JP2000284657A - 記録媒体の再生方法および再生装置 - Google Patents

記録媒体の再生方法および再生装置

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JP2000284657A
JP2000284657A JP11086903A JP8690399A JP2000284657A JP 2000284657 A JP2000284657 A JP 2000284657A JP 11086903 A JP11086903 A JP 11086903A JP 8690399 A JP8690399 A JP 8690399A JP 2000284657 A JP2000284657 A JP 2000284657A
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Haruo Tomono
晴夫 友野
Hisao Kato
久雄 加藤
Yasuhiro Tanaka
康裕 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な機構部品や材料を必要とせず、ブラス
ト噴射という単純な機構を用いることによって、使用済
みの記録媒体を品質の良い状態で確実に再生できる方法
および装置を提供すること。 【解決手段】 記録済みの記録層を有する記録媒体の記
録層に、ブラスト材を噴射することにより記録媒体表面
から記録層を除去することを特徴とする記録媒体の再生
方法および再生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、OHPフィル
ム等の記録媒体上に形成されたトナー、インク等の記録
層を除去することにより、記録媒体を再生するための方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の発達によって発明され
た複写機、レーザービームプリンターおよびインクジェ
ットプリンター等の画像形成装置の生産台数の増加に伴
って、ぺーパーレス時代の到来が予測されたのとは逆
に、コピー用紙やオーバー・ヘッド・プロジェクター
(OHP)用記録シートに代表される記録媒体の消費量
が年々増加している。このような状況の中で、最近では
古紙のリサイクルが盛んになり、オフィスで分別された
古紙は、古紙業者、製紙工場というルートを経て再生さ
れ、再生紙として利用されている。しかし、紙を再生さ
せるコストや再生紙の品質等多くの問題がある。
【0003】このような問題を解決する方法として、一
度使用した記録媒体上に形成された画像を化学的あるい
は物理的に消去して、記録媒体を再利用する方法が提案
されている。例えば、電子写真方式で得られた画像を記
録媒体上から消去する方法として、以下の公報に記載さ
れている方法を挙げることができる。
【0004】特開平5−216376号公報には、記録
面に離型剤を塗布した記録紙を使用し、画像消去時には
その記録紙をオフセットし易い材料(例えば、アルミニ
ウム、ステンレス等)からなる媒体に圧接して記録紙か
らトナーを転移させ、さらにウレタン製ブレードを媒体
に当接させて記録層をクリーニングする方法が記載され
ている。
【0005】しかし、このようなオフセット(剥離)材
によって除去する方法では、オフセット材表面の汚れが
経時的に増加し耐久性に問題があった。このことは、す
なわち、トナーを転移させる能力が不安定になり、再生
した記録媒体の品質低下につながる。さらに、このよう
な問題を改良するためにオフセット材のトナー転移能力
を大きくしすぎると、今度はブレードによるクリーニン
グが困難になったり、オフセット材、ブレード材のメカ
機構や材質選定に高度な技術が必要になってくるという
問題が派生していた。
【0006】また、特開平6−27710号公報には、
記録媒体表面を特殊コートをした後、記録を行ない、記
録層を布や金属ブレード、プラスチックブレードで擦過
除去する方法が記載されている。しかし、この方法で
は、除去時に記録媒体表面に傷が付き、記録紙の再生回
数が増加するに従い傷も増加し、再生した記録媒体表面
の外観品質が低下するという問題があった。また、再生
した記録媒体を再使用する場合に、トナー等の記録剤の
密着力のバラツキも大きくなり、再生条件が不安定にな
るという問題もあった。
【0007】さらに、特開平6−219068公報に
は、記録媒体として、含フッ素アクリレートポリマー等
の加熱することにより記録媒体に対する記録層の密着力
が低くなるような材料を予め塗布した記録媒体を使用
し、記録媒体の再生時には種々の金属やプラスチック材
料からなる剥離材で記録層を加熱加圧転移させ、さらに
ブレードでクリーニングするという方法が記載されてい
る。しかし、この方法でも、剥離材表面の汚れが原因
で、経時耐久性に問題があり、トナーを転移させる能力
に限界があった。さらにこのような問題を改良するため
にトナーの転移能力を大きくしすぎると、今度はブレー
ドによるクリーニングが困難になってくるという問題も
派生していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特殊な機構部品や材料を必要とせず、ブラスト噴射
という単純な機構を用いることによって、使用済みの記
録媒体を品質の良い状態で確実に再生できる方法および
装置を提供することにある。また、本発明の別の目的
は、トナーやインキ等の記録剤の種類に拘らず、広範囲
の記録剤の除去が可能で、記録媒体を再生し得る方法お
よび装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録済みの記
録層を有する記録媒体の記録層に、ブラスト材を噴射す
ることにより記録媒体表面から記録層を除去することを
特徴とする記録媒体の再生方法を提供する。また、本発
明は、記録済みの記録層を有する記録媒体の供給部、記
録媒体表面にブラスト材を噴射するブラスト噴射部、ブ
ラスト材および除去された記録層を清掃回収する吸引回
収部、および記録層が除去された記録媒体の排出部を備
えることを特徴とする記録媒体の再生装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに好ましい実施の形態を挙げ
て本発明をさらに詳細に説明する。本発明の方法は、図
1に示すように、紙や合成樹脂製フィルム等の記録媒体
1の表面に、トナーやインキ等の記録剤によって記録層
2が既に記録されている記録済み記録媒体の表面に、図
2に示すように、ブラスト噴射装置3により、圧搾空気
と共にブラスト材4(研磨材およびその他各種の粒材)
を吹き付けて、表面の記録層2を破壊除去する方法であ
る。
【0011】本発明の方法を適用することができる記録
媒体として好ましく使用できるものは、パルプ繊維で構
成された紙、コピー用紙、コート紙、合成樹脂フィル
ム、シート、合成紙等であり、従来から記録媒体として
使用されているものであり、特に限定されない。また、
本発明の方法により記録媒体から除去可能な記録剤とし
ては、例えば、トナー、インクジェットインキ、印刷イ
ンキ、熱転写インキ、マジックインキ(登録商標)等、
いかなるものでもよく特に限定されない。
【0012】本発明で使用するブラスト装置としては、
例えば、装置内部を加圧してブラスト材を噴射する直圧
方式、ブラスト材を落下させて吹き付ける重力方式等、
いかなるものでもよく、また、湿式、乾式を問わない
が、特に直圧式で乾式のブラスト装置が作業効率の点か
ら好ましい。尚、図2においては、ブラスト噴射装置3
の噴射ノズル部のみを図示したが、通常のブラスト噴射
装置では、ノズルにつながったホースの元には、別に高
圧空気とブラスト材が混合された混合供給部があり、噴
射圧、時間等をコントロールする制御部がある。
【0013】使用するブラスト材の材質としては、例え
ば、砂、金属粒子、ガラス粒子、セラミック粒子、クル
ミ粉、氷粒子、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹
脂粒子、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂粒子等、いかなるものでも
適用可能である。特に記録層除去後の記録媒体の表面を
できるだけ傷付けたくない場合には、上記のクルミ粉、
熱可塑性樹脂粒子、熱硬化樹脂粒子の如き有機質のブラ
スト材を使用することが好ましい。
【0014】これらのブラスト材の粒径は、好ましくは
数10μm〜数mm程度、ブラストの噴射圧力は通常
0.1〜10kg/cm2程度の範囲であり、再生しよ
うとする記録媒体と、破壊除去しようとする記録剤によ
って最適のブラスト材料および粒径を選定することが好
ましい。すなわち、噴射されたブラスト材により記録層
のみが破壊除去されて、記録媒体表面は破壊されないよ
うなブラスト材の材質、粒径および噴射条件を選定する
ことが好ましい。
【0015】ブラスト噴射を行う際には、記録媒体には
一方向に強い圧力がかかるために、記録媒体の裏側には
保持用基板を、記録媒体の周囲にも保持治具等を設置
し、記録媒体を固定することが好ましい。また、噴射さ
れたブラスト材や破壊した記録層は空中に飛散するた
め、ブラスト噴射時は、ブラスト噴射装置および記録媒
体全体を囲うような容器を設け、その容器内でブラスト
噴射を行ない、さらには、噴射したブラスト粒子や破壊
された記録層を回収するための吸引治具等を設けておく
と良い。
【0016】しかし、前述のように噴射されたブラスト
材により記録層のみが破壊除去されて、記録媒体表面は
全く破壊されないような、ブラスト材の材質、粒径、噴
射条件等を選定することは、場合によっては困難で、例
えば、図3に示すように記録層2が破壊除去されると同
時に、記録媒体の表面層もわずかに破壊除去される場合
も生じる(6の部分)。この場合でも、記録媒体自体の
再生は可能であり、再使用も可能ではあるが、繰り返し
て再使用するに従い、記録媒体の表面劣化が著しくなる
可能性がある。
【0017】このため、図4に示したように、記録媒体
1の表面に予めブラスト噴射により破壊除去され難い耐
ブラスト層7をコーティングしておくことが好ましい。
この層7を形成しておくことで、図5に示すように、記
録媒体1は全く破壊されずに記録層2のみを破壊除去す
ることが容易になる。ここで用いることができる耐ブラ
スト層としては、硬く耐摩耗性があり、紙等にコーティ
ングし易いものであればいかなるものでもよい。例え
ば、硬化型アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の架橋密度が高く
硬度が大きい材料が好ましい。また、これらの樹脂にシ
リカ粉やアルミナ粉等のセラミック微粒子を含有させ
て、さらに耐摩耗性を高めたものを用いてもよい。
【0018】本発明の方法は、記録媒体の再生を目的と
しているため、記録剤は従来のように媒体表面に完全に
密着している必要はなく、必要最低限の密着強度があれ
ばよい。特に紙の場合には、記録層が紙の繊維に絡み密
着しているので、記録剤の密着強度があまりにも強い
と、記録層を破壊除去する際に記録層の破壊除去と同時
に、紙の繊維も破壊されてしまう恐れがある。
【0019】そこで図6に示すように、記録媒体1の表
面に予め記録層2の密着強度をコントロールするための
弱接着処理層8を施しておくことが好ましい。弱接着処
理層8としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂
等の如く低表面エネルギー物質成分を含む樹脂層を用い
ることにより、表面エネルギーを低下させることで、記
録層2の密着強度をコントロールすることができる。
【0020】また、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂
等の樹脂をコーティングすることにより、紙等の繊維系
記録媒体表面の凹凸表面を単に平滑化することで、記録
層の密着強度をコントロールすることもできる。このよ
うに、記録媒体表面に弱接着処理層を形成した場合は、
記録媒体に対して記録層が必要最低限の密着強度となる
ので、図7に示すように、記録媒体1(弱接着処理層
8)の表面から効率よく(きれいに短時間で)記録層2
を除去することが可能となる。
【0021】また、記録媒体表面から記録層を除去する
際に、例えば、図8に示すようなホットプレート状の加
熱または冷却機構9を用いて、記録媒体1を加熱または
冷却するとよい。すなわち、記録媒体と記録層は元々異
種材料であるので、互いに線膨張率が異なるため、温度
が変化すると両者の接着界面に歪みが生じ、記録層の密
着力が実質低下した状態になる。この状態で図8に示す
ようにブラスト噴射処理を行えば、記録媒体表面からよ
り簡便に記録層を除去することができる。さらに、記録
層を構成する物質の脆化温度以下に記録媒体を冷却すれ
ば、記録層が脆くなり、より容易に破壊除去をすること
ができる。
【0022】また、記録媒体表面から記録層を除去する
際に、図9に示すように記録媒体1を変形させることに
より、記録媒体1と記録層2の界面に歪みを付与させ
て、予め両者の接着力を弱めてから、ブラスト噴射処理
を行えば、より除去が簡単になる。図9では記録媒体1
の曲げ変形を示したが、変形の態様はこの限りではな
く、伸縮変形、ねじり変形、振動変形等、記録媒体と記
録層間の密着強度を低下させ得る変形であればいかなる
手法でもよい。
【0023】つぎに、本発明の記録媒体の再生装置の基
本構成を図10に示す。11は記録媒体1を枚葉式に供
給する供給部、12は、記録媒体をローラー等の保持具
15によって保持し、ブラストノズル16で記録媒体を
除去するためのブラスト噴射部である。ここでは、ブラ
スト材混合タンク、供給路、空気圧搾機、制御部等は図
示していないが、例えば、小型の直圧式ブラスト装置を
装置全体の下部に配置する等、従来から用いられている
ものを装置全体の空間配置を考えて配置すればよい。1
3は、残留ブラスト材や破壊された記録層を清掃除去す
るための吸引機構17を備えた吸引回収部、14は、再
生された記録媒体の排出部である。
【0024】一度使用したブラスト材は、特に変形破壊
していない場合は、再利用してもよい。また、その場合
は、使用したブラスト材と破壊除去した記録層の分別機
構(例えば、ふるいを用いた分離、エアー重力式分離等
の機構)を別途備えることが好ましい。ブラスト材が処
理時に変形破壊する場合は、適宜、新しいブラスト材を
タンクに供給することも必要である。
【0025】また、図11は、プレート型の加熱または
冷却機構18を備えた本発明の記録媒体の再生装置のブ
ラスト噴射部の概略図であり、図12は、ローラーによ
る曲げ変形機構19を備えた本発明の記録媒体の再生装
置のブラスト噴射部の概略図である。このように、加熱
または冷却機構若しくは変形機構を備えていれば、前述
のようにより容易に記録層を記録媒体から除去すること
ができる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0027】実施例l レーザービームプリンター(商品名:LBP720、キ
ヤノン製)を使用し、市販のA4サイズのOHPシート
(ポリエステル製、厚み60μm)の片面全面に、電子
写真方式によりトナーによる記録層(文字記録)を形成
した。つぎに、このOHPシートを厚さ5mmの金属板
上に載せてその四辺を保持具で保持し、直圧式ブラスト
装置(商品名:MY−30、手動式、新東ブレーター
製)とノズル径5mmのノズルを使用し、圧搾空気圧3
kg/cm2、記録媒体までの距離約100mm、ブラ
スト時間A4サイズ当り約2分間の条件でブラスト噴射
処理を行なった。ブラスト材としては、以下のものを使
用した。 ・スチールビーズ(#150) ・ジルコニアビーズ(#150) ・ガラスビーズ(#150) ・酸化アルミパウダー(#80) ・メラミン樹脂(#100) ・クルミパウダー(クルミを細かく砕いたもの) ・ナイロン樹脂(#80)
【0028】結果を下記の表1に示す。
【表1】 ナイロン樹脂を除いて、全てのブラスト材で記録層を除
去可能であったが、OHPシートの透明性を保つのであ
れば、メラミン樹脂やクルミパウダー、ナイロン樹脂が
より良好であることを確認した。
【0029】実施例2 市販のA4サイズコピー用紙(商品名:EN−500、
キヤノン製)の表面に、シリコーン系ハードコート剤
(商品名:トスガード520、東芝シリコーン製)をロ
ールコーターにより塗布層の厚みが約10μmになるよ
うに塗布し、乾燥硬化後、実施例1と同様にトナーで記
録層を形成した。ついで、実施例1と同様のブラスト噴
射装置および条件で、ブラスト材としてメラミン樹脂を
用いてブラスト噴射処理を行なった。その結果、用紙全
面に亘り記録層は残っておらず、この方法で記録層の除
去および記録媒体の再生が可能であることを確認した。
【0030】実施例3 実施例2で使用したコピー用紙の表面に、アクリル系U
V硬化型樹脂ハードコート剤(商品名:ダイキュアクリ
アEX−704、大日本インキ社製)を、ロールコータ
ーにより塗布層の厚みが約10μmになるように塗布
し、乾燥硬化後、実施例1と同様にトナーで記録層を形
成した。ついで、実施例1と同様のブラスト噴射装置お
よび条件で、ブラスト材としてメラミン樹脂を用いてブ
ラスト噴射処理を行なった。その結果、用紙全面に亘り
記録層は残っておらず、この方法で記録層の除去および
記録媒体の再生が可能であることを確認した。
【0031】実施例4 実施例1で使用したOHPシートの表面に、実施例3で
使用したハードコート剤を、ロールコーターにより塗布
層の厚みが約10μmになるように塗布し、乾燥硬化
後、実施例1と同様にトナーで記録層を形成した。つい
で、実施例1と同様のブラスト噴射装置および条件で、
ブラスト材としてメラミン樹脂を用いてブラスト噴射処
理を行なった。その結果、シート全面に亘り記録層は残
っていなかった。さらに、この方法で再生したOHPシ
ートは透明で、白化(記録媒体の表面破壊)は見られ
ず、この方法で記録層の除去および記録媒体の再生が可
能であることを確認した。
【0032】実施例5 実施例1で使用したOHPシートの表面に、実施例3で
使用したハードコート剤を90重量部、弱接着処理添加
剤としてアミノ変性シリコーン・オイル(商品名:KF
−393、信越化学工業製)10重量部からなる弱接着
コーティング組成物を調合し、ロールコーターにより塗
布層の厚みが約10μmになるように塗布し、乾燥硬化
後、実施例lと同様にトナーで記録層を形成した。
【0033】ついで、実施例1と同様のブラスト噴射装
置および条件で、ブラスト材としてナイロン樹脂を用い
てブラスト噴射処理を行なった。その結果、シート全面
に亘り記録層は残っていなかった。さらに、この方法で
再生したOHPシートは透明で、白化は見られず、この
方法で記録層の除去および記録媒体の再生が可能である
ことを確認した。さらに、ブラスト圧力を少しずつ低下
させてブラスト処理を行ってみたところ、圧搾空気圧を
l.8kg/cm2まで低下させても、記録層の除去お
よび記録媒体の再生が可能であった。
【0034】実施例6 実施例2で使用した市販のA4サイズコピー用紙の表面
に、実施例2で使用したシリコーン系ハードコート剤を
ロールコーターにより塗布層の厚みが約10μmになる
ように塗布し、乾燥硬化させた。その後、インクジェッ
ト・プリンター(商品名:BJC−600J、キヤノン
製)によりインクによる記録層(全面に文字記録、黒
色)を形成した。つぎに、実施例1と同様のブラスト噴
射装置および条件で、ブラスト材としてメラミン樹脂を
用いてブラスト噴射処理を行なった。その結果、用紙全
面に亘り記録層は残っておらず、この方法で記録層の除
去および記録媒体の再生が可能であることを確認した。
【0035】実施例7 実施例1で使用したOHPシートの表面に、実施例1と
同様にトナーで記録層を形成した。ついで、このOHP
シートおよびブラストノズルを−15℃の冷凍室に入
れ、5分間放置後、実施例1と同様の条件で、ブラスト
材としてメラミン樹脂を用い、かつブラスト圧力を低下
させながらブラスト噴射処理を行なった。その結果、圧
搾空気圧を1.6kg/cm2まで低下させても、記録
層の除去および記録媒体の再生が可能であることを確認
した。処理を行ったOHPシートは、シート全面に亘り
記録層は残っていなかった。さらに、この方法で再生し
たOHPシートは透明で、白化は見られず、この方法で
記録層の除去および記録媒体の再生が可能であることを
確認した。
【0036】実施例8 実施例1で使用したOHPシートの表面に、実施例1と
同様にトナーで記録層を形成した。ついで、このOHP
シートを図12のように直径130mm、周速度100
mm/分の金属ローラーに保持し、実施例1と同様の条
件で、ブラスト材としてメラミン樹脂を用い、かつブラ
スト圧力を低下させながらブラスト噴射処理を行なっ
た。その結果、圧搾空気圧2.0kg/cm2まで低下
させても、記録層の除去および記録媒体の再生が可能で
あることを確認した。処理を行ったOHPシートは、シ
ート全面に亘り記録層は残っていなかった。さらに、こ
の方法で再生したOHPシートは透明で、白化は見られ
ず、この方法で記録層の除去および記録媒体の再生が可
能であることを確認した。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、特殊な
機構部品や材料を必要とせず、ブラスト噴射処理という
単純な処理方法で、使用済み記録媒体が品質の良い状態
で確実に再生することができる。さらにこの方法によれ
ば、記録剤の種類にかかわらず、トナーやインキの広い
範囲の記録剤の除去に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録済み記録媒体の概略図。
【図2】本発明の再生方法の概略図。
【図3】ブラスト噴射によって記録媒体が破壊される例
を示す図。
【図4】耐ブラスト層をコーティングした記録媒体と記
録層を示す図。
【図5】耐ブラスト層をコーティングしたことにより記
録層のみが破壊除去される例を示す図。
【図6】弱接着処理層をコーティングした記録媒体と記
録層を示す図。
【図7】弱接着処理層をコーティングしたことにより記
録層のみが破壊除去される例を示す図。
【図8】記録媒体を加熱または冷却しながらブラスト噴
射処理を行う例を示す図。
【図9】記録媒体を変形させながらブラスト噴射処理を
行う例を示す図。
【図10】本発明の記録媒体の再生装置の概略図。
【図11】プレート型の加熱または冷却機構を備えた再
生装置のブラスト噴射部の該略図。
【図12】ローラーによる曲げ変形機構を備えた再生装
置のブラスト噴射部の該略図。
【符号の説明】
1:記録媒体 2:記録層 3:ブラスト噴射装置(ノズル) 4:ブラスト材 5:破壊した記録層 6:破壊した記録媒体表面 7:耐ブラスト層 8:弱接着処理層 9:加熱または冷却機構 11:供給部 12:ブラスト噴射部 13:吸引回収部 14:排出部 15:保持ロール 16:ブラストノズル 17:吸引機構 18:加熱または冷却機構 19:変形機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 康裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C061 AQ04 AQ05 AQ06 AS13 GG03 GG06 GG07 GG12 GG22 2H034 FA00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録済みの記録層を有する記録媒体の記録
    層に、ブラスト材を噴射することにより記録媒体表面か
    ら記録層を除去することを特徴とする記録媒体の再生方
    法。
  2. 【請求項2】 記録媒体が、紙または合成樹脂製フィル
    ムである請求項1に記載の記録媒体の再生方法。
  3. 【請求項3】 記録媒体が、記録媒体表面に予め耐ブラ
    スト層を形成した記録媒体である請求項1に記載の記録
    媒体の再生方法。
  4. 【請求項4】 【請求項l】 記録層が、トナーまたはインキにより形
    成されている請求項1に記載の記録媒体の再生方法。
  5. 【請求項5】 ブラスト材が、有機質粒子よりなる請求
    項1に記載の記録媒体の再生方法。
  6. 【請求項6】 記録層が、記録媒体表面に対して、予め
    弱接着状態になっている請求項1に記載の記録媒体の再
    生方法。
  7. 【請求項7】 記録媒体が、表面に弱接着処理層を形成
    したものである請求項1に記載の記録媒体の再生方法。
  8. 【請求項8】 記録媒体を加熱または冷却した後に、ブ
    ラスト材を噴射する請求項1に記載の記録媒体の再生方
    法。
  9. 【請求項9】 記録媒体を変形した後に、ブラスト材を
    噴射する請求項1に記載の記録媒体の再生方法。
  10. 【請求項10】 記録済みの記録層を有する記録媒体の
    供給部、記録媒体表面にブラスト材を噴射するブラスト
    噴射部、ブラスト材および除去された記録層を清掃回収
    する吸引回収部、および記録層が除去された記録媒体の
    排出部を備えることを特徴とする記録媒体の再生装置。
  11. 【請求項11】 ブラスト噴射部に、さらに記録媒体を
    加熱または冷却する機構を備えた請求項10に記載の記
    録媒体の再生装置。
  12. 【請求項12】 ブラスト噴射部に、さらに記録媒体を
    変形する機構を備えた請求項10に記載の記録媒体の再
    生装置。
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