JP2011179090A - 粒鉄製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高チタン含有鉄鉱石のメタルとスラグの分離性を改善して、効率よく粒鉄を製造することで、高チタン含有鉄鉱石の有効利用を可能とする、高チタン含有鉄鉱石を用いた粒鉄製造方法を提供すること。
【解決手段】鉄含有鉱石と、炭素系固体還元材と、造滓材とを混合した混合原料4を移動型炉床3上に積載し、移動型炉床3上部から熱供給して混合原料4を還元・溶融し、還元鉄を得る際に、混合原料4に酸化チタン(TiO2)を混合することを特徴とする粒鉄製造方法を用いる。鉄含有鉱石の少なくとも一部として酸化チタン(TiO2)を1mass%以上、鉄を50mass%以上含有する高チタン含有鉱石を用いることで混合原料4に酸化チタンを混合すること、還元鉄を得る際に発生するスラグ中の酸化チタン(TiO2)濃度が20mass%以上、27mass%以下となるように混合原料4に酸化チタン(TiO2)を混合することが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、加熱炉内で炉床を水平方向に移動する過程で炉床上の積載物の昇温を行う、移動型炉床炉を用いて鉄含有物を還元することによって、鉄鉱石から還元鉄である粒鉄を製造する方法に関し、特にチタンを高濃度に含有する鉄鉱石である高チタン含有鉱石を用いた粒鉄製造方法に関する。
粗鋼生産法は、鉄鉱石より銑鉄を生産して鋼とする高炉−転炉法と、スクラップを溶解して精錬する電炉法とに大別される。中国などの新興国の台頭により、全世界的な粗鋼生産量は急激に増加しており、特に高炉−転炉法で使用する鉄鉱石の需給は逼迫し、価格が高騰すると共に、良質な鉄鉱石が入手困難となりつつあるのが今日の鉄資源の状況である。
また上記の他に、移動型炉床炉を用いた還元鉄の製造方法も知られている。移動型炉床炉法は、還元鉄に代表される還元金属を製造するプロセスのひとつであり、水平方向に移動する炉床に、鉄鉱石と固体還元材等を積載し、上方から輻射伝熱によって加熱して鉄鉱石を還元し、炉床上でこの還元生成物を溶融し、スラグとメタルを分離して還元鉄を製造するものである(例えば、特許文献1、2参照。)。
移動型炉床炉を用いてチタンを高濃度に含有する鉱石から還元鉄が得られるプロセスは存在するが、40〜60質量%の酸化チタン、30〜50質量%の酸化鉄を含有しているイルメナイト鉱などを原料としてチタンスラグを製造するもので、その場合の還元鉄はTiO2を得る過程で生成する副生成物として副次的に得られるものであり、鉄源として高チタン含有鉱石を使用するものではない(例えば、特許文献3、4参照。)。主成分を鉄として、チタンを高濃度に含有する鉱石の中で、砂鉄などは比較的安価で埋蔵量も多く、かつ供給元の分散が可能である。したがって、このようなチタンを高濃度に含有する鉱石を鉄源として使用することができれば、供給源の拡大、および鉄源選択の自由度の拡大が可能となる。
特開平11−335712号公報 特開平11−172312号公報 特許第4153281号公報 特表2009−507134号公報
上記のように、鉄原料の資源の不足が問題となっている状況下にあって、本発明者らは鉄鉱石の中にチタン分を通常より多く含む、高チタン含有鉄鉱石に着目した。このような高チタン含有鉄鉱石も高炉−転炉法で原料として使用することが望ましいが、現実にはチタン含有量が高い原料はほとんど利用されていない。その主な理由は、鉱石中のチタン分は還元され、加熱時間に比例して溶銑中へと移行し、これは溶銑の流動性を悪化させるのみならず、不純物として多量に移行することで銑鉄の品質を著しく低下させる。また、溶銑中へ移行しなかった鉱石中のチタン分はスラグへと移行し、これはスラグの融点を上昇させ、スラグの流動性を悪化させる。これら銑滓の流動性の悪化は出銑滓時に出銑滓口の破損などのトラブルを誘発する。
このように、高炉操業にはデメリットの多い高チタン含有鉄鉱石であるが、移動型炉床炉においては、処理時間が短いため溶銑中へのチタン分の移行量は少なく、またスラグおよびメタルは冷却され固体状態で排出されるため、溶銑の品質および流動性、ならびにスラグの流動性に関して問題はない。
しかしながら、移動型炉床炉では、混合原料中FeOの還元状態によってメタルとスラグの分離状態が左右されており、一般に高チタン含有鉄鉱石の被還元性は低く、メタルとスラグの分離性を悪化させるとされている。このメタルとスラグの分離性は直接粒鉄の製造効率と結びつくため、高チタン含有鉄鉱石を用いて移動型炉床炉で粒鉄を製造する場合には、製造効率の低下が問題となる。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、高チタン含有鉄鉱石のメタルとスラグの分離性を改善して、効率よく粒鉄を製造することで、高チタン含有鉄鉱石の有効利用を可能とする、高チタン含有鉄鉱石を用いた粒鉄製造方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)鉄含有鉱石と、炭素系固体還元材と、造滓材とを混合した混合原料を移動型炉床上に積載し、該炉床上部から熱供給して前記混合原料を還元・溶融し、還元鉄を得る際に、前記混合原料に酸化チタンを混合することを特徴とする粒鉄製造方法。
(2)鉄含有鉱石の少なくとも一部として酸化チタンを1mass%以上、鉄を50mass%以上含有する高チタン含有鉱石を用いることで混合原料に酸化チタンを混合することを特徴とする(1)に記載の粒鉄製造方法。
(3)還元鉄を得る際に発生するスラグ中の酸化チタン濃度が20mass%以上、27mass%以下となるように混合原料に酸化チタンを混合することを特徴とする(1)または(2)に記載の粒鉄製造方法。
(4)移動型炉床上に炭材を積載した上に、混合原料を積層することを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
(5)混合原料を塊成化して、移動型炉床上に積載することを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
(6)混合原料を1500℃以上で加熱することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
本発明によれば、他のプロセスでは処理が困難であった高チタン含有鉱石を、移動型炉床炉を用いて、還元、溶融させることで、良質な還元鉄(粒鉄)を得ることが出来るようになる。
さらに、溶融開始後の混合原料中FeOの還元速度を向上させることができ、粒鉄の製造効率を向上させることができる。また、混合原料の融点を降下させ、溶融開始を早める効果もある。
スラグ成分とスラグの粘度の関係を示すグラフ。 スラグの粘度とスラグ中FeOの還元速度の関係を示すグラフ。 本発明で用いる回転炉床炉の一実施形態を示す概略図。 本発明で用いる設備フローの一実施形態を示す概略図。 スラグ中のTiO2濃度が溶融開始後の混合原料中FeOの還元に及ぼす影響を示すグラフ。 混合原料の溶融に対するTiO2添加の効果を示すグラフ。
本発明者らは、鉄鉱石(酸化鉄)の還元速度を向上させて、メタルとスラグの分離性を高める方法について検討した。
図1は1500℃における、4元系および5元系のスラグの組成と、その組成におけるスラグの粘度との関係を示すグラフである。ここで、4元系とはスラグの構成成分がSiO2、CaO、Al23およびMgOであることを指し、5元系とはスラグの構成成分がSiO2、CaO、Al23、MgOおよびTiO2(酸化チタン)であることを指しており、5元系は4元系の成分比を保ったままTiO2を加えたものとなっている。通常高炉で副産物として得られるスラグは4元系であるが、図1によれば、これに第5成分としてTiO2が加わることで、スラグの粘度が低下する場合があることがわかる。また、図2はスラグの粘度と固体炭素によるスラグ中FeOの還元速度との関係を示しているが、ここでηはスラグの粘度であり、kは還元速度である。図2によれば、粘度を低下させることで、酸化鉄の還元速度を増加させることが可能であることが分かる。従って、図1および図2から、4元系のスラグに第5成分として所定量のTiO2が加わることで、酸化鉄の還元速度を向上させることが可能となることが分かる。
そこで本発明者らは高炉での使用においては上記のような問題のある高チタン含有鉱石を、移動型炉床炉で効率的に還元することが可能であると考えた。移動型炉床炉を用いた粒鉄の製造方法は上記のように還元鉄を製造するプロセスのひとつであり、水平方向に移動する炉床に、鉄含有鉱石と固体還元材等を積載し、上方から輻射伝熱によって加熱して鉄含有鉱石を還元し、炉床上でこの還元生成物を溶融し、スラグとメタルを分離して還元鉄である粒鉄を製造するものである。
この移動型炉床炉は、加熱炉の炉床が水平に移動する過程で加熱を施す炉であり、水平に移動する炉床とは、図3に示すような回転移動の形態を有するのが代表的であり、この形態の移動型炉床炉は、特に回転炉床炉と呼ばれている。本発明ではこのような移動型炉床炉、特に回転炉床炉を用いて高チタン含有鉱石を還元・溶融処理して還元鉄である粒鉄を製造するものである。以下において、移動型炉床炉として回転炉床炉を用いる場合について本発明を説明する。
なお、本発明で用いる高チタン含有鉱石とは、通常の高炉原料として利用される鉄鉱石と比較してチタンの含有量が高く、酸化チタンを1mass%以上、鉄を50mass%以上含有する鉱石である。本発明で用いる高チタン含有鉱石のチタン含有量および鉄含有量の上限に制約はないが、鉄源として使用することから自ずと決まり、例えば、酸化チタンについては10mass%程度以下、鉄については70mass%程度以下である。
本発明はこのような高チタン含有鉱石を用いて粒鉄を製造する技術であり、鉄含有鉱石として高チタン含有鉱石を用いることで、還元・溶融して還元鉄を製造する際に発生するスラグ中の酸化チタン(TiO2)濃度を所定の範囲内として、メタルとスラグの分離性を改善して、効率よく粒鉄を製造するものである。したがって、スラグ中の酸化チタン(TiO2)濃度が所定の範囲内となるのであれば、高チタン含有鉱石を回転炉床炉で還元する際に、通常の鉄鉱石を混合して用いることも可能である。また、高チタン含有鉱石を用いることが高チタン含有鉱石の使用を促進できる点で望ましいが、高チタン含有鉱石を用いることなく、または高チタン含有鉱石に加えて、通常の鉄鉱石に酸化チタンを添加して、スラグ中の酸化チタン濃度を所定の範囲内とすることでも、本発明を実施することが可能である。
本発明では、最終的に得られるスラグ中の酸化チタン濃度が20mass%以上、27mass%以下となるように、回転炉床炉で還元・溶融する混合原料を調整することが好ましい。尚、最終的に得られるスラグとは、混合原料を回転炉床炉で還元・溶融した後に分離されたスラグのことである。
下記の実施例で示すように、スラグの凝集・分離の良否は、溶融開始後のスラグ中のFeO濃度の減少速度で示される。メタルとスラグとの分離が可能となるスラグ中のFeO濃度は10mass%であることから、溶融開始から3分以内にメタルとスラグとの分離が可能となる場合をメタルとスラグの分離性が高い場合とすると、最終的に得られるスラグ中のTiO2が20mass%以上、27mass%以下となるように混合原料にTiO2を配合する場合がメタルとスラグの分離性が高く好ましい。
また、混合原料の溶融開始時間は、最終的に得られるスラグ中のTiO2濃度に依存して変化する。スラグ中のTiO2濃度が高いほど混合原料の融点が降下するため、溶融開始時間は短くなり、操業をより効率的に行うことができる。
また、TiO2以外のスラグの成分については、粘性および融点の観点から、SiO2に対するCaOの比率が質量換算で0.4〜1.4、Al23は4〜12mass%、MgOは3〜20mass%となるように、混合原料を配合することが好ましい。
図3を用いて本発明に用いる回転炉床炉の一実施形態を説明する。回転炉床炉1は、図3に示すように、予熱帯2a、還元帯2b、溶融帯2cおよび冷却帯2dに区画された炉体2にて、回転移動する移動型炉床3を覆ってなるものである。この移動型炉床3の上に、鉄鉱石と固体還元材と造滓材とからなる混合原料4が積載される。この混合原料4として、例えば、高チタン含有鉄鉱石と、炭素系固体還元材と、造滓材とを混合したものを用いる。混合原料は以下に述べるように塊成化することもできる。移動型炉床3を覆う炉体2は耐火物が張られている。さらに炉床耐火物の保護のために、移動型炉床3の上に炭材を積載し、その上に混合原料4を積層する場合もある。また、炉体2の上部にはバーナー5が設置され、このバーナー5での燃料燃焼熱を熱源として、移動型炉床3上の混合原料4中の鉄鉱石を還元する。なお、図3において、6は混合原料4を移動型炉床3上に装入する装入装置、7は還元物を排出する排出装置、8は冷却装置である。また、炉体2内の雰囲気温度は1300℃前後にされているが、溶融帯2cでは1450℃前後の高温に制御されるのが通常である。
通常の鉄鉱石および高チタン含有鉄鉱石は、その産地によって量に差はあるものの脈石成分を含んでいる。また、炭素系固体還元材の代表例である石炭、石炭チャー、コークスには灰分が含まれている。そのために、還元操作のみを行う移動炉床炉法では、高炉−転炉法とは異なり、成品である還元鉄に脈石が混入することは不可避であり、さらに還元材からの灰分も成品に付着し混入する可能性がある。一方で、回転炉床炉の移動型炉床上において原料を還元・溶融させた場合は、還元により生成したメタルと残滓であるスラグとを速やかに分離することができ、高密度の成品粒鉄を得ることができる。
本発明で得られる粒鉄は、上記のように還元して溶融されてスラグ成分が分離されており、回転炉床炉から排出されたなりの、圧縮等を行う前の状態で、みかけ密度を5000kg/m3以上とすることができる。なお、通常の場合、成品粒鉄は篩い分け工程を経て、粒径が3mm以上、100mm以下となる。
回転炉床炉を用いて、酸化チタンを混合した鉄鉱石を還元処理する際には、炭素系固体還元材と造滓材とともに混合して回転移動する移動型炉床上に積載するものとする。炭素系固体還元材とは、石炭、コークス、黒鉛などであり、造滓材とは、石灰粉、ドロマイト、蛇紋岩などCaO、Na2Oなどの塩基性成分などを含むものである。
鉄含有鉱石、高チタン含有鉱石が塊鉱石の場合、粉砕の上でたとえば粒径10mm以下の鉱石粉としてから、炭素系固体還元材等と混合して移動型炉床に積載し、還元することができる。
鉄含有鉱石、高チタン含有鉱石が微粉鉱石の場合(粒径3mm以下)には、炭素系固体還元材、造滓材とともに塊成化して、炭材内装ペレットとして用いることもできる。同様に圧縮成型して、ブリケットとしてから使用することもできる。また、造粒時、ベントナイトなどの無機バインダー、糖蜜、コーンスターチなどの有機バインダーを混合して、より強度を高めることもできる。これらペレットやブリケットは水分を蒸発させてから、使用することも可能である。
一方で、鉄含有鉱石、高チタン含有鉱石を粉状のままで使用することも効果的である。粉原料のまま使用することにより、塊を製造するための設備、電力、バインダーなどの費用が不要になり、経済性向上に寄与することができる。
回転炉床炉で鉄含有鉱石、高チタン含有鉱石を還元・溶融する際の加熱温度は、1500℃以上とすることが好ましい。回転炉床炉内の最高温度を1500℃以上とすることにより、炉内および炉内で還元・溶融する原料は高温となる。特に溶融した原料は1500℃以上とすることで、十分な流動性を確保することが可能となり、金属鉄中の脈石成分を除去しやすくなり、良好な性状の粒鉄を製造することが可能となる。
移動型炉床上に炭材を積載し、該炭材の上に酸化チタンを含む混合原料を積層することにより、溶融したメタルやスラグが移動型炉床の耐火物を侵食することを防止することが可能になる。耐火物侵食の際には鉄分が耐火物に取り込まれるため、移動型炉床の耐火物の侵食を防止することで鉄分のロスが少なくなり、粒鉄の生産性向上に寄与することができる。
回転炉床炉で発生する排ガスに含有されるダストは、回収される。このダストは鉱石と比較して、亜鉛やアルカリを濃化しているので、粗酸化亜鉛・アルカリの原料として使用することが可能である。図4に、このようなダスト回収を行う回転炉床炉の一般的な設備フローの概略図を示す。
図4において、鉱石ホッパー11、石炭ホッパー12、造滓材ホッパー13から排出された鉄鉱石、石炭、造滓材は混合機14(必要に応じてペレタイザー等を用いる)で混合して混合原料とし、回転炉床炉15で加熱して還元・溶融して還元鉄となり還元鉄排出口16から排出される。回転炉床炉15で発生した排ガスは吸引ファン19により吸引され煙突20から排出されるが、その際に、排ガスダスト用バグフィルター17でダスト回収を行う。回収されたダストは粉体搬送用ローリー18等を用いて搬出する。
以下に本発明の一実施形態を詳細に説明する。
回転炉床炉の移動型炉床上に高チタン含有鉄鉱石、炭素系固体還元材、造滓材を含む混合原料を積載して、移動型炉床を回転させて炉内を移動させながら昇温加熱し、空気もしくは酸素を富化した空気を炉体内へ吹き込み、還元反応にて発生するCOもしくはH2を2次燃焼させる。発生する排ガスは冷却の後、排ガスに含有するダストを回収する。一方、移動型炉床上に残存する混合原料を完全に溶融させて液体としてから、冷却、固化して、銑滓分離した粒鉄を得る。
回転移動する移動型炉床上にて加熱することで、a)鉱石中の酸化鉄が炭素系固体還元材中の炭素と反応して金属鉄ができる、b)鉄分は浸炭反応により、脈石分(TiO2、SiO2、Al23、MgOなど)は石灰粉、ドロマイト、蛇紋岩などCaO、Na2Oなどの塩基性成分と混合して、融点が低下し、溶融する、c)一定期間溶融状態とすることで、溶融金属鉄部分(メタル)と溶融脈石分(スラグ)に分離する効果を得ることができ、銑鉄と同様に使用可能な還元鉄である粒鉄を製造することがきる。
本発明の有効性を確認するために図3に示すものと同様の回転炉床炉において、高チタン含有鉱石2種およびチタン含有量の低い一般的な鉱石2種の計4種を用いて粒鉄の製造試験を行った。移動型炉床上に炭材として石炭を層厚50mmに敷いた上に、混合原料を塊成化せず層厚約10mmに積載して使用した。加熱温度1520℃で混合原料を還元溶融させ、分離したメタルおよびスラグを回収した。
回転炉床炉のスペックを表1に示す。
Figure 2011179090
使用した各鉱石の組成を表2に示す。
Figure 2011179090
表2において、鉱石AおよびBは高チタン含有鉱石であり、鉱石CおよびDはチタン含有量の低い一般的な鉄鉱石である。
鉱石と、炭素系固体還元材としての石炭と、造滓材としての石灰と、スラグ成分の調整剤として酸化チタンの粉末を最終的に得られるスラグの成分が目標値となるように混合して混合原料とした。表3に使用した石炭の組成を、表4に各混合原料から最終的に得られたスラグ組成を示す。
Figure 2011179090
Figure 2011179090
図5に、混合原料No.1〜4の溶融開始後のスラグ中のFeO質量濃度変化を示す。図5においては、FeO濃度の減少速度が大きいほどスラグの凝集・分離が良好であることを表している。図5中に点線で示されている「メタル・スラグ分離ライン」とは、通常、メタルとスラグとの分離が可能となるFeO濃度である。最終的なスラグ中の酸化チタン濃度が20〜27mass%であれば、3分以内にメタル・スラグの分離が可能であることが分かる。
図6に、混合原料No.5と6について、最終的なスラグ中のTiO2濃度と混合原料の溶融開始時間の関係を示す。一般的な鉱石である鉱石DにTiO2粉末を適量添加したNo.5の場合、TiO2粉末無添加のNo.6に比較して混合原料の溶融開始時間は3分程度短縮されている。これにより、最終的に得られるスラグ中のTiO2濃度を管理することで、混合原料の溶融開始時間を短縮することが可能であることが分かる。
1 回転炉床炉
2 炉体
2a 予熱帯
2b 還元帯
2c 溶融帯
2d 冷却帯
3 移動型炉床
4 混合原料
5 バーナー
6 装入装置
7 排出装置
8 冷却装置
11 鉱石ホッパー
12 石炭ホッパー
13 造滓材ホッパー
14 混合機
15 回転炉床炉
16 還元鉄排出口
17 排ガスダスト用バグフィルター
18 粉体搬送用ローリー
19 吸引ファン
20 煙突

Claims (6)

  1. 鉄含有鉱石と、炭素系固体還元材と、造滓材とを混合した混合原料を移動型炉床上に積載し、該炉床上部から熱供給して前記混合原料を還元・溶融し、還元鉄を得る際に、前記混合原料に酸化チタンを混合することを特徴とする粒鉄製造方法。
  2. 鉄含有鉱石の少なくとも一部として酸化チタンを1mass%以上、鉄を50mass%以上含有する高チタン含有鉱石を用いることで混合原料に酸化チタンを混合することを特徴とする請求項1に記載の粒鉄製造方法。
  3. 還元鉄を得る際に発生するスラグ中の酸化チタン濃度が20mass%以上、27mass%以下となるように混合原料に酸化チタンを混合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粒鉄製造方法。
  4. 移動型炉床上に炭材を積載した上に、混合原料を積層することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
  5. 混合原料を塊成化して、移動型炉床上に積載することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
  6. 混合原料を1500℃以上で加熱することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
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