JP2008127580A - ホットブリケットアイアンおよびその製造方法 - Google Patents

ホットブリケットアイアンおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】高炉の装入原料として実際に使用しうる、安価で、高強度かつ耐候性を備えたホ
ットブリケットアイアンおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化鉄分と炭材とを含む炭材内装塊成化物Eを回転炉床炉1で加熱還元する
ことにより、表面部の平均C含有量が0.1質量%以上2.5質量%以下であり、中心部
の平均C含有量が前記表面部の平均C含有量より高く、全体の平均C含有量が好ましくは
1.0質量%以上5.0質量%以下で、金属化率が好ましくは80%以上の還元鉄Fを製
造し、この還元鉄Fを熱間成形機2で圧縮成形してホットブリケットアイアンGを製造す
る。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭材内装塊成化物を加熱還元して得られる還元鉄を用いたホットブリケット
アイアン(以下「HBI」と略称することあり。)の製造技術に関し、特に高炉への装入
原料に適したHBIおよびその製造方法に関する。
最近の高出銑比操業指向およびCO排出削減の両面の課題に対応できる高炉用の装入
原料として、HBIが注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、従来のHBIは、鉄品位の高い焼成ペレットを原料とし天然ガスを改質
した還元ガスで還元して製造された、いわゆるガスベース還元鉄(以下、還元鉄を「DR
I」と略称することあり。)を熱間成形したものであることから、電気炉でスクラップ代
替として利用されてはいるものの、高炉用原料としては価格が高すぎるため実用化に問題
があった。
一方、近年、低品位の鉄原料と安価な石炭を還元剤とする炭材内装塊成化物を高温雰囲
気下で還元して得られる、いわゆる石炭ベースDRIの製造技術が開発され、実用化が進
められている(例えば、特許文献1、2参照)。この石炭ベースDRIは、脈石分(スラ
グ分)や硫黄分が多い(後記実施例2、表7参照)ため、そのまま電気炉に装入するのに
は適していないものの、高炉用の装入原料としてはスラグ分や硫黄分についてはそれほど
問題ではなく、安価に製造できるメリットがある。
しかしながら、石炭ベースDRIは、内装炭材を還元剤とすることから、ガスベースD
RIよりも気孔率が高く、かつ残留炭素の含有量が高いため、強度が低くなる(同じく後
記実施例2、表7参照)。このため、DRIに高炉装入に耐えるだけの強度を持たせるに
は、炭材配合量を減らしてDRI中の残留C含有量を極端に低下させ、金属化率を犠牲に
しても強度を確保するしかないのが現状であった(非特許文献2の図3参照)。しかも、
石炭ベースDRIは従来のガスベースDRIと同様に再酸化されやすいため、長時間の貯
蔵や長距離の輸送に向かない。
そこで、高強度化および耐再酸化性(耐候性)付与を目的として、ガスベースDRIと
同様、石炭ベースDRIをHBI化することが考えられるが、残留C含有量の高い石炭ベ
ースDRIを用いると、従来のガスベースDRIをHBI化する際における技術常識から
は十分なHBI強度が得られないものと想定され、ほとんどHBI化の検討はなされてい
なかった。
すなわち、上記ガスベースDRIをHBI化する際の技術常識として、従来のガスベー
スHBIでは、電気炉での使用に際し、DRI内部の未還元酸化鉄を還元して電力消費を
低減するために、C含有量ができるだけ高いものが望まれているものの、DRIのC含有
量を高めるとHBIの強度が低下してしまうため、C含有量は最高1.8質量%程度に制
限されることが知られている。
宇治澤 優ら:鉄と鋼、vol.92(2006)、No.10、p.591〜600 杉山 健ら:「FASTMET(R)法によるダスト処理」、資源・素材2001(札幌)、2001年9月24−26日、平成13年度資源・素材関係学協会合同秋季大会 特開平11−27611号公報 特開2001−181721号公報
そこで本発明の目的は、高炉の装入原料として実際に使用しうる、安価で、高強度かつ
耐候性を備えたホットブリケットアイアン(HBI)およびその製造方法を提供すること
にある。
本発明者らは、石炭ベースDRIのHBI化の可能性を探るために、まず、上記ガスベ
ースDRIをHBI化する際における、HBI強度に及ぼすC含有量の影響について調査
した。
図10(a)は、HBI化される前のガスベースDRI(直径:約14mm、C含有量
:約1.8質量%)の断面のAB線間をEPMAにより面分析を行って、直径方向のC濃
度分布を調査した結果を模式的に示したものである。
同図(a)から明らかなように、DRIの中心部(直径約8mmの範囲)のC濃度が約
0.5質量%とほぼ一定であるのに対し、それより表面側でC濃度が急激に上昇している
のがわかる。そして、直径約14mmのDRI全体の平均C含有量が約1.8質量%であ
り、直径約8mmのDRI中心部の平均C含有量が約0.5%であることから、バランス
計算により表面から深さ約3mmまでのDRI表面部の平均C含有量は約2.5%となる
このように、ガスベースDRIの表面部で急激にC濃度が上昇するのは、ガスベースD
RIでは、還元ガス中に添加されたメタン等により還元鉄表面からガス浸炭され表面部の
金属鉄中にCが析出することによりC含有量が高められるためである。
したがって、ガスベースDRIのC含有量をさらに増加させようとすると、DRI表面
部の金属鉄中へのC析出量がさらに増加するため、熱間成形時にDRI同士の付着力が低
下し、結果としてHBIの強度が低下してしまうこととなる。
したがって、HBI強度はDRIの表面部の平均C含有量によって規定されることがわ
かった。
そこで、石炭ベースDRIについても、上記ガスベースDRIと同様のEPMA分析を
行った結果、図10(b)に示すようなC濃度分布が得られた。同図(b)から明らかな
ように、ガスベースDRIとは逆に、DRI中心部のC濃度は比較的高い値でほぼ一定で
推移しているのに対し、それより表面側でC濃度が急激に低下しているのがわかる(同図
(b)においては、DRIの右側表面近傍は、上記AB線間のEPMA面分析を行わなか
ったためC濃度分布を示していないが、別途行ったDRI全体にわたるEPMA面分析の
結果から、DRIの右側表面近傍でも中心部よりC濃度が低下することを確認している)
。(なお、ガスベースDRIのEPMA分析では、DRIを樹脂埋めした後、DRIを半
割りにするように切断し、DRI断面をそのまま研磨することが可能であったが、石炭ベ
ースDRIのEPMA分析では、DRI断面の特に中心部が非常にポーラスでそのまま研
磨することができないため、DRI断面の空隙を樹脂埋めしてから研磨する必要があった
。このため、ガスベースDRIでは、DRI中心部におけるC濃度の定量が可能であった
が、石炭ベースDRIでは、樹脂中のC分の影響を受けるため、DRI中心部のC濃度の
精度良い定量は困難であり、定性的な分析結果に留まっていることを注記しておく。)
このように、石炭ベースDRIの表面部で急激にC濃度が低下するのは、後記にてさら
に詳細に説明するが、ガスベースDRIとは浸炭メカニズムが異なり、石炭ベースDRI
では、輻射加熱にてより短時間に急速昇温される表面部のほうが、中心部よりソリューシ
ョンロス反応による炭材消費量が多くなるためである。
したがって、石炭ベースDRIについては、その表面部の平均C含有量を、上記ガスベ
ースDRIの表面部の平均C含有量の上限値である2.5質量%以下に規定しさえすれば
、DRI中心部の平均C含有量がある程度高くても、このようなDRIから製造されたH
BIもガスベースDRIから製造されたHBIと同等の強度が確保できると考え、さらに
検討を行った結果、以下の発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、複数個の還元鉄で構成されたホットブリケットアイアンであ
って、前記還元鉄が、平均C含有量が0.1質量%以上2.5質量%以下の表面部と、平
均C含有量が前記表面部の平均C含有量より高い中心部と、を備えたことを特徴とするホ
ットブリケットアイアンである。
請求項2に記載の発明は、前記表面部が、還元鉄の表面から約3mm深さまでの部分で
ある請求項1に記載のホットブリケットアイアンである。
請求項3に記載の発明は、前記中心部が、前記表面部を除く部分である請求項1または
2に記載のホットブリケットアイアンである。
請求項4に記載の発明は、前記還元鉄の全体の平均C含有量が1.0質量%以上5.0
質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のホットブリケットアイアンである
請求項5に記載の発明は、前記還元鉄の金属化率が80%以上である請求項1〜4のい
ずれか1項に記載のホットブリケットアイアンである。
請求項6に記載の発明は、ホットブリケットアイアンの製造方法であって、酸化鉄分と
炭材とを含む炭材内装塊成化物を製造する塊成化工程と、前記炭材内装塊成化物を還元炉
で加熱還元することにより、表面部の平均C含有量が0.1質量%以上2.5質量%以下
であり、中心部のC含有量が前記表面部の平均C含有量より高い還元鉄を製造する加熱還
元工程と、前記還元炉から還元鉄を排出する排出工程と、前記還元炉から排出された前記
還元鉄を、熱間成形機で圧縮成形してホットブリケットアイアンを製造する熱間成形工程
と、を備えたことを特徴とするホットブリケットアイアンの製造方法である。
請求項7に記載の発明は、前記還元炉から排出された前記還元鉄を実質的に冷却するこ
となく前記熱間成形工程で圧縮成形を行う請求項6に記載のホットブリケットアイアンの
製造方法である。
請求項8に記載の発明は、前記還元鉄全体の平均C含有量が1.0質量%以上5.0質
量%以下となるように、前記塊成化工程において前記酸化鉄分と前記炭材との配合割合を
調整する請求項6または7に記載のホットブリケットアイアンの製造方法である。
請求項9に記載の発明は、前記還元鉄全体の平均C含有量が1.0質量%以上5.0質
量%以下となるように、前記加熱還元工程において前記加熱還元炉を制御する請求項6ま
たは7に記載のホットブリケットアイアンの製造方法である。
請求項10に記載の発明は、前記還元鉄の金属化率が80%以上となるように、前記塊
成化工程において前記酸化鉄分と前記炭材との配合割合を調整する請求項6または7に記
載のホットブリケットアイアンの製造方法である。
請求項11に記載の発明は、前記還元鉄の金属化率が80%以上となるように、前記加
熱還元工程において前記加熱還元炉を制御する請求項6または7に記載のホットブリケッ
トアイアンの製造方法である。
請求項12に記載の発明は、前記加熱還元工程の終期に、前記還元炉内のガス雰囲気の
酸化度を昇降させる請求項6〜11のいずれか1項に記載のホットブリケットアイアンの
製造方法である。
請求項13に記載の発明は、前記排出工程から排出された前記還元鉄を酸化性ガスと接
触させる請求項6〜12のいずれか1項に記載のホットブリケットアイアンの製造方法で
ある。
請求項14に記載の発明は、複数個の還元鉄で構成されたホットブリケットアイアンの
製造方法であって、表面部の平均C含有量が0.1質量%以上2.5質量%以下であり、
中心部のC含有量が前記表面部の平均C含有量より高い還元鉄を、熱間成形機で圧縮成形
してホットブリケットアイアンを製造することを特徴とするホットブリケットアイアンの
製造方法である。
請求項15に記載の発明は、前記還元鉄の平均炭素含有量が1.0質量%以上5.0質
量%以下である請求項14に記載のホットブリケットアイアンの製造方法である。
請求項16に記載の発明は、前記還元鉄の金属化率が80%以上である請求項14また
は15に記載のホットブリケットアイアンの製造方法である。
請求項1,2、3、6、14に記載の発明によれば、表面部の平均C含有量を制限する
ことで、安価な石炭などの炭材を還元剤とし、低品位の酸化鉄源を原料とする石炭ベース
DRIを用いてHBIを製造しても、DRI同士の付着力を維持してHBIの強度を確保
することができるので、高炉の装入原料として実際に使用しうる、安価で、高強度かつ耐
候性を備えたHBIを提供することが可能になった。
また、請求項4、8、15に記載の発明によれは、HBIを構成するDRI全体の平均
C含有量を高い範囲に設定したことで、HBIの強度を確保しつつ、高炉シャフト部での
COリッチな炉内ガスによる再酸化が防止されるとともに、高炉高温部での金属鉄中へ
の浸炭が進行しやすく、溶融滴下が速やかに起こり、高炉内の通気性を向上できる。
また、請求項5、10、11、16に記載の発明によれば、HBIを構成するDRIの
金属化率を80%以上の高い金属化率に設定したことで、高炉の生産性が増大するととも
に、高炉の還元材比(燃料比)を低減できるので排出CO量を削減できる。
また、請求項7に記載の発明によれば、DRIをより高温の軟化した状態で圧縮成形す
ることができるので、DRI全体の平均C含有量が高い場合でもHBI強度を確保するこ
とができる。
また、請求項8、9、12、13に記載の発明によれば、DRI表面部の平均C含有量
をより精度良く調整できるので、より確実に上記構成のHBIを得ることができる。
なお、本発明に係るHBIは、特に高炉の装入原料として適したものであるが、電気炉
用原料としての使用を排除するものではない。特に請求項4、8、15に係るHBIでは
、従来のガスベースDRIからなるHBIよりもC含有量を高くできるので、スラグ分や
硫黄分の処理の必要性は存在するものの、電力消費量を低減できる効果が大きく、電気炉
での使用を検討する価値は十分にある。
以下、本発明の構成についてさらに詳細に説明する。
〔HBIの構成〕
本発明に係るHBIは、複数個のDRIで構成され、前記DRIが、平均C含有量が0
.1〜2.5質量%の表面部と、平均C含有量が前記表面部の平均C含有量より高い中心
部とを備えたことを特徴とする。
以下、上記構成を採用した理由、数値限定理由等を説明する。
DRIの「表面部の平均C含有量」を規定したのは、複数個のDRIを圧縮成形してH
BI化したとき、HBI強度を規定するDRI同士の付着力は、DRI表面部の金属鉄部
分における炭材粒子の存在量に依存して決定されると考えられるからである。
上記「DRIの表面部」としては、圧縮成形による変形が及ぶ範囲である「DRIの表
面から約3mm深さまでの部分」とするのが推奨される。
また、DRI表面部の平均C含有量を「0.1質量%以上2.5質量%以下」に規定し
たのは、2.5質量%を超えると、DRI表面部の金属鉄中に存在する炭材粒子が多くな
りすぎて、DRI同士の付着力が低下してしまうためであり、他方0.1質量%未満では
、DRI表面部の金属鉄が再酸化されやすくなり金属鉄が減少する代わりに酸化鉄が増加
して、やはりDRI同士の付着力が低下してしまうためである。DRI表面部の平均C含
有量の好ましい下限は、さらには0.3質量%、特に0.5質量%であり、好ましい上限
は、さらには2.0質量%、特に1.5質量%である。
また、DRIの「中心部の平均C含有量が前記表面部の平均C含有量より高くなる」よ
うに規定したのは、表面部の平均C含有量を低く設定しても、中心部の平均C含有量をそ
れより高く設定することで、DRI全体の平均C含有量をある程度高く維持して高炉内シ
ャフト部でのCOリッチガスによる再酸化防止効果や高温部での浸炭による溶け落ち容
易化の効果を得るためである。
なお、上記DRIの中心部としては、上記DRIの表面部を除く部分とするのが推奨さ
れる。
また、HBIを構成するDRIの全体の平均C含有量は、1.0質量%以上5.0質量
%以下とするのが好ましい。1.0質量%未満では、上記高炉内シャフト部でのCO
ッチガスによる再酸化防止効果や高温部での浸炭による溶け落ち容易化の効果が十分に得
られなくなり、他方5.0質量%を超えると、DRI中心部のC含有量が過大となり、H
BI強度が低下するおそれが高まるためである。DRIの全体の平均C含有量の好ましい
下限は、さらには2.0質量%、特に3.0質量%であり、好ましい上限は、さらには4
.5質量%、特に4.0質量%である。
また、HBIを構成するDRIの金属化率は、80%以上、さらには85%以上、特に
90%以上とするのが好ましい。このように金属化率を高めることで、より大きな、高炉
の増産効果および還元材比低減効果を得られるためである。
〔HBIの製造方法〕
次に、上記HBIの製造方法について、図1に示す概略の製造フローを参照しつつ説明
する。同図において、符号1は酸化鉄分と炭材とを含む塊成化物を加熱還元してDRIを
製造する還元炉としての回転炉床炉、符号2はDRIを熱間で圧縮成形してHBIを製造
する熱間成形機としてのホットブリケットマシン、をそれぞれ示す。以下、製造フローに
したがってさらに詳細に説明を行う。
(1)塊成化工程
酸化鉄分としての鉄鉱石aと炭材としての石炭bを必要に応じて別個に粉砕し、それぞ
れ粒径1mm未満程度の粉状とする。得られた粉状鉄鉱石Aと粉状石炭Bを所定の割合で
配合するが、粉状石炭Bの配合割合は、粉状鉄鉱石Aを金属鉄まで還元させるに必要な量
に、還元後の還元鉄F中に残留させる平均C含有量(例えば2.0〜5.0質量%)を上
乗せした分となるようにする。さらに、必要に応じて適量のバインダや適量の水分を添加
し(さらには造滓剤としての副原料を添加してもよい)、これらを混合機4で混合したの
ち、造粒機5で6〜20mm径程度の粒径に造粒して炭材内装塊成化物としての炭材内装
ペレットEとする。
この炭材内装ペレットEは、回転炉床炉14内でのバースティング(爆裂)を防止する
ため、乾燥機6で水分量1質量%程度以下となるまで乾燥しておくことが好ましい(特開
平11−193423号公報の特許請求の範囲参照)。
(2)加熱還元工程
ついで、乾燥された炭材内装ペレットEを装入装置(図示せず)により回転炉床炉1の
炉床(図示せず)上に1〜2層程度の厚さに載置する。このようにして炉床上に載置され
た炭材内装ペレットEを、1100〜1400℃、より好ましくは1250〜1350℃
の雰囲気温度に加熱された回転炉床炉1内を6min以上、より好ましくは8min以上
の滞留時間で通過させる。
炭材内装ペレットEを加熱する手段(加熱手段)としては、例えば、回転炉床炉1の側
壁上部に設置した複数本のバーナ(図示せず)を用いることができる。
これにより、炭材内装ペレットEは回転炉床炉1内で輻射加熱されて、下記式(1)お
よび(2)で示す連鎖反応により、炭材内装ペレットE中の酸化鉄分が炭材で還元されて
金属化し、固体の還元鉄Fとなる。
Fe+yCO→xFe+yCO …式(1)
C+CO→2CO …式(2)
ここで、炭材内装ペレットEが回転炉床炉1内で輻射加熱されると、炭材内装ペレット
Eの表面部は中心部よりも先に昇温し、高温の状態が長く維持される。このため、表面近
傍に存在する炭材は、中心部に存在する炭材よりも上記式(2)で示すソリューションロ
ス反応により多く消費されることに加え、中心部で式(2)で示すソリューションロス反
応にて生じたCOにより式(1)で示す酸化鉄分の還元反応にて生成したCOが、炭材
内装ペレットEから流出する際に表面部の炭材をさらに消費するので、上述の図10(b
)で示したように、表面部のC濃度は中心部のそれより低下する。
したがって、このようにして得られた還元鉄Fの表面部の平均C含有量は、中心部の平
均C含有量より自動的に低くなる(言い換えると、前記中心部の平均C含有量は、前記表
面部の平均C含有量より自動的に高くなる)。
また、還元鉄Fの前記表面部の平均C含有量は所定範囲(0.1〜2.5質量%)とす
る必要があるが、このような前記表面部の平均C含有量は、上述の炭材内装ペレットEの
炭材配合割合や、回転炉床炉1内の雰囲気温度、回転炉床炉1内における炭材内装ペレッ
トEの滞留時間など回転炉床炉1の運転条件を適宜調整することで得られる。
また、還元鉄F全体の平均C含有量は1.0質量%以上5.0質量%以下とするのが推
奨されるが、このような還元鉄F全体の平均C含有量は、上述したように炭材内装ペレッ
トEの炭材配合割合で調整するが、回転炉床炉1内の雰囲気温度、回転炉床炉1内におけ
る炭材内装ペレットEの滞留時間など回転炉床炉1の運転条件によっても影響を受けるの
で、これらを考慮して炭材配合割合を調整すればよい。換言すれば、還元鉄F全体の平均
C含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下となるように、上記塊成化工程における酸
化鉄分と炭材との配合割合を調整すること、および/または、上記加熱還元工程における
回転炉床炉1の運転条件を制御することが推奨される。
また、還元鉄Fの金属化率は80%以上とするのが推奨されるが、このような還元鉄F
の金属化率は、炭材内装ペレットE中には鉄鉱石(酸化鉄分)aの還元に必要な量より過
剰の石炭(炭材)bが配合されているので、回転炉床炉1内の雰囲気温度、回転炉床炉1
内での炭材内装ペレットEの滞留時間など回転炉床炉1の運転条件を適宜調整することで
容易に得られる。換言すれば、前記還元鉄Fの金属化率が80%以上となるように、上記
塊成化工程における酸化鉄分と炭材との配合割合を調整すること、および/または、上記
加熱還元工程における回転炉床炉1の運転条件を制御することが推奨される。
(3)排出工程
このようにして得られた還元鉄Fは、排出装置(図示せず)により1000℃程度で回
転炉床炉1から排出される。
(4)熱間成形工程
回転炉床炉1から排出された還元鉄Fは、例えばコンテナ7にいったん収容し、窒素ガ
スなどの不活性ガスで通常の熱間成形に適した温度である600〜650℃程度まで冷却
した後、例えば双ロール型のホットブリケットマシン2にて加圧成形(圧縮成形)してホ
ットブリケットアイアンGとする。還元鉄Fは、その表面部の平均C含有量が0.1〜2
.5質量%に調整されているので、ホットブリケットアイアンGの強度が確保され、また
、還元鉄Fの中心部は表面部より平均C含有量が高いので、ホットブリケットアイアンG
全体の平均C含有量も高く維持され、高炉に装入した際に、高炉シャフト部でのCO
ッチな炉内ガスによる再酸化の防止効果や、高炉高温部での金属鉄中への浸炭による溶け
落ち容易化の効果を得ることができる。
〔変形例〕
上記実施形態では、還元鉄Fの表面部の平均C含有量の調整は、上記塊成化工程におけ
る酸化鉄分と炭材との配合割合を調整すること、および/または、上記加熱還元工程にお
ける回転炉床炉1の運転条件を制御することにより行う例を示したが、これらの調整に代
え、または加えて、前記加熱還元工程の終期、すなわち、炭材内装ペレットE内部からの
ガス発生が減少ないし停止する時期に相当する、回転炉床炉1内の還元鉄F排出部直前の
ゾーン(領域)におけるガス雰囲気の酸化度を昇降させて、還元鉄F表面部の炭材の消費
量を調整するようにしてもよい。これにより、還元鉄F表面部の平均C含有量をより精度
良く調整することが可能となる。回転炉床炉1内の所定のゾーンにおけるガス雰囲気の酸
化度を昇降させることは、そのゾーンに備えられたバーナの空気比を変更することで容易
に行うことができ、例えば、還元鉄F表面部の平均C含有量が2.5質量%を超える場合
は、バーナの空気比を上げて、ガス雰囲気の酸化度を上昇させることにより、還元鉄F表
面部の炭材の消費を促進することで、2.5質量%以下に維持することができる(第1の
還元鉄表面部C含有量調整工程)。
さらには、回転炉床炉1から排出された後に、還元鉄Fに酸化性ガスとして例えば空気
や回転炉床炉1のバーナ燃焼排ガスなどを吹き付けるなど、所定量の酸化性ガスと所定時
間接触させることにより還元鉄F表面部の炭材の消費量を調整することにても同様の作用
を奏させることができる(第2の還元鉄表面部C含有量調整工程)。
なお、上記第1および第2の還元鉄表面部C含有量調整工程は、いずれか1つの工程の
みを用いてもよいし、両工程を併用してもよい。
また、上記実施形態では、回転炉床炉1から排出した1000℃程度の還元鉄Fを60
0〜650℃程度まで冷却した後に熱間成形を行う例を示したが、実質的に冷却すること
なく、すなわち、上記のような強制的な冷却操作を行わずに、熱間成形温度を上げて成形
することも可能である。この場合、ホットブリケットマシン2の耐熱性が問題となるが、
ロールの水冷の強化、ロール材質の高級化などにより対処可能である。熱間成形温度を上
げて成形することで、ホットブリケットアイアンG中のC含有量が5質量%近傍と高い場
合でも高い強度を確保することができる。
また、酸化鉄分aとして鉄鉱石を例示したが、酸化鉄を含む高炉ダスト、転炉ダスト、
電気炉ダスト、ミルスケール等の製鉄所ダストを使用することもできる。
また、炭材bとして石炭を例示したが、コークス、オイルコークス、木炭、木材チップ
、廃プラスチック、古タイヤ等を用いることもできる。また、高炉ダスト中のC分を利用
することもできる。
また、炭材内装塊成化物として炭材内装ペレットを例示し、造粒機で造粒する例を示し
たが、炭材内装ペレットの代わりに炭材内装ブリケット(ホットブリケットアイアンより
小さい寸法のブリケット)とし、加圧成形機で圧縮成形するようにしてもよい。この場合
は、バインダの種類によっては成形時に水分を添加するのではなく、むしろ乾燥させた原
料を使用することがある。
また、還元炉として回転炉床炉を例示したが、直線炉を用いてもよい。
まず、石炭ベースDRIの表面部および中心部それぞれの平均C含有量を調査するため
、回転炉床炉による加熱還元工程を模擬した以下の還元試験を行った。
表1に示す成分組成の石炭と鉄鉱石に副原料を添加し、表2に示す配合割合で混合し、
適量の水分を添加して小型のディスクペレタイザで造粒した後、乾燥器内に保持して十分
に乾燥して、平均粒径18.7mmの炭材内装ペレットの試料を作製した。
Figure 2008127580
Figure 2008127580
この炭材内装ペレットの試料6個をアルミナトレーに1層に並べ、N100%×3N
L/min流通下にて1300℃の雰囲気温度に調整した小型の横型加熱炉内へ速やかに
挿入し、排ガス中のCO濃度が5容量%に低下した時に、還元が終了したとみなして試料
を冷却位置に取り出し、N雰囲気中で室温まで冷却して、得られた還元鉄試料を断面観
察および化学分析に供した。なお、試験は、再現性を確認するため同じ条件で2回繰り返
し行った。
断面観察によれば、上記加熱処理により、外周部は金属鉄が焼結して緻密になっている
のに対し、中央部は炭素が多く残留し金属鉄の焼結が進んでいない還元鉄が得られること
がわかった。なお、還元鉄の平均粒径は還元前の18.7mmから約16mmに収縮して
いた。
外周部の金属鉄が焼結して緻密になった部分の厚さは約3mmであったので、この外周
部が、本発明に係る還元鉄の表面部の推奨範囲である「表面から約3mm深さまでの部分
」に相当し、中央部が、中心部(前記表面部を除く部分)に相当するとみなし、外周部(
表面部)と中央部(中心部)とに分離してそれぞれ化学分析を行った。化学分析の結果を
表3に示す。
同表から明らかなように、試験の再現性は良好であり、外周部(表面部)の平均C含有
量は1.5〜1.6質量%であるのに対し、中央部(中心部)の平均C含有量は約4.4
〜4.5質量%であり、請求項1に係るDRIの成分規定を満足している。また、還元鉄
試料の全体の平均C含有量は約3.9〜4.0質量%、金属化率は約99.7%であり、
請求項2および3に係るDRIの好ましい成分規定をそれぞれ満足している。なお、DR
Iの金属化率は、DRI全体を化学分析して測定したが、DRI全体の化学組成はDRI
の外周部(表面部)と中央部(中心部)の化学組成をサンプル質量で加重平均して算出し
た。
Figure 2008127580
したがって、このようにして製造された還元鉄を熱間成形して得られるHBIは、十分
な強度を有するものと想定されるので、確証のため以下のHBI製造試験を行った。
(試験の方法および条件)
HBI製造試験は、外径8.5mの回転炉床炉(還元鉄生産規模:50t/d)とロー
ル直径1mのホットブリケットマシンとを用いて実施した。
原料として表4に示す成分組成のマグネタイト鉱石(鉄鉱石)と瀝青炭(石炭)とを用
い、質量割合で、鉄鉱石80%に対して石炭20%を配合し、有機バインダを外装で1.
5%添加した。さらに適量の水分を添加してミキサで原料を混合後、直径3.0mのパン
型造粒機で炭材内装ペレットを製造し、雰囲気温度を170℃に調整したバンド型乾燥機
にて連続的に乾燥した。乾燥後の炭材内装ペレットを連続的に回転炉床炉に装入し、表5
の条件で還元を行った。なお、回転炉床炉内の最終ゾーンに設置されたバーナの空気比は
ほぼ1.0とした。
Figure 2008127580
Figure 2008127580
回転炉床炉から切り出された還元鉄を熱いままいったんNガスを充填したコンテナに
受け、コンテナ2杯分の還元鉄を各コンテナが満杯になるごとにホットブリケットマシン
上に設置されたホッパに装入し、約2.5t分の高温の還元鉄をバッチにてホットブリケ
ットマシンに供給し、表6の条件で熱間成形を行い、成形されたブリケットを水中に浸漬
して冷却し、ホットブリケットアイアンを製造した。
Figure 2008127580
(試験結果)
[還元鉄の性状]
HBI化する前の還元鉄を採取して、その物性を測定し、その代表値を従来のガスベー
ス還元鉄と比較して表7に示す。同表より、石炭ベース還元鉄は、石炭を還元剤とするた
め、ガスベース還元鉄に比べてC、脈石、硫黄の含有量が高くなっている。また、内装し
た石炭がガス化して抜けるため気孔率が高く圧潰強度も低いものになっている。
Figure 2008127580
また図2に、同時にサンプリングした50個の還元鉄の個々の粒径と圧潰強度とをプロ
ットして示す。同図より明らかなように、16〜20mmの粒径範囲で20〜60kg/
個(約200〜600N/個)程度の幅で変動しており、非常に強度の低いものが存在す
る。一般に実験室規模の小型加熱炉で製造した石炭ベース還元鉄は加熱が均一であるため
、均質な還元鉄が製造できるが、工業的な回転炉床炉では炉内でのバーナの配置や炭材内
装ペレットの重なり具合等により熱の受け方が不均一になり、このような品質のバラツキ
が生じることがわかった。
また図3に、還元鉄のC含有量と圧潰強度との関係を示す。同図より明らかなように、
C含有量の増加にともないさらに圧潰強度が低下するのがわかった。
したがって、以上のことからも、C含有量をできるだけ高めた還元鉄を高炉装入物とし
て用いるためには還元鉄をHBI化して高強度化する必要のあることが確認できた。
図4に、還元鉄の金属化率と生産性との関係を示す。バラツキは大きいものの金属化率
80%以上は常に確保されており、生産性を若干低下させることにより金属化率を最高9
5%程度まで上昇させることが可能であり、炭材内装ペレットの回転炉床炉内における滞
留時間等を調整することで、金属化率を調整できることが確認できた。
[HBIの性状]
HBIの強度を評価するため、落下強度試験を実施した。落下強度試験の方法としては
、ガスベースHBIと同様に、HBIを船舶等で海外に輸送することを想定して10個の
HBIを10mの高さから厚さ12mmの鉄板上に5回繰り返し落下させた後、+38.
1mmと−6.35mmの質量比率を測定する方法を採用した。
図5に、ホットブリケットマシンで製造されたHBIのC含有量と落下強度との関係を
示す。同図より、HBIのC含有量(すなわち、還元鉄全体の平均C含有量)が2.0〜
5.0質量%の範囲で、従来のガスベースHBIの落下強度基準値(+38.1mm、6
5%)をほぼ満足する落下強度(+38.1mm)が得られることがわかる。また、−6
.35mm粉の割合も10%程度に収まっている。
図6に、HBIの金属化率と落下強度との関係を示す。同図より、明確な相関関係は認
められないが、82%程度の低い金属化率でもガスベースHBI並みの落下強度が得られ
ることがわかった。
[HBIの外観および内部構造]
本実施例で製造したHBIは、長さ110mm×幅50mm×厚さ30mm、体積10
5cm3の枕形であり、幅端部は両側とも良好に成形され、フィッシュマウスと呼ばれる
、幅端部に発生しやすい裂け目も形成されていない。また、HBIの胴の部分も十分に分
厚く、還元鉄が高圧力で押し込まれたものと想定される。
図7にHBIをその長手方向に垂直に切断した断面を示すが、圧縮されて変形した個々
の還元鉄の形状を読み取ることができ、還元鉄の表面同士が緊密に圧着されているのがわ
かる。なお、断面における個々の還元鉄の表面が黒っぽく見えるのは、観察を容易にする
ために酸でエッチングしてコントラストを付けているためである。
[HBIの耐候性]
本実施例で製造したHBIの耐候性試験を実施した。なお、比較材として、本実施例の
HBI化していない石炭ベースDRIと、従来のガスベースDRIとを用いた。各試料約
5kgを蓋のないプラスチック製かごに入れて屋外(平均相対湿度71.7%、平均温度
7.2℃、月間降雨量44mmの条件)に放置し、2週間ごとに少量の試料を採取して、
その化学分析値から再酸化度合い(金属化率の低下度合い)を調査した。
調査結果を図8に、経過日数と金属化率(初期の金属化率を1.0とする相対値)との
関係として示す。同図より、DRIの場合、石炭ベース、ガスベースともに金属化率の低
下は著しく、12週間(84日)後には初期金属化率の60〜70%にまで低下している
。これに対し、石炭ベースHBIは金属化率の低下は非常に小さく、12週間後でも初期
金属化率のわずか3%の低下に留まっている。DRIやHBIの耐候性は、特に海上輸送
時の安全確保の観点から重要であるが、このように石炭ベースDRIは、輸送や貯蔵時に
おける再酸化やそれに伴う発熱さらには発火の危険性までも存在するが、HBI化するこ
とで気孔率が大幅に低下して緻密化するため、このような危険性を回避できることがわか
った。
[HBI強度に及ぼす熱間成形温度の影響]
HBI強度に及ぼす熱間成形温度の影響を調査するため、別途、ホットブリケットマシ
ンに供給するDRIの温度を、通常程度の600℃と、通常より高い760℃の2水準で
変更してHBIを作製し、それらの圧潰強度を測定した。測定結果を図9に示す。なお、
HBIの圧潰強度は、厚み方向に荷重を掛け、破断したときの荷重をHBIの幅で割った
、HBI幅単位長さ当たりの荷重で表現している。同図に示すように、HBIのC含有量
が2質量%程度と低い場合は、成形温度の影響はほとんどみられないが、HBIのC含有
量が5質量%程度に高められた場合は、通常の600℃の成形温度では圧潰強度が大きく
低下するのに対し、760℃と通常より高温の成形温度では圧潰強度の低下幅は非常に小
さくなることがわかった。したがって、還元炉から排出されたDRIを実質的に冷却しな
いまま、より高温で成形することで、高C含有量でかつ高強度のHBIを製造できること
が確認できた。
実施形態に係るHBI製造フローの概略を示すフロー図である。 DRIの、粒径と圧潰強度との関係を示すグラフ図である。 DRIの、C含有量と圧潰強度との関係を示すグラフ図である。 回転炉床炉における、DRIの金属化率と生産性との関係を示すグラフ図である。 HBIの、C含有量と落下強度との関係を示すグラフ図である。 HBIの、金属化率と落下強度との関係を示すグラフ図である。 HBIのマクロ構造を示す断面図である。 耐候性試験における金属化率の経時変化を示すグラフ図である。 HBIの圧潰強度に及ぼす成形温度の影響を示すグラフ図である。 DRI内のC濃度分布を示す図であり、(a)はガスベースDRI、(b)は石炭ベースDRIである。
符号の説明
1…還元炉(回転炉床炉)
2…熱間成形機(ホットブリケットマシン)
4…混合機
5…造粒機
6…乾燥機
7…コンテナ
a…酸化鉄分(鉄鉱石)
b…炭材(石炭)
A…粉状鉄鉱石
B…粉状炭材
E…炭材内装塊成化物(炭材内装ペレット)
F…還元鉄
G…ホットブリケットアイアン

Claims (16)

  1. 複数個の還元鉄で構成されたホットブリケットアイアンであって、前記還元鉄が、平均
    C含有量が0.1質量%以上2.5質量%以下の表面部と、平均C含有量が前記表面部の
    平均C含有量より高い中心部と、を備えたことを特徴とするホットブリケットアイアン。
  2. 前記表面部が、還元鉄の表面から約3mm深さまでの部分である請求項1に記載のホッ
    トブリケットアイアン。
  3. 前記中心部が、前記表面部を除く部分である請求項1または2に記載のホットブリケッ
    トアイアン。
  4. 前記還元鉄の全体の平均C含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のホットブリケットアイアン。
  5. 前記還元鉄の金属化率が80%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のホット
    ブリケットアイアン。
  6. ホットブリケットアイアンの製造方法であって、
    酸化鉄分と炭材とを含む炭材内装塊成化物を製造する塊成化工程と、
    前記炭材内装塊成化物を還元炉で加熱還元することにより、表面部の平均C含有量が0
    .1質量%以上2.5質量%以下であり、中心部のC含有量が前記表面部の平均C含有量
    より高い還元鉄を製造する加熱還元工程と、
    前記還元炉から還元鉄を排出する排出工程と、
    前記還元炉から排出された前記還元鉄を、熱間成形機で圧縮成形してホットブリケット
    アイアンを製造する熱間成形工程と、
    を備えたことを特徴とするホットブリケットアイアンの製造方法。
  7. 前記還元炉から排出された前記還元鉄を実質的に冷却することなく前記熱間成形工程で
    圧縮成形を行う請求項6に記載のホットブリケットアイアンの製造方法。
  8. 前記還元鉄全体の平均C含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下となるように、前
    記塊成化工程において前記酸化鉄分と前記炭材との配合割合を調整する請求項6または7
    に記載のホットブリケットアイアンの製造方法。
  9. 前記還元鉄全体の平均C含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下となるように、前
    記加熱還元工程において前記加熱還元炉を制御する請求項6または7に記載のホットブリ
    ケットアイアンの製造方法。
  10. 前記還元鉄の金属化率が80%以上となるように、前記塊成化工程において前記酸化鉄
    分と前記炭材との配合割合を調整する請求項6または7に記載のホットブリケットアイア
    ンの製造方法。
  11. 前記還元鉄の金属化率が80%以上となるように、前記加熱還元工程において前記加熱
    還元炉を制御する請求項6または7に記載のホットブリケットアイアンの製造方法。
  12. 前記加熱還元工程の終期に、前記還元炉内のガス雰囲気の酸化度を昇降させる請求項6
    〜11のいずれか1項に記載のホットブリケットアイアンの製造方法。
  13. 前記排出工程から排出された前記還元鉄を酸化性ガスと接触させる請求項6〜12のい
    ずれか1項に記載のホットブリケットアイアンの製造方法。
  14. 複数個の還元鉄で構成されたホットブリケットアイアンの製造方法であって、
    表面部の平均C含有量が0.1質量%以上2.5質量%以下であり、中心部のC含有量
    が前記表面部の平均C含有量より高い還元鉄を、熱間成形機で圧縮成形してホットブリケ
    ットアイアンを製造することを特徴とするホットブリケットアイアンの製造方法。
  15. 前記還元鉄の平均C含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下である請求項14に記
    載のホットブリケットアイアンの製造方法。
  16. 前記還元鉄の金属化率が80%以上である請求項14または15に記載のホットブリケ
    ットアイアンの製造方法。
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