JP2000277301A - 伝熱層を有する絶縁基板及び抵抗器 - Google Patents

伝熱層を有する絶縁基板及び抵抗器

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JP2000277301A
JP2000277301A JP11085452A JP8545299A JP2000277301A JP 2000277301 A JP2000277301 A JP 2000277301A JP 11085452 A JP11085452 A JP 11085452A JP 8545299 A JP8545299 A JP 8545299A JP 2000277301 A JP2000277301 A JP 2000277301A
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insulating
resistor
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film
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Hiroshi Kishi
弘志 岸
Koichiro Tsujiku
浩一郎 都竹
Keizo Kawamura
敬三 川村
Takashi Amano
崇 天野
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗膜13に発生する熱が放熱しやすく、こ
れによって抵抗膜13の発熱が小さく、抵抗器の過負荷
特性が劣化しにくいようにする。 【解決手段】 抵抗器は、絶縁基板11と、この絶縁基
板11上に形成された抵抗膜13と、この抵抗膜13の
両端に電気的に導通するよう前記絶縁基板11の両端に
形成された外部電極16、16とを有する。そして、絶
縁基板11上に、前記抵抗膜13の一部に対して電気的
に絶縁した状態で、絶縁基板11より熱伝導良好な伝熱
層17、17を有する。伝熱層17、17は外部電極1
6、16と導通している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ形状または
板状等を有する絶縁基板上に伝熱層を有する絶縁基板
と、この絶縁基板上に抵抗膜を形成し、この抵抗膜の両
端に電気的に導通するように絶縁基板の両端に導体を形
成した抵抗器に関し、特に過負荷特性の劣化の小さな絶
縁基板と抵抗器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、チップ状の抵抗器の例を図9に
示す。この図9に示すように、焼成したアルミナ基板や
ガラス系絶縁セラミックス基板等の絶縁基板1の上の両
端部に所定の電極パターンに従ってAgペースト等の導
電ペーストが印刷され、これが焼き付けられ、いわゆる
枕電極2、2と呼ばれる一対の抵抗膜3の間の電極が形
成されている。これら枕電極2、2にわたってRuO2
を主体とする抵抗ペーストが塗布され、焼き付けられ、
抵抗膜13が形成されている。この抵抗膜13の上にア
ンダーガラスが塗布され、これが焼き付けられ、アンダ
ーコート膜4が形成されている。このアンダーコート膜
4の上から、前記の抵抗膜3がレーザトリミングされ、
枕電極2、2の間の抵抗値が調整される。抵抗膜3の上
にオーバーガラスが塗布され、これが焼き付けられ、オ
ーバーコート膜5が形成されているる。さらに、チップ
状の絶縁基板1の両端部にAgペースト等の導電ペース
トが塗布され、これが焼き付けられ、このAg膜の上に
Niメッキや半田メッキ等が施され、外部電極6、6が
形成されている。
【0003】従来において、前記のような抵抗器や回路
基板等の電子部品を製造する絶縁セラミックス材料とし
ては、アルミナ基板及びAl23とSiO2を主体とし
たガラス系の絶縁セラミックス材料が使用されていた。
このセラミックス材料はSiO2、Al23、B23
CaO、MgO等の粉末からなる磁器原料を溶媒に分解
したバインダ成分中に分散し、これをシート状に成型し
た後、焼成することにより得られる。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】前述のようなアル
ミナ系のセラミックス材料による絶縁基板を使用した抵
抗器では、絶縁基板の熱伝導が大きいため、放熱性の点
で優れる。このため、過負荷特性が比較的良好である。
しかし、アルミナ系のセラミックス材料は非常に硬いた
め、焼成済みの絶縁基板の加工性が悪い。また、このア
ルミナ系のセラミックス材料は、低温で焼成することが
できない。このため、生産性が劣るという欠点がある。
【0005】これに対し、ガラス系の絶縁セラミックス
材料による絶縁基板を使用した抵抗器は、絶縁基板の加
工性が良好なため、研削により絶縁基板を個々のチップ
に分割でき、しかも焼成温度が比較的低い。このため生
産性には優れる。しかし、ガラス系の絶縁セラミックス
材料は、熱伝導率が小さいため、抵抗器の過負荷特性が
大幅に劣化する傾向がある。これは、抵抗膜3の両端に
電力を印加した時に、抵抗膜3に熱が発生するが、絶縁
基板1の熱伝導性が悪いと、同絶縁基板1を介して放熱
が行われにくいためである。すなわち、実装したプリン
ト基板に前記の熱が逃げにくく、抵抗膜3が非常に高温
になる。
【0006】本発明は、前記従来の抵抗器における課題
に鑑み、抵抗膜に電流を通電した時に、抵抗膜に発生す
る熱が放熱しやすく、これによって抵抗膜の発熱が小さ
く、過負荷特性が劣化しにくい抵抗器を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、熱発生源に近接して対向するように前
記絶縁基板11、21、31より熱伝導良好な伝熱層1
7、27、37を設けた伝熱層を有する絶縁基板を使用
する。そして、この絶縁基板11、21,31上に抵抗
膜13を設けたものである。このような熱伝導良好な伝
熱層17、17を熱発生源である抵抗膜13と近接して
配置し、抵抗膜13に電流を通電してときに発生する熱
を、前記伝熱層17、17を介して広く拡散し、放熱す
る。
【0008】すなわち、本発明による絶縁基板は、熱発
生源を有する絶縁基板11、21、31を備え、絶縁基
板11、21、31に、前記熱発生源に近接して対向す
るように前記絶縁基板11、21、31より熱伝導良好
な伝熱層17、27、37を設けたことを特徴とするも
のである。
【0009】また、本発明による抵抗器は、絶縁基板1
1、21、31と、この絶縁基板11、21、31上に
形成された抵抗膜13と、この抵抗膜13の両端に電気
的に導通するよう形成された導体とを有する。そして、
絶縁基板11、21、31に、前記抵抗膜13と近接し
て対向するように前記絶縁基板11、21、31より熱
伝導良好な伝熱層17、27、37を設けている。
【0010】例えば、抵抗器がチップ形態を有するチッ
プ抵抗器の場合、絶縁基板11はチップ状のものからな
り、このチップ状の絶縁基板11の両端に、抵抗膜13
の両端に電気的に導通するよう外部電極16、16が形
成されている。伝熱層17、17はこの外部電極16、
16と導通させる。
【0011】このような抵抗器において、外部電極1
6、16を介して抵抗膜13に電流を通電すると、抵抗
膜13に熱が発生する。この熱は、前記伝熱層17、1
7を介して拡散し、速やかに絶縁基板11の広い範囲に
伝熱し、放熱される。さらに、伝熱層17、17を外部
電極16、16と導通させることにより、抵抗膜13で
発生した熱は、伝熱層17、17を介して拡散される。
そしてこの熱が外部電極16、16に伝熱され、この外
部電極16、16からこれに半田付けされたランド電極
を介して回路基板へと伝達される。これにより、抵抗器
の抵抗膜13に発生した熱が速やかに拡散され、回路基
板へと放熱されるので、抵抗膜13の温度上昇を抑える
ことができる。
【0012】より具体的な構造としては、絶縁基板11
の上に伝熱層17、17を形成し、この上に絶縁基板1
1とは別の絶縁層19を設け、その上に抵抗膜13を設
ける。従って、抵抗膜13と伝熱層17、17との間に
絶縁層19が介在される。抵抗膜13と伝熱層17、1
7とは、この絶縁層19の厚さで決定される距離dを介
して配置されるが、耐電圧等の条件が許す限り絶縁層1
9の厚さを薄くすることにより、抵抗膜13と伝熱層1
7、17との距離dをごく小さくすることが有効であ
る。
【0013】さらに、抵抗器はチップ状とし、これを回
路基板上に搭載する代わりに、回路基板を構成する絶縁
基板21、31上に抵抗器を直接形成することもでき
る。この場合、絶縁基板31は複数の絶縁層32、32
…が積層された多層回路基板とすることもできる。この
多層回路基板の場合は、絶縁基板31を構成する一部の
絶縁層32を抵抗膜13と伝熱層37との間に介在させ
ることもできる。
【0014】伝熱層17、27が抵抗膜13の両端に接
続されている場合は、絶縁を図るため、伝熱層17、2
7は互いに分離された一対の層からなる。この場合、伝
熱層17、27を分離する分離部18は、抵抗膜13の
ほぼ中央部に対応した位置からずれて形成することが好
ましい。
【0015】抵抗膜13は、レーザトリミング等の手段
により抵抗値が調整される。このレーザトリミングはア
ンダーコート膜14の上からレーザを照射することによ
り行う。通常、このレーザトリミングは、抵抗膜13の
中央部分で行われる。前述のように、伝熱層17、27
の分離部18が抵抗膜13の中央部からずれていると、
この抵抗膜13の中央部に対応する位置に伝熱層17、
27が存在することになる。このため、レーザを照射時
に抵抗膜13に発生する熱も前記の伝熱層17、27を
介して円滑に放熱することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1〜4は、本発明をチップ抵抗器に適用した実施形態
である。これらの図を参照しながら説明すると、まず焼
成したガラス系絶縁セラミックス基板等のチップ状の絶
縁基板11を用意する。
【0017】このような絶縁基板11を形成するための
絶縁材料としては、ガラス成分を主体として、これにM
gSiO3(エンスタタイト)やCaSiO3(ウォルス
テライト)を添加したものが好ましい。例えば、SiO
2が30〜60重量%と、Al23が5〜25重量%
と、B23が5〜25重量%と、CaOとMgOとの少
なくとも何れかが5〜30重量%とからなるガラス成分
が40〜70重量%と、MgSiO3とCaSiO3の少
なくとも何れかの粒子が30〜60重量%とからなる絶
縁材料を使用することが好ましい。
【0018】このような絶縁材料では、焼成済みのセラ
ミックの研削加工性が向上し、研削によりセラミックス
基板を個々のチップに分割できる。溶剤に溶解したバイ
ンダ成分に前記このような絶縁材料の粉末状を分散した
スラリを作り、これをドクターブレード塗工等の手段で
ポリエチレンテレフタレート等からなる支持フィルム上
に薄く展開し、乾燥し、セラミックグリーンシートを形
成する。このセラミックグリーンシートを適当な大きさ
に裁断し、脱バインダ処理し、焼成する等の行程を経
て、後述する絶縁基板11を形成するためのセラミック
基板を形成する。そしてこのセラミック基板を使用し、
以降の抵抗器の製造工程に供する。
【0019】まず、このセラミック基板上に、Agペー
スト等の導電ペーストを印刷し、これを焼き付け、熱伝
導が良好な伝熱層17、17を形成する。この伝熱層1
7、17は、セラミック基板を後述して分割することに
より得られる絶縁基板11の中央部からずれた一部分を
除いて形成される。またこれら伝熱層17、17の両端
は、後述するようにしてセラミック基板を分割して形成
される絶縁基板11の両端に達するよう形成される。次
に、この伝熱層17の上にセラミックペーストやガラス
ペーストを塗布し、これを焼き付け、絶縁層19を形成
する。
【0020】次に、前記絶縁層19の上に、所定の電極
パターンに従ってAgペースト等の導電ペーストを印刷
し、これを焼き付け、いわゆる枕電極12、12と呼ば
れる導体膜を形成する。その後、これら枕電極12、1
2の間にRuO2 を主体とするメタルグレーズからなる
抵抗ペーストを塗布し、これを焼き付け、抵抗膜12を
形成する。さらにアンダーガラスを塗布し、これを焼き
付け、アンダーコート膜14を形成する。
【0021】その後、抵抗膜13をレーザトリミングす
る。この抵抗膜13のレーザトリミングは、通常の場
合、抵抗膜13の中央部、すなわち伝熱層17が分離さ
れた部分で行う。その後、抵抗膜13とアンダーコート
膜14を覆うようにオーバーガラスを塗布し、これを焼
き付け、オーバーコート膜15を形成する。
【0022】このセラミックス基板を、ブレークする
か、またはワイヤーソー等の研削加工機により、個々の
チップ状の絶縁基板11に分割する。その後、分割した
チップをバレル研磨する。最後に絶縁基板11の両端に
Agペースト等の導電ペーストを塗布し、これを焼き付
ける。さらにこのAg膜の上にNiメッキや半田メッキ
等を施し、外部電極16、16を形成する。これによ
り、チップ抵抗器が完成する。
【0023】この完成したチップ抵抗器を図1〜図4に
示す。このチップ抵抗器は、絶縁基板11の上に、Ag
膜からなる熱伝導が良好な伝熱層17、17が形成され
ている。この伝熱層17、17は、絶縁基板11の中央
部からずれら一部分を除いて形成されることにより、こ
の中央部からずれた帯状の分離部18を介して分割され
た一対の膜として形成されている。そしてこれら伝熱層
17、17の両端は、絶縁基板11の両端に達し、絶縁
基板の端面に導出されている。
【0024】この伝熱層17、17の厚さは、チップ抵
抗器のサイズ、製造の容易性等が条件が許す限りにおい
て、できるだけ厚いことが好ましい。例えば、縦1m
m、横0.5mmのサイズのチップ抵抗器の場合、伝熱
層17、17の厚さは、5μm以上であることが好まし
い。
【0025】前記の伝熱層17の上に絶縁層19が形成
されている。この絶縁層19の厚さは、前記伝熱層1
7、17と後述する抵抗膜13との距離を決めるもので
ある。従って伝熱効果から、耐電圧特性等の電気的特性
が許容する条件の範囲で、絶縁層19は出来るだけ薄い
ことが好ましい。例えば、前述の例の縦1mm、横0.
5mmのサイズのチップ抵抗器の場合、絶縁層19の厚
さにより決定される抵抗膜13と伝熱層17の距離d
を、50μm以下とすることが好ましい。
【0026】次に、前記絶縁層19の上の絶縁基板11
の両端に当たる部分に、Ag膜からなる枕電極12、1
2が形成されている。この枕電極12、12の間にRu
2を主体とする抵抗膜12が形成されている。さら
に、この抵抗膜12の上に、アンダーコート膜14が形
成されている。
【0027】抵抗膜13は、このアンダーコート膜14
の上からレーザトリミングされている。この抵抗膜13
のレーザトリミングは、抵抗膜13の中央部、すなわち
伝熱層17の間の分離部18に対応する部分で行われて
いる。この抵抗膜13の中央部分に対応する位置にも伝
熱層17が存在するため、レーザトリミングのためのレ
ーザ照射により抵抗膜13に発生した熱を円滑に逃がす
ことができる。さらに、この抵抗膜13とアンダーコー
ト膜14を覆うようにオーバーコート膜15が形成され
ている。
【0028】分割された絶縁基板11の両端には、Ag
膜とその上に形成されたメッキ膜とにより、外部電極1
6、16がそれぞれ形成されている。この外部電極1
6、16には、前記枕電極12、12がそれぞれ導通し
ており、従って、外部電極16、16は枕電極12、1
2を介して抵抗膜13の両端に電気的に導通している。
さらに、この外部電極16、16には、前記の分離部1
8により絶縁基板11の両側に分離された伝熱層17、
17の端部がそれぞれ導通している。
【0029】このようなチップ抵抗器は、図示してない
回路基板上に搭載され、同回路基板上に形成されたラン
ド電極に外部電極16、16を半田付けした状態で使用
される。このようなチップ抵抗器の使用状態において、
外部電極16、16を介して抵抗膜13に電流を通電す
ると、抵抗膜13に熱が発生する。しかしこの抵抗膜1
3に発生した熱は、前記伝熱層17、17を介して拡散
し、速やかに絶縁基板11の広い範囲に伝熱する。さら
にこの熱は、伝熱層17、17を介して外部電極16、
16に伝熱され、この外部電極16、16からこれに半
田付けされたランド電極を介して回路基板へと伝達され
る。これにより、抵抗器内に発生した熱が速やかに回路
基板へと放熱され、抵抗膜13の温度上昇を抑えること
ができる。
【0030】以上の例は、抵抗器をチップ形態を有する
チップ抵抗器として構成し、このチップ抵抗器を回路基
板上に搭載したものである。これに対し、抵抗器をチッ
プ抵抗器とせず、回路基板上に直接形成することもでき
る。図5と図6はこの例を示しおり、図1〜図4と同じ
部分、すなわち枕電極12、12、抵抗膜13、アンダ
ーコート14、オーバーコート15及び絶縁層19には
同じ符号を付して表してある。また、符号26は、回路
基板を構成する絶縁基板21上に形成された回路パター
ンとなる導体膜を示す。
【0031】図5と図6に示すように、回路基板を構成
する絶縁基板21の上に、Ag膜からなる熱伝導が良好
な伝熱層27、27が形成されている。この伝熱層2
7、27は、帯状の分離部18を介して分割された一対
の膜として形成されている。この伝熱層27の両端を除
いてその上に絶縁層19が形成されている。この絶縁層
19の厚さは、前記伝熱層27、27と後述する抵抗膜
13との距離を決めるものである。従って伝熱効果か
ら、耐電圧特性等の電気的特性が許容する条件の範囲
で、絶縁層19は出来るだけ薄いことが好ましい。例え
ば、前述のチップ抵抗器と同様に、絶縁層19の厚さに
より決定される抵抗膜13と伝熱層27の距離dを、5
0μm以下とすることが好ましい。
【0032】次に、前記絶縁層19の両端から露出した
伝熱層27、27の両端から絶縁層19の両端の上にわ
たってAg膜からなる枕電極12、12が形成されてい
る。この枕電極12、12の間にRuO2 を主体とする
抵抗膜12が形成されている。さらに、この抵抗膜12
の上に、アンダーコート膜14が形成されている。
【0033】抵抗膜13は、このアンダーコート膜14
の上からレーザトリミングされている。この抵抗膜13
のレーザトリミングは、抵抗膜13の中央部、すなわち
伝熱層27の間の分離部18に対応する部分で行われて
いる。前記の伝熱層27、27を分離する分離部は、抵
抗膜13の中央部分に対応する位置からずれており、同
中央部分に一方の伝熱層27が存在する。このため、レ
ーザトリミングのためのレーザ照射により抵抗膜13に
発生した熱を円滑に逃がすことができる。さらに、この
抵抗膜13とアンダーコート膜14を覆うようにオーバ
ーコート膜15が形成されている。
【0034】このような抵抗器において、抵抗膜13に
電流を通電すると、抵抗膜13に熱が発生する。しかし
この抵抗膜13に発生した熱は、前記伝熱層27、27
を介して拡散し、速やかに絶縁基板21の広い範囲に伝
熱する。これにより、抵抗器内に発生した熱が速やかに
放熱され、抵抗膜13の温度上昇を抑えることができ
る。
【0035】図7及び図8に示したのは、回路基板が複
数の絶縁層32、32…を積層して構成された多層回路
基板の場合である。この図7及び図8において、図5及
び図6と同じ部分、すなわち枕電極12、12、抵抗膜
13、アンダーコート14、オーバーコート15及び絶
縁層19には同じ符号を付して表してある。
【0036】このような多層回路基板の場合は、多層回
路基板を構成する絶縁基板31の一部の絶縁層32を絶
縁層として利用し、この絶縁層32と隣接する他の絶縁
層32との間に伝熱層37を形成することができる。す
なわち、絶縁基板31上にAg膜からなる一対の枕電極
12、12が直接形成され、この枕電極12、12の間
にRuO2 を主体とする抵抗膜12が形成されている。
この抵抗膜12の上に、アンダーコート膜14が形成さ
れている。さらに、この抵抗膜13とアンダーコート膜
14を覆うようにオーバーコート膜15が形成されてい
る。
【0037】そして、前記の抵抗膜13が形成された最
も表側の絶縁層32とこれに隣接する絶縁層32との間
に伝熱層37を形成する。この伝熱層37は、最も表側
の絶縁層32を介して抵抗膜13と対向するように設け
られている。すなわち、伝熱層37と抵抗膜13とは、
絶縁層32に厚さにより決定される距離dをおいて対向
している。図示の例では、一方の枕電極12を多層回路
基板に構成された回路と接続するための層間導体が伝熱
層37を兼ねている。
【0038】図7及び図8において符号33は、絶縁基
板31の絶縁層32、32…の層間に形成された回路パ
ターンとなる導体膜である。また図8において符号34
は、絶縁層32の間の導体膜26、33等を導通するス
ルーホール導体である。何れも、絶縁基板26の表面に
形成された導体膜26と共に所要の回路を構成する。
【0039】このような抵抗器においても、抵抗膜13
に発生した熱が、前記伝熱層37を介して拡散し、速や
かに絶縁基板31の広い範囲に伝熱することにより、抵
抗器内に発生した熱が放熱され、抵抗膜13の温度上昇
を抑えることができる。この点は、前述の例と同じであ
る。
【0040】なお、以上の例では、枕電極12、12、
外部電極16、16、伝熱層17,17にAgを使用
し、抵抗膜にRuO2 を使用した。また、絶縁基板11
を形成する絶縁材料に特定のものを例示したが、本発明
はこれらに限られるものではない。例えば、伝熱層1
7、17は、熱伝導が良好な膜であれば、その他の金属
材料等も適宜使用することが出来ることは言うまでもな
い。
【0041】また、前述の実施例では、抵抗膜13に発
生する熱を伝熱層17、17を介して放熱させるものを
例示しているが、本発明はこれに限らず、集積回路等の
電子部品から発生する熱を放熱する場合の基板について
も、本発明の伝熱層17、17を有する絶縁基板を適用
することができることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による絶縁基
板とこれを使用した抵抗器では、抵抗膜13に電流を通
電することにより抵抗膜13に発生する熱が、伝熱層1
7、27、37を介して速やかに絶縁基板11、21、
31の広い範囲に伝熱し、放熱させることができる。さ
らに、チップ抵抗器の場合は、前記抵抗膜13に発生す
る熱を伝熱層17、17を介して外部電極16、16に
伝熱し、この外部電極16、16からこれにランド電極
を介して回路基板へと伝達することができるので、抵抗
器内に発生した熱を速やかに回路基板へと放熱し、抵抗
膜13の温度上昇を抑えることができる。これにより、
過負荷特性に優れた抵抗器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による抵抗器を示す縦断側
面図である。
【図2】同実施態様による抵抗器の一部を示す要部拡大
縦断側面図である。
【図3】同実施態様による抵抗器の他部を示す要部拡大
縦断側面図である。
【図4】同実施態様による抵抗器を示す一部切り欠いら
平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による抵抗器を示す縦断
側面図である。
【図6】同実施態様による抵抗器の一部を示す要部拡大
縦断側面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態による抵抗器を示
す縦断側面図である。
【図8】同実施態様による抵抗器の一部を示す要部拡大
縦断側面図である。
【図9】従来例である抵抗器を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
11 絶縁基板 13 抵抗膜 16 外部電極 17 伝熱層 18 伝熱層の分離部 19 絶縁層 21 絶縁基板 27 伝熱層 31 絶縁基板 32 絶縁層 37 伝熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 敬三 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 天野 崇 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5E028 AA10 BA03 BB01 CA02 DA04 GA01 5E033 BE01 BE04 BH02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱発生源を有する絶縁基板(11)、
    (21)、(31)を備え、絶縁基板(11)、(2
    1)、(31)に、前記熱発生源に近接して対向するよ
    うに前記絶縁基板(11)、(21)、(31)より熱
    伝導良好な伝熱層(17)、(27)、(37)を設け
    たことを特徴とする伝熱層を有する絶縁基板。
  2. 【請求項2】 絶縁基板(11)はチップ状のものから
    なることを特徴とする請求項1に記載の伝熱層を有する
    絶縁基板。
  3. 【請求項3】 絶縁基板(21)、(31)は回路基板
    を構成する基板状のものからなることを特徴とする請求
    項1に記載の伝熱層を有する絶縁基板。
  4. 【請求項4】 絶縁基板(11)、(21)、(31)
    と、この絶縁基板(11)、(21)、(31)上に形
    成された抵抗膜(13)と、この抵抗膜(13)の両端
    に電気的に導通するよう形成された導体とを有する抵抗
    器において、絶縁基板(11)、(21)、(31)
    に、前記抵抗膜(13)に近接して対向するように前記
    絶縁基板(11)、(21)、(31)より熱伝導良好
    な伝熱層(17)、(27)、(37)を設けたことを
    特徴とする抵抗器。
  5. 【請求項5】 絶縁基板(11)はチップ状のものから
    なることを特徴とする請求項4に記載の抵抗器。
  6. 【請求項6】 抵抗膜(13)の両端に電気的に導通す
    るよう形成された導体は、チップ状の絶縁基板(11)
    の両端に形成された外部電極(16)、(16)である
    ことを特徴とする請求項5に記載の抵抗器。
  7. 【請求項7】 伝熱層(17)、(17)は外部電極
    (16)、(16)と導通していることをことを特徴と
    する請求項6に記載の抵抗器。
  8. 【請求項8】 絶縁基板(21)、(31)は回路基板
    を構成する基板状のものからなることを特徴とする請求
    項4に記載の抵抗器。
  9. 【請求項9】 絶縁基板(31)は複数の絶縁層(3
    2)、(32)…が積層された多層回路基板であること
    を特徴とする請求項8に記載の抵抗器。
  10. 【請求項10】 抵抗膜(13)と伝熱層(17)、
    (27)、(37)との間に絶縁層(19)、(32)
    が介在されていることを特徴とする請求項4〜9の何れ
    かに記載の抵抗器。
  11. 【請求項11】 抵抗膜(13)と伝熱層(17)、
    (27)との間に介在された絶縁層(19)は、絶縁基
    板(11)、(21)とは別に形成された絶縁層である
    ことを特徴とする請求項10に記載の抵抗器。
  12. 【請求項12】 抵抗膜(13)と伝熱層(37)との
    間に介在された絶縁層(32)は、絶縁基板(31)を
    構成する表面側の絶縁層であることを特徴とする請求項
    10に記載の抵抗器。
  13. 【請求項13】 抵抗膜(13)と伝熱層(17)、
    (27)、(37)とは、距離(d)を介して近接して
    配置されていることを特徴とする請求項4〜12の何れ
    かに記載の抵抗器。
  14. 【請求項14】 伝熱層(17)、(27)は、互いに
    分離された一対の層からなり、伝熱層(17)、(2
    7)を分離する分離部(18)は、抵抗膜(13)のほ
    ぼ中央部に対応した位置からずれて形成されていること
    を特徴とする請求項4〜14の何れかに記載の抵抗器。
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