JP3393753B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60R—VEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B60R21/00—Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
- B60R21/02—Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
- B60R21/16—Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
- B60R21/20—Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components
- B60R21/207—Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components in vehicle seats
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- Seats For Vehicles (AREA)
- Air Bags (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は，車両の側面衝突時
に，シートバックの内部に配置したエアバッグモジュー
ルからエアバッグを車室内に展開して乗員を保護する乗
員保護装置に関する。
に，シートバックの内部に配置したエアバッグモジュー
ルからエアバッグを車室内に展開して乗員を保護する乗
員保護装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】側面衝突用の乗員保護装置は，特開平６
−６４４９１号公報により公知である。上記従来のもの
は，エアバッグモジュールを側部ドアの内部或いはシー
トの内部に装着しており，車両の側面衝突時にエアバッ
グを乗員と側部ドアとの間に展開して乗員を拘束するよ
うになっている。
−６４４９１号公報により公知である。上記従来のもの
は，エアバッグモジュールを側部ドアの内部或いはシー
トの内部に装着しており，車両の側面衝突時にエアバッ
グを乗員と側部ドアとの間に展開して乗員を拘束するよ
うになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで，エアバッグ
モジュールをシートの内部に装着した場合，膨張するエ
アバッグはシートの被覆材の縫製部を破断して外部に展
開するようになっている。前記縫製部が一対の被覆材間
に装飾用の玉縁を挟持した構造を有する場合，縫製部の
破断により一対の被覆材及び玉縁の３部材が分離する
と，分離した一対の被覆材間に形成されるエアバッグ展
開用の開口を架橋するように玉縁が残留してしまい，こ
の玉縁と干渉してエアバッグのスムーズな展開が妨げら
れる可能性がある。
モジュールをシートの内部に装着した場合，膨張するエ
アバッグはシートの被覆材の縫製部を破断して外部に展
開するようになっている。前記縫製部が一対の被覆材間
に装飾用の玉縁を挟持した構造を有する場合，縫製部の
破断により一対の被覆材及び玉縁の３部材が分離する
と，分離した一対の被覆材間に形成されるエアバッグ展
開用の開口を架橋するように玉縁が残留してしまい，こ
の玉縁と干渉してエアバッグのスムーズな展開が妨げら
れる可能性がある。
【０００４】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で，エアバッグがシートバックの縫製部を破断して展開
するとき，前記縫製部の玉縁と干渉するのを防止するこ
とを目的とする。
で，エアバッグがシートバックの縫製部を破断して展開
するとき，前記縫製部の玉縁と干渉するのを防止するこ
とを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に，請求項１に記載された発明は，シートバックの内部
にエアバッグモジュールを配置し，そのエアバッグモジ
ュールから膨張するエアバッグの圧力で，シートバック
の前面を覆う前部被覆材と，シートバックの側面を覆う
側部被覆材と，前部被覆材及び側部被覆材間に挟持され
本体部がシートバック外に露出した装飾用の玉縁とを一
体に縫製する縫製部を破断し，そこに形成された開口か
らエアバッグを車室内に展開させる乗員保護装置におい
て，前記縫製部の破断時に前記玉縁が前部被覆材に結合
されたまま側部被覆材から分離するように，該縫製部
を，玉縁の本体部に近い部分で前部被覆材，側部被覆材
及び玉縁を一体に縫製する本縫い部と，玉縁の本体部に
遠い部分で前部被覆材及び玉縁を一体に縫製する仮縫い
部とから構成したことを特徴とする。
に，請求項１に記載された発明は，シートバックの内部
にエアバッグモジュールを配置し，そのエアバッグモジ
ュールから膨張するエアバッグの圧力で，シートバック
の前面を覆う前部被覆材と，シートバックの側面を覆う
側部被覆材と，前部被覆材及び側部被覆材間に挟持され
本体部がシートバック外に露出した装飾用の玉縁とを一
体に縫製する縫製部を破断し，そこに形成された開口か
らエアバッグを車室内に展開させる乗員保護装置におい
て，前記縫製部の破断時に前記玉縁が前部被覆材に結合
されたまま側部被覆材から分離するように，該縫製部
を，玉縁の本体部に近い部分で前部被覆材，側部被覆材
及び玉縁を一体に縫製する本縫い部と，玉縁の本体部に
遠い部分で前部被覆材及び玉縁を一体に縫製する仮縫い
部とから構成したことを特徴とする。
【０００６】また請求項２に記載された発明は，シート
バックの内部にエアバッグモジュールを配置し，そのエ
アバッグモジュールから膨張するエアバッグの圧力で，
シートバックの前面を覆う前部被覆材と，シートバック
の側面を覆う側部被覆材と，前部被覆材及び側部被覆材
間に挟持され本体部がシートバック外に露出した装飾用
の玉縁とを一体に縫製する縫製部を破断し，そこに形成
された開口からエアバッグを車室内に展開させる乗員保
護装置において，前記縫製部の破断時に前記玉縁が側部
被覆材に結合されたまま前部被覆材から分離するよう
に，該縫製部を，玉縁の本体部に近い部分で前部被覆
材，側部被覆材及び玉縁を一体に縫製する本縫い部と，
玉縁の本体部に遠い部分で側部被覆材及び玉縁を一体に
縫製する仮縫い部とから構成したことを特徴とする。
バックの内部にエアバッグモジュールを配置し，そのエ
アバッグモジュールから膨張するエアバッグの圧力で，
シートバックの前面を覆う前部被覆材と，シートバック
の側面を覆う側部被覆材と，前部被覆材及び側部被覆材
間に挟持され本体部がシートバック外に露出した装飾用
の玉縁とを一体に縫製する縫製部を破断し，そこに形成
された開口からエアバッグを車室内に展開させる乗員保
護装置において，前記縫製部の破断時に前記玉縁が側部
被覆材に結合されたまま前部被覆材から分離するよう
に，該縫製部を，玉縁の本体部に近い部分で前部被覆
材，側部被覆材及び玉縁を一体に縫製する本縫い部と，
玉縁の本体部に遠い部分で側部被覆材及び玉縁を一体に
縫製する仮縫い部とから構成したことを特徴とする。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下，本発明の実施の形態を，添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【０００８】図１〜図５は本発明の第１実施例を示すも
ので，図１はエアバッグ装置を備えたシートの側面図，
図２は図１の２方向矢視図，図３は図１の３−３線拡大
断面図，図４は玉縁の縫製方法の説明図，図５はエアバ
ッグ展開時の作用説明図である。
ので，図１はエアバッグ装置を備えたシートの側面図，
図２は図１の２方向矢視図，図３は図１の３−３線拡大
断面図，図４は玉縁の縫製方法の説明図，図５はエアバ
ッグ展開時の作用説明図である。
【０００９】図１及び図２に示すように，自動車のフロ
ントシートＳは，略水平に配置されたシートクッション
１と，シートクッション１の後端から後上方に延びるシ
ートバック２と，シートバック２の上端に設けられたヘ
ッドレスト３とから構成される。シートバック２の右側
面にはセンターピラー４が臨んでおり，そのセンターピ
ラー４の前部にフロントドア５が配置される。フロント
シートＳのシートバック２の右側内部にはエアバッグモ
ジュールＭが収納されており，エアバッグモジュールＭ
の作動時にエアバッグ６はシートバック２の縫製部を破
断して押し開き，シートＳに座乗した乗員の右側面とセ
ンターピラー４及びフロントドア５の左側面との間を遮
るように斜め前方に展開する。
ントシートＳは，略水平に配置されたシートクッション
１と，シートクッション１の後端から後上方に延びるシ
ートバック２と，シートバック２の上端に設けられたヘ
ッドレスト３とから構成される。シートバック２の右側
面にはセンターピラー４が臨んでおり，そのセンターピ
ラー４の前部にフロントドア５が配置される。フロント
シートＳのシートバック２の右側内部にはエアバッグモ
ジュールＭが収納されており，エアバッグモジュールＭ
の作動時にエアバッグ６はシートバック２の縫製部を破
断して押し開き，シートＳに座乗した乗員の右側面とセ
ンターピラー４及びフロントドア５の左側面との間を遮
るように斜め前方に展開する。
【００１０】図３に示すシートバック２の横断面から明
らかなように，シートバック２の右側縁に沿って上下方
向に延びるパイプフレーム１１に車体前方に延びる金属
製のエアバッグモジュール取付ブラケット１２と，車体
内側に延びる金属製のリテーナ１３とが溶接により固定
される。エアバッグモジュール取付ブラケット１２の右
側面に，エアバッグモジュールＭが各２個のボルト１
４，１４及びナット１５，１５により固定される。パイ
プフレーム１１の右側面からエアバッグモジュールＭの
右側面にかけては，プレスフェルトよりなる側部保形材
１６により覆われており，また前記側部保形材１６の前
端に縫製部１７により縫製された粗毛布よりなる前部保
形材１８は，エアバッグモジュールＭの前面を覆ってシ
ートバック２の厚さ方向中間部を車体左側に延び，車体
左側のパイプフレーム（図示せず）に接続される。プレ
スフェルトよりなる側部保形材１６は比較的に硬質であ
り，粗毛布よりなる前部保形材１８は前記プレスフェル
トよりも軟質である。
らかなように，シートバック２の右側縁に沿って上下方
向に延びるパイプフレーム１１に車体前方に延びる金属
製のエアバッグモジュール取付ブラケット１２と，車体
内側に延びる金属製のリテーナ１３とが溶接により固定
される。エアバッグモジュール取付ブラケット１２の右
側面に，エアバッグモジュールＭが各２個のボルト１
４，１４及びナット１５，１５により固定される。パイ
プフレーム１１の右側面からエアバッグモジュールＭの
右側面にかけては，プレスフェルトよりなる側部保形材
１６により覆われており，また前記側部保形材１６の前
端に縫製部１７により縫製された粗毛布よりなる前部保
形材１８は，エアバッグモジュールＭの前面を覆ってシ
ートバック２の厚さ方向中間部を車体左側に延び，車体
左側のパイプフレーム（図示せず）に接続される。プレ
スフェルトよりなる側部保形材１６は比較的に硬質であ
り，粗毛布よりなる前部保形材１８は前記プレスフェル
トよりも軟質である。
【００１１】パイプフレーム１１の内周にはメッシュ状
のスプリング１９が張設されており，このスプリング１
９の前面と，前部保形材１８の後面と，エアバッグモジ
ュール取付ブラケット１３の後面とに囲まれた部分にス
ポンジよりなるパッド２０が装着される。また側部保形
材１６及び前部保形材１８の前面には，同じくスポンジ
よりなるパッド２１が装着される。
のスプリング１９が張設されており，このスプリング１
９の前面と，前部保形材１８の後面と，エアバッグモジ
ュール取付ブラケット１３の後面とに囲まれた部分にス
ポンジよりなるパッド２０が装着される。また側部保形
材１６及び前部保形材１８の前面には，同じくスポンジ
よりなるパッド２１が装着される。
【００１２】シートバック２の前面中央部は第１被覆材
２２により覆われるとともに，その第１被覆材２２の左
右両側部及び上部は第２被覆材２３により覆われ，更に
第２被覆材２３に連なるシートバック２の左右両側面及
び上面は第３被覆材２４により覆われる。そしてシート
バック２の後面は，樹脂板２５1 の表面をスポンジより
なるワディング２５2 及び革や布でよりなる表皮材２５
3 で覆った第４被覆材２５により覆われる。
２２により覆われるとともに，その第１被覆材２２の左
右両側部及び上部は第２被覆材２３により覆われ，更に
第２被覆材２３に連なるシートバック２の左右両側面及
び上面は第３被覆材２４により覆われる。そしてシート
バック２の後面は，樹脂板２５1 の表面をスポンジより
なるワディング２５2 及び革や布でよりなる表皮材２５
3 で覆った第４被覆材２５により覆われる。
【００１３】前記第１被覆材２２，第２被覆材２３及び
第３被覆材２４は実質的に同じ構造を備えており，それ
ぞれ前記パッド２１に当接するワディングカバー２
２1 ，２３1 ，２４1 と，このワディングカバー２
２1 ，２３1 ，２４1 の前面に一体に結合された薄いス
ポンジよりなるワディング２２2 ，２３2 ，２４2 と，
ワディング２２2 ，２３2 ，２４2 の前面に重ね合わさ
れた革或いは布よりなる表皮材２２3 ，２３3 ，２４3
とから構成される。第１被覆材２２と第２被覆材２３と
は縫製部３４において縫製される。また第２被覆材２３
と第３被覆材２４とは縫製部２６において縫製され，そ
の際に前記縫製部２６には，合成樹脂製の芯材４４の外
周を革或いは布よりなる表皮材で覆った玉縁２７が一体
に縫製される。玉縁２７は，シートバック２外に露出し
且つ芯材４４を覆う本体部２７1 と，該本体部２７1 か
ら延びる脚部２７2 とから構成される。
第３被覆材２４は実質的に同じ構造を備えており，それ
ぞれ前記パッド２１に当接するワディングカバー２
２1 ，２３1 ，２４1 と，このワディングカバー２
２1 ，２３1 ，２４1 の前面に一体に結合された薄いス
ポンジよりなるワディング２２2 ，２３2 ，２４2 と，
ワディング２２2 ，２３2 ，２４2 の前面に重ね合わさ
れた革或いは布よりなる表皮材２２3 ，２３3 ，２４3
とから構成される。第１被覆材２２と第２被覆材２３と
は縫製部３４において縫製される。また第２被覆材２３
と第３被覆材２４とは縫製部２６において縫製され，そ
の際に前記縫製部２６には，合成樹脂製の芯材４４の外
周を革或いは布よりなる表皮材で覆った玉縁２７が一体
に縫製される。玉縁２７は，シートバック２外に露出し
且つ芯材４４を覆う本体部２７1 と，該本体部２７1 か
ら延びる脚部２７2 とから構成される。
【００１４】縫製部３４から延びる舌片２８の先端にク
リップ２９が設けられており，このクリップ２９をパッ
ド２１に埋設したアンカー３０に係止することにより，
第１被覆材２２及び第２被覆材２３が所定形状に保持さ
れる。また第３被覆材２４の後端の縫製部３１から延び
る舌片３２の先端にクリップ３３が設けられており，こ
のクリップ３３を前記リテーナ１３に係止することによ
り，第３被覆材２４が固定される。
リップ２９が設けられており，このクリップ２９をパッ
ド２１に埋設したアンカー３０に係止することにより，
第１被覆材２２及び第２被覆材２３が所定形状に保持さ
れる。また第３被覆材２４の後端の縫製部３１から延び
る舌片３２の先端にクリップ３３が設けられており，こ
のクリップ３３を前記リテーナ１３に係止することによ
り，第３被覆材２４が固定される。
【００１５】エアバッグモジュールＭの構造を更に説明
すると，ホルダー４１はＪ字状断面を有する本体部４１
1 と，この本体部４１1 の一側縁から延びるクランプ部
４１2 とを備えており，これら本体部４１1 及びクラン
プ部４１2 により形成される円形断面部に，内部に推薬
を充填した概略円筒状のインフレータ４２が嵌合する。
ホルダー４１及びインフレータ４２は，折り畳まれたエ
アバッグ６の基端部に包まれている。
すると，ホルダー４１はＪ字状断面を有する本体部４１
1 と，この本体部４１1 の一側縁から延びるクランプ部
４１2 とを備えており，これら本体部４１1 及びクラン
プ部４１2 により形成される円形断面部に，内部に推薬
を充填した概略円筒状のインフレータ４２が嵌合する。
ホルダー４１及びインフレータ４２は，折り畳まれたエ
アバッグ６の基端部に包まれている。
【００１６】展開したエアバッグ６の先端部６1 は上下
方向寸法が大きく左右方向寸法が小さく成形されており
（図１及び図２参照），その先端部６1 の長手方向（上
下方向）は側部保形材１６及び前部保形材１８の縫製部
１７と，第２被覆材２３及び第３被覆材２４の縫製部２
６とに対して略平行になっている。また側部保形材１６
及び前部保形材１８の縫製部１７と，第２被覆材２３及
び第３被覆材２４の縫製部２６との間のパッド２１に，
その厚さＴが周辺部の厚さよりも薄い薄肉部２１1 が形
成されている。
方向寸法が大きく左右方向寸法が小さく成形されており
（図１及び図２参照），その先端部６1 の長手方向（上
下方向）は側部保形材１６及び前部保形材１８の縫製部
１７と，第２被覆材２３及び第３被覆材２４の縫製部２
６とに対して略平行になっている。また側部保形材１６
及び前部保形材１８の縫製部１７と，第２被覆材２３及
び第３被覆材２４の縫製部２６との間のパッド２１に，
その厚さＴが周辺部の厚さよりも薄い薄肉部２１1 が形
成されている。
【００１７】折り畳まれたエアバッグ６は，左側面及び
後面が剛体壁を構成するホルダー４１の本体部４１1 及
びクランプ部４１2 にそれぞれ対向し，右側面が側部保
形材１６に対向し，前面が前部保形材１８に対向してい
る。エアバッグ６の左側面及び後面が対向するホルダー
４１は金属製の剛体であるのに対し，エアバッグ６の右
側面及び前面が対向する側部保形材１６及び前部保形材
１８は可撓性部材であり，しかも比較的に脆弱な縫製部
１７で縫製されているので，剛体であるホルダー４１か
ら受ける反力により，エアバッグ６は側部保形材１６及
び前部保形材１８の縫製部１７と，第２被覆材２３及び
第３被覆材２４の縫製部２６とに向けて斜め右前方に展
開する（図３の矢印Ａ参照）。
後面が剛体壁を構成するホルダー４１の本体部４１1 及
びクランプ部４１2 にそれぞれ対向し，右側面が側部保
形材１６に対向し，前面が前部保形材１８に対向してい
る。エアバッグ６の左側面及び後面が対向するホルダー
４１は金属製の剛体であるのに対し，エアバッグ６の右
側面及び前面が対向する側部保形材１６及び前部保形材
１８は可撓性部材であり，しかも比較的に脆弱な縫製部
１７で縫製されているので，剛体であるホルダー４１か
ら受ける反力により，エアバッグ６は側部保形材１６及
び前部保形材１８の縫製部１７と，第２被覆材２３及び
第３被覆材２４の縫製部２６とに向けて斜め右前方に展
開する（図３の矢印Ａ参照）。
【００１８】図４（Ａ）に示すように，第２被覆材２
３，第３被覆材２４及び玉縁２７の脚部２７2 を一体に
縫製する縫製部２６は，玉縁２７の本体部２７1 から遠
い側の仮縫い部２６1 と，玉縁２７の本体部２７1 に近
い側の本縫い部２６2 とを備える。仮縫い部２６1 は，
第２被覆材２３のワディングカバー２３1 及び表皮材２
３3 ，並びに２重になった玉縁２７の脚部２７2 を一体
に縫製しており，また本縫い部２６2 は，第２被覆材２
３のワディングカバー２３1 及び表皮材２３3 ，２重に
なった玉縁２７の脚部２７2 ，並びに第３被覆材２４の
ワディングカバー２４1 及び表皮材２４3 を一体に縫製
している。玉縁２７の本体部２７1 に近い側を本縫い部
２６2 とすることにより，シートＳの外観品質の低下を
防止することができる。
３，第３被覆材２４及び玉縁２７の脚部２７2 を一体に
縫製する縫製部２６は，玉縁２７の本体部２７1 から遠
い側の仮縫い部２６1 と，玉縁２７の本体部２７1 に近
い側の本縫い部２６2 とを備える。仮縫い部２６1 は，
第２被覆材２３のワディングカバー２３1 及び表皮材２
３3 ，並びに２重になった玉縁２７の脚部２７2 を一体
に縫製しており，また本縫い部２６2 は，第２被覆材２
３のワディングカバー２３1 及び表皮材２３3 ，２重に
なった玉縁２７の脚部２７2 ，並びに第３被覆材２４の
ワディングカバー２４1 及び表皮材２４3 を一体に縫製
している。玉縁２７の本体部２７1 に近い側を本縫い部
２６2 とすることにより，シートＳの外観品質の低下を
防止することができる。
【００１９】次に，前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
の作用について説明する。
【００２０】車両の衝突時にインフレータ４２が発生す
るガスで膨張するエアバッグ６は，その左側方及び後方
への膨張がホルダー４１により規制されているため，前
記ホルダー４１から離反する方向に，即ち斜め右前方に
膨張する。その結果，側部保形材１６及び前部保形材１
８の縫製部１７と，パッド２１の薄肉部２１1 と，第２
被覆材２３及び第３被覆材２４の縫製部２６とが破断
し，そこに形成された開口４８からエアバッグ６が展開
する。
るガスで膨張するエアバッグ６は，その左側方及び後方
への膨張がホルダー４１により規制されているため，前
記ホルダー４１から離反する方向に，即ち斜め右前方に
膨張する。その結果，側部保形材１６及び前部保形材１
８の縫製部１７と，パッド２１の薄肉部２１1 と，第２
被覆材２３及び第３被覆材２４の縫製部２６とが破断
し，そこに形成された開口４８からエアバッグ６が展開
する。
【００２１】このとき，前記両縫製部１７，２６の間に
は剛性が低く容易に破断するパッド２１の薄肉部２１1
が位置しているため，それら縫製部１７，２６にエアバ
ッグ６の膨張力を集中させて確実に破断することができ
る。またエアバッグ６の先端部６1 は上下方向に長く左
右方向に短い縦長の形状を有するため，その先端部６1
の長手方向が両縫製部１７，２６の方向と略平行にな
る。これにより，膨張するエアバッグ６の先端部６1 の
圧力を縫製部１７，２６に効果的に伝達し，該縫製部１
７，２６を確実に破断することができる。
は剛性が低く容易に破断するパッド２１の薄肉部２１1
が位置しているため，それら縫製部１７，２６にエアバ
ッグ６の膨張力を集中させて確実に破断することができ
る。またエアバッグ６の先端部６1 は上下方向に長く左
右方向に短い縦長の形状を有するため，その先端部６1
の長手方向が両縫製部１７，２６の方向と略平行にな
る。これにより，膨張するエアバッグ６の先端部６1 の
圧力を縫製部１７，２６に効果的に伝達し，該縫製部１
７，２６を確実に破断することができる。
【００２２】ところで，側部保形材１６の外側ではパッ
ド２１の肉厚が比較的に薄く，前部保形材１８の外側で
はパッド２１の肉厚が比較的に厚いために，側部保形材
１６の剛性と前部保形材１８の剛性とに差異がない場合
には，隣接するパッド２１の肉厚が薄い側部保形材１６
が容易に破断してしまう。その結果，エアバッグ６の膨
張力が第３被覆材２４の方向に作用してしまい，縫製部
１７，薄肉部２１1 及び縫製部２６が破断する前に第３
被覆材２４が破断し，エアバッグ６を斜め右前方に展開
させることができなくなる。
ド２１の肉厚が比較的に薄く，前部保形材１８の外側で
はパッド２１の肉厚が比較的に厚いために，側部保形材
１６の剛性と前部保形材１８の剛性とに差異がない場合
には，隣接するパッド２１の肉厚が薄い側部保形材１６
が容易に破断してしまう。その結果，エアバッグ６の膨
張力が第３被覆材２４の方向に作用してしまい，縫製部
１７，薄肉部２１1 及び縫製部２６が破断する前に第３
被覆材２４が破断し，エアバッグ６を斜め右前方に展開
させることができなくなる。
【００２３】しかしながら，本実施例の如く隣接するパ
ッド２１の肉厚が薄い側部保形材１６を剛性の高いプレ
スフェルトで構成し，隣接するパッド２１の肉厚が厚い
前部保形材１８を剛性の低い粗毛布で構成したので，側
部保形材１６及び前部保形材１８の撓み量を略均等に
し，エアバッグ６の膨張力を縫製部１７，薄肉部２１1
及び縫製部２６に正しく指向させることができる。
ッド２１の肉厚が薄い側部保形材１６を剛性の高いプレ
スフェルトで構成し，隣接するパッド２１の肉厚が厚い
前部保形材１８を剛性の低い粗毛布で構成したので，側
部保形材１６及び前部保形材１８の撓み量を略均等に
し，エアバッグ６の膨張力を縫製部１７，薄肉部２１1
及び縫製部２６に正しく指向させることができる。
【００２４】また，エアバッグ６の膨張により第２被覆
材２３，第３被覆材２４及び玉縁２７を一体に縫製する
縫製部２６が破断するとき，玉縁２７に対して第２被覆
材２３及び第３被覆材２４の両方が分離してしまうと，
第２被覆材２３及び第３被覆材２４間に形成された開口
４８から展開するエアバッグ６が，前記開口４８内に残
留する玉縁２７に遮られてスムーズに展開することがで
きなくなる。
材２３，第３被覆材２４及び玉縁２７を一体に縫製する
縫製部２６が破断するとき，玉縁２７に対して第２被覆
材２３及び第３被覆材２４の両方が分離してしまうと，
第２被覆材２３及び第３被覆材２４間に形成された開口
４８から展開するエアバッグ６が，前記開口４８内に残
留する玉縁２７に遮られてスムーズに展開することがで
きなくなる。
【００２５】しかしながら，図４（Ａ）に示すように，
第２被覆材２３と玉縁２７とは仮縫い部２６1 及び本縫
い部２６2 により２重に縫製されているのに対し，第３
被覆材２４と玉縁２７とは本縫い部２６2 のみにより縫
製されているので，エアバッグ６の圧力が作用したとき
に，縫製強度の弱い第３被覆材２４と玉縁２７との間で
本縫い部２６2 が破断する。その結果，図４（Ｂ）及び
図５に示すように，玉縁２７は第３被覆材２４から分離
して第２被覆材２３と一体に移動するため，玉縁２７は
第２被覆材２３及び第３被覆材２４間に形成される開口
４８に残留することがなくなり，エアバッグ６のスムー
ズな展開が保証される。
第２被覆材２３と玉縁２７とは仮縫い部２６1 及び本縫
い部２６2 により２重に縫製されているのに対し，第３
被覆材２４と玉縁２７とは本縫い部２６2 のみにより縫
製されているので，エアバッグ６の圧力が作用したとき
に，縫製強度の弱い第３被覆材２４と玉縁２７との間で
本縫い部２６2 が破断する。その結果，図４（Ｂ）及び
図５に示すように，玉縁２７は第３被覆材２４から分離
して第２被覆材２３と一体に移動するため，玉縁２７は
第２被覆材２３及び第３被覆材２４間に形成される開口
４８に残留することがなくなり，エアバッグ６のスムー
ズな展開が保証される。
【００２６】以上，本発明の実施例を詳述したが，本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【００２７】例えば，実施例では仮縫い部２６1 で第２
被覆材２３及び玉縁２７を一体に縫製することにより，
縫製部２６の破断時に玉縁２７を第２被覆材２３側に残
留させているが，仮縫い部２６1 で第３被覆材２４及び
玉縁２７を一体に縫製することにより，縫製部２６の破
断時に玉縁２７を第３被覆材２４側に残留させても同様
の効果を得ることが可能である。
被覆材２３及び玉縁２７を一体に縫製することにより，
縫製部２６の破断時に玉縁２７を第２被覆材２３側に残
留させているが，仮縫い部２６1 で第３被覆材２４及び
玉縁２７を一体に縫製することにより，縫製部２６の破
断時に玉縁２７を第３被覆材２４側に残留させても同様
の効果を得ることが可能である。
【００２８】また，第１実施例では合成樹脂製の芯材４
４を表皮材で覆って玉縁２７を構成したが，図６の第２
実施例に示すように，中空パイプ状の本体部２７1 と，
該本体部２７1 に連なる脚部２７2 とを合成樹脂で一体
に形成した玉縁２７を採用しても，前記第１実施例と同
様の作用効果を奏することができる。
４を表皮材で覆って玉縁２７を構成したが，図６の第２
実施例に示すように，中空パイプ状の本体部２７1 と，
該本体部２７1 に連なる脚部２７2 とを合成樹脂で一体
に形成した玉縁２７を採用しても，前記第１実施例と同
様の作用効果を奏することができる。
【００２９】
【発明の効果】以上のように，請求項１に記載された発
明によれば，エアバッグの膨張時に破断する縫製部を，
装飾用玉縁の本体部に近い部分で前部被覆材，側部被覆
材及び玉縁を一体に縫製する本縫い部と，玉縁の本体部
に遠い部分で前部被覆材及び玉縁を一体に縫製する仮縫
い部とから構成したので，縫製部の破断時に玉縁は前部
被覆材に結合されたまま側部被覆材から分離する。これ
により，エアバッグが展開する開口に玉縁が残留するこ
とがなくなり，エアバッグは玉縁と干渉することなくス
ムーズに展開することができる。しかも，玉縁の本体部
に近い部分で前部被覆材，側部被覆材及び玉縁が一体に
本縫いされるので，玉縁の外観品質が影響を受けること
がない。
明によれば，エアバッグの膨張時に破断する縫製部を，
装飾用玉縁の本体部に近い部分で前部被覆材，側部被覆
材及び玉縁を一体に縫製する本縫い部と，玉縁の本体部
に遠い部分で前部被覆材及び玉縁を一体に縫製する仮縫
い部とから構成したので，縫製部の破断時に玉縁は前部
被覆材に結合されたまま側部被覆材から分離する。これ
により，エアバッグが展開する開口に玉縁が残留するこ
とがなくなり，エアバッグは玉縁と干渉することなくス
ムーズに展開することができる。しかも，玉縁の本体部
に近い部分で前部被覆材，側部被覆材及び玉縁が一体に
本縫いされるので，玉縁の外観品質が影響を受けること
がない。
【００３０】また請求項２に記載された発明によれば，
エアバッグの膨張時に破断する縫製部を，装飾用玉縁の
本体部に近い部分で前部被覆材，側部被覆材及び玉縁を
一体に縫製する本縫い部と，玉縁の本体部に遠い部分で
側部被覆材及び玉縁を一体に縫製する仮縫い部とから構
成したので，縫製部の破断時に玉縁は側部被覆材に結合
されたまま前部被覆材から分離する。これにより，エア
バッグが展開する開口に玉縁が残留することがなくな
り，エアバッグは玉縁と干渉することなくスムーズに展
開することができる。しかも，玉縁の本体部に近い部分
で前部被覆材，側部被覆材及び玉縁が一体に本縫いされ
るので，玉縁の外観品質が影響を受けることがない。
エアバッグの膨張時に破断する縫製部を，装飾用玉縁の
本体部に近い部分で前部被覆材，側部被覆材及び玉縁を
一体に縫製する本縫い部と，玉縁の本体部に遠い部分で
側部被覆材及び玉縁を一体に縫製する仮縫い部とから構
成したので，縫製部の破断時に玉縁は側部被覆材に結合
されたまま前部被覆材から分離する。これにより，エア
バッグが展開する開口に玉縁が残留することがなくな
り，エアバッグは玉縁と干渉することなくスムーズに展
開することができる。しかも，玉縁の本体部に近い部分
で前部被覆材，側部被覆材及び玉縁が一体に本縫いされ
るので，玉縁の外観品質が影響を受けることがない。
【図１】エアバッグ装置を備えたシートの側面図
【図２】図１の２方向矢視図
【図３】図１の３−３線拡大断面図
【図４】玉縁の縫製方法の説明図
【図５】エアバッグ展開時の作用説明図
【図６】第２実施例に係る玉縁の縫製方法の説明図
２ シートバック
６ エアバッグ
２３ 第２被覆材（前部被覆材）
２４ 第３被覆材（側部被覆材）
２６ 縫製部
２６1 仮縫い部
２６2 本縫い部
２７ 玉縁
２７1 本体部
４８ 開口
Ｍ エアバッグモジュール
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平９−295547（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−215159（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−286298（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−39711（ＪＰ，Ａ)
特開 平６−64491（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B60R 21/16 - 21/32
Claims (2)
- 【請求項１】 シートバック（２）の内部にエアバッグ
モジュール（Ｍ）を配置し，そのエアバッグモジュール
（Ｍ）から膨張するエアバッグ（６）の圧力で，シート
バック（２）の前面を覆う前部被覆材（２３）と，シー
トバック（２）の側面を覆う側部被覆材（２４）と，前
部被覆材（２３）及び側部被覆材（２４）間に挟持され
本体部（２７ 1 ）がシートバック（２）外に露出した装
飾用の玉縁（２７）とを一体に縫製する縫製部（２６）
を破断し，そこに形成された開口（４８）からエアバッ
グ（６）を車室内に展開させる乗員保護装置において，
前記縫製部（２６）の破断時に前記玉縁（２７）が前部
被覆材（２３）に結合されたまま側部被覆材（２４）か
ら分離するように，該縫製部（２６）を，玉縁（２７）
の本体部（２７1 ）に近い部分で前部被覆材（２３），
側部被覆材（２４）及び玉縁（２７）を一体に縫製する
本縫い部（２６2 ）と，玉縁（２７）の本体部（２
７1 ）に遠い部分で前部被覆材（２３）及び玉縁（２
７）を一体に縫製する仮縫い部（２６1 ）とから構成し
たことを特徴とする乗員保護装置。 - 【請求項２】 シートバック（２）の内部にエアバッグ
モジュール（Ｍ）を配置し，そのエアバッグモジュール
（Ｍ）から膨張するエアバッグ（６）の圧力で，シート
バック（２）の前面を覆う前部被覆材（２３）と，シー
トバック（２）の側面を覆う側部被覆材（２４）と，前
部被覆材（２３）及び側部被覆材（２４）間に挟持され
本体部（２７ 1 ）がシートバック（２）外に露出した装
飾用の玉縁（２７）とを一体に縫製する縫製部（２６）
を破断し，そこに形成された開口（４８）からエアバッ
グ（６）を車室内に展開させる乗員保護装置において，
前記縫製部（２６）の破断時に前記玉縁（２７）が側部
被覆材（２４）に結合されたまま前部被覆材（２３）か
ら分離するように，該縫製部（２６）を，玉縁（２７）
の本体部（２７1 ）に近い部分で前部被覆材（２３），
側部被覆材（２４）及び玉縁（２７）を一体に縫製する
本縫い部（２６2 ）と，玉縁（２７）の本体部（２
７1 ）に遠い部分で側部被覆材（２４）及び玉縁（２
７）を一体に縫製する仮縫い部（２６1 ）とから構成し
たことを特徴とする乗員保護装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14179596A JP3393753B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 乗員保護装置 |
| US08/868,892 US5893579A (en) | 1996-06-04 | 1997-06-04 | Seat mounted air bag system |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14179596A JP3393753B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 乗員保護装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09323606A JPH09323606A (ja) | 1997-12-16 |
| JP3393753B2 true JP3393753B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=15300326
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14179596A Expired - Fee Related JP3393753B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 乗員保護装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3393753B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4463700B2 (ja) | 2005-01-25 | 2010-05-19 | 本田技研工業株式会社 | 車両用シート |
| KR101624211B1 (ko) * | 2012-04-23 | 2016-05-25 | 존슨 컨트롤스 게엠베하 | 차량 시트 커버링의 측면 에어 쿠션 출구 시임 상의 인열 방지기 및 인열 방지기를 갖춘 차량 시트 커버링 |
| FR3030394B1 (fr) * | 2014-12-17 | 2018-04-06 | Faurecia Sieges D'automobile | Couture decorative pour siege pour vehicule automobile |
| JP6423712B2 (ja) * | 2014-12-25 | 2018-11-14 | 株式会社タチエス | 車両用シート |
-
1996
- 1996-06-04 JP JP14179596A patent/JP3393753B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09323606A (ja) | 1997-12-16 |
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