JP3831435B2 - ガス精製装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭ガス化プロセスの生成ガスなどのような高温高圧の還元性ガス中に含まれる硫化水素を除去するガス精製装置に係わり、特に、固定床式の脱硫塔における吸着剤の再生反応熱による悪影響を確実、かつ容易に回避できるガス精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油資源の枯渇や価格の高騰などから、燃料(又は原料)の多様化が叫ばれており、石炭や重質油(タールサンド油、オイルシエール油、大慶重油、マヤ原油、あるいは減圧残油など)の利用技術開発が進められており、その一つとして、石炭や重質油をガス化して発電などの燃料あるいは合成原料とする技術が注目されている。しかし、これらのガス化生成ガスには、数100〜数1000ppmの硫化水素が含まれており、公害防止のため、あるいは後流機器(例えばガスタービンなど)の腐食防止等のため、これを除去する必要がある。この除去方法としては、熱経済的にも有利でプロセス構成も簡素なものとして、乾式のガス精製方法が知られている。この方法はFeなどの金属酸化物を吸着剤として使用し、ガス中に含まれる硫黄化合物を脱硫塔において吸着剤で硫化物として吸着除去し、吸着能の低下した吸着剤を酸素含有ガスで焙焼して吸着剤を再生するものであり、吸着剤が装填される反応器の形式としては、いわゆる流動床式や移動床式の他に、負荷変動への速やかな応答が可能、炭種適合性に優れる、装置が簡単かつ小型であるといった各種の優位性を有する固定床式のものが使用されている。
【0003】
そして、再生時に発生した亜硫酸ガス(SO2 )を含むガスの取扱いとしては、まず例えば特開平2−237613号公報に示されるように、これをガス還元法により単体硫黄として回収(系外排出)する方法があるが、この場合には、空気(酸素含有ガス)は、再生用として1カ所から供給するだけでよい。
また、例えば特開昭63−123801号公報や、特開平1−254226号公報に示されるように、焙焼反応により生成した亜硫酸ガスを含む再生ガスを反応器に導き、この反応器内においてカルシウム化合物含有スラリと接触させることにより、前記反応器内において、亜硫酸ガスの吸収と酸化と石膏の析出とを行わせ、副生品として石膏を回収(系外排出)するものがある。こき場合には、空気(酸素含有ガス)は、再生時と前記反応器内の酸化用との2か所に供給する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のガス精製技術には、以下のような問題点があった。
(1)まず、前記各公報に見られるように、吸収剤の温度については特に管理しておらず、固定床式の反応器を用いた場合には、吸収剤が許容温度が越えて変質あるいは粉化して、脱硫性能が極端に低下するなどの不具合が生じるおそれがある。すなわち、例えば酸化鉄(Fe2 O3 )よりなる吸収剤は、耐熱性賦与処理を施した場合でも、その限界温度は650〜700℃である。そして、この限界温度を越えると、吸収剤が変質して吸着性能にかかわる比表面積、細孔容積、粒径等の性状が急激に悪化したり、吸収剤が粉化するおそれがある。こうなると脱硫性能が低下するばかりか、脱硫装置において新たにばいじんが発生することになり、石炭ガスなどのガス化ガスのクリーン化に著しい支障が生じる。なお、固定床式の反応器の場合には吸収剤の交換は容易でないため、稼働中の吸収剤の変質や粉化等の不具合は信頼性高く回避する必要がある。
(2)また、特に再生ガスから石膏を回収するタイプの場合、2カ所に空気(酸素)を供給するため、空気の供給管理が困難で、吸収剤保護の観点から留意が必要である。すなわち、空気の供給量により再生時の吸収剤の温度が変化し、空気供給量が過多となると、吸収剤の温度が上述した許容温度範囲を越えるおそれがある。
【0005】
本発明はこのような従来技術に鑑み、固定床式の脱硫塔における吸収剤の温度管理を確実、かつ容易に行うことができるガス精製装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の(1)乃至(2)の態様を有するガス精製装置である。
【0007】
(1)高温高圧還元性ガスを固定床式の脱硫塔に導き、この脱硫塔内に装填された吸着剤で前記高温高圧還元性ガス中に含まれる硫黄化合物を硫化物として吸着除去し、吸着後の吸着剤を酸素を含有する再生用ガスで焙焼して再生し、前記再生反応により生成した亜硫酸ガスを含む再生反応ガスを反応器に導き、この反応器内に供給されたカルシウム化合物含有スラリ内に酸素含有ガスとともに吹込んで、カルシウム化合物含有スラリと前記再生反応ガス及び酸素含有ガスとを気液接触させることにより、前記反応器内において亜硫酸ガスの吸収と石膏の析出とを行わせるガス精製装置において、前記反応器内のスラリ液面上に発生するガスを、前記反応器から再生循環ガスとして導出し、反応器から脱硫塔への途上でこの再生循環ガスに酸素含有ガスを追加供給して前記吸着剤の再生用ガスとして循環使用する構成とするとともに、前記反応器内のスラリ中に吹込む酸素含有ガスの流量を、吸収された亜硫酸を全量酸化するのに必要な酸素量以上に制御する反応器側酸素供給量制御手段と、前記再生用ガス中の酸素濃度が再生反応時における前記脱硫塔内の温度が吸着剤の許容温度範囲内に保持されるように前記再生循環ガスに追加供給する酸素含有ガスの流量を制御する脱硫塔側酸素供給量制御手段とからなる酸素濃度制御手段を設けたことを特徴とするガス精製装置。
【0009】
(2)前記反応器内におけるスラリ温度を、二水石膏が析出する温度範囲内になるよう制御する温度制御手段を備えたことを特徴とする前記(1)に記載のガス精製装置。
【0010】
本発明のガス精製装置で処理する高温高圧還元性ガスとは石炭や重質油(タールサンド油、オイルシエール油、大慶重油、マヤ原油、あるいは減圧残油など)のガス化により得られる硫化水素や硫化カルボニルなどの硫黄化合物を含む高温高圧(通常250〜500℃、25〜30kg/cm2 程度)のガス化ガスである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。図1は本例のガス精製装置における主にガス精製部の構成を示す図であり、図2は同装置における主る石膏回収部の構成を示す図である。
まず、ガス精製部の構成について説明する。図1に示すように、本例のガス精製装置のガス精製部は、固定床式の脱硫塔1を三つ以上有しており、ここでは3塔の場合を示している。各脱硫塔内部には、Fe、Zn、Mo、Mn、Cu、Wなどの金属酸化物からなるハニカム状の吸着剤2が装填され、後述の吸収工程、再生工程及び還元工程が各脱硫塔毎に順次実施される。なお、図1では、左側の脱硫塔1において吸収工程が、中央の脱硫塔1において還元工程が、右側の脱硫塔1において再生工程が行われている状態を示している。
【0012】
ここで、吸着剤2としては、例えばFe2 O3 からなるものが使用できる。具体的には、例えば焼成によりFe2 O3 となる硝酸鉄溶液をTiO2 粉末に混合してハニカム状に成形し、乾燥後焼成処理したものであって、吸着剤成分であるFe2 O3 に前もってSiO2 を添加して熱安定処理を施し、また基材としてのTiO2 に800℃程度の焼成処理を予め施すことにより、耐熱性賦与をはかったものが好適に使用できる。
このような製法により調製された吸着剤2は、限界温度を越える高温にさらされると、吸着剤成分であるFe2 O3 及び基材のTiO2 が変質し、吸着性能を左右する比表面積、細孔容積、粒子径等の性状が急激に悪化することあり、その使用限界温度は、ピーク値として800℃以下、定格的には650〜700℃に設定している。なお、上述した耐熱性賦与処理を施していない場合には、Fe2 O3 からなる吸着剤の定格的限度温度は600℃程度まで低下する。
【0013】
このガス精製部には、ガス配管ラインとして、精製(硫黄分除去)しようとする高温高圧還元性ガスA(以下、還元性ガスAという。)を後述の吸収工程のために導入する第1ガス導入ライン11と、還元性ガスAを後述の還元工程のために導入する第2ガス導入ライン12と、精製後の高温高圧還元性ガスB(以下、精製ガスBという。)を導出する精製ガス導出ライン13と、後述の再生工程において脱硫塔1から排出されるガスC(以下、再生反応ガスCという。)を導出するための再生反応ガス導出ライン14と、後述の再生工程において脱硫塔10に供給される再生用のガスD(以下、再生循環ガスDという。)を導入するための再生循環ガス導入ライン15とが設けられている。
なおこの例の場合には、還元工程を行っている脱硫塔1から出たガス(以下、還元ガスという)はそのまま精製ガス導出ライン13に導入する構成としているが、この還元ガスを吸収工程を行っている脱硫塔1に導入するための還元ガス戻しラインを設けてもよい。なお、還元ガスは精製ガスBの1%程度と微量であるので、精製ガスBにそのまま混入しても、例えば可燃性ガス(H2 ,CO)の損失によるカロリー変動を生じるといった問題は生じない。
【0014】
そして、各脱硫塔1の還元性ガスAの入口と、上記第1ガス導入ライン11,第2ガス導入ライン12又は再生反応ガス導出ライン14とを、開閉自在に接続するバルブとして、それぞれバルブ21,22,23が設けられ、また、各脱硫塔第1の還元性ガスAの出口と、精製ガス導出ライン13又は再生循環ガス導入ライン15とを、開閉自在に接続するバルブとして、それぞれバルブ24,25が脱硫塔ごとに設けられている。
これらバルブは、図示省略した制御装置によりその作動が制御され、各脱硫塔で行われる工程の種類に応じて切換えられるように構成されている。なお、図1では、黒く塗り潰して図示したバルブは完全に閉じた状態となっており、そうでないバルブは開状態、または開度調製状態にあることを示している。
また、再生循環ガス導入ライン15には、二つの熱交換器31,32が設けられ、再生循環ガスDを圧送する送風機33(再生循環ガスブロワなど)を保護しながら、再生反応ガスCにより再生循環ガスDが加熱されるように構成され、再生反応に適した温度まで再生循環ガスDを昇温させる構成としている。
【0015】
そして、再生循環ガス導入ライン15における送風機33の吹込み側には、再生循環ガス排出ライン34が接続され、余分な量の再生循環ガスDがメインライン(例えば、精製ガス導出ライン13)に導出されるようになっている。
この再生循環ガス排出ライン34には、流量調整弁35,36が順次後流側に向って配設され、流量調整弁35は流量コントローラ37により、また流量調整弁36は後述の圧力コントローラ92(図2に示す)の制御信号X1によりその開度が制御される。流量コントローラ37は、再生循環ガス導入ライン15における送風機33の吐出側に設けられた流量センサ38の出力に基づいて、脱硫塔1に送られる再生循環ガスDの流量が所定の一定量になるように、流量調整弁35の開度を制御するものである。また、圧力コントローラ92は、後述の圧力センサ91(図2に示す)の出力に基づいて、図2に示す反応器60内の圧力を所定範囲に保持するべく、流量調整弁36の開度を制御する制御信号X1を出力するものである。
【0016】
また、再生反応ガス導出ライン14と再生循環ガス導入ライン15に対しては、これらライン中に酸素含有ガスY(この場合空気)を供給する酸素供給手段40が設けられている。酸素供給手段40は、空気源であるコンプレッサ41と、このコンプレッサ41から吐出される圧縮空気を貯留するタンクである空気ホルダ42と、ごの空気ホルダ42から再生反応ガス導出ライン14又は再生循環ガス導入ライン15に対してそれぞれ接続された酸素供給配管43,44(反応側酸素供給配管43、脱硫塔側酸素供給配管44)とから構成されている。
そして、この酸素供給手段40には、脱硫塔入口に導入される再生用ガス(この場合再生循環ガスD)の酸素濃度を、後述の再生反応中の脱硫塔1内の温度が吸着剤2の許容温度以下となる酸素濃度目標値(例えば約1.5〜2パーセント)に制御する酸素濃度制御手段50が設けられている。この酸素濃度制御手段50は、この例の場合、反応器側酸素供給量制御手段50aと、脱硫塔側酸素供給量制御手段50bとから構成されている。
【0017】
反応器側酸素供給量制御手段50aは、反応器側酸素供給配管43を流れる空気の流量を検出する流量センサ51と、反応器側酸素供給配管43を流れる空気の流量を調整する流量調整弁52と、流量センサ51と後述する反応器側酸素濃度コントローラ83(図2に示す)の出力信号X2を受けて、流量調整弁52の開度を制御する反応器側酸素供給量コントローラ53とよりなる。反応器側酸素供給量コントローラ53は、反応器側酸素濃度コントローラ83の出力信号X2により指令された空気供給流量となるように、前記流量調整弁52の開度を制御するものである。
なお、反応器側酸素濃度コントローラ83は、反応器側ガスセンサ82(図2に示す)の検出信号(亜硫酸ガス濃度)から反応器60において亜硫酸を全量酸化するのに必要な酸素量(酸素濃度)を算出し、通常運転時においては、反応器側酸素供給量コントローラ53を介して、前記流量調整弁52の開度を、この算出値以上の酸素供給量に応じた開度に制御するものである。
具体的には、例えば反応器60における後述の酸化反応に必要な酸素濃度が0.2パーセントと算出された場合には、後述の再生工程に使用される分(例えば2パーセント)よりも若干少ない値を加算した量(例えば2パーセント程度)を制御目標値として、前記反応器側ガスセンサ82の酸素濃度の検出値との偏差に応じて、前記反応器側ガスセンサ82の検出値がこの目標値に一致する方向に前記流量調整弁52の開度を制御する。
【0018】
一方、脱硫塔側酸素供給量制御手段50bは、再生循環ガス導入ライン15における脱硫塔1の入口側を流れる再生循環ガスDの酸素濃度を検出する脱硫塔側ガスセンサ54と、脱硫塔側酸素供給配管44を流れる空気の流量を調整する流量調整弁55と、脱硫塔側ガスセンサ54の検出信号を受けて、この流量調整弁55の開度を制御する脱硫塔側酸素供給量コントローラ56と、脱硫塔1内のガス温度を検出する温度センサ57の検出値に基づき、脱硫塔側酸素供給量コントローラ56に対して酸素濃度目標値を設定する信号を出力する再生塔温度コントローラ58とよりなる。
ここで温度センサ57は、各脱硫塔1内の再生ガス出口側にそれぞれ設けられ、再生反応中の脱硫塔に設けられたこの温度センサ57の出力が、適宜再生塔温度コントローラ58の処理入力として切換えて扱われる構成となっている。なお、この温度センサ57は、脱硫塔1内の再生ガス出口側のガス温度を検出しているが、このガス温度から吸着剤2の温度は予測できるので問題はない。ただし、吸着剤2の温度を直接検出するものであってもよい。
【0019】
脱硫塔側酸素供給量コントローラ56は、脱硫塔側ガスセンサ54の酸素濃度の検出値と、再生塔温度コントローラ58から入力された酸素濃度目標値(例えば2パーセント)との偏差に応じて、脱硫塔側ガスセンサ54の検出値がこの酸素濃度目標値に一致する方向に前記流量調整弁55の開度を制御するものである。
また、再生塔温度コントローラ58は、例えば温度センサ57の温度検出値が、予め設定された許容温度(例えば、650〜700℃)以下となるように、酸素濃度目標値を決定して脱硫塔側酸素供給量コントローラ56に出力するものである。具体的には、例えば始動時及び通常運転時においては、酸素濃度目標値の設定を予め設定された一定値(例えば2パーセント)に維持し、温度検出値が許容温度に近くなると、その程度に応じて酸素濃度目標値をこの一定値よりも小さな値に変化させる。
なお、予め設定するこの酸素濃度目標値の具体的数値は、本例に示した吸着剤2の場合には通常2パーセント程度でよいが、再生循環ガスDの流量等の条件や吸着剤の許容温度に応じて適宜変更すればよい。
【0020】
なお、再生塔温度コントローラ58は、本例のように脱硫塔側酸素供給量コントローラ56の酸素濃度目標値を設定するのではなく、温度センサ57の温度検出値が、予め設定された許容温度の上限に近くなると、脱硫塔側酸素供給量コントローラ56の制御にかかわらず、流量調整弁55の開度を絞ることにより、吸着剤2の温度を許容温度以下に制御するものであってもよい。この場合には、脱硫塔側酸素供給量コントローラ56は、例えば予め設定された一定の酸素濃度目標値(例えば2パーセント)に基づいて流量調整弁55の開度調整制御を行う構成とすればよい。
【0021】
また、本例の構成では、反応器60から出た再生循環ガスD中の酸素濃度が上記酸素濃度目標値を超えてしまうと、たとえ流量調整弁55を全閉にしても、脱硫塔1に導入される再生循環ガスD中の酸素濃度を所定の酸素濃度目標値に制御することは不可能になるから、前記反応器側酸素供給量コントローラ53の酸素濃度の制御目標値は、反応器60から出た再生循環ガスD中の酸素濃度が酸素濃度目標値を超えないように設定する必要がある。
ただし、再生循環ガス導入ライン15に対して、窒素等の不活性ガス(イナートガス)を供給するライン及び流量制御弁を設け、再生循環ガスDの酸素濃度が高すぎる場合に、脱硫塔側酸素供給量コントローラ56などの制御により、この流量制御弁を例えば比例感度に応じた分だけ開動させて不活性ガスを混入させる構成とすれば、上記ような設定は不要となる。
【0022】
次に、石膏回収部側の構成について説明する。本装置の石膏回収部は、図2に示すように、カルシウム化合物含有スラリ(この場合石灰石スラリ)が供給される反応器60と、この反応器60内に支持されて水平回転し、反応器60内のスラリを攪拌するとともに、供給された再生反応ガスC(反応器側酸素供給配管43から空気が混入されたもの)をスラリ中に微細な気泡として効率良く吹込むアーム回転式のアエスパージャ65とを備えるものである。
反応器60は、縦長の圧力容器で、内部のスラリの温度を直接制御する反応器内スラリ温度制御手段70が設けられている。この反応器内スラリ温度制御手段70は、この場合反応器60の底部に配設された伝熱管71と、この伝熱管71に冷却水Eを通水するための冷却水供給ライン72と、この冷却水供給ライン72を流れる冷却水の流量を調整する流量調整弁73と、反応器60内に吹込まれるガスC中に水蒸気Fを混入させる水蒸気供給ライン74と、この水蒸気供給ライン74を流れる水蒸気の流量を調整する流量調整弁75と、反応器60内のスラリの温度を検出する温度センサ76と、この温度センサ76の出力信号を受けて、冷却水供給ライン72の流量調整弁73、あるいは水蒸気供給ライン74の流量調整弁75の開度を制御する温度コントローラ77とよりなる。
【0023】
温度コントローラ77は、温度センサ76の出力値と目標値との偏差に応じて、温度センサ76の出力値が目標値に一致する方向に流量調整弁73又は75を制御する機能を有する電気回路であり、その制御目標値が、二水石膏が析出する温度範囲(120℃以下、好ましくは90℃以下)に設定可能となっている。
すなわち、この温度コントローラ77は、流量調整弁73又は75を駆動するアクチュエータに制御信号を出力して流量調整弁73又は75の開度を制御するもので、例えばその制御目標値が90℃に設定されている場合には、温度センサ76の出力値が90℃を超えると、その超えた度合いに応じて流量調整弁73の開度を増加させ、温度センサ76の出力値が90℃より低下すると、その低下した度合いに応じて流量調整弁73の開度を低下させ、また、起動時等において温度センサ76の出力値が極端に低下していると、その度合いに応じて流量調整弁75を開動させるように、制御信号の値を変化させる機能を有する。
なお、この場合反応器内スラリ温度制御手段70は、後述の再生反応ガス温度制御手段84と吸収剤スラリ温度制御手段120と共に、本発明の温度制御手段を構成している。
【0024】
アーム回転式のエアスパージャ65には、前述の再生反応ガス導出ライン14に接続された再生反応ガス導入ライン81を介して、再生反応ガスC(空気が混入されたもの)が供給されるようになっている。この再生反応ガス導入ライン81には、ラインを流れるガスの亜硫酸ガス温度と酸素濃度とを検出する反応器側ガスセンサ82が設けられ、この反応器側ガスセンサ82の検出信号を受けた反応器側酸素濃度コントローラ83の出力信号X2により、前述したごとく流量調整弁52の開度(反応器側酸素供給量)が制御される。
【0025】
また、再生反応ガス導入ライン81には、このラインを介して反応器60内のスラリ中に吹込まれるガスを予め冷却して温度調節する再生反応ガス温度制御手段84が設けられている。
再生反応ガス温度制御手段84は、冷却水Gが供給される冷却水ライン85と、この冷却水ライン85を流れる冷却水Gと再生反応ガスCとの間で熱交換を行う熱交換器86と、冷却水ライン85を流れる冷却水Gの流量を調整する流量調整弁87と、再生反応ガス導入ライン81に設けられ再生反応ガス導入ライン81を流れるガスの温度を検出する温度センサ88と、この温度センサ88の検出信号を受けて流量調整弁87の開度を制御する温度コントローラ89とよりなる。
ここで、温度コントローラ89は、前述の反応器内スラリ温度制御手段70の負担を軽くするために、吹込むガスの温度を前述の反応器内スラリ温度の制御目標値(例えば90℃)に近い値に予め調整するものであり、その制御目標値は例えば100℃程度に設定される。すなわち具体的には、温度コントローラ89は、温度センサ88の出力値が例えば100℃を超えると、その超えた度合いに応じて流量調整弁67の開度を増加させ、温度センサ88の出力値が100℃より低下すると、その低下した度合いに応じて流量調整弁87の開度を低下させるものである。
【0026】
また、反応器60の上部には、再生循環ガス導出ライン90が接続され、再生反応ガスC(空気が混入されたもの)が反応器60内に吹込まれ、スラリと接触して亜硫酸ガスを除去されたガス(すなわち、再生循環ガスD)が、この再生循環ガス導出ライン90を経由して、図1に示す再生循環ガス導入ライン15の熱交換器32に供給されるようになっている。
なお、この再生循環ガス導出ライン90には、ミストエリミネータを設けて、反応器60から導出されるガス中のミスト(反応器60内のスラリがミスト化したもの)が除去され、反応器60内に戻されるようにしてもよい。
また、反応器60内には内部の圧力を検出する圧力センサ91が設けられ、この圧力センサ91の出力値に基づく圧力コントローラ92の制御により、反応器60内の圧力を所定値に制御するように前述の流量調整弁36(図1に示す)の開度が調整されるようになっている。
【0027】
また、反応器60の下部には、スラリ抜出しライン100が接続され、反応器60内のスラリが固液分離機101に送られようになっている。このスラリ抜き出しライン100には、流量調整弁102が設けられ、反応器60の液面高さを検知するレベルコントローラ103の制御により、反応器60の液面高さが所定範囲に保持されるように流量調整弁102の開度が調整される構成となっている。
固液分離機101では、導入されたスラリが固液分離されて、その固形分(石膏H)が採取され、ろ液はろ液回収ライン104を経由して、ろ液ピット105に取込まれる。ろ液ピット105には、補給水供給ライン106を介して符号Iで示される補給水が供給される構成とされ、また内部には、攪拌器107と液面レベルセンサ108が設けられている。液面レベルセンサ108の出力は、レベルコントローラ109により読取られ、このレベルコントローラ109の制御により、ろ液ピット105の液面高さが所定の範囲に保持されるように、補給水供給ライン106の流量調整弁110の開度が調整される構成となっている。
なお、固液分離機101としては、例えば真空式ベルトフィルタあるいは連続遠心式のものなどが使用できる。
【0028】
そして、ろ液ピット106内の液(主に水)は、ポンプ111により液供給ライン112を介して石灰石スラリピット113に供給されるようになっている。液供給ライン112には、流量センサ114と流量調整弁115が設けられ、石灰石スラリピット113の液面レベルを検出するレベルセンサ(図示省略)の検出値に基づき、液の供給量が調整される。すなわち、例えば石灰石スラリピット113の液面レベルを一定範囲に保持するように、流量調整弁115の開度が流量コントローラ116により制御されるようになっている。なお、この際の液供給流量を表わす信号は、流量コントローラ116から後述の石灰石投入量コントローラ132に逐次送信され、この液供給流量に対応した重量の石灰石が石灰石スラリピット113に投入される構成となっている。
【0029】
石灰石スラリピット113には、攪拌117が設けられているとともに、ろ液ピット105内の石灰石スラリを予め冷却して温度調整する吸収剤スラリ温度制御手段120が設けられている。
吸収剤スラリ温度制御手段120は、石灰石スラリピット113内のスラリ中に配設された伝熱管121と、この伝熱管121に冷却水Jを通水するための冷却水供給ライン122と、この冷却水供給ライン122を流れる冷却水Jの流量を調整する流量調整弁123と、石灰石スラリピット113内のスラリ中に配設されてスラリ温度を検出する温度センサ124と、この温度センサ124の検出信号を受けて流量調整弁123の開度を制御する温度コントローラ125とよりなる。
ここで、温度コントローラ125は、前述の反応器内スラリ温度制御手段70の負担を軽くするために、反応器60内に供給する石灰石スラリの温度を前述の反応器内スラリ温度の制御目標値(例えば90℃)に近い値に予め調整するものであり、その制御目標値は例えば70℃程度に設定される。すなわち具体的には、温度コントローラ125は、温度センサ124の出力値が例えば70℃を超えると、その度合いに応じて流量調整弁123の開度を増加させ、温度センサ124の出力値が70℃より低下すると、その低下度合いに応じて流量調整弁123の開度を低下させるものである。
【0030】
また、この石灰石スラリピット113内には、サイロ130から、前述の液供給ライン112からの液分の供給量に応じた量の石灰石(CaCO3 )の粉体Kが適宜供給されるようになっている。すなわち、サイロ130の下部には、石灰石の流出口を開閉する切出器131が設けられ、この切出器131の動作は石灰石投入量コントローラ132により制御される。石灰石投入量コントローラ132は、前述の流量コントローラ116から送信される液供給流量を表わす信号に基づき、この液供給流量に応じた量の石灰石Kがろ液ピット105内に投入されるように、切出器131を作動ささせる構成となっている。なお、切出器131から流出した石灰石Kは、コンベア133により搬送されて、ろ液ピット105内に投入される。
【0031】
そして、石灰石スラリピット113内の石灰石スラリは、ポンプ141によりスラリ供給ライン142を介して反応器60に供給される構成となっている。なお、ポンプ141は、例えばプランジャ式のポンプで、石灰石スラリを昇圧して反応器60内に圧入するものである。
このスラリ供給ライン142には、流量調整弁143が設けられ、pHセンサ144の出力値に基づくpHコントローラ145の制御により、石灰石スラリの供給量を所定値に制御するように流量調整弁143の開度が調整されるようになっている。なおこの場合、pHセンサ144は、前述のスラリ抜出しライン100とろ液回収ライン104とを接続するバイパスライン146に設けられ、このバイパスライン146を流れるスラリのpH値(すなわち、反応器60内のスラリのpH値)を検出するものである。そして、pHコントローラ145は、pHセンサ144の出力値を受けて流量調整弁143の開度を調整し、反応器60内のpH値が、後述する反応器60内における吸収反応や酸化反応が効率良く進行する最適なpH値(例えば、pH=5〜6)に維持されるように、石灰石スラリの供給量を制御するようになっている。
【0032】
次に、以上のように構成されたガス精製装置において実施されるガス精製及び石膏回収の動作について説明する。
発電システムなどにおいて、ガス化炉(図示省略)で生成されるガス化ガスは、炉出口直後において、通常1000〜2000℃であるが、通常炉出口側に設けられたスチームヒータ(図示省力)により熱回収されて250〜500℃程度に冷却され、さらに除塵装置(図示省略)によりダストを除去された後、還元性ガスAとして、図1に示す精製部に導入される。
ここで、還元性ガスAは、水素(H2 )及び一酸化炭素(CO)を主成分とするもので、通常数10〜数1000ppmの硫化水素(H2 S)、硫化カルボニル(COS)などの硫黄化合物が含まれており、その圧力は25〜30kg/cm2 程度の高圧となる。
また、例えば270MWの石炭ガス化発電設備の場合、還元性ガスAの流量は310000Nm3 /h程度となる。
【0033】
精製部に導入された還元性ガスAは、主に第1ガス導入ライン11からバルブ21を通って、吸収工程の状態にある脱硫塔1(図1では左側の脱硫塔1)に導入され、ハニカム状の吸着剤(例えばFe3 O4 )と効果的に接触し、例えば下記式(1),(2)の吸収反応により硫化水素(H2 S)及び硫化カルボニル(COS)などが硫化物として吸収除去され、バルブ24及び精製ガス導出ライン13を経由して精製ガスBとして排出され、発電システムなどにおける後流機器(ガスタービンなど)に送られる。
【化1】
3H2 S+Fe3 O4 +H2 →3FeS+4H2 O (1)
3COS+Fe3 O4 +CO→3FeS+4CO2 (2)
【0034】
また、精製部に導入された還元性ガスAの一部は、第2ガス導入ライン12及びバルブ22を通って、還元工程の状態にある脱硫塔1(図1では中央の脱硫塔1)に導入され、再生後の吸着剤(例えばFe2 O3 )と効果的に接触し、例ええは下記式(3)、(4)の還元反応により、吸着剤を吸収能力のある状態(例えばFe3 O4 )に変える。
この還元性ガスAの一部は、還元工程の状態にある脱硫塔1を出ると、この場合硫黄化合物を含んだまま、バルブ24を介して精製ガス導出ライン13に送られ精製ガスBに混入させられるが、その量は微量であるため問題にならない。例えば、270MWの石炭ガス化発電設備の場合、この還元工程のための還元性ガスAの流量は計算上390Nm3 /h程度でよい。
なお、この還元性ガスAの一部は、例えば吸収工程の状態にある脱硫塔1の中間部あるいは入口に導入し、上記吸収反応により硫化水素(H2 S)及び硫化カルボニル(COS)などが吸収除去された後、バルブ24及び精製ガス導出ライン13を経由して精製ガスBとして排出されるようにしてもよい。
【化2】
3Fe2 O3 +H2 → 2Fe3 O4 +H2 O (3)
3Fe2 O3 +CO → 2Fe3 O4 +CO2 (4)
【0035】
また、上記吸収工程や還元工程と同時に、残りの脱硫塔1(図1では右側の脱硫塔1)では、硫化物となった吸着剤を焙焼する再生工程が行われる。すなわち、再生循環ガス導入ライン15及びバルブ25を通して残りの脱硫塔1内に、再生循環ガスDが導入され、こき再生循環ガスD中の酸素と吸着剤とが下記式(5)の再生(焙焼)反応を起こして、吸着剤が再生される。
【化3】
4FeS +7O2 → 2Fe2 O3 +4SO2 (5)
この際、脱硫塔入口に導入される再生循環ガスD中の酸素濃度は、前述の酸素濃度制御手段50(反応器側酸素供給量制御手段50a、脱硫塔側酸素供給量制御手段50b)の制御により、再生反応中の脱硫塔1内の吸着剤2が許容温度範囲内に保持される酸素濃度目標値に制御される。すなわち、吸着剤にFe2 O3 を使用した場合には、例えば酸素濃度が2パーセントあるいはそれ以下に制御されることにより吸着剤が600〜700℃程度以下の近傍に保持される。このため、吸着剤の変質や粉化が確実かつ容易に阻止され、しかも限界近くの高温に保持されて再生(焙焼)反応の反応性が高く保持されることにより上記再生工程に要する時間は最短となる。
【0036】
なお、上記再生工程における吸着剤2の温度(反応熱)は、酸素の供給量に依存し、供給される再生循環ガスD中の酸素濃度を制御することで応答性良く制御できることが分かっており、吸着剤の上記温度管理は信頼性高く実現される。
またこの際、脱硫塔入口に導入される再生循環ガスDの流量は、前述の流量コントローラ37の流量制御により、例えば270MWの石炭ガス化発電設備の場合には、35000Nm3 /h程度に制御され、また脱硫塔入口に導入される再生循環ガスDの温度は、熱交換器31,32により、上記再生(焙焼)反応が良好に引き起こされ持続される温度(例えば、400℃程度)に高められる。
【0037】
この再生工程において発生した再生反応ガスCは、亜硫酸ガス(SO2 )を高濃度(例えば0.5〜10%程度)に含むガスとなり、バルブ23及び再生反応ガス導出ライン14を通って図2に示す石膏回収部に送られる。
ここで、再生反応ガスCは、窒素(N2 )を主成分(例えば85〜95%程度)として、亜硫酸ガス(SO2 )の他に、微量の二酸化炭素、水分を含むガスであり、通常圧力は例えば10〜25kg/cm2 程度であり、また、脱硫塔1の出口では例えば600℃程度となり、熱交換器33により冷却された後でも、200〜400℃程度の高温高圧ガスとして石膏回収部に送られる。
なお、石膏回収部に送られる再生反応ガスCには、酸素供給手段40の反応器側酸素供給配管43から空気(酸素含有ガス)が供給され、前述の反応器側酸素供給量制御手段50aの機能により、再生反応ガスCの酸素濃度は、反応器60における後述の酸化反応に必要な酸素量に応じた濃度以上(例えば2パーセント程度)に調整される。
【0038】
石膏回収部に送られた再生反応ガスCは、熱交換器86及び再生反応ガス導入ライン81を経由して、前述の温度コントローラ89の制御により例えば100℃程度に温度調節されて、アーム回転式エアスパージャ65により、反応器60のスラリ中に微細な気泡として吹込まれる。
このため、吹込まれた再生反応ガスCは、含有していたほとんどの亜硫酸ガスを、反応器60内のスラリ中に吸収され、最終的には、亜硫酸ガスを除去された清浄なガスとなって、未反応の空気とともに、再生循環ガス導出ライン90から導出され、再生循環ガスDとして再生反応中の脱硫塔1に戻される。
一方、再生反応ガスC中の亜硫酸ガスを吸収したスラリは、吹込まれた空気中の酸素と接触して酸化され、さらには中和反応を起こして石膏となる。
この際、反応器60内の圧力は、再生反応ガスCの高圧を利用して、前述の圧力コントローラ92の制御により、例えば5〜25kg/cm2 程度の高圧に維持され、上記吸収及び酸化反応等を少ない気体ボリュームで効率良く行うことができる。
【0039】
また、反応器60内のスラリの温度は、再生反応ガスCの温度と上記吸収及び酸化反応による発熱により、そのまま放置すれば高温となるので、前述の反応器内スラリ温度制御手段70の冷却による温度調整により、容易に二水石膏が析出する温度(例えば90℃程度)に連続的に調整され、反応器60内で起きる主な反応は以下の反応式(6)〜(8)となり、上記中和反応で析出する石膏は二水石膏となる。
【化4】
【0040】
この際、再生反応ガスCの酸素濃度は、前述の反応器側酸素供給量制御手段50aの機能により、反応器60における上記酸化反応に必要な酸素量に応じた濃度以上(例えば2パーセント)に調整されている。このため、反応器60内における酸素の分圧は、上記酸化反応により亜硫酸を全量酸化するのに必要最低限の分圧よりもかなり大きな値に維持され、上記酸化反応は十分促進されて効率良く二水石膏が析出するとともに、亜硫酸ガスの吸収性能も高く保持される。
こうして、再生循環ガス導出ライン90から導出された再生循環ガスDには、亜硫酸ガスがほとんど含まれず、再生反応に必要な酸素濃度、例えは1.5パーセント程度とされて、再生反応中の脱硫塔1に戻される。
なお、反応器60から出た直後の再生循環ガスDの温度は、この場合80℃程度で、またその流量は例えば38000Nm3 /h程度となる。そして、この再生循環ガスDの温度は、その後熱交換器31、32により高められ、再生工程にある脱硫塔に導入されるまでには前述の温度(400℃程度)に調整される。
また、この再生循環ガスDの酸素濃度は、前述の脱硫塔側酸素供給量制御手段50bにより、再生工程にある脱硫塔に導入されるまでには、最終的に微調整されて確実に前述の制御目標値(例えば2パーセント以下)に調整される。
【0041】
そして、上記(6)〜(8)式に示す反応により、反応器60内には、石膏と吸収剤である少量の石灰石(CaCO3 )が定常的に懸濁している。これらスラリは、スラリ抜出しライン100から固液分離機101に導入されて固液分離され、その固形分(石膏H)が採取され、ろ液はろ液ピット105に取込まれて、ポンプ111により石灰石スラリピット113に供給されて循環使用される。
また、反応器60への石灰石スラリの供給は、ポンプ141により石灰石スラリ供給ライン142を経由して行われるわけであるが、この供給流量は、pHコントローラ145と流量調整弁143の前述の制御により調整される。
そしてこの際、反応器60へ供給される石灰石スラリの温度は、前述の温度コントローラ125の温度調整により、反応器内スラリ温度の制御目標値(例えば90℃)に近い値(例えば70℃程度)に予め調整される。
【0042】
以上説明した上記例のガス精製装置によれば、以下のような各種の作用効果が得られる。
(1)再生工程にある脱硫塔1内の吸着剤2の温度が、酸素濃度制御手段50による再生用ガス(再生循環ガスD)の酸素濃度制御により、確実に吸着剤2の許容温度範囲内に維持されるので、吸着剤2の変質や粉化を確実かつ容易に防止できる。
(2)しかも、前記酸素濃度制御により、再生反応中の脱硫塔1内の温度を吸着剤2の許容温度上限近くに保持することで、吸着剤の温度をできる限り高温に維持し、吸着剤の変質等を阻止しつつ、再生(焙焼)反応を促進して再生工程を最短の時間で行うことができる。
【0043】
(3)石膏回収部の動作により精製部において吸収した硫黄分から製品として販売可能な石膏を得ることができる。
特に本例の場合、反応器60内のスラリの温度は、上記温度コントローラ77などの機能により、二水石膏が析出する温度範囲(120℃以下、好ましくは90℃以下)に連続的に制御され、得られる石膏は、有用性が高く取扱いも簡単な二水石膏となる。二水石膏は、市場規模の大きな建材原料等として、十分な特性を有するものであり、しかもα型半水石膏とは違って野積みなどが可能で取扱いが容易である。
ちなみに、α型半水石膏(CaSO4 ・1/2H2 O)は、結晶水が補われると二水石膏(CaSO4 ・2H2 O)へと変質するため、湿気を嫌い、野積みなどができず、防湿性を考慮した保管や運搬が要求されるため、取扱いが極めて面倒であった。またα型半水石膏は、上記湿気の問題から長期間の保存が困難であるとともに、比較的市場規模(需要)が小さいため、市場の状況によっては、高い利益回収が困難になる場合がある。特に、前述した従来のガス精製方法が発電所等の設備に本格的に普及した場合には、供給過多となってその商品価値が定常的に下落する可能性がある。
この点、有用性が高く取扱いの楽な二水石膏が得られる本例のガス精製装置は優れている。
【0044】
(4)反応器60内のスラリ液面上に発生するガス、すなわち、スラリ中に吹込まれスラリ中を上昇する過程で亜硫酸ガスを吸収除去された再生反応ガスCが、反応器から再生循環ガスDとして導出され、再生反応中の脱硫塔1での吸着剤2の再生(焙焼)反応における再生用ガスとして循環使用される。このため、イナートガスとしての空気(窒素)の使用量が低減される効果がある。
(5)酸素濃度制御手段50は、反応器側酸素供給量制御手段50aにより、反応器60内に吹込まれる再生反応ガスCの酸素濃度を、反応器60における酸化反応に最低限必要な値よりも過剰な濃度に調整し、その後この再生反応ガスCが反応器60内において反応して導出されてなる再生循環ガスDの酸素濃度を脱硫塔側酸素供給量制御手段50bにより微調整して、最終的に所定の酸素濃度(例えば2パーセント以下)に調整して、吸着剤の温度管理を行う。このため、反応器60内の酸素の分圧は、スラリ中に吸収した亜硫酸を全量酸化するのに必要最低限の分圧よりもかなり大きな値に維持され、反応器60における酸化反応は十分促進されて効率良く二水石膏が析出するとともに、亜硫酸ガスの吸収性能も高く保持される。
【0045】
(6)二水石膏を生成するための反応器60内のスラリの温度管理は、最終的には反応器内スラリ温度制御手段70により行われるが、前述の再生反応ガス温度制御手段84又は吸収剤スラリ温度制御手段120の機能により、反応器60内に吹込まれる再生反応ガスCの温度や、反応器60内に供給される石灰石スラリの温度が、制御目標値(例えば90℃)に近い値(例えば100℃又は70℃程度)に予め調整される。このため反応器内スラリ温度制御手段70の負荷が低減され、容易かつ正確に反応器60内のスラリの温度管理が可能になるとともに、反応器内スラリ温度制御手段70を構成する冷却手段(伝熱管71など)の構成が簡単かつ小型なものになる。
【0046】
なお、本発明は上記形態例に限られず各種の態様があり得る。
例えば、本発明の酸素濃度制御手段は、上記例のような反応器側酸素供給量制御手段50aと脱硫塔側酸素供給量制御手段50bの両者よりなるものではなく、反応器側酸素供給量制御手段のみからなるものとすることができる。
例えば図3に示すような、反応器側酸素供給量制御手段50cのみからなるものでもよい。この反応器側酸素供給量制御手段50cは、反応器側酸素供給配管43を流れる空気の流量を検出する流量センサ51と、反応器側酸素供給配管43を流れる空気の流量を調整する流量調整弁52と、流量センサ51と脱硫塔側酸素濃度コントローラ56aの出力信号X3を受けて、流量調整弁52の開度を制御する反応器側供給量コントローラ53aとよりなる。
【0047】
ここで、脱硫塔側酸素濃度コントローラ56aは、出力信号X3として、反応器側酸素供給量コントローラ53aの流量制御目標値を出力するもので、脱硫塔側ガスセンサ54の酸素濃度の検出値と、再生塔温度コントローラ58から入力された酸素濃度目標値(例えば2パーセント)との偏差に応じて、脱硫塔側ガスセンサ54の検出値がこの酸素濃度目標値に一致する方向に前記流量制御目標値を変化させ、これにより再生反応中の脱硫塔1に導入される再生循環ガス中の酸素濃度を所定値に制御するものである。
なおこの場合、脱硫塔側酸素供給量コントローラ56aにより直接流量調整弁52の開度を制御するようにしてもよい。
【0048】
この場合でも、結果として反応器60内には、石膏回収のための酸化反応に必要な酸素量以上の空気が導入され、その余剰分の酸素が脱硫塔1における再生工程に必要最小限の量に連続的に維持され、再生工程中の吸収剤2の温度管理が信頼性高く実現される。
そしてこのような構成にすれば、本発明の酸素濃度制御手段の構成が非常に簡単になり、また一つの酸素含有ガス供給ライン(図3の場合には、反応器側酸素供給配管43)で装置全体の酸素含有ガス供給が行えるようになるため、装置の配管構成及び機器構成の簡素化、ひいては装置の小型化やコスト低減等が実現される。
ただしこの場合、反応器60において消費される酸素量の変動が大きい場合などには、再生循環ガスD中に残留する未反応の酸素量(酸素濃度)の迅速かつ正確な制御によるフィードバックを瞬時に行わなければならず、脱硫塔1に導入される再生循環ガスDの酸素濃度が最終的に脱硫塔側酸素供給量制御手段50bにより微調整される前述の図1及び図2の構成が正確さ及び変動に対する応答性の点では優れている。
【0049】
また、本発明の酸素濃度制御手段を、上記例のような反応器側酸素供給量制御手段と脱硫塔側酸素供給量制御手段の両者より構成する場合でも、反応器側酸素供給量制御手段では、反応器60内における酸化反応に必要な酸素量のみを再生反応ガスC中に供給し、再生反応中の脱硫塔1における再生(焙焼)反応に必要な酸素はそのほとんどすべてを、再生循環ガスDる対する反応器側酸素供給量制御手段による酸素供給量制御により供給する構成もあり得る。ただしこの場合には、前述したような反応器60内の酸素分圧が余分に高くなることによる反応促進の効果は得られないので、この点において上記例の構成が優れている。
また、前記(1)の発明については、上記のように吸着した硫黄分から石膏を回収する構成に限られず、例えば硫黄単体で回収するタイプでもよいことはいうまでもない。
また、本発明の温度制御手段(例えば反応器内スラリ温度制御手段70)は、上記実施例のような反応器等の内部に配置した伝熱管に冷媒を流す構成に限られず、反応器等に形成したジャケット(冷媒通路)に冷媒を流す構成でもよい。また、本発明の温度制御手段は、再生反応ガス温度制御手段84や吸収剤スラリ温度制御手段120を設けないで、例えば反応器内スラリ温度制御手段70のみで構成することもできる。
また、反応器に再生反応ガスを吹込む手段としても、例えばロータリアトマイザーなどを使用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明のガス精製装置よりれば、酸素濃度制御手段によって脱硫塔に導入される再生用ガスの酸素濃度が制御されることにより、再生反応中の脱硫塔内の吸着剤の温度が許容温度範囲内に保持される。
再生反応中の脱硫塔内の吸着剤の温度は酸素供給量に大きく依存するため、酸素濃度を制御しながら吸着剤の温度管理を行う本発明の構成であれば、応答性良く吸着剤の温度制御が可能となり、結果として吸着剤の変質や粉化を確実かつ容易に防止することができる。
しかも、酸素濃度目標値を限界値近くに設定することで、吸着剤の温度を許容値近傍にできる限り高温に維持し、吸着剤の変質等を阻止しつつ、再生(焙焼)反応を促進して再生工程が最短の時間で行える効果もある。
すなわち、特に吸着剤の温度管理のための酸素濃度管理をしない従来の構成にあっては、吸着剤の変質等を確実に避けるためには、一時的な温度変動や酸素濃度変動も考慮して酸素の供給量をかなり低めに設定せざるを得ず、結果として再生工程が長期化するが、本発明の場合にはこのような問題が解消される。
【0051】
また、前記(2)〜(4)の発明の装置では、反応器内のスラリ液面上に発生するガスが、反応器から再生循環ガスとして導出され、脱硫塔で吸着剤の再生(焙焼)反応における再生用ガスとして循環使用される。このため、イナートガスとしての空気(窒素)の使用量が低減される効果がある。
また、反応器内の酸素の分圧は、スラリ中に吸収した亜硫酸を全量酸化するのに必要最低限の分圧よりも大きな値に維持され、反応器における酸化反応は十分促進されて効果良く石膏が析出するとともに、亜硫酸ガスの吸収性能も高く保持される。
なお、前記(3)の発明の装置は、酸素濃度制御手段の構成が非常に簡単になり、一つの酸素含有ガス供給ラインで装置全体の酸素含有ガス供給が行えるようになるため、装置の配管構成及び機器構成の簡素化、ひいては装置の小型化やコスト低減等が実現される効果もある。
【0052】
また、前記(4)の発明の装置よれば、製品として販売可能な石膏が副生され、しかも得られる石膏は有用性が高く取扱いも簡単な二水石膏となる。二水石膏は市場規模の大きな建材原料等として、十分な特性を有するものであり、しかもα型半水石膏とは違って野積みなどが可能で取扱いが容易であるため、実用的で、石膏販売による利益回収の点でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス精製装置の1実施態様について主にその精製部の構成を示す図。
【図2】本発明のガス精製装置の1実施態様について主にその石膏回収部の構成を示す図。
【図3】本発明のガス精製装置の他の実施態様について主にその精製部の構成を示す図。
【符号の説明】
1 脱硫塔
2 吸着剤
11 第1ガス導入ライン
12 第2ガス導入ライン
13 精製ガス導出ライン
14 再生反応ガス導出ライン
15 再生循環ガス導入ライン
40 酸素供給手段
50 酸素濃度制御手段
50a 反応器側酸素供給量制御手段
50b 脱硫塔側酸素供給量制御手段
50c 反応器側酸素供給量制御手段
60 反応器
70 反応器内スラリ温度制御手段(温度制御手段)
84 再生反応ガス温度制御手段(温度制御手段)
120 吸収剤スラリ温度制御手段(温度制御手段)
A 高温高圧還元性ガス
B 精製ガス
C 再生反応ガス
D 再生循環ガス(再生用ガス)
H 石膏
Y 空気(酸素含有ガス)
Claims (2)
- 高温高圧還元性ガスを固定床式の脱硫塔に導き、この脱硫塔内に装填された吸着剤で前記高温高圧還元性ガス中に含まれる硫黄化合物を硫化物として吸着除去し、吸着後の吸着剤を酸素を含有する再生用ガスで焙焼して再生し、前記再生反応により生成した亜硫酸ガスを含む再生反応ガスを反応器に導き、この反応器内に供給されたカルシウム化合物含有スラリ内に酸素含有ガスとともに吹込んで、カルシウム化合物含有スラリと前記再生反応ガス及び酸素含有ガスとを気液接触させることにより、前記反応器内において亜硫酸ガスの吸収と石膏の析出とを行わせるガス精製装置において、前記反応器内のスラリ液面上に発生するガスを、前記反応器から再生循環ガスとして導出し、反応器から脱硫塔への途上でこの再生循環ガスに酸素含有ガスを追加供給して前記吸着剤の再生用ガスとして循環使用する構成とするとともに、前記反応器内のスラリ中に吹込む酸素含有ガスの流量を、吸収された亜硫酸を全量酸化するのに必要な酸素量以上に制御する反応器側酸素供給量制御手段と、前記再生用ガス中の酸素濃度が再生反応時における前記脱硫塔内の温度が吸着剤の許容温度範囲内に保持されるように前記再生循環ガスに追加供給する酸素含有ガスの流量を制御する脱硫塔側酸素供給量制御手段とからなる酸素濃度制御手段を設けたことを特徴とするガス精製装置。
- 前記反応器内におけるスラリ温度を、二水石膏が析出する温度範囲内になるよう制御する温度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のガス精製装置。
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