JP4218856B2 - 乳化分散安定剤及びそれを用いたエマルジョン、再分散性エマルジョン粉末 - Google Patents
乳化分散安定剤及びそれを用いたエマルジョン、再分散性エマルジョン粉末 Download PDFInfo
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Description
本発明は、不飽和単量体の乳化重合時の乳化分散安定剤及びその用途に関し、更に詳しくはアクリル系モノマーの乳化重合において、優れた乳化分散力を示すポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂からなる乳化分散安定剤及びその用途に関するものである。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
従来、ビニルエステル系モノマー、特に酢酸ビニルの乳化重合に際しては乳化分散安定剤としてはポリビニルアルコール系樹脂が使用されている。そして、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度、ケン化度、残酢基の分布等により、得られたエマルジョン粘度、耐水性、安定性等が大きく影響されることが知られている。
【0003】
又、変性ポリビニルアルコール系樹脂を分散安定剤として用いたものに、特公平3−60321号公報や特公昭60−54961号公報がある。
特公平3−60321号公報開示技術は、オキシアルキレン基を重合体側鎖に有するビニルエステル系樹脂からなる分散安定剤に関するものであり、特公昭60−54961号公報開示技術は、アセト酢酸エステル化ポリビニルアルコールを乳化剤として用いた乳化重合方法に関するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、アクリル系モノマーの乳化重合に際しては、近年では、アクリル系モノマーを乳化分散安定剤の水溶液に混合分散した溶液(プレエマルジョン)をアクリル系モノマーの重合反応系に滴下する方法が行われるが、ポリビニルアルコール系樹脂を乳化分散安定剤に用いた場合では、ポリビニルアルコール系樹脂とアクリル系モノマーとの親和性が低く、乳化分散力の不足のため、このプレエマルジョンを得ることができず、アクリル系モノマーの滴下方法にて乳化重合せざるを得ないため、得られるアクリル系エマルジョンについては良好な重合安定性や性状のエマルジョンが得られないのが現状である。
【0005】
更に、ポリビニルアルコール系樹脂とアクリル系モノマーとの親和性を改善するため、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度を下げることが考えられるが、逆に乳化重合時の温度65〜85℃において、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に曇点が発現し、乳化分散力が低下し、乳化重合に適さなくなる。
【0006】
一方、オキシアルキレン基を有するポリビニルアルコール系樹脂を分散安定剤として用いた特公平3−60321号公報やアセト酢酸エステル化ポリビニルアルコール系樹脂を分散安定剤として用いた特公昭60−54961号公報では、エマルジョンの放置安定性、希釈安定性等が改善されているものの、まだまだ満足のいくものではなく、更なる向上が求められている。
更に、上記公報等はプレエマルジョンに関する記載はなく、プレエマルジョンを用いた乳化重合に対応した乳化分散安定剤が求められている。
【0007】
又、再分散性エマルジョン粉末については、通常のエマルジョンに比較して粉末であることにより取り扱いが容易で、水を含まないので輸送が容易で、使用時には粉末を水に添加し撹拌することにより水中に再分散して通常のエマルジョンと同様に使用できる長所を持っているが、化学的性能、物理的性能に優れたアクリル系樹脂エマルジョンについては再分散性に優れたエマルジョンは得られていないのが実情であり、再分散性や被膜の性能に優れた再分散性エマルジョン粉末の要求が高まっている。
【0008】
そこで、本発明ではこのような背景下において、乳化分散力に優れた乳化分散安定剤を提供し、更に重合安定性、放置安定性、希釈安定性、機械安定性に優れたエマルジョン及び再分散性、エマルジョンフィルムの耐水性に優れた再分散性エマルジョン粉末を提供することを目的とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】
本発明者等は、上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、オキシアルキレン基の繰り返し単位が5〜100のポリオキシアルキレン基を1〜20モル%含有し、更に平均ケン化度が30〜80モル%、平均重合度が50〜500で、かつ、4重量%水溶液の曇点が70℃以上であるポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)からなる乳化分散安定剤が上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
本発明では、ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)に、更にアセトアセチル基を含有させることがエマルジョンフィルムの耐水性及び重合安定性の点で好ましい。
又、本発明は、上記乳化分散安定剤を用いてアクリル系モノマーを乳化重合してなるエマルジョン及び該エマルジョンを噴霧乾燥してなる再分散性エマルジョン粉末を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)中のオキシアルキレン基とは、下記一般式(1)で示される構造を有するものである。
【0012】
【化1】
ここで、R1、R2は水素又はアルキル基、Xは水素、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、スルホン酸塩基等の有機残基のいずれかで、nは5〜100の整数である。
【0013】
Xは通常水素であることが好ましく、nは5〜100、好ましくは15〜55のポリオキシアルキレン基が実用的で、ポリオキシアルキレン基としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が効果的であるが、好ましくはポリオキシエチレン基がより効果的である。
【0014】
ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されることなく任意の方法が挙げられる。例えば、▲1▼ポリオキシアルキレンの存在下にビニルエステルを重合する方法、▲2▼ポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体とビニルエステルを共重合する方法、▲3▼ポリビニルアルコールに酸化アルキレンを後反応させる方法等が挙げられる。中でも、▲2▼の方法が樹脂の製造面、性能面から実用的である。
以下▲2▼の方法について具体的に説明する。
【0015】
ポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては次のようなものが例示される。但し、本発明ではこれらのみに限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステル型
一般式(2)で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
【化2】
ここで、Rは水素又はメチル基、Aはアルキレン基、置換アルキレン基、フェニレン基、置換フェニレン基のいずれかで、mは0又は1以上の整数、nは5〜100、好ましくは15〜55の整数である。
【0017】
(メタ)アクリル酸アミド型
一般式(3)で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル等が挙げられる。
【0018】
【化3】
ここで、R3は水素又はアルキル基又は下記一般式(4)で示される結合種、A、R、R1、R2、m、nは前記と同様のものである。
【0019】
【化4】
ここで、R1、R2、nは前記と同様のものである。
【0020】
(メタ)アリルアルコール型
一般式(5)で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
【0021】
【化5】
ここで、R、R1、R2、nは前記と同様のものである。
【0022】
ビニルエーテル型
一般式(6)で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。
【0023】
【化6】
ここで、A、R1、R2、m、nは前記と同様のものである。
これらのポリオキシアルキレン基を含有する単量体の中でも上記一般式(6)で示される(メタ)アリルアルコール型のものが好適に用いられる。
【0024】
又、上記の単量体と共重合するビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用して用いられるが、中でも酢酸ビニルが実用性の面で特に好ましい。
【0025】
本発明においては、かかる重合の際に前述した如きポリオキシアルキレン基を含有する不飽和単量体、ビニルエステル以外の他の一般の単量体を10モル%以下、好ましくは5モル%以下を本発明の乳化分散安定剤の水溶性が損なわれない範囲内で存在せしめて重合を行っても良い。該単量体としては、下記のものが挙げられる。
【0026】
[エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル]
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、オレイン酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
【0027】
[飽和カルボン酸のアリルエステル]
ステアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸アリル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等が挙げられる。
[α−オレフィン]
エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、α−オクタデセン等が挙げられる。
【0028】
[エチレン性不飽和カルボン酸]
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、並びにこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
[アルキルビニルエーテル]
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0029】
[アルキルアリルエーテル]
プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテル等が挙げられる。
[その他]
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アリルスルホン酸塩、エチレン性不飽和スルホン酸塩、スチレン、塩化ビニル等が挙げられる。
【0030】
共重合するに当たっては特に制限はなく公知の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合も可能である。
かかる溶液重合において単量体の仕込み方法としては、先ずビニルエステルの全量と前記ポリオキシアルキレン基含有不飽和単量体の一部を仕込み、重合を開始し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又は分割的に添加する方法、前者を一括仕込みする方法等任意の手段を用いることができる。
【0031】
共重合反応は、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の公知のラジカル重合触媒や低温活性触媒を用いて行われる。又、反応温度は40℃〜沸点程度の範囲から選択される。
【0032】
上記の如き方法により得られるポリオキシアルキレン基を含有するビニルエステル系樹脂は、ビニルエステル成分を更にケン化してビニルアルコール成分に変えることが必要で、該ケン化度は30〜80モル%である。より好ましくは40〜75モル%であり、特に好ましくは50〜70モル%である。該ケン化度が30モル%未満では該ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂の4重量%水溶液の曇点を70℃以上にすることが困難となり、80モル%を越えると該ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂のアクリル系モノマーに対する乳化分散力が低下することとなる。
【0033】
ケン化に当たっては共重合体をアルコール、ベンゼン、酢酸メチル等に溶解しアルカリ触媒の存在下に行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜50重量%の範囲から選ばれる。ケン化反応時にケン化溶媒中に少量の水(全量に対して0.1〜5%程度)をアルコールと共に併用しても良い。ケン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒が挙げられる。かかる触媒の使用量はビニルエステルに対して1〜100ミリモル当量にすることが必要である。又、硫酸、塩酸等の酸触媒を用いてケン化することも可能である。
【0034】
かくして、本発明に用いるポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)が得られるわけであるが、かかるポリオキシアルキレン基の含有量が1〜20モル%であることが必要で、好ましくは1.5〜15モル%、更に好ましくは2〜10モル%である。該含有量が1モル%未満では乳化重合時に曇点が発現し乳化分散力が低下することとなり、20モル%を越えると親水性が高くなりすぎアクリル系モノマーとの親和性が低下することとなる。
【0035】
更に、該ビニルエステル系樹脂(A)の平均重合度については、50〜500であることが必要で、好ましくは100〜400、特に好ましくは150〜250である。該平均重合度が50未満ではエマルジョンポリマー粒子の機械安定性が不足することとなり、500を越えると30〜80モル%のケン化度ではポリオキシアルキレン基を導入しても4重量%水溶液の曇点を70℃以上に維持することができなくなる。
【0036】
又、本発明では、ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)について、該ビニルエステル系樹脂(A)の4重量%水溶液における曇点が70℃以上であることも重要であり、好ましくは75〜100℃、特に好ましくは80〜100℃である。かかる曇点が70℃未満では乳化重合時に曇点が発現し、該ビニルエステル系樹脂(A)のアクリル系モノマーに対する乳化分散能力が損なわれることとなり本発明の効果を発揮しない。
【0037】
該ビニルエステル系樹脂(A)の曇点を70℃以上にするには、オキシアルキレン基の含有量、オキシアルキレン基の繰り返し単位の数、ビニルエステル系樹脂のケン化度、ビニルエステル系樹脂の平均重合度を上記範囲の中で、コントロールすることにより得られる。
【0038】
かくして本発明のポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)が得られ、乳化分散力に優れた乳化分散安定剤として用いられ、特にアクリル系モノマーの乳化重合の乳化分散安定剤として好ましく用いられ、安定したプレエマルジョンを形成することができる。
【0039】
更に本発明では、上記ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)に、更にアセトアセチル基を含有させることがエマルジョンフィルムの耐水性及び重合安定性を向上させる点で好ましい。
アセトアセチル基の含有量については、0.1〜5モル%であることが好ましく、更には0.5〜3モル%、特には1〜2モル%が好ましい。該含有量が0.1モル%未満では耐水性の向上が顕著に発揮されず、5モル%を越えると得られるエマルジョンの放置粘度安定性が低下したり、得られたビニルエステル系樹脂(A)の曇点が低下したりして好ましくない。
【0040】
アセトアセチル基を含有させる方法としては、特に限定されないが、例えば下記の方法が挙げられる。
▲1▼アセトアセチル基含有エチレン性不飽和モノマーを製造し、これを上記ビニルエステルと共重合する。ここでアセトアセチル基含有エチレン性不飽和モノマーは、例えば次の方法によって取得される。
【0041】
▲1▼−1 官能基含有エチレン性不飽和モノマーにジケテンを反応させる。
▲1▼−2 該モノマーとアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
▲1▼−1の場合の官能基としてはヒドロキシル基、アミド基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。官能基含有エチレン性不飽和モノマーのうち好適なものは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート等である。
【0042】
▲2▼上述の官能基含有エチレン性不飽和モノマー成分を含むビニルエステル系樹脂にジケテンを反応させる。反応は例えば酢酸等の有機酸を共存させた共重合体にジケテンを添加して加熱撹拌すればよい。
▲3▼アセト酢酸エステルとエステル交換可能な官能基(ヒドロキシル基やエステル基)を含有するエチレン性不飽和モノマー成分を含むビニルエステル系樹脂とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
▲4▼ビニルエステル系樹脂にアセトアセチル基含有エチレン性不飽和モノマーをグラフト重合又は共存重合する。
【0043】
上記▲1▼−1又は▲2▼の場合のジケテンの反応は無触媒の他、第3級アミン、酸(硫酸等)、塩基性塩(酢酸ナトリウム等)、有機金属化合物(ジブチルスズラウレート等)の触媒存在下に行うことができる。
上記▲1▼−2又は▲3▼の場合のアセト酢酸エステルの反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒の存在下に行うことが好ましい。
上記のアセトアセチル基を含有させる方法のうち、工業的には▲1▼及び▲2▼の方法が特に好ましい。尚、アセトアセチル基を含有させるに際して、ポリオキシアルキレン基を含有させると同時に行ってもよいし、ポリオキシアルキレン基を含有させる前あるいは後に行っても良い。
【0044】
かくして本発明のポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)からなる乳化分散安定剤は、乳化重合、後乳化方法等によりエマルジョンを製造するのに有用である。
乳化重合を実施するに当たっては、▲1▼水、乳化分散安定剤及び重合触媒の存在下に不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法や▲2▼水、乳化分散安定剤及び重合触媒の存在下に、不飽和単量体を乳化分散安定剤の水溶液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施し得る。
【0045】
乳化重合の対象となる不飽和単量体としては、エチレン性不飽和単量体、ブタジエン系単量体等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体としては、酢酸ビニル、アクリル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、エチレン等が挙げられ、これらの単独重合もしくは共重合が実施し得る。これらの中でも、本発明の乳化分散安定剤を用いてアクリル系モノマーを乳化重合してなるエマルジョンは機械的安定性、放置安定性、顔料分散安定性等の点で良好である。
【0046】
アクリル系モノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
アクリル系モノマーの乳化重合については、上記▲2▼の乳化重合法にて実施することが重合時の粗粒子発生量を抑制することができる点で好ましい。
【0047】
又、ブタジエン系単量体としては、ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン−1,3、2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3等があり、これらは単独又はエチレン性不飽和単量体と混合して用いられる。これらの中でもブタジエン−1,3とスチレン、ブタジエン−1,3とスチレンと(メタ)アクリル酸、ブタジエン−1,3とアクリロニトリル、ブタジエン−1,3とアクリロニトリルとスチレン、ブタジエン−1,3とアクリロニトリルと(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン−1,3とメタクリル酸メチルと(メタ)アクリル酸の組合せで重合を行うのが有利である。
【0048】
乳化分散安定剤の使用量としては、その種類、要求させるエマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化重合反応系の全体に対して0.1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲から選ばれる。乳化分散安定剤の使用量が0.1重量%未満ではポリマー粒子の安定な乳化状態で維持することが困難となり、30重量%を越えるとエマルジョン粘度が上昇しすぎて作業性が低下することとなり好ましくない。
【0049】
重合触媒としては、普通過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等がそれぞれ単独で又は酸性亜硫酸ナトリウムと併用して、更には過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩等のレドックス系触媒が用いられる。
【0050】
又、本発明の乳化分散安定剤は単独使用のみならず、水溶性高分子や非イオン正活性剤、アニオン性活性剤を併用することもできる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールのホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、スルホン酸、カルボン酸等のエステル化物等のポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエステルとそれと共重合可能な単量体との共重合体ケン化物等が挙げられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としてはエチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0051】
又、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性高分子として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はその塩ポリメタクリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等不飽和酸との共重合体、スチレンと上記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと上記不飽和酸との共重合体及び前記共重合体の塩類又はエステル類が挙げられる。
【0052】
非イオン性活性剤としては、例えばポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0053】
アニオン性活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
更に本発明では、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
【0054】
又、本発明の乳化分散安定剤を用いて後乳化方法によりエマルジョンを製造するに当たっては、該分散安定剤を水に溶解し、これに溶液状又は溶融状の樹脂を滴下し撹拌するか、溶融状態の樹脂中に該分散安定剤水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマルジョン化に当たり加熱等の必要は特にないが、必要であれば45〜85℃程度に加熱すればよい。乳化する物質には特に限定はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素−ホルマリン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物、アルキッド樹脂、ケテンダイマー、ロジン、シリコン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン、アスファルト等が挙げられる。
【0055】
必要であればポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を始めとし、前記した乳化重合時に使用される各種界面活性剤が何れも併用可能である。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可能である。更にフタル酸エステル、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤も併用され得る。
【0056】
更に得られるエマルジョンには、必要に応じて架橋剤、耐水化剤、顔料、分散剤、消泡剤、油剤、粘性改質剤、粘着付与剤、増粘剤、保水剤、繊維柔軟剤、平滑剤、帯電防止剤等、各種用途に応じた添加剤を適宜混合することができる。
かくして得られるエマルジョンは、紙加工剤、接着剤、塗料、繊維加工剤、化粧品、土木建築原料等として非常に有用である。
【0057】
又、本発明では、上記の如き乳化分散安定剤を用いて、アクリル系モノマーを乳化重合してなるエマルジョンを噴霧乾燥することにより、再分散性や被膜物性に優れた再分散性エマルジョン粉末を得ることもできる。
噴霧乾燥には、液体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥機が使用できる。噴霧の形式によりディスク式やノズル式等が挙げられるが、何れの方式も使用される。熱源としては熱風や加熱水蒸気等が用いられる。
【0058】
乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、エマルジョンの濃度、粘度、流量等によって適宜選択される。乾燥温度は100℃〜150℃が好適である。乾燥温度が100℃未満では充分な乾燥が行われず、150℃を越えるとアクリル系樹脂の熱による変質が発生するため好ましくない。
【0059】
又、再分散性エマルジョン粉末は、貯蔵中に粉末同士が粘結して凝集しブロック化してしまう恐れがあるため、貯蔵安定性を向上するために、抗粘結剤を使用することが好ましい。抗粘結剤は噴霧乾燥後のエマルジョン粉末に添加し均一に混合してもよいが、エマルジョンを噴霧乾燥する際に、エマルジョンを抗粘結剤の存在下に噴霧することが均一な混合を行う得る点、粘結防止効果の点から好ましい。同時に両者を噴霧して乾燥することが特に好ましい。
【0060】
抗粘結剤としては、微粒子の無機粉末が好ましく、炭酸カルシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、等が挙げられる。特に平均粒子径が約0.01〜0.5μmの無水珪酸、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム等が好ましい。抗粘結剤の使用量は特に限定されないが、エマルジョン粉末に対して2〜20重量%が好ましい。
かくして得られる再分散性エマルジョン粉末は、該粉末を水中に添加して撹拌することにより、容易に再乳化しエマルジョンと同様に使用することができる。
【0061】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0062】
実施例1
[ポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)の調製]
オキシエチレンの繰り返し単位数が70のポリオキシエチレンモノアリルエーテルと酢酸ビニルをメタノール中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下で共重合し、次いで、残存モノマーを追い出した後、水酸化ナトリウムメタノール溶液を加えてケン化して表1に示される如きポリオキシエチレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を得た。
【0063】
[プレエマルジョンの調製]
該ポリオキシエチレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を乳化分散安定剤として用い、該乳化分散安定剤20部、水180部及びメタクリル酸メチル225部、アクリル酸ブチル185部を混合分散してプレエマルジョンを調製した。
【0064】
[エマルジョンの調製]
次に、温度計、撹拌翼、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水90部、上記乳化分散安定剤(10%水溶液)200部、上記プレエマルジョン61部、及びpH調整剤として第二リン酸ナトリウムの10%水溶液30部を仕込み、重合温度70〜74℃にて乳化重合を開始した。重合温度を70〜74℃に保ちながら、初期重合を30分間行った後、残りのプレエマルジョン549部を3時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間熟成反応を行い、その後残量単量体を追い出してエマルジョンを得た。尚、重合触媒としては2%の過酸化水素水50部、アスコルビン酸ナトリウムの2%水溶液50部を用い、初期重合開始時より10回にわけて添加した。
得られたエマルジョンについて以下の評価を行った。
【0065】
(重合安定性)
乳化重合後のエマルジョンを120メッシュのロ布でろ過し、残った粗粒子を風乾した後、重量測定を行い、下記の基準で評価した。
AA・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して0.5%未満
A・・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して0.5%以上5%未満
B・・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して5%以上10%未満
C・・・・ろ過したエマルジョンの重量に対して10%以上
【0066】
(放置安定性)
得られたエマルジョン50gを温度60℃に保った恒温器に7日間連続放置した後、3時間放冷し撹拌を行い、外観の状態変化を観察した。初期のものと比較して変化のないものをA、エマルジョン破壊があるものをEとし、その間をB、C、Dの3段階にわけて評価した。
【0067】
(希釈安定性)
得られたエマルジョンを樹脂分3%に調整し、内径7mm、長さ1mのガラス管に入れ、密栓し、24時間後の上澄み液の量(体積)を測定し、下記の基準で評価した。
A・・・仕込みのエマルジョンの総量に対して5%未満
B・・・仕込みのエマルジョンの総量に対して5%以上20%未満
C・・・仕込みのエマルジョンの総量に対して20%以上
【0068】
(機械安定性)
得られたエマルジョンを、マロン式機械安定性測定器(日立工機社製、B13SH式)を用いて、30℃にて荷重10kgで10分間高速回転させて生成した凝集物の量を測定し、下記の基準で評価した。
A・・・エマルジョン量に対して1%未満
B・・・エマルジョン量に対して1%以上25%未満
C・・・エマルジョン量に対して25%以上
【0069】
又、上記得られたエマルジョンを、エマルジョンの固形分に対して5%の無水珪酸微粉末(抗粘結剤)の存在下にて、120℃の熱風中で噴霧乾燥して、再分散性エマルジョン粉末を得た。
得られた再分散性エマルジョン粉末について以下の評価を行った。
【0070】
(再分散性)
得られた再分散性エマルジョン粉末100部を水100部に添加して撹拌し、再乳化の様子を観察した。評価基準は下記の通りである。
A・・・5分以内に再乳化した
B・・・5〜30分以内に再乳化した
C・・・30分を越えて再乳化した
D・・・再乳化しなかった
【0071】
(エマルジョンフィルム耐水性)
得られた再分散性エマルジョン粉末100部を水100部に添加して撹拌し、再分散液を調製し、該再分散液を乾燥させ、厚み500μmの被膜をつくり、水中に浸漬して被膜の状態を観察した。評価基準は下記の通りである。
AA・・・フィルム膨潤が極めて少なかった
A・・・・再乳化しなかった
B・・・・ほとんど再乳化しなかった
C・・・・再乳化した
【0072】
実施例2〜7、比較例1〜8
実施例1に準じて表1に示す如きポリオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を調製し、実施例1と同様にエマルジョン及び再分散性エマルジョン粉末を調製した。得られたエマルジョン及び再分散性エマルジョン粉末について、実施例1と同様の評価を行った。実施例及び比較例の結果を表2に示す。
【0073】
──────────────────────────────────────
ポリオキシアルキレン基 アセトアセチル基
───────────────
種類 含有量 繰り返 ケン化度 平均重合度 曇点 含有量
(モル%) し単位 (モル%) (℃) (モル%)
──────────────────────────────────────
実施例1 POEMA 1.8 70 35 80 72 ---
〃 2 POEMA 12.0 8 70 300 75 ---
〃 3 POEMA 3.0 32 45 200 77 ---
〃 4 POEMA 5.0 15 73 120 77 ---
〃 5 POEVE 5.0 15 60 200 71 ---
〃 6 POEAA 5.0 15 60 200 82 ---
〃 7 POEMA 5.0 15 60 200 77 2.0
──────────────────────────────────────
比較例1 POEMA 0.5 15 60 200 76 ---
〃 2 POEMA 25.0 15 60 200 82 ---
〃 3 POEMA 5.0 2 60 200 72 ---
〃 4 POEMA 5.0 120 60 200 83 ---
〃 5 POEMA 5.0 15 25 200 31 ---
〃 6 POEMA 5.0 15 85 200 81 ---
〃 7 POEMA 5.0 15 60 30 75 ---
〃 8 POEMA 5.0 15 60 700 54 ---
──────────────────────────────────────
【0074】
注)ポリオキシアルキレン基の種類は以下の通りである。
POMEA:ポリオキシエチレンモノアリルエーテル
POEVE:ポリオキシエチレンビニルエーテル
POEAA:ポリオキシエチレンアクリル酸アミド
【0075】
──────────────────────────────────────
エマルジョン評価 再分散性エマルジョン評価
──────────────────────────────────
重合 放置 希釈 機械 再分散性 エマルジョンフィルム
安定性 安定性 安定性 安定性 の耐水性
──────────────────────────────────────
実施例1 B B A B B A
〃 2 B A A A A A
〃 4 B A A A A A
〃 5 AA A A A A A
〃 6 AA A A A A A
〃 7 AA A A A A AA
──────────────────────────────────────
比較例1 C B C B C B
〃 2 C C C B B C
〃 3 C C C C B B
〃 4 C B B B B B
〃 5 C C C C D C
〃 6 C B C B B C
〃 7 C C B C C C
〃 8 B B B B B B
──────────────────────────────────────
【0076】
【発明の効果】
本発明は、オキシアルキレン基の繰り返し単位が5〜100のポリオキシアルキレン基を1〜20モル%含有し、更に平均ケン化度が30〜80モル%、平均重合度が50〜500で、かつ、4重量%水溶液の曇点が70℃以上であるポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)を乳化分散安定剤に用いるため、乳化分散力に優れた効果を示し、得られるエマルジョンは重合安定性、放置安定性、希釈安定性、機械安定性に優れた効果を示す。更に、かかるエマルジョンより得られる再分散エマルジョン粉末は再分散性、エマルジョンフィルムの耐水性に優れた効果を示す。
Claims (6)
- オキシアルキレン基の繰り返し単位が5〜100のポリオキシアルキレン基を1〜20モル%含有し、更に平均ケン化度が30〜80モル%、平均重合度が50〜500で、かつ、4重量%水溶液の曇点が70℃以上であるポリオキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂(A)からなることを特徴とする乳化分散安定剤。
- ポリオキシアルキレン基ビニルエステル系樹脂(A)に、更にアセトアセチル基を含有させることを特徴とする請求項1記載の乳化分散安定剤。
- アセトアセチル基含有量が0.1〜5モル%であることを特徴とする請求項2記載の乳化分散安定剤。
- 請求項1〜3いずれか記載の乳化分散安定剤を用い、アクリル系モノマーを乳化重合してなることを特徴とするエマルジョン。
- 請求項1〜3いずれか記載の乳化分散安定剤とアクリル系モノマーを含有するプレエマルジョンを用いて、アクリル系モノマーを乳化重合してなることを特徴とするエマルジョン。
- 請求項4又は5記載のエマルジョンを噴霧乾燥してなることを特徴とする再分散性エマルジョン粉末。
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