JP2020003193A - 流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法、及び焼却処理設備 - Google Patents

流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法、及び焼却処理設備 Download PDF

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Abstract

【課題】脱水汚泥を流動層焼却炉により840℃〜900℃で焼却する場合に、排ガスに同伴されるダストの排ガス流路での焼結によって排ガス流路の詰りや損傷、折損等が生じることを防止するため、汚泥に添加する焼結抑制剤としてのCa化合物の添加量を調整するにあたり、大幅なタイミングの遅れを生じることなくタイムリーに焼結抑制剤の添加量を適切に調整することができるようにし、過剰な焼結抑制剤の添加をなくすことを課題とする。【解決手段】予めCa化合物を添加しない状態もしくは少量添加した状態での流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を測定し、その濃度を硫黄酸化物参照濃度と定めておき、Ca化合物を添加しながら流動層焼却炉での脱水汚泥の焼却を行うにあたり、流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視し、監視された硫黄酸化物濃度と硫黄酸化物参照濃度との相対的な関係に応じて、焼結抑制剤添加量を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、リンを多量に含有する下水汚泥を、流動層焼却炉によって焼却処理する方法、およびその汚泥焼却処理方法を実施するための焼却処理設備に関するものである。
周知のように、生活排水などの下水を処理するための方法としては、一般に図3に示すようなプロセスが適用されている。すなわち、概略的には、下水を浄化処理するとともに、汚泥を下水から分離、取り出すための水処理工程1と、水処理工程1で分離、取り出された汚泥を濃縮、脱水して脱水汚泥とする汚泥処理工程3と、脱水汚泥を焼却炉により焼却する汚泥焼却工程5とを有している。
ここで、前記水処理工程1における水浄化処理方法としては、一般には微生物を利用した活性汚泥法を適用するのが通常であり、またそれにいくつかの処理方法を組み合わせるのが通常である。また汚泥焼却工程5では、流動層焼却炉を用いることが多い。
下水を処理するための具体的なプロセスの代表的な例として、生汚泥と余剰汚泥を混合して、得られた混合汚泥を脱水し、流動層焼却炉による焼却に付すプロセスの具体的な全体構成の一例を図4に示す。
図4の例における水処理工程1では、外部からの流入下水10は、先ず沈砂池11に流入し、大きなゴミや土砂が除去された後、最初沈殿池12に流入し、初沈汚泥(生汚泥に相当する)と上澄み水とに物理的に分離され、その上澄み水(排水)は、反応槽13に流入して、活性汚泥法による浄水化がなされる。すなわち、排水に、微生物を含む活性汚泥が、送風機14からの空気によるエアレーションによって混合、曝気され、排水中の有機物が分解される。さらにその反応槽13からの活性汚泥と混合した排水は、最終沈殿池15に流入し、活性汚泥と排水とが物理的に分離され、活性汚泥は反応タンクに戻され、その一部は余剰汚泥として引き抜かれる。そして最終沈殿池15からの上澄み水は、浄化済の水(浄化水)16として放流されたり、あるいはさらに高度処理が施されたりしてから放流される。
また汚泥処理工程3では、最初沈殿池12から引き抜かれた生汚泥(初沈汚泥)を、生汚泥濃縮手段としての例えば重力濃縮槽31において沈殿させ、その重力濃縮槽31における沈殿物(濃縮生汚泥)を、生汚泥受槽32を経て、後述する混合槽33に送給する。一方、最終沈殿池15で沈殿された活性汚泥の一部は余剰汚泥として、最終沈殿池15から引き抜かれ、余剰汚泥貯留槽34を経て、余剰汚泥濃縮手段としての例えば遠心濃縮機35に送られ、この遠心濃縮機35で水と分離された濃縮余剰汚泥は、混合槽33に送られる。そして、混合槽33で濃縮生汚泥と濃縮余剰汚泥が混合されて混合汚泥となり、その混合汚泥は、例えば混合汚泥貯留槽36及び濃縮混和槽37を介して例えばベルトプレス脱水機などの脱水機38に供給される。そして脱水機38により脱水されて、ある程度固化した状態、例えばケーキ状等となった状態で、圧送ポンプや搬送コンベヤなどの送給装置39によって、脱水汚泥として次の汚泥焼却工程5に送られる。
汚泥焼却工程5は、砂などの流動媒体に熱風を吹き込んで流動層(流動床)を形成し、その流動層中で脱水汚泥を加熱し、焼却する流動層焼却炉51を備えている。この流動層焼却炉51は、ブロア52から空気予熱器53で加熱された高温の空気(熱風)が下部(流動床の下側)から吹き込まれるように構成されている。なお、運転状況によっては、熱風発生炉54で高温の空気を更に加熱することもある。そして、汚泥処理工程3の送給装置39から送給された脱水汚泥が、定量フィーダや投入コンベヤ、投入ポンプなどの供給機55によって流動層焼却炉51内に供給され、焼却される。このとき、焼却灰(焼却残渣物質;ダスト)が、排ガスとともに流動層焼却炉51の頂部から排出され、煙道56を通って空気予熱器53に導かれる。空気予熱器53は、ブロア52からの空気と流動層焼却炉51の排ガスとを熱交換して、ブロア52からの空気を予熱する。一方空気予熱器53を通過した流動層焼却炉51からの排ガスは、集塵機57に導かれてダスト(焼却灰)が除去され、さらに必要に応じて図示しない冷却吸収塔などを経て大気中に放出される。また、集塵機57で補集された焼却灰は、必要に応じてリン回収設備に供給されて、有効活用される。
前述のように流動層焼却炉を用いた汚泥焼却工程5においては、流動層焼却炉の排出口からは、焼却灰(ダスト)が排ガスに同伴して排出される。そのため、流動層焼却炉の排出側の煙道や、熱交換器である空気予熱器付近において、焼却灰が付着して、粘着性を有する状態で堆積してしまい、その結果、煙道での排ガスの流れが阻止されてしまったり、空気予熱器の例えばヘッダー部分において詰りが生じてしまうことがある。その場合には、安定した連続操業を続けられなくなってしまい、また空気予熱器の損傷を招いたりしてしまう。
ここで、空気予熱器は、流動層焼却炉から排出された高温の排ガス(ダスト同伴)と、流動層焼却炉内に砂などの流動媒体を流動させるために吹き込む空気とを熱交換するための熱交換器を構成している。空気予熱器の一例を図5に示す。
図5において空気予熱器53は、その上端部に、水平な上部管板53Aによって区分される上部ヘッダー室53Bが形成され、また下端部に、水平な下部管板53Cによって区分される下部ヘッダー室53Dが形成されている。上部管板53Aと下部管板53Cとの間には、多数の管体(排ガス流通管)53Eが、間隔を置いて鉛直方向に沿ってされ、その多数の排ガス流通管53Eの上端開口部分53F及び下端開口部分53Gが、それぞれ上部管板53A、下部管板53Cに溶接接合されている。そして上部管板53Aと下部管板53Cとの間における各排ガス流通管53Eの間及び周囲が、空気流通空間53Hとされている。
このような空気予熱器53において、流動層焼却炉51の排ガス排出口51aから排出された高温のダスト同伴排ガスは、煙道56を経て上部ヘッダー室53Bに導入され、多数の排ガス流通管53Eを通って下部ヘッダー室53Dから排出され、前述の集塵機に導かれる。一方、予熱すべき空気は、各排ガス流通管53Eの間及び周囲の空気流通空間53Hを流れ、その間に各排ガス流通管53Eからの熱によって予熱される。
ここで、流動層焼却炉51から煙道56を経て上部管板53B内に導かれたダスト同伴排ガスは、上部ヘッダー室53Bから多数の排ガス流通管53E内に、上部管板53Aに開口している上端開口部分53Fを経て流入することになる。そしてその際には、上部管板53Aにおける開口部分53F付近に、焼却灰(ダスト)が付着・堆積しやすい。そして堆積物が成長すれば、その開口部分53Fに詰りが生じ、排ガスが排ガス流通管53Eに流入しなくなることがある。
またここで、このような詰りは、均一に生じるのではなく、一部の排ガス流通管の開口部分に生じることが多い。その場合、詰りが生じた排ガス流通管53Eは、高温の排ガスが流通しないため高温とはならず、したがって高温の排ガスに接している上部管板53Aとの温度差が大きくなり、また詰りの位置によっては下部管板53Cとの温度差も大きくなり、それらに伴う熱膨張差によって排ガス流通管53Eの上端開口部分と上部管板53Aとの接合箇所や、下部管板53Cと排ガス流通管53Eの下端開口部分との接合箇所に亀裂が発生してしまい、空気漏れが生じるばかりでなく、排ガス流通管の折損、破壊が生じてしまう。
以上のような事情から、流動層焼却設備を安定して連続運転させ、かつ空気予熱器などの機器の損傷、破壊を防止するために、流動層焼却炉からの焼却灰の付着・堆積を防止する方法の確立が強く望まれている。
ところで、汚泥焼却灰が流動層焼却炉の出側の煙道や空気予熱器において付着・堆積する現象は、流動層焼却炉内で焼却灰の少なくとも一部が溶融して粘着性が生じ、その粘着性を示すようになった焼却灰が流動層焼却炉の出側で排ガス流路壁面などに付着し、さらに焼却灰粒子同士が粘着して、堆積してしまうためと考えられている。なお、このように少なくとも一部が溶融して粘着性を生じた焼却灰は、その後、いわゆる焼結により固化された状態となる。したがって、焼却炉の運転を停止させた状態で焼却灰の堆積物を観察すれば、その堆積物は焼結された固化状態で観察されることになる。本明細書中でも、焼却灰堆積物が固化されることを「焼結される」と称し、またその固化された焼却灰堆積物を「焼結物」と称することがある。
ところで、一般に汚泥焼却灰の溶融・焼結の管理においては、塩基度(CaO/SiO)という概念が用いられており、その塩基度(CaO/SiO)によって焼却すべき汚泥を管理することが考えられている。しかしながら、塩基成分や酸(酸化物)成分が多様でかつその成分比も大きく変化する下水汚泥の焼却においては、CaO/SiOによる管理では、実操業上は焼却灰の溶融挙動を適切に制御して、前述のような焼却炉出口側での焼却灰の付着、堆積による問題を解決することは困難であった。
特に下水汚泥中のリン濃度が高く、かつ流動層焼却炉における焼却温度が840℃程度以上(900℃程度以下)の場合には、上記の問題を安定的に、しかも安価に解決することは困難であった。すなわち、地球温暖化防止やその他の環境問題の観点から、焼却炉からの排ガスに、温室効果ガスであるNOができるだけ含まれないことが望まれ、そのためには、流動層焼却炉における焼却温度を840℃程度以上、望ましくは850℃以上とすることが望まれる。なお、焼却炉の内壁部材や、焼却炉出口のダクトの耐熱性などから、840℃以上であっても一般には900℃以下の温度域が最適である。
しかるに、このような840〜900℃の温度域で流動層焼却炉を運転した場合、それより低温で運転した場合と比較して、焼却灰の付着、堆積による問題が発生する頻度が格段に高くなることが本発明者等の経験で明らかとなっている。しかしながら、前述のような従来の一般的な塩基度(CaO/SiO)による管理では、840〜900℃の温度域での運転時における焼却灰の付着、堆積による詰りなどを確実かつ安定的に、しかも安価に防止することは困難であった。
そこで、塩基度(CaO/SiO)に代わる指標を用い、その指標に基いて、840〜900℃の温度域で流動層焼却炉を運転した場合の、流動層焼却炉における出口側での焼却灰の付着、堆積を確実かつ安定して防止するための方法として、本出願人等は、既に特許文献1に記載の方法を提案している。
すなわち特許文献1の方法においては、下水汚泥の焼却処理方法として、少なくとも余剰汚泥を含む脱水汚泥を、流動層焼却炉により840〜900℃の範囲内の温度で焼却処理するにあたり、流動層焼却炉に供給される脱水汚泥中の各成分のうちのNa、K、Ca、Mg、Al、Feのそれぞれの含有量と、Pの含有量とから下記の(1)式によって求められるX1の値が1.0以上となるように、流動層焼却炉で焼却される脱水汚泥の成分を調整することを特徴とするものである。
X1={Na(mol)+K(mol)+Ca(mol×2)+Mg(mol×2)+Al(mol×3)+Fe(mol×3)}/P(mol×3)・・・・・・(1)
また特許文献1では、上記の流動層焼却炉に供給される脱水汚泥の成分調整に関して、流動層焼却炉に供給される脱水汚泥中のNa、K、Ca、Mg、Al、Feのそれぞれの含有量と、Pの含有量とを、脱水汚泥を流動層焼却炉に供給する前に分析して、前記(1)式によってX1の値を求め、そのX1の値が1.0以上となるように、流動層焼却炉で焼却される脱水汚泥の成分を調整することを提案している。
さらに特許文献1では、前記X1の値が1.0未満である場合に、前記脱水汚泥を、少なくともFeイオン、Alイオン、Caイオンのうちのいずれか1種以上を含有する塩基物質の添加もしくは増量によって調整することを提案している。
なお脱水汚泥の成分調整のために添加する塩基物質、例えばFeイオンを含有する塩基物質(鉄塩)としては、ポリ硫酸第二鉄(以下「ポリ鉄」と記す)、硫酸第一鉄、塩化鉄のいずれかを用いることが望ましく、またAlイオンを含有する塩基物質(アルミニウム塩)としては、ポリ塩化アルミニウム(以下「PAC」と記す)、塩化アルミニウムを用いることが望ましく、特にポリ鉄やPACが望ましいとされている。またCaイオンを含有する塩基物質、例えばCa(0H)(水酸化カルシウム:消石灰)やCaCO(炭酸カルシウム)、CaO(酸化カルシウム:生石灰)などのカルシウム化合物を添加することも有効であるとされている。
特許文献1の方法を実施するためのプロセスフローの具体例を図6に示す。
図6において、図4に示した構成における工程、要素と同一の工程、要素については、図6と同一の符号を付している。図6の構成が、図4の構成と異なる点は、脱水汚泥について、サンプリングして分析し、さらに評価値X1を算出するための分析・評価工程7が付加されている点、及び塩基物質を添加する添加ポイントQ1〜Q8が示されている点である。なおこれらの添加ポイントQ1〜Q8のすべてにおいて塩基物質を添加するというものではなく、1または2以上の添加ポイントを選択して塩基物質を添加すればよく、これらの添加ポイントQ1〜Q8のうちの1又は2以上の箇所に、塩基物質添加装置が設けられていればよい。
前記分析・評価工程7は、設備的には、脱水汚泥から分析用試料をサンプリングするサンプリング手段71と、サンプリングされた試料の成分を分析する分析装置72と、その分析装置7によって分析された各成分の量から、前記(1)式による評価値X1を算出する演算装置73を備えている。そして演算装置73により得られた評価値X1に応じて、その評価値X1が1.0未満の場合(あるいは1.05未満の場合)には、添加ポイントQ1〜Q8のいずれか1以上のポイントにおいて、焼結抑制剤として塩基物質を添加することとされている。
ここで、添加ポイントQ1〜Q6においては、添加する塩基物質としてPACで代表されるアルミニウム塩や、ポリ鉄で代表される鉄塩等を用いることが望ましいとされているが、添加ポイントQ7、Q8においては、Caイオンを含有する塩基性のカルシウム化合物を添加する塩基物質として用いることが望ましいとされている。
すなわち、添加ポイントQ7は、汚泥処理工程3において、脱水機38により脱水された汚泥(脱水汚泥)を、汚泥焼却工程5の流動層焼却炉51に向けて送給するための例えば圧送ポンプや搬送コンベヤなどの送給装置39において、脱水汚泥に塩基物質を添加するポイントである。したがって添加ポイントQ7における添加によって、流動層焼却炉51に供給される前の脱水混合汚泥に塩基物資が添加されることになるが、この添加ポイントQ7では、添加する塩基物質としては、例えばCa(OH)(水酸化カルシウム:消石灰)やCaCO(炭酸カルシウム)を添加することが望ましいとされている。またこの場合、Ca(OH)もしくはCaCOはスラリー状態で脱水混合汚泥に添加(例えば散布あるいは塗布)することが望ましいとされている。
また添加ポイントQ8は、汚泥焼却工程5における流動層焼却炉51内に脱水汚泥を供給すると同時に、流動層焼却炉51内に塩基物質を吹き込むポイントである。この添加ポイントQ8では、カルシウム化合物として、例えばCa(OH)(水酸化カルシウム:消石灰)、CaO(酸化カルシウム:生石灰)やCaCO(炭酸カルシウム)を用い、粉末の形態で流動層焼結里51内に供給することが望ましいとされている。
このように塩基としてカルシウム化合物を添加して脱水汚泥を高温(840℃程度以上900℃程度以下)で焼却すれば、そのカルシウム化合物がりんと反応して、りん酸カルシウム系化合物が生成される。このりん酸カルシウム系化合物は、その融点が高く、例えばメタりん酸カルシウム(Ca(POでは融点が約975℃であって、排ガス温度(840℃程度以上900℃程度以下)よりも高いため、排ガス経路において溶融して付着、堆積すること、すなわち焼結することがない。
なお以下では、塩基性物質のカルシウム化合物を添加することによって、900℃を越える高融点のりん酸カルシウム化合物が生成される反応を、焼結抑制反応と称し、またカルシウム化合物の添加によって焼結が抑制される効果を焼結抑制効果と称する。
特許第5711348号公報
特許文献1に記載の方法では、次のような問題があった。
すなわち、生汚泥と混合汚泥とを混合した混合汚泥を脱水し、脱水汚泥(脱水ケーキ)として焼却処理する場合、脱水汚泥(脱水ケーキ)から分析サンプルを採取して、Pのほか、Na、K、Ca、Mg、Al、Feの各成分を分析し、その分析値に基づいて、前記式(1)で示される指標値X1を算出し、その指標値に応じてポリ鉄やカルシウム化合物などの塩基物質(焼結抑制剤)の添加量を調整することとされている。
しかるに、PのほかNa等の多数の成分を分析するためには、長時間を要する。そのため、脱水汚泥サンプルの採取を行って、多数の成分の分析を経て指標値を算出し、さらに焼結抑制剤の調整を行うまでには長時間を要する。
そのため、脱水ケーキの比較的短時間の成分変化には、直ちに対応することができなかった。すなわち各成分の分析値に基づいて適切な指標値となるように焼結抑制剤の量を調整しても、サンプルを採取した時点以降の比較的短時間に成分変動があった場合、とりわけ指標値が下がる方向に成分変動があった場合には、塩基物質の添加量が不足して、十分な焼結抑制の効果が得られず、焼結が生じてしまうおそれがあった。
したがって、焼結を確実に抑制するためには、サンプル採取から、成分分析を経て焼結抑制剤の添加もしくは増加までのタイミングの遅れを見込んで、過剰に焼結抑制剤を添加せざるを得なかった。すなわち、上記のタイミング遅れ期間中に焼却される混合汚泥ケーキの指標値を確実に1.0以上に維持して、その期間でも焼結を確実に抑制するために、前記分析値に基いて必要と算出される焼結抑制剤添加量よりも、多量に焼結抑制剤を添加するのが通常であった。
しかしながらその場合、真に必要とされる量よりも焼結抑制剤を多量に消費せざるを得ず、汚泥焼却処理のランニングコストが高くならざるを得ないという問題があった。また多量の焼結抑制剤を添加するため、焼却炉から排ガスとともに排出されるダストの量も多くならざるを得ないという問題もあった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、脱水汚泥を流動層焼却炉によって840℃以上、900℃以下の温度で焼却する場合において、排ガスに同伴されるダスト(焼却灰)の、焼却炉出側の排ガス流路での焼結(付着、堆積)によって排ガス流路の詰りや損傷、折損等が生じることを防止するために、汚泥に添加する焼結抑制剤(塩基物質)の添加量、とりわけ塩基性のカルシウム化合物の添加量を調整するにあたり、大幅なタイミングの遅れを生じることなくタイムリーに、焼結抑制剤の添加量を過不足なく適切に調整することができるようにし、これにより過剰な量の焼結抑制剤を添加する必要をなくして、焼結抑制剤の消費量の低減、さらにはダスト量の低減を図り、もって汚泥焼却コストの低減を図ることを課題としている。
特許文献1に示されるように、塩基物質としてカルシウム化合物、例えば炭酸カルシウムを脱水汚泥とともに流動層焼却炉に添加すれば、焼結抑制反応として高融点のりん酸カルシウム化合物が生成されて、流動層焼却炉の排ガス出側において焼結が生じにくくなることが知られている。
ところでCaイオンを含む塩基性のカルシウム化合物、例えば炭酸カルシウムを脱水汚泥とともに焼却炉に添加すれば、脱硫反応も生じることが知られている。すなわち脱水汚泥には、焼却排ガス中においてSO、SO2、SOなどの硫黄酸化物(SO)を生成するもととなるS(硫黄)成分が含まれるのが通常であるが、このような汚泥とともに焼却炉にCaイオンを含む塩基性のカルシウム化合物を供給すれば、硫黄酸化物はカルシウム化合物と反応し、硫酸カルシウム(CaSO)として除去される。すなわち脱硫反応が生じる。
そこで本発明者等が、流動層焼却炉にカルシウム化合物を脱水汚泥とともに供給した場合における焼却炉内での焼結抑制反応と脱硫反応について調べたところ、汚泥中の成分との反応としては、炉内で脱硫反応よりも焼結抑制反応が優先されることが判明した。
すなわち焼結抑制反応は、脱水汚泥に対するカルシウム化合物添加量が比較的少量でも生じるが、脱硫反応は、少量のカルシウム化合物添加では十分に進行せず、ある程度多量のカルシウム化化合物が添加されなければ進行しないことが判明した。言い換えれば、脱硫反応が進行するようなカルシウム化合物添加量は、焼結抑制反応には過剰な量であると考えられる。また一方、逆に脱硫反応が進行する程度以上にカルシウム化合物添加量を増量すれば、焼結抑制効果は飽和することが判明した。
このような現象に着目し、本発明者らは、焼結抑制剤としてカルシウム化合物を添加した場合、排ガス中の硫黄酸化物濃度が、焼結抑制反応の進行程度の指標となるのではないかと考え、実際に実験を重ねた結果、排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視することによって、焼結抑制反応の進行の程度を把握し得ることを見出した。
一方、通常の汚泥焼却処理設備では、焼却炉からの排ガス経路の最終端付近に脱硫機能を備えた排ガス洗浄装置(例えば湿式スクラバ)が設置されていて、この湿式スクラバにおいて脱硫を行うのが一般的であるから、焼却炉内において脱硫反応が十分に進行していなくても、焼却炉の出側からの排ガス経路で脱硫を行うことができる。したがって、焼却炉内では、カルシウム化合物の添加による反応としては、脱硫反応を実質的に進行させずに、焼結抑制反応だけを反応させれば足りると考えられる。
そしてこのことから、焼結抑制剤としてのカルシウム化合物を添加しない状態もしくは少量だけ添加した状態で汚泥を焼却している状態での排ガス中の硫黄酸化物濃度を参照濃度(ブランク値)としておき、カルシウム化合物を添加しながら焼却処理を行っている実運転時での排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視して、その監視された濃度の値と参照濃度の値との関係(例えばそれらの濃度比もしくは濃度差)に応じてカルシウム化合物の添加量を調整することによって、過剰にカルシウム化合物を添加することなく、適切な添加量で焼結を防止し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明の基本的な態様(第1の態様)の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法は、
少なくとも余剰汚泥を含む脱水汚泥を、流動層焼却炉により焼却処理するにあたり、塩基性物質であるカルシウム化合物を焼結抑制剤として流動層焼却炉に添加しながら脱水汚泥を流動層焼却炉にて焼却処理する下水汚泥の焼却処理方法において、
予め、前記焼結抑制剤を添加しない状態もしくは少量添加した状態での流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を測定して、その濃度を硫黄酸化物参照濃度(Co)と定めておき、
前記焼結抑制剤を添加しながら流動層焼却炉での脱水汚泥の焼却を行うにあたり、流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視し、その監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との相対的な関係に応じて、前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする。
また本発明の第2の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法は、前記第1の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
前記焼結抑制剤の添加量を調整するにあたり、前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との比の値に応じて、前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とすることを特徴とする。
また本発明の第3の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法は、前記第2の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との比(Cm/Co)の値が、予め定めた値より小さくならないように前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする。
また本発明の第4の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法は、前記第1の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
前記焼結抑制剤の添加量を調整するにあたり、前記硫黄酸化物参照濃度(Co)と前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)との差の値に応じて、前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする。
また本発明の第5の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法は、前記第4の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
前記硫黄酸化物参照濃度(Co)と前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)との差(Co−Cm)の値が、予め定めた値より大きくならないように前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする。
また本発明の第6の態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法は、前記第1〜第5のいずれかの態様の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
前記流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視するにあたり、流動層焼却炉の排ガス経路に設置された脱硫装置よりも流動層焼却炉に近い位置で、硫黄酸化物濃度を監視することを特徴とする。
さらに以下の態様は、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理設備についての態様である。
すなわち本発明の第7の態様の焼却処理設備は、
少なくとも余剰汚泥を含む脱水汚泥を焼却処理するための流動層焼却炉と、
塩基性物質であるカルシウム化合物を焼結抑制剤として流動層焼却炉に添加するための焼結抑制剤添加部と、
前記焼結抑制剤添加部による流動層焼却炉への焼結抑制剤添加量を調整するための焼結抑制剤添加量調整装置と、
流動層焼却炉の排ガス経路に設置された、排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視するための硫黄酸化物濃度測定装置と、
前記硫黄酸化物濃度測定装置により監視された硫黄酸化物濃度と、予め定められた硫黄酸化物参照濃度との相対的な関係に応じて前記焼結抑制剤添加量調整装置を制御するための制御装置と
を有することを特徴とする。
また本発明の第8の態様の焼却処理設備は、前記第7の態様の焼却処理設備において、
さらに、前記流動層焼却炉の排ガス経路に脱硫装置が設置されており、前記硫黄酸化物濃度測定装置が、前記排ガス経路における脱硫装置よりも流動層焼却炉に近い位置に設置されていることを特徴とする。
下水処理における脱水汚泥を流動層焼却炉によって、例えば840℃以上、900℃以下の温度で焼却する場合において、排ガスに同伴されるダスト(焼却灰)の、焼却炉出側の排ガス流路での焼結(付着、堆積)によって排ガス流路の詰りや損傷、折損等が生じることを防止するために、脱水汚泥に添加する焼結抑制剤(塩基物質)の添加量、とりわけ塩基性のカルシウム化合物の添加量を調整するにあたり、大幅なタイミングの遅れを生じることなくタイムリーに、焼結抑制剤の添加量を過不足なく適切に調整することができるようにし、これにより過剰な量の焼結抑制剤を添加する必要をなくして、焼結抑制剤の消費量の低減、さらにはダスト量の低減を図り、もって汚泥焼却コストの低減を図ることができる。
本発明の下水汚泥の焼却処理方法を組み入れた下水処理方法を実施するプロセスの全体を概略的に示すフロー図である。 実施例における実験結果の一部を示すグラフである。 従来の一般的な下水処理方法の一例の概要を示すフロー図である。 従来の下水処理方法のより具体的な構成を模式的に示すフロー図である。 流動層焼却炉からの焼却排ガスを用いて、流動層焼却炉に送り込む空気を予熱するための予熱器の概略を示す縦断面図である。 特許文献1の下水処理方法を実施するプロセスの全体を概略的に示すフロー図である。
以下に、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
〔本発明の一実施形態の概要〕
本発明の下水汚泥の焼却処理方法を実施するための焼却設備100の一例を図1に示す。なお図1に示す焼却設備100は、図4に示したフロー図における汚泥焼却工程5の設備に相当する。そして、図1に示す焼却設備100を組み込んだ下水汚泥処理方法を実施するための下水処理設備の全体的な構成のうち、焼却設備100以外の部分は、例えば図4に示した構成と同様であればよい。そこで、以下では、焼結設備100以外の要素については、その説明を省略して、図4と同じ符号を用いることとする。
図1において、図4に示した脱水機38から送給装置39を経て、脱水汚泥102が焼却設備100に送り込まれる。この脱水汚泥は、図4を参照して説明したように、余剰汚泥と生汚泥とが混合された混合汚泥を脱水したものであり、またこの脱水汚泥には、Pが多量に含まれるとともに、焼却排ガス中でSO、SO、SOなどの硫黄酸化物(SOx)を生成するもととなるS(硫黄)が含まれているのが通常である。
焼却設備100に送り込まれた脱水汚泥102は、ニーダーなどの混合機104において、焼結抑制剤としての、Caイオンを含む塩基性のカルシウム化合物、例えば炭酸カルシウム106と混合される。ここで、炭酸カルシウム106は、水に懸濁させたスラリーもしくは粉末として、炭酸カルシウム供給源108から流量調整弁などの焼結抑制剤添加量調整装置110を経て混合機104に供給され、脱水汚泥に添加、混合される。ここで、焼結抑制剤添加量調整装置110は、記憶部及び演算部を有する(あるいは別途記憶部及び演算部を接続した)添加量制御装置140によって制御されて、脱水汚泥に対する炭酸カルシウム106の添加量が調整される。
混合機104において炭酸カルシウムが添加混合された脱水汚泥は、例えば気泡式の流動層焼却炉112内に、汚泥供給口112Aから供給される。流動層焼却炉112は、砂などの流動媒体に高温の燃焼用空気(熱風)114を吹き込んで流動層(流動床)を形成し、その流動層中で脱水汚泥を加熱し、焼却するものである。燃焼用空気は、燃焼用空気ブロア116から圧送されて、燃焼空気用予熱器118において後述する排ガス120と熱交換されて840〜900℃程度の高温に予熱され、流動層焼却炉112の下部の燃焼用空気吹き込み口112Bから流動層焼却炉112内に吹き込まれる。なお流動層焼却炉の具体的な方式としては、一般に気泡式のほか、循環式があるが、本発明で適用される流動層焼却炉としては気泡式、循環式のいずれでもよい。
流動層焼却炉112内においては、汚泥に含まれるリン成分が、汚泥に添加された炭酸カルシウムのCaイオン及び酸素と反応してリン酸化合物が生成される。すなわち脱リン反応が生じる。そして特に840〜900℃の高温では、900℃を越える高融点のリン酸化合物、代表的にはメタリン酸カルシウムが生成される。この高融点のリン酸化合物は、ダストとして排ガス120とともに排ガス出口112Cから炉外に排出され、燃焼用予熱器118に導かれる。既に述べたように、リン酸化合物として融点が900℃を越える高融点のリン酸化合物が生成されることによって、流動層焼却炉112からの排ガス経路での反応生成物の焼結(堆積、付着)が抑制される。すなわち焼結抑制反応が生じる。なおこのような焼結抑制反応は、炭酸カルシウムの添加量が比較的少量でも生じる。
また一方、汚泥に炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物を添加している場合、流動層焼却炉112内においては、汚泥中に含まれるS(硫黄)、すなわち焼却排ガス中で硫黄酸化物(SOx)を生成するもととなるSがカルシウム化合物と反応し、硫酸カルシウム(CaSO)として除去される。すなわち脱硫反応が生じる。ただし、脱硫反応は、カルシウム化合物の添加量がある程度多くなければ十分に進行しない。
流動層焼却炉112から排出された排ガスは、燃焼空気用予熱器118において燃焼用空気と熱交換された後、白煙防止用空気予熱器122に導かれる。白煙防止用空気予熱器122は、白煙防止用空気ファン124から供給される白煙防止用空気126と熱交換して、白煙防止用空気126を予熱するためのものである。白煙防止用空気予熱器122で予熱された白煙防止用空気126は、後述する煙突138に導かれる。
白煙防止用空気予熱器122から排出された排ガスは、排ガス冷却器128に導かれて冷却され、さらにバグフィルタ130に導かれて、排ガスに同伴したダストが除去される。続いて排ガスは、硫黄酸化物濃度測定装置132に導かれて、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)の濃度が測定される。硫黄酸化物濃度測定装置132としては、連続的に流れる排ガス中の硫黄酸化物濃度を連続的に測定して、硫黄酸化物濃度を常時監視可能な型式のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、非分散型赤外線吸収式の硫黄酸化物濃度測定装置などを用いることができる。測定された硫黄酸化物濃度の値は、後述するように添加量制御装置140において炭酸カルシウム添加量調整のために使用される。
続いて排ガスは、脱硫装置(排煙処理塔)としての湿式スクラバ134に導かれて、NaOH水溶液などによって脱硫処理され、誘引ファン136を経て煙突138に送り込まれる。煙突38においては、脱硫後の排出ガスが、予熱器122からの白煙防止用空気126と混合され、白煙の発生が防止された状態で大気中に放出される。
以上の過程において、実際に汚泥焼却処理(実運転)を行うに当たっては、予め、焼結抑制剤としての炭酸カルシウムを流動層焼却炉112に供給しない状態もしくは少量だけ添加した状態で、脱水汚泥102を流動層焼却炉112に連続的に供給しながら、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)の濃度を硫黄酸化物濃度測定装置132によって測定しておく。この際の硫黄酸化物濃度を、参照SOx濃度(ブランク値)として記憶しておく。すなわち炭酸カルシウムによる流動層焼却炉内での脱硫反応を実質的に生起させない状態での、排ガス中のSOx濃度を参照SOx濃度としておく。
そして、実運転として、炭酸カルシウムを流動層焼却炉112に供給しながらの脱水汚泥の連続焼却処理を行う間においても、硫黄酸化物濃度測定装置132によって排ガス中のSOx濃度を連続的に測定し、そのSOx濃度(運転時SOx濃度:Cm)と、参照SOx濃度(Co)との相対的な関係に応じて、焼結抑制剤添加量調整装置110により流動層焼却炉112に供給する炭酸カルシウムの供給量を調整する。すなわち、硫黄酸化物濃度測定装置132によって測定された運転時SOx濃度の信号は、添加量制御装置140に送られ、参照SOx濃度との相対的な関係に応じて、炭酸カルシウムの供給量を焼結抑制剤添加量調整装置110によって調整する。
ここで、運転時SOx濃度(Cm)と、参照SOx濃度(Co)との相対的な関係としては、運転時SOx濃度(Cm)と参照SOx濃度(Co)との比(SOx濃度比)、もしくは運転時SOx濃度(Cm)と参照SOx濃度(Co)との差(SOx濃度差)を用いることができる。
上記の相対的な関係としてのSOx濃度比もしくはSOx濃度差について、次に説明する。
SOx濃度比は、
〔SOx濃度比〕=〔運転時SOx濃度(Cm)〕/〔参照SOx濃度(Co)〕
であり、上記の相対的な関係としてSOx濃度比を用いる場合、SOx濃度比の値が、予め定めた値以上、例えば0.8以上となるように炭酸カルシウムの供給量を調整することが望ましい。すなわち、監視されている運転時SOx濃度(Cm)と、予め適宜の記憶装置、例えば添加量制御装置140に内蔵(もしくは別途設けられた)記憶部に記憶されている参照SOx濃度(Co)とから、同じく予め適宜の演算装置、例えば添加量制御装置140に内蔵された(もしくは別途設けられた)演算部においてSOx濃度比を算出し、そのSOx濃度比が予め定めた値以上、望ましくは0.8以上に維持されるように、添加量制御装置140によって、焼結抑制剤添加量調整装置110を制御する。
またSOx濃度差は、
〔SOx濃度差〕=〔参照SOx濃度(Co)〕−〔運転時SOx濃度(Cm)〕
であり、上記の相対的な関係としてSOx濃度差を用いる場合、SOx濃度差の値が、予め定めた値より大きくならないように、例えば40ppmより大きくならないように炭酸カルシウムの供給量を調整することが望ましい。すなわち、監視されている運転時SOx濃度(Cm)と、予め適宜の記憶装置、例えば添加量制御装置140に内蔵(もしくは別途設けられた)記憶部に記憶されている参照SOx濃度(Co)とから、同じく予め適宜の演算装置、例えば添加量制御装置140に内蔵された(もしくは別途設けられた)演算部においてSOx濃度差を算出し、そのSOx濃度差が予め定めた値以下、望ましくは40ppm以下に維持されるように、添加量制御装置140によって、焼結抑制剤添加量調整装置110を制御する。
上述のようにSOx濃度比もしくはSOx濃度差の値に応じて焼結抑制剤としての炭酸カルシウムの供給量を調整することとした理由は次の通りである。
既に述べたように、炭酸カルシウムなどの焼結抑制剤の添加による反応としては、焼結抑制反応と脱硫反応があるが、焼結抑制反応は脱硫反応に優先して進行する。すなわち焼結抑制反応は、比較的少量の焼結抑制剤の添加で生じるが、脱硫反応は焼結抑制剤の添加量が大きくならなければ進行しない。そして焼結抑制効果は、脱硫反応が進行しない程度(あるいは脱硫反応が大きくは進行しない程度)の焼結抑制剤添加量でも十分に発揮される。そして焼結抑制剤添加量を、脱硫反応が大きく進行するような多量とすれば、焼結抑制効果はほとんど飽和してしまう。すなわち、それ以上焼結抑制剤を多量に添加すれば、焼結抑制効果は高止まりとなる一方、脱硫効果は焼結抑制剤の添加量の増量に伴ってさらに大きくなる。
ここで、炭酸カルシウムを供給していない状態もしくはその添加量が少量の状態では、脱硫効果が実質的に生じないから、運転時SOx濃度は参照SOx濃度と同じで、SOx濃度比は1.0であり、またSOx濃度差は0ppmである。そして炭酸カルシウムを供給すれば、焼結抑制反応が進行するが、その供給量が少ない状態では、流動層焼却炉112において脱硫反応がほとんど進行しないため、運転時SOx濃度は参照SOx濃度とほぼ同じで、SOx濃度比の値は1.0に近い値となり、SOx濃度差の値は0ppmに近い値となる。
この状態から炭酸カルシウム供給量を増量すれば、脱硫反応が進行して運転時SOx濃度が低下し、SOx濃度比が低下するか、またはSOx濃度差が大きくなることとなる。但し、炭酸カルシウム供給量がある程度以上多くなって、SOx濃度比がある程度小さくなった段階、もしくはSOx濃度差がある程度大きくなった段階では、焼結抑制効果はほとんど飽和し、脱硫効果のみが大きくなる。言い換えれば、SOx濃度比の値がある程度小さくなるか、またはSOx濃度差の値がある程度大きくなれば、焼結抑制効果は高止まり状態で維持されるが、炭酸カルシウムの増量分はもっぱら脱硫反応のために消費されることになる。言い換えれば、焼結抑制効果を確保するために必要な炭酸カルシウム供給量よりも過剰な量の炭酸カルシウムが供給されていることになる。
このように過剰の炭酸カルシウムが供給されれば、炭酸カルシウム量の増大にともなって焼結抑制のためのコストの無駄な増大を招き、また排出ダスト量が多くなって、ダスト処理コストも大きくなってしまう。一方、脱水汚泥の焼却排ガスに含まれる硫黄酸化物の除去は、流動層焼却炉112の排出経路の後段に設けた脱硫装置(本実施形態では湿式スクラバ134)によって行うことができるから、流動層焼却炉112において炭酸カルシウム添加による脱硫効果は期待する必要はなく、もっぱら焼結抑制効果を奏すればよい。そこで、上記のように、炭酸カルシウムの過剰な供給を招かないように、排ガス経路でSOx濃度を測定して、参照SOx濃度との比(SOx濃度比)が、予め定めた値以上の値を維持するか、または参照SOx濃度との差(SOx濃度差)が、予め定めた値以下の値を維持するように、炭酸カルシウム供給量を調整することにより、無駄な炭酸カルシウム消費量の増大を防止し、またダスト増大を招くことが可能となったのである。
なお、排ガス経路での硫黄酸化物濃度の監視は、湿式スクラバ134などの脱硫装置よりも上流側(流動層焼却炉112に近い側)で行う。これによって脱硫以前の状態で、流動層焼却炉112から排出される排ガス中のSOx濃度を正しく把握することができる。
また維持すべきSOx濃度比の下限値もしくはSOx濃度差の上限値は、これまでの運転実績や実験などによって決定すればよく、特に限定されるものではなく、また脱水汚泥中のりん含有量などによっても最適な限界値は異なるから、一概には定めることはできないが、本発明者らの実験によれば、一般的な脱水汚泥の場合、炭酸カルシウムの供給量を増量してSOx濃度比が0.8程度より小さくなれば、あるいはSOx濃度差が40ppm程度より大きくなれば、焼結抑制効果は飽和することが確認されている。そこで、SOx濃度比が0.8以上に維持されるように炭酸カルシウムの供給量を調整するか、またはSOx濃度差が40ppm以下に維持されるように、炭酸カルシウムの供給量を調整することが望ましい。
なお図1に示した実施形態では、炭酸カルシウムなどの焼結抑制剤を流動層焼却炉112の入側において予め脱水汚泥と混合して、その混合物の状態で流動層焼却炉112に供給することとしているが、場合によっては、脱水汚泥とは別に、流動層焼却炉内に直接添加してもよい。
また添加する炭酸カルシウムの形態は、スラリーに限定されるものではなく、場合によっては粉末の形態で添加することができる。
さらに、硫黄酸化物濃度測定装置132による排ガス中の硫黄酸化物濃度(運転時SOx濃度)の測定は、連続的に行うのが好ましいが、場合によっては、1時間程度の間隔で間欠的に行ってもよい。また前述の実施形態では、算出されたSOx濃度比もしくはSOx濃度差の値に応じて、添加量制御装置140及び焼結抑制剤添加量調整装置110により自動的に焼結抑制剤の添加量を調整することとしているが、場合によっては、SOx濃度比もしくはSOx濃度差の値に応じて焼結抑制剤添加量調整装置110を手動操作によって調整してもよい。
さらに本願では、上述のような下水汚泥の焼却処理方法を実施するための設備(焼却処理設備)についての発明も規定している。この焼却処理設備の具体的構成は、既に図1を参照して説明したと同様な設備構成とすればよい。すなわち基本的には、少なくとも余剰汚泥を含む脱水汚泥を焼却処理するための流動層焼却炉112と、塩基性物質であるカルシウム化合物、例えば炭酸カルシウムを焼結抑制剤として流動層焼却炉112に添加するための焼結抑制剤添加部109と、焼結抑制剤添加装置110による流動層焼却炉112への焼結抑制剤添加量を調整するための焼結抑制剤添加量調整装置110と、流動層焼却炉112の排ガス経路に設置された、排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視するための硫黄酸化物濃度測定装置132と、 硫黄酸化物濃度測定装置132により監視された硫黄酸化物濃度(運転時SOx濃度)及び予め定められた硫黄酸化物参照濃度(参照SOx濃度)との比([運転時SOx濃度]/[参照SOx濃度])の値、もしくは運転時SOx濃度と参照SOx濃度との差([参照SOx濃度]−[運転時SOx濃度])の値に応じて焼結抑制剤添加量調整装置110を制御するための制御装置140とを有する構成とすればよい。これらの各要素の詳細は、図1を参照して説明した通りであり、また設備の実施形態として、上記以外の要素についても、図1に示した要素と同様な要素を含んでいてもよいことはもちろんである。
さらに流動層焼却炉112の排ガス経路には脱硫装置として例えば湿式スクラバ134が設置されるのが通常であり、その場合、硫黄酸化物濃度測定装置132は、排ガス経路における脱硫装置(湿式スクラバ134)よりも流動層焼却炉112に近い位置に設置されていることが望ましい。
なお前述の例では、汚泥焼却工程5において余剰汚泥と生汚泥とが混合した混合汚泥を脱水した脱水混合汚泥を焼却するものとしているが、場合によっては、余剰汚泥のみを脱水した脱水余剰汚泥を焼却することとしてもよい。すなわち、下水処理場によっては、生汚泥と余剰汚泥とを混合せず、それぞれ別に焼却することもあり、このような場合においても、余剰汚泥のみからなる脱水汚泥を焼却する汚泥焼却工程に本発明の焼却処理方法を適用することができる。そのほか、混合汚泥を消化し、脱水した脱水消化汚泥を焼却する汚泥焼却工程に本発明の焼却処理方法を適用することもできる。
本発明の作用・効果を検証するため、以下のような実験を行った。
生汚泥と余剰汚泥と混合されて脱水された脱水汚泥を、図1に示すような焼却設備によって焼却処理するにあたり、焼結抑制剤として炭酸カルシウムを、表1に示すような種々の条件で添加する実験を行い、それぞれの条件での排ガス中の硫黄酸化物濃度(排ガス中SOx濃度)を測定した。さらに、それぞれの条件下で、24時間以上運転した後の流動層焼却炉出側での焼結状態を調査して、焼結状況評価を行った。その結果を表1中に示す。また、各条件において添加した炭酸カルシウムのうちのCa量と、脱水汚泥中において硫黄酸化物等により含まれるS量との比(Ca/S)と、排ガス中SOx濃度との関係を図2に示す。
表1において、条件1は、炭酸カルシウムを添加せずに脱水汚泥を焼却処理した例であり、この場合の排ガス硫黄酸化物濃度は、参照SOx濃度に相当する。また条件2、条件3はいずれも炭酸カルシウムを添加して焼却処理を行った例であり、したがってこれらの条件2、3における排ガスSOx濃度は、運転時SOx濃度に相当する、なお条件2は、比較的多量の炭酸カルシウムを添加した例、条件3は比較的少量の炭酸カルシウムを添加した例である。
なお焼結状態の調査は、次のようにして実施した。
すなわち、それぞれの条件での実験終了後、焼却設備内部を目視観察して、焼却設備内部での焼結した焼却灰の有無を確認した。その結果を表1中に示す。
なお焼結状態の調査結果による評価は次の通りである。
〇印:焼結無し
×印:焼結有り
Figure 2020003193
表1に示すように、炭酸カルシウムを添加しない条件1の場合、焼結が生じた。一方、炭酸カルシウムを添加した条件2、条件3の場合は、焼結が抑制されたことが明らかである。そして条件2、条件3のうち、炭酸カルシウムを多量に添加した条件2では、脱硫反応が進行して、SOx濃度比が0.5、SOx濃度差が90ppmとなったのに対して、炭酸カルシウムの添加量を比較的少量に抑えた条件3の場合は、脱硫反応がほとんど生じず、SOx濃度比が1.0、SOx濃度差が0ppmに維持された。そしてSOx濃度比が0.5、SOx濃度差が90ppmの条件2と、SOx濃度比が1.0、SOx濃度差が0ppmに維持された条件3とを比較すれば、焼結抑制効果は同等であり、このことから、炭酸カルシウム添加量は、焼結抑制効果の点からは、条件3の場合の添加量で充分であり、条件2の場合の添加量は過剰であると判断することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例について説明したが、これらの実施形態、実施例は、あくまで本発明の要旨の範囲内の一つの例に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。すなわち本発明は、前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲内で適宜変更可能であることはもちろんである。
100 焼却設備
102 脱水汚泥
106 炭酸カルシウム(焼結抑制剤)
109 焼結抑制剤添加部
110 焼結抑制剤添加量調整装置
112 流動層焼却炉
120 排ガス
132 硫黄酸化物濃度測定装置
134 湿式スクラバ(脱硫装置)
140 制御装置

Claims (8)

  1. 少なくとも余剰汚泥を含む脱水汚泥を、流動層焼却炉により焼却処理するにあたり、塩基性物質であるカルシウム化合物を焼結抑制剤として流動層焼却炉に添加しながら脱水汚泥を流動層焼却炉にて焼却処理する下水汚泥の焼却処理方法において、
    予め、前記焼結抑制剤を添加しない状態もしくは少量添加した状態での流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を測定して、その濃度を硫黄酸化物参照濃度(Co)と定めておき、
    前記焼結抑制剤を添加しながら流動層焼却炉での脱水汚泥の焼却を行うにあたり、流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視し、その監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との相対的な関係に応じて、前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法。
  2. 請求項1に記載の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
    前記焼結抑制剤の添加量を調整するにあたり、前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との比の値に応じて、前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法。
  3. 請求項2に記載の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
    前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との比(Cm/Co)の値が、予め定めた値より小さくならないように前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法。
  4. 請求項1に記載の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
    前記焼結抑制剤の添加量を調整するにあたり、前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)と前記硫黄酸化物参照濃度(Co)との差の値に応じて、前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法。
  5. 請求項4に記載の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
    前記硫黄酸化物参照濃度(Co)と前記監視された硫黄酸化物濃度(Cm)との差(Co−Cm)の値が、予め定めた値より大きくならないように前記焼結抑制剤の添加量を調整することを特徴とする、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかの請求項に記載の流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法において、
    前記流動層焼却炉の排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視するにあたり、流動層焼却炉の排ガス経路に設置された脱硫装置よりも流動層焼却炉に近い位置で、硫黄酸化物濃度を監視することを特徴とする、流動層焼却炉による下水汚泥の焼却処理方法。
  7. 少なくとも余剰汚泥を含む脱水汚泥を焼却処理するための流動層焼却炉と、
    塩基性物質であるカルシウム化合物を焼結抑制剤として流動層焼却炉に添加するための焼結抑制剤添加部と、
    前記焼結抑制剤添加部による流動層焼却炉への焼結抑制剤添加量を調整するための焼結抑制剤添加量調整装置と、
    流動層焼却炉の排ガス経路に設置された、排ガス中の硫黄酸化物濃度を監視するための硫黄酸化物濃度測定装置と、
    前記硫黄酸化物濃度測定装置により監視された硫黄酸化物濃度と、予め定められた硫黄酸化物参照濃度との関係に応じて前記焼結抑制剤添加量調整装置を制御するための制御装置と
    を有することを特徴とする焼却処理設備。
  8. 請求項7に記載の焼却処理設備において、
    さらに、前記流動層焼却炉の排ガス経路に脱硫装置が設置されており、前記硫黄酸化物濃度測定装置が、前記排ガス経路における脱硫装置よりも流動層焼却炉に近い位置に設置されていることを特徴とする焼却処理設備。
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