JP5386835B2 - フェロコークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉原料として用いるのに好適な、鉄含有物質と炭素含有物質を原料に用いて乾留して製造するフェロコークスの製造方法に関する。
原料石炭に粉鉄鉱石を配合し、この混合物を通常の室炉式コークス炉で乾留してフェロコークスを製造する技術としては、(a)石炭と粉鉄鉱石との粉混合物を室炉式コークス炉に装入する方法、(b)石炭と鉄鉱石を冷間、すなわち室温で成型し、その成型物を室炉式コークス炉に装入する方法などが検討されてきた(例えば、非特許文献1参照。)。しかし通常の室炉式コークス炉は珪石煉瓦で構成されているので、鉄鉱石を装入した場合に鉄鉱石が珪石煉瓦の主成分であるシリカと反応し、低融点のファイヤライト(2FeO・SiO2)が生成して珪石煉瓦の損傷を招く。このため室炉式コークス炉でフェロコークスを製造する技術は、工業的には実施されていない。
上記問題を回避するため、乾留後のコークスに鉄含有物質を含浸させて高反応性コークス(フェロコークス)を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、コークス中に鉄含有物質を含浸させるのが困難であり、内部まで鉄の濃度を上昇させるには時間がかかり、生産性を大幅に低下させてしまう。またハンドリング時の衝撃で含浸させた鉄含有物がはがれ落ちてしまい、効果が低下する等の問題が残されている。
近年、室炉式コークス製造法に替わるコークス製造方法として、連続式成型コークス製造法が開発されている。連続式成型コークス法では、乾留炉として、珪石煉瓦ではなくシャモット煉瓦にて構成される竪型シャフト炉を用い、石炭を冷間で所定の大きさに成型後、シャフト炉に装入し、循環熱媒ガスを用いて加熱することにより成型炭を乾留し、成型コークスを製造する。資源埋蔵量が豊富で安価な非微粘結炭を多量に使用しても、通常の室炉式コークス炉と同等の強度を有するコークスが製造可能なことが確認されているが、使用する石炭の粘結性が高い場合にはシャフト炉内で成型炭が軟化融着し、シャフト炉操業が困難になると共に変形や割れ等のコークス品質低下を招く。
連続式コークス製造法でのシャフト炉内での融着抑制のために、石炭に鉄鉱石を全体量の15〜40%となるように添加し、冷間で成型物を製造し、シャフト炉に装入する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、鉄鉱石には粘結性がないので、冷間の状態で成型物を製造するために高価なバインダーを添加する必要がある。そこで、原料としての石炭と鉄鉱石あるいは鉄原料を、加熱した熱間の状態で塊成型物に成型する方法も提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
特開2004−315664号公報 特開平6−65579号公報 特開2004−217914号公報 特開2005−53982号公報 燃料協会 「コークス技術年報」1958年、p.38
しかしながら、上記特許文献2〜4において、石炭と鉄鉱石あるいは鉄原料とでは、乾留時における熱的挙動が異なることから、乾留後の強度低下が大きいという問題が残されている。
上記のように、フェロコークスは石炭等の炭素含有物質と、鉄鉱石あるいは鉄原料等の酸化鉄含有物質を原料として混合して製造されるものであり、含有している鉄の触媒作用によりCO2ガスによるガス化反応が比較的低温から起こるという特徴があるが、乾留後の強度低下が大きい。これは、乾留後のフェロコークスには、酸化鉄含有物質を由来とする還元鉄が含まれるが、炭素含有物質と還元鉄は結合しにくく乾留時に還元反応で生成するガスにより還元鉄周囲の炭素含有物質の気孔率が上昇しやすいので、界面での強度は通常の炭素含有物質の強度に比べて低くなるためであり、フェロコークスは通常の成形コークスに比べると強度が低くなる。
上述のとおり、乾留後のフェロコークスでは、酸化鉄含有物質を含んでいるため、通常の酸化鉄含有物質を含まない成形コークスに比べると冷間強度、すなわちCO2ガスとの反応をしていない状態での強度が低くなることが予想できる。また、高炉内を想定するとCO2ガスとの反応により鉄粒子近傍の炭素が優先的に消費されるので、さらに強度が低下する。酸化鉄含有物質を含まない成形コークスと比較すると、フェロコークスは含有している鉄の触媒作用によりCO2ガスによるガス化反応が低温から起こる。このため、フェロコークス粒内でのCOおよびCO2ガスの拡散に比べソリューションロス反応が速い比較的高温では、酸化鉄含有物質を含まない成形コークスに比べると反応により気孔率が増加した劣化層の厚さが薄く反応後強度が高くなる傾向がある。一方、フェロコークス粒内でのCOおよびCO2ガスの拡散に比べソリューションロス反応が遅い比較的低温ではフェロコークス粒内まで劣化しやすく反応前での強度も低いフェロコークスは酸化鉄含有物質を含まない成形コークスに比べ強度低下が大きくなるため、冷間およびCO2ガスとの反応後強度の改善が重要な課題と考えられる。
したがって本発明は、上記の問題を解決し、酸化鉄含有物質と炭素質含有物質とからなる成形物を乾留してフェロコークスを製造する方法であって、乾留後の強度である冷間強度と、CO2ガスとの反応後強度が高いフェロコークスを製造可能な、フェロコークスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、従来用いられている汎用のCO2ガスとコークスとの反応試験装置を用いてフェロコークスと成形コークスについて試験を行い、フェロコークスの酸化鉄含有率と冷間強度およびCO2ガスとの反応後強度の関係について検討した。
試験に用いたフェロコークスと成形コークスとの試料は、2つに縮分した石炭を原料として製造した。縮分した石炭の一方は鉄鉱石(粒径1mm以下100mass%:−1mm)を30mass%添加しフェロコークス用に使用し、他方は鉄鉱石を含まない成形コークス用に使用した。それぞれについて6ccのマセック型を用いて加圧成形し、汎用の乾留炉で950℃まで加熱乾留し、窒素雰囲気下で常温まで冷却して鉄鉱石を含まない成形コークスと、フェロコークスとを製造した。
その後、鉄鉱石を含まない成形コークスと、フェロコークスをそれぞれ970℃の温度に設定した汎用の反応炉内でCO:CO2=73:27の体積比率で混合したガスと反応させた。試料質量は、天秤により経時的に測定しており、コークス中に含有する炭素の30mass%が反応した時点でガスを窒素に切り替えて反応を停止させて、冷却した。フェロコークス中に含有されている鉄は乾留後既に鉄に還元されており、反応後においても再酸化は認められなかった。反応前後の質量変化とそれぞれのC含有率の分析結果からもほぼ30mass%の反応率であった。フェロコークスと鉄鉱石を含まない成形コークスが炭素の30mass%反応するまでの時間を比較したところ、フェロコークスでは、鉄鉱石を含まない成形コークスに比べて、所定の反応率に到達するまでの時間が0.31倍と大幅に短縮されており、反応速度が速くなっている。
一方で、上記の反応前後でいわゆるI型ドラム試験装置(内径130mmΦ×700mmの筒状)を用いて、1分間に20回転の回転速度で130回転させた後の9.5mm以上の残存率によりコークスの強度を評価した。なお反応前の粒度および試料質量は20mm±1mm、100mass%を200g、反応後は20mm±1mm、100mass%を200gの試料を反応させた全量を試験装置に入れて試験を行った。反応前は、フェロコークスおよび鉄鉱石を含まない成形コークスの冷間強度、反応後はフェロコークスおよび鉄鉱石を含まない成形コークスのCO2ガスとの反応後強度に相当する。鉄鉱石を含まない成形コークスでは、9.5mm以上の残存率は、反応前93.9mass%であったが反応後には75.6mass%に、フェロコークスでは反応前89.8mass%であったが反応後には60.0mass%にそれぞれ低下した。
成形コークスとフェロコークスを比較することで、鉄鉱石の比率を増加させた方が、鉄の触媒作用によりCO2ガスとの反応速度を向上させることができるものの、冷間強度が低下し、特にCO2ガスとの反応後強度を大幅に低下させる結果となることが分かる。
反応後の成形コークスとフェロコークスについて、その断面での気孔率を画像解析により測定した。炭素が反応により消費された部分は気孔率が増加する。反応後のフェロコークスでは、表面から、中心から残存している表面までのおよそ50%の位置まで、気孔率が反応前のフェロコークスに比べて増加していることが分かった。すなわち、全体積の80%以上の部分でCO2ガスとの反応が進行しており、反応速度の向上には粒子表面のみならず粒子内部での鉄触媒の効果も期待できる。一方で、乾留後の炭素の30mass%が反応すれば、フェロコークスでは反応前でも鉄があるため相対的に炭素の比率が低く、さらにCO2ガスとの反応の進行で炭素同士の結合が切断されていたため、強度が非常に低下すると考えられる。
さらに詳細に調査するため、上記断面について電子線マイクロアナライザ(EPMA)および光学顕微鏡による観察により、鉄、炭素および気孔率の分布を調査したところ、フェロコークス中でも、完全に均一な混合状態ではないため、鉄の比率が低い部分では、気孔率が低く炭素の消費も少なくなっており、鉄の比率が高い部分では、気孔率が高く炭素の消費も多くなっていることが分かった。
したがって、以上の結果より、フェロコークスを製造する際にあらかじめ鉄含有物質と炭素含有物質との混合物中に鉄含有比率の高い擬似粒子を入れておけば、鉄の比率が高い部分での反応が優先して起こるため、強度低下を起こす気孔率の増加がおこる部分が限定されることになる。一方で通常のコークスに比べて比較的低温でCO2ガスによるガス化反応が起きるフェロコークスの場合は、CO2およびCOガスが比較的内部まで拡散しやすいため、フェロコークス内部の鉄含有率の高い部分での反応も寄与している。したがって、鉄含有率の高い擬似粒子を添加すれば、粒子内部の擬似粒子由来の部分も反応に寄与するので反応速度向上効果を維持しつつ、反応による気孔率増となる部分を限定することができるので、残部の気孔率増加を抑制することでフェロコークス粒子全体の強度低下を抑制することができる。また、フェロコークス中の鉄含有率を一定とすれば、擬似粒子以外の残部の鉄含有率を低減することが可能なので、ガス化反応前すなわち冷間での強度も改善できる。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
(1)鉄含有物質と炭素含有物質とを混合して成形した成形物を、加熱により乾留してフェロコークスを製造する際に、前記鉄含有物質の一部と前記炭素含有物質の一部とを混合して、前記鉄含有物質の残部と前記炭素含有物質の残部との混合物よりも鉄含有濃度の高い擬似粒子を製造し、該擬似粒子を前記混合物と混合して成形物を成形することを特徴とするフェロコークスの製造方法。
(2)擬似粒子の鉄含有濃度が、混合物の鉄含有濃度よりも5mass%以上高いことを特徴とする(1)に記載のフェロコークスの製造方法。
(3)擬似粒子の最大粒径が10mm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のフェロコークスの製造方法。
(4)成形物中の擬似粒子の割合が、5〜50mass%であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のフェロコークスの製造方法。
本発明によれば、フェロコークスの冷間強度およびCO2ガスとの反応後強度を向上させることができる。また、フェロコークス中の鉄含有物質の質量比率を増加させた場合においても、反応速度を増大させる効果を維持しつつ、冷間強度の低下およびCO2ガスとの反応後強度の低下を抑制する効果がある。
このため、フェロコークスを高炉で使用した場合に、CO2ガスとの反応より発生する粉の発生を抑制し、フェロコークス使用による圧力損失の上昇を抑制しつつ、フェロコークスとCO2ガスとの反応速度の増大により熱保存帯温度を低下させることができ、これにより高炉の還元材比を低減することが可能となる。
本発明では、フェロコークスの製造に用いる鉄含有物質と炭素含有物質との混合物中に鉄含有濃度の高い擬似粒子を混合することで、乾留後のフェロコークスにおいて鉄含有濃度の高い擬似粒子由来の金属鉄濃度が高い部分を形成したフェロコークスを製造する。図1(a)に乾留前のフェロコークス原料成形物の断面概略図を、図1(b)に乾留後のフェロコークスの断面概略図を示す。鉄含有物質と炭素含有物質との混合物4中に鉄含有濃度の高い擬似粒子6を混合することで、乾留後のフェロコークスにおいて鉄含有濃度の高い擬似粒子6由来の金属鉄濃度が高い部分15を形成したフェロコークス12を製造することができる。金属鉄濃度が高い部分15では、炭素が鉄の触媒効果により優先的にCO2ガスとの反応を起こすことができる為、金属鉄濃度が高い部分15以外の残部での反応が抑制されフェロコークス粒子の反応後の強度低下を抑制できるようになる。またフェロコークス中の鉄含有濃度一定の場合で比較すれば、鉄含有濃度の高い擬似粒子6を混合することで、擬似粒子以外の残部の鉄含有率を低下させることが可能なので、鉄含有濃度の高い擬似粒子6を混合しない場合に比べて反応前の冷間強度も改善できる。
フェロコークスの製造では、乾留に用いる鉄含有物質と炭素含有物質との混合物をあらかじめ成形して用いるため、鉄含有濃度の高い擬似粒子は成形用の原料として混合しておけば良い。擬似粒子は、ペレタイザーやコンパクティング、ブリケッティング等の方法により製造できるが、成形用の原料として添加すれば成形物の強度は確保できるので、擬似粒子自体の強度は形状を一定に保つことができればよい。
鉄含有濃度の高い擬似粒子の鉄含有濃度が、擬似粒子以外の部分に比べて十分高くないと擬似粒子由来の部分でCO2ガスとの反応が優先的に起こらず、残部の反応抑制にも効果があまりない。したがって、擬似粒子の鉄含有濃度は擬似粒子を混合する前、すなわち擬似粒子以外の鉄含有物質と炭素含有物質との混合物の鉄含有率に比べて、鉄含有濃度が5mass%以上高いことが望ましい。擬似粒子の鉄含有濃度が残部の前記混合物に対して10mass%以上高いことが、より望ましい。
乾留後のフェロコークスにおいて、擬似粒子由来の金属鉄濃度が高い部分では、高炉内でCO2との優先的な反応により気孔率が上昇する。一方で残部の気孔率上昇は抑制できるが、気孔率が高い部分は、フェロコークス粒子の強度低下の原因である構造上の欠陥となる。フェロコークスは脆性材料であるため、同じ欠陥量であっても欠陥のサイズに影響を受けるので擬似粒子の最大粒径は10mm以下とすることが望ましい。また、フェロコークス中で優先的に劣化を受ける部分があまり多いと残部の気孔率抑制効果が期待できず、反応後にフェロコークス粒子の強度を維持できなくなる場合があるため、擬似粒子の添加量は成形に用いる鉄含有物質と炭素含有物質との混合物中の50mass%以下とすることが好ましい。一方で、擬似粒子の添加量が少なすぎる場合、優先的にCO2ガスとの反応を起こす量が少なくなり、残部の気孔率上昇を抑制できないので、擬似粒子の添加量は成形に用いる鉄含有物質と炭素含有物質とを混合物中の5mass%以上とすることが好ましい。擬似粒子の添加量は成形に用いる鉄含有物質と炭素含有物質との混合物中の10mass%以上とすることが、より好ましい。
図2は、本発明の一実施形態を示すフロー図である。たとえば石炭などの炭素含有物質1と鉄鉱石などの鉄含有物質2を高炉用フェロコークスの原料として用いる際に、1系統(図2において上部左側)で成形用の原料として炭素含有物質1と鉄含有物質2を混合機3で混合して混合物4を製造し、別系統(図2において上部右側)で炭素含有物質1と鉄含有物質2を混合し、成形機を用いて成形または造粒装置を用いて造粒することにより高鉄含有擬似粒子6を製造する。この際、高鉄含有擬似粒子6は他系統で製造する混合物4に比べて鉄鉱石の配合比率を増加させて鉄含有濃度が高くなるようにする。両系統で製造した炭素含有物質1と鉄含有物質2を混合した混合物4と高鉄含有擬似粒子6を混合機7で混合して擬似粒子入り混合物8を製造し、成形機9で成形物10を成形する。この過程で成形物10中に鉄含有率が高い部分が形成される。この成形物10を乾留炉11で乾留し、冷却してフェロコークス12を製造する。乾留過程で石炭等の炭素含有物質からは揮発分が抜けるとともに一部溶融、再固化してコークスとなり、鉄鉱石は一部還元されて鉄となる。乾留後の製品であるフェロコークス12中には高鉄含有擬似粒子6を由来とする鉄含有率の高い部分が形成される。このフェロコークス12を高炉13で使用すれば、鉄含有率の高い部分が優先的に反応するので、反応速度を向上させるとともに、残部の反応を抑制し、CO2ガスとの反応後の強度低下を抑制できる。したがって、高炉内での粉の発生を抑制でき、反応速度の向上により熱保存帯温度を低下できるため還元材比の低減が可能となる。
なお、1系統(図2において上部左側)で使用する炭素含有物質1と別系統(図2において上部右側)で使用する炭素含有物質1は同じ物を使用してもよいし、異なる種類のものを使用してもよい。
また鉄含有物質2についても両系統で同じものを使用してもよいし、異なる種類のものを使用してもよい。
本発明による効果を確認する為に、擬似粒子を添加してフェロコークスを製造し、以下の条件でフェロコークスとCO2ガスの反応試験を行った。
フェロコークスは石炭と鉄鉱石とを乾留して製造した。石炭は粒径3mm以下に粉砕し、鉄鉱石は粒径1mm以下に粉砕し、試験に使用した。鉄鉱石には、鉄を68.2mass%含有するものを使用した。石炭と鉄鉱石の混合物を6ccのマセック型に加圧成形し、汎用の乾留炉で成形物の温度が950℃になるまで加熱乾留し、窒素雰囲気下で常温まで冷却してフェロコークスを製造した。成形時には成形後の強度を確保するためポリビニルアルコール水溶液をバインダーとして5mass%添加した。擬似粒子の造粒時にも同じバインダーを添加したが、成形後の成形物に含まれるバインダー添加量は一定となるようにした。その後、種々の組成で製造したフェロコークスを970℃の温度に設定した汎用の反応炉内でCO:CO2=73:27の比率で混合したガスと反応させた。試料質量は、天秤により経時的に測定し、コークス中に含有する炭素の所定の質量が反応した時点でガスを窒素に切り替えて反応を停止させて、冷却した。フェロコークス中に含有する鉄は乾留後既に鉄に還元されており、今回の試験条件では反応後においても再酸化は認められなかった。反応前後の質量変化とそれぞれのC含有率の分析結果からもほぼ所定の反応率であった。反応前後でいわゆるI型ドラム試験装置(内径130mmΦ×700mmの筒状)を用いて、1分間に20回転の回転速度で130回転させた後の9.5mm以上の残存率によりコークスの強度を評価した。なお反応前の粒度および試料質量は20mm±1mmを200g、反応後は20mm±1mmを200gの試料を反応させた全量を試験装置に入れて試験を行った。
まず擬似粒子の添加率を30mass%で一定とし、成形に使用する擬似粒子を含んだ擬似粒子入り混合物中の鉄鉱石の比率(混合物平均鉄鉱石比率)も30mass%で一定とした条件で、擬似粒子中の鉄鉱石の比率と乾留後のフェロコークスの冷間強度、CO2ガス化試験後の反応後強度および反応時間の関係を調べた。高炉内でのコークスとCO2ガス化の反応率は20〜30%程度と言われており、今回の試験は、特に低温での反応に特化した評価であるが、実際の高炉内ではより高温でも反応が進行するため、反応率は質量比で10%一定とした。また、今回の試験に用いた擬似粒子はペレタイザーで造粒して製造し、3〜5mmの粒度のものを使用した。実験結果を表1に示す。比較例として擬似粒子を添加しない、単純に鉄鉱石と石炭を混合、成形、乾留して製造したフェロコークスの結果をあわせて示す。
Figure 0005386835
表1によれば、擬似粒子以外の部分の鉄鉱石比率に対して、5mass%以上鉄含有率の高い擬似粒子を添加して成形し、乾留して製造したフェロコークスでは、冷間強度、および反応後強度に改善が見られた。また、含有する炭素のうち10mass%が反応するのにかかった反応時間は短くなっており、反応速度が速くなっていることが分かった。
次に、擬似粒子の添加率を30massで一定、成形に使用する擬似粒子を含んだ混合物中の鉄鉱石の比率も30mass%で一定、擬似粒子中の鉄含有率も一定とした条件で擬似粒子の最大粒径を変化させ、粒径の影響を検討した結果を表2に示す。
Figure 0005386835
表2によれば、擬似粒子の粒径を変化させても冷間強度にはそれほど大きな差異は認められないが、最大の粒子径を15mmとした場合には、反応後の強度がやや低下することが分かる。フェロコークス中で擬似粒子由来の部分が優先的に反応し、結果として気孔率の高い部分が粗大化したため、反応後強度が低下したためであると考えられる。
さらに、成形に使用する擬似粒子を含んだ混合物中の鉄鉱石の比率を30mass%で一定とした条件で、擬似粒子の添加率を変えた実験結果を表3に示す。擬似粒子はペレタイザーで造粒して製造し、3〜5mmの粒度のものを使用した。
Figure 0005386835
表3によれば、鉄含有率が高い擬似粒子を5mass%以上添加した場合、反応時間が短くなっており、反応速度が速くなっていることが分かる。一方で、鉄含有率が高い擬似粒子を60mass%添加した場合、冷間強度および反応後強度が擬似粒子を添加しない場合に比べ、低くなる傾向が見られる。フェロコークス粒子中で鉄鉱石の高い部分が大部分を占めるようになったため、残部の反応を抑制する効果が小さくなったためであると考えられる。
以上のように、本発明方法で製造したフェロコークスでは、冷間強度、および比較的低温である970℃での反応後強度に改善がみられ、反応速度が速くなっていることが確認された。
高鉄含有擬似粒子を添加した成形物およびフェロコークスのイメージ図。(a)乾留前のフェロコークス原料成形物、(b)乾留後のフェロコークス 本発明の一実施形態を示すフロー図。
符号の説明
1 炭素含有物質
2 鉄含有物質
3 混合機
4 混合物
5 成形機または造粒装置
6 高鉄含有擬似粒子
7 混合機
8 擬似粒子入り混合物
9 成形機
10 成形物
11 乾留炉
12 フェロコークス
13 高炉
15 金属鉄濃度が高い部分

Claims (1)

  1. 鉄鉱石石炭とを混合して成形した成形物を、加熱により乾留してフェロコークスを製造する際に、
    前記鉄鉱石の一部と前記石炭の一部とを混合して、前記鉄鉱石の残部と前記石炭の残部との混合物の鉄含有濃度よりも鉄含有濃度が5mass%以上高い擬似粒子であって、最大粒径が10mm以下である擬似粒子を製造し、
    該擬似粒子を前記混合物と混合して、前記擬似粒子の割合が5〜50mass%である成形物を成形することを特徴とするフェロコークスの製造方法。
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