JP4379083B2 - 半還元塊成鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結プロセスを用いて、高炉原料として使用される、酸化鉄の一部を還元した半還元塊成鉱を製造する方法に関する。
従来から高炉原料として、焼結原料である粉鉄鉱石、媒溶材、および粉炭材等を混合し、造粒した後、焼結することにより得られる焼結鉱が用いられている。
このような焼結鉱に関して、従来、原料配合や造粒工程を調整して通気性を改善することや、擬似粒子の表面に粉コークスを付着させて燃焼性を良好にすること、配合原料や擬似粒子の構造を調整して燃料効率を高めること等、種々の試みがなされている。
特に、従来高炉で行われてきた還元反応の一部を焼結反応過程で補い、焼結と高炉総計での炭素原単位の低減を図ることができる半還元焼結鉱が注目されている。例えば、特許文献1には、粉鉱石に粉コークス・無煙炭を配合造粒して内層とし、また、粉鉱石、副原料および粉炭材・無煙炭を混合コーティングして外層として2層構造の擬似粒子を形成し、この擬似粒子を焼結原料の一部として混合・造粒したのち焼結機で焼結して焼結鉱を製造する技術が開示されており、この焼結過程で擬似粒子の外層から生成する融液と内層の粉炭材や無煙炭中の固形炭素との直接還元により焼結鉱の一部が還元される。この技術では、1100℃の高温になってから、初めて生成した融液と粉コークス・無煙炭のCがFeO+C=Fe+CO−36350kcal/kmolの直接還元反応を起こし、焼結鉱の一部にメタルFeが生成される。
しかしながら、上記特許文献1の技術には、以下のような問題点がある。
焼成後半になると、先に還元塊成化されたベッド上部に大気が供給されるため、再酸化が進んでしまう。
また、還元律速となるFeO+C→Fe+COの反応において、高温でFeOに還元された段階で、鉱石中の脈石成分や石灰系副原料と反応して大量の融液を発生させ、ベッドの通気性を阻害する。これにより通気量が極端に低下して焼成時間を延長させる。または通気性の不均一を生じさせ、一部だけガスが通り抜けて排ガス温度を上昇させるが、通気性が低下した部分は全く焼成が進まずに排鉱されるため、還元も進まない上に塊成鉱としての歩留が極端に落ちる。
このようにベッドの通気性が悪い場合に、点火が不完全であれば、着火不良の部分に優先的にガスが流れ、焼結の不均一を助長するが、上記技術では擬似粒子の炭材量が増大して相対的に着火に要する熱量が増大するため、通常の焼結操業の点火では、着火不良部分が増大して焼成の不均一を助長する結果となる。
特開平4−210432号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、焼結過程での再酸化およびベッドの通気性阻害を抑制することができる半還元塊成鉱の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
還元された塊成鉱の再酸化やベッドの通気性障害を抑制するためには、吸引ガスの少なくとも一部を空気よりも酸素比率の低いガス(低酸素濃度ガス)を供給することが有効である。ただし、途中から常温に近い低温ガスを吸引させると、焼成ガスによるベッド下部への伝熱量が急激に低下する結果、炭材の燃焼が継続せずに失火する。このため、予熱した低酸素濃度ガスであることが必要である。
具体的には、焼成の途中から、予熱した低酸素濃度ガスを吸引させることにより、焼成が済んだベッド上部への酸素供給量を低下させることができ、焼結後のベッドの再酸化を抑制することができる。
また、点火直後から予熱した低酸素濃度ガスを吸引させることにより、炭素の燃焼速度を制御してベッド内の到達温度を低く制御することができ、その結果FeO−SiO系やFeO−CaO系の融液の発生が抑制され、また、たとえ一部融液が発生したとしてもその粘性が高く維持される。したがって、ベッド内の空隙が融液により消失することにともなうベッドの通気性障害が抑制され、焼成を安定して進行させることができる。もちろん焼成の途中から低酸素濃度ガスを吸引させる場合もベッドの通気性障害抑制効果をある程度得ることができる。
さらに、通常の炭材5%以下の擬似粒子を焼成する場合よりも点火時間を延長することにより、炭材量の増大にともなう焼成の不均一をも解消することができる。
本発明は以上のような知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(6)を提供するものである。
(1) 粉鉄鉱石と石灰系副原料とを主構成要素とする焼結原料100質量%に対し炭材を10〜20質量%配合し、造粒して内層を形成し、その外側に前記焼結原料100質量%に対し炭材を1〜4質量%含む外層を被覆してなる2層構造の擬似粒子を、下方吸引式無端移動型焼結機に装入して焼成し、擬似粒子内部の固定炭素により粉鉄鉱石を直接還元して、一部が還元された塊成鉱を製造するにあたり、前記焼結機にて、吸引ガスの少なくとも一部を温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスとして焼成を実施することを特徴とする半還元塊成鉱の製造方法。
(2)上記(1)において、前記温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスを吸引ガスとして用いる領域を、少なくとも前記焼結機吸引部終端側の1/3の部分とすることを特徴とする請求項1に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
(3)上記(1)において、前記温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスを吸引ガスとして用いる領域を、点火炉直後からの前記焼結機吸引部の全域とすることを特徴とする請求項1に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)において、少なくとも一部が温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスである前記吸引ガスを吸引させる際に、その吸引ガスの少なくとも一部として前記焼結機の焼結吸引排ガスを循環させて使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)において、少なくとも一部が温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスである前記吸引ガスを下方吸引式無端移動型焼結機に吸引させる際に、その吸引ガスの一部として焼結鉱クーラーからの塊成鉱冷却後のガスを使用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
(6)上記(1)〜(5)において、炭材が5%以下の擬似粒子を焼成する場合に必要な点火時間の1.3〜2倍の点火時間で焼成することを特徴とする半還元塊成鉱の製造方法。
本発明によれば、炭材量を増加させた所定の擬似粒子を焼成し、擬似粒子内部の固定炭素により粉鉄鉱石を直接還元して、一部が還元された塊成鉱を製造するにあたり、焼結機における吸引ガスの少なくとも一部を温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスとして焼成を実施するので、還元された塊成鉱の再酸化およびベッドの通気性障害を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の方法の第1の実施形態の実施に用いられる設備を示す模式図である。この設備は、擬似粒子製造設備100と、下方吸引式無端移動型焼結機200とを備えている。
擬似粒子製造設備100は、粉鉄鉱石を貯留する粉鉄鉱石ホッパ1と、返鉱を貯留する返鉱ホッパ2と、媒溶剤としての石灰系副原料を貯留する石灰系副原料ホッパ3と、内層用の粉コークス(炭材)を貯留する内層用粉コークスホッパ4と、一次ドラムミキサ5と、ディスクペレタイザ6と、外層用の粉コークス(炭材)を貯留する外層用粉コークスホッパ7と、二次ドラムミキサ8とを備えている。ホッパ1〜4および7は、定量切出し装置を備えている。粉鉄鉱石ホッパ1から供給される粉鉄鉱石と返鉱ホッパ2から供給される返鉱と石灰系副原料ホッパ3から供給される石灰系副原料が焼結原料を構成する。なお、返鉱は必ずしも供給しなくともよい。
下方吸引式無端移動型焼結機200は、無端移動式の移動グレート11を有しており、その移動グレート11上に、装入システムであるシャトルコンベア10により上記擬似粒子が供給され、層状のベッド13が形成されるようになっている。
移動グレート11の移動経路には点火炉12が設けられており、移動グレート11上の擬似粒子がその点火炉12を通過する際に点火されてベッド13の焼結が開始され、焼結ケーキが形成される。移動グレート11の出口側には、図示しない塊砕機が設けられており、この塊砕機により移動グレート11から落下した焼結鉱が粉砕されてコンベア14に供給され、高炉へ供給される。
移動グレート11の直下には、移動グレート11の進行方向に沿って、複数の風箱15が配列されており、各風箱15には垂直ダクト16が接続されている。これにより、ベッド13の上方のガスが風箱15および垂直ダクト16によりベッド13を通過して吸引されるようになっている。ベッド13上方の点火炉12の下流側部分にガス供給フード19が設けられている。そして、ガス供給フード19が設けられている領域が焼結機吸引部を構成する。
上記垂直ダクト16のうち、前段部分のもの(図では左側4つ)は、水平に配置された主排ガスダクト17に接続され、排ガスが主排ガスダクト17を経て排出されるようになっている。一方、垂直ダクト16のうち、後段部分のもの(図では右側5つ)は、排ガス循環ダクト18に接続されており、この排ガス循環ダクト18は上記ガス供給フード19内のガス吸引部終端側に設けられた終端側フード19aに接続されている。なお、排ガス循環ダクト18にはブロア18aが設けられている。
この終端側フード19aは、少なくとも焼結機吸引部の1/3の長さを有している。そして、この終端側フード19aには大気とNガスが供給されるようになっており、その部分において吸引されるガスの酸素濃度が8〜12%に調整されるようになっている。また、このガスの温度は250〜600℃に調整される。終端側フード19aから供給されて吸引されるガスをこの温度に調整するために、焼結排ガス顕熱に加えて、他の熱風発生炉20からの熱およびクーラー21の排ガスの熱が排ガス循環ダクト18に供給されるようになっている。なお、他の熱風発生炉20からの熱およびクーラー21の排ガスの熱はどちらか一方でもよく、また、焼結排ガス顕熱で温度制御が十分に達成できる場合には必ずしも必要はない。
主排ガスダクト17には、電気集塵機30、メインブロア31が接続されており、メインブロア31によりベッド13の上方のガスを吸引し、風箱15、垂直ダクト16、主排ガスダクト17、電気集塵機30等を経て煙突32から排出される。
このように構成される設備において、まず、擬似粒子製造設備100の各ホッパから焼結原料である粉鉄鉱石、返鉱および石灰系副原料、ならびに炭材としての粉コークスを所定量切り出し一次ドラムミキサ5に供給し、水を添加しながら混合する。つづいて、前記混合原料をディスクペレタイザ6に供給し、水を添加しながら造粒する。これにより、粉鉱石中に粉コークスが分散した状態の生ペレットが形成される。次に、ディスクペレタイザ6で造粒した生ペレットを二次ドラムミキサ8に供給し、水および外層用粉コークスホッパ7から切り出した粉コークスを添加しながら混合する。この際、生ペレットの水分が高い場合には水分添加は不要となる。その結果、生ペレットの表面に粉コークスが被覆され、擬似粒子が製造される。なお、原料条件に応じ一次ドラムミキサ5で造粒が充分行われる場合は、ディスクペレタイザ6による造粒工程を省略しても良い。
このようにして製造された擬似粒子は、図2に示すように、鉄鉱石および石灰系副原料からなる焼結原料41中に炭材である粉コークス42が分散した状態の内層43と炭材である粉コークスからなる外層44との2層構造を有している。そして、内層43は焼結原料100質量%に対し炭材である粉コークスを10〜20質量%配合して構成され、外層44は焼結原料100質量%に対し炭材である粉コークスを1〜4質量%とする。焼結原料中の石灰系副原料の含有量は4〜10質量%であることが好ましい。
なお、反応性を良好に維持する観点から、粉鉄鉱石としては、粒径8mm以下のものが80%以上であることが好ましく、粉コークス(炭材)としては、粒径3mm以下のものが80%以上であることが好ましい。
上記構造を有する擬似粒子は、焼結機200において、内層43の焼結原料41中に分散した粉コークス42が主に焼結原料の還元に寄与し、外層44を構成する粉コークスが主に焼結に寄与する。すなわち、内層の粉コークスと外層の粉コークスとで機能が分離され、還元と焼結とが同時に進行する。
ここで、内層43内の粉コークス(炭材)量を10〜20質量%としたのは、この範囲であれば、擬似粒子中の鉄鉱石を有効に還元することができ、しかも未反応のコークスが残存し難いからである。また、外層44の粉コークス(炭材)量を焼結原料100質量%に対して1〜4質量%とすることにより、擬似粒子の焼結を適切に進行させることができる。
このような構造の擬似粒子を焼結するに際しては、当該擬似粒子をシャトルコンベア10を介して下方吸引式無端移動型焼結機200の無端移動式の移動グレート11上に供給し、擬似粒子のベッド13を形成する。そして、点火炉12によりベッド13表面に点火し、風箱15を介して下向きにガスを吸引しながら焼成し、ベッド13を構成する擬似粒子を焼結させ、塊成鉱とする。
この際に、点火炉12の直後は、ガス供給フード19から供給された空気を吸引しながら焼結を実施するが、少なくとも焼結機吸引部終端側の1/3の部分では、終端側フード19aから供給された温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスを吸引させる。
このように、焼成の途中から、予熱した低酸素濃度ガスを吸引させることにより、焼成が済んだベッド13の上部への酸素供給量を低下させることができ、焼結後のベッド13の再酸化を抑制することができる。再酸化は焼結機吸引部終端側の1/3の部分でより生じやすいので、少なくともその部分において上記温度および酸素濃度のガスを吸引させることが好ましい。
ここで、再酸化を抑制するためのガスの温度を250〜600℃とするのは、250℃未満では低酸素での伝熱悪化が避けられず燃焼継続が困難となり、600℃を超えると、焼結排ガス利用の他に供給すべき熱量が大きくなり経済的でないからである。また、酸素濃度を8〜12%にするのは、8%未満では燃焼継続が困難であり、たとえガス温度制御により燃焼を継続したとしても、酸素供給律速で焼成温度が上がらず、生産率の低下が大きく、酸素濃度が12%を超えると、再酸化の影響が大きいからである。
このようにして焼結して得られた半還元塊成鉱は、移動グレート11から落下し、出口側の塊砕機により落下した焼結鉱が粉砕されてコンベア14に供給され、さらに高炉へ供給される。
次に、第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態の実施に用いられる下方吸引式無端移動型焼結機を示す模式図である。本実施形態においては、第1の実施形態と全く同様に形成された擬似粒子を図3に示す下方吸引式無端移動型焼結機200′により焼結する。この下方吸引式無端移動型焼結機200′は、主排ガスダクト17の代わりに全ての垂直ダクト16につながっている主排ガスダクト17′を有している点、および排ガス循環ダクト18の代わりに主排ガスダクト17′から分岐する排ガス循環ダクト18′を有している点、ガス供給フード19に排ガス循環ダクト18′が接続され、点火炉12直後からの焼結機吸引部の実質的に全域で温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスを吸引させるようにした点が第1の実施形態の下方吸引式無端移動型焼結機200と異なっているのみで、他は同じであるから、同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
このように、点火炉12直後からの焼結機吸引部の実質的に全域でこのような予熱した低酸素濃度ガスを吸引させることにより、第1の実施形態における再酸化防止効果に加え、ベッド13の通気性阻害を抑制することができる。
すなわち、点火直後から予熱した低酸素濃度ガスを吸引させることにより、炭素の燃焼速度を制御してベッド13内の到達温度を低く制御することができ、その結果FeO−SiO系やFeO−CaO系の融液の発生が抑制され、また、たとえ一部融液が発生したとしてもその粘性が高く維持される。したがって、ベッド13内の空隙が融液により消失することにともなうベッドの通気性障害が抑制され、焼成を安定して進行させることができる。このような通気性障害抑制効果は、上記第1の実施形態においてもある程度発揮される。
なお、本発明のように、擬似粒子を部分的に還元するために炭材量を増大させた場合には、着火しにくく着火不良が発生しやすい傾向があるが、着火不良が発生すると、着火不良の部分に優先的にガスが流れ、焼結の不均一を助長する。これを防止するためには、焼成時間を延長することが好ましい。具体的には、炭材が5%以下の通常の擬似粒子を焼成する場合に必要な点火時間の1.3〜2倍の点火時間で焼成することにより、着火不良に伴う焼結の不均一を防止することができる。
なお、上記実施形態において、石灰系副原料としては、通常生石灰が望ましいが、消石灰、ベントナイトの他、微粉末スラグ、ポルトランドセメント等でもよい。また、上記実施形態では、炭材として粉コークスを用いたが、無煙炭、石炭、チャー、石油コークス等でも代替が可能である。さらに、上記実施形態では外層として炭材である粉コークスのみを用いたが、石灰系副原料を含んでいてもよいし、副原料とともに粉鉄鉱石を含んでいてもよい。さらにまた、上記実施形態で用いた設備はあくまでも例示であって、それらに限定されるものではない。
以下に本発明の効果を確認するために実施した試験の結果について説明する。
ここでは、ポット炉試験機による焼成試験を実施した。鉄鉱石としては南米産のヘマタイト鉱石Aの単味とし、さらに石灰系副原料としての生石灰および粉コークスを用いて以下のように擬似粒子を製造した。表1に各原料の化学組成を示す。
まず、鉄鉱石と生石灰と内層用コークスとを表2のように配合して混合した後、内径1.3mのディスクペレタイザで水分が11%となるように散水しつつ、8〜11mmの径に造粒し、表2示す割合で外層用の粉コークスを添加して内層に被覆し、擬似粒子を製造した。なお、表2において内層用の粉コークスおよび外層用の粉コークスは、鉄鉱石および生石灰の合計を100質量%とした場合の外数での質量%で示している。
ポット炉試験の概要は以下の通りとした。以上のように製造した擬似粒子試料を内径26cmのポット炉に層厚30cmになるように装填し、Cガスバーナで90〜120秒間昇温し、ベッド上面に配置した温度計値で1000℃に到達させた。点火後、ブロアによりベッドを下方吸引して、ベッド間の差圧を3000Paに保った。熱風は400℃とし、焼成中の差圧を保つように供給した。焼成中、表3に示すような所定条件で吸引ガス組成と温度を変化させた。表3中、吸引ガスの酸素濃度が21%は空気を吸引した場合である。なお、ベッドの温度については、図4に示すように、ベッド上端から12cmの位置でアルミナ保護管に入れた熱電対により上段温度を測定し、上段熱電対から12cm下の位置で上段と同様の熱電対により下段温度を測定した。表3中比較例1〜4は本発明の範囲を外れるものであり、実施例1〜3は本発明の範囲内のものである。
これら比較例1〜4および実施例1〜3の到達温度、焼結時間、生産率、成品還元率を表4に示す。また、比較例1と実施例2の温度変化および風速変化をそれぞれ図5および図6に示す。なお、表4の生産率は、ポット炉中の擬似粒子ケーキの質量35kgとポット炉の容積0.0531mに基づいて、以下のようにして求めた。
生産率(T/h/m)=(35×成品歩留)/0.0531/時間
比較例1は従来と同様、焼成処理の間中、常温の空気を吸引させたものであり、実施例2は、点火完了直後に酸素濃度の低い熱風に切り替えたものであるが、図5と図6を比較すると、点火直後から酸素濃度の低い熱風を吸引させた実施例2では、比較例1よりも到達温度が低下し、下段では1000℃以下に保持され、これにともなって風速が比較例1よりも高く維持され、通気性を低下させることなく焼結を行えることが確認された。また、これにより、実施例2では排ガスの温度ピークに到達する時間が短縮され、ベッドの焼成が速やかに完了した。
実施例1は、下段温度が200℃を超えた時点(1300sec)で低酸素濃度の熱風を供給したもので、焼結時間に対して約2/3の時点(焼結機吸引部終端側の1/3の部分に相当)から低酸素濃度の熱風を供給したものであるが、下段の温度は比較例1に比較して低くなり、溶融が抑制されて通気が維持されたため、焼結時間が短縮し、生産率が改善した。また、焼成後半に低酸素濃度のガスが吸引されるため、再酸化が生じ難く、還元率も高く維持された。上述の実施例2では、点火直後から低酸素濃度のガスを供給しているため、到達温度の抑制効果が実施例1よりも顕著に現れており、実施例1よりもさらに生産率が向上した。実施例3は実施例2よりも酸素濃度を低下させた結果、焼成時間は延長したが、焼成はベッド下部まで継続し、強度、歩留の悪化が抑制される一方、再酸化が一層抑制され、成品の還元率がさらに向上した。
一方、比較例2は下段温度が200℃を超えた時点で常温の酸素濃度の低いガスを吸引させたため、途中で焼成が継続しなくなり、焼結時間は短縮されたものの歩留まりが著しく低下して、生産率が低下した。比較例3は点火完了直後から常温の酸素濃度の低いガスを吸引させたため、焼成が中断した。比較例4は比較例2と同様に下段温度が200℃を超えた時点で常温の酸素濃度の低いガスを吸引させものであり、その際の酸素濃度をさらに低下させたものであるが、下段部分は未焼結となり、歩留が低下し、生産率が比較例2よりも低かった。
以上述べたように、本発明によれば還元された塊成鉱の再酸化およびベッドの通気性障害を抑制することができ、還元率の高い塊成鉱を高い生産性で得ることができる。
本発明の方法の第1の実施形態の実施に用いられる設備を示す模式図。 本発明が適用される2層構造の擬似粒子を示す断面図。 本発明の方法の第2の実施形態の実施に用いられる設備の焼結機部分を示す模式図。 実施例のベッドにおける温度測定位置を説明するための図。 比較例1におけるベッドおよび排ガス温度ならびに風速の経時変化を示す図。 実施例2におけるベッドおよび排ガス温度ならびに風速の経時変化を示す図。
符号の説明
1 粉鉄鉱石ホッパ
2 返鉱ホッパ
3 石灰系副原料ホッパ
4 内層用粉コークスホッパ
5 一次ドラムミキサ
6 ディスクペレタイザ
7 外層用粉コークスホッパ
8 二次ドラムミキサ
10 シャトルコンベア
11 移動グレート
12 点火炉
13 ベッド
14 コンベア
15 風箱
16 垂直ダクト
17,17′ 主排ガスダクト
18,18′ 排ガス循環ダクト
18a ブロア
19 ガス供給フード
19a 終端側フード
20 熱風発生炉
21 クーラー
30 電気集塵機
31 メインブロア
32 煙突
41 焼結原料
42 粉コークス
43 内層
44 外層
100 擬似粒子製造設備
200,200′ 下方吸引式無端移動型焼結機

Claims (6)

  1. 粉鉄鉱石と石灰系副原料とを主構成要素とする焼結原料100質量%に対し炭材を10〜20質量%配合し、造粒して内層を形成し、その外側に前記焼結原料100質量%に対し炭材を1〜4質量%含む外層を被覆してなる2層構造の擬似粒子を、下方吸引式無端移動型焼結機に装入して焼成し、擬似粒子内部の固定炭素により粉鉄鉱石を直接還元して、一部が還元された塊成鉱を製造するにあたり、前記焼結機にて、吸引ガスの少なくとも一部を温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスとして焼成を実施することを特徴とする半還元塊成鉱の製造方法。
  2. 前記温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスを吸引ガスとして用いる領域を、少なくとも前記焼結機吸引部終端側の1/3の部分とすることを特徴とする請求項1に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
  3. 前記温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスを吸引ガスとして用いる領域を、点火炉直後からの前記焼結機吸引部の全域とすることを特徴とする請求項1に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
  4. 少なくとも一部が温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスである前記吸引ガスを吸引させる際に、その吸引ガスの少なくとも一部として前記焼結機の焼結吸引排ガスを循環させて使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
  5. 少なくとも一部が温度250〜600℃、酸素濃度8〜12%のガスである前記吸引ガスを下方吸引式無端移動型焼結機に吸引させる際に、その吸引ガスの一部として焼結鉱クーラーからの塊成鉱冷却後のガスを使用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
  6. 炭材が5%以下の擬似粒子を焼成する場合に必要な点火時間の1.3〜2倍の点火時間で焼成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半還元塊成鉱の製造方法。
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