JP3665919B2 - 加圧型石炭ガス化プラント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧型石炭ガス化プラントに係り、特に、生成ガスを循環水と接触させて洗浄するガス処理装置を備えた加圧型石炭ガス化プラントにおいて、起動時に軽油などの燃料油を燃焼して昇温及び昇圧する際に、燃焼排ガス中に含まれる炭酸ガス等の酸性ガスが循環水に吸収されて循環水が酸性となってガス処理装置の機器構成材料を腐食させるのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭は豊富な埋蔵量を持つ有用なエネルギー源であるが、十数%の灰分(アルミナ、シリカ、カルシウム等)や有害金属(Cr,Hg等)を含むため、その処理法が難しく適用範囲を狭めていた。しかし噴流層石炭ガス化装置等では、石炭を酸素等のガス化剤により高温下で部分燃焼して有用なガスを生成すると共に、灰分を溶融させ有害成分が溶出しにくいスラグとして系外に取り出すことができる。このため、利用分野が広がり、特に発電用の燃料として、あるいは産業用の原料として有望視されている。
【0003】
図2に、従来の加圧型噴流層ガス化プラントにおける、ガス化炉から湿式のガス処理装置廻りの系統図を示す。この装置では、まず油バーナ13に燃料油14及び空気15を供給して燃焼することにより、ガス化炉1から熱回収ボイラ2及びフィルタ6に至る系統の温度及び圧力を上昇させ、所定の温度及び圧力に到達させて起動準備を行う。このシステムでは、発生ガス11を湿式のガス処理装置である洗浄器3に通して洗浄しながら、出口に設けた圧力調整弁16により、除々に系の圧力を所定値まで昇圧する。昇温及び昇圧が完了したのち、燃料である微粉炭17と酸化剤18をガス化炉1に投入し、徐々にガス化運転に切り替えていく。洗浄器3では弁42を開けて循環水20をポンプ9により循環させ、発生ガス11と気液接触させることにより、発生ガス11中に微量含まれるガス成分や未燃分が湿式除去される。
【0004】
すなわち、洗浄器3は、起動時及びガス化運転への切替時には、後続の脱硫設備の性能を低下させる酸性ガス成分を除去し、これに加えて、石炭ガス化運転中には未捕集の微細なダスト等やアンモニア、ハロゲン化合物等の微量ガス成分を除去したり、ガス温度を調節したりする等の処理を主な目的としている。ガス化運転中は、発生ガス11中に多く含まれているダスト等の固形分をガス洗浄器で捕集し、デカンタ26により固形分を沈降させ、排水弁22を調節しながら沈降した固形分を水とともに抜き出し、適宣補給水が給水される。
【0005】
加圧型噴流層ガス化プラントは、ガス化炉1に接続された熱回収ボイラ2、熱回収ボイラ2に接続されたサイクロン12、サイクロン12に接続されたフィルタ6、フィルタ6に接続されたガスガス熱交換器19、ガスガス熱交換器19に接続されたガス洗浄器3、その下方に配置されガス洗浄器3底部に管路38で接続されたデカンタ26、デカンタ26の下方に配置されその底部に排水弁22を介装した管路37で接続された排水処理設備23、デカンタ26の底部に弁42を介装した管路27で吸込側を接続された循環水ポンプ9、循環水ポンプ9の吐出側とガス洗浄器3の上部を連通する管路36に介装された冷却器24、デカンタ26の上部に接続された補給水供給手段21、ガス洗浄器3の上部に接続された脱硫塔4、これらの機器を接続する管路及び弁を含んで構成される。デカンタ26の内部は底面から所定の高さまで延びる仕切壁で二つに区画され、排水弁22を介装した管路37と弁42を介装した管路27は互いに異なる区画に接続され、前記管路38は管路37が接続された区画の上部になる位置に接続され、補給水供給手段21は管路27が接続された区画の上部になる位置に接続されている。つまり、管路38からデカンタ26に流入した循環水は管路37が接続された区画に溜り(排水弁22は通常閉じられている)、当該区画から溢れた循環水が前記仕切壁を超えて管路27が接続された区画に流入するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ガス化プラントの起動時においては、油バーナ13の燃焼排ガスである発生ガス11を洗浄器3に通して洗浄・冷却する際に、当該発生ガス11中に含まれる窒素酸化物(NO2及びNO3)や亜硫酸ガス(SO2及びSO3)及び炭酸ガス(CO2)などが、圧力が高くなるにしたがって循環水20に吸収され易くなり、循環水20が酸性水となり、ガス処理設備を構成する機器材料が著しく腐食する問題があった。
【0007】
石炭ガスプラント起動時の発生ガス11は、油バーナ13の高温燃焼排ガスであることから、一般的に油中に含まれる硫黄分や高温燃焼によって生ずる窒素酸化物(NO2、NO及びN2O)や亜硫酸ガス(SO2及びSO3)が炭酸ガス(CO2)とともに含まれている。これらのガスは水に吸収されると、次式に従ってアニオンとプロトン(水素イオン)に解離することが知られており、水が酸性を呈することから酸性ガスと呼ばれている。
【0008】
【化1】
【0009】
通常、常温・常圧のもとでは、これらの酸性ガスは水にあまり多くは吸収されず、NO2では20%程度、SO2では50%程度、CO2では0.1%以下の吸収率である。しかしながら本システムのように、加圧型の石炭ガスプラントを起動する際に発生する排ガスでは、圧力の上昇に伴い各酸性ガス成分の分圧が上昇し、全圧力が1Mpa程度においては、NO2及びSO2ではほぼ100%近く、CO2では1%程度が吸収されるようになる。そのため上記に示した(式2,5,6,7)に従って、水素イオン濃度が圧力の増加に従って増加し、繰り返して洗浄に使用している循環水20のpHは急激に低下する。
【0010】
ガス処理装置を構成する鉄材料には、石炭ガス化運転中の発生ガス11中に炭酸ガス、硫化水素(H2S)及び塩化水素(HCl)等が含まれるため、ある程度の腐食代を見込んで炭素鋼や低合金鋼等が用いられる。図3に炭酸ガスを含む水溶液中での鉄の腐食速度に及ぼす温度の影響を示す。常温〜50℃程度までは弱酸性ないし弱アルカリ水溶液中でも硫化鉄(FeSx)や酸化鉄(Fe2O3)が保護皮膜となり腐食速度は比較的低い。ところが温度が高くなると、炭酸ガスにより100℃付近をピークとして腐食量は増大し、さらに130℃以上の高温水中では炭酸鉄(FeCO3)等の2価金属の炭酸塩の生成による保護皮膜により腐食が抑制されることが知られている(参考文献例:材料と環境、Vol.44(39),p.142−150,1995)。しかしながら、例えば全圧力が3MPaで、100ppmのNO2及び5%のCO2を含む500m3N/hのガスを5m3の循環水で洗浄すると、循環水のpHは洗浄とともに低下し始めて、やがてpHが3以下の強酸性を示すようになり、機器構成材料であるこれら鉄材料は激しい腐食を起こし継続して運転することができなくなる。
【0011】
本発明の目的は、加圧型石炭ガス化プラント起動時において、湿式のガス処理装置の機器構成材料である鉄材料等が腐食するのを抑制することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明の加圧型石炭ガス化プラントは、加圧型石炭ガス化炉から排出される生成ガスを水に接触させて洗浄するガス洗浄器と、該ガス洗浄器に水を循環させる循環水ポンプと含んでなるガス処理装置を備えてなる加圧型石炭ガス化プラントにおいて、前記ガス処理装置は、前記加圧型石炭ガス化炉で燃料油を燃焼させた燃焼排ガスによって前記加圧型ガス化炉を含むプラントを昇温及び昇圧する起動時に、前記ガス洗浄器から抜き出した循環水を減圧して該循環水に吸収された炭酸ガス等の酸性ガス等の酸性ガスを放散させた後、前記循環水ポンプを介して前記ガス洗浄器に循環させることを特徴とする。これによって、一旦循環水に吸収された炭酸ガス等の酸性ガスの一部が気体として放散され、循環水の酸性が弱くなるからガス処理装置の機器構成材料である鉄材料等の腐食を抑制できる。
【0013】
上記減圧手段に加え、酸性ガスを吸収した循環水の水素イオン濃度(pH)を調整するpH調整手段を設け、循環水の水素イオン濃度(pH)を6ないし9の弱酸性ないし弱アルカリ性とするようにしてもよい。
【0014】
特にガス洗浄器3に導入される発生ガス11中の窒素酸化物及び亜硫酸ガス等の炭酸ガスを除く酸性ガスの合計濃度が数10ppm以下で低い場合には、減圧手段及び循環水ポンプのみを設けて、循環水20に一旦吸収した炭酸ガス等を放散することで腐食を防止でき、水素イオン濃度(pH)の調整手段は不要である。また、ガス洗浄器3に導入される発生ガス11のガス温度が約100℃以上で高い場合には、ガス洗浄器3の循環水を冷却器により50℃以下に冷却するか、または加熱器で130℃以上に加熱することで腐食を防止できる。一般にこの冷却器または加熱器には、図2の従来例で示したガス化運転時に使用される冷却器24を兼用することができる(加熱器として使用する場合は、蒸気等の熱源が必要となる)。また、減圧手段としては、減圧弁並びに減圧器を設けるか、あるいはガス化運転に用いられるデカンタ等のドラムを減圧器として兼用し、その前流に減圧弁を設けることで対処することができる。
【0015】
本発明からなるガス処理装置を用いることにより、洗浄によって一旦吸収した酸性ガスを含む循環水20を減圧して減圧器に抜き出す際に、おもに物理的に吸収されている炭酸ガスを主成分とする酸性ガスの一部が放散され、循環水のpHが上昇し、減圧による水分蒸発により循環水温度が低下する。発生ガス11の温度が約100℃以下で、且つNOx及びSOx濃度が数10ppmで低い場合には、減圧することで循環水のpHは6程度の弱酸性で温度が50℃以下となり、ガス処理装置を構成する安価な鉄材料等の腐食を抑制でき、加圧循環ポンプにより循環水20を加圧して洗浄に用いることができるようになる。
【0016】
一方、発生ガス11中のNOx及びSOx濃度が100ppm以上となる微量酸性ガス濃度の高い場合には、循環水20に吸収されるNOx及びSOxガスが増加してNO3~及びSO3 2~濃度が高くなるが、pH調整器を用いて上式の(2)、(5)により生じる水素イオン(H+)を中和することで、pHを6ないし9の弱酸性ないし弱アルカリ性とすることにより、ガス処理装置の腐食が抑制される。また、発生ガス11の温度が高く、約100℃以上である場合には、洗浄に伴い循環水20の温度が50℃以上に上昇するため、冷却器により循環水温度を50℃以下にするか、または加熱器により130℃以上に加熱して酸化鉄(Fe2O3)あるいは炭酸鉄(FeCO3)等の保護皮膜を形成させることにより材料の腐食が抑制できる。
【0017】
なお、pH調整に用いるアルカリにはNaOH、KOH等の水酸化アルカリ、不揮発性アミンまたはアンモニア(NH3、NH4OH)を用いることが望ましい。Ca化合物等のアルカリ土類金属塩は、炭酸ガスと反応し溶解度の低い炭酸塩を折出し易く、機器内部を閉塞する原因となるため使用しないほうが望ましい。さらに、循環水20のpHを9以上のアルカリ性にすると、ガス化運転に移行する際に発生ガス11中に含まれる炭酸ガス(CO2)を吸収し易くなり、燃料であるガス流量が減少してGTを用いる発電システムには不適当となるため、上記のpH範囲にあるいことが望ましい。また、本発明によれば、一旦吸収された炭酸ガスを放散させているため、起動後ガス化運転に切り替える際に、石炭ガスにダストとして含まれるカルシウム化合物が、循環水中に溶解している炭酸ガスと反応してスケールを発生するという問題も軽減される効果が期待できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
石炭ガス化プラントにおける湿式のガス処理装置に本発明を適用した第1の実施例を図1に示す。本実施例が図2に示した従来例の構成と異なるのは、炭酸ガス等を含む発生ガス11と接触させるガス洗浄器3とデカンタ26と循環水ポンプ9及び冷却器24を含んでなる循環水系統において、デカンタ26と循環水ポンプ9の吸込側を接続する管路27に介装された弁42の上流側に減圧弁28を介して減圧器7が接続され、減圧器7の底部に吸込側を接続した循環水加圧ポンプ41が配置され、循環水加圧ポンプ41の吐出側と前記弁42の下流側の管路27が管路35により連通され、管路35にアルカリ供給調整弁30を介装したアルカリ供給管路29が接続され、デカンタ26の内部に水素イオン濃度(pH)を測定するpH測定器33が配置され、pH測定器33の出力を入力としてアルカリ供給調整弁30の開度を制御するpH調整器34が設けられている点である。減圧器7の上部(気相部)には、気体を放出する手段が設けられている。アルカリ供給管路29、アルカリ供給調整弁30、及びpH調整器34をpH調整手段とする。全圧力が3MPaまで加圧し、約100ppmのNOx、約50ppmのSOx及び5%のCO2を含む150〜300℃、1000m3N/hのガスを10m3の循環水で洗浄する場合を示した。
【0019】
本実施例による作用と効果について以下に説明する。まず、起動時には油バーナ13の燃焼排ガスをガス洗浄器3を通して循環水20により洗浄及び冷却する。この操作により発生ガス11中に含まれる酸性ガスが循環水20に吸収され、pH測定器33は酸性を示すようになる。そこで、弁42を閉じ減圧弁28を開いて減圧器7に循環水20を導きながら、洗浄によって吸収した酸性ガスを含む循環水を減圧すると、おもに物理的に吸収されている炭酸ガスを主成分とする酸性ガスの一部が減圧器7の中で循環水から放散される。
【0020】
さらに、pH測定器33の出力信号を入力とするpH調整器34の信号に従ってアルカリをアルカリ供給調整弁30で制御して管路35に供給し、循環水加圧ポンプ41により減圧器7の循環水20を管路35を経て循環水ポンプ9の吸込側に送りこんで再循環させることで、NOx及びSOx等を吸収して生じる循環水20中の水素イオン(H+)を減少させ、ガス洗浄器3における循環水20のpHを6ないし9の弱酸性ないし弱アルカリ性に維持することができる。また、発生ガス11の顕熱により循環水の温度が50℃以上に上昇するため、冷却器24に冷却水25を供給することにより、循環水20の温度を50℃以下に維持することができる。これによって、ガス処理装置を構成する鉄材料の腐食が抑制される。
【0021】
〈実施例2〉
石炭ガス化プラントにおける湿式のガス処理装置に本発明を適用した第2の実施例を図4に示す。本実施例が前記図1に示す第1の実施例と異なるのは、管路36に介装されていた冷却器24を省き、管路35のアルカリ供給管路29の接続点より下流側に加熱器32を介装した点である。本実施例は、循環水ポンプ9及び循環水加圧ポンプ41を用いて循環水20をガス洗浄器3と減圧器7の間で循環し、約300℃の高温の発生ガス11をガス洗浄器3に通して循環水20と接触させることにより、発生ガス11中に含まれる微量酸性ガス等の不純物を除去する装置である。
【0022】
本構成によれば、発生ガス11を洗浄、冷却する際に、ガスの顕熱により循環水20の一部を蒸発させるとともに、加熱器32に供給するスチーム31の供給量を調節することにより、循環水20の温度を130℃以上に維持することができる。この例のように発生ガス11の入口温度が300℃程度と高い場合には、その顕熱により循環水20の温度を容易に120℃以上に維持できるため、循環水20の加熱に補助的に要するスチーム量は少量で良いことになる。なお、循環水20のうち蒸発により失われる不足分は、補給水を供給する必要がある。また、循環水20に吸収される酸性ガスによるpH低下を補うために、水素イオン濃度(pH)の測定器33の値に応じてpH制御器34からアルカリ供給調整弁30の開度(あるいは開閉)を指示し、循環水のpHを6ないし9の弱酸性ないし弱アルカリ性に維持することができる。この場合、循環水20の温度が約130℃以上と高いために、酸性ガスのうち、特に炭酸ガスの吸収量が減少し、中和に要するアルカリの供給量は循環水温度の低い実施例1に比べて極めて少なくなる。
【0023】
〈実施例3〉
石炭ガス化プラントにおける湿式のガス処理装置に本発明を適用した第3の実施例を図5に示す。本実施例が前記図2に示す従来技術と異なるのは、ガス洗浄器3とデカンタ26を接続する管路38に減圧弁28が介装されていること、デカンタ26の気相部に弁44を介装した管路39が接続されていること、管路36の冷却器24の上流側にアルカリ供給調整弁30を介装したアルカリ供給管路29が接続されていること、デカンタ26の内部に水素イオン濃度(pH)を測定するpH測定器33が配置されていること、pH測定器33の出力を入力としてアルカリ供給調整弁30の開度(あるいは開閉)を制御するpH調整器34が設けられていることである。
【0024】
本実施例では、第1の実施例における減圧器7の代わりに、従来よりガス化運転に用いるデカンタ26等のドラムを減圧器として兼用し、デカンタ26とガス洗浄器3からデカンタ26に循環水を導く管路38に減圧弁28を設けてある。ガス化炉起動時には、減圧弁28により循環水20を減圧し、減圧された循環水をデカンタ26に導くことで、循環水20中に溶解している酸性ガス8をデカンタ26内で放散させ、放散された酸性ガス8を弁44を介して管路39から系外に放出する。また、pH調整器34はpH測定器33の出力を入力としてアルカリ供給調整弁30の開度(あるいは開閉)を制御してアルカリ供給管路29からアルカリを管路36に供給し、循環水20のpHをアルカリで中和して調節することができる。
【0025】
ガス化運転中には、従来通り減圧することなく循環水20をデカンタ26に導入しながら、循環水ポンプ9により循環させてガスを洗浄すことができる。本実施例によれば、減圧器を新たに設置する必要がなく、低コストで経済的である。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば石炭ガス化プラント起動時の湿式ガス処理装置における鉄材料等の腐食を抑制することができるので、高価な材料を用いることなく、安価で安定した起動運転のできるガス処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る石炭ガス化プラントの第1の実施例を示す系統図である。
【図2】 石炭ガス化プラントの湿式ガス処理装置の従来例を示す系統図である。
【図3】 炭酸ガス含有水溶液中の鉄の腐食量と温度の関係を示すグラフである。
【図4】 本発明に係る石炭ガス化プラントの第2の実施例を示す系統図である。
【図5】 本発明に係る石炭ガス化プラントの第3の実施例を示す系統図である。
Claims (4)
- 加圧型石炭ガス化炉から排出される生成ガスを水に接触させて洗浄するガス洗浄器と、該ガス洗浄器に水を循環させる循環水ポンプと含んでなるガス処理装置を備えてなる加圧型石炭ガス化プラントにおいて、前記ガス処理装置は、前記加圧型石炭ガス化炉で燃料油を燃焼させた燃焼排ガスによって前記加圧型石炭ガス化炉を含むプラントを昇温及び昇圧する起動時に、前記ガス洗浄器から抜き出した循環水を減圧して該循環水に吸収された炭酸ガス等の酸性ガスを放散させた後、前記循環水ポンプを介して前記ガス洗浄器に循環させることを特徴とする加圧型石炭ガス化プラント。
- 前記ガス処理装置は、前記循環水のpHを6ないし9の弱酸性ないし弱アルカリ性に調整するpH調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加圧型石炭ガス化プラント。
- 前記ガス処理装置は、前記循環水の温度を50℃以下に冷却する冷却器を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧型石炭ガス化プラント。
- 前記ガス処理装置は、前記循環水の温度を130℃以上に加熱する加熱器を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧型石炭ガス化プラント。
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