JP2000280854A - 車両用シートのエアバッグ展開装置 - Google Patents
車両用シートのエアバッグ展開装置Info
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Abstract
取付けが簡単で、安価な側面衝突用のエアバッグ展開装
置を提供する。 【構成】シートバッグ用のエアバッグ展開装置は、支持
ブラケットとストラップを備える。支持ブラケットは、
エアバッグモジュールのインフレータ後方に延在する反
作用面を有する。ストラップは、一端が破れ易い縫合部
の内側でトリムカバーに縫い付けられ、他端がシートフ
レームに装着される。ストラップのシート後方部分は反
作用面によって、シート前方への移動が規制される。
Description
グ展開装置に関し、特に、車両用シートのシートバック
に搭載されるエアバッグ展開装置に関するものである。
乗員と車両側壁との間、または乗員とドアとの間に延出
するように、車両用シートのシートバックから展開され
るエアバッグを使用することが知られている。これらの
エアバッグ展開装置において、エアバッグモジュール
は、車両用シートのシートフレームに装着される。エア
バッグモジュール及びシートフレームは、パッド材によ
って被覆されている。パッド材は更にトリムカバーによ
って被覆されており、トリムカバーには破れ易い縫製部
が形成されている。エアバッグは、展開時にパッド材と
トリムカバーの破れ易い縫製部を破って、シートバック
から乗員と車両側壁との間、または乗員とドアとの間に
向かって延出するように展開する。エアバッグを適切に
展開するために、様々な方法が提案されている。例え
ば、米国特許第5,700,028号明細書に開示され
ているように、エアバッグの展開方向を定めるために、
破断し易い端部を有するボックスの中にエアバッグを収
納するという方法がある。
示されているように、エアバッグの展開方向を、一対の
離間した可撓性ストラップによって、トリムカバーの縫
目部分に向けることも公知である。各ストラップの一端
はシートフレームに固定され、他端は、縫目線によって
縫合される一対のトリムカバーの片側に縫い付けられて
いる。各ストラップは、パッド材の内側輪郭に沿ってい
る。インフレータが作動すると、インフレータから噴出
するガスにより膨張したエアバッグは、一対のストラッ
プの間を通って、トリムカバーの縫目部分に向かって展
開する。
米国特許第5,700,028号明細書に開示されたエ
アバッグ展開装置では、シートバックの内部に、パッド
材よりも硬質のボックスが配設されている為、該ボック
スによって、シートバックのクッション性が阻害され、
これにより、シートバックの人間工学や快適性を変化さ
せてしまう。
示されたエアバッグ展開装置においては、展開したエア
バッグが、シートバックのパッド材をシート外側に向か
って押圧するようにストラップがフォームの輪郭に沿っ
て配設されている。このため、エアバッグ展開時には、
エアバッグがパッド材を押圧した後に、縫目部分を破断
させる為、パッド材を押圧する分、エアバッグ展開の為
のエネルギーに損失が生じる。
は、ストラップが縫製部からトリムカバーの内側に沿っ
て延在し、シートフレームの後部に連結されたシート用
エアバッグ装置が開示されている。このシート用エアバ
ッグ装置においては、ストラップがエアバッグモジュー
ルのシート側方及び後方を囲うように配設されている。
この公報に開示されたシートにおいて、シート側面及び
シート後面のクッション性を確保する為に、シート側部
及びシート後部にもパッド材を配設することが考えられ
る。この場合には、ストラップは、縫製部からシート側
部のパッド材とトリムカバーとの間を通り、更にシート
後部のパッド材の後方を通って、シートフレームに連結
されることが考えられる。即ち、ストラップは、フレー
ムから縫目線まで延びる間にシート後部及びシート側部
のパッド材を囲繞する。このような構成においては、エ
アバッグが展開すると、ストラップがエアバッグの展開
圧を受けてシート前方に向かって引張られる。このと
き、ストラップは、シート後部のパッド材をシート前方
に向かって圧縮する。このパッド材を圧縮することによ
り、エアバッグ展開の為のエネルギーに損失が生じ、ま
た、ストラップのシート前方への移動がパッド材の変形
分だけ許容されるため、縫製部の破断が適切に行われな
くなる恐れがある。シート後面のクッション性をより高
める為、あるいは、エアバッグモジュールをシートバッ
クのより前側に配置する為に、シート後部のパッド材の
厚さを厚くした場合には、上記の問題がより顕著に現れ
ることとなる。従って、縫製部の破断をより確実に行う
為に、インフレータのガス圧を高めるなどの対策が必要
とされていた。
グ展開のためのガス圧が比較的低く、取付けが簡単で、
安価な側面衝突用のエアバッグ展開装置を提供すること
を目的とする。
高く、従来のシートにおける人間工学を維持できる側面
衝突用のエアバッグ展開装置を提供することである。
よれば、フレームと、該フレームの周囲に延在して空洞
を形成するパッド材と、前記パッド材を被覆すると共
に、破れ易い縫製部を有するトリムカバーとを有するシ
ートバックと、前記空洞内において、前記フレームに装
着されたエアバッグモジュールと、前記フレームに装着
されるとともに、前記フレームから前記シートバックの
側面部分に向かって延出することにより、片側に反作用
面を形成するアームを有する支持部材と、前記フレーム
に装着されるとともに、前記反作用面を越えて延在し、
一端が前記フレームに取り付けられ、他端が前記縫製部
において前記トリムカバーに取り付けられるストラップ
と、を備えたエアバッグ展開装置が提供される。
は、ストラップが支持部材の反作用面に支持されている
ため、ストラップがシート前方に向かって移動する量が
規制される。従って、ストラップが連結された縫製部が
パッド材の変形によってシート前方に移動することが規
制され、エアバッグの展開圧を効果的に縫製部に伝え、
縫製部を確実に破断させることができる。この結果、エ
アバッグの展開が安定して行われ、また、パッド材を必
要以上に押圧することによるエアバッグの展開エネルギ
ーのロスを低減することができる。従って、エアバッグ
の展開に必要なガス圧は、大きく減少する。
ラップが、前記反作用面に隣接して延在した請求項1に
記載のエアバッグ展開装置が提供される。
は、ストラップが、支持部材の反作用面に隣接している
為、エアバッグ展開圧がストラップに作用したときに、
ストラップと反作用面が接触することによって、ストラ
ップがシート前方に向かって移動する量を規制すること
ができる。従って、エアバッグの展開圧を効果的に縫製
部に伝え、縫製部を確実に破断させることができる。
ラップが、前記パッド材に設けられた孔を貫通して配設
された請求項2に記載のエアバッグ展開装置が提供され
る。
は、パッド材に設けられた孔をストラップが貫通する構
造としたため、支持部材の反作用面から、パッド材の側
方部分とトリムカバーとの間に最短距離でストラップを
延設することができ、ストラップの長さを比較的短くす
ることができる。
ド材が、前記エアバッグモジュールの後方に延在する後
方部分を有し、該後方部分の一部が前記反作用面と前記
ストラップとの間に挟まれ、前記後方部分の前記挟まれ
た部分の厚さが、ストラップの上下高さ全体にわたって
実質的に均一の厚さである請求項1に記載のエアバッグ
展開装置が提供される。
は、ストラップと反作用面との間に挟まれたパッド材の
後方部分の厚さが、ストラップの上下高さ全体にわたっ
て実質的に均一の厚さとなるように形成されている。従
って、エアバッグの展開圧が、ストラップと反作用面と
の間に挟まれたパッド材の後方部分に略均一に伝達され
る。これにより、エアバッグ展開時に、反作用面と接触
する部分のパッド材が略均一に押圧される為、この部分
のパッド材の変形量がストラップの上下高さ全体にわた
って略均一となり、ストラップのねじれが抑制される。
従って、ストラップから縫製部に伝達される力の大きさ
や向きが安定するため、縫製部を確実に破断させること
ができ、所定の方向にエアバッグが安定して展開する。
また、支持部材の形状を変更することにより、パッド材
の厚さを調整できるため、エアバッグモジュールをシー
トのより前側に配置した場合においても、適切にエアバ
ッグを展開することが可能となる。また、支持部材の形
状を僅かに変更するだけで、他の車種への適用が可能と
なる為、エアバッグ展開装置の他車種への汎用性が向上
する。
バッグ展開方向と前記ストラップのシート前後方向経路
とが、シート高さ方向に鋭角を成しており、前記アーム
が、前記ストラップの経路と実質的に同一平面上に延在
する複数のパネル部分によって形成された請求項1に記
載のエアバッグ展開装置が提供される。
は、前記エアバッグ展開方向と前記ストラップのシート
前後方向経路とが、シート高さ方向に鋭角を成している
場合であっても、ストラップが、フレームとの連結部分
から縫製部まで、捩じれることなく延設され、エアバッ
グ展開時の展開圧を確実に縫製部に伝達することができ
る。
バッグモジュールは、前記支持部材を介して前記フレー
ムに装着される請求項1ないし請求項5のいずれかの請
求項に記載のエアバッグ展開装置が提供される。
は、従来の構造と比べて、実質的に部品点数を増やすこ
となく、上述の効果を奏することができる。
各実施形態について説明する。尚、添付の図面におい
て、矢印FRは車両の前方を示し、矢印INは車両の中
心方向を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
装置の第一実施形態を示している。図1に示されるよう
に、シート12は、シートクッション13とシートバッ
ク14とから成り、シートバック14は、二つのシート
側面17と、シート側面17の間に延在するシート前面
15とを有する。シート前面15は、乗員を支持する形
状に形成されている。シートバック14は、図2に示さ
れるように、パッド材18と、パッド材18の外周を被
覆するトリムカバー20と、パッド材18及びトリムカ
バー20を支持する略U字状のシートフレーム16とを
備えている。シートフレーム16は、金属や炭素繊維複
合材料のような剛性材料で作ることができる。シートフ
レーム16は、水平断面における中間部24と、中間部
24から延出する後方フランジ22とを有する。パッド
材18は、二つの側方部分28(図2では、片側のみを
図示)と、各側方部分28の車両前方端部を連結する前
方部分26と、各側方部分28の車両後方側端部からシ
ート中心向きに延出する後方部分30とを備えた、概ね
C字型の断面形状を成している。パッド材18の後方部
分30は、シート12の後方からシート12を触ったと
きのクッション性を確保する役割を果たしている。シー
トパッド材18は、従来公知の発泡材料で作ることがで
きる。シートフレーム16がパッド材18の前方部分2
6と後方部分30との間に挟まれるように、パッド材1
8はシートフレーム16を囲繞している。
周は、布または革で作られたトリムカバー20に被覆さ
れている。トリムカバー20は、シート上下方向に延び
る破れ易い縫製部32を有する。縫製部32は、シート
前面15とシート側面17とが成す角部の近傍におい
て、シートバック14の前面15に沿って、シート上下
方向に延在する。縫製部32は、エアバッグ46の展開
を可能にするのに十分な長さを備えている。このような
縫製部32以外に、シートの全高にわたって設けられた
縫製部を備える構成としても良い。
ット40は、シートフレーム16とパッド材18との間
に形成された空洞42内に配置されており、シートフレ
ーム16の中間部分24に植込みボルト34によって固
定されている。エアバッグモジュール38は、エアバッ
グ46とインフレータ44とを備えている。インフレー
タ44は、エアバッグ46を膨張させる為のインフレー
タガスを放出するポート(図示せず)を有し、長い円筒
形に形成されている。インフレータ44は、エアバッグ
展開時に放出するインフレータガスを発生させるための
化学薬品を収納している。エアバッグ46は、エアバッ
グ構造に適したものならば、従来のいかなる布材料から
も作ることができる。エアバッグ46は、空洞部42内
に折り畳まれて収納されている。更に詳しくは、エアバ
ッグ46は、空洞部42内で、インフレータ44の前
面、すなわち縫製部32に近い側の面に連結されてい
る。尚、本実施形態において、エアバッグモジュール3
8、インフレータ44、エアバッグ46は、それぞれ従
来公知のものを使用することができる。
ット40は、シートフレーム16への取付部50からパ
ッド材18の側方部分28へと概ねシート外向きに延在
するアーム57を備えている。支持ブラケット40の取
付部50は、シートフレーム16の表面形状と一致して
おり、シートフレーム16からシートバック14の側面
17近傍まで、シート外向き且つシート横方向に延在し
たアーム57を支持するのに必要な、いかなる形状でも
よい。取付部50は、植込みボルト34が挿入される孔
(図示せず)を有する。アーム57は、内側パネル部分
54と、中間パネル部分55と、端部パネル部分56と
を有する。内側パネル部分54は、取付部50からシー
ト後方外側に傾斜し、シートフレーム16の傾斜部分の
形状と一致している。中間パネル部分55は、内側パネ
ル部分54の後端からシート側面17に向かって、シー
ト横方向に延出する。端部パネル部分56は、シートバ
ックの側面17と平行になるように中間パネル部分55
から約90度折り曲げられ、シート前方に向かって延在
している。中間パネル部分55のシート後方側の面によ
って、ストラップ58を支持する為の反作用面52が形
成されている。支持ブラケット40は、金属のような剛
性材料によって従来公知の方法で製造することができ
る。
58のシート前方側の端部59は、トリムカバー20の
縫製部32を形成する端部61付近において、トリムカ
バー20の内面に縫い付けられている。ストラップ58
は、シート後方側の端部に取り付けられたU字型クリッ
プ60まで延在している。クリップ60は、シートフレ
ーム16の後方フランジ22と嵌合している。ストラッ
プ58は、シートベルトの製造材料のような、弾性係数
の小さい、適当な可撓性材料で製作すればよい。本実施
形態において、ストラップ58の幅は約65mm、長さ
は約230mm、厚さは約0.2mm〜0.3mmであ
る。図2と図3に示されるように、ストラップ58は、
シートフレーム16から支持ブラケット40の中間パネ
ル部分55の反作用面52に沿って延在し、パッド材1
8に設けられた孔62を通過している。孔62は、パッ
ド材18の側方部分28をシート横方向に貫通してい
る。孔62は、ストラップ58が自由に通過できるよう
に、シート前後方向の幅が約20mm、上下長さが10
0mmである。ストラップ58は、孔62を出た後、約
90度曲がってパッド材18の側方部分28とトリムカ
バー20の間を縫製部32まで延びている。
て、以下に説明する。
は、矢印「A」で示した概ね縫製部32の方向に展開す
る。図4から明らかなように、ストラップ58は、エア
バッグ46の展開時に、エアバッグ46からの展開圧を
受けて、縫製部32を破断させる。詳しくは、エアバッ
グ46内に、インレータ44からインフレータガスが噴
出されると、エアバッグ46はシート横方向及びシート
前方に向かって膨脹しようとする。このとき、エアバッ
グ46の展開圧によって、パッド材18の側方部分28
及び前方部分26が押圧される。パッド材18の側方部
分28の外周は、弾性係数の小さい、すなわち伸びが生
じ難いストラップ58に囲われている為、側方部分28
に作用するエアバッグ46の展開圧は、ストラップ58
によって縫製部32に伝達される。この為、エアバッグ
46の展開初期において、確実に縫製部32を破断させ
ることができる。縫製部32の破断に伴い、エアバッグ
46の展開圧を受けてパッド材18が破断し、この破断
箇所からシート外側に向かってエアバッグ46が展開す
る。このとき、エアバッグ46が展開圧を受けて、端部
パネル部分56付近の少量のパッド材18が支持ブラケ
ット40の端部56に圧縮される。しかし、ストラップ
58のシート後方側の部分は、支持ブラケット40の反
作用面52に支持されているため、ストラップ58がシ
ート前方に向かって移動する量が規制されている。従っ
て、ストラップ58が連結された縫製部32がパッド材
18の変形によってシート前方に移動することが規制さ
れ、エアバッグ46の展開圧を効果的に縫製部32に伝
え、縫製部32を確実に破断させることができる。この
結果、エアバッグ46の展開が安定して行われ、また、
パッド材18を必要以上に押圧することによるエアバッ
グ46の展開エネルギーのロスを低減することができ
る。従って、インフレータ44に要求されるエアバッグ
の展開に必要なガス圧は、大きく減少する。すなわち、
低出力のインフレータ44を使用することが可能とな
る。
58が貫通する構造としたため、支持ブラケット40の
反作用面52から、パッド材18の側方部分28とトリ
ムカバー20との間に最短距離でストラップ58を延設
することができ、ストラップ58の長さを比較的短くす
ることができる。また、孔62にパッド材18外側と連
通するスリット(図示せず)を設けて、このスリットか
らストラップ58を孔62内に挿入するようにすれば、
ストラップ58の組付けが容易となり、シートを組み立
てる際の作業性が向上する。
実施形態を、図5から図9に従って以下に説明する。
0とパッド材18の周囲を通るストラップ72が第一実
施形態と異なる。また、第一実施形態で説明したパッド
材18の孔62は、第二実施形態では必要としない。図
5に示されるように、支持ブラケット70は、ストラッ
プ72がパッド材18周囲の経路を通る際に、ストラッ
プ72の経路と略平行になるように形成された反作用面
76を備えるアーム74を有する。ストラップ72は、
シートバック14の後面75において、シートフレーム
16からトリムカバー20の内側へとシート後方に延び
てから、パッド材18の外側且つトリムカバー20の内
側を通る。ストラップ72は、トリムカバー20の内側
に沿って縫製部32まで延びる。
ット70は、インフレータ(図示せず)を保持するため
の上下一対のリング78と、アーム74とを備えた取付
部50を有している。シートバック14の外形状は、図
7に示されるように、シート後面に対してシート前面が
傾斜しており、また、図6に示されるように、シート左
右方向でシート上方に向かうにつれてシート中心側に傾
斜していてもよいため、アーム74は、ストラップ72
の経路と略平行に形成された4枚のパネル部分を有して
いる。尚、図6、図7は、図5中に示した6−6線、7
−7線における断面図を示しているが、説明を明確にす
る為にこれらの断面図にストラップ72を追加して図示
している。インフレータ(エアバッグモジュール)は、
シート前面と略平行に固定されている。すなわち図9に
示されるように、アーム74は、内側パネル部分80、
後方パネル部分82、コーナーパネル部分84、端部パ
ネル部分86の4枚のパネル部分を有している。
88から下端90まで、第1折曲げ線92と第2折曲げ
線94との間に延在している。内側パネル部分80は、
図5に示されるように、取付部50の第1折り曲げ線9
2からシートバック14の後面75に向かって角度を成
して延びている。後方パネル部分82は、第2折曲げ線
94と第3折曲げ線96とにより画定された楔形であ
る。後方パネル部分82は、シートバックの後面75と
略平行である。コーナーパネル部分84は、第3折曲げ
線96と第4折曲げ線98とにより画定された楔形であ
る。
ネル部分84は、下端90よりも上端88において幅が
広く、トリムカバー20の内側面に沿ってシート後方か
ら回り込む際に、シートバック14の形状と略平行にな
るように、アーム74の下端90より上端88がインフ
レータ44に近づくように傾斜している。端部パネル部
分86は、アーム74の上端88よりも下端90の幅が
広い楔形で、シートバック14の側面17と略平行に、
アーム74の下端90より上端88がインフレータ44
に近づくように傾斜している。このため、アーム74は
下端90よりも上端88が小さくなっている。
トラップ72と反作用面76との間に挟まれたパッド材
18の後方部分30の厚さが、ストラップ72の上下高
さの全体にわたって略一定となるように形成されてい
る。図8において、図5に示したパッド材18の後方部
分30は省略してある。従って、図8において、アーム
74のコーナーパネル部分84とストラップ72との間
には、隙間が存在している。ストラップ72は、ストラ
ップ72の上下高さ全体にわたって、パッド材18の後
方部分30の内面とアーム74とを略均一に接触させ
る。アーム74とパッド材18の後方部分30の内面と
の均一な接触関係により、エアバッグ46の展開圧が、
ストラップ72と反作用面76との間に挟まれたパッド
材18の後方部分30に略均一に伝達される。これによ
り、エアバッグ展開時に、アーム74と接触する部分の
パッド材18の後方部分30が略均一に押圧される為、
ストラップ72の上下高さ全体にわたって、パッド材1
8の後方部分30の変形量が略均一となり、ストラップ
72のねじれが抑制される。従って、ストラップ72か
ら縫製部32に伝達される力の大きさや向きが安定し、
縫製部32を確実に破断させることができる。従って、
所定の方向にエアバッグ46が安定して展開する。
0の形状を変更することにより、パッド材18の厚さを
調整できるため、エアバッグモジュール38をシートバ
ック14のより前側に配置した場合においても、適切に
エアバッグ46を展開することが可能となる。また、支
持ブラケット70の形状を僅かに変更するだけで、他の
車種への適用が可能となる為、エアバッグ展開装置の他
車種への汎用性が向上する。
実施形態を、図10から図14に従って説明する。第三
実施形態では、パッド材18の孔62を通るストラップ
58を備えた第一実施形態と同様の支持ブラケット11
0が使用される。尚、第三実施形態において、インフレ
ータ44(エアバッグモジュール38)は、図7に示し
た第二実施形態と同様に、シート前面と略平行に、シー
ト後面に対して傾斜して取付けられている。図11と図
12に示されるように、支持ブラケット110は、取付
部50とアーム112とを備える単体に打抜き加工すれ
ばよい。アーム112は、内側パネル部分114と中間
パネル部分116と端部パネル部分118とを有する。
内側パネル部分114と中間パネル部分116とは、シ
ートバック14の側面17に向かってシートフレーム1
6から概ねシート横方向外向きに延出している。
ネル部分116と端部パネル部分118とは、アーム1
12の下端120より上端122がインフレータ44に
近づくように傾斜している。このため端部パネル118
は、上端122より下端120において幅が広い。言い
かえれば、ストラップ58は、アーム112に沿って、
クリップ60がシートフレーム16に取り付けられた部
分から上下方向で傾斜して延在している。このように形
成された支持ブラケット110を使用することによっ
て、ストラップ58は、シートフレーム16との連結部
分近傍において、インフレータ(エアバッグモジュー
ル)の軸線方向に垂直に、すなわち、エアバッグ展開方
向に平行に延設し、かつシート側面部分においては、略
水平方向に延設される。従って、第二実施形態を示す図
7と同様に、インフレータの軸線に垂直な方向、即ちエ
アバッグ展開方向とストラップ58のシート前後方向経
路とは、シート側面から見て、シート高さ方向に鋭角を
成している。支持ブラケット110を使用することによ
って、ストラップ58は、シートフレーム16との連結
部分から縫製部32まで、捩じれることなく延設され
る。エアバッグ展開時には、ストラップ58がアーム1
12に対して、アーム112の上下端で片当たりするこ
となく略均等に接触し、エアバッグ展開圧を確実に縫製
部に伝達することができる。
支持ブラケット40、70、110は、エアバッグモジ
ュール38を囲うプロテクタの役割も兼ねている。この
エアバッグモジュールを囲うプロテクタは、車両の側面
衝突時に、車両側方からの衝突物がシート側に侵入して
きた際に、衝突物からエアバッグモジュールを保護する
為のプロテクタである。従って、上記第一から第三の実
施形態は、従来の構造と比べて、実質的に部品点数を増
やすことなく、上述の効果を奏することができる。
持ブラケット40、70、110は、図13に示した支
持ブラケット134のように、二つの部品、すなわち、
ともに溶着された取付部分132とアーム134とで形
成してもよい。
は、図14に示した支持ブラケット115と、シートフ
レーム16の後部に直接取り付けるためのフランジ14
2をシート内側端部に有するアーム140のように別部
品で構成してもよい。
装置が搭載された車両シートの概略斜視図である。
搭載された車両用シートの部分断面図であり、エアバッ
グの展開前の状態を示す図である。
面図である。
搭載された車両用シートの部分断面図であり、エアバッ
グの展開状態を示す図である。
搭載された車両用シートの部分断面図であり、エアバッ
グの展開前の状態を示す図である。
面図である。
面図である。
示す斜視図である。
の斜視図である。
が搭載された車両用シートの部分断面図である。
トの斜視図である。
トの上面図である。
トの変形例を示す上面図である。
トの更なる変形例を示す上面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】フレームと、該フレームの周囲に延在して
空洞を形成するパッド材と、前記パッド材を被覆すると
共に、破れ易い縫製部を有するトリムカバーとを有する
シートバックと、前記空洞内において、前記フレームに
装着されたエアバッグモジュールと、前記フレームに装
着されるとともに、前記フレームから前記シートバック
の側面部分に向かって延出することにより、片側に反作
用面を形成するアームを有する支持部材と、前記フレー
ムに装着されるとともに、前記反作用面の後方を前記シ
ートバックの側面部分に向かって延在し、一端が前記フ
レームに取り付けられ、他端が前記縫製部において前記
トリムカバーに取り付けられるストラップと、を備えた
エアバッグ展開装置。 - 【請求項2】前記ストラップが、前記反作用面に隣接し
て延在した請求項1に記載のエアバッグ展開装置。 - 【請求項3】前記ストラップが、前記パッド材に設けら
れた孔を貫通して配設された請求項2に記載のエアバッ
グ展開装置。 - 【請求項4】前記パッド材が、前記エアバッグモジュー
ルの後方に延在する後方部分を有し、該後方部分の一部
が前記反作用面と前記ストラップとの間に挟まれ、前記
後方部分の前記挟まれた部分の厚さが、前記ストラップ
の上下高さ全体にわたって実質的に均一の厚さである請
求項1に記載のエアバッグ展開装置。 - 【請求項5】前記エアバッグ展開方向と前記ストラップ
のシート前後方向経路とが、シート高さ方向に鋭角を成
しており、前記アームが、前記ストラップの経路と実質
的に同一平面上に延在する複数のパネル部分によって形
成された請求項1に記載のエアバッグ展開装置。 - 【請求項6】前記エアバッグモジュールは、前記支持部
材を介して前記フレームに装着される請求項1ないし請
求項5のいずれかの請求項に記載のエアバッグ展開装
置。
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