JP2000297107A - 乳化分散安定剤及びそれを用いたエマルジョン、再分散性エマルジョン粉末 - Google Patents

乳化分散安定剤及びそれを用いたエマルジョン、再分散性エマルジョン粉末

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JP2000297107A JP10623499A JP10623499A JP2000297107A JP 2000297107 A JP2000297107 A JP 2000297107A JP 10623499 A JP10623499 A JP 10623499A JP 10623499 A JP10623499 A JP 10623499A JP 2000297107 A JP2000297107 A JP 2000297107A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化分散力に優れた乳化分散安定剤を提供
し、更に重合安定性、放置安定性、希釈安定性、機械安
定性に優れたエマルジョン及び再分散性エマルジョン粉
末を提供すること。 【解決手段】 オキシアルキレン基の繰り返し単位が5
〜100のポリオキシアルキレン基を1〜20モル%含
有し、更に平均ケン化度が30〜80モル%、平均重合
度が50〜500で、かつ、4重量%水溶液の曇点が7
0℃以上であるポリオキシアルキレン基含有ビニルエス
テル系樹脂(A)からなる乳化分散安定剤及びエマルジ
ョン、再分散性エマルジョン粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、不飽和単量体の乳化重合時の乳
化分散安定剤及びその用途に関し、更に詳しくはアクリ
ル系モノマーの乳化重合において、優れた乳化分散力を
示すポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂
からなる乳化分散安定剤及びその用途に関するものであ
る。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルエステル系モノマー、特に
酢酸ビニルの乳化重合に際しては乳化分散安定剤として
はポリビニルアルコール系樹脂が使用されている。そし
て、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度、ケン化度、
残酢基の分布等により、得られたエマルジョン粘度、耐
水性、安定性等が大きく影響されることが知られてい
る。
【0003】又、変性ポリビニルアルコール系樹脂を分
散安定剤として用いたものに、特公平3−60321号
公報や特公昭60−54961号公報がある。特公平3
−60321号公報開示技術は、オキシアルキレン基を
重合体側鎖に有するビニルエステル系樹脂からなる分散
安定剤に関するものであり、特公昭60−54961号
公報開示技術は、アセト酢酸エステル化ポリビニルアル
コールを乳化剤として用いた乳化重合方法に関するもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、アク
リル系モノマーの乳化重合に際しては、近年では、アク
リル系モノマーを乳化分散安定剤の水溶液に混合分散し
た溶液(プレエマルジョン)をアクリル系モノマーの重
合反応系に滴下する方法が行われるが、ポリビニルアル
コール系樹脂を乳化分散安定剤に用いた場合では、ポリ
ビニルアルコール系樹脂とアクリル系モノマーとの親和
性が低く、乳化分散力の不足のため、このプレエマルジ
ョンを得ることができず、アクリル系モノマーの滴下方
法にて乳化重合せざるを得ないため、得られるアクリル
系エマルジョンについては良好な重合安定性や性状のエ
マルジョンが得られないのが現状である。
【0005】更に、ポリビニルアルコール系樹脂とアク
リル系モノマーとの親和性を改善するため、ポリビニル
アルコール系樹脂のケン化度を下げることが考えられる
が、逆に乳化重合時の温度65〜85℃において、ポリ
ビニルアルコール系樹脂水溶液に曇点が発現し、乳化分
散力が低下し、乳化重合に適さなくなる。
【0006】一方、オキシアルキレン基を有するポリビ
ニルアルコール系樹脂を分散安定剤として用いた特公平
3−60321号公報やアセト酢酸エステル化ポリビニ
ルアルコール系樹脂を分散安定剤として用いた特公昭6
0−54961号公報では、エマルジョンの放置安定
性、希釈安定性等が改善されているものの、まだまだ満
足のいくものではなく、更なる向上が求められている。
更に、上記公報等はプレエマルジョンに関する記載はな
く、プレエマルジョンを用いた乳化重合に対応した乳化
分散安定剤が求められている。
【0007】又、再分散性エマルジョン粉末について
は、通常のエマルジョンに比較して粉末であることによ
り取り扱いが容易で、水を含まないので輸送が容易で、
使用時には粉末を水に添加し撹拌することにより水中に
再分散して通常のエマルジョンと同様に使用できる長所
を持っているが、化学的性能、物理的性能に優れたアク
リル系樹脂エマルジョンについては再分散性に優れたエ
マルジョンは得られていないのが実情であり、再分散性
や被膜の性能に優れた再分散性エマルジョン粉末の要求
が高まっている。
【0008】そこで、本発明ではこのような背景下にお
いて、乳化分散力に優れた乳化分散安定剤を提供し、更
に重合安定性、放置安定性、希釈安定性、機械安定性に
優れたエマルジョン及び再分散性、エマルジョンフィル
ムの耐水性に優れた再分散性エマルジョン粉末を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、オキシアルキレン
基の繰り返し単位が5〜100のポリオキシアルキレン
基を1〜20モル%含有し、更に平均ケン化度が30〜
80モル%、平均重合度が50〜500で、かつ、4重
量%水溶液の曇点が70℃以上であるポリオキシアルキ
レン基含有ビニルエステル系樹脂(A)からなる乳化分
散安定剤が上記目的に合致することを見出し、本発明を
完成した。
【0010】本発明では、ポリオキシアルキレン基含有
ビニルエステル系樹脂(A)に、更にアセトアセチル基
を含有させることがエマルジョンフィルムの耐水性及び
重合安定性の点で好ましい。又、本発明は、上記乳化分
散安定剤を用いてアクリル系モノマーを乳化重合してな
るエマルジョン及び該エマルジョンを噴霧乾燥してなる
再分散性エマルジョン粉末を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いられるポリオキシアルキレン基含有ビ
ニルエステル系樹脂(A)中のオキシアルキレン基と
は、下記一般式(1)で示される構造を有するものであ
る。
【0012】
【化1】 ここで、R1、R2は水素又はアルキル基、Xは水素、ア
ルキル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、ス
ルホン酸塩基等の有機残基のいずれかで、nは5〜10
0の整数である。
【0013】Xは通常水素であることが好ましく、nは
5〜100、好ましくは15〜55のポリオキシアルキ
レン基が実用的で、ポリオキシアルキレン基としてはポ
リオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオ
キシブチレン基等が効果的であるが、好ましくはポリオ
キシエチレン基がより効果的である。
【0014】ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステ
ル系樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されるこ
となく任意の方法が挙げられる。例えば、ポリオキシ
アルキレンの存在下にビニルエステルを重合する方法、
ポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体とビニ
ルエステルを共重合する方法、ポリビニルアルコール
に酸化アルキレンを後反応させる方法等が挙げられる。
中でも、の方法が樹脂の製造面、性能面から実用的で
ある。以下の方法について具体的に説明する。
【0015】ポリオキシアルキレン基を有する不飽和単
量体としては次のようなものが例示される。但し、本発
明ではこれらのみに限定されるものではない。(メタ)アクリル酸エステル型 一般式(2)で示されるもので、具体的にはポリオキシ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
【化2】 ここで、Rは水素又はメチル基、Aはアルキレン基、置
換アルキレン基、フェニレン基、置換フェニレン基のい
ずれかで、mは0又は1以上の整数、nは5〜100、
好ましくは15〜55の整数である。
【0017】(メタ)アクリル酸アミド型 一般式(3)で示されるもので、具体的にはポリオキシ
エチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピ
レン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン
(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロ
ピル)エステル等が挙げられる。
【0018】
【化3】 ここで、R3は水素又はアルキル基又は下記一般式
(4)で示される結合種、A、R、R1、R2、m、nは
前記と同様のものである。
【0019】
【化4】 ここで、R1、R2、nは前記と同様のものである。
【0020】(メタ)アリルアルコール型 一般式(5)で示されるもので、具体的にはポリオキシ
エチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレ
ン(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
【0021】
【化5】 ここで、R、R1、R2、nは前記と同様のものである。
【0022】ビニルエーテル型 一般式(6)で示されるもので、具体的にはポリオキシ
エチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニル
エーテル等が挙げられる。
【0023】
【化6】 ここで、A、R1、R2、m、nは前記と同様のものであ
る。これらのポリオキシアルキレン基を含有する単量体
の中でも上記一般式(6)で示される(メタ)アリルア
ルコール型のものが好適に用いられる。
【0024】又、上記の単量体と共重合するビニルエス
テルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、酢酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビ
ニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併
用して用いられるが、中でも酢酸ビニルが実用性の面で
特に好ましい。
【0025】本発明においては、かかる重合の際に前述
した如きポリオキシアルキレン基を含有する不飽和単量
体、ビニルエステル以外の他の一般の単量体を10モル
%以下、好ましくは5モル%以下を本発明の乳化分散安
定剤の水溶性が損なわれない範囲内で存在せしめて重合
を行っても良い。該単量体としては、下記のものが挙げ
られる。
【0026】[エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル]クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イタコ
ン酸メチル、イタコン酸エチル、ソルビン酸メチル、ソ
ルビン酸エチル、マレイン酸モノアルキルエステル、マ
レイン酸ジアルキルエステル、オレイン酸アルキルエス
テル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)ア
クリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシ
ル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
【0027】[飽和カルボン酸のアリルエステル]ステ
アリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸アリ
ル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等が挙げられる。 [α−オレフィン]エチレン、プロピレン、α−ヘキセ
ン、α−オクテン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘ
キサデセン、α−オクタデセン等が挙げられる。
【0028】[エチレン性不飽和カルボン酸](メタ)
アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、並びにこれらのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。 [アルキルビニルエーテル]プロピルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシル
ビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサ
デシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等
が挙げられる。
【0029】[アルキルアリルエーテル]プロピルアリ
ルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエ
ーテル、オクチルアリルエーテル、デシルアリルエーテ
ル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエー
テル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリ
ルエーテル等が挙げられる。 [その他](メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロ
ニトリル、(メタ)アリルスルホン酸塩、エチレン性不
飽和スルホン酸塩、スチレン、塩化ビニル等が挙げられ
る。
【0030】共重合するに当たっては特に制限はなく公
知の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノール、
エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアル
コールを溶媒とする溶液重合が実施される。勿論、乳化
重合、懸濁重合も可能である。かかる溶液重合において
単量体の仕込み方法としては、先ずビニルエステルの全
量と前記ポリオキシアルキレン基含有不飽和単量体の一
部を仕込み、重合を開始し、残りの不飽和単量体を重合
期間中に連続的に又は分割的に添加する方法、前者を一
括仕込みする方法等任意の手段を用いることができる。
【0031】共重合反応は、2,2’−アゾビス−2−
メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−ア
セトキシ−1−フェニルエタン)、アゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル等の公知のラジカル重合触媒や低温活性触媒
を用いて行われる。又、反応温度は40℃〜沸点程度の
範囲から選択される。
【0032】上記の如き方法により得られるポリオキシ
アルキレン基を含有するビニルエステル系樹脂は、ビニ
ルエステル成分を更にケン化してビニルアルコール成分
に変えることが必要で、該ケン化度は30〜80モル%
である。より好ましくは40〜75モル%であり、特に
好ましくは50〜70モル%である。該ケン化度が30
モル%未満では該ポリオキシアルキレン基含有ビニルエ
ステル系樹脂の4重量%水溶液の曇点を70℃以上にす
ることが困難となり、80モル%を越えると該ポリオキ
シアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂のアクリル系
モノマーに対する乳化分散力が低下することとなる。
【0033】ケン化に当たっては共重合体をアルコー
ル、ベンゼン、酢酸メチル等に溶解しアルカリ触媒の存
在下に行われる。アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の
共重合体の濃度は20〜50重量%の範囲から選ばれ
る。ケン化反応時にケン化溶媒中に少量の水(全量に対
して0.1〜5%程度)をアルコールと共に併用しても
良い。ケン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラー
ト、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物や
アルコラートの如きアルカリ触媒が挙げられる。かかる
触媒の使用量はビニルエステルに対して1〜100ミリ
モル当量にすることが必要である。又、硫酸、塩酸等の
酸触媒を用いてケン化することも可能である。
【0034】かくして、本発明に用いるポリオキシアル
キレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)が得られるわ
けであるが、かかるポリオキシアルキレン基の含有量が
1〜20モル%であることが必要で、好ましくは1.5
〜15モル%、更に好ましくは2〜10モル%である。
該含有量が1モル%未満では乳化重合時に曇点が発現し
乳化分散力が低下することとなり、20モル%を越える
と親水性が高くなりすぎアクリル系モノマーとの親和性
が低下することとなる。
【0035】更に、該ビニルエステル系樹脂(A)の平
均重合度については、50〜500であることが必要
で、好ましくは100〜400、特に好ましくは150
〜250である。該平均重合度が50未満ではエマルジ
ョンポリマー粒子の機械安定性が不足することとなり、
500を越えると30〜80モル%のケン化度ではポリ
オキシアルキレン基を導入しても4重量%水溶液の曇点
を70℃以上に維持することができなくなる。
【0036】又、本発明では、ポリオキシアルキレン基
含有ビニルエステル系樹脂(A)について、該ビニルエ
ステル系樹脂(A)の4重量%水溶液における曇点が7
0℃以上であることも重要であり、好ましくは75〜1
00℃、特に好ましくは80〜100℃である。かかる
曇点が70℃未満では乳化重合時に曇点が発現し、該ビ
ニルエステル系樹脂(A)のアクリル系モノマーに対す
る乳化分散能力が損なわれることとなり本発明の効果を
発揮しない。
【0037】該ビニルエステル系樹脂(A)の曇点を7
0℃以上にするには、オキシアルキレン基の含有量、オ
キシアルキレン基の繰り返し単位の数、ビニルエステル
系樹脂のケン化度、ビニルエステル系樹脂の平均重合度
を上記範囲の中で、コントロールすることにより得られ
る。
【0038】かくして本発明のポリオキシアルキレン基
含有ビニルエステル系樹脂(A)が得られ、乳化分散力
に優れた乳化分散安定剤として用いられ、特にアクリル
系モノマーの乳化重合の乳化分散安定剤として好ましく
用いられ、安定したプレエマルジョンを形成することが
できる。
【0039】更に本発明では、上記ポリオキシアルキレ
ン基含有ビニルエステル系樹脂(A)に、更にアセトア
セチル基を含有させることがエマルジョンフィルムの耐
水性及び重合安定性を向上させる点で好ましい。アセト
アセチル基の含有量については、0.1〜5モル%であ
ることが好ましく、更には0.5〜3モル%、特には1
〜2モル%が好ましい。該含有量が0.1モル%未満で
は耐水性の向上が顕著に発揮されず、5モル%を越える
と得られるエマルジョンの放置粘度安定性が低下した
り、得られたビニルエステル系樹脂(A)の曇点が低下
したりして好ましくない。
【0040】アセトアセチル基を含有させる方法として
は、特に限定されないが、例えば下記の方法が挙げられ
る。 アセトアセチル基含有エチレン性不飽和モノマーを製
造し、これを上記ビニルエステルと共重合する。ここで
アセトアセチル基含有エチレン性不飽和モノマーは、例
えば次の方法によって取得される。
【0041】−1 官能基含有エチレン性不飽和モノ
マーにジケテンを反応させる。 −2 該モノマーとアセト酢酸エステルとをエステル
交換反応する。 −1の場合の官能基としてはヒドロキシル基、アミド
基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げら
れる。官能基含有エチレン性不飽和モノマーのうち好適
なものは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−
ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート等であ
る。
【0042】上述の官能基含有エチレン性不飽和モノ
マー成分を含むビニルエステル系樹脂にジケテンを反応
させる。反応は例えば酢酸等の有機酸を共存させた共重
合体にジケテンを添加して加熱撹拌すればよい。 アセト酢酸エステルとエステル交換可能な官能基(ヒ
ドロキシル基やエステル基)を含有するエチレン性不飽
和モノマー成分を含むビニルエステル系樹脂とアセト酢
酸エステルとをエステル交換反応する。 ビニルエステル系樹脂にアセトアセチル基含有エチレ
ン性不飽和モノマーをグラフト重合又は共存重合する。
【0043】上記−1又はの場合のジケテンの反応
は無触媒の他、第3級アミン、酸(硫酸等)、塩基性塩
(酢酸ナトリウム等)、有機金属化合物(ジブチルスズ
ラウレート等)の触媒存在下に行うことができる。上記
−2又はの場合のアセト酢酸エステルの反応は、酢
酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒
の存在下に行うことが好ましい。上記のアセトアセチル
基を含有させる方法のうち、工業的には及びの方法
が特に好ましい。尚、アセトアセチル基を含有させるに
際して、ポリオキシアルキレン基を含有させると同時に
行ってもよいし、ポリオキシアルキレン基を含有させる
前あるいは後に行っても良い。
【0044】かくして本発明のポリオキシアルキレン基
含有ビニルエステル系樹脂(A)からなる乳化分散安定
剤は、乳化重合、後乳化方法等によりエマルジョンを製
造するのに有用である。乳化重合を実施するに当たって
は、水、乳化分散安定剤及び重合触媒の存在下に不飽
和単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する
如き通常の乳化重合法や水、乳化分散安定剤及び重合
触媒の存在下に、不飽和単量体を乳化分散安定剤の水溶
液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又
は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が
実施し得る。
【0045】乳化重合の対象となる不飽和単量体として
は、エチレン性不飽和単量体、ブタジエン系単量体等が
挙げられる。エチレン性不飽和単量体としては、酢酸ビ
ニル、アクリル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、スチレン、エチレン等が挙げら
れ、これらの単独重合もしくは共重合が実施し得る。こ
れらの中でも、本発明の乳化分散安定剤を用いてアクリ
ル系モノマーを乳化重合してなるエマルジョンは機械的
安定性、放置安定性、顔料分散安定性等の点で良好であ
る。
【0046】アクリル系モノマーとしては、特に限定さ
れないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸
オクタデシル等が挙げられる。アクリル系モノマーの乳
化重合については、上記の乳化重合法にて実施するこ
とが重合時の粗粒子発生量を抑制することができる点で
好ましい。
【0047】又、ブタジエン系単量体としては、ブタジ
エン−1,3、2−メチルブタジエン−1,3、2,3
−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン
−1,3等があり、これらは単独又はエチレン性不飽和
単量体と混合して用いられる。これらの中でもブタジエ
ン−1,3とスチレン、ブタジエン−1,3とスチレン
と(メタ)アクリル酸、ブタジエン−1,3とアクリロ
ニトリル、ブタジエン−1,3とアクリロニトリルとス
チレン、ブタジエン−1,3とアクリロニトリルと(メ
タ)アクリル酸エステル、ブタジエン−1,3とメタク
リル酸メチルと(メタ)アクリル酸の組合せで重合を行
うのが有利である。
【0048】乳化分散安定剤の使用量としては、その種
類、要求させるエマルジョンの樹脂分等によって多少異
なるが、通常乳化重合反応系の全体に対して0.1〜3
0重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲から選ばれ
る。乳化分散安定剤の使用量が0.1重量%未満ではポ
リマー粒子の安定な乳化状態で維持することが困難とな
り、30重量%を越えるとエマルジョン粘度が上昇しす
ぎて作業性が低下することとなり好ましくない。
【0049】重合触媒としては、普通過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等がそれぞれ単独で又は酸性亜硫酸
ナトリウムと併用して、更には過酸化水素−酒石酸、過
酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、
過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット
−鉄塩等のレドックス系触媒が用いられる。
【0050】又、本発明の乳化分散安定剤は単独使用の
みならず、水溶性高分子や非イオン正活性剤、アニオン
性活性剤を併用することもできる。水溶性高分子として
は、ポリビニルアルコール、カルボキシル基含有ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアルコールのホルマール化
物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、
スルホン酸、カルボン酸等のエステル化物等のポリビニ
ルアルコール系樹脂、ビニルエステルとそれと共重合可
能な単量体との共重合体ケン化物等が挙げられる。ビニ
ルエステルと共重合可能な単量体としてはエチレン、ブ
チレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、
α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ
又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタク
リルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリル
スルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスル
ホン酸あるいはその塩類、アルキルビニルエーテル類、
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等が挙げられる。
【0051】又、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水
溶性高分子として、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロー
ス、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセ
ルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、
グルー、アルギン酸又はその塩、ゼラチン、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸又はその塩ポリメタクリル
酸又はその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルア
ミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アク
リル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマ
ル酸、クロトン酸等不飽和酸との共重合体、スチレンと
上記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと上記不飽
和酸との共重合体及び前記共重合体の塩類又はエステル
類が挙げられる。
【0052】非イオン性活性剤としては、例えばポリオ
キシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレ
ン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価
アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエ
ステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポ
リマー等が挙げられる。
【0053】アニオン性活性剤としては、例えば高級ア
ルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエ
チレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリ
ン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、
ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エ
ステル塩等が挙げられる。更に本発明では、フタル酸エ
ステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、
酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も
併用され得る。
【0054】又、本発明の乳化分散安定剤を用いて後乳
化方法によりエマルジョンを製造するに当たっては、該
分散安定剤を水に溶解し、これに溶液状又は溶融状の樹
脂を滴下し撹拌するか、溶融状態の樹脂中に該分散安定
剤水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマルジョン化に当
たり加熱等の必要は特にないが、必要であれば45〜8
5℃程度に加熱すればよい。乳化する物質には特に限定
はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素−ホルマリ
ン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合
物、アルキッド樹脂、ケテンダイマー、ロジン、シリコ
ン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ア
スファルト等が挙げられる。
【0055】必要であればポリオキシエチレン−アルキ
ルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノー
ル型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性
剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を
始めとし、前記した乳化重合時に使用される各種界面活
性剤が何れも併用可能である。又これらの活性剤は乳化
対象物の方に混合しておくことも可能である。更にフタ
ル酸エステル、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の
pH調整剤も併用され得る。
【0056】更に得られるエマルジョンには、必要に応
じて架橋剤、耐水化剤、顔料、分散剤、消泡剤、油剤、
粘性改質剤、粘着付与剤、増粘剤、保水剤、繊維柔軟
剤、平滑剤、帯電防止剤等、各種用途に応じた添加剤を
適宜混合することができる。かくして得られるエマルジ
ョンは、紙加工剤、接着剤、塗料、繊維加工剤、化粧
品、土木建築原料等として非常に有用である。
【0057】又、本発明では、上記の如き乳化分散安定
剤を用いて、アクリル系モノマーを乳化重合してなるエ
マルジョンを噴霧乾燥することにより、再分散性や被膜
物性に優れた再分散性エマルジョン粉末を得ることもで
きる。噴霧乾燥には、液体を噴霧して乾燥する通常の噴
霧乾燥機が使用できる。噴霧の形式によりディスク式や
ノズル式等が挙げられるが、何れの方式も使用される。
熱源としては熱風や加熱水蒸気等が用いられる。
【0058】乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、
エマルジョンの濃度、粘度、流量等によって適宜選択さ
れる。乾燥温度は100℃〜150℃が好適である。乾
燥温度が100℃未満では充分な乾燥が行われず、15
0℃を越えるとアクリル系樹脂の熱による変質が発生す
るため好ましくない。
【0059】又、再分散性エマルジョン粉末は、貯蔵中
に粉末同士が粘結して凝集しブロック化してしまう恐れ
があるため、貯蔵安定性を向上するために、抗粘結剤を
使用することが好ましい。抗粘結剤は噴霧乾燥後のエマ
ルジョン粉末に添加し均一に混合してもよいが、エマル
ジョンを噴霧乾燥する際に、エマルジョンを抗粘結剤の
存在下に噴霧することが均一な混合を行う得る点、粘結
防止効果の点から好ましい。同時に両者を噴霧して乾燥
することが特に好ましい。
【0060】抗粘結剤としては、微粒子の無機粉末が好
ましく、炭酸カルシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アル
ミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイ
ト、等が挙げられる。特に平均粒子径が約0.01〜
0.5μmの無水珪酸、珪酸アルミニウム、炭酸カルシ
ウム等が好ましい。抗粘結剤の使用量は特に限定されな
いが、エマルジョン粉末に対して2〜20重量%が好ま
しい。かくして得られる再分散性エマルジョン粉末は、
該粉末を水中に添加して撹拌することにより、容易に再
乳化しエマルジョンと同様に使用することができる。
【0061】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0062】実施例1 [ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂
(A)の調製]オキシエチレンの繰り返し単位数が70
のポリオキシエチレンモノアリルエーテルと酢酸ビニル
をメタノール中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下
で共重合し、次いで、残存モノマーを追い出した後、水
酸化ナトリウムメタノール溶液を加えてケン化して表1
に示される如きポリオキシエチレン基含有ポリビニルア
ルコール共重合体を得た。
【0063】[プレエマルジョンの調製]該ポリオキシ
エチレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を乳化分
散安定剤として用い、該乳化分散安定剤20部、水18
0部及びメタクリル酸メチル225部、アクリル酸ブチ
ル185部を混合分散してプレエマルジョンを調製し
た。
【0064】[エマルジョンの調製]次に、温度計、撹
拌翼、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ
に、水90部、上記乳化分散安定剤(10%水溶液)2
00部、上記プレエマルジョン61部、及びpH調整剤
として第二リン酸ナトリウムの10%水溶液30部を仕
込み、重合温度70〜74℃にて乳化重合を開始した。
重合温度を70〜74℃に保ちながら、初期重合を30
分間行った後、残りのプレエマルジョン549部を3時
間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間熟成反応を行
い、その後残量単量体を追い出してエマルジョンを得
た。尚、重合触媒としては2%の過酸化水素水50部、
アスコルビン酸ナトリウムの2%水溶液50部を用い、
初期重合開始時より10回にわけて添加した。得られた
エマルジョンについて以下の評価を行った。
【0065】(重合安定性)乳化重合後のエマルジョン
を120メッシュのロ布でろ過し、残った粗粒子を風乾
した後、重量測定を行い、下記の基準で評価した。 AA・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して0.5
%未満 A・・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して0.5
%以上5%未満 B・・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して5%以
上10%未満 C・・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して10%
以上
【0066】(放置安定性)得られたエマルジョン50
gを温度60℃に保った恒温器に7日間連続放置した
後、3時間放冷し撹拌を行い、外観の状態変化を観察し
た。初期のものと比較して変化のないものをA、エマル
ジョン破壊があるものをEとし、その間をB、C、Dの
3段階にわけて評価した。
【0067】(希釈安定性)得られたエマルジョンを樹
脂分3%に調整し、内径7mm、長さ1mのガラス管に
入れ、密栓し、24時間後の上澄み液の量(体積)を測
定し、下記の基準で評価した。 A・・・仕込みのエマルジョンの総量に対して5%未満 B・・・仕込みのエマルジョンの総量に対して5%以上
20%未満 C・・・仕込みのエマルジョンの総量に対して20%以
【0068】(機械安定性)得られたエマルジョンを、
マロン式機械安定性測定器(日立工機社製、B13SH
式)を用いて、30℃にて荷重10kgで10分間高速
回転させて生成した凝集物の量を測定し、下記の基準で
評価した。 A・・・エマルジョン量に対して1%未満 B・・・エマルジョン量に対して1%以上25%未満 C・・・エマルジョン量に対して25%以上
【0069】又、上記得られたエマルジョンを、エマル
ジョンの固形分に対して5%の無水珪酸微粉末(抗粘結
剤)の存在下にて、120℃の熱風中で噴霧乾燥して、
再分散性エマルジョン粉末を得た。得られた再分散性エ
マルジョン粉末について以下の評価を行った。
【0070】(再分散性)得られた再分散性エマルジョ
ン粉末100部を水100部に添加して撹拌し、再乳化
の様子を観察した。評価基準は下記の通りである。 A・・・5分以内に再乳化した B・・・5〜30分以内に再乳化した C・・・30分を越えて再乳化した D・・・再乳化しなかった
【0071】(エマルジョンフィルム耐水性)得られた
再分散性エマルジョン粉末100部を水100部に添加
して撹拌し、再分散液を調製し、該再分散液を乾燥さ
せ、厚み500μmの被膜をつくり、水中に浸漬して被
膜の状態を観察した。評価基準は下記の通りである。 AA・・・フィルム膨潤が極めて少なかった A・・・・再乳化しなかった B・・・・ほとんど再乳化しなかった C・・・・再乳化した
【0072】実施例2〜6、比較例1〜9 実施例1に準じて表1に示す如きポリオキシアルキレン
基含有ポリビニルアルコール共重合体を調製し、実施例
1と同様にエマルジョン及び再分散性エマルジョン粉末
を調製した。得られたエマルジョン及び再分散性エマル
ジョン粉末について、実施例1と同様の評価を行った。
実施例及び比較例の結果を表2に示す。
【0073】
【表1】 ポリオキシアルキレン基 アセトアセチル 種類 含有量 繰り返 ケン化度 平均重合度 曇点 基含有量 (モル%) し単位 (モル%) (℃) (モル%) 実施例1 POEMA 1.8 70 35 80 72 --- 〃 2 POEMA 12.0 8 70 300 75 --- 〃 3 POEMA 3.0 32 45 200 77 --- 〃 4 POEMA 5.0 15 73 120 77 --- 〃 5 POEMA 5.0 15 60 200 73 --- 〃 6 POEVE 5.0 15 60 200 71 --- 〃 7 POEAA 5.0 15 60 200 82 --- 〃 8 POEMA 5.0 15 60 200 77 2.0 比較例1 POEMA 0.5 15 60 200 76 --- 〃 2 POEMA 25.0 15 60 200 82 --- 〃 3 POEMA 5.0 2 60 200 72 --- 〃 4 POEMA 5.0 120 60 200 83 --- 〃 5 POEMA 5.0 15 25 200 31 --- 〃 6 POEMA 5.0 15 85 200 81 --- 〃 7 POEMA 5.0 15 60 30 75 --- 〃 8 POEMA 5.0 15 60 700 54 --- 〃 9 POEMA 5.0 15 60 200 60 ---
【0074】注)ポリオキシアルキレン基の種類は以下
の通りである。 POMEA:ポリオキシエチレンモノアリルエーテル POEVE:ポリオキシエチレンビニルエーテル POEAA:ポリオキシエチレンアクリル酸アミド
【0075】
【表2】 エマルジョン評価 再分散性エマルジョン評価 重合 放置 希釈 機械 再分散性 エマルシ゛ョンフィルム 安定性 安定性 安定性 安定性 の耐水性 実施例1 B B A B B A 〃 2 B A A A A A 〃 4 B A A A A A 〃 5 AA A A A A A 〃 6 AA A A A A A 〃 7 AA A A A A AA 〃 8 AA A A A A AA 比較例1 C B C B C B 〃 2 C C C B B C 〃 3 C C C C B B 〃 4 C B B B B B 〃 5 C C C C D C 〃 6 C B C B B C 〃 7 C C B C C C 〃 8 B B B B B B 〃 9 C C C C C C
【0076】
【発明の効果】本発明は、オキシアルキレン基の繰り返
し単位が5〜100のポリオキシアルキレン基を1〜2
0モル%含有し、更に平均ケン化度が30〜80モル
%、平均重合度が50〜500で、かつ、4重量%水溶
液の曇点が70℃以上であるポリオキシアルキレン基含
有ビニルエステル系樹脂(A)を乳化分散安定剤に用い
るため、乳化分散力に優れた効果を示し、得られるエマ
ルジョンは重合安定性、放置安定性、希釈安定性、機械
安定性に優れた効果を示す。更に、かかるエマルジョン
より得られる再分散エマルジョン粉末は再分散性、エマ
ルジョンフィルムの耐水性に優れた効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 29/04 C08L 29/04 G //(C08F 290/06 218:04) Fターム(参考) 4F070 AA32 AC80 AC83 AC84 AE14 DA34 4J002 AC021 AC031 AC071 AC081 BE022 BE042 BF012 BG012 BG041 BG042 BG051 BG052 BG061 BG072 BG102 BG132 BQ002 CH052 FD312 4J011 AA01 KA02 KA10 KA15 KB22 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 AC07 AC08 BA04 BA05 BA07 BA17 CB02 CB06 CB07 CC02 CD07 CD08 CD09 4J100 AA02P AB02P AB02Q AB02R AC03P AE09P AG02Q AG03Q AG04P AG04Q AG05Q AJ02R AL03P AL03R AL04P AL05P AL08P AM02P AM02Q AM21P AS02P AS03P AS04P BA03P BA08P CA01 CA04 CA05 DA01 DA32 EA06 EA07 FA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシアルキレン基の繰り返し単位が5
    〜100のポリオキシアルキレン基を1〜20モル%含
    有し、更に平均ケン化度が30〜80モル%、平均重合
    度が50〜500で、かつ、4重量%水溶液の曇点が7
    0℃以上であるポリオキシアルキレン基含有ビニルエス
    テル系樹脂(A)からなることを特徴とする乳化分散安
    定剤。
  2. 【請求項2】 ポリオキシアルキレン基ビニルエステル
    系樹脂(A)に、更にアセトアセチル基を含有させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の乳化分散安定剤。
  3. 【請求項3】 アセトアセチル基含有量が0.1〜5モ
    ル%であることを特徴とする請求項2記載の乳化分散安
    定剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の乳化分散安
    定剤を用い、アクリル系モノマーを乳化重合してなるこ
    とを特徴とするエマルジョン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の乳化分散安
    定剤とアクリル系モノマーを含有するプレエマルジョン
    を用いて、アクリル系モノマーを乳化重合してなること
    を特徴とするエマルジョン。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のエマルジョンを噴
    霧乾燥してなることを特徴とする再分散性エマルジョン
    粉末。
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