塊化物を回転炉床炉で予備還
元し、1000℃以上の温度で排出させ、炉内に溶融金
属浴を有する製錬炉内の浴の表面下に前記微粉炭素質材
を導入するとともにこの製錬炉内で前記予備還元した団
塊化物を還元する方法が開示されている。なお、このと
き製錬炉から排出される排ガスは、回収され、予備還元
用燃料として回転炉床炉へ導入される。
【0005】しかしながら、これらの従来技術には次の
ような欠点がある。
【0006】まず、高炉法においては、塊状の鉄原料お
よびコークスを必要とするという欠点がある。高炉法で
は、石炭をコークス炉で乾留してコークス化し、篩い分
けした後の塊状のコークスが使用されるが、この高炉法
においては、コークス用強粘結炭は資源的にみて遍在し
ていることに加え、コークス炉リプレース時の巨額な投
資負担およびコークス炉が原因となって発生する公害の
防止が大きな課題となっている。一方、鉄原料について
も、塊鉱石を使用する場合を除いて、粉鉱石を塊状化
し、ペレットあるいは焼結鉱にして使用せざるを得な
い。しかし、塊鉱石の供給が非常にタイトであること、
ペレット価格が高価であることから、我が国においては
焼結鉱の使用が主流となっており、焼結鉱製造時におけ
る公害防止対策が大きな課題である。
【0007】シャフト還元炉により溶銑を製造する方法
においては、コークスを必要としないが、鉄原料として
高炉法の場合と同様に塊状のものを必要とするという問
題がある。
【0008】また、特公平3−60883号公報に記載
の方法においては、製錬炉の排ガス温度が高温で、高炉
法と比較すると熱効率が劣るという欠点がある。さら
に、高炉に比べて炉内の還元雰囲気が弱いため、溶銑中
の硫黄濃度が高炉溶銑と比較して高いという欠点を有す
るとともに、スラグ中のFeO濃度も高いため、炉内が
高温であることおよび撹拌されたスラグ浴が存在するこ
とと相まって、耐火物の寿命が高炉と比較するとはるか
に短いという欠点も有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の溶銑
を製造する方法における上記の問題を解決することを課
題としてなされたもので、具体的な目的は、粉状鉄原料
から、簡略な工程で効率よく安価に良質の溶銑を製造す
る方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)か
ら(5)までの工程を特徴とする粉状鉄原料からの溶銑
製造方法を要旨とする。
【0011】(1)予備還元炉で下記からまでの工
程で還元鉄を得る予備還元工程と、 粉状鉄原料と粉状固体還元剤を混合して混合物を得
る工程、 前記混合物を、団塊化して、加熱された予備還元炉
内へ装入してその炉床上に団塊化物のベッドを形成する
工程、 予備還元炉内へ燃料と酸素含有ガスを吹き込み、そ
の吹き込んだ燃料、粉状固体還元剤から発生する可燃性
揮発成分および粉状鉄原料が還元されて発生するCOガ
スを、炉内へ吹き込んだ酸素含有ガスにより燃焼させ、
炉内温度を1100℃以上になるように維持して、前記
粉状鉄原料を還元する工程、(2)上記(1)の工程で
得られた還元鉄を予備還元炉から排出する排出工程と、
(3)竪型炉で下記およびの工程で溶銑と溶滓を得
る還元・溶解工程と、 上記(2)の工程で排出した高温状態の還元鉄と、
塊粒状の炭材とフラックスを、炉内に炭材の充填層を有
し、炉下部に設置された羽口から酸素含有ガスを吹き込
み羽口前の炭材を燃焼させて高温の還元ガスを発生させ
る竪型炉へその炉上部から装入する工程、 竪型炉の羽口から酸素含有ガスを吹き込み、発生す
る前記高温の還元ガスで還元鉄およびフラックスを溶解
し、還元鉄中に含まれる未還元の酸化鉄を還元するとと
もに浸炭する工程、(4)上記(3)の工程で得られた
溶銑と溶滓を竪型炉の炉下部出銑口から抽出する抽出工
程と、(5)竪型炉の生成ガスを回収するガス回収工
程、とを備えることを特徴とする粉状鉄原料からの溶銑
製造方法。
【0012】ここで、「粉状鉄原料」とは、酸化鉄が主
成分の粉状の鉄原料であり、具体的には、前述した粉状
の鉄鉱石や製鉄所で発生する鉄分を含んだダスト、スラ
ッジ、スケール等をいう。本発明においては、これらを
単独で、または2種以上の混合物状態で使用することが
できる。
【0013】また、「粉状固体還元剤」とは、前述した
石炭、木炭、コークス(石油コークスを含む)等の、主
に炭素を含む固体物質の粉末である。これらも、単独
で、または2種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0014】上記本発明方法の望ましい実施態様とし
て、下記の方法を単独で、または幾つかを組み合わせて
採用することができる。
【0015】〔望ましい態様1〕団塊化する工程がペレ
タイジングである。
【0016】〔望ましい態様2〕団塊化する工程がブリ
ケッティングである。
【0017】〔望ましい態様3〕団塊化する工程の代わ
りに、タイル状に成形する工程を採用する。
【0018】〔望ましい態様4〕粉状鉄原料と粉状固体
還元剤を混合して混合物を得る工程で、バインダーを添
加する。
【0019】〔望ましい態様5〕タイル状成形物の炉床
に接する面と反対側の表面に凹凸を付ける。
【0020】〔望ましい態様6〕団塊化物またはタイル
状成形物の表面が粉状の固体還元剤で被覆された状態と
した後、炉内への燃料と酸素含有ガスの吹き込みを行
う。
【0021】〔望ましい態様7〕団塊化物またはタイル
状成形物のベッド内の固体還元剤からの可燃性揮発成分
の発生中にベッドの表面に酸素含有ガスを供給し、前記
可燃性揮発成分をベッド表面で燃焼させてベッドの昇温
を促進する。
【0022】〔望ましい態様8〕予備還元炉の炉床上に
粉状の固体還元剤を薄く敷き、その上に団塊化物または
タイル状成形物のベッドを形成する。
【0023】〔望ましい態様9〕回収される竪型炉の生
成ガスの一部を予備還元用燃料として予備還元炉へ導入
する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法の工程の概略
と、使用する設備の一例を示した図1を参照しながら、
本発明方法を工程順に説明する。
【0025】〔予備還元工程〕 1.(1)の工程:粉状の鉄原料を高温で還元するに
あたり、事前に粉状鉄原料と粉状固体還元剤を混合す
る。
【0026】ただし、使用する粉状の酸化鉄と固体還元
剤に元々含まれている水分等の条件によっては、粉状鉄
原料と粉状固体還元剤を混合する際、若干の水分および
その他のバインダーのいずれか一方または両方を添加す
ることにより、均一かつ迅速に混合しやすくなるととも
に混合物表面からの微粉の飛散を効果的に防止すること
ができる。また、次工程の団塊化が容易になり、さらに
団塊化物の予備還元炉内への装入時における粉の発生が
減少する。
【0027】図1に示した工程では、原料受け入れホッ
パー1から切り出された粉鉱石2、粉状の還元剤3およ
びバインダー4を混合機5によって混合している。な
お、この例では、さらに後述するダストを加えている。
【0028】粉状鉄原料と粉状固体還元剤との混合物を
ブリケット化し、またはタイル状に成形して使用すると
きは、スケール等は粗粉砕するだけで使用することがで
き、微粉砕は不要である。
【0029】また、亜鉛(Zn)等を含むダストを原料
に使用した場合は、製品の還元鉄にZnが残留し、製品
価値が低下することが懸念されるが、本発明方法では炉
内が高温のためZnのような低沸点金属は蒸発して排ガ
スとともに炉外へ排出される。したがって、これら低沸
点金属の製品還元鉄中への残留量を低下させ、製品品位
を高めることができるとともに、集塵設備で捕集される
ダストにはこれら低沸点金属が濃縮されるので、これを
回収し利用することが可能である。
【0030】また、得られる還元鉄に含まれるスラグ成
分の塩基度を調整するため、混合物中に石灰(生石灰、
石灰石等)を添加することにより、予備還元炉の排ガス
中に含まれる硫黄(S)濃度を低下できる。さらに、石
灰石を使用する場合、石灰石の分解に伴う吸熱を予備還
元炉内での焼成時に補えるので、製錬炉での燃料原単位
が向上する。
【0031】2.(1)の工程:前の工程で得られた
混合物を団塊化して、加熱された予備還元炉内へ装入
し、炉床上に団塊化物のベッドを形成する。「団塊化」
とは、主としてペレット化あるいはブリケット化するこ
とであるが、これに限らず、塊状にすることをいう。ま
た、「予備還元炉」の形式に特に制約はないが、回転炉
床形式の炉(回転炉床炉)が推奨される。
【0032】前記の図1に示した設備では、6が団塊化
設備で、混合された原料をこの設備で団塊化し、回転炉
床炉7に装入する。なお、団塊化設備6は、団塊化する
工程の代わりにタイル状に成形する工程を採用するとき
は、タイル状成形設備6に置き換える。
【0033】図2は回転炉床炉に団塊化物を装入した状
態の一例の断面図であるが、図示するように団塊化物1
4を炉床上にほぼ均一な厚さになるように載置し、団塊
化物のベッドを形成する。団塊化する工程の代わりにタ
イル状に成形する工程を採用するときは、炉床上にはタ
イル状成形物14を載置する。
【0034】3.(1)の工程:上記(1)および
(1)の工程で還元剤と混合し、団塊化して予備還元
炉内へ装入した粉状鉄原料を還元する。例えば、前記の
図2に示したように、バーナー8によって炉内へ燃料と
酸素含有ガスを吹き込んで、その吹き込んだ燃料と、粉
状固体還元剤から発生する可燃性揮発成分および粉状鉄
原料が還元されて発生するCOガスを燃焼させ、炉内温
度が1100℃以上になるように維持して、混合物中の
酸化鉄を還元し、還元鉄を製造する。なお、図示した例
では、炉床の下側にレール17が取り付けられており、
固定された車輪16を駆動させることによって、炉床は
一定速度で回転する。なお、炉内はシール水18によっ
てシールされている。
【0035】燃料としては、天然ガス、重油等の通常使
用されている燃料を用いてもよいが、本発明方法では、
後工程の製錬炉(竪型炉)から可燃性のガスが排ガスと
して排出されるので、これを用いてもよい。
【0036】酸素含有ガスとしては、空気または酸素濃
度が空気と同等あるいは空気組成よりも若干富に調整さ
れたガスを使用するのがよい。
【0037】高温還元を行うための炉内温度は、110
0℃以上とする。1100℃を下回る温度域でも還元は
進行するが、このような温度域では還元速度が遅くて工
業生産には好ましくない。酸化鉄の還元中は吸熱反応に
よって装入物ベッドの温度が炉内の温度よりも低くなる
から、十分に速い還元速度を得るためには炉内温度を1
200〜1400℃程度に維持することが望ましい。
【0038】ただ、この温度は還元の進行状況、使用す
る鉄原料および固体還元剤の性状や混合割合等により調
整されるべき性質のものである。すなわち、原料の炉内
装入後間もない期間では、装入物の温度が低いので炉内
温度を高めに保持して装入物の昇温を図るようにする方
が還元の促進には有利である。
【0039】また、原料である鉱石中の脈石や石炭中の
灰分の組成によってはそれらの融点が変化するので、そ
れに応じて炉内温度を制御し、還元進行中に溶解して流
れ出さないように留意すべきである。ただし、団塊化物
またはタイル状成形物内における適度な量の融液の生成
は、伝熱、反応促進の両面で良好な結果をもたらすの
で、積極的に活用すべきである。
【0040】〔排出工程〕上記(1)の工程で得られた
還元鉄のベッドを予備還元炉から排出する。すなわち、
上記のように、炉内で酸化鉄の還元を進行させ、所定の
金属化率の還元鉄が得られた時点でそれを炉外へ排出す
る。
【0041】排出時の温度については、500℃以上と
するのが望ましい。この温度以上であれば、還元鉄が有
する熱を溶解に利用できることから竪型炉での還元鉄の
溶解速度を向上させることができ、設備のコンパクト化
を図れるとともに、プロセス全体としてのエネルギー効
率を向上させ得るからである。しかし、排出時における
ベッドの内部温度が1170℃以上であるとベッド内に
融液が存在する可能性があり、排出作業に支障を来す恐
れがあるので、炉外へ排出する前にベッドの内部温度が
1170℃を下回るように加熱を停止しておくことが望
ましい。なお、短時間でベッド内の温度を1170℃よ
り低くする方法としては、常温の還元ガスや窒素などの
不活性ガスをベッド表面に吹き付ける方法、水冷板をベ
ッド表面に接触させる方法等、さまざまな方法が採用で
きる。
【0042】前記の図1に示したように、還元鉄は高温
状態で回転炉床炉7に設けられた排出口9から連続的に
排出され、次の竪型炉10による還元、溶解工程へ送ら
れる。
【0043】竪型炉10までの距離が遠い場合には、窒
素等の不活性ガスが封入された密閉式の容器(図示せ
ず)に容れて搬送されるが、通常は、竪型炉10は予備
還元炉である回転炉床炉7に隣接して設置されるので、
外気から遮断され、窒素などの不活性ガスあるいは竪型
炉の排ガス等の還元ガスが満たされた搬路内をバケット
コンベア等によって竪型炉に装入される。なお、還元鉄
は、予備還元が終了した時点でベッド状のまま焼結され
板状となっているので、軽く粗粉砕してから竪型炉に装
入すればよい。
【0044】〔還元・溶解工程および抽出工程〕上記
(2)の排出工程で排出された高温の還元鉄を(3)の
工程により竪型炉へ装入して還元と溶解を行い、得られ
た溶銑と溶滓を(4)の工程により炉下部の出銑口から
抽出する。
【0045】図1に示したように、還元鉄の溶解に使用
する製錬炉として、炉内に炭材の充填層(図示せず)を
有し、炉上部から塊粒状の炭材(コークス11、石炭
等)およびフラックス(石灰石、ドロマイト等)12を
装入して、炉下部に設置された羽口13から酸素含有ガ
スを吹き込み羽口前の炭材を燃焼させて高温の還元ガス
を発生させる竪型炉を使用し、炉上部から前述の還元鉄
を高温状態で装入して溶銑を製造するのである。
【0046】このように、本発明方法において使用され
る製錬炉は、炉内に炭材の充填層を有する竪型炉であ
り、高炉と同様に羽口前の燃焼帯の周囲は炭材で囲まれ
ているため、耐火物が高温ガスに直接さらされて溶損す
るのを防止できる。さらに、前記の特公平3−6088
3号公報に記載の方法で採用する鉄浴式の製錬炉では湯
溜まりを撹拌しているのに対し、この竪型炉では湯溜ま
りの撹拌がないことから、耐火物の寿命延長に極めて効
果的である。
【0047】また、炭材充填層が形成されているため還
元雰囲気が高炉と同程度に強く、溶銑中の硫黄濃度を低
く抑えることができ、良質な溶銑を製造できるととも
に、スラグ中のFeO濃度を高炉並に低く維持できるた
め耐火物の損耗抑制に極めて有効である。
【0048】熱効率の点においても、炉上部から炭材と
還元鉄を装入するので、高炉と同様にガスと固体(装入
物)との間では向流式熱交換が行われ、高い熱効率が確
保される。さらに、炭材としてコークスを使用する場
合、羽口から炭素含有物質を吹き込むこと、および、羽
口上方の炉側壁部から酸素含有ガスを吹き込み、炉内の
CO、H2 ガスを燃焼させてその燃焼熱を還元鉄の溶解
に利用することにより、コークス使用量を低減すること
ができる。
【0049】竪型炉から発生する排ダスト等について
は、これを系内で使用してもよい。図1に示した例で
は、排ダストを竪型炉10の羽口13から吹き込むとと
もに回転炉床炉7の原料の一部として使用している。こ
れにより、原燃料の使用効率が向上するとともに、ダス
ト等の系外への排出がなくなり、廃棄が不要になるの
で、コストおよび環境保全の面で有利である。
【0050】〔ガス回収工程〕竪型炉から発生する生成
ガス(排ガス)をサイクロン等の除塵機でダスト等を除
去した後、回収する。なお、回収したガスは、そのまま
下工程へ送ったり、あるいは別途発電用に用いる。
【0051】次に、本発明方法の望ましい実施態様につ
いて説明する。
【0052】〔望ましい態様1〕粉状鉄原料をペレット
化して使用する場合には下記のような問題があるため、
ペレット価格が高価にならざるを得ない。
【0053】(a)所定のサイズ以外の粒子の生成が避
けられず、アンダーサイズの粒子はそのまま混合工程
へ、オーバーサイズの粒子は粉砕してから混合工程へ戻
す必要があり、効率が悪い。
【0054】(b)ペレットにしたままでは強度が弱
く、ハンドリングに耐えないため、予備還元炉内へ装入
する前にペレットを乾燥する必要がある。そのため、乾
燥用設備を要し、かつその運転および保守費用も必要
で、還元鉄の製造コストが上昇する。しかも、還元時間
に比較するとペレット化およびその乾燥に要する時間は
相対的に長く、プラント全体の効率が阻害される。
【0055】(c)製鉄所で発生するダスト、スラッ
ジ、スケール等の酸化物を単独であるいは鉄鉱石と混合
して使用する場合、これら酸化物の回収形態が“粉状物
質が結合して固まった塊状”あるいはミルスケールのよ
うに“ペレット化するには大きすぎる形状”をなしてい
ることが多いことから、あらかじめ所定の粒度に微粉砕
しておく必要がある。そのため、微粉砕設備が欠かせな
い。
【0056】しかし、後述する実施例に示すように、ブ
リケットに比べて径が小さいため、還元に要する時間を
短縮できるという利点がある。したがって、特に予備還
元工程の効率を高めたいという特別な要請がある場合等
においては、採用し得る方法である。
【0057】〔望ましい態様2〕粉状鉄原料をペレット
化して使用する場合における上記の問題を解決するた
め、本発明者らは、粉状鉄原料をペレット化することな
く、ブリケット化または次に述べるタイル状に成形して
加熱された還元炉に装入し、炉床上にほぼ均一な厚さの
ベッドを形成させて還元する基礎実験を行ったところ、
ペレットを還元する場合に比較してほぼ遜色の無い結果
が得られることを確認した。
【0058】ブリケット化する場合は、粉状鉄原料を微
粉砕することは不要であり、例えばスケール等を原料と
して用いる場合でも、粗粉砕するだけで使用することが
できる。
【0059】〔望ましい態様3〕粉状鉄原料をペレット
化することによる還元鉄製造コストの増大を回避するた
めには、上記のブリケット化する方法が有効であるが、
タイル状に成形する方法を用いるのが一層効果的であ
る。なお、タイル状に成形して炉床上に載置し、加熱す
ることにより、ペレットを還元する場合とほぼ同等の還
元鉄が得られることは、上記のように基礎実験を行って
確認した。
【0060】この方法では、ブリケット化する場合と同
様に粉状鉄原料を微粉砕する必要はなく、粗粉砕するだ
けで使用することができ、また、簡単な成形処理を施す
ことによりタイル状にすることができるという利点があ
る。
【0061】〔望ましい態様4〕上記のように、団塊化
物(ペレット、ブリケット等)あるいはタイル状成形物
を使用する場合、それらの強度が不十分のため、回転炉
床炉内への装入時に一部が崩れて破片状となり、もしく
は粉を発生することがある。
【0062】この問題を解決するために、粉状鉄原料と
粉状固体還元剤とを混合する際、バインダーを添加して
団塊化物あるいはタイル状成形物の強度を向上させる方
法を採用することができる。バインダーとしては、水の
他、ベントナイト、石灰等の無機系のもの、タール等の
有機系のものの何れをも使用することができる。これら
を単独でまたは2種以上を併用して用いればよい。
【0063】〔望ましい態様5〕粉状鉄原料をタイル状
に成形する方法を用いる場合、タイル状成形物の厚みを
あまり厚くしすぎると、成形物内の昇温速度が低下して
還元が遅れるので得策ではない。
【0064】この問題を解決するためには、図3に一例
として示すように、タイル状成形物19の上面(炉床に
接する面と反対側の面)に溝20を設けて凹凸を付け、
受熱面積を増大させる方法を用いるのが有効である。
【0065】また、このようにタイル状成形物の上面に
凹凸を付けると、炉床単位面積当たりの原料積載量が増
加するので、生産性が向上するという好結果も得られ
る。
【0066】〔望ましい態様6〕団塊化物(ペレット、
ブリケット等)、タイル状成形物の何れを使用する場合
についても言えるが、高温還元時には炉内へ酸素含有ガ
スが吹き込まれ続けているため、高温還元中の還元鉄表
面が再酸化され、得られる製品還元鉄の金属化率が十分
に向上しないことが懸念される。
【0067】このような高温還元中の還元鉄表面の再酸
化を防止するためには、団塊化物またはタイル状成形物
の表面が粉状の固体還元剤で被覆された状態とする方法
を採用するのが有効である。その際、炉床上に載置した
団塊化物またはタイル状成形物の上面(炉床に接する面
と反対側の面)を粉状の固体還元剤で被覆してもよい
が、作業性を考慮すれば、粉状鉄原料、粉状固体還元剤
および必要に応じて添加するバインダーの混合物を団塊
化あるいはタイル状に成形する際に、表面がバインダー
を混合した粉状固体還元剤で被覆されるようにすること
が推奨される。
【0068】〔望ましい態様7〕炉床上に形成された団
塊化物またはタイル状成形物のベッド内の粉状鉄原料
(酸化鉄)の還元時間を短縮するには、ベッドの温度を
還元適正温度まで速やかに昇温することが望ましい。そ
のためには、ベッドの加熱に当たって、ベッド内の固体
還元剤から発生する可燃性揮発成分をベッドの表面で燃
焼させ、その燃焼熱をも利用して加熱するのが有利であ
る。即ち、石炭等の固体還元剤からは加熱により可燃性
揮発成分がガス状態で発生するが、これを、炉内の空間
に拡散してから燃焼させるよりも、受熱面であるベッド
表面で燃焼させる方がベッドの加熱には有利である。こ
のベッド表面での燃焼は、ベッド形成後に空気等の酸素
含有ガスをベッドの表面に吹き付けることによって実現
できる。
【0069】なお、酸素含有ガスをベッド表面に吹き付
けると、還元された酸化鉄の再酸化が懸念されるが、こ
れを防止するためには、固体還元剤からの可燃性揮発成
分の発生期間に限って酸素含有ガスを吹き付けるのが有
効である。この期間は、ベッド表面が比較的多量の可燃
性揮発成分で覆われているので、吹き付けた酸素含有ガ
ス中の酸素は優先的に可燃性揮発成分の燃焼に消費さ
れ、その結果として再酸化が防止できるのである。
【0070】この方法と前述した“団塊化物またはタイ
ル状成形物の表面が粉状の固体還元剤で被覆された状態
とする方法”を併用することは再酸化の防止に一層有効
である。
【0071】上述した団塊化物またはタイル状成形物の
ベッドの表面へ直接的に供給する酸素含有ガスも、先に
述べたような、空気または酸素濃度が空気と同等あるい
は空気組成よりも若干富に調整されたガスでよい。な
お、ベッドの昇温速度を向上させるため、可燃性揮発成
分の燃焼に必要な酸素量を確保した上で酸素含有ガスと
燃料を同時に使用しても差し支えはない。
【0072】固体還元剤からの可燃性揮発成分の発生が
終了した後は、炉外から吹き込む燃料の燃焼によって、
炉内温度が1100℃以上になるように、望ましくは1
200〜1400℃以上になるように加熱すればよい。
これにより炉内で酸化鉄の還元が速やかに進行し、還元
鉄が製造される。
【0073】〔望ましい態様8〕本発明方法を実施する
際、団塊化物またはタイル状成形物がこれを載置してい
る炉床耐火物に固着してその後の作業に支障を来すこと
がある。
【0074】この問題を解決するためには、還元炉の炉
床上に、まず粉状の固体還元剤を薄く敷き、その上に団
塊化物またはタイル状成形物を載置する方法の採用が有
効である。団塊化物またはタイル状成形物と炉床耐火物
との間に介在する粉状の還元剤によって固着が効果的に
防止されるからである。
【0075】〔望ましい態様9〕回収された竪型炉の生
成ガス(排ガス)は、そのまま下工程へ送ったり、ある
いは別途発電用に用いるが、図1に示したように、その
少なくとも一部を回転炉床炉7の燃料として用いてもよ
い。これによって、系内の熱の利用率を一層高めること
ができる。即ち、系外からの燃料使用量を削減できると
共に、回収された生成ガスを高温のままで使用できるの
でガスが有する顕熱をも有効に利用することができ、エ
ネルギー効率が高まり、経済的にも有利である。
【0076】上記のように、本発明方法では従来の溶銑
を製造する方法における問題点を解決するために還元鉄
の溶解に使用する製錬炉として竪型炉を使用し、還元鉄
を高温状態でこの竪型炉の上部から装入して溶銑を製造
する方法を採用する。
【0077】前述したように、竪型炉はガスと固体とが
向流する充填層形式の炉であって、高温の還元鉄を装入
するために炉頂ガス温度は高くなるが、それでも前記従
来の鉄浴式の製錬炉と比較すると排ガス温度は低くな
り、熱効率は上昇する。炉内に炭材が充填されているた
め還元雰囲気が強く、また、スラグ中のFeO濃度が低
く、かつ溶銑中の炭素濃度が十分に高いので、硫黄濃度
は十分に低い値となり、良質の溶銑を製造することがで
きる。
【0078】また、炉内に炭材が充填されているため、
燃焼フレームからの輻射熱が直接炉壁を加熱することが
ないこと、スラグ中のFeO濃度が低いこと、炉底部に
溜まっている銑滓は撹拌されていないことなどから、耐
火物の損耗は鉄浴式製錬炉と比較すると格段に少なく、
生産コストを低減することができる。
【0079】炭材としてコークスを使用する場合、予備
還元炉で還元して得られる還元鉄を高温状態で装入して
使用するので、コークス消費量は高炉の場合より少なく
てすむが、羽口から炭素含有物質(微粉炭等)を吹き込
んだり、竪型炉の羽口上方の炉側壁部から酸素含有ガス
を吹き込み、炉内のCO、H2 ガスを燃焼させ、その燃
焼熱を還元鉄の溶解に利用することによって、コークス
の使用量をさらに大幅に減少させることができる。
【0080】上記本発明方法によれば、予備還元炉内で
粉状の鉄原料の還元を速やかに進行させて還元鉄を製造
できるとともに、その還元鉄を高温状態で竪型炉に装入
して耐火物の損傷を伴うことなく高熱効率で溶解し、良
質の溶銑を製造することができる。
【0081】
【実施例】表1に示す組成の粉状鉄原料としての鉄鉱石
および表2に示す粉状固体還元剤としての石炭(微粉
炭)とコークスを準備した。表3にこれら各原料の粒度
構成を示す。これらの粉状鉄鉱石と石炭にバインダーと
してのタールを加え、表4に示す配合割合の混合物とし
た。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】試験設備としては、前記の図1に示した工
程および各設備からなる小型の溶銑製造試験設備を使用
した。すなわち、予備還元炉として回転炉床炉7を、製
錬炉として竪型炉10を使用し、原料受け入れホッパー
1、混合機5、団塊化設備またはタイル状成形設備6、
廃熱回収熱交換機などから構成される設備である。
【0087】原料受け入れホッパー1へ受け入れられた
粉鉱石2、還元剤3(微粉炭)、バインダー4、および
必要に応じて竪型炉のダストを所定量だけそれぞれのホ
ッパーから切り出して混合機5へ装入し、少量の水を添
加して十分混合した。その後、混合物を排出し、団塊化
設備またはタイル状成形設備6で団塊化またはタイル状
に成形した後、回転炉床炉7へ装入してベッドを形成し
た。
【0088】団塊化またはタイル状への成形のいずれの
場合も、ベッド形成後、約2分間は石炭中の可燃性揮発
成分(VM)の発生が続いたので、ベッド表面にバーナ
ーを介して空気を吹き付け、ベッドの昇温を促進した。
可燃性揮発成分の発生が終了した後は、炉内空間部の平
均ガス温度を約1300℃とした。なお、空気は、燃焼
用空気も含め、回転炉床炉の排ガスと熱交換して600
℃に予熱して使用した。また、還元鉄の金属化率の目標
値は92%とした。
【0089】回転炉床炉7で得られた還元鉄は、約11
50℃で炉外へ取り出し、竪型炉10の炉上部から炉内
へ装入した。竪型炉10の炉上部からはコークスを石灰
石とともに装入した。なお、石灰石はスラグの塩基度が
1.25になる量とした。
【0090】羽口13からは、空気と酸素を吹き込むケ
ースに加え、微粉炭の吹き込みも実施し、微粉炭に比較
して高価なコークスの消費量を低減するケースについて
検討した。
【0091】溶銑は炉下部に設けられた出銑口から溶滓
(スラグ)とともに排出した。
【0092】竪型炉10の排ガスの一部は回転炉床炉7
で用いる燃料として使用し、残りは他の設備の燃料用と
して回収した。
【0093】試験は、表5に示す9ケースについて実施
した。
【0094】ケース1は原料混合物をペレット化した場
合の試験であり、この場合は、ハンドリングに耐える強
度を与えるため乾燥した後のペレットを使用した。この
ときの回転炉床炉における還元時間は10分であった。
【0095】ケース2はブリケット化した場合で、ペレ
ット化した場合と比較すると塊成化物の径が大きくなる
が、還元時間を約18分とすれば金属化率92%の還元
鉄が得られることを確認した。この還元時間は、通常の
天然ガスを改質して得られた還元ガスを使用するシャフ
ト炉型直接還元方式の還元時間が約8〜10時間である
ことと比較すると、極めて短くてよいことを示してい
る。
【0096】ケース3は原料混合物をタイル状に成形し
た場合であるが、ブリケット化した場合と比較すると、
ベッドの厚みが薄いため還元時間は15分と短縮した。
【0097】ケース4は微粉炭でタイル状成形物の表面
を薄く被覆してから高温還元したもので、ケース3の場
合と同じ還元時間であったにもかかわらず金属化率は約
0.5%程度向上しており、微粉炭による被覆がベッド
表面の再酸化を防止する効果があることが確認された。
【0098】ケース5はタイル状成形物を炉内へ装入し
た後、約2分間だけベッド表面に空気を供給し、石炭か
ら発生する可燃性揮発成分(VM)をベッドの表面で燃
焼させた場合である。
【0099】この結果、還元時間は10分と、ケース4
での15分よりもさらに5分間も短縮され、ベッドから
発生する可燃性揮発成分をベッドの表面でも燃焼させな
がら加熱、昇温する方法の有利性を確認することができ
た。また、この結果は、ペレットを使用するケース1と
比較しても遜色のない結果であり、タイル状に成形して
も還元速度を低下させずに十分にその効果を発揮させ得
ることが可能である。
【0100】ケース6はタイル状成形物の上面に前記の
図3に示した凹凸を付けた場合である。金属化率と還元
時間はケース3の場合とほぼ同じであったが、炉床単位
面積当たりの原料積載量が約1.9倍になったことから
生産性も約1.9倍に向上することが確認された。これ
は、炉床単位面積当たりの原料積載量が約1.9倍にな
っても、タイル状成形物の上面に形成させた凹凸によっ
て受熱面積が増加したことや、凸部は両側面から加熱さ
れて昇温速度が向上したことによるものと考えられる。
【0101】ケース7は炉床上に粉状固体還元剤を薄く
敷いた上へタイル状成形物を載せて高温還元した場合
で、他のケースでは若干の還元鉄が炉床に固着するのが
認められたのに対して、還元鉄の固着は皆無であった。
【0102】以上のケース1〜ケース7においては、竪
型炉の操業を、常温の空気を使用し、羽口からの微粉炭
の吹き込みを行わず、羽口前理論燃焼温度を2500℃
とする送風条件の下で、還元鉄の装入温度を約650℃
として、実施した。
【0103】これに対して、次に述べるケース8および
ケース9では、羽口前理論燃焼温度を2500℃とする
一定条件下で、送風温度と羽口からの微粉炭吹込みの影
響を調査した。
【0104】ケース8は空気を約600℃に加熱して送
風した場合で、ケース3に比較して、酸素使用量が57
Nm3 /pt(溶銑1t当たり)減少するとともに、燃
料比も低下し、予熱空気使用の効果が確認できた。
【0105】ケース9は羽口からの微粉炭吹き込みを行
った場合で、燃料比は若干上昇するものの、コークス比
は107kg/ptで、他のケースに比較して約1/3
に低下した。
【0106】
【表5】
【0107】
【発明の効果】本発明方法によれば、粉状鉄原料の還元
を速やかに進行させて還元鉄とし、その還元鉄を高温状
態で竪型炉に装入して耐火物の損傷を伴うことなく高い
熱効率で溶解し、硫黄濃度の低い良質の溶銑を製造する
ことができる。
【0108】本発明方法では、還元鉄製造に際してブリ
ケット化しあるいはタイル状に成形すれば、粉状鉄原料
の微粉砕処理および乾燥処理が不要となるので、製造コ
ストを大幅に低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の工程の概略と、使用する設備の一
例を示す図である。
【図2】回転炉床炉に団塊化物またはタイル状成形物を
装入した状態の一例の断面図である。
【図3】回転炉床炉に供給されるタイル状成形物の形状
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:原料受け入れホッパー 2:粉鉱石 3:還元剤 4:バインダー 5:混合機 6:団塊化設備またはタイル状成形設備 7:回転炉床炉 8:バーナー 9:排出口 10:竪型炉 11:コークス 12:フラックス 13:羽口 14:団塊化物またはタイル状成形物 15:駆動装置 16:車輪 17:レール 18:シール水 19:タイル状成形物 20:溝
フロントページの続き (72)発明者 中村 義久 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)予備還元炉で下記からまでの工
    程で還元鉄を得る予備還元工程と、 粉状鉄原料と粉状固体還元剤を混合して混合物を得
    る工程、 前記混合物を、団塊化して、加熱された予備還元炉
    内へ装入してその炉床上に団塊化物のベッドを形成する
    工程、 予備還元炉内へ燃料と酸素含有ガスを吹き込み、そ
    の吹き込んだ燃料、粉状固体還元剤から発生する可燃性
    揮発成分および粉状鉄原料が還元されて発生するCOガ
    スを、炉内へ吹き込んだ酸素含有ガスにより燃焼させ、
    炉内温度を1100℃以上になるように維持して、前記
    粉状鉄原料を還元する工程、(2)上記(1)の工程で
    得られた還元鉄を予備還元炉から排出する排出工程と、
    (3)竪型炉で下記およびの工程で溶銑と溶滓を得
    る還元・溶解工程と、 上記(2)の工程で排出した高温状態の還元鉄と、
    塊粒状の炭材とフラックスを、炉内に炭材の充填層を有
    し、炉下部に設置された羽口から酸素含有ガスを吹き込
    み羽口前の炭材を燃焼させて高温の還元ガスを発生させ
    る竪型炉へその炉上部から装入する工程、 竪型炉の羽口から酸素含有ガスを吹き込み、発生す
    る前記高温の還元ガスで還元鉄およびフラックスを溶解
    し、還元鉄中に含まれる未還元の酸化鉄を還元するとと
    もに浸炭する工程、(4)上記(3)の工程で得られた
    溶銑と溶滓を竪型炉の炉下部出銑口から抽出する抽出工
    程と、(5)竪型炉の生成ガスを回収するガス回収工
    程、とを備えることを特徴とする粉状鉄原料からの溶銑
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の(1)の団塊化する工
    程の代わりに、タイル状に成形する工程を採用すること
    を特徴とする請求項1に記載の溶銑製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の(1)の工程で、バイ
    ンダーを添加することを特徴とする請求項1または2に
    記載の溶銑製造方法。
  4. 【請求項4】タイル状成形物の炉床に接する面と反対側
    の表面に凹凸を付けることを特徴とする請求項2に記載
    の溶銑製造方法。
  5. 【請求項5】団塊化物またはタイル状成形物の表面が粉
    状の固体還元剤で被覆された状態とした後、炉内への燃
    料と酸素含有ガスの吹き込みを行うことを特徴とする請
    求項1から4までのいずれかに記載の溶銑製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の(1)の工程におい
    て、団塊化物またはタイル状成形物のベッド内の固体還
    元剤からの可燃性揮発成分の発生中にベッドの表面に酸
    素含有ガスを供給し、前記可燃性揮発成分をベッド表面
    で燃焼させてベッドの昇温を促進することを特徴とする
    請求項1から5までのいずれかに記載の溶銑製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の(1)の工程におい
    て、予備還元炉の炉床上に粉状の固体還元剤を薄く敷
    き、その上に団塊化物またはタイル状成形物のベッドを
    形成することを特徴とする請求項1から6までのいずれ
    かに記載の溶銑製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の(5)の工程で回収され
    る竪型炉の生成ガスの一部を予備還元用燃料として予備
    還元炉へ導入することを特徴とする請求項1から7まで
    のいずれかに記載の溶銑製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100376540B1 (ko) * 1999-12-24 2003-03-17 재단법인 포항산업과학연구원 고상 환원법에 의한 괴상 환원철의 제조방법
KR100803987B1 (ko) 2006-12-19 2008-02-15 주식회사 포스코 환원철의 제조 방법
CN109387076A (zh) * 2017-08-09 2019-02-26 中外炉工业株式会社 转底炉及其改造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100376540B1 (ko) * 1999-12-24 2003-03-17 재단법인 포항산업과학연구원 고상 환원법에 의한 괴상 환원철의 제조방법
KR100803987B1 (ko) 2006-12-19 2008-02-15 주식회사 포스코 환원철의 제조 방법
CN109387076A (zh) * 2017-08-09 2019-02-26 中外炉工业株式会社 转底炉及其改造方法
CN109387076B (zh) * 2017-08-09 2021-10-22 中外炉工业株式会社 转底炉及其改造方法

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