JP5228674B2 - サイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造 - Google Patents

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Description

本発明は、サイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造に関し、その中でもエアバッグを安定して展開させることのできる構造に関する。
従来より、シートバックのサイドサポート部にサイドエアバッグユニットを装備し、車体側部への衝突時や横転時などに着座している乗員の側部でエアバッグを展開させ、乗員を保護するようにしたシート構造が知られている。
例えば特許文献1には、ドア側のサイドサポート部のパッドに上下方向に延びるようにサイドエアバッグユニットが埋設されていて、その前方を覆うシート表皮に、切れ易い縫合糸で縫合した破断部を上下方向に直線状に延びるように設けたシート構造が開示されている。
そして、その破断部の両側には、シート表皮よりも伸張性の低い低伸張部材の一端がそれぞれ取り付けられていて、エアバッグの展開時には、これら低伸張部材で両側から引っ張ることで破断部が容易に破断されるようにしている。
特開2007−196986号公報
サイドエアバッグシステムは乗員の側部を保護するものであるため、先の特許文献1のように、シート表皮に設ける破断部はサイドエアバッグユニットに合わせて上下方向に直線状に延びるように形成するのが一般的であり、また、そうしておけばエアバッグを支障なく展開させることができていた。
ところが、近年では、シートバックの形態も多様化し、シートバックを覆うシート表皮もその形態に合わせて複雑な形状に加工されるようになってきている。そうなると、その形状等の制約を受けて従来のように破断部を形成するのが難しくなり、また、エアバッグの展開が不安定になるおそれもある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多少複雑な形態のシートバッグであっても、安定してエアバッグを展開させることのできる車両用シート構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、サイドエアバッグユニットの上端部の近傍かそれより下方に位置して斜め方向に延びる縫合部を利用して破断部位を形成し、そこに連結する低伸張部材を、サイドエアバッグユニットの上端部を覆うように配設した。
具体的には、複数箇所に縫合部を有し、シートバックの形状を形作っているパッドの表面を覆うシート表皮と、上記シートバックの側部に内蔵され、その前方に展開するサイドエアバッグユニットとを備える車両用シート構造であって、上記サイドエアバッグユニットは、上記シートバックの長手方向に延びるように配設されて、上記シート表皮の縫合部に設けられた破断部位を破断して展開する格納状態のエアバッグと、このエアバッグに展開用のガスを供給するインフレータと、を有し、上記破断部位は、上記側部の前面側から外側面側に至る領域を斜め方向に延びる縫合部に形成された斜め破断部位を含み、上記サイドエアバッグユニットの上端部は、この斜め破断部位の近傍又はそれより上方に位置しており、上記シート表皮よりも伸張性の低い素材からなる低伸張部材を有し、この低伸張部材は、一端が上記シートバックに設けられた固定部材に連結され、他端が上記斜め破断部位の片側に連結されていて、上記低伸張部材が、上記サイドエアバッグユニットの上端部を、その上方から覆うように配設されていることを特徴とするものである。
尚、ここでいう斜め方向に延びるとは、直線的に延びるものだけでなく、多少湾曲したり、折れ曲がったりした非直線的に延びるものも含む。また、その方向も概ねその方向に延びていれば足り、多少のずれがあってもかまわない。
この構成によれば、シート表皮の縫合部に、エアバッグが展開することによって破断される破断部位が設けられているので、破断部位を別途縫い合わせて形成する必要がなく、効率的である。
そしてこの場合、サイドエアバッグユニットの上端部では、斜め破断部位の破断方向がエアバッグの展開方向とずれているため、エアバッグが比較的展開し難くなっているが、上記サイドエアバッグユニットの上端部をその上方から覆うように低伸張部材を配設して、上記斜め破断部位に連結したので、エアバッグが展開する際には、低伸張部材によってエアバッグがサイドエアバッグユニットの上方に向かって膨張するのを規制することができる。
そうして、エアバッグを斜め破断部位に導きながら、エアバッグの展開圧力で斜め破断部位を効果的に破断させることができるため、破断部位が斜め方向に延びていても、安定してそこからエアバッグを展開させることができる。
また、上記斜め破断部位における上記低伸張部材の反対側には、上記低伸張部材とは別の低伸張部材が連結されているものとしておくのが好ましい。
そうすれば、斜め破断部位は、エアバッグの展開時には、その両側からそれぞれ低伸張部で引っ張られることとなるため、更に安定してエアバッグを展開させることができる。
更に、上記サイドエアバッグユニットと上記縫合部との間には上記パッドが介在しており、上記パッドの上記斜め破断部位近傍の部分に、これに対応したスリットが形成されていて、上記低伸張部材がこのスリットを通って上記固定部材から上記斜め破断部位に向かって延びているようにしてあってもよい。
そうすれば、エアバッグの展開時に低伸張部材に力が作用すると、低伸張部材はスリットを押し広げることと縫合部を破断することの両方を同時に行いながらエアバッグを斜め破断部位に案内するようになるので、エアバッグは早期かつ容易にシートバックから外方に飛び出して展開できるようになる。
更に、具体的には、上記低伸張部材の一端が連結される固定部材として、上記インフレータの上端に取り付けられた取付部材を用いることもできる。
そうすれば、取付部材によってエアバッグが上方に向かって膨張するのをより確実に規制することができる。そして、その取付部材に低伸張部材を連結することで、低伸張部材の取り付けが簡単になって作業性が向上するし、その取り付け位置から縫合部までの距離が比較的短くなって、エアバッグの展開時の力をより効率よく作用させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、シートバックの形態が多少複雑なものであっても、比較的安定してエアバッグを展開させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の構造を適用した車両用シートを正面側から見た概略図であり、図2は、図1の矢印X方向から見た車両用シートの概略側面図である。
この車両用シートは、車両(自動車)の右側に設置されるシートを示しており、自動車の車室内のフロアパネル上に図1の正面側をその前方に向け、シートの右側(図1では左側)を車体の右サイドボディに向けて設置される。車両の左側にもシートは設置されるが、その場合、左右逆に配置される点を除けば、シート各部の主な構成は、この右側に設置されるシートと同様であるため、その説明は省略する。また、以下の説明で示す前後や上下左右等の方向は、特に言及しない限り、この車両の前後等の方向に従うものとする。
図1及び図2に示すように、この車両用シートには、ヘッドレスト1やシートバック2、アームレスト3、シートクッション4、シートベース5、サイドエアバッグユニット15などが備えられている。
シートベース5は、フロアパネル上に取り付けられ、前後にスライドさせて所定位置に固定できるように構成されている。そのシートベース5上にシートクッション4が組み付けられていて、その後端部にナックル部材(図示せず)を介してシートバック2が組み付けられている。
シートバック2は、シートクッション4に対して前後に傾動操作して所定角度に固定できるようになっている。しかし、本発明では、乗員が着座した状態でその機能が発揮されるため、ここでは図1や図2に示すように、シートバック2が略上下方向に延びるように設定された着座時の姿勢を前提とする。
シートバック2は、これを支持するシートバックフレーム6や、これの前側に配設され、シートバック2の形状を形作るパッド7、そしてこのパッド7の前面を含め、シートバック2の表面を覆うシート表皮8などで構成されていて(図6参照)、その幅方向中間を長手方向に延びる背もたれ部2aと、その左右両側部に沿って隆起するサイドサポート部(側部)2b、2cとを備えている。サイドサポート部2b、2cの前端部は、背もたれ部2aの前面よりも前方に突出している。
このシートバック2はデザインに工夫が凝らされていて、背もたれ部2aの前面から左右のサイドサポート部2b、2cの前面及び外側面に至る範囲にわたって特徴的な略U字形状をした帯状のステッチ9が設けられている。
シートバック2は、このステッチ9により長手方向の中間部分が括れたような形になっていて、左右のサイドサポート部2b、2cもこのステッチ9を境に上下に並ぶ2つの隆起部が形成されている。
このように、このシートバック2は起伏に富んだ形状に形成されているため、密着してその表面を覆うシート表皮8は、複数の表皮部材8a,8b,・・・を組み合わせて複数箇所を立体的に縫合することにより形成されている。
例えば、図1においてその右側のサイドサポート部2bを見ると、そこでのシート表皮8は、少なくとも、外側面側のステッチ9の下側を覆う下側外側面部8aや、ステッチ9の下側の前面側を覆う下側前面部8b、ステッチ9、ステッチ9の上側を覆う他の面部8cなどの表皮部材で構成されている。
そして、ステッチ9の下側の膨出した前端部近傍の部位には、下側外側面部8aの前端縁と下側前面部8bの右側端縁とが互いに縫合されることによって、長手方向(略上下方向)に延びる第1縫合部11が形成されている。そして、これら下側外側面部8a及び下側前面部8bの上端縁がステッチ9と互いに縫合されることにより、前面側から外側面側に至る領域を前面側から外側面側に向かって斜め上方に延びる第2縫合部12が形成されている。
一方、シートバック2の内部には、図3に詳しく示すように、シートバック2を支持するシートバックフレーム6が配設されている。具体的には、このシートバックフレーム6には、パイプを略U字状に曲げて形成された上部フレーム6aと、この上部フレーム6aの下方に向く左右の下端のそれぞれに溶接固定され、シートバック2の長手方向に延びる左右の側部フレーム6b、6cと、これら左右の側部フレーム6b、6cの下端間に一体に設けられた下部フレーム6dとが備えられている。
その右側の側部フレーム6bの左側(シートバック2の幅方向中央側)には、1本のワイヤ14(支持部材)がパッド7に埋設された状態で側部フレーム6bに沿うように配設されている。尚、詳細は後述するが、このワイヤ14に第2の当て布18b等が取り付けられている(固定部材)。
そして、右側の側部フレーム6bには、これに沿って延びるサイドエアバッグユニット15が、その前端縁部を側部フレーム6bよりも前方に突出した状態で組み付けられている。
サイドエアバッグユニット15は、車両の側突時や横転時などの緊急時になると、後述するエアバッグ16をその前方に展開してシートに着座している乗員の胸部や腰部を保護するものであるため、図2に示したように、シートバック2の長手方向の中央付近に配置するのが一般的である。従って、このシートの場合も、右側の側部フレーム6bの長手方向の中央付近に位置するようにサイドエアバッグユニット15が取り付けられていて、その上端部15aは、側面視で第2縫合部12の近傍かそれよりも上側に位置し、また、図1に示す正面視でも、第2縫合部12の近傍かそれよりも上側に位置している。
ところで、展開時には、エアバッグ16はパッド7とシート表皮8とを突き破ってシートバック2内から飛び出すこととなるが、シート表皮8には、エアバッグ16が展開し易いように所定の破断部位が設けられている。そして、その破断部位は、サイドエアバッグユニット15に合わせて、その前方の部分に、上下方向に直線状に延びるように形成するのが好ましいが、このシートバック2の場合には、シート表皮8が起伏に富んだ形状となっているため、そのように破断部位を設けるのは難しく、また、設けたにしても凹凸によって破断部位の長さが相対的に長くなるし、展開時の力が作用する方向もばらばらになるため、破断部位に作用する力が部分的に不足して、エアバッグ16の展開が不安定になるおそれがある。
そこで、このシートでは、図3に太実線で示したように、第1縫合部11と第2縫合部12を利用して破断部位17を形成し、その周りのシート表皮8の内側に、引っ張っても伸び難い当て布18(低伸張部材)をそれぞれ別々に取り付けた。
図4は、破断部位17近傍のシート表皮8の内側を模式的に表したものであるが、そこに示されるように、破断部位17は、第1縫合部11の上側の部分(縦破断部位17aともいう)と、第1縫合部11の上端に連なって斜め後方側に延びる第2縫合部12の部分(斜め破断部位17bともいう)とで形成されている。そして、その第1縫合部11の両側に第1の当て布18aと第2の当て布18bとが設けられ、第2縫合部12の両側に第3の当て布18cと第4の当て布18dとが設けられている。これら第1から第4の当て布18は、いずれもシート表皮8よりも十分に伸張性の低い素材で構成されている。
このように、第1、第2の各当て布18a、18bは、縦破断部位17aに縫合(連結)され、第3、第4の各当て布18c、18dは斜め破断部位17bに縫合されている。
ここで、その破断部位17の形成方法について、第1縫合部11の横断面を模式的に表した図5を用いて説明すると、まず、下側外側面部8aと第1の当て布18aとを重ね合わせ、第1縫合部11側のそれぞれの端部を第1縫合糸19aで縫合する。同じようにして、下側前面部8bと第2の当て布18bとを縫合する。これらのシート表皮8側を向かい合わせにしてその端部近傍を第2縫製糸19bで縫合する。そして最後に、この第2縫製糸19bによる縫合部分でそれぞれの端部を折り返し、その端部を第3縫製糸19cで縫合するのである。第2縫合部12もこれと同様方法で形成されている。
これら各縫製糸19a、19b、19cのうち、第1縫合部11の破断部位を形成している第2縫製糸19bには、他のいずれの縫製糸よりも強度の小さいものが用いられており、その結果、破断部位17はいずれの縫合部よりも破断し易くなっている。尚、各当て布18は必ずしも第1縫合部11や第2縫合部12に直接縫合する必要性はなく、その近傍の部位に縫合、接着等してあってもよい。
こうして縫合された第1から第4の当て布18は、それぞれシートバックフレーム6やワイヤ14(固定部材)にたるまないように取り付けられていて、しかも、破断部位17をより安定して破断することができ、エアバッグ16を安定して展開できるように工夫して取り付けられている。
この点、図6を参照しながら詳しく説明する。図6の(a)は、図1、図2における右側のサイドサポート部2bにおけるY−Y線断面図、つまり、縦破断部位17a近傍の横断面を示しており、図6の(b)は、図2の矢印Z方向から見たサイドエアバッグユニット15の上端部15a近傍の概略断面図を示している。
まず、図6に示すように、破断部位17近傍のサイドサポート部2bの内部には、先に説明した側部フレーム6bが位置している。そこでの側部フレーム6bは断面略L字形状をしていて、シートバック2の幅方向(単に幅方向ともいう)と略平行な背面壁31と、これの幅方向端側の端部から前方に大きく突出する側面壁32とを有し、その側面壁32の幅方向端側の面の前寄りの部分にサイドエアバッグユニット15が取り付けられている。
このサイドエアバッグユニット15は、外観が細長い筒形状をしていて、その長手方向の両端間にわたる範囲に折り畳まれた状態で格納されたエアバッグ16と、このエアバッグ16に展開用のガスを供給するインフレータ20と、これら格納状態のエアバッグ16とインフレータ20とを収容する紙製のケース21とを有している。このケース21内には、エアバッグ16がその前方から飛び出すように、インフレータ20の前側にエアバッグ16が配置されている。
展開時のエアバッグ16は、図2に示すように、略L字形状をしていて、サイドエアバッグユニット15と略同寸の上下寸法を有し、そこから前方に延びる腰部保護部16aと、この腰部保護部16aの前端部に連続して上方に延びる胸部保護部16bとを有している。従って、格納状態では胸部保護部16bの分だけエアバッグ16は上端寄りの部分が密になっているため、サイドエアバッグユニット15の上端部15a側は比較的早期に展開させるのが好ましい。
そして、これら側部フレーム6b及びサイドエアバッグユニット15の前面側から右側面側を覆うように、具体的には、側部フレーム6b及びサイドエアバッグユニット15に接する、これらの幅方向右端側と、側部フレーム6bの背面壁31より前方の幅方向中央側とにわたる部分に、発泡成形されたスポンジ状のパッド7が配設されている。
このパッド7は、サイドエアバッグユニット15の前端部近傍の部位に、エアバッグ16の展開を容易にする、第1縫合部11に沿って延びる割れ目7aを有し、また、側部フレーム6bよりも幅方向中央側の前面に、長手方向に沿って凹設された溝部7bを有する。この溝部7bの底部近くには、先に説明したワイヤ14が埋設固定されている。
また、パッド7の斜め破断部位17b近傍の部分には、図4にも示すように、下端部が割れ目7aに近接するとともに、斜め破断部位17bに沿うように延びて内外に貫通するスリット22が形成されている。
このパッド7の外面は、シート表皮8で覆われていて、(a)のように、第1縫合部11の周辺では、サイドサポート部2bの外側面側が下側外側面部8aで覆われ、その前面側が下側前面部8bで覆われている。一方、(b)のように、第2縫合部12の周辺では、サイドサポート部2bの外側面側が同じく下側外側面部8aで覆われ、その前面側が上側の他の面部8cで覆われている。そして、これらシート表皮8の内側に先の第1から第4の当て布18が位置している。
具体的には、第1の当て布18aは、その一端がフック23を介して側部フレーム6bの背面壁31にその後方から取り付けられ、パッド7の外面に沿うようにシートバック2の背面側から外側面(右側面)を通って第1縫合部11まで延び、その他端が縦破断部位17aに縫合されている。そして、第2の当て布18bは、下側前面部8bとともに、その一端がフック23を介してワイヤ14に装着されたリング部材24に取り付けられ、パッド7の外面に沿うように、シートバック2の前面をその幅方向中央側から第1縫合部11まで延び、その他端が縦破断部位17aに縫合されている。
また、第3の当て布18cは、第1の当て布18aと同様に、その一端がフック23を介して側部フレーム6bの背面壁31に取り付けられ、パッド7の外面に沿うようにシートバック2の背面から外側面を通って第2縫合部12まで延び、その他端が斜め破断部位17bに縫合されている。
一方、第4の当て布18dは、第2の当て布18bとは異なり、図4にも示してあるように、サイドエアバッグユニット15の上端部15aの前端側の部分をその上方から覆うように配設されている。
具体的には、第4の当て布18dは、その一端が側部フレーム6bの背面壁31にフック23を介して取り付けられていて、側部フレーム6bの後端側の面とパッド7との間を通って前方に延び、サイドエアバッグユニット15の上端部の前寄りの部分を覆うように拡がりながらスリット22からパッド7の外側に出た後、その他端が斜め破断部位17bに縫合されている。
このように、斜め方向に延びる斜め破断部位17bについては、第4の当て布18dを確りと固定できる側部フレーム6bに取り付けた上で、サイドエアバッグユニット15の上端部の前寄りの部分を覆うように配設したことで、側部フレーム6bへの取り付け位置から斜め破断部位17bまでの距離が比較的短くなり、しかも間にパッド7が介在しないようになり、エアバッグ16が展開するときにはその力が効率よく斜め破断部位17bに作用することとなる。
しかも、エアバッグ16が展開するときには、第4の当て布18dによってサイドエアバッグユニット15の上側が覆われているので、エアバッグ16が上方に膨張するのを規制することができ、エアバッグ16が適正に展開するように導くことができる。
従って、エアバッグ16の展開時に作用する力が比較的小さくなり易い斜め破断部位17bであっても、確実性をもって破断させることができ、エアバッグ16を安定して展開させることができる。
一方、サイドエアバッグユニット15に沿って延びる縦破断部位17aについては、エアバッグ16の展開時には、斜め破断部位17bに比べれば比較的大きな力が作用するため、多少のパッド7の変形や当て布18のたるみがあっても支障なく縦破断部位17aを破断させることができ、その結果として、縦及び斜め破断部位17a、17bをバランスよく破断させることができるようになっている。
次に、そのエアバッグ16の展開時におけるサイドエアバッグユニット15の動作について説明する。
図示しないセンサによって自動車の側突等が検出されると、インフレータ20がガスを発生し、そのガスの供給によってエアバッグ16の展開が開始する。そうすると、エアバッグ16はケース21やパッド7の割れ目7a、スリット22、シート表皮8の破断部位17を突き破ってシートバック2からその前方に飛び出すこととなる。
このとき、縦破断部位17aには第1、第2の当て布18a、18bが上記のごとく設けられ、斜め破断部位17bには第3、第4の当て布18c、18dが上記のごとく設けられているので、展開するエアバッグ16の展開する力がこれら当て布18に作用すると、当て布18が引っ張られることとなるが、各当て布18の一端は、それぞれ側部フレーム6bやワイヤ14に固定されているため、他端が縫合された縦破断部位17a及び斜め破断部位17bの第2縫合糸19bにその力が効率よく作用して、簡単に縦及び斜め破断部位17a、17bを破断させることができる。
特に、サイドエアバッグユニット15の上端部には第4の当て布18dが配設されているため、エアバッグ16が展開を開始すると、直ちに第4の当て布18dに力が作用して斜め破断部位17bをその下端側から引っ張るようになる。そして、エアバッグ16の展開が進むと、エアバッグ16の上端部分は、スリット22を押し広げながら斜め破断部位17bを破断し、パッド7とシート表皮8とに形成される開口を通ってシートバック2の外方に飛び出すようになる。
また、縦破断部位17aからもエアバッグ16が飛び出し、図2に示したように、エアバッグ16が乗員の側部で展開することとなる。
このとき、斜め破断部位17bは、縦破断部位17aに比べて速いタイミングで破断されるようになっていることから、エアバッグ16の腰部保護部16aと胸部保護部16bとをバランスよく展開させることができるようになっている。
以上説明したように、本発明によれば、多少複雑な形態のシートバッグであっても、安定してエアバッグを展開させることができるようになる。
なお、本発明にかかるシート構造は、前記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、図7は、インフレータ20の上端部15aに、これを覆うように板状の取付部材25を固定した。そして、側部フレーム6bの背面壁31に取り付けるのではなく、この取付部材25に第4の当て布18dの一端を取り付けるようにしている。
こうすることによって、まず、取付部材25によってエアバッグが上方に向かって膨張するのをより確実に規制することができる。そして、この取付部材25に第4の当て布18dを取り付けることで、取り付けが簡単になって作業性が向上するし、その取り付け位置から斜め破断部位17bまでの距離が上記実施形態よりも短くなるため、エアバッグ16の力をより効率よく作用させることができる。
その他、上記実施形態では、破断部位17として第1縫合部11及び第2縫合部12を示したが、それ以外にも、破断部位17は第3や第4の縫合部を含むものであってもよい。但し、その場合には、第3や第4の縫合部にも、それぞれ別々に当て布を設けるのが好ましい。
また、当て布18は、それぞれ4枚で構成したが、第1縫合部11又は第2縫合部12に対して同じ側に位置する当て布18、すなわち第1、第3の各当て布18a、18cや第2、第4の各当て布18b、18dをそれぞれ一体に形成してもよい。その場合、例えば第2、第4の各当て布18b、18dについては、第1縫合部11と第2縫合部12との接続点の近傍で分岐させて側部フレーム6b側とワイヤ14側とに取り付け方向を振り分ければよい。
このようにしてあると、第1から第4の各当て布18のそれぞれに作用する力の一部は、一体化された他方の当て布18にも及ぶため、より確実性をもって全体的にバランスよく破断させることができるようになる。
シートバック2の形態は、U字形状のステッチ9が設けられた上記実施形態に限るものではない。例えば逆U字形状や波線状のステッチ9が設けられたものでもよく、ステッチ9なしに立体的な凹凸が形成されたものであってもよい。
また、エアバッグ16の力をより効率よく作用させるために、側部フレーム6bよりも幅方向端側であって、サイドエアバッグユニット15よりも後側に位置するパッド7の部分に内外に貫通するスリットを形成し、そこに第1の当て布18aや第3の当て布18cを挿通して側部フレーム6bに取り付けるようにしてもよい。
本発明のシート構造を適用したシートを正面側から見た概略図である。 図1の矢視X方向から見たシートの概略側面図である。 シートバック内部を表したシートの概略斜視図である。 破断部位周辺のシート表皮内側を表した概略図である。 破断部位の概略横断面図である。 (a)は図1、図2のY−Y線断面図、(b)は図2の矢印Z方向から見た概略断面図である。 別実施形態を説明するための図である。この図は、図2の矢印Z方向から見た概略断面図に相当している。
符号の説明
1 ヘッドレスト
2 シートバック
2a 背もたれ部
2b、2c サイドサポート部(側部)
3 アームレスト
4 シートクッション
5 シートベース
6 シートバックフレーム(固定部材)
6b、6c 側部フレーム
7 パッド
8 シート表皮
9 ステッチ
11 第1縫合部
12 第2縫合部
14 ワイヤ
15 サイドエアバッグユニット
16 エアバッグ
17 破断部位
17a 縦破断部位
17b 斜め破断部位
18 当て布(低伸張部材)
18a 第1の当て布
18b 第2の当て布
18c 第3の当て布
18d 第4の当て布
20 インフレータ
22 スリット
25 取付部材(固定部材)

Claims (4)

  1. 複数箇所に縫合部を有し、シートバックの形状を形作っているパッドの表面を覆うシート表皮と、上記シートバックの側部に内蔵され、その前方に展開するサイドエアバッグユニットとを備える車両用シート構造であって、
    上記サイドエアバッグユニットは、上記シートバックの長手方向に延びるように配設されて、上記シート表皮の縫合部に設けられた破断部位を破断して展開する格納状態のエアバッグと、このエアバッグに展開用のガスを供給するインフレータと、を有し、
    上記破断部位は、上記側部の前面側から外側面側に至る領域を斜め方向に延びる縫合部に形成された斜め破断部位を含み、上記サイドエアバッグユニットの上端部は、この斜め破断部位の近傍又はそれより上方に位置しており、
    上記シート表皮よりも伸張性の低い素材からなる低伸張部材を有し、この低伸張部材は、一端が上記シートバックに設けられた固定部材に連結され、他端が上記斜め破断部位の片側に連結されていて、
    上記低伸張部材が、上記サイドエアバッグユニットの上端部を、その上方から覆うように配設されていることを特徴とするサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造。
  2. 請求項1に記載のサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造において、
    上記斜め破断部位における上記低伸張部材の反対側には、上記低伸張部材とは別の低伸張部材が連結されていることを特徴とするサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造。
  3. 請求項1に記載のサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造において、
    上記サイドエアバッグユニットと上記縫合部との間には上記パッドが介在しており、
    上記パッドの上記斜め破断部位近傍の部分に、これに対応したスリットが形成されていて、上記低伸張部材がこのスリットを通って上記固定部材から上記斜め破断部位に向かって延びていることを特徴とするサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造。
  4. 請求項3に記載のサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造において、
    上記低伸張部材の一端が連結される固定部材として、上記インフレータの上端に取り付けられた取付部材が用いられていることを特徴とするサイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造。
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