JP3882381B2 - ワイピングクロスおよびその製造方法 - Google Patents

ワイピングクロスおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明、高度な汚染物拭取性あるいは吸着作用を有する、工業洗濯耐久性に優れた抗菌性能を有するワイピングクロスおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子情報社会の急速な進歩と共に従来のメガネやレンズだけだはなく、液晶画面に代表される電子機械のスクリーンのクリーン化には高度な汚染物除去性能を有するワイピングクロスが要求される。羽毛や発埃を嫌う分野でのワイピングクロスとしては従来の木綿、紙では対応できない。さらに該クロスを電子情報社会に止まらず一般家庭や病院でも使用する場合が増えてきており、洗濯耐久性に優れた抗菌性の高いワイピングクロスが要求される。
【0003】
近年、極細繊維を用いた布帛がワイピングクロスとして提案されている。例えば、0.9デニール以下の極細繊維からなる布帛の崇高性を特徴とするワイピングクロスが特開昭61−103428号公報で提案され、0.2デニール以下の超極細糸と0.5〜10デニールの繊維からなる交絡編物およびその製造方法が特開昭63−211364号公報で提案されている。
【0004】
しかし、特開昭61−103428号公報や特開昭63−211364号公報の提案の織物では、風合が硬いだけでなく、ガラスを基板とする材料に対して滑りすぎたり、逆に滑らずに拭取作業性が悪いなどの欠点がある。また編物では編物特有の伸縮性の大きさによる変形や笑いと称する延ばした後に変形するという欠点を有している。また滑り過ぎたり、網目の粗さのため十分な拭取性が得られないなどの問題があった。
【0005】
また、ワイピングクロスは、近年、一般家庭や病院でも使用する場合が増えてきており、特に病院ではメチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(以下、MRSA)による院内感染が問題となっている。かかる病院では、通常60〜85℃の工業洗濯を多数繰り返されるため、従来技術では充分な耐久性を有するものはほとんど得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ポリエステル主体の編物でありながら風合が柔軟であり、寸法安定性に優れ、裁断面のほつれがなく、しかも拭取性、拭取作業性が良好で、かつ工業洗濯耐久性に優れた抗菌性の高いワイピングクロスおよびその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のワイピングクロスは、単糸繊度0.5デニール以下の仮ヨリ加工されたポリエステル極細繊維と単糸繊度1.0デニール以上のポリエステル太繊度繊維とからなる複合糸で構成され、これら両繊維は互いに交絡を形成したポリエステル高密度編物からなり、かつ、該繊維が、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤を含有することを特徴とする物である。かかるワイピングクロスの製造方法は、島成分の繊度が0.5デニール以下である海島構造を有するポリエステル複合繊維仮ヨリ加工糸と高収縮ポリエステル繊維とからなる複合糸を用いて製編してなる編物を、熱水中で処理し、海成分を除去した後、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤を付与してから、該編物表面をウォータージェット加工することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、すなわち風合が柔軟であり、寸法安定性に優れ、裁断面のほつれがなく、しかも拭取性、拭取作業性が良好で、かつ工業洗濯耐久性に優れた抗菌性の高いワイピングクロスについて、鋭意検討し、特定な複合糸を製編し、これを交絡処理と2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤という特定な抗菌剤による加工とを組み合わせてポリエステル高密度編物からなるワイピングクロスを作ってみたところ、意外にも、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0009】
本発明のワイピングクロスを構成する素材は、単糸繊度0.5デニール以下の仮ヨリ加工されたポリエステル極細繊維と、1.0デニール以上。好ましくは2.0〜4.0デニールのポリエステル太繊度繊維からなるものである。かかる極細繊維の繊度は、好ましくは0.3デニール以下であり、さらに好ましくは0.2〜0.01デニール、特に好ましくは0.1〜0.02デニールの範囲のものが使用される。これに対し、太繊度繊維として、繊度が1.0デニール未満のものを使用した場合には、該編物が細い繊維のみから構成されることとなり、ハリ、腰のない風合のものになり、また、寸法安定性に欠け、ニット特有の“笑い”が発生する。
【0010】
また、本発明においては、極細繊維と太繊度繊維とからなる複合糸の複合割合が、布帛の崇高性、風合いおよび拭取性を決定する要因となるものであり、極細繊維のトータル繊度は、好ましくは少なくとも太繊度繊維のトータル繊度より多く含まれていることであり、さらに好ましくは該極細繊維が50〜80重量%、特に好ましくは60〜70重量%含まれていることである。したがって、1.0デニール以上の太繊度繊維は残りの部分を占めるものである。かかる太繊度繊維は、仮ヨリ加工などされていない生糸であることが好ましい。また、かかる太繊度繊維は、熱処理前の状態において、極細繊維よりも高い収縮特性を有するものであるものが好ましい。その収縮率は、特に限定されるべきものではないが、該極細繊維よりも熱に対する収縮特性が大きい方が好ましい。具体的には、該極細繊維の沸騰水収縮率が4〜8%であるのに対し、該太繊度繊維は10〜25%の収縮率を有するものが好ましく使用される。特に、極細繊維の沸騰水収縮率より、さらに4〜8%大きい収縮率を有するものが好ましく使用される。すなわち、染色などの熱処理により、該太繊度繊維が、該極細繊維より大きな収縮を発現すると、その収縮差により、熱処理後、太繊度繊維の周りに極細繊維が弛緩した状態で配置されることとなり、結果として嵩高になる。かかる両者の糸長差は、極細繊維が太繊度繊維よりも好ましくは3%以上長いものであることがよい。
【0011】
一方、極細繊維は、仮ヨリ加工による捲縮が付与されているものが好ましく使用される。この仮ヨリ捲縮により、1本1本の単繊維配列を乱し、編物表面の崇高性を大きくする効果を奏する。
【0012】
本発明のワイピングクロスを構成する編物の密度は、該複合糸の極細繊維と太繊度繊維の合計単繊維数で、ウエル、コースとも25000本/in以上の高密度に存在させることが好ましい。より好ましくは30000〜50000本/inの密度で存在させる。例えば、80デニールで650フィラメントの極細繊維と太繊度繊維からなる複合糸が60本/inの密度であれば、39000本/inの合計単繊維数から構成されたものとみなす。ここで、かかる合計単繊維数が25000本/in未満であれば、柔らかく腰のない編物になり、拭取性も悪い。拭取性の点から合計単繊維の構成本数は多い程よいが、風合い、拭取作業性の点からおよび糸と糸との隙間の程度から無限に多い密度のものは存在しない。
【0013】
さらに編物を構成する単繊維の配列乱れが拭取性に方向性を持たないワイピングクロスになり得るものである。この配列乱れは、必然的に発生するのではなく、編物の表面をウォタージェット加工することにより効率的得ることができる。
【0014】
本発明のワイピングクロスは編物にもかかわらず寸法安定性が良好である。すなわち160℃での乾熱処理と、洗濯による寸法変化が、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である編物は、通常熱に起因する寸法変化が大きく5%以下に抑えることは困難とされてきたが、本発明の編物は、その素材の収縮特性と極細繊維と普通繊維の組み合わせと、その特性を生かした製造方法により、編物にもかかわらず、寸法の安定したポリエステル編物からなるワイピングクロスを提供することができる。
【0015】
ワイピングクロスの良否は、汚れの拭取性能はもちろんのこと、その拭取作業性が重要である点に着目して、板ガラスとワイピングクロスとの摩擦抵抗に関係があることを究明し、本発明のワイピングクロスは、適度な摩擦抵抗があることを見出した。その拭取作業性を判定するため、1kg/35cm2 荷重下での本ワイピングクロスとガラス板の摩擦抵抗が400〜900gの範囲にある拭取性に優れたワイピングクロスを提供することができたものである。
【0016】
本発明のワイピングクロスは、布帛の厚さが拭取性に大きく起因し、0.4〜0.8mmの範囲のものが優れた拭取性とハンドリングを有することも見出した。特に布帛の厚さが、0.5〜0.7mmのものが、さらに好ましい拭取性とハンドリングを発揮する。かかる布帛の厚さが、0.4mm未満の場合には、汚れを十分に吸収できず、逆に0.8mmを超える場合にはハンドリング性不良となる。
【0017】
また、本発明のワイピングクロスは、工業洗濯耐久性に優れた抗菌性能を有しているところにも特徴を有する。従来から抗菌性を付与した布帛は一般衣料用布帛などにおいて、種々の検討がなされており、家庭における水洗濯性はかなりのレベルに到達しているが、通常60〜85℃の工業用洗濯を多数繰り返す方法下で十分な耐久性を示すものは見出されていない。特に病院用ワイピングクロスは、汚れを拭く/洗うの繰り返しであり、一般衣料用布帛では想像できない程の耐久性が必要になるものである。本発明では、かかる工業用洗濯を多数繰り返す条件下でも、十分な耐久性を示すものを提供し得たものである。
【0018】
かかる工業洗濯耐久性に優れた抗菌性能を付与するために、ピリジン系抗菌剤という特定な抗菌剤と太繊度繊維とを有効に利用したものである。ポリエスエテル系繊維に吸尽される抗菌剤は、該繊維が太い程吸尽され易く、それだけ耐久性に寄与するものである。その上、上述の2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤は、ポリエスエテルとの親和性が著しく優れており、かつ、その耐久性は抜群のものである。
【0019】
かかる2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤は、ポリエステル系繊維に飛躍的耐久性のもとに吸尽される性質を有するものである。
【0020】
かかる2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤は、平均粒径の小さいものが、吸尽性の上から好ましく使用され、さらに好ましくは2μm以下の平均粒径を有するものが用いられる。
【0021】
次に、本発明のワイピングクロスの製造方法の一例について説明する。
【0022】
本発明もワイピングクロスは、島成分が0.1デニール以下である海島構造を有する低収縮のポリエステル複合繊維フィラメントの仮ヨリ加工糸と太繊度繊維で高収縮のポリエステル生糸とを引き揃えて、エアーノズルで流体交絡した複合糸を、丸編機でインターロック方式で編成を生機とし、この生機を熱水処理し、海成分を除去する。この海成分を除去することにより、0.1デニール以下の極細繊維を得ることができる。かかる海成分の除去は、アルカリの存在での処理が有効であり、好ましくは水酸化ナトリウムを使用して除去される。また、仮ヨリ加工は通常ウーリー加工などを使用することができる。
【0023】
編物を作る方法は、いかなる方法によっても良いが、丸編みでインターロック方式が生産性、裁断のほつれ防止などの点から好ましく使用される。
【0024】
また、該極細繊維を絡ませる方法は、仮ヨリか、極細繊維と高収縮生糸の流体交絡による複合で達成することができるが、さらにウォータージェット加工による方法によっても、効果的に達成されるものである。すなわち、脱海後の布帛を染色と同時に抗菌加工した後、490〜980Paの流体を小孔により、該布帛の表面に噴射させる方法により、極細繊維を一本一本分離し、布帛表面に浮き出させるのである。かかる極細繊維を布帛の表面に選択的に浮き出させる機能は、該極細繊維よりも収縮率の大きい太繊度繊維の有する作用によるものである。すなわち、ウォータージェット加工することにより、繊維は配列を乱し、ランダムな配列となり、単繊維繊度の大きい高収縮糸が選択的に内層部を形成し、単繊維繊度の小さい極細繊維が表層部を形成することとなり、ふくらみ感のあるワイピングクロスを形成することができるのである。
【0025】
次に、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤は、ポリエステル系繊維の通常の染色時に染料と同時に付与する方法により付与することができる。すなわち分散染料と該抗菌剤とを同時に用いて、120℃〜135℃の高温染色法により付与される。このとき昇温速度は、極細繊維の染着性の点から、0.5〜2.0℃/min が好ましく採用される。
【0026】
2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなる抗菌剤が付与された編物は、ウォータージェット加工され、乾燥および仕上げセットされる。必要に応じて、帯電防止加工や吸水加工を施しても、拭取性に影響することは少なく何等差支えない。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%および部とは、断らない限り重量基準である。また、実施例中での品質評価は次の方法に従った。
(1)洗濯方法
ドラム染色機を用い、花王(株)製洗剤“ザブ”2g/l、過酸化水素水(35%工業用)3cc/l、過炭酸ナトリウム1.5g/l、温度85±2℃、浴比1:20で15分間洗濯し、その後排液、脱水後、オーバーフロー水洗を10分間実施した。水洗後タンブラー・ドライヤーを用いて20分間で乾燥させた。これを洗濯1回とした。
(2)抗菌試験方法
試験方法は統一試験法を採用し、試験菌体はMRSA臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試料布に上記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密栓容器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
【0028】
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格レベルとした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を示す。
(3)拭取性評価方法
シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング・シリコン(株)製)を注射針で約5mgガラス板上に落とし、直径45mm重さ1kgの円柱状荷重の一端面に、厚さ1mm相当の織物を介して固定された試料(ワイピングクロス)を、ガラス板上に乗せ、10cm/min の速度で移動し、シリコーンを拭き取る。次に乾式複写機用トナーをガラス板上に振りかけ、そのトナーを圧縮空気(1kg/cm2 )で吹き飛ばす。ガラス板表面にセロテープ(積水化学工業(株)製、登録商標)を貼りつけて、ガラス板上の残留トナーを剥ぎ取り、セロテープに付着したトナーの程度を判定する。
【0029】
トナーがまったく付着していないもの(ガラス板のシリコーンを完全に拭き取ったもの)を5級、トナーが極めて多量に残るものを1級として、5段階で肉眼判定した。
(4)拭取作業性・風合い・笑いの程度の評価方法
官能評価した。評価基準は下記の通りである。
【0030】
【表1】
Figure 0003882381
【0031】
極細繊維は50デニール9フィラメント、[70島/フィラメント:東レ(株)製]の海島型ポリエステルで島成分がポリエチレンテレフタレートで海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶性ポリエステルからなる繊維(海島の比率は20/80)を用いた。この糸の沸騰水収縮率は5.8%であった。高収縮生糸は30デニール12フィラメントのポリエステル糸[東レ(株)製]を用いた。この収縮率は13.8%であった。一方、極細繊維を脱海することなく仮ヨリ加工(仮ヨリ数:300T/M、温度:180℃)糸、高収縮生糸と引き揃えてエアー交絡(極細糸のオーバーフィード率:2%、空気圧:29.4Pa )し、複合糸を得た。さらに丸編み機(32G、36インチ)を用いてインターロック方式で編成し生機とした。この生機をいったん130℃×20分の熱水処理後さらに80℃で60分間水酸化ナトリウム1%存在下で処理することにより完全に海成分を除去した。次に通常のポリエステルの染色時に染料と同時に2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛を0.5%owf投入し、染色と同時に加工した。次に表面から980Paの圧力でウォータージェット加工した。その後130℃でヒートセットし、ウエル、コースを60本/inに設定した。得られた編物の極細繊維の割合は65重量%で、極細繊維を主体とする単繊維はウエル・コースとも約35000本/in以上の高密度編物であった。目付は210g/m2 で、生機に対して、幅:68%、長さ72%に収縮した。しかし、製品の160℃における乾熱収縮率は1.6%、洗濯収縮率も2%以下の寸法安定性のあるワイピングクロスであった。
【0032】
外観は編物の組織を失いあたかもセーム調になり、風合いもしなやかであった。伸縮に起因する笑いもなかった。
比較例1
実施例1と同様に複合糸からなる編物を染色と同時に抗菌加工まで同方法で作成した[抗菌剤として1,4−(1−ジョードメチルスルファニル)ベンゼンを用いた]。次にウォータージェット加工をせず仕上げた。風合いはしなやかで伸縮性に富むが、笑いが大きく寸法安定性に欠けるものであった。抗菌性は洗濯前は1.0と低い性能を示し、工業洗濯50回後において0.1と劣るものであった。
比較例2
実施例1と同一の海島型ポリエステルを仮ヨリ加工せず高収縮生糸を引き揃えた糸を用いて、実施例1と同様の方法で加工した抗菌剤として6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルを用いた。得られた編物の目付は195g/m2 で、外観はセーム調であるが、ボリュウム感にやや欠け伸縮に起因する笑いが大きいものであった。抗菌性は洗濯前は1.8と性能が低く、工業洗濯50回後において0.1と劣るものであった。
比較例3
実施例1と高収縮糸単独を2本で引き揃えた糸だけを用いて、実施例1と同様の方法で加工した抗菌剤として5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを用いた。得られた編物は硬く、柔軟性に欠けるものになった。抗菌性は洗濯前は4.5と高い性能を示したが、工業洗濯50回後において0.5と劣るものであった。
【0033】
実施例1および比較例1〜3の拭取性および布帛の特性さらに抗菌性能を表に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003882381
【0035】
表1から明らかなように、実施例1の布帛は優れた拭取性・拭取作業性・風合いを有し、笑いがないものであり、抗菌性能も工業洗濯50回前後において、高い抗菌性能が得られた。比較例1のウォータージェット加工が施さていないものは、繊維収縮が十分でなく、極細糸の分繊性も悪いため、笑いが強く、実用上も問題があり、抗菌性能も不十分であった。比較例2のものは、単繊維間の絡みに欠け、ボリュウム感も少なく、拭取作業性と笑いに欠点があり、抗菌性能も不十分であった。比較例3のものは、高収縮糸単独で、単糸繊度も大きく、拭取性が悪く、初期の抗菌性能は良好であるが、耐久性が不十分であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、適度なボリュウム感・摩擦抵抗・風合いを有し、優れた拭取性・拭取作業性さらに工業洗濯耐久性に優れた抗菌性能を有するワイピングクロスを安定して提供することができ、かかるワイピングクロスは、メガネ、レンズ、液晶材料、電子情報材料、機器類、真珠、宝石、家具、自動車の窓などの油膜・汚れの拭き取り用材料として好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. 単糸繊度0.5デニール以下の仮ヨリ加工されたポリエステル極細繊維と単糸繊度1.0デニール以上のポリエステル太繊度繊維とからなる複合糸で構成され、これら両繊維は互いに交絡を形成したポリエステル高密度編物からなり、かつ、該繊維が、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤を含有することを特徴とするワイピングクロス。
  2. 該複合糸が、該極細繊維を50〜80重量%含むものであり、かつ、該高密度編物が、該極細繊維と太繊度繊維の合計単繊維数で、ウェル、コースとも25000本/in以上で構成されているものである請求項1記載のワイピングクロス。
  3. 該極細繊維が、太繊度繊維よりも3%以上の長い糸長差を有するものである請求項1または2に記載のワイピングクロス。
  4. 該ワイピングクロスが、160℃における乾熱収縮率および洗濯収縮率が5%以下であるものである請求項1〜3のいずれかに記載のワイピングクロス。
  5. 該ワイピングクロスが、1kg/35cm2 荷重下の摩擦抵抗が500〜900gの範囲にあるものである請求項1〜4のいずれかに記載のワイピングクロス。
  6. 該高密度編物が、丸編みである請求項1〜5のいずれかに記載のワイピングクロス。
  7. 該太繊度繊維が、10〜25%の範囲の沸騰水収縮率を有するものであり、該高密度編物の厚さが0.4〜0.8mmである請求項1〜6のいずれかに記載のワイピングクロス。
  8. 該ワイピングクロスが、工業洗濯50回前後の抗菌性能がともに2.5以上であるものである請求項1〜のいずれかに記載のワイピングクロス。
  9. 島成分の繊度が0.5デニール以下である海島構造を有するポリエステル複合繊維仮ヨリ加工糸と高収縮ポリエステル繊維とからなる複合糸を用いて製編してなる編物を、熱水中で処理し、海成分を除去した後、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるピリジン系抗菌剤を付与してから、該編物表面をウォータージェット加工して交絡処理することを特徴とするワイピングクロスの製造方法。
  10. 該ピリジン系抗菌剤の付与が、該抗菌剤を含む液中に該編物を浸漬し、加圧下で、100℃〜150℃の条件で液中処理するものである請求項記載のワイピングクロスの製造方法。
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