JP2000271998A - フィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

フィルムおよび磁気記録媒体

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JP2000271998A
JP2000271998A JP7779599A JP7779599A JP2000271998A JP 2000271998 A JP2000271998 A JP 2000271998A JP 7779599 A JP7779599 A JP 7779599A JP 7779599 A JP7779599 A JP 7779599A JP 2000271998 A JP2000271998 A JP 2000271998A
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film
recording medium
magnetic recording
horizontal plane
magnetic
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Kenichi Okubo
賢一 大久保
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッジダメージや出力変動の少ない良好な磁
気記録媒体、およびそのベースとなるフィルムを提供す
る。 【解決手段】 水平面に置いた際のフィルムの一部と水
平面との最大距離(h)と、フィルム長(Lf)が下記
式を満足することを特徴とするフィルム、およびそれを
ベースフィルムとする磁気記録媒体。 h/Lf≦0.2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂フィルムおよ
び磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より樹脂フィルムは、ビデオテープ
などの磁気記録媒体の基材、コンデンサーの誘電体、絶
縁用の被覆材などとして様々な分野に広く用いられてい
る。このうちで磁気記録媒体用途については、近年のコ
ンピューター用途やビデオ用途テープなどの記憶容量の
飛躍的なアップに伴い、超平滑性、無欠点性、薄膜化、
および高弾性化が求められており、例えばポリエステル
フィルムを用いる例として特開昭58−155940号
公報などに、ポリアミドフィルムを用いる例としては特
開昭62−62424号公報などにその具体例が示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の方法には下記の問題がある。すなわち、磁気
テープをリール状にしてカセットとして使用する場合
に、リールのエッジ部分が盛り上がる変形が発生しやす
く、これよるテープの蛇行や出力低下、さらにはテープ
の破断やハードの破損を引き起こす懸念があった。この
変形は、テープやそのベースとなるフィルムがカールす
ることで、エッジ部分が摩耗しやすくなり、そのためテ
ープのエッジ部分が潰れて変形することが原因であり、
磁気テープを繰り返し使用する場合や、出力向上のため
にテープに掛ける張力が高い場合に特に著しい。特に高
弾性率を持つポリアミドフィルムでその傾向が著しい。
またテープエッジがカールすることで、ヘッドとの接触
不良による出力低下の懸念もあり、例えば業務用のデジ
タルビデオ用などの用途では、その改善が必要であっ
た。
【0004】またベースフィルムのカール以外にも、フ
ィルム自体の平面性が不十分であれば、磁気テープとし
た際の出力変動や、リール状に巻いた際の変形や走行時
の蛇行などの原因となるため、この改善が必要であっ
た。
【0005】このように高弾性率を有し、かつエッジ部
の低カール性を両立させたポリアミドフィルムが要求さ
れている。
【0006】そこで本発明の課題は、エッジダメージや
出力変動の少ない性能の優れた磁気記録媒体、およびそ
のベースとなるフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るフィルムは、水平面に置いた際のフィ
ルムの一部と水平面との最大距離(h)と、フィルム長
(Lf)が下記式を満足することを特徴とするものから
なる。 h/Lf≦0.2
【0008】また、本発明に係る磁気記録媒体は、磁気
記録媒体を水平面に置いた際の水平面との最大距離
(h)と、該磁気記録媒体の長さ(Lt)が下記式を満
足することを特徴とするものからなる。 h/Lt≦0.2
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について望ましい実
施の形態について詳細に説明する。本発明の樹脂フィル
ムには、従来公知のポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド等の有機高分子体が用いられるが、高弾性化の目的
のために、主としてポリアミド、特に芳香族ポリアミド
が好適に用いられる。ここで「主として」とは、ポリエ
ステル、芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドから
選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂を60モル%以上
含むことを指す。なお上記の樹脂はホモポリマーであっ
てもよいし、コポリマーであってもよいし、また他の成
分を40モル%未満の割合で単に混合したものでもよ
い。
【0010】ここで、芳香族ポリアミドとは、次の一般
式(化1)および/または一般式(化2)で表される繰
り返し単位を60モル%以上、好ましくは70モル%以
上含むものからなる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】ここでAr1 、Ar2 、Ar3 としては、
例えば、次の化3が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】化3においてX、Yは、 −O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S−、−
C(CH32− 等から選ばれるが、これらに限定されるものではない。
更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、塩素、フッ
素、臭素などのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、ア
ルキル基、アルコキシル基などの置換基で置換されてい
るものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の
水素が他の置換基によって置換されているものも含む。
なお、Ar1 、Ar2 、Ar3 は同じかまたは異なって
もよい。またこれらは2種以上の共重合体であってもよ
いし、混合体であってもよい。さらに上記以外の芳香族
または脂肪族の共重合成分が50モル%未満の割合で共
重合されていてもよい。ここで共重合可能な成分として
はシクロヘキシレンなどの脂環族化合物、ヘキシレンな
どの脂肪族化合物を挙げることができる。また上記の芳
香環がパラ位で結合されたものが、全芳香環の50モル
%以上、好ましくは75モル%以上を占める重合体が、
フィルムのヤング率が高く耐熱性も良好となるため好ま
しい。また芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特
に塩素)で置換された芳香環が全体の30モル%以上で
あると耐熱性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下
などの特性が改善されるために好ましい。
【0016】また、本発明の樹脂フィルムには、物性を
損なわない程度に滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、その
他の添加物等が添加されていてもよい。
【0017】本発明の磁気記録媒体においては、水平面
に置いた際に水平面との最大距離(h)と、該磁気記録
媒体の長さ(Lt)が下記式を満足する必要がある。 h/Lt≦0.2
【0018】すなわち、h/Ltが0.2より大きい、
平面性の悪い磁気記録媒体の場合、テープの電磁変換特
性の出力変動、走行時の蛇行、およびリールの変形を引
き起こすためである。ここでLtは、1mm〜100m
mの範囲で任意に選ばれる。なおh/Ltは、好ましく
は0以上〜0.1以下の範囲である。
【0019】また、上記のような磁気記録媒体を達成す
るために、本発明に係るフィルムにおいては、水平面に
置いた際に、フィルムの一部と水平面との最大距離
(h)と、フィルム長(Lf)が下記式を満足する必要
がある。 h/Lf≦0.2
【0020】すなわち、h/Lfが0.2より大きい場
合には、磁気記録媒体に加工した際に、h/Ltが0.
2より大きくなってしまうためである。なおh/Lf
は、好ましくは0以上〜0.1以下の範囲である。ここ
でフィルム長Lfは、50mm〜100mmの範囲で任
意に選ばれる。
【0021】このような特性を達成するために、製膜で
フィルムの表裏の物性差を小さくする方法、あるいはフ
ィルム延伸時の歪みが残らない方法、およびこれらの組
み合わせが挙げられる。具体的には、フィルム製膜時に
フィルム表裏それぞれの雰囲気温度の温度差を2℃以内
に制御する方法、フィルムを延伸した後の再延伸を5%
以内とする方法、フィルムを延伸した後のリラックスを
2%以上とする方法、およびフィルムの幅方向の延伸の
速度を50%/秒未満とする方法、およびこれらの組み
合わせの方法が挙げられる。
【0022】さらに、本発明の磁気記録媒体において
は、水平面に置いた際に水平面に置いた際の端部の立ち
上がり量と立ち上がり幅(Lwt)が下記式を満足する
ことが好ましい。 d/Lwt≦0.8
【0023】すなわち、d/Lwtが0.8より大きい
ような、特に磁気記録媒体の端部が磁性面側にカールし
ている場合には、磁気記録媒体が磁気ヘッドやその他の
ガイド部にエッジが擦れ、エッジ部分がダメージを受
け、削れ物の発生やリール状に巻いた際のリール変形を
引き起こすためである。ここで、「立ち上がり量」とは
磁気記録媒体の端部と水平面との距離、「立ち上がり
幅」とは磁気記録体の端部から水平面に垂直に降ろした
点から磁気記録媒体と水平面の接触点までの距離と定義
する。なおd/Lwtは、好ましくは0以上〜0.5以
下の範囲、さらに好ましくは0以上〜0.3以下の範囲
である。
【0024】このような磁気記録媒体を達成するため
に、本発明に係るフィルムは、水平面に置いた際のフィ
ルムの端部の立ち上がり量(d)と立ち上がり幅(Lw
f)が下記式を満足することが好ましい。 d/Lwf≦0.8
【0025】すなわち、d/Lwfが0.8より大きい
場合には、磁気記録媒体に加工した際に、d/Lwtが
0.8より大きくなってしまうためである。ここで「立
ち上がり量」とはフィルムの端部と水平面との距離、
「立ち上がり幅」とはフィルムの端部から水平面に垂直
に降ろした点から磁気記録媒体と水平面の接触点までの
距離と定義する。なおd/Lwfは、好ましくは0以上
〜0.5以下の範囲、さらに好ましくは0以上〜0.3
以下の範囲である。
【0026】このような特性を達成するために、具体的
には、フィルム製膜時にフィルムの磁性面側の受熱と走
行面側の受熱の差を±20%以内の範囲に制御する方
法、フィルムの磁性面側の雰囲気温度と走行面側の雰囲
気温度の差を±3%以内の範囲に制御する方法、フィル
ムの磁性面側の中心線表面粗さと走行面側の中心線表面
粗さの差を30nm以内とする方法、およびこれらの組
み合わせの方法が挙げられる。
【0027】本発明のフィルムは、ヤング率(E)が5
000MPa以上であることが好ましい。すなわち、ヤ
ング率が5000MPa未満であるような弾性率の低い
フィルムであれば、磁気記録媒体とした場合に十分な出
力が得られないためである。なおフィルムのいずれの方
向のヤング率も5000MPa以上であることが好まし
いことは言うまでもないが、その用途に応じ、例えばヘ
リカルスキャンタイプのヘッドに用いられる磁気記録媒
体用途の場合にはフィルム幅方向のヤング率が、一方、
固定ヘッドに用いられる磁気記録媒体の場合には長手方
向のヤング率が5000MPa以上であることが好まし
い。なお本発明のフィルムのヤング率は、好ましくは9
000MPa以上、さらに好ましくは11000MPa
以上である。
【0028】次に、本発明の樹脂フィルムの製造方法に
ついてポリアミド樹脂フィルムを例に挙げて述べるが、
これに限定されるものではない。
【0029】まずN−メチルピロリドン、ジメチルアセ
トアミドなどの非プロトン性有機溶媒中で酸クロライド
とジアミンを溶液重合し、その際に発生する塩化水素を
水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化リチウム、
炭酸リチウムなどの無機の中和剤、あるいはエチレンオ
キサイド、トリエチルアミン、ジエタノールアミンなど
の中和剤によって中和する。これらのポリマー溶液はそ
のまま製膜原液として使用してもよく、また、一旦単離
したのち有機溶剤あるいは硫酸などの無機溶剤に再溶解
して用いてもよい。またフィルム表裏の中心線表面粗さ
の差が30nm以内となるように調整する目的のためな
どに粒子を添加する場合は、この際に添加することが好
ましい。なお添加方法および希釈方法は公知の方法が適
用できる。このようにして得られた製膜原液を、いわゆ
る溶液製膜法によってフィルム化する。
【0030】なお、溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、
湿式法、半乾半湿式法などがあり、特に乾湿式法、半乾
半湿式法が好ましい。なおここでは乾湿式法を例にとり
説明する。まず製膜原液を口金からドラム、エンドレス
ベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかか
る薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜自体が自己支持性を持
つまで乾燥する。この際の薄膜中の有機高分子体の濃度
が30〜70重量%となるように乾燥温度、乾燥時間を
選択する。続いて該薄膜を支持体から剥離し、20〜7
0℃の水中を通過させ脱塩、脱溶媒する。この際に該薄
膜の延伸を行ってもよい。なお延伸にロールを用いる場
合は、表面が鏡面であるロールを用いる。水中を通過さ
せた後、一旦該薄膜を50〜100℃の温度で予熱し、
その後に該薄膜の両端を把持した状態でステンターにて
該薄膜を乾燥する。なおその際にフィルムを1.0〜
3.0倍の範囲で延伸速度50%/秒の条件で延伸して
もよいが、その際にはフィルムの表裏の雰囲気温度の差
を±3℃以内となるように延伸温度および風速を制御す
る。さらに該薄膜の両端を把持した状態で、ステンター
にて150〜300℃の温度範囲で5秒間以上熱処理す
る。熱処理の際に1.0〜1.05倍の範囲で再延伸す
る、および/または2%以上のリラックスを加えてもよ
い。最終的に所定の幅に裁断し製品とする。
【0031】必要であれば、延伸前、延伸中、延伸後の
いずれかに、コーティングやコロナ放電などの処理を行
ってもよい。
【0032】磁気記録媒体とするには、該フィルムの表
面に磁性体粉末を含んだ高分子バインダーを塗布する方
法、あるいはコバルト等の磁性金属を減圧下で蒸着する
方法によって磁性体を施し、表面処理などを施した後に
所定の幅に裁断し、カセット等に組み込み製品とする。
このようにして得られたテープは、コンピューターメモ
リー用のデジタルデーターストレージ用途や、業務用の
デジタルビデオテープ用途に好適に用いられる。
【0033】〔物性値の評価方法〕 (1)フィルムのヤング率測定 フィルムを試料幅10mm、長さ150mmに切断し、
チャック間100mmにして引張速度300mm/分、
チャート速度500mm/分にて、インストロンタイプ
の万能引張試験装置で引張り、その際の伸度と応力の関
係をプロットする。なおヤング率は立ち上がり部分での
荷重−伸び曲線の接線として求めた。
【0034】(2)フィルムの中心線表面粗さの測定方
法 小坂製作所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記の通りであり、20回測定の平
均値として求めた。 ・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なおRaの定義は、たとえば奈良治郎著「表面粗さの測
定法・評価法」(総合技術センター、1983)に示さ
れているものである。
【0035】(3)フィルムおよび磁気記録媒体の一部
分と水平面との距離の測定 表面の凹凸のRが0.5mm以内のステンレス板に”エ
クセーヌ”(商品名、東レ(株)製)を敷き水平面とす
る。この上にサンプルをおき、サンプルが水平面から浮
き上がった部分の高さと水平面との距離を測定し、その
最大値を水平面からの距離とした。
【0036】(4)フィルムおよび磁気記録媒体の端部
の水平面からの立ち上がり量および立ち上がり幅の測定 表面の凹凸のRが0.5mm以内のステンレス板に”エ
クセーヌ”(商品名)を敷き水平面とする。この上にサ
ンプルをおき、端部と水平面から浮き上がった部分の高
さと水平面との距離を「立ち上がり量」、端部から水平
面に垂直に降ろした点からサンプルと水平面の接触点ま
での距離を「立ち上がり量」とし、その最大値として求
めた。
【0037】(5)磁気テープ特性 得られたフィルムの磁性面側に、以下の組成からなる磁
性塗膜を乾燥後の膜厚で2μmとなるように塗設した。 ・γ−Fe23微粉末:200重量部 ・ポリウレタン樹脂 : 30重量部 ・ニトロセルロース : 10重量部 ・塩化ビニル : 10重量部 ・ポリイソシアネート: 5重量部 (溶媒:メチルエチルケトン)このようにして得られた
磁性層塗設後のフィルムを、1/2インチにスリット
し、松下電器産業(株)製NV−3700型ビデオデッ
キにより、常速にて下記の磁気テープ特性を評価した。 イ.VTRヘッド出力:シンクロスコープにより測定周
波数4メガヘルツに於けるVTRヘッド出力を測定し、
基準サンプルに対する相対値をデジベル(dB)で表示
した。 ロ.ドロップアウト:4.4メガヘルツの信号を記録
し、該テープを再生し、大倉インダストリー(株)製ド
ロップアウトカウンターにて15μsec−20dBに
おけるドロップアウト数を20分間測定し、1分間当た
りのドロップアウト数(個/分)に換算した。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 平均粒径0.1μmで球状のシリカ粒子をエチレングリ
コールスラリー状態として分散させて、ポリエチレンテ
レフタレートの重合中に添加して最終的に0.1重量%
の添加量としたポリエチレンテレフタレートチップを、
280℃で溶融押出ししてTダイより吐出させ、冷却ド
ラムにてシートを得た。
【0039】得られたポリエステルシートを、長手方向
に120℃で4.8倍、幅方向に110℃でフィルムの
表裏温度差が1.0以内となるよう加熱しながら4.9
倍に延伸し、幅方向に210℃で2%のリラックスを実
施し、厚さ6μmのフィルムを得た。
【0040】実施例2 N−メチルピロリドン(NMP)3200部に2−クロ
ルパラフェニレンジアミン114部、4,4−ジアミノ
フェニルエーテル40部を溶解させ、これに2−クロル
テレフタル酸クロリド237.5部を添加し、2時間攪
拌し重合した。
【0041】これを水酸化リチウムで中和して、ポリマ
ー濃度10重量%、粘度3000ポイズの芳香族ポリア
ミド溶液を得た。この溶液に、平均粒径0.1μmで球
状のシリカをNMPスラリーとして、上記ポリアミド溶
液に添加してポリマー当たり0.25重量%の添加量と
なるようにした。
【0042】このポリマー溶液を濾過精度1μmのフィ
ルターで濾過した後、金属ベルト上に流延し、180℃
の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己支持性を
得たフィルムを金属ベルトから連続的に剥離した。次に
NMPの濃度勾配を付けた水槽内へフィルムを導入して
残留溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行った。この
際にフィルムの長手方向に1.3倍に延伸を実施した。
続いて、280℃のステンターにてフィルムの表裏の温
度差が1℃以内となるよう制御しながら水分を乾燥、幅
方向に1.3倍に延伸、および熱処理を合計1.5分間
行い、20℃/秒の速度で徐冷した。最終的に4μmの
芳香族ポリアミドフィルムを得た。なお熱処理の際に
1.02倍に再延伸を実施した。
【0043】得られたフィルムを磁気テープに加工した
ところ、磁気特性も良好であり、また繰り返し使用時の
エッジの変形もなく良好な結果であった。
【0044】実施例3 実施例2において、ステンターの温度を300℃とする
以外は実施例2と同じ方法でフィルムを得た。
【0045】実施例4 実施例2において、熱処理の際の再延伸を1.01倍と
する以外は実施例2と同じ方法でフィルムを得た。
【0046】実施例5 実施例2において、走行側に粒径6μmの球状シリカを
ポリマー当たり2.0重量%であるポリアミド溶液を全
厚みの1/3の厚みで積層させた2層フィルムとする他
は実施例2と同じ方法で厚み4μmのフィルムを得た。
【0047】比較例1 実施例1において、幅方向の延伸の際にフィルムの表裏
の温度差が3℃となるように加熱し、さらにリラックス
の代わりに10%の再延伸を実施した以外は、実施例1
と同じ方法でフィルムを得た。
【0048】比較例2 実施例2において、幅方向の延伸の際にフィルムの表裏
の温度差が3℃となるように加熱し、再延伸の倍率を
1.05倍とする以外は実施例2と同じ方法でフィルム
を得た。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、エッジダメージや出力
変動の少ない良好な磁気記録媒体および、そのベースフ
ィルムとなるポリエステル、ポリアミドおよびポリイミ
ドフィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 77:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA54 AA60 AB26 AF20Y AH14 BA02 BB02 BB07 BC01 4F210 AA24 AA29 AB17 AH38 QC05 QC06 QG01 QG18 5D006 CB03 CB07 DA00 FA00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面に置いた際のフィルムの一部と水
    平面との最大距離(h)と、フィルム長(Lf)が下記
    式を満足することを特徴とするフィルム。 h/Lf≦0.2
  2. 【請求項2】 主としてポリアミド樹脂からなることを
    特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムのヤング率(E)が5000M
    Pa以上であることを特徴とする請求項1または2に記
    載のフィルム。
  4. 【請求項4】 水平面に置いた際のフィルムの端部の立
    ち上がり量(d)と立ち上がり幅(Lwf)が下記式を
    満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のフィルム。 d/Lwf≦0.8
  5. 【請求項5】 フィルムが磁気材料に用いられてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体を水平面に置いた際の水平
    面との最大距離(h)と、該磁気記録媒体の長さ(L
    t)が下記式を満足することを特徴とする磁気記録媒
    体。 h/Lt≦0.2
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体を水平面に置いた際の磁気
    記録媒体の端部の立ち上がり量(d)と立ち上がり幅
    (Lwt)が下記式を満足することを特徴とする請求項
    6に記載の磁気記録媒体。 d/Lwt≦0.8
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JP2002245745A (ja) * 2001-02-15 2002-08-30 Hitachi Maxell Ltd 磁気テープおよび磁気テープカートリッジ
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