JP2023080449A - 高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉に装入する鉱石原料の一部に塊鉱石を使用しながら、還元材比の悪化を抑制して、高炉からのCO2排出を削減することができる高炉操業方法を提供する。【解決手段】高炉原料が装入された高炉内に羽口又はシャフト部から水素を含んだ還元性ガスを吹き込む高炉操業方法において、前記高炉原料における鉄源として塊鉱石及び処理鉱石を用いて、高炉の径方向において炉中心を0とし、炉壁を1とする無次元化半径0.7~1.0の炉壁側に粒度が20~35mmの大粒径塊鉱石を塊鉱石全体における質量比率6~18%の割合で装入することを特徴とする高炉操業方法である。【選択図】図2

Description

この発明は、高炉の操業方法に関し、詳しくは、高炉に装入する鉱石原料の一部に塊鉱石を使用しながら、高炉の還元材比を低減することができる高炉操業方法に関する。
還元材であるコークスと鉄源である鉱石原料とからなる高炉原料を装入して銑鉄を得る高炉操業において、このうち、鉱石原料としては、採掘された鉄鉱石を破砕し、篩い分けして得られる塊鉱石と、それよりも小さい粉鉱石を焼結鉱やペレット等に塊成化してなる処理鉱石とに大別される。
塊鉱石と処理鉱石とは、高炉ごとや操業条件等に応じて適宜選択して使用されるが、焼結鉱やペレット等の処理鉱石は、原料鉱石の配合や副原料の調整が可能であるため、品質を安定化させやすい。そのため、主要な鉱石原料としては、処理鉱石が用いられている。
これに対して、塊鉱石は鉄分が高いためスラグの発生を抑えることができるものの、一般に、処理鉱石に比べて自溶性が低く、還元もされ難い。そのため、高炉で使用する場合には、その反応性を高めるために、粒度が20mm前後になるように粉砕して、分級される。しかしながら、塊鉱石を上記のように粉砕するには更なる工程(粉砕工程)が必要になり、コストも余計に掛かってしまう。
一方で、二酸化炭素(CO)排出削減の社会的要請のもと、鉄鋼業においてCO排出量の約70%を占める高炉でのCO排出をできるだけ抑える必要がある。
その一つの手段として、水素を含んだ還元性ガスを羽口又はシャフト部から吹き込む方法が知られている。このように水素を含んだ還元性ガスを高炉に吹き込むことで、それを実施しない場合に比べて高炉で使用する炭素の比率が低減(還元材比が低減)される。すなわち、水素ガスが炭素の代替還元材となって酸化鉄還元を一部負担するため、トータルの炭素系還元材の負担が減り、高炉から排出されるCOを低減することができる。
例えば、特許文献1には、コークス炉ガス(COG)やLNG等のように水素を10質量%以上含んだ還元性ガスを羽口から吹き込むと共に、シャフト部からは、COGやLNG等を予め酸素或いは空気により燃焼させた燃焼ガス(非還元性ガス)を予熱ガスとして供給する高炉操業方法が記載されている。この方法では、水素による酸化鉄の還元反応が比較的大きな吸熱反応であって、炉頂ガスの温度が低下するおそれがあることから、それを補うためにシャフト部から予熱ガスを吹き込むようにしている。
また、特許文献2には、高炉のシャフト部(シャフト部羽口)から還元性ガスを吹き込む高炉操業において、還元性ガスを炉内で最大限に活用するために、高炉内の炉壁近傍に小粒径の焼結鉱を装入することが開示されている。シャフト部から還元性ガスを吹き込む場合、高炉羽口から吹き込む場合とは違ってレースウェイに相当するものがないため、炉の中心部まで還元性ガスが浸透していくのは難しい。そのため、シャフト部から吹き込まれた還元性ガスは炉壁近傍を上昇するものと考えられる。そこで、この方法では、炉壁近傍に装入される焼結鉱の粒径を小さくして、炉壁近傍での通気抵抗を高めることで、還元性ガスが炉内に浸透し易くなるようにしている。
特開2009-221547号公報 特開2015-199984号公報
上述したように、高炉でのCO排出削減が求められており、その対策の一つとして、水素を含んだ還元性ガスを高炉内に吹き込む方法が検討されている。加えて、これまでは鉄源である鉱石原料として、焼結鉱やペレット等の処理鉱石が主に用いられてきたところ、これらの処理鉱石に比べて自溶性が低く、還元もされ難い(還元性に劣る)塊鉱石の利用を増やすことができれば、処理鉱石を得るために必要な手間やコストを削減することができ、資源確保の観点等からも望ましい。
そこで、本発明者らは、高炉に装入する鉱石原料の一部に塊鉱石を使用しても、還元材比の悪化を抑制することができる方法について鋭意検討した結果、意外なことには、比較的大きな粒度を持つ大粒径塊鉱石を所定の割合で炉壁側に装入して、しかも羽口又はシャフト部から水素を含んだ還元性ガスを吹き込むようにすることで、高炉の還元材比を低減させることができるようになることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、高炉に装入する鉱石原料の一部に塊鉱石を使用しながら、還元材比の悪化を抑制して、高炉からのCO排出を削減することができる高炉操業方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
〔1〕高炉原料が装入された高炉内に羽口又はシャフト部から水素を含んだ還元性ガスを吹き込む高炉操業方法において、
前記高炉原料における鉄源として塊鉱石及び処理鉱石を用いて、高炉の径方向において炉中心を0とし、炉壁を1とする無次元化半径0.7~1.0の炉壁側に粒度が20~35mmの大粒径塊鉱石を塊鉱石全体における質量比率6~18%の割合で装入することを特徴とする高炉操業方法。
〔2〕粒度が20mm未満の通常塊鉱石を前記処理鉱石と混ぜて装入する〔1〕に記載の高炉操業方法。
〔3〕コークスを装入するCダンプと、前記大粒径塊鉱石を装入するO1ダンプと、前記通常塊鉱石を前記処理鉱石と混ぜて装入するO2ダンプとを有した装入シーケンスにより高炉原料を装入する〔1〕又は〔2〕に記載の高炉操業方法。
〔4〕塊鉱石及び処理鉱石からなる全鉱石原料において、前記塊鉱石は質量比率10~30%の割合で装入される〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の高炉操業方法。
〔5〕前記還元性ガスがコークス炉ガス(COG)であり、該コークス炉ガスの吹込み量が50~150Nm/t-pigである〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の高炉操業方法。
本発明によれば、鉱石原料の一部に塊鉱石を使用しても高炉の還元材比の悪化を抑制することができる。しかも、比較的大きな粒度を持つ大粒径塊鉱石を高炉に装入することができることから、塊鉱石を使用する場合に必要となる粉砕処理等を削減することができる。また、焼結鉱やペレット等の処理鉱石ではなく、塊鉱石をそのまま使用することができることから、処理鉱石にするのに必要な手間やコストを省くことができ、更には、鉱石原料が処理鉱石を得るのに適した品質のものに制限されなくなるなど、資源確保の観点からも望ましい方法であると言える。
図1は、本発明の高炉操業方法における高炉原料の装入分布の一例を模式的に示した説明図である。 図2は、大粒径塊鉱石の使用比率とカーボン使用量の変化量(ΔC)との関係を示すグラフである(実施例1-1)。 図3は、大粒径塊鉱石の使用比率とカーボン使用量の変化量(ΔC)との関係を示すグラフである(実施例1-2)。 図4は、大粒径塊鉱石の分級粒度とカーボン使用量の変化量(ΔC)との関係を示すグラフである(実施例2)。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明では、高炉原料が装入された高炉内に羽口又はシャフト部から水素を含んだ還元性ガスを吹き込む高炉操業方法において、前記高炉原料における鉄源として塊鉱石及び処理鉱石を用いるようにし、このうち、高炉の径方向において炉中心を0として炉壁を1とする無次元化半径0.7~1.0の炉壁側に粒度が20~35mmの塊鉱石を装入し、しかも、この炉壁側に装入する大粒径塊鉱石の質量比率を塊鉱石全体における割合で6~18%にする。なお、本発明においては、粒度が20~35mmの塊鉱石を大粒径塊鉱石と言う。
前述したように、塊鉱石は、焼結鉱やペレット等の処理鉱石と比較して自溶性が低く、還元もされ難い。これは、塊鉱石が緻密であり、気孔率が小さいためと考えられる。一方で、高炉内に吹き込む還元性ガスに含まれる水素ガス(Hガス)は、主に高炉内で発生するCOガスに比べて塊鉱石を還元するのに適していると考えられる。これは、塊鉱石のような緻密で気孔率が小さいものでも、水素はその内部まで浸透すると考えられるためである。但し、実際に還元材比を抑制するには、塊鉱石の大きさ(粒度)や、その装入量(塊鉱石全体における割合)に適正値が存在する。
すなわち、高炉の径方向において炉中心を0とし、炉壁を1とする無次元化半径における0.7~1.0の炉壁側に装入するのは、粒度が20~35mmの大粒径塊鉱石である。高炉の炉壁側に装入する塊鉱石の粒度をこの範囲にすることで、羽口又はシャフト部から吹き込まれる還元性ガスに含まれる水素によって十分に還元することができる。粒度が35mmを超える塊鉱石であると、高炉内に吹き込まれる還元性ガスによる還元でも賄いきれなくなり、還元材比が増加(カーボン使用量が増加)してしまう。また、粒度が20mm未満では、現在、一般的に粉砕、分級されている塊鉱石の粒度とさほど変わらないため、粉砕工程を削減することに繋がらない。そればかりか、粒度の大きい塊鉱石を炉壁側に偏在させることによる還元材比の低減効果を得ることができない。
また、炉壁側に装入する粒度20~35mmの大粒径塊鉱石は、塊鉱石全体における質量比率で6~18%になるようにする。炉壁側に偏在させる大粒径塊鉱石の量が塊鉱石全体における割合でこの範囲にすることで、同じ量の塊鉱石を高炉の径方向に均一に装入する平均装入の場合に比べて、高炉の還元材比を低減(カーボン使用量を低減)することができる。この割合が6%未満では、大粒径塊鉱石を炉壁側に偏在させることによる還元材比の低減効果が十分に得られず、反対に18%を超えると、上記のような平均装入の場合に比べて還元材比が増加してしまう。
本発明において、上記のように無次元化半径が0.7~1.0の炉壁側に所定の粒度を有する大粒径塊鉱石を装入するのは、羽口又はシャフト部から吹き込んだ還元性ガスで還元するため(H還元するため)である。一般に、高炉の羽口での温度は2000℃程度、シャフト部は1000℃程度である。一方で、水素還元が活性化するのは高炉内で1000℃以上の領域であることから、水素ガスを含んだ還元性ガスを羽口又はシャフト部から吹き込むことで、この還元性ガスが炉壁近傍を上昇する際に大粒径塊鉱石の還元を行うようにする。
また、本発明においては、粒度が20mm未満の塊鉱石について、好ましくは、大粒径塊鉱石以外の鉱石原料である焼結鉱やペレット等の処理鉱石と混ぜて装入するのが好ましい。本発明では、粒度が20mm未満の塊鉱石を通常塊鉱石と言い、このような通常塊鉱石は、粉砕が進んでいることから、大粒径塊鉱石に比べてその反応性は高いと考えられる。そのため、焼結鉱やペレット等の処理鉱石と混ぜて装入することができる。その際、処理鉱石と通常塊鉱石とを混合した鉱石原料は、高炉の径方向のどの位置に装入してもよく、径方向のいずれかに偏在させてもよいが、好ましくは、高炉の径方向に均一に装入するのがよい。
図1には、本発明における高炉操業方法の一例として、高炉内における高炉原料の装入分布の様子が模式的に示されている。この例では、コークスを装入するCダンプと、大粒径塊鉱石を装入するO1ダンプと、通常塊鉱石を処理鉱石と混ぜて装入するO2ダンプとを有した装入シーケンスにより高炉原料が装入される。このように、本発明では、大粒径塊鉱石を炉壁側に装入すればよく、それ以外については特に制限されずに、図1のように通常塊鉱石と処理鉱石との混合物やコークスは径方向に均一に装入することができる。なお、本発明において、塊鉱石以外に高炉原料の鉄源とする処理鉱石は、粉鉱石や微粉鉱石をそれぞれ焼結鉱やペレット等のように塊成化する処理を経たものを意味する。このような処理鉱石として、上記焼結鉱やペレットのほか、微粉鉱石を炭材と共にセメントのような水硬性バインダーを用いて塊成化した非焼成含炭塊成鉱等を挙げることができる。
本発明において、高炉原料の鉄源として用いられる塊鉱石の装入量については特に制限はなく、一般的な高炉操業と同様にすることができるが、塊鉱石及び処理鉱石からなる全鉱石原料における質量比率で10~30%となるようにするのがよい。ここでの塊鉱石の装入量は、通常塊鉱石と大粒径塊鉱石とを合わせたものである。このように、全鉱石原料における塊鉱石の比率が変わっても、塊鉱石全体における質量比率で6~18%となるように大粒径塊鉱石を炉壁側に偏在させればよい。これは、通常塊鉱石は、いわば処理鉱石と同様の扱いで装入することで、高炉内で発生するCOガスのような他の還元性ガスにより十分に還元できることを意味する。
本発明において、高炉内に吹き込む還元性ガスについては、水素を含んだものであればよく、特に制限はないが、例えば純水素ガスのほか、コークス炉ガス(COG)、天然ガス(LNG)、高炉ガス(BFG)等を挙げることができる。これらは水素含有量を高めて改質化したものであってもよい。また、還元性ガスの高炉内への吹込み量については、還元性ガスの種類によっても変わるが、例えばコークス炉ガス(COG)の場合には、高炉内への吹込み量は50~150Nm/t-pigであるのがよい。水素を含んだ還元性ガスの過剰使用は高炉低温化を招き、かえって還元効率が低下する。反対に、少な過ぎるとその効果が認められない。つまり、COGを吹き込む場合、150Nm/t-pigまではそれを使用するほどカーボン使用量を削減する効果が得られると考えられるが、供給のバランスを考慮しつつ、この範囲内で吹込み量を調節するのが望ましい。
また、この還元性ガスは、羽口又はシャフト部から吹き込む際に特に予熱する必要はなく、常温のまま吹き込むことができる。常温のまま吹き込むことで、ガス加熱によるヒートロスの影響をなくすことができる。つまり、還元性ガスを用いた高炉操業は二酸化炭素排出量削減が主な目的であるが、事前処理も含めた熱バランスを考慮した場合、還元ガスの予備加熱によるヒートロスは二酸化炭素排出量削減に対して逆行してしまう。
本発明においては、比較的大きな粒度を持つ大粒径塊鉱石を所定の割合で炉壁側に装入し、しかも羽口又はシャフト部から水素を含んだ還元性ガスを吹き込むようにすればよく、上述した以外については公知の高炉操業と同様にすることができる。
以下、本発明について、実施例に基づきながら具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実施例1)
高炉数学モデルによるシミュレーションに基づいて、次のような高炉操業について検討した。
対象とする高炉は炉容積が4500mのものであり、高炉原料は、鉄源として、表1に示した成分を有する焼結鉱及び塊鉱石、還元材としてコークスを使用した。また、羽口から常温のCOGを120Nm/t-pigで吹き込むようにし、このCOGのほかに、同じく羽口から、1200℃に加熱した空気を4870Nm/t-pig、常温酸素を58800Nm/t-pig、及び、微粉炭を吹き込むようにした。ここで、焼結鉱と塊鉱石の還元性は、JIS-RIにてそれぞれ66.3%、51.2%であった。また、上記のほか、本実施例では、コークス比293.3kg/t、微粉炭比140.5kg/t、出銑量12000t/day、溶銑温度1530℃をベース条件とし、大粒径塊鉱石の装入量の変化に応じて炉内の還元効率が変化するため、溶銑温度が一定になるように微粉炭使用量を調整した。なお、高炉数学モデルとしては、羽田野らの2次元定常モデル(参考文献:羽田野道春、栗田興一鉄と鋼、第66巻(1980)p.1898-1907)をベースに原料鉱石の半径方法分布を考慮できるように改良したモデルを用いた。
Figure 2023080449000002
この実施例1では、鉄源とする鉱石原料のうち、塊鉱石全体における大粒径塊鉱石の使用比率の適正範囲について調べた。ここでは、モデル計算において、大粒径塊鉱石の代表粒径を27.5mmとして高炉の径方向において炉中心を0とし、炉壁を1とする無次元化半径0.7~1.0の炉壁側に配置した。また、粒径が20mm未満のものは通常焼結鉱とした。
詳しくは、実施例1-1として、塊鉱石及び焼結鉱からなる全鉱石原料に対して塊鉱石全体(通常塊鉱石及び大粒径塊鉱石)の装入量が30質量%になるようにし、残りの70質量%が焼結鉱となるようにした。また、その際、全塊鉱石中での大粒径塊鉱石と通常塊鉱石との使用比率(バランス)を3質量%刻みで変化させ、大粒径塊鉱石は先の図1で示したO1ダンプにて炉壁側に装入し、通常塊鉱石は同じく図1で示したO2ダンプにより焼結鉱と混ぜて、高炉の径方向に均一に装入して、カーボン使用量の変化量(ΔC)を調べた。例えば、大粒径塊鉱石の使用比率を3質量%とした場合、残りの97質量%は通常塊鉱石であり、前者をO1ダンプ、後者をO2ダンプとして装入した。また、大粒径塊鉱石の使用比率を6質量%とした場合は、残りの94質量%は通常塊鉱石であり、大粒径塊鉱石が0~27質量%、通常塊鉱石が100~73質量%の範囲となるようにして、前者をO1ダンプ、後者をO2ダンプとして装入した。
そして、この実施例は、大粒径塊鉱石を高炉の炉壁側に偏在させることによる還元促進効果を調べることを目的としているため、大粒径塊鉱石を炉壁側に装入せずに、通常塊鉱石と一緒に塊鉱石の全量を焼結鉱に混合して平均的に装入する場合についてもカーボン使用量の変化量(ΔC)を調べた。つまり、大粒径塊鉱石を偏在させる場合には、先のようなCダンプの後、O1ダンプ、O2ダンプの3ダンプ装入であるが、平均的に装入する場合には、Cダンプ、Oダンプの繰り返しとなる。但し、この平均的装入の際にも、大粒径塊鉱石を偏在させる場合と同様、塊鉱石における大粒径塊鉱石の割合を3質量%刻みで変化させた。結果を図2に示す。
なお、大粒径塊鉱石の実操業での装入量は、20mmで篩分けた時の篩上と篩下の比率に基づいて一義的に決定され、この比率は当該塊鉱石固有の粒度分布に基づく。本実施例は大粒径塊鉱石の装入適正量を調べるためのものとして行っているため、当該塊鉱石固有の前述の粗細の比率は考慮せずに、意図的に大粒径塊鉱石の装入量を変更させている。これは、例えば、入荷する塊鉱石の種類やその時期により、塊鉱石の粒度分布は多様であり、大粒径塊鉱石の比率も変動するため、大粒径塊鉱石の使用比率による炉壁側偏在装入の効果を確認するためのものである。
先の図2において、縦軸は大粒径塊鉱石使用比率0%(使用する塊鉱石は全て20mm以下)を基準にした場合のカーボン使用量の変化量ΔCを示している。この図2より、大粒径塊鉱石を高炉の炉壁側に偏在させる偏在装入(大粒径塊鉱石周辺装入)と、大粒径塊鉱石を通常塊鉱石と一緒に焼結鉱に混合して平均的に装入する平均装入の場合ともに、大粒径塊鉱石の使用量が増加するほど、高炉の還元効率が低下してカーボン使用量が増加している。但し、詳しくは、大粒径塊鉱石の使用比率が6質量%に達するまでは、大粒径塊鉱石周辺装入の場合も平均装入の場合も大粒径塊鉱石が高炉の還元効率(炭材使用量)に及ぼす影響は小さい。ところが、6質量%から18質量%までは、大粒径塊鉱石周辺装入の方が平均装入の場合に比べてカーボン使用量の増加量は軽減できている。これは、羽口から吹き込んだCOGによる炉壁側周辺部位での水素還元(H還元)によって被還元性に乏しい大粒径塊鉱石の還元が進行したためと考えられる。
一方で、大粒径塊鉱石の使用比率が18質量%を超えると、大粒径塊鉱石周辺装入は、平均装入した場合に比べてカーボン使用量が悪化している。これは、炉壁側周辺部位での還元がCOGによる水素還元で賄いきれなくなった結果、高炉下部にいたるまで酸化鉄が未還元の状態で残され、溶銑温度などの高炉の熱指標に悪影響を及ぼした結果、カーボン使用量を増加させざるを得なくなったと考えられる。
また、実施例1-2として、塊鉱石及び焼結鉱からなる全鉱石原料に対して塊鉱石全体(通常塊鉱石及び大粒径塊鉱石)の装入量が20質量%になるようにし、残りの80質量%が焼結鉱となるようにして、上記実施例1-1と同様に大粒径塊鉱石を高炉の炉壁側に偏在させることによる還元促進効果を調べた。但し、この実施例1-2では、全塊鉱石中での大粒径塊鉱石と通常塊鉱石との使用比率(バランス)を2質量%刻みで変化させ、大粒径塊鉱石が0~20質量%、通常塊鉱石が100~80質量%の範囲となるようにした。結果は図3に示したとおり、実施例1-1の場合と同様、塊鉱石全体における大粒径塊鉱石の質量比率が6~18%の範囲では、大粒径塊鉱石を高炉の炉壁側周辺に装入する方が炭素消費量として優位になる。
これらの結果より、大粒径塊鉱石の使用比率が6質量%以上18質量%以下であれば、大粒径塊鉱石を炉壁側に装入することで、カーボン使用量の増加を軽減(還元材比の悪化を抑制)できることが確認された。このように、塊鉱石及び焼結鉱からなる全鉱石原料における塊鉱石比率が異なる場合にも同様の結果を示したことは、少なくとも塊鉱石比率が30質量%までは、粒径の小さな塊鉱石は炉壁側周辺に装入しなくても焼結鉱と混ぜて均一に装入することで、十分に還元できることを意味するものと考えられる。
(実施例2)
実施例1でのシミュレーションと同様にして、実施例2では大粒径塊鉱石の粒度について調べた。
この実施例2では、塊鉱石及び焼結鉱からなる全鉱石原料に対して塊鉱石全体(大粒径塊鉱石及び通常塊鉱石)の装入量が20質量%となるようにし、そのうちの大粒径塊鉱石、通常塊鉱石の使用量はそれぞれ10質量%となるようにした。また、全鉱石原料における残りの80質量%は焼結鉱として、実施例1と同様、先の図1で示したCダンプの後に、大粒径塊鉱石はO1ダンプにて無次元化半径0.7~1.0の炉壁側に装入し、通常塊鉱石はO2ダンプにより焼結鉱と混ぜて高炉の径方向に均一に装入して、羽口からのCOGの吹き込みが有る場合、無い場合のそれぞれでカーボン使用量の変化量(ΔC)を調べた。
その際、下記表2に示したように、粒度構成が異なる6種類の塊鉱石(Case.1~6)を用意した。このうち、Case.1の塊鉱石は、粒度5~10mmの粒子と粒度10~15mmの粒子とが50.0質量%を占め、粒度15~20mm以上のもの(15~20mm、20~25mm、25~30mm、30~35mm、35~40mm、40~45mm、45~50mm)が50.0質量%を占めるように分級したものである(平均粒度20.1mm)。このCase.1の塊鉱石は大粒径塊鉱石の閾値が15mmであるとして、粒度15~20mm以上のものを炉壁側に装入し(O1ダンプ)、粒度5~10mm及び粒度10~15mmのものは焼結鉱と混ぜて、高炉の径方向に均一に装入した(O2ダンプ)。同様に、Case.2~6の塊鉱石において粒度組成が累積で50.0質量%を占めるところを基準に大粒径塊鉱石の閾値が15mm~40mmの範囲となるようにして、各塊鉱石における閾値以上のもの(表中、下線付き太字で示したもの)を大粒径塊鉱石として炉壁側に装入し、残りを通常塊鉱石として焼結鉱と混ぜて均一に装入した。
Figure 2023080449000003
上記におけるカーボン使用量の変化量(ΔC)は図4に示したとおりである。この結果について、COGの吹き込みがない場合、大粒径塊鉱石の粒度が大きいほどカーボン使用量が増加したのは、炉壁周辺に装入された大粒径塊鉱石の還元が、高炉内で発生するCOガスでは追い付けないためと考えられる。但し、塊鉱石の粒度の閾値が20mmまではCOGの吹き込みの影響で差異はなかった。これは、粒度がさほど大きくない塊鉱石は高炉内で発生するCOガスにより十分に還元できるためと推察される。
一方、大粒径塊鉱石の粒度が20mm以上になると、COGの吹き込みがない場合にはカーボン使用量が増加したのに対し、COGの吹き込みがある場合には、少なくとも塊鉱石の粒度が35mmまでカーボン使用量に及ぼす影響は微小であったと言える。これは、粒度20~35mmの大粒径塊鉱石であれば、COGに含まれる水素によって急速に還元できていることを意味しており、塊鉱石の粒度が大きくなることによる還元遅れが防止できている。但し、粒度が35mmを超えると、COGの吹き込みによる水素還元では賄いきれなくなり、カーボン使用量が急激に増加した。このことから、高炉の炉壁側に装入する大粒径塊鉱石の粒度は20~35mmの範囲であるのが望ましい。
以上のとおり、本発明によれば、鉱石原料の一部に塊鉱石を使用しても高炉の還元材比の悪化を抑制することができる。しかも、比較的大きな粒度を持つ大粒径塊鉱石を高炉に装入することができることから、塊鉱石を使用する場合に必要となる粉砕処理等を削減することができ、また、塊鉱石をそのまま使用することができることから、焼結鉱やペレット等の処理鉱石を得るのに必要な手間やコストを省くことができる。

Claims (5)

  1. 高炉原料が装入された高炉内に羽口又はシャフト部から水素を含んだ還元性ガスを吹き込む高炉操業方法において、
    前記高炉原料における鉄源として塊鉱石及び処理鉱石を用いて、高炉の径方向において炉中心を0とし、炉壁を1とする無次元化半径0.7~1.0の炉壁側に粒度が20~35mmの大粒径塊鉱石を塊鉱石全体における質量比率6~18%の割合で装入することを特徴とする高炉操業方法。
  2. 粒度が20mm未満の通常塊鉱石を前記処理鉱石と混ぜて装入する請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. コークスを装入するCダンプと、前記大粒径塊鉱石を装入するO1ダンプと、前記通常塊鉱石を前記処理鉱石と混ぜて装入するO2ダンプとを有した装入シーケンスにより高炉原料を装入する請求項1又は2に記載の高炉操業方法。
  4. 塊鉱石及び処理鉱石からなる全鉱石原料において、前記塊鉱石は質量比率10~30%の割合で装入される請求項1~3のいずれかに記載の高炉操業方法。
  5. 前記還元性ガスがコークス炉ガス(COG)であり、該コークス炉ガスの吹込み量が50~150Nm/t-pigである請求項1~4のいずれかに記載の高炉操業方法。
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