JP2012087375A - 高炉操業方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低RARの高炉操業において、高炉炉内全体の通気性の評価を行い、予め通気性悪化による炉況不調を予測し、安定して高炉の低RAR操業を維持する。
【解決手段】実機操業諸元から求めた重回帰式より、出銑量、ボッシュガス量、ダスト量、O/C(鉱石原料とコークスとの存在比)、CR(コークス比)、PCR(微粉炭比)、及び装入原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて、羽口から炉頂部までの通気抵抗を推定し、推定した通気抵抗が予め定められた値を超えないように、高炉操業を行う。
【選択図】図3
【解決手段】実機操業諸元から求めた重回帰式より、出銑量、ボッシュガス量、ダスト量、O/C(鉱石原料とコークスとの存在比)、CR(コークス比)、PCR(微粉炭比)、及び装入原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて、羽口から炉頂部までの通気抵抗を推定し、推定した通気抵抗が予め定められた値を超えないように、高炉操業を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、安定した低RAR(Reducing Agent Ratio:還元材比 溶銑1t製造当たりの吹き込み燃料と炉頂から装入されるコークスの合計量)操業を実施するための高炉操業方法に関するものである。
近年、高炉の生産性が増加傾向にある中で、炭酸ガス排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、製鉄業においてもCO2削減は重要な課題である。これを受け、最近の高炉操業では低RAR操業が強力に推進されている。そのためには、原料粒度の低下による着熱効率の向上や、原料性状改善による還元性向上、高炉内の周辺ガス流の抑制によるガス利用率向上と、炉体からの抜熱低減などが有効である。
しかし、低RAR操業時には、炉内の鉱石類原料とコークスとの存在比(以下、O/Cと称す)が大きくなり、炉上部での通気性の悪化、融着帯(炉内の原料温度が約1200〜1400℃に達したときに、通気抵抗の高い半溶融状態になる領域)の変形や肥大化による炉下部通気性の悪化が引き起こされ、安定した高炉操業を行うことが困難とされている。
特に、RDI(Reduction Degradation Index:還元粉化指数)が高い劣質原料を多量に使用する高炉操業においては、非特許文献1や非特許文献2や非特許文献3で紹介されるように、原料温度が400〜600℃付近に達した際、炉内での還元粉化が促され、高炉内圧力損失の変動を招く原因となり、安定した操業を実施することが困難となる。そのために、実操業においては、安定操業を維持するために、炉内のガス利用率を犠牲にしても、周辺部のO/Cを低下させて炉内通気性の確保を図っている。
また、原料コストを犠牲とした低RDIの高品位原料を使用する高炉操業においても、炉体からの抜熱低減やガス利用率を高めるといった目的のため、周辺部のO/Cを増加させ、周辺ガス流を抑制した操業を実施すると、高炉下部で融着帯が肥大化するため、通気性悪化が懸念される。
以上のことから、炉上部と炉下部を総括した炉内通気性の維持は、近年の低RARの高炉操業において、必要不可欠なことであると言える。
以上のことから、炉上部と炉下部を総括した炉内通気性の維持は、近年の低RARの高炉操業において、必要不可欠なことであると言える。
特許文献1では、高炉の熱風を吹き込む送風羽口(以下、単に羽口と称す)より吹き込まれたトレーサーガスを羽口直上部で検出し、このトレーサーガスの吹き込みから検出までに要する時間と、検出部の圧力計と、羽口にて測定した送風圧力とに基づき、炉内ガス流速と圧力損失を測定することにより、高炉炉下部での通気性を評価する方法を開示している。
この手法を用いて高炉炉下部の通気性を評価することにより、炉下部の通気性悪化を正確に検知することが可能となり、通気性悪化に起因する操業不調をほぼ確実に回避できるとしている。また、高強度を有する過剰に高品質のコークスを使用する必要がなくなり、溶銑単価削減が可能となり、さらに増産期には炉下部通気性に余裕がある時点で生産量を増加させる操業が可能となり、トラブルの発生なく高炉の生産性を向上させることができると明記している。
また、特許文献2では、RAR比が490kg/thm以下、装入するコークスのドラム強度指数DIが84以下であり、焼結鉱のRDIが36%以下であることを特徴とする高炉の操業方法を開示している。この手法によると、特に装入物の過剰スペックを避けながら低RAR操業を行うことができるとしている。
また、特許文献3では、ベル式高炉において、炉頂部及び炉壁部に複数個の圧力検出器を設置し、圧力分布を測定すると共に、予め定めた基準値を計算しておき、前記圧力分布実測値と、理論式から求めた値とを比較し、両者の差が予め定めた基準値を超えたときに、鉱石類原料のRDIを変化させることを特徴とする高炉の操業方法を開示している。この手法によると、高炉の炉壁部に発生する不活性帯の検知、並びに不活性帯の発生を防止し、高炉を正常状態で操業可能であるとしている。
また、特許文献3では、ベル式高炉において、炉頂部及び炉壁部に複数個の圧力検出器を設置し、圧力分布を測定すると共に、予め定めた基準値を計算しておき、前記圧力分布実測値と、理論式から求めた値とを比較し、両者の差が予め定めた基準値を超えたときに、鉱石類原料のRDIを変化させることを特徴とする高炉の操業方法を開示している。この手法によると、高炉の炉壁部に発生する不活性帯の検知、並びに不活性帯の発生を防止し、高炉を正常状態で操業可能であるとしている。
非特許文献1では、N2‐COガスを用いた荷重軟化試験を通じ、高炉シャフト部における焼結還元粉化挙動を定量的に評価している。この報告では、焼結鉱の還元粉化が炉内温度400〜600℃付近で顕著となることを示している。また、炉内通気性に密接に関係する、還元粉化による鉱石粒径低下式の提示も行っている。
中島龍一、外5名、「鉄と鋼」、日本鉄鋼協会、第73巻(1987年)、第15号、p.1964
岩永祐治、「鉄と鋼」、日本鉄鋼協会、第68巻(1982年)、第7号、p.740
国分春生、他3名、「鉄と鋼」日本鉄鋼協会、第68巻(1982年)、第15号、p.2338
特許文献1の手法は、トレーサーガスを吹き込み、ガス流速と圧力損失を測定することにより、炉下部での通気性を評価し、その後、操業へ反映するという方法であり、事前に最適な高炉操業を予測できるものではない。また、実際の高炉ではシャフト部に圧力計が設置されており、近年のRAR500kg/thm(溶銑1t製造するのに、500kgの還元材を必要とすること)の操業においては、炉下部通気性というよりも、シャフト部での通気性が不安定が原因となり、減風しなければならない状況が多発している。このことから、高炉の通気性は炉下部だけではなく、炉上部の通気性も合わせて考慮する必要がある。シャフト部で通気が不安定となる原因は、上記非特許文献1や非特許文献2に示されるように、炉内での鉱石類原料の還元粉化減少や、コークスの性状に起因するものと考えられる。
また、特許文献2の手法は、装入するコークスと鉱石の特定の原料性状(コークスはDI(Drum Index:冷間強度)鉱石はRDIについて明記)を限定することで、炉内通気性を保ち、高炉の安定操業を行う方法である。しかしながら、実際の高炉操業における炉内通気性は、装入する原料の特定性状だけではなく、その他の多くの性状、例えばコークスと鉱石の粒径やコークス反応性、化学成分なども影響し、また高炉の送風量や、酸化富化率、PCR(Pulverized Coal Ratio:微粉炭比)やCR(Coke Ratio:コークス比)の影響も大きい。よって、特許文献2のように、特定の原料性状のみを制御する手法では、高炉の炉内通気性を多少なりとも相対的に低減することは可能であっても、明確に原料スペックをコントロールするための指標とはなり得ない。
また、特許文献3の手法では、予め塊状帯(上記の融着帯から上部に位置し、原料温度が温室(炉頂温度)〜1200℃までの温度で、固体の鉱石とコークスが層状に装入されている領域)の炉内通気性を予測することが可能と思われるが、その明確な導出方法は示されておらず、炉下部での通気性については触れられていない。また、開示されている塊状帯の通気性の導出についても、一般的によく知られているErgun式を示すに留まっている。
また、非特許文献1では、N2‐COガスを用いた荷重軟化試験を通じ、高炉シャフト部における焼結還元粉化挙動を定量的に評価しているが、実際の高炉炉内では、N2‐CO‐CO2‐H2‐H2Oというガス組成であり、非特許文献3でも示されるように、送風湿分などの及ぼす炉内圧力損失への影響を考慮すると、還元ガスではないCO2やH2Oの影響を無視することはできない。
本発明の目的は、低RARの高炉操業において、高炉炉内全体の通気性の評価を行い、予め通気性悪化による炉況不調を予測し、安定して高炉の低RAR操業を維持することである。
本発明の目的は、低RARの高炉操業において、高炉炉内全体の通気性の評価を行い、予め通気性悪化による炉況不調を予測し、安定して高炉の低RAR操業を維持することである。
本発明に係る高炉操業方法は、少なくともコークス及び鉱石原料を装入原料とし、炉頂部から装入される装入原料に対して、下部側壁の羽口から高温ガスを供給することで、前記鉱石原料を還元して銑鉄を生産する高炉操業方法において、実機操業諸元から求めた重回帰式より、出銑量、ボッシュガス量、ダスト量、O/C(鉱石原料とコークスとの存在比)、CR(コークス比)、PCR(微粉炭比)、及び装入原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて、前記羽口から炉頂部までの通気抵抗を推定し、推定した通気抵抗が予め定められた値を超えないように、高炉操業を行うことを特徴とする。
また、前記装入原料性状は、コークス性状、及び鉱石原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められ、前記コークス性状は、平均粒径、CRI(コークス反応性)、CSR(熱間反応後強度)、冷間強度、アッシュ割合、及び持込み水分のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められ、前記鉱石原料性状は、平均粒径、RI(還元性)、RDI(還元粉化指数)、冷間強度、スラグ成分割合、及び持込み水分のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められることを特徴とする。
本発明に係る高炉操業方法は、羽口から炉頂部までの通気抵抗を推定することで、日々の原料性状変化に適した高炉操業を行うことができる。したがって、原料性状の悪化に起因する高炉の減風、休風といった生産量に影響を及ぼす事態を回避し、安定した炉内通気性を維持した状態で、低RAR操業を実施することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、高炉の概略構成図である。
高炉1は、外部を鋼板製の鉄皮で覆い、内部を耐火物で内張りした竪型円筒状の構造物である。炉床の側壁部には、熱風環状管2を経由してきた熱風を炉内に吹き込む水冷銅製の複数の羽口3が放射状に設けられている。そして、炉頂部から焼結鉱やペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料(以下、これらを総括して鉱石類原料と称す)と、コークスとが交互に層状に装入される。安定した炉内通気性を維持して低RAR操業を行うには、羽口先端から炉頂までの通気抵抗(炉内圧力損失)を推定し、日々の原料性状変化に適した高炉操業を事前に予測しなければならない。
図1は、高炉の概略構成図である。
高炉1は、外部を鋼板製の鉄皮で覆い、内部を耐火物で内張りした竪型円筒状の構造物である。炉床の側壁部には、熱風環状管2を経由してきた熱風を炉内に吹き込む水冷銅製の複数の羽口3が放射状に設けられている。そして、炉頂部から焼結鉱やペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料(以下、これらを総括して鉱石類原料と称す)と、コークスとが交互に層状に装入される。安定した炉内通気性を維持して低RAR操業を行うには、羽口先端から炉頂までの通気抵抗(炉内圧力損失)を推定し、日々の原料性状変化に適した高炉操業を事前に予測しなければならない。
次に、通気抵抗を推定する方法について説明する。
なお、発明者は、通気抵抗推定式の導出にあたり、炉容積5500m3実機操業諸元を用いて解析を行った。代表的な操業諸元を表1に示す。なお、thm(Ton par Hot Metal)は溶銑t当たりの意味である。
なお、発明者は、通気抵抗推定式の導出にあたり、炉容積5500m3実機操業諸元を用いて解析を行った。代表的な操業諸元を表1に示す。なお、thm(Ton par Hot Metal)は溶銑t当たりの意味である。
通気抵抗の考え方として、先ず高炉のCRの決定因子について考察する。ここで、CR(Coke Ratio)はコークス比を示す。高炉のCRは、下記(1)式に示すように、主に三つの因子で決定されると考えられる。
F(CR)=F(還元反応)+F(熱)+F(通気抵抗)
…………(1)
ここで、F(還元反応)、F(熱)、F(通気抵抗)の夫々は、下記(2)〜(4)式で表される。
F(還元反応)=F(Fe2O3⇒Fe)+F(メタロイド還元)
…………(2)
F(熱)=F(反応熱)+F(溶銑、スラグ溶解熱)
+F(ガス潜熱)+F(炉体抜熱)
…………(3)
F(通気抵抗)=F(出銑量)+F(ボッシュガス量)+F(ダスト量)
+F(O/C)+F(CR)+F(PCR)+F(装入原料性状)
…………(4)
F(CR)=F(還元反応)+F(熱)+F(通気抵抗)
…………(1)
ここで、F(還元反応)、F(熱)、F(通気抵抗)の夫々は、下記(2)〜(4)式で表される。
F(還元反応)=F(Fe2O3⇒Fe)+F(メタロイド還元)
…………(2)
F(熱)=F(反応熱)+F(溶銑、スラグ溶解熱)
+F(ガス潜熱)+F(炉体抜熱)
…………(3)
F(通気抵抗)=F(出銑量)+F(ボッシュガス量)+F(ダスト量)
+F(O/C)+F(CR)+F(PCR)+F(装入原料性状)
…………(4)
上記(1)式に示すように、CRを減少するには、還元反応、熱、通気性のうちの何れかを調整する必要があるが、還元反応及び熱については、最低限の値が定められており、この項は調整することができないので、通気抵抗の項、つまり上記(4)式について考える必要がある。ここで、各因子の単位は、出銑量(t/day)、ボッシュガス量(Nm3/thm)、ダスト量(t/day)、O/C、CR(kg/thm)、PCR(kg/thm)である。
上記(4)式のF(装入原料性状)の項は、下記(5)式、(6)式、(7)式で表される。
F(装入原料性状)=F(コークス性状)+F(鉱石類原料性状)
…………(5)
F(コークス性状)=F(平均粒径)+F(CRI)+F(CSR)
+F(冷間強度)+F(Ash割合)+F(持込み水分)
…………(6)
F(鉱石類原料性状)=F(平均粒径)+F(RI)+F(RDI)
+F(冷間強度)+F(スラグ成分割合)
+F(持込み水分)
…………(7)
F(装入原料性状)=F(コークス性状)+F(鉱石類原料性状)
…………(5)
F(コークス性状)=F(平均粒径)+F(CRI)+F(CSR)
+F(冷間強度)+F(Ash割合)+F(持込み水分)
…………(6)
F(鉱石類原料性状)=F(平均粒径)+F(RI)+F(RDI)
+F(冷間強度)+F(スラグ成分割合)
+F(持込み水分)
…………(7)
ここで、CRI(Coke Reactivity Index)はコークス反応性を示し、CSR(Coke Strength after Reaction)は熱間反応後強度を示す。また、各因子の単位は、平均粒径(mm)、CRI(%)、CSR(%)、冷間強度(%)、Ash割合(wt%)、持込み水分(wt%)、RI(%)、RDI(%)、スラグ成分割合(%)である。
出銑比(1日に製造する出銑量を、高炉の炉容積当たりに換算した値)1.9t/m3・dayの大型高炉操業の一例として、CRと通気抵抗の関係を図2に示す。図2に示すように、高炉操業では、日々の原料性状の変動に関わらず、高炉毎に定められた通気抵抗の上限を超えることのないように、可能な限りCRを抑えたアクションを取っている。つまり、この通気抵抗の上限値を定数αとすると前記(4)式は下記(8)式となる。
α=F(出銑量)+F(ボッシュガス量)+F(ダスト量)+F(O/C)
+F(CR)+F(PCR)+F(装入原料性状)
…………(8)
出銑比(1日に製造する出銑量を、高炉の炉容積当たりに換算した値)1.9t/m3・dayの大型高炉操業の一例として、CRと通気抵抗の関係を図2に示す。図2に示すように、高炉操業では、日々の原料性状の変動に関わらず、高炉毎に定められた通気抵抗の上限を超えることのないように、可能な限りCRを抑えたアクションを取っている。つまり、この通気抵抗の上限値を定数αとすると前記(4)式は下記(8)式となる。
α=F(出銑量)+F(ボッシュガス量)+F(ダスト量)+F(O/C)
+F(CR)+F(PCR)+F(装入原料性状)
…………(8)
そして、例えば鉱石類原料のRDI管理により、CRの増減を予測する場合は、下記(9)式のように整理できるので、RDI管理指標を得ることができ、取るべきアクションを予測することができる。
F(CR)=α−F(RDI)−F(出銑量、ボッシュガス量、O/C、PCR、
コークス性状、鉱石類性状(RDIの項を除く))
…………(9)
F(CR)=α−F(RDI)−F(出銑量、ボッシュガス量、O/C、PCR、
コークス性状、鉱石類性状(RDIの項を除く))
…………(9)
以上より、本実施形態によれば、実機操業諸元から求めた重回帰式より、出銑量、ボッシュガス量、ダスト量、O/C(鉱石原料とコークスとの存在比)、CR(コークス比)、PCR(微粉炭比)、及び装入原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて、羽口から炉頂部までの通気抵抗を推定する。
ここで、装入原料性状は、コークス性状、及び鉱石原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められ、コークス性状は、平均粒径、CRI(コークス反応性)、CSR(熱間反応後強度)、冷間強度、アッシュ割合、及び持込み水分のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められ、鉱石原料性状は、平均粒径、RI(還元性)、RDI(還元粉化指数)、冷間強度、スラグ成分割合、及び持込み水分のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められる。
このように、羽口先端から炉頂までの通気抵抗を推定し、日々の原料性状変化に適した高炉操業を行うことができる。したがって、原料性状の悪化に起因する高炉の減風や休風といった生産性に影響を及ぼす事態を回避し、安定した炉内通気性を維持した状態で、低RAR操業を実施することができる。
(実施例)
発明者は、炉内容積5500m3、RAR500kg/thm、CR350kg/thmの高炉操業を選択し、重回帰式と実機操業との整合性を調査するため、焼結鉱RDIを変え、試験的な操業を実施した。図3には、前記(4)式の夫々の項目について、重回帰から得られる係数により、実機通気性を補正した値と焼結鉱のRDIとの関係を示す。図中の実線は、前記(4)式から得られた推定式である。図3に見られるように、推定式と補正通気性との関係は非常によく一致している。以上のことから、本実施形態により、羽口先端から炉頂までの炉内圧力損失を予め予測し、安定した炉内通気性を維持した状態で、低RAR操業を実施することが可能となった。
発明者は、炉内容積5500m3、RAR500kg/thm、CR350kg/thmの高炉操業を選択し、重回帰式と実機操業との整合性を調査するため、焼結鉱RDIを変え、試験的な操業を実施した。図3には、前記(4)式の夫々の項目について、重回帰から得られる係数により、実機通気性を補正した値と焼結鉱のRDIとの関係を示す。図中の実線は、前記(4)式から得られた推定式である。図3に見られるように、推定式と補正通気性との関係は非常によく一致している。以上のことから、本実施形態により、羽口先端から炉頂までの炉内圧力損失を予め予測し、安定した炉内通気性を維持した状態で、低RAR操業を実施することが可能となった。
1 高炉
2 熱風環状管
3 羽口
2 熱風環状管
3 羽口
Claims (2)
- 少なくともコークス及び鉱石原料を装入原料とし、炉頂部から装入される装入原料に対して、下部側壁の羽口から高温ガスを供給することで、前記鉱石原料を還元して銑鉄を生産する高炉操業方法において、
実機操業諸元から求めた重回帰式より、出銑量、ボッシュガス量、ダスト量、O/C(鉱石原料とコークスとの存在比)、CR(コークス比)、PCR(微粉炭比)、及び装入原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて、前記羽口から炉頂部までの通気抵抗を推定し、推定した通気抵抗が予め定められた値を超えないように、高炉操業を行うことを特徴とする高炉操業方法。 - 前記装入原料性状は、コークス性状、及び鉱石原料性状のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められ、
前記コークス性状は、平均粒径、CRI(コークス反応性)、CSR(熱間反応後強度)、冷間強度、アッシュ割合、及び持込み水分のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められ、
前記鉱石原料性状は、平均粒径、RI(還元性)、RDI(還元粉化指数)、冷間強度、スラグ成分割合、及び持込み水分のうち、少なくとも一つの因子に基づいて求められることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101595796B1 (ko) * | 2014-12-24 | 2016-02-19 | 주식회사 포스코 | 용광로의 조업 효율 판단 장치 및 방법 |
JP2018053285A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 新日鐵住金株式会社 | 高炉の操業方法 |
WO2024048214A1 (ja) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | Jfeスチール株式会社 | プロセスの制御方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及びプロセスの制御装置 |
-
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WO2024048214A1 (ja) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | Jfeスチール株式会社 | プロセスの制御方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及びプロセスの制御装置 |
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