JP2000265341A - 拭取布帛およびその製法 - Google Patents
拭取布帛およびその製法Info
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- JP2000265341A JP2000265341A JP11075571A JP7557199A JP2000265341A JP 2000265341 A JP2000265341 A JP 2000265341A JP 11075571 A JP11075571 A JP 11075571A JP 7557199 A JP7557199 A JP 7557199A JP 2000265341 A JP2000265341 A JP 2000265341A
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Abstract
き跡や水滴を残すことなく拭き取ることができる極めて
優れた拭取性を有する上に、菌が増殖しにくい清潔な拭
取布帛およびその製造方法を提供せんとするものであ
る。 【解決手段】本発明の拭取布帛は、単繊維繊度が0.1
〜3.0デニールのポリアミド系繊維と、単繊維繊度が
0.01〜2.0デニールのポリエステル系繊維からな
る総繊度が30〜400デニール、撚り数が100〜8
00回/mのフィラメント糸条で構成された編織物から
なり、かつ、該フィラメント糸条がピリジン系抗菌剤を
含有することを特徴とするものであり、また、かかる拭
取布帛の製造方法は、ポリアミド系樹脂とポリエステル
系樹脂からなる割繊型複合繊維にヨリを掛けてなる繊維
糸条で編織物を形成した後、該編織物に割繊処理を施し
て、該割繊型複合繊維のポリアミド系樹脂成分とポリエ
ステル系樹脂成分とを分割剥離させた後、該編織物に、
染色処理とピリジン系抗菌剤を含む抗菌加工処理との組
み合わせ処理を施して、抗菌性を付与することを特徴と
するものである。
Description
性とともに、拭取性に極めて優れ、かつ洗濯耐久性に優
れた抗菌性の高い拭取布帛であり、特に家庭用または病
院用として好ましく用いられる拭取布帛およびその製造
方法の関するものである。
ては、木綿、麻、およびレーヨンなど天然繊維または再
生繊維の紡績糸を使用した織物、例えば、晒しや日本手
拭い、古いタオルなどで厚みをもたせ、粗く刺し子にす
ることで強力を持たせた布帛が一般に使用されてきた。
これらの天然繊維または再生繊維などの素材によって構
成された拭取布帛は、主に吸水性や保水性に優れるもの
であるが、その要因は、布帛を構成する繊維自身が親水
性であるために、水に馴染み易く容易に水分を吸い取る
ことができ、また、布帛を構成する糸が紡績糸であるた
めに太く、繊維間の隙間が大きく布帛が嵩高になるの
で、布帛内部に水分を保持し易いことにある。
された布帛の場合、繊維間の隙間に取り込まれた水分
は、さらに単繊維内部に取り込まれるので、吸水した布
帛を、たとえ手で硬く絞ったつもりでも水分は容易に排
出されず布帛内部に残ってしまう。そしてその水分が、
再度拭取面に付着または再付着し、乾燥しても水滴跡が
そのまま汚れとなって残るため、拭取面を水滴跡および
汚れ跡なく綺麗にすることは困難であった。
面から剥がれた短繊維屑が水滴に混じりあるいは直接拭
取面に残り、水滴跡と同様そのまま汚れとなって再付着
することもあった。
め、水に馴染みにくく、吸水性や保水性においては木
綿、麻およびレーヨンなどの天然繊維や再生繊維に比べ
て劣っている。そのため、合成繊維からなる布帛の場
合、水分は殆ど単繊維内部に取り込まれることがない。
表面上あるいは測定データー上は、あたかも吸水や保水
しているように見えていても、水分は単繊維や繊維束の
表面に付着し、もしくは繊維束の繊維間隙に保持されて
いるに過ぎない。また、合成繊維素材は、素材の基質が
硬く、織物を構成する単繊維が太いと、手で絞ったと
き、繊維自身が容易に押し潰されることなく、布帛内部
の各繊維間に入り込んだ水分は、手で絞ることによって
容易には排出されることがなく、拭取面を拭く際の拭き
圧力によって、やはり布帛内部から押し出され、水滴と
なって拭取面に付着または再付着し、乾燥後には拭取効
果がないという欠点があるために、拭取布帛としては不
適なものとして敬遠されてきた。
が拭取布帛として提案されている。例えば、特開昭61
−103428号公報では、単繊維繊度が0.9デニー
ル以下の極細繊維からなる布帛であって、嵩高性を特徴
とする拭取布帛が提案されており、また、特開昭63−
211364号公報では、単繊維繊度が0.2デニール
以下の超極細繊維と単繊維繊度が0.5〜10デニール
の繊維からなる交絡編織物およびその製造方法が提案さ
れている。しかしながら、これらの織物は、風合いが硬
いだけでなく、ガラスを基板とする材料に対しては滑り
過ぎたり、逆に滑らずに拭取作業性が必ずしも十分では
ないなどの問題があった。また、編物の場合は、編物特
有の伸縮性の大きさによる変形や、ワライと称する、伸
ばした後の変形が欠点となり、滑りすぎたり、編目の粗
さのため十分な拭取性が得られないなどの問題があっ
た。
しては、抗菌性能は必須要求性能であるが、かかる拭取
布帛は一般に拭取/洗濯の繰り返して使用されるもので
あり、特に病院においては、通常60〜80℃の工業用
洗濯を多数繰り返されるため、従来技術では十分な耐久
性のある抗菌性を有するものは存在しなかった。その
上、近年、メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(以下、M
RSA)による病院内感染が問題となっており、かかる
拭取布帛において、高い抗菌性能と耐久性の両方の性能
を兼ね備えたものが要求されているのが実状である。
技術の背景に鑑み、吸水性と保水性に優れ、拭取面に拭
き跡や水滴を残すことなく拭き取ることができる極めて
優れた拭取性を有する上に、菌が増殖しにくい清潔な拭
取布帛およびその製造方法を提供せんとするものであ
る。
決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の拭取布帛は、単繊維繊度が0.1〜
3.0デニールのポリアミド系繊維と、単繊維繊度が
0.01〜2.0デニールのポリエステル系繊維からな
る総繊度が30〜400デニール、撚り数が100〜8
00回/mのフィラメント糸条で構成された編織物から
なり、かつ、該フィラメント糸条がピリジン系抗菌剤を
含有することを特徴とするものであり、また、かかる拭
取布帛の製造方法は、ポリアミド系樹脂とポリエステル
系樹脂からなる割繊型複合繊維にヨリを掛けてなる繊維
糸条で編織物を形成した後、該編織物に割繊処理を施し
て、該割繊型複合繊維のポリアミド系樹脂成分とポリエ
ステル系樹脂成分とを分割剥離させた後、該編織物に、
染色処理とピリジン系抗菌剤を含む抗菌加工処理との組
み合わせ処理を施して、抗菌性を付与することを特徴と
するものである。
おいて日常の清掃に使用される拭取布帛として好適な材
料について、まず、吸水性、保水性、拭取性、汚れ除去
性、拭取作業性および抗菌性に優れていること、さら
に、これらの性能に耐久性があることについて、鋭意検
討した結果、ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維か
らなるフィラメント糸条で構成された編織物を用い、か
つ、これに特定な抗菌剤を含有せしめてみたところ、か
かる課題を一挙に解決することを究明したものである。
アミド系繊維とポリエステル系繊維からなるフィラメン
ト糸条からなるものである。
らかの毛羽加工を施した糸条からなるものの場合は、拭
取時にその短繊維もしくは毛羽が拭取対象物に付着し、
拭取後も残るため、汚れを拭き取るどころか、逆に汚れ
をまき散らすことになるが、本発明のフィラメント糸条
からなるものの場合は、かかる問題は生じない。
は、単繊維繊度が0.1〜3.0デニール、好ましくは
0.2〜2.0デニール、さらに好ましくは、0.3〜
1.0デニールのポリアミド系繊維と、0.01〜2.
0デニール、好ましくは0.05〜1.0デニール、よ
り好ましくは0.1〜0.5デニールのポリエステル系
繊維からなるフィラメント、好ましくは複合繊維から作
られたものを用いる。かかるポリアミド系繊維の単繊維
繊度が、0.1デニールを下回る場合には、柔らかくな
りすぎるため、手にまとわりついて拭取作業性が劣り、
逆に3デニールを上回る場合には、単糸繊度が大きくな
りすぎるため、拭取性能が劣る。一方、ポリエステルの
単糸繊度が、0.01デニールを下回る場合は、拭取/
選択を繰り返したときに、単糸切れが多発し、すぐに品
位が劣り、逆に2.0デニールを上回る場合は、布帛と
して硬く絞り難くなる問題がある。かかるポリアミド系
繊維およびポリエステル系繊維の断面形状は、特に限定
されないが、好ましくは一個以上の鋭角な異形断面を有
するものである方が、撚糸とした際に、隙間を大きくと
ることができるため、拭取性、吸水性、保水性などの点
で有利である。
テル系繊維の該拭取布帛に含有される割合は、それを作
るときの複合繊維での複合比率によるが、ポリアミド系
繊維成分が占める割合は、該複合繊維全体の好ましくは
10〜90重量%であり、さらに好ましくは20〜80
重量%、特に好ましくは30〜70重量%であり、残り
がポリエステル系繊維成分である。かかるポリアミド系
繊維成分が10重量%を下回る場合には、ポリエステル
系繊維成分が多くなりすぎるため、全体として硬い風合
いとなり、その結果として拭取性能、作業性とも、十分
な効果が得られない。一方、ポリアミド系繊維成分が9
0重量%を上回る場合には、ポリアミド系繊維成分が多
くなりすぎるため、寸法安定性に欠け、腰のない、タラ
タラの風合いとなり、拭取性能、作業性とも十分な効果
が得られない。
繊維の配置は、該拭取布帛の断面において、表裏面の外
側層に該ポリエステル系繊維が多く存在しているもので
あるのが、拭取り性の上から好ましく、かかる形態は、
前記複合繊維、好ましくは割繊型複合繊維で製編織され
た編織物を染色処理、抗菌加工する段階の熱履歴によっ
て、たとえばポリアミド系繊維を軸に、ポリエステル系
繊維がその周りを取り囲む形で形成されるものである。
このように拭取布帛の表面に、ポリエステル系繊維が、
表面に分散して露出していることで拭取性をより効果的
に発揮せしめることができる。
成するポリアミド系繊維とポリエステル系繊維を含む総
繊度は、該拭取布帛の嵩高性、風合いおよび拭取性の点
から、30〜400デニール、好ましくは70〜350
デニール、さらに好ましくは100〜300デニールで
あるのがよい。さらに布帛表面に適度に単繊維を分散さ
せるために、かかるフィラメント糸条に好ましくは10
0〜800回/m、より好ましくは200〜700回/
mの撚りをかけるのがよい。すなわち、かかる撚りトル
クによってマルチフィラメント糸条に捻れを生じ、さら
に単繊維単位で、単糸同志がばらけて別々の挙動を示
し、隣り合う繊維と繊維、糸と糸の隙間を埋めるように
分散するので、拭取面積が大きくなる。また、該布帛表
面が吸盤のように拭取面に吸い付くので、わずかな隙間
に入った汚れも掻き出すことができるのでである。な
お、かかるフィラメント糸条の総繊度が小さくなりすぎ
ると、拭取布帛の嵩高性が小さくなり、吸水量が十分得
られない。また、かかる総繊度が大きくなりすぎると、
拭取布帛が硬くなり、作業性が悪くなる。すなわち、か
かるフィラメント糸条の撚数が100回/mよりも少な
くなると、マルチフィラメント糸条がまっすぐに並ん
で、該布帛を縦横に分断するため、該布帛表面の拭取面
積が小さくなり、また、拭き跡が残り易くなる。一方、
該撚り数が800回/mより多くなると、マルチフィラ
メント糸条がその撚りによって拘束され、単繊維単位で
ばらけにくくなり、一塊りになり易く、拭取性が悪くな
る。
度の異なる2種類以上のフィラメント糸条を交編織する
ことができる。例えば、タテ糸に100デニールのフィ
ラメント糸条を、ヨコ糸に270デニールのフィラメン
ト糸条を用いて、交織することができる。
らでももよいが、好ましくは寸法安定性がよいとされる
織物が好ましい。かかる織物組織は、拭取作業性や嵩高
性を確保するために、厚さ方向にふくらみを有する組
織、たとえば二重織り組織が好ましく使用される。ここ
でいう二重織り組織とは、表組織と裏組織を部分的に表
糸と裏糸が交錯してなる織物であって、その交錯点の数
は、好ましくは10〜40コ/cm2 であるものがよい。
交錯点が、40コ/cm2 より多いと表組織と裏組織の間
に隙間がなくなるし、必要なふくらみが得られないだけ
でなく、板状の硬い織物となって、拭取性、拭取作業
性、絞り性および保水性を考慮すれば、交錯点は20〜
30コ/cm2 であることがより好ましい。かかる拭取布
帛の嵩高性を確保するための組織としては、上記二重織
りに限らず、パイル織物や蜂巣織物などであってもなん
ら問題はない。
性に優れた抗菌性能を有しているところにも特徴を有す
る。従来から抗菌性を付与した布帛は一般衣料用布帛な
どにおいて、種々の検討がなされており、家庭における
水洗濯性はかなりのレベルに到達しているが、通常60
〜85℃の工業用洗濯を多数繰り返す条件の下で十分な
耐久性を示すものは見出されていない。特に病院用拭取
布帛は、汚れを拭く/洗うの繰り返しであり、一般衣料
用布帛では想像できない程の耐久性が必要になるもので
ある。本発明では、かかる工業用洗濯を多数繰り返す条
件下でも、十分な耐久性を示すものを提供するものであ
る。
付与するために、該フィラメント糸条、中でもポリエス
エテル系繊維に、特定な吸尽能に優れた抗菌剤を使用す
るものである。かかる抗菌剤としてピリジン系抗菌剤を
使用する。
ば2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−ク
ロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、
2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリル
メトキシ)ピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジ
ルメタノール、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プ
ロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリジルチオール
−1−オキシド亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−
オキシド)等のピリジン系化合物を用いることができ
る。その中でも、とりわけ2−ピリジルチオール−1−
オキシド亜鉛が、飛躍的耐久性のもとに吸尽される性質
を有し、かつ、ポリエステル系繊維に優れた吸尽能を有
するので、好ましく使用される。かかる抗菌剤は、平均
粒径の小さいものが、吸尽性の上から好ましく使用さ
れ、具体的には2μm以下、より好ましくは1μm以
下、特に好ましくは0.7μm以下の平均粒径を有する
ものが用いられる。
テル系繊維は、太繊度である方がその機能が大きく、そ
れだけ耐久性に優れたものを提供することができる。す
なわち、使用するポリエステル系繊維成分として、拭取
り性を阻害しない範囲で、太繊度のポリエステル系繊維
を配置させるのが、抗菌性の上から好ましい。すなわ
ち、その場合には、該ポリエステル系繊維として、太繊
度と細繊度の組み合わせからなる繊維構成を有するもの
が使用されるものである。
回前後でMRSA値が、好ましくは2.5以上、より好
ましくは3.0以上であるという優れた耐久性を有する
ものである。かかるMRSA値が2.5を下回る場合に
は、十分な抗菌性が得られないし、また、初期性能が
3.0以上でも、洗濯後2.5を下回る場合は、耐久性
のある抗菌性を有するものであるとは言えず、実用性が
ないものと言える。
以上であることが、絞り性、取り扱い性の点で好まし
い。また、拭取性能に関わる特性として、吸水速度が1
秒以下、保水量が200重量%以上であることが好まし
い。
について述べる。まず、複合繊維として、海島型、剥離
分割型および特殊ブレンド型などの、後で分割可能な割
繊型複合繊維からなるマルチフィラメント糸を用意し、
両者を引き揃え、必要に応じて糸長差を付与して複合糸
条形態とする。かかる複合糸条とする手段としては、引
き揃え、撚糸および交絡などの手段を用いることができ
る。得られた複合糸条は加撚され、編織物用糸条とな
る。
られた編織物に剥離、割繊処理を施して、細繊度化した
編織物とする。かかる割繊処理、細繊度化処理として
は、化学的剥離や物理的剥離の他に、一成分を溶解除去
する等の手段を用いることができる。例えば、剥離型複
合繊維を用いた場合は、化学薬品中に該複合繊維を浸漬
させながら揉むことによって、割繊、細繊度化すること
ができるし、また、海島型複合繊維を用いた場合には、
海成分を溶解除去することによって、細繊度化すること
ができる。次いで、細繊度化された編織物は、染色処理
とピリジン系抗菌剤を含む抗菌加工処理との組み合わせ
処理を施される。かかる染色処理と抗菌加工は、同時に
またはそれぞれ単独で処理することができるが、両者を
同時に処理する方法が好ましく行われる。
菌剤を使用することが必須であり、かかる抗菌剤を付与
したにより、優れた耐久性を有する抗菌性能を付与する
ことができたものであり、かかる拭取布帛は、一般家庭
や病院などのガラス、金属、プラスチック、および家具
や洗面所のシンク周り、風呂の浴槽、テーブルなどあら
ゆる素材、特にそれらの濡れた部分にも、好適に使用さ
れ、かつ、優れた拭取り性を示すものである。
に説明する。実施例における評価方法について、以下説
明する。 (1)編織物の厚さ、吸水速度および保水量は、いずれ
もJIS−L1096の規定に基づいて測定し、保水量
は、試料を2分間水に浸した後、試料を引き上げて1分
間ドリップ後の重量増加率で評価した。 (2)拭取り性の評価方法 シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製)約5mgを注射針でガラス板上に
落とし、直径45mm、重さ1Kgf の円柱状荷重の一端面
に、厚さ約1mm相当の織物を介して固定された試料(拭
取布帛)をガラス板上に乗せ、1m/min の速度で移動
し、該シリコーンを拭き取る。次に、乾式複写用トナー
(SF−76T:シャープ株式会社製)をガラス板上に
振りかけ、そのトナーを圧縮空気(1Kg/cm2 )で吹き
飛ばす。次いで、ガラス板上の残留しているトナーを、
ガラス板表面にセロテープ(積水化学工業株式会社製、
登録商標)を貼りつけて剥ぎ取り、セロテープに付着し
たトナーの程度を判定する。 トナーがまったく付着し
ないもの(ガラス板のシリコーンを完全に拭き取ったも
の)を5級、トナーが極めて多量に残るものを1級とし
て、5段階で肉眼判定した。 (3)拭取作業性の評価方法 10人のパネラーの感応評価で行った。評価基準を下記
する。
l、過酸化水素水(35%工業用)3cc/l、過炭酸ナ
トリウム1.5g/l、温度85±2℃、浴比1:20
で15分間洗濯し、その後排液、脱水後、オーバーフロ
ー水洗を10分間実施した。水洗後タンブラー・ドライ
ヤーを用いて20分間で乾燥させた。これを洗濯1回と
した。 (5)抗菌試験方法 試験方法は統一試験法を採用し、試験菌体はMRSA臨
床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試料布に上記試験
菌のブイヨン懸濁液を注加し、密栓容器中で37℃、1
8時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を
求め、次の基準に従った。
g(B/C)を菌数増減値差とし、2.5以上を合格レ
ベルとした。
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
示す。 実施例1 細繊度化可能な複合繊維として、0.83dの八葉星芒
形ナイロン6、1個と、それを取り巻く0.24dの三
角型ポリエチレンテレフタレート8個からなる単繊維断
面を有する、50デニール、18フィラメントのマルチ
フィラメント糸条を、4本引き揃えて、500回/m合
撚し、レピア織機で、タテ密度83本/in、ヨコ密度6
3本/inの平二重織物を製織して生機とした。
処理して、ナイロン6とポリエチレンテレフタレートと
を剥離分割した。得られた織物を構成するフィラメント
糸条の総繊度は194デニールであり、ナイロン6の単
繊維繊度は0.83デニールであり、ポリエチレンテレ
フタレートの単繊維繊度は0.23デニールであり、ナ
イロン6が占める割合は全体の約34%であった。
の染色条件で、染料と同時に、抗菌剤として2−ピリジ
ルチオール−1−オキシド亜鉛を0.5%owf投入
し、130℃で40分間、該織物を処理した。
優れ、拭取性能および拭取作業性が良く、工業洗濯50
回前後とも、抗菌性能が5.5と優れた耐久性性能を発
揮するものであった。結果を表1に示す。 実施例2 細繊度化可能な複合繊維として、0.83dの八葉星芒
形ナイロン6、1個と、それを取り巻く0.24dの三
角型ポリエチレンテレフタレート8個からなる単繊維断
面を有する、50デニール、18フィラメントのマルチ
フィラメント糸条を、4本引き揃えて、600回/m合
撚し、レピア織機で、タテ密度65本/in、ヨコ密度4
4本/inの平二重織物を製織して生機とした。
処理し、ナイロン6とポリエチレンテレフタレートとを
剥離分割した。得られた織物を構成するフィラメント糸
条の総繊度は194デニールであり、ナイロン6の単繊
維繊度は0.83デニールであり、ポリエチレンテレフ
タレートの単繊維繊度は0.23デニールであり、ナイ
ロン6が占める割合は全体の約34%であった。
の染色条件で、染料と同時に、2−ピリジルチオール−
1−オキシド亜鉛を0.5%owf投入し、染色と同時
に抗菌加工を行った。
に優れ、拭取性能および拭取作業性が良く、工業洗濯5
0回前後とも、抗菌性能が5.5と優れた耐久性性能を
発揮するものであった。結果を表1に示す。 比較例1 細繊度化可能な複合繊維として、0.83dの八葉星芒
形ナイロン6、1個と、それを取り巻く0.24dの三
角型ポリエチレンテレフタレート8個からなる単繊維断
面を有する、50デニール、18フィラメントのマルチ
フィラメント糸条を、4本引き揃えて、50回/m合撚
し、レピア織機で、タテ密度65本/in、ヨコ密度44
本/inの平二重織物を製織して生機とした。
処理し、ナイロン6とポリエチレンテレフタレートとを
剥離分割した。得られた織物を構成するフィラメント糸
条の総繊度は194デニールであり、ナイロン6の単繊
維繊度は0.83デニールであり、ポリエチレンテレフ
タレートの単繊維繊度は0.23デニールであり、ナイ
ロン6が占める割合は全体の約34%であった。
の染色条件で、染料と同時に、6−(2−チオフェンカ
ルボニル)−1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン
酸メチルを0.5%owf投入し、130℃×40分の
処理を行った。得られた布帛は、二重織物にもにもかか
わらず、ふくらみがなく、薄い扁平な布帛となり、吸水
量も少なく、拭取対象物に対して滑りが悪く、拭取性、
拭取作業性、取り扱い性など拭取布帛としての性能に欠
けるものであった。また、抗菌性能は洗濯前後とも不良
であった。結果を表1に示す。 比較例2 細繊度化可能な複合繊維として、0.83dの八葉星芒
形ナイロン6、1個と、それを取り巻く0.24dの三
角型ポリエチレンテレフタレート8個からなる単繊維断
面を有する、50デニール、18フィラメントのマルチ
フィラメント糸条を、4本引き揃えて、1000回/m
合撚し、レピア織機で、タテ密度83本/in、ヨコ密度
64本/inの平二重織物を製織して生機とした。
処理し、ナイロン6とポリエチレンテレフタレートとを
剥離分割した。得られた織物を構成するフィラメント糸
条の総繊度は194デニールであり、ナイロン6の単繊
維繊度は0.83デニールであり、ポリエチレンテレフ
タレートの単繊維繊度は0.23デニールであり、ナイ
ロン6が占める割合は全体の約34%であった。
トの染色条件で、染料と同時に、5−クロロ−2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オンを0.5%owf投
入し、130℃×40分の処理を行った。
は良いものの、ふくらみがなく、拭取跡の残るものであ
った。また、抗菌性能は洗濯前は良好であるが、洗濯後
の耐久性が劣るものであった。結果を表1に示す。
れ、拭取面に拭き跡や水滴を残すことなく拭き取ること
ができる優れた拭取性、拭取作業性を有し、さらに工業
洗濯耐久性に優れた抗菌性能を有する拭取布帛を安定し
て提供することができ、一般家庭や病院などのガラス、
金属、プラスチック、および家具や洗面所のシンク周
り、風呂の浴槽、テーブルなどあらゆる素材、特にそれ
らの濡れた部分にも、好適に使用され、かつ、優れた拭
取り性を示すものを提供することができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 単繊維繊度が0.1〜3.0デニールの
ポリアミド系繊維と、単繊維繊度が0.01〜2.0デ
ニールのポリエステル系繊維からなる総繊度が30〜4
00デニール、撚り数が100〜800回/mのフィラ
メント糸条で構成された編織物からなり、かつ、該フィ
ラメント糸条がピリジン系抗菌剤を含有することを特徴
とする拭取布帛。 - 【請求項2】 該ポリアミド系繊維が、該フィラメント
糸条全体の10〜90重量%を占めるものである請求項
1記載の拭取布帛。 - 【請求項3】 該拭取布帛が、その断面において、表裏
面の外側層に該ポリエステル系繊維が多く存在している
ものである請求項1または2記載の拭取布帛。 - 【請求項4】 該編織物が、JIS L−1096で測
定される厚さが0.8mm以上であるものである請求項
1〜3のいずれかに記載の拭取布帛。 - 【請求項5】 該編織物が、JIS L−1096で測
定される吸水速度が1秒以下であるものである請求項1
〜4のいずれかに記載の拭取布帛。 - 【請求項6】 該編織物、JIS L−1096で測定
される吸水量が200重量%以上であるものである請求
項1〜5のいずれかに記載の拭取布帛。 - 【請求項7】 該ポリエステル系繊維が、太繊度と細繊
度の組み合わせからなる繊維構成を有するものである請
求項1〜6のいずれかに記載の拭取布帛。 - 【請求項8】 該抗菌剤が、該フィラメント糸条の該ポ
リエステル系繊維に吸尽されているものである請求項1
〜7のいずれかに記載の拭取布帛。 - 【請求項9】 該ピリジン系抗菌剤が、2−ピリジルチ
オール−1−オキシド亜鉛である請求項1〜8のいずれ
かに記載の拭取布帛。 - 【請求項10】 該拭取布帛が、工業洗濯50回前後に
おいて、その抗菌性能が2.5以上である請求項1〜9
のいずれかに記載の拭取布帛。 - 【請求項11】 ポリアミド系樹脂とポリエステル系樹
脂からなる複合繊維にヨリを掛けてなる繊維糸条で編織
物を形成した後、該編織物に剥離処理を施して、該複合
繊維のポリアミド系樹脂成分とポリエステル系樹脂成分
とを剥離させた後、該編織物に、染色処理とピリジン系
抗菌剤を含む抗菌加工処理との組み合わせ処理を施し
て、抗菌性を付与することを特徴とする拭取布帛の製造
方法。 - 【請求項12】 該ピリジン系抗菌剤が、2−ピリジル
チオール−1−オキシド亜鉛である請求項11記載の拭
取布帛の製造方法。
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