JPH1133519A - 廃棄物のガス化処理方法 - Google Patents

廃棄物のガス化処理方法

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JPH1133519A
JPH1133519A JP9212508A JP21250897A JPH1133519A JP H1133519 A JPH1133519 A JP H1133519A JP 9212508 A JP9212508 A JP 9212508A JP 21250897 A JP21250897 A JP 21250897A JP H1133519 A JPH1133519 A JP H1133519A
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修 亀田
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晶作 藤並
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二段ガス化処理に際して高温酸化炉の炉壁表
面に灰層を確実に形成して炉壁の保護を行なうととも
に、スラグ排出部(反応室、スロート部)での閉塞等を
防止し、特に灰の含有量が廃棄物の種類によって異なる
ことに起因して灰不足が生じないようにする。 【解決手段】 流動層を用いたガス化炉10に有機性廃
棄物を供給して一次ガス化させ、当該流動層ガス化炉に
て得られたガス状物を高温酸化炉30へ導入して高温下
にて二次ガス化することにより有用ガスを生成する。そ
の終末速度が流動層ガス化炉のフリーボード部のガス流
速以下となるように粒度調整した塩基性成分に富む灰、
および炭酸カルシウム等の灰融点降下剤を一次ガスに同
伴させることにより高温酸化炉に定量的に供給し、高温
酸化炉反応室の炉壁表面に灰の固化コーティング層と溶
融コーティング層を確実に形成させ、しかも灰溶融コー
ティング層は流動性が高く、排出が容易なものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物のガス化処理
方法に係り、特に流動層ガス化炉と高温酸化炉を組合わ
せた二段ガス化をなすシステムにおける前記高温酸化炉
の炉壁を灰のコーティング層により保護するようにした
廃棄物のガス化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ、下水汚泥、廃プラスチック、
廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物、廃油等に
代表される有機性廃棄物は、一般的に焼却処理により減
容化されるか、あるいは未処理のまま埋立処分されてお
り、これらがリサイクル利用される量は全体からみれば
ごく僅かである。
【0003】上記の焼却処理においても、これまではス
トーカ炉や流動層炉が用いられてきたが、燃焼時の空気
比が高いため排ガス量が多く、また、炉から排出された
金属類は酸化されているためリサイクルには適さなかっ
た。こうした焼却設備に灰溶融設備を併設するところも
最近は増えつつあるが、装置全体の建設コストや運転コ
ストの上昇を招く結果となった。
【0004】こうした問題を解決するために発明された
のが、特開平7−332614号であり、ここでは有機
性廃棄物を流動層炉へ供給してガス化し、有価金属を未
酸化状態で取り出すとともに、生成ガスを後段の溶融燃
焼炉へ供給して、高温下で完全燃焼させることにより、
灰分を溶融スラグ化して減容化し、埋立可能な安定なス
ラグとして埋立処分地を延命化したり、土建材としてリ
サイクルする方法が提示されている。上記の方法は、前
段の流動層炉により廃棄物から未燃チャーを含む可燃性
ガスを生成させ、後段の溶融燃焼炉に供給して高温下に
て完全燃焼するとともに灰分を溶融スラグ化し、灰の減
容化を期待するものである。
【0005】このように、流動層炉の生成ガスを後段の
溶融燃焼炉にて完全燃焼させた場合には、高温の燃焼排
ガスにて有効利用を図ることができる。ところが不完全
燃焼させた場合には、流動層炉の生成ガスに多量の資源
化できる有用成分を含むようにすることができ、これを
例えば化学工業用原料としてリサイクル利用することが
可能となる。これがいわゆるケミカルリサイクルの考え
方である。
【0006】このような観点から流動層ガス化炉にて比
較的低温下で一次ガス化し、得られたガス状物を高温酸
化炉へ供給して二次ガス化し、H2(水素)、CO(一
酸化炭素)を主体とする合成ガスを回収することで有用
資源化が図れる。しかし、二次ガス化するために用いら
れる高温酸化炉は1200〜1600℃の高温度下で運
転されるため、その炉壁構造は、一般的には、外表面側
から鉄皮、キャスタブル、レンガ層から構成し、また内
表面にて溶融スラグの層が形成されるようにして炉壁の
保護を図っている。炉の最内面層となる溶融スラグ層は
一定の層厚さを維持して断熱作用をなしつつ、表面部分
でのスラグ溶流が円滑に行われて炉の閉塞等を生じるこ
とがないように調整する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、灰の溶流温
度はそれ自身が何に由来するかによって異なるものの、
ほぼ1100℃以上である。流動層ガス化炉は、アグロ
メ(塊状化)や灰付着の問題を回避するため、灰の軟化
温度以下で運転される(約950℃以下)。高温酸化炉
の炉内平均温度を溶流温度以下で運転しようとすると、
炉内にそれより高い温度(特に中心温度)の部分がある
ため、炉壁での部分的な固化スラグの付着成長や、これ
による反応室出口端のスロート部の閉塞等が起こる可能
性がある。したがって、高温酸化炉では灰を溶流させる
温度である1100℃以上、好ましくは1200℃以上
で運転する必要がある。しかし、炉内平均温度を灰の溶
流温度以上で運転しても、温度分布があることに加えて
灰の種類によって溶流温度が異なるため、溶流性が悪い
と炉壁の特定の場所で成長することがあり、灰の適正な
溶流排出と炉壁の保護を同時に実現することが難しいの
が実状である。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に着目し、二
段ガス化処理に際して、処理される有機性廃棄物の灰分
の溶流温度が高温酸化炉の運転温度と同等程度であって
も、安定したスラグ溶流状態にて高温酸化炉の運転がで
きるようにした廃棄物のガス化処理方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る廃棄物のガス化処理方法は、流動層を
用いたガス化炉に有機性廃棄物を供給して一次ガス化さ
せ、当該流動層ガス化炉にて得られたガス状物を高温酸
化炉へ導入して高温下にて二次ガス化することによりH
2(水素)、CO(一酸化炭素)主体の合成ガスを回収
する廃棄物のガス化処理方法において、粒子の終末速度
が前記流動層ガス化炉のフリーボード部におけるガス流
速以下となるよう粒度調整した塩基性成分に富む灰、お
よび炭酸カルシウム等の灰融点降下剤を添加し、一次ガ
スに同伴させて高温酸化炉に供給し、高温酸化炉反応室
の炉壁に灰コーティング層を円滑に形成させるようにし
たものである。この場合において、前記灰が石炭灰、焼
却灰等の外部から導入したもの、あるいはスラグ粒、溶
融飛灰といった同一系内の回収物を用いるようにすれば
よい。
【0010】
【作用】上記構成によれば、流動層ガス化炉に灰並びに
灰融点降下剤を添加することにより、原料としての有機
性廃棄物中の灰分のアルカリ度が上昇し、同時に添加さ
れた融点効果剤による効果を十分に発揮することができ
る。すなわち、原料中灰分の溶流温度はその組成と相関
があり、塩基性成分の割合が増加すれば溶流温度が低下
するので、上記構成により溶流スラグ層表面の流動性を
確保することができるのである。また、特に灰や灰融点
降下剤などの添加剤の終末速度が、流動層ガス化炉のフ
リーボード部のガス流速以下となるように微粉砕等によ
り粒度調整しているため、添加剤を確実に均一分散して
一次ガスに同伴させて、高温酸化炉に供給されることに
なる。これにより、高温酸化炉内における高温の部分酸
化反応に際し、灰融点を降下させ、溶流スラグの適正な
流動性を確保することができるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る廃棄物のガ
ス化処理方法の具体的実施の形態を図面を参照して詳細
に説明する。図1は実施形態に係る廃棄物のガス化処理
方法が適用されるガス化処理装置のフロー図である。当
該ガス化処理装置は、前段の流動層ガス化炉にて450
〜850℃の比較的低温下で一次ガス化させ、一次ガス
中に微粉化した未燃チャーを同伴させた状態で、後段の
高温酸化炉にて1200〜1600℃で二次ガス化する
ことにより、H2(水素)、CO(一酸化炭素)主体の
合成ガスを生成するようにしている。
【0012】まず、ガス化処理装置に供給される原料と
しては、都市ごみ、下水汚泥、固形化燃料、スラリー化
燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、
自動車廃棄物、廃油などの有機性廃棄物や低品位炭を用
いることができる。有機性廃棄物は、30mm程度に粗
破砕して供給され、固形化燃料、スラリー化燃料、廃油
はそのまま供給される。また、低品位炭は、40mm程
度に破砕して供給される。これらを、ピッ卜にて受入
れ、十分に攪拌・混合した後に、適宜流動層ガス化炉1
0へ供給する。ガス化される廃棄物の性状(発熱量や水
分)によっては、必要に応じて石炭やオイルコークス等
を補助原料として添加することもできる。添加する量は
廃棄物の性状により適宜決定される。こうして予め必要
に応じ破砕された有機性廃棄物12は、ホッパーへ供給
された後に、スクリュー式の定量供給装置14を用いて
流動層ガス化炉10へ供給される。
【0013】上記廃棄物が投入される流動層ガス化炉1
0は、下位の流動層部16と上位のフリーボード部18
から構成され、両者はネック部20を介して連通してい
る。流動層部16には炉底に配置された分散板22上に
砂(硅砂、オリビン砂など)、アルミナ、鉄粉、石灰
石、ドロマイト等の中から流動媒体24として選定され
たものが充填されており、前記分散板22を介して流動
媒体24の層中に流動化ガスを噴出することにより流動
媒体24の流動化を図るようにしている。また、前記分
散板22は中央が突き出た円錐を伏せた形状とされ、流
動化ガスは分散板22の中央部と周辺部とに分別されて
供給される。中央部に供給される流動化ガスの流速は小
さくされ、後述するスクラバ56出口の生成ガスの一部
をリサイクルすることで供給される酸素濃度を希釈す
る。周辺部へ供給される流動化ガスの流速は大きくさ
れ、前記のリサイクルガスを加えてその酸素濃度を中央
部より高くする。これにより、流動媒体24が流動層部
中央にて下降流となり、周辺部にて上昇流となるよう
な、旋回運動を流動層内に生じさせるように設計されて
いる。
【0014】中央部流動化ガスはリサイクルガスの混入
により酸素の濃度が低くされているため、流動層中央部
に下降流として形成される流動層内で生じたタールを含
む発熱量の大きい可燃性ガスは、乾溜に近い条件で熱分
解ガス化された後に、フリーボード部18へ上昇する。
前記中央部流動層において生成した固形物であるチャー
は流動媒体とともに周辺部流動層へ循環輸送され、酸素
濃度が相対的に高い周辺部流動化ガスと接触して部分燃
焼され、CO、CO2主体の可燃性ガスを生じて炉内を
450〜850℃に維持する熱を発生する。こうして流
動層部では一次ガス化によりガス、タール、チャーが生
成するが、温度が低いほどタールとチャ一の生成率は増
加し、ガスの生成率は減少する。廃棄物が一次ガス化さ
れる流動層部の大部分は還元雰囲気であるため、廃棄物
に含まれる金属のうち融点が流動層温度より高いもの
は、未酸化状態の有価金属としてガス化炉の炉底より流
動媒体と共に排出される。したがって、例えばアルミニ
ウムは、流動層温度がアルミニウムの融点である660
℃よりも低い場合は未酸化の金属状態のままで回収され
る。このために流動層炉の炉底部に排出口26が設けら
れている。実用的には流動層温度を500〜600℃と
することにより、不純物に含まれる鉄、銅、アルミニウ
ム等の有価金属を未酸化でクリーンな状態でこの排出口
26から回収できる。同時にこの排出口26から不燃物
とともに排出される流動媒体24の硅砂は、分級により
不燃物を分離後バケットコンベア等を用いて上方へ搬送
し、流動層ガス化炉10に戻すようにする。
【0015】ガス化炉10の流動層部16に投入された
有機性廃棄物は、一次ガス化によりガス、タール、チャ
ーとなり、ガスとタールは、気化して炉内を上昇する。
チャーは部分酸化を受けつつ流動媒体の旋回運動により
微細化される。微細化されたチャーは多孔質で軽いた
め、ガスの上向きの流れに同伴される。流動媒体24に
固い硅砂を用いることで、チャーの粉砕は一層促進され
る。流動層ガス化炉10を出たガス、タール、未燃チャ
ーは次段の高温酸化炉30へ供給され、ここでの高温の
二次ガス化により、CO(一酸化炭素)、H2(水素)
主体の合成ガスを生成するようにしている。
【0016】流動層ガス化炉10の炉頂より排出された
一次ガスは、一次ガス搬送経路32を通じて次段の高温
酸化炉30に供給される。高温酸化炉30の頂部にはバ
ーナが取付けられており、ここで一次ガスとガス化剤と
しての酸素と、更に必要に応じてスチームを炉内に吹込
むことで、1200〜1600℃の高温で二次ガス化を
行うようにしている。高温酸化炉30の上半部は耐火物
で内張りされた反応室34が形成されている。また、高
温酸化炉30の下部には急冷室36が設けられ、反応室
34と急冷室36とはスロート部38で連通している。
急冷室36にはガス急冷用の水を送る水ライン40が開
口され、適宜な水位となるよう水が供給される。反応室
34で発生した二次ガスとスラグは、スロート部38を
通過し、急冷室36内の水中に吹き込まれ、急冷された
ガスは、急冷室36の水面の上方に設けられたガス排出
口42からガスライン44を通ってスクラバ56へ送給
させるようにしている。
【0017】この場合、前記高温酸化炉30への一次ガ
スの供給は、反応室34内で旋回流となるように供給
し、未燃チャーの滞留時間が長くなるようにすることが
望ましい。これにより未燃チャーは炉壁に沿って周回し
つつ下降し、燃焼火炎と炉壁からの輻射熱により酸素と
旋回流中で混合しながら、1200〜1600℃で高速
ガス化する。この二次ガス化に伴い未燃チャーに含まれ
る灰分はスラグミストとなり、旋回流の遠心力により反
応室34の炉壁上の溶融スラグ相に捕捉され、炉壁を流
れ下って急冷室36に入り、急冷室36にて水砕されて
スラグ粒となり、ロックホッパ46を介して外部に排出
され、スクリーン48により、粗粒スラグと微粒スラグ
に分別される。
【0018】このようにして前段の流動層ガス化炉10
による一次ガス化に伴い有価金属を未酸化状態で回収
し、この一次ガスと同伴する未燃チャーを後段の高温酸
化炉30で二次ガス化することができる。後段の高温酸
化炉30では高温ガス化により、炭化水素、タール、チ
ャーは完全に分解され、H2(水素)、CO(一酸化炭
素)、CO2(二酸化炭素)、H2O(水蒸気)から成る
ガスとなる。また、スラグ粒化した灰分は、高温酸化炉
30の炉底より排出される。こうして、有機性廃棄物か
ら有価金属の回収を行うとともに、合成ガスに変換する
ことができる。
【0019】合成ガスを回収するために、前記高温酸化
炉30の急冷室36上部に設けられたガス排出口42
は、ガスライン44によりスクラバ56に接続され、二
次ガス中に含まれる微粒の未反応カーボンや灰分、塩化
水素を除去するようにしている。これは二次ガスを水と
直接接触させてガス中から固形分の分離を図ることによ
り、生成ガスを洗浄するものである。またスクラバ56
の後段には酸性ガス除去装置58が配置され、ここでC
2(二酸化炭素)、H2S(水蒸気)、COS(硫化カ
ルボニル)等の酸性ガスを取り除き、合成ガスとして使
用できるように精製する。さらに精製されたガスはコー
ルドボックス60へ送給されCOを深冷分離すること
で、残存するH2を例えばアンモニア製造設備へ送給す
るようにしている。
【0020】このような二段ガス化装置において、本実
施形態では、前記高温酸化炉30の炉壁構造は、図2に
その一部を示しているように、鉄皮62の内面にキャス
タブル64を張り付け、さらにその内面に耐火レンガ6
6を積層した構成とされ、特に前記キャスタブル64に
は水管68を通して水等の冷却媒体を流通させるように
したボイラ壁構造としている。この構造により、反応室
34側の耐火レンガ表面温度が灰の固化コーティング層
を形成するに必要な温度となるようにしている。
【0021】上記ボイラ壁構造を採用した高温酸化炉3
0に対し、前述したように流動層ガス化炉10から一次
ガスが導入されるが、この一次ガスの高温ガス化の過程
で生じるスラグミストを積極的に前記炉壁に堆積コーテ
ィングすべく、この実施形態では、図1に示すように、
流動層ガス化炉10の近傍に灰バンカ70と灰融点降下
剤タンク72を設置している。灰バンカ70は高温酸化
炉30が必要とする灰を補給するために用いるもので、
特に、この灰は酸化鉄(Fe23)、石灰(CaO)、
マグネシア(MgO)、酸化アルカリ(Na2O、K
2O)などの塩基性成分に富む石炭灰、焼却灰、あるい
はスラグ粒、溶融飛灰などの回収物である。灰の補給量
は高温酸化炉30において灰コーティング層として必要
な厚さに見合う量が確保されればよい。例えば保護層と
して必要な厚さに炉壁の表面積を掛合わせることにより
総量が把握でき、この時間当りの更新分が流動層ガス化
炉10から導入される一次ガスに含まれる廃棄物由来の
灰量と補給灰の総量が見合うように調整すればよい。ま
た、灰融点降下剤タンク72には灰の融点を降下させる
機能を有するCa化合物、Fe化合物等の単一物あるい
は複合物が収容されている。実施形態では炭酸カルシウ
ム(CaCO3)を用いている。
【0022】上記灰バンカ70と灰融点降下剤タンク7
2からそれぞれ塩基性に富んだ灰および炭酸カルシウム
が導出され、これらは微粉砕機74を通じて流動層ガス
化炉10のフリーボード部18に供給するように構成さ
れている。灰および炭酸カルシウムは微粉砕されるが、
特にその終末速度が流動層ガス化炉10のフリーボード
部のガス速度以下となるように一定粒径以下に調整され
る。これはフリーボード部18から排出される一次ガス
に確実に同伴して高温酸化炉30に定量供給するための
ものであり、灰および炭酸カルシウムがフリーボード部
18にて生成ガス中に均一分散され、高温下で部分酸化
時に確実に灰の融点を降下するべく機能させている。
【0023】このような実施形態では、補給用灰と灰融
点降下剤が一次ガスとともに、高温酸化炉30へ供給さ
れるため、反応室34での灰の挙動は次のようになる。
高温酸化炉30への一次ガスの供給によって、チャーを
含む一次ガスはガス化剤としての酸素ガスと接触して高
温酸化され、未分解のチャーは炉壁に沿って周回しなが
ら下降し、1200〜1600℃の高温雰囲気中でガス
化する。こうしてほとんど全ての灰分は溶融してスラグ
ミストとなり、旋回流による遠心力のため反応室34の
炉壁上の溶融スラグ相に捕捉され、炉壁を流れ下って急
冷室36に入る。炉壁は水管68により耐火レンガ66
の表層温度が灰固化温度となるように冷却されているた
め、堆積灰の層厚方向における温度分布は大略固化温度
からガス化温度までの温度勾配をもつことになる。した
がって灰層には炉壁内面に付着堆積されている固化灰コ
ーティング層76と、この固化灰コーティング層76の
炉内側にて液状流動化された溶融灰コーティング層78
が形成される。両層76、78の中間には境界層80が
形成される。こうして耐火レンガ66は固化灰コーティ
ング層に覆われて保護される。
【0024】高温酸化炉30における二次ガス化は高速
の反応であるため、前段の流動層ガス化炉10での原料
廃棄物の組成変動等に起因して、炉内温度が変動し易
い。一次ガスの組成変動により高温酸化炉30内温度が
1600℃近くに上昇しても、灰堆積層の温度勾配が強
くなるために、灰の堆積量は減少するものの、炉壁は水
管68により冷却されているため、耐火レンガ66の表
面は固化灰コーティング層76に覆われて保護される。
逆に炉内温度が1200℃近くに低下しても、灰の堆積
層の温度勾配が緩くなるために灰の堆積量は増大する
が、耐火レンガ66の表面が固化灰コーティング層76
によって覆われて保護されることには変わりがないので
ある。これによってセルフコーティング作用が得られ、
高温酸化炉30での堆積灰による炉壁保護が確保され、
炉壁が腐食性ガス成分や溶融スラグによりアタックを受
けて損傷するようなことを未然に防止できる。
【0025】また、一次ガスにはアルカリ度の高い灰と
ともに、炭酸カルシウムなどの灰融点降下剤が混入され
分散状態で高温酸化炉30に導入される。これらはチャ
ー燃焼に伴って発生するスラグ中に混入してその融点を
下げる効果を有する。反応室34の炉壁上の溶融スラグ
相は溶流して下降するが、炭酸カルシウムの添加により
粘度が低下しているため、その流動は滑らかとなり、炉
壁を速やかに流れ下って急冷室36に入ることになる。
この溶融灰コーティング層の表面流動性が高いので、急
冷室36に入る際のスロート部38での閉塞を確実に防
止できる。
【0026】したがって、本実施形態では、高温酸化炉
30に導入される一次ガス中に塩基性成分に富む石炭灰
と灰融点降下剤の炭酸カルシウムを流動層ガス化炉10
に供給するとともに、それらの粒子の終末速度がフリー
ボード部18におけるガス流速以下となるように粒度調
整して供給するようにしているため、高温酸化炉30の
炉壁に形成される溶融灰コーティング層の流動性を高め
つつ、固化灰コーティング層のセルフコーティング作用
により、炉壁の保護を図ることができるという顕著な作
用を有することができる。
【0027】また、本実施形態では、高温酸化炉の反応
温度を引き下げられることから、灰融点を降下させるこ
とで高温酸化炉30の炉内反応温度を低くすることがで
き、結果として酸化剤としての酸素ガスの消費量を低減
することができる。更にこれにより、高温酸化炉30か
ら発生する有用ガス成分(H2、CO)の単位発生量当
たりの原料有機性廃棄物の消費量を低減できる。この結
果、酸化剤原料の原単位が向上でき、ガス化効率の向上
につながる。また、炉内反応温度を低下させることで炉
壁耐火レンガの熱アタックが軽減され、レンガの寿命を
延ばすことができる。
【0028】なお、上記実施形態では灰および灰融点降
下剤を流動層ガス化炉10のフリーボード部18へ導入
するように構成しているが、流動層部16へ直接供給し
ても、また原料廃棄物中に混入させてもよい。また、高
温酸化炉30の炉壁構造がボイラ壁構造となっていない
場合にでも適用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
流動層を用いたガス化炉に有機性廃棄物を供給して一次
ガス化させ、当該流動層ガス化炉にて得られたガス状物
を高温酸化炉へ導入して高温下にて二次ガス化すること
により有用ガスを回収する廃棄物のガス化処理方法にお
いて、粒子の終末速度が前記流動層ガス化炉のフリーボ
ード部におけるガス流速以下となるよう粒度調整した塩
基性成分に富む灰、スラグ等、および炭酸カルシウム等
の灰融点降下剤を添加し、一次ガスに同伴させて高温酸
化炉の炉壁に灰コーティング層を円滑に形成せしめるよ
うに構成したので、流動層ガス化炉フリーボード部へ供
給された灰、スラグ等や融点効果剤は、流動層ガス化炉
から排出される一次ガスに同伴されることにより、確実
にしかも定量的に高温酸化炉へ導入させることができ
る。これにより耐火レンガの保護を確実にするとともに
反応室出口のスロート部での閉塞等を防止し、特に灰の
含有量が廃棄物の種類によって異なることに起因して溶
流不足が生じないようにすることで炉壁の保護を図るこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る廃棄物のガス化処理装
置のフロー図である。
【図2】実施形態に用いたガス化処理装置の高温酸化炉
の炉壁要部断面図である。
【符号の説明】
10 流動層ガス化炉 12 有機性廃棄物 14 定量供給装置 16 流動層部 18 フリーボード部 20 ネック部 22 分散板 24 流動媒体(硅砂) 26 排出口 30 高温酸化炉 32 一次ガス搬送経路 34 反応室 36 急冷室 38 スロート部 40 水ライン 42 ガス排出口 44 ガスライン 46 ロックホッパ 48 スクリーン 56 スクラバ 58 酸性ガス除去装置 60 コールドボックス 62 鉄皮 64 キャスタブル 66 耐火レンガ 68 水管 70 石炭灰バンカ 72 灰融点降下剤タンク 74 微粉砕機 76 固化灰コーティング層 78 溶流灰コーティング層 80 境界層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤並 晶作 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層を用いたガス化炉に有機性廃棄物
    を供給して一次ガス化させ、当該流動層ガス化炉にて得
    られたガス状物を高温酸化炉へ導入して高温下にて二次
    ガス化することにより有用ガスを回収する廃棄物のガス
    化処理方法において、粒子の終末速度が前記流動層ガス
    化炉のフリーボード部におけるガス流速以下となるよう
    粒度調整した塩基性成分に富む灰、および炭酸カルシウ
    ム等の灰融点降下剤を添加し、一次ガスに同伴させて高
    温酸化炉の炉壁に灰コーティング層を円滑に形成せしめ
    ることを特徴とする廃棄物のガス化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記灰が石炭灰、焼却灰等の外部から導
    入したもの、あるいはスラグ粒、溶融飛灰といった同一
    系内の回収物であることを特徴とする請求項1に記載の
    廃棄物のガス化処理方法。
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