JP6119700B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反応性の高いコークスを使用する高炉操業方法で、還元材比の低減を図りつつも高炉ガスの熱源としての利用価値を向上させる方法に関する。
高炉では、コークスと、鉄源として鉱石と、を炉頂から装入し、炉下部に設けられた羽口から、空気あるいは空気に酸素を富化して加熱した熱風と、微粉炭、重油、燃料ガスなどを吹き込み、高炉内では、コークスや、微粉炭、重油、燃料ガスなどを燃焼して発生した一酸化炭素COガスを含むガスで鉱石を還元するとともに、燃焼熱により鉱石を溶融して銑鉄を生成する。コークスや、微粉炭、重油、燃料ガスなどは還元材と呼ばれ、前記銑鉄1トン当りの還元材の使用量は還元材比として管理される。該還元材比を低減することは、コークス及び微粉炭の原料となる石炭の使用量を削減するという点で重要であり、還元材比を低減する技術として、鉱石中の酸化鉄の還元反応の効率を向上させることが挙げられる。
次に、高炉を示す図4を参照して、高炉1における酸化鉄の還元反応について説明する。高炉1には、通常、炉頂から鉱石2とコークス3とが交互に積層するように装入される。高炉1には、側面下部に設けられた羽口5から熱風6が吹き込まれ、該熱風6とともに吹き込まれた微粉炭などやコークス3中の炭素が、熱風6中の酸素と燃焼し、高温の一酸化炭素COガスを含むガスが発生する。このガスが高炉内を上昇していく過程で鉱石2とコークス3とに熱が与えられ、鉱石2の酸化鉄が還元されるとともに該鉱石2が溶融することによって、銑鉄9及び溶滓8が生成する。銑鉄9は、高炉内底面に溜まり、溶滓8の一部とともに、高炉1の側面底部に設けられている出銑口7から高炉1外へ排出される。
高炉1には、鉱石2が軟化して相互に融着しあう部分となる融着帯4が形成され、該融着帯4を含む高炉1内下部となる炉下部22では、羽口5から供給される熱風6中の酸素と炭素が燃焼し、燃焼熱によって炉下部22は高温となり、鉱石2は溶融状態になるとともに、炉下部22では次の反応式に示す還元反応が生じる。
FeO+C=Fe+CO (1)
式(1)に示す還元反応は、コークス3の固体の炭素Cによる酸化鉄の還元反応であり直接還元反応と呼ばれ、吸熱反応である。高炉1内では、上部から下部に向かって固体温度が上昇するので、鉱石2は、始めは固体の状態であり、高炉1の中部では、炉頂から装入された固体の鉱石2が軟化・溶融し始め、前記融着帯4が形成されることになる。
融着帯4より上側となる炉上部21では、固体状態の鉱石2とコークス3とが存在し、炉下部22で生じ上昇していく一酸化炭素COガスによって鉱石2の酸化鉄が還元され、炉上部21では、次の式に示す還元反応が生じる。
Fe+CO=2FeO+CO (2)
Fe+CO=3FeO+CO (3)
FeO+CO=Fe+CO (4)
式(2)〜(4)に示す還元反応は、一酸化炭素COによる酸化鉄の還元反応であり間接還元反応と呼ばれ、式(3)に示す還元反応を除き発熱反応であり、全体的に発熱反応である。炉上部21における炉頂部分では、鉱石2の酸化鉄は主にはFeやFeであり、比較的温度が低い状態であっても、式(2)及び(3)に示す還元反応が生じ易く、鉱石2の酸化鉄はFeOになる。次いで、鉱石2が下方に向かうにつれて、式(4)に示す還元反応が主に生じ、鉱石2の酸化鉄が還元される。なお、式(2)及び(3)に示す還元反応が主に生じる炉上部21の部分を予熱帯と呼び、式(4)に示す還元反応が主に生じる炉上部21の部分を熱保存帯と呼ぶ。
非特許文献1には、前記熱保存帯の温度を低下させ、還元反応の効率を向上させ得ることが記載されている。熱保存帯で主に生じる式(4)に示す還元反応は発熱反応であり、一酸化炭素COガスによる鉄酸化物の還元反応に係るウスタイト(酸化鉄)−鉄還元平衡点を二酸化炭素COガス濃度が高い方向へ移動させて平衡温度を下げることで、式(4)の還元反応を促進させることができる。
例えば、特許文献1には、前記熱保存帯の温度を低下させる手段として、高反応性コークスであるフェロコークスを用いることが記載されている。コークス3の一部として、フェロコークスを用いることで、次の式に示すコークス3のガス化反応の開始温度を低下させて、熱保存帯の温度を低下させ得る。
C+CO=2CO (5)
特許文献1には、更に、フェロコークスを高炉操業に用いれば、還元された鉄鉱石の触媒効果でコークスの反応性を高めることができるので、上記式(5)を促進させて、還元材の使用量を抑えて、還元材比を低減できる旨が記載されている。
特開2006−28594号公報
内藤ら、鉄と鋼、vol.87(2001)No.5 第357〜364頁
非特許文献1及び特許文献1に記載の技術によって、確かに、高炉での還元反応の効率を向上させ、還元材比を低減させ得る一方で、高炉ガスの熱源として利用価値は低下してしまう。高炉から排出される高炉ガスは、水素Hや一酸化炭素COを含み、これらを多く含む方が熱源として利用価値が高い。ところが、還元材比を低下させることによって、一般的には、高炉ガス中の二酸化炭素COの割合が大きくなり、一酸化炭素COの割合は低下する。なぜならば、還元材比の低下は、コークスや微粉炭などの炭素Cを還元材として効率良く使用することを意味し、炭素Cが効率良く燃焼すると、二酸化炭素COがより多く生じることになるからである。
高炉ガスの利用価値を高めるという点では、高炉ガスには、二酸化炭素COよりも一酸化炭素COが多く含まれる方が良く、還元材比の低減を図りつつも、一酸化炭素COをより多く含む高炉ガスが排出されるように高炉を操業することが求められる場合もある。ところが、非特許文献1や及び特許文献1に記載されている通り、従来技術では、高炉ガス中の一酸化炭素COの割合は考慮されていないというのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、還元材比の低減を図りつつも、高炉ガスの熱源としての利用価値を向上させることである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
[1]コークスと鉱石とを高炉に装入する高炉操業方法であって、前記コークスの一部として、該コークスの反応性の指標であるコークス反応性指数CRIが65%以上の高反応性コークスを用い、前記鉱石の酸化鉄の被還元性の指標である被還元性指数RIの平均値が50%以上65%以下であることを特徴とする高炉操業方法。
[2]前記鉱石として焼結鉱と塊鉱石を用いることとし、前記鉱石中の焼結鉱の割合を調整することによって前記平均値を50%以上65%以下とすることを特徴とする上記[1]に記載の高炉操業方法。
[3]前記高反応性コークスの全量または一部を前記鉱石と混合して炉内へ装入することを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の高炉操業方法。
本発明によれば、反応性が高いコークスを使用して還元材比の低減を図りつつも、高炉ガス中の一酸化炭素の量を多くして、高炉ガスの熱源としての利用価値を向上させることができる。
実験におけるガス組成と雰囲気温度との経時変化を示すグラフである。 実験における、通常のコークスを混合した場合Aと高反応性コークスを混合した場合Bとでの還元率を示すグラフである。 実施例における還元材比とガス利用率との散布図である。 高炉を示す概略図である。
本発明に係る高炉操業方法では、コークス3の一部として高反応性コークスを用いることで、炉上部21の熱保存帯にて生じる前述の式(4)に示す間接還元反応を促進させるとともに、炉下部22での式(1)に示す直接還元反応を抑えて、還元材比の低減を図るものである。しかしながら、還元材比が低下すると、高炉ガス中の一酸化炭素COの量が低下し、高炉ガスの熱源としての利用価値が低下してしまう傾向がある。
そこで、本発明に係る高炉操業方法では、高反応性コークスを用いつつも、鉱石2として、該鉱石2の酸化鉄の被還元性の指標である被還元性指数RIの平均値が50%以上65%以下である鉱石を用い、非特許文献1に記載されているように、ウスタイト(鉄酸化物)−鉄還元平衡の平衡温度が下がることに起因した、式(4)に示す間接還元反応の促進する度合いをある程度抑え得る。これにより、還元反応の効率をある程度向上させつつも、高炉ガスに含まれる一酸化炭素COの低下量も抑え、高炉ガスの熱源としての利用価値の向上を図っている。
高反応性コークスを使用することで、式(5)に示す炭素Cのガス化反応が従来のコークスよりも活発に生じれば、コークスが高炉1に装入された段階から、炉上部21において更なる一酸化炭素COガスによる還元促進が期待できる。
C+CO=2CO (5)
この場合、式(5)と、熱保存帯で主に生じる式(4)とに示す間接還元反応が促進される。
FeO+CO=Fe+CO (4)
還元材比を抑えるためには、炉上部21の熱保存帯で上記式(4)に示す間接還元反応を促進させて、鉱石2の酸化鉄の還元を促進させ、炉下部22で式(1)に示す直接還元反応を抑えることが望ましい。なぜならば、間接還元反応は発熱反応であり、直接還元反応は吸熱反応であるので、高炉1の全体でみて、間接還元反応が生じる割合が増えると、発熱量が増え、還元材の使用量を抑えることができるからである。
コークス3の反応性の指標としてコークス反応性指数CRIを採用する。上述の高反応性のコークスは、コークス反応性指数CRIが65%以上である。コークス反応性指数CRIとは、粒径20±1mm内のコークス試料200gを1100℃の温度で二酸化炭素COガス5l/分を流通させた雰囲気に、2時間保持した後の試料質量の減量分を、反応前の試料質量に対して百分率で示した指数である。コークス反応性指数CRIが高いほど、コークスは高反応性と評価できる。なお、高反応性コークスとしてフェロコークスを使用する場合には、反応前のフェロコークスの質量から鉱石分を減算して、反応前のフェロコークス中のコークスの質量を算出し、そこから、反応後のコークスの質量を減算して、コークスの減量分を算出し、反応前のコークス分の質量に対する前記減量分の百分率で、コークス反応性指数CRIを示すこととする。但し、コークス反応性指数CRIが高すぎると、やはり、高炉ガス中の一酸化炭素の量が減少してしまうので、高反応性のコークスのコークス反応性指数CRIは85%以下とすることが好ましい。
上述の高反応性コークスを用いると、非特許文献1に記載されているように、ウスタイト(鉄酸化物)−鉄還元平衡の平衡温度を下げることに起因して、熱保存帯で、前述の式(4)の間接還元反応が促進されすぎてしまい、高炉ガス中の一酸化炭素の量が低下し、高炉ガスの熱源としての利用価値が低下してしまう傾向がある。そこで、本発明者らは、鉱石2の全量を、被還元性指数RIの平均値がある程度の範囲として、高反応性コークスを用いつつも、式(4)の間接還元反応が促進されにくくすることに着想し、式(4)の間接還元反応をある程度抑えて、高炉ガス中の一酸化炭素の量の低下を防ぎ得ることを見出した。ここで、被還元性指数RIとは、JIS M8713−1993の「鉄鉱石−還元試験方法」に規定される方法1(還元率法:ISO7215による方法)に基づいて測定した指数であり、鉱石の被還元指数RIが大きい程、鉱石は還元されやすいことを意味する。この平均値とは、鉱石として使用される焼結鉱や塊鉱石などの鉱石原料の被還元性指数RIを、配合割合を重みとして加重平均して求めた値である。非特許文献1には、通常のコークスの使用下において、RIが70以上の高被還元性焼結鉱を使用することで、炉内反応効率を向上させる操業が提案されている。
本発明では、鉱石2の被還元性の指標として前述の被還元性指数RIを採用し、鉱石2として、被還元性指数RIの平均値が50%以上65%以下である鉱石を用いる。鉱石2の被還元性指数RIの平均値が低すぎると高炉全体としての還元停滞に繋がり、生産量を維持するためには還元材比を増加させる必要が生じるため、50%以上とすることが好ましい。また、65%以下であれば、高炉ガス中の一酸化炭素COの割合をある程度維持することができる。
コークス反応性指数CRIが30%である通常のコークスで、被還元性指数RIの平均値が70%となる鉱石の酸化鉄を還元した場合Aと、コークス反応性指数CRIが65%となる高反応性コークスで、被還元性指数RIの平均値が50%となる鉱石の酸化鉄を還元した場合Bと、において、還元反応の後に生じるガス中の一酸化炭素COと二酸化炭素COの割合の推移と、鉱石の酸化鉄の還元率と、を比較する実験を行った。該実験では、コークス反応性指数CRI及び被還元性指数RIは、前述に記載の方法で調整してある。また、実験では、高炉の炉上部21において原料が降下して熱保存帯に至るまでの雰囲気温度を電気炉で模擬すると共に、模擬したそれぞれの位置(時間)での炉内ガス組成を模擬して、還元反応を生じさせることとした。模擬した雰囲気温度及びガス組成の経時変化を図1に示す。
場合A及び場合Bにおける雰囲気温度1000℃での鉱石の酸化鉄の還元率を図2に示す。還元率は次の式(6)で算出した。
還元率=(1−(反応前の鉱石の酸化鉄中の酸素量−反応後の質量減少量)/反応前の鉱石の酸化鉄中の酸素量)×100 (6)
図2から、場合A(通常コークスの混合)と場合B(高反応性コークスの混合)とでは、鉱石の還元率が同等であり、還元性が低くても高反応性コークスと組み合わせることにより1000℃以下での還元は進行することがわかった。また、図1から、雰囲気温度1000℃以下の環境では、場合A(通常コークスの混合)よりも場合B(高反応性コークスの混合)の方が、ガス中の二酸化炭素COの発生量が抑えられ、一酸化炭素COの発生量が多くなっていることがわかる。コークス反応性指数CRIが高い高反応性コークスで、被還元性指数RIの平均値が低い鉱石の酸化鉄を還元する還元反応では、還元率をある程度維持しつつも、一酸化炭素COの発生量をある程度多く発生させ得ることがわかる。
鉱石として焼結鉱と塊鉱石を用いることとし、鉱石中の焼結鉱の割合を調整することによって、鉱石の被還元性指数RIの平均値を50%以上65%以下とすることが好ましい。焼結鉱は被還元性が高く、鉱石中の焼結鉱の割合を減少させ、比較的被還元性の低い塊鉱石の割合を増加させると、被還元性指数RIの平均値を変更しやすい。また、焼結鉱と塊鉱石との鉱石中の割合を一定としつつも、焼結鉱や塊鉱石の被還元性指数RIを低下させてもよい。
高反応性コークスとしてフェロコークスがあるが、このほかに、高カルシウム炭から製造した高反応性コークスや、ダスト類とコークス粉とをバインダーで固めたコールドペレットも高反応性コークスとして用いることができる。これらを高反応性コークスに用いても、高炉の炉上部で低温からコークスの反応を開始させることができる。
本発明では高炉で使用するコークスの一部を高反応性コークスとするときに生じるガス利用率の上昇に対して鉱石の被還元性指数RIを適正に維持することで効果を得ることができるが、特に高反応性コークスを10kg/トン−銑鉄以上使用するときには上記ガス利用率の上昇が顕在化することが多いため、高反応性コークスを10kg/トン−銑鉄以上使用するときに実施することが好ましい。ただし、高反応性コークスは、通常のコークスに比べて炉下部での反応による強度劣化が生じやすいので、高炉内の通気の安定の観点からは炉頂から装入するコークスの内の50質量%以下とすることがより好ましい。
鉱石の被還元性指数を下げることは、高炉全体としての還元停滞に繋がり、生産性を悪化させる可能性があるため、鉱石の平均被還元性指数は50以上を維持することが望ましい。
高反応性コークスの全量または一部を鉱石と混合して操業することが好ましい。高反応性コークスが鉱石に混合されていると、鉱石層の内部で高反応性コークスのガス化反応で発生した一酸化炭素COのガスが、近傍にある鉱石を還元し、さらに高反応性コークスのガス化に利用されるといった反応の循環が起こり易くなるので、炉上部での還元反応がより促進されることになる。また、図4にて、鉱石2とコークス3とを積層した状態で高炉1に装入されている形態を示してあるが、本発明は必ずしもこの形態に限定されるものではなく、高炉での一部に、鉱石2とコークス3とを積層した状態ではなく、高反応性コークスの全量または一部を鉱石と混合してある層が複数あっても、前述の通り、炉上部21において式(4)に示される間接還元反応を促進させ得る。
以上の通り、コークス反応性指数CRIが65%以上の高反応性コークスを用いて、炉上部21で間接還元反応(式(4))を進行させ、炉下部22での吸熱反応である直接還元反応(式(1))を抑えれば、高炉全体としては、還元材比の低減が可能となる。また、前記高反応性コークスを用いると同時に、鉱石の酸化鉄の被還元性の指標である被還元性指数RIの平均値が50%以上65%以下である鉱石を用いれば、還元材比の低減を図りつつも、間接還元反応(式(4))の過剰な促進を抑え、高炉ガス中の一酸化炭素量の低下をある程度抑え得ることが期待される。
図4に示す高炉1の操業において、本発明を実施した。該高炉1の内容積は5000mである。高炉操業において、銑鉄9の温度が1500[℃]で出銑比が2.2[トン−銑鉄/(日・m)]となるように、高炉1に鉱石2及びコークス3を投入し、微粉炭を152[kg/トン−銑鉄]で羽口5から吹き込んだ。標準となる高炉操業を行うために、コークス3としては、高反応性コークスを用いずに通常のコークスのみを用いた。通常のコークスのコークス反応性指数CRIは30%である。鉱石2としては、焼結鉱と塊鉱石を用いて、還元性指数RIの平均値を67%とした(ベース)。
また、鉱石2の焼結鉱と塊鉱石との割合を変更して、還元性指数RIの平均値を変更し、かつ、コークス3の一部に用いる高反応性コークスとして、適宜、コークス反応性指数CRIを変更したフェロコークスを用いた以外はベースの高炉操業と同じ条件で、高炉操業を行った(本発明例1〜4及び比較例1,2)。該フェロコークスは、石炭と鉱石の混合物をブリケットマシンで成型後、竪型シャフト炉に装入し乾留して製造し、その寸法は30×25×18mmのピロー型である。フェロコークス中の鉄分は30質量%とした。コークス反応性指数CRIは、前述の実施形態で記載した方法によって測定し、還元性指数RIは、JIS M8713−1993に規定される方法に準拠して測定した。本発明例1〜4及び比較例1,2において、フェロコークスを鉱石2に混合した。
ベースの高炉操業及び本発明例1〜4と比較例1,2の高炉操業における操業条件及び還元材比とガス利用率との結果を表1に示す。
Figure 0006119700
表1におけるガス利用率は、高炉ガスに含まれる二酸化炭素COと一酸化炭素COとの合計量に対する二酸化炭素COの量の割合を意味し、CO(%)/[CO(%)+CO(%)]で表される値である。ガス利用率が低い方が、高炉ガスに一酸化炭素COが多く含まれていることを意味する。
本発明では、還元材比の低減を図りつつも、高炉ガス中の一酸化炭素の量を上昇させることを目的とするため、少なくとも、本発明を満たす本発明例1〜4では、ベースの高炉操業の還元材比を基準とし、該基準に対して還元材比が低下し、その低下幅に対して、ベースの高炉操業のガス利用率を基準としてガス利用率が上昇する割合が抑えられていることが望ましい。よって、表1には、ベースの高炉操業の還元材比から、本発明例1〜4と比較例1,2の還元材比を減算して得られる還元材比の低下量を記載し、本発明例1〜4と比較例1,2のガス利用率から、ベースの高炉操業のガス利用率を減算して得られるガス利用率の上昇量を記載し、ガス利用率の上昇量/還元材比の低下量を記載してある。ガス利用率の上昇量が小さく還元材比の低下量が大きい、すなわち、ガス利用率の上昇量/還元材比の低下量の値が小さいほど、還元材比の低減を図りつつ、高炉ガス中の一酸化炭素量の低下幅を効果的に抑えていることを意味する。なお、参考として、ベースの高炉操業及び本発明例1〜4と比較例1,2の高炉操業における還元材比とガス利用率との散布図を図3に示す。
本発明例1〜4では、ガス利用率の上昇量/還元材比の低下量の値が小さく、ベースの高炉操業と比べて、還元材比を低減した上で、高炉ガス中の一酸化炭素量の低下を抑え、高炉ガスに一酸化炭素量を多くできたことがわかる。
還元性指数RIの平均値を67%となる鉱石2を使用しつつ、フェロコークスを用いた比較例1では、ベースの高炉操業と比べて還元材比を大幅に低下させることには成功しているが、本発明例1〜4に比べると、ガス利用率も大幅に上昇しており、高炉ガス中の一酸化炭素量の低下している。よって、高炉ガスの熱源としての利用価値は低下していることがわかる。
還元性指数RIの平均値を48%となる鉱石2を使用した比較例2では、ベースの高炉操業と比べて、ガス利用率を低下させることには成功しているが、生産量を維持するべく操業するために、還元材比が上昇してしまっている。
比較例2では、ガス利用率の上昇量/還元材比の低下量の値を算出できなかった一方で、比較例1においては、前記値が0.0824と算出された。比較例1に対して、本発明例1〜4では前記値は0.03以下と算出され、還元材比の低減を図りつつガス利用率の上昇幅を抑えられていることがわかる。この結果からすれば、本発明によって、反応性が高いコークスを使用して還元材比の低減を図りつつも、ガス利用率の上昇幅を抑えることで高炉ガス中の一酸化炭素の量を多くして、高炉ガスの熱源としての利用価値を向上できることがわかる。
1 高炉
2 鉱石
3 コークス
4 融着帯
5 羽口
6 熱風
7 出銑口
8 溶滓
9 銑鉄
21 炉上部
22 炉下部

Claims (2)

  1. コークスと鉱石とを高炉に装入する高炉操業方法であって、
    前記コークスの一部として、該コークスの反応性の指標であるコークス反応性指数CRIが65%以上の高反応性コークスを用い、
    前記鉱石の酸化鉄の被還元性の指標である被還元性指数RIの平均値が50%以上65%以下であり、
    前記鉱石として焼結鉱と塊鉱石を用いることとし、
    前記鉱石中の焼結鉱の割合を調整することによって前記被還元性指数RIの平均値を50%以上65%以下とすることを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記高反応性コークスの全量または一部を前記鉱石と混合して炉内へ装入することを特徴とする請求項に記載の高炉操業方法。
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