JP3824240B2 - 高密度編物からなるワイピングクロスおよびその製造方法 - Google Patents

高密度編物からなるワイピングクロスおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高度な汚染物拭取性あるいは吸着作用を有する高密度編物からなるワイピングクロスおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子情報社会の急速な進歩とともに従来のメガネやレンズだけでなく、液晶画面に代表される電子機器のスクリーンのクリーン化には高度な汚染物除去性能を有するワイピングクロスが要求される。毛羽や発塵を嫌う分野でのワイピングクロスとしては従来の木綿、紙では対応できない。
【0003】
近年、極細繊維を用いた布帛がワイピングクロスとして提案されている。例えば、0.9デニール以下の極細繊維からなる布帛の嵩高性を特徴とするワイピングクロスが特開昭61−103428号公報で提案され、0.2デニール以下の超極細糸と0.5〜10デニールの繊維からなる交絡編織物およびその製造方法が特開昭63−211364号公報で提案されている。
【0004】
しかし、これら提案の織物では風合いが硬いだけでなく、ガラスを基板とする材料に対しては滑りすぎたり、逆に滑らずに拭取作業性が悪いなどの欠点がある。また編物では編物特有の伸縮性の大きさによる変形や笑いと称する延ばした後に変形するという欠点を有している。また滑り過ぎたり、編目の粗さのため十分な拭取性が得られないなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述のような欠点を改良し、ポリエステル主体の編物で風合いが柔軟であり、寸歩安定性に優れ、裁断面のほつれがなく、しかも拭取性、拭取作業性が良好である高密度編物からなるワイピングクロスおよびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、本発明のワイピングクロスは、主として単糸繊度0.1デニール以下の仮ヨリ加工された極細合成繊維50〜80重量%と単糸繊度1デニール以上の太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成され、該極細合成繊維を主体とする単繊維がウエル、コース共25000本/in以上で構成されてなるポリエステル高密度編物からなり、上記太繊度繊維が比較的に編物の内層部を形成し、極細繊維が比較的に編物の表層部にふくらみをもって出現してなるとともに、これら両繊維は互いに交絡を形成しており、かつ、編物表層部は、編目が見えない程度に極細単繊維の配列が乱れてなることを特徴とする高密度編物からなるワイピングクロスである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】
本発明のワイピングクロスを構成する素材は単糸繊度0.1デニール以下の仮ヨリ加工された極細合成繊維と、1デニール以上の太繊度合成繊維からなるものである。
【0009】
上記の極細合成繊維、太繊度合成繊維は、ポリエステルからなるものであることが好ましいが、ポリアミド等の他の合成繊維であってもよい。極細合成繊維、太繊度合成繊維ともポリエステルである場合は、ポリアミドまたは炭素繊維などが10%以内の少量であれば含有されても何等差し支えない。極細繊維の繊度は0.1デニール以下であり、0.01〜0.08デニールの範囲のものが好ましい。さらには、0.05〜0.06デニールの範囲のものがより好ましい。太繊度繊維の繊度は1デニール以上であり、2〜4デニールのものが好ましい。
【0010】
太繊度繊維が1デニール未満の場合には、編物が細い繊維のみから構成されることになり、ハリ、腰のない風合になり、また、寸法安定性に欠け、ニット特有の“笑い”が発現する。
【0011】
また、本発明においては、極細繊維と太繊度繊維との複合割合が重要であり、極細繊維は少なくとも太繊度繊維より多く含まれていることが好ましい。布帛の嵩高性、風合い、拭取性の点から極細繊維が50〜80重量%含まれていることが好ましく、さらには60〜70重量%含まれていることがより好ましい。
【0012】
1デニール以上の太繊度繊維は残りの部分を占めるのが基本である。しかし必要に応じて炭素繊維などの制電性繊維などが含まれてもなんら差支えない。1デニール以上の太繊度繊維は仮ヨリ加工などされていない生糸であることが好ましい。
【0013】
また、熱処理前の状態において極細繊維よりも高い収縮特性を有する。その収縮率は特に限定されるべきものではないが、重要なことは極細繊維よりも熱に対する収縮特性が大きいことである。極細繊維の沸騰水収縮率4〜8%に対し、太繊度繊維は10〜25%の収縮率のものがよい。特に、極細繊維の沸騰水収縮率より4〜8%大きい収縮率のものがより好ましい。すなわち、染色などの熱処理により太繊度繊維が極細繊維より大きな収縮が発現され編組織の繊維束内部を形成する。この収縮差を有することにより、熱処理後、太繊度繊維が比較的に糸の内層部(編物の内層部)を形成し、極細繊維が比較的に糸の表層部(編物の表層部)を形成することになる。両者の糸長差は極細繊維が太繊度繊維よりも3%以上長いものであることが好ましい。
【0014】
一方、極細繊維は仮ヨリ加工によるケン縮が付与されている。この仮ヨリケン縮により1本1本の単繊維配列を乱し、編物表面の嵩高性を大きくする。
【0015】
本発明においては、このような仮ヨリ加工された低収縮の極細繊維と高収縮の太繊度繊維とが流体交絡処理され、両者は互いに絡まり合い、複合一体化される。この複合糸は加撚されることなく、交絡により一体化されているため、収縮処理後は、極細繊維が表面にふくらみを持って出現するとともに風合は極めて軟らかいものとなる。
【0016】
編物の密度は、極細繊維を主体にウエル、コース共25000本/in以上の高密度とすることが好ましい。より好ましくは30000〜50000本/inの密度とする。例えば、80デニールで650フィラメントの極細繊維と太繊度繊維からなる複合糸が60本/inの密度であれば39000本/inの単繊維から構成されたものとみなす。ここで、25000本/in未満であれば、柔らかく腰のない編物になり、拭取性も悪い。拭取性の点から繊維の構成本数は多い程よいが、風合い、拭取作業性の点からおよび糸と糸との隙間の程度から無限に多い密度のものは存在しない。
【0017】
さらに編物を構成する単繊維の配列乱れが拭取性に方向性をもたないワイピングクロスになり得る。この配列乱れは必然的に発生するのではなく、編物表面をウォータージェット加工することにより得ることができる。編物表面をウォータージェット加工することにより、編糸を構成する単繊維が乱れ、表面の極細繊維の一部が糸内部に向かって太繊度繊維と絡み合うとともに、さらに編目の方向性がランダムになり、密度計:ルノメータで編密度が読めないか、または非常に読みにくい形態になり、編物の表面はセーム調に変化する。
【0018】
本発明のワイピングクロスは編物にもかかわらず寸法安定性が良好である。すなわち160℃での乾熱処理による収縮率が5%以下、および洗濯による寸法変化が5%以下である。好ましくは双方とも3%以下である。
【0019】
160℃での乾熱処理による寸法変化の測定はJIS L1042「織物の収縮率試験方法に準じて測定した。但し、乾熱処理温度、時間は160℃×3分とし、熱風式乾燥機中にタテ方向に吊り下げた。
【0020】
洗濯処理は、JIS L0217に記載された方法により行い、40℃×25分、すすぎ10分とした。
【0021】
編物は通常熱に起因する寸法変化が大きく5%以下に抑えることは困難とされてきたが、本発明の編物は160℃での乾熱処理による寸法変化および洗濯による寸法変化が5%以下である編物とすることにより、および繊維相互の絡み合いにより編物でありながら、寸法安定に優れ、かつ裁断面がほつれにくいポリエステル編物からなるワイピングクロスとすることができる。
【0022】
ワイピングクロスの良否は汚れの拭取性能はもちろんのことその拭取作業性が重要である。この拭取性能および拭取作業性は、板ガラスとワイピングクロスとの摩擦抵抗に関係がある。本発明のワイピングクロスは、1Kg/35cm2 荷重下での本ワイピングクロスとガラス板との摩擦抵抗が400〜900gの範囲にあり、この範囲の摩擦抵抗を有することにより、拭取性および拭取作業性に優れたワイピングクロスとすることができた。
【0023】
上記摩擦抵抗は以下の測定法により測定した。
【0024】
円形部分の面積が35cm2 である重さ1Kgの円筒体を用い、該円筒体の円形部分の面積よりやや大きめに裁断したワイピングクロスを該円筒体の円形部分に密着せしめた状態で、余剰部分を円筒体の筒状部に沿わせ、輪ゴムを該円筒体にはめ込み、筒状部に沿わせたワイピングクロスの余剰部分を輪ゴムで固定する。次に普通の板ガラスの上に、上記円筒体に取付けられたワイピングクロスを10cm/分の速度で移動させ、その抵抗値をUゲージを用いて測定することによって得る。
【0025】
本発明のワイピングクロスは布帛の厚さが拭取性に大きく起因し、0.4〜0.8mmの範囲のものが優れた拭取性とハンドリングを有することも見出した。特に、0.5〜0.7mmのものが好ましい。0.4mm未満の場合には汚れを十分に吸収できず、0.8mmを越える場合にはハンドリング性不良となる。
【0026】
厚みの測定は、ダイヤルゲージ(ピーコックメータ)を用い、荷重7g/cm2 したで測定した。
【0027】
さらに、本発明のワイピングクロスは、疎水性汚れとの親和性が強く洗濯時の洗濯液の汚れを選択的に吸着する作用があり、洗濯品と同時に本発明のワイピングクロスを適当量投入すれば合成繊維の黒ずみ防止効果もある。
【0028】
次に、本発明のワイピングクロスの製造方法の一例について説明する。
【0029】
本発明のワイピングクロスは、島成分が0.1デニール以下である海島構造を有する低収縮のポリエステル複合繊維フィラメントの仮ヨリ加工糸(A) と太繊度繊維で高収縮のポリエステル生糸(B) を引き揃えて、エアーノズルで流体交絡した複合糸を丸編機でインターロック方式で編成した編物を生機とし、この生機を熱水処理し、海成分を除去する。この海成分を除去することにより0.1デニール以下の極細繊維を得ることができる。海成分の除去はアルカリの存在下での処理が有効であり、通常水酸化ナトリウムが使用される。
【0030】
海島構造の複合繊維に代えて剥離型の分割繊維を使用することも可能である。仮ヨリ加工は通常のウーリー加工などを用いることができる。
【0031】
編物を作る方法はいかなる方法によってもよいが丸編でインターロック方式が生産性、裁断のほつれ防止などで効果的である。
【0032】
極細繊維を絡ませる方法は本発明の仮ヨリ加工極細繊維と高収縮生糸の流体交絡による複合で達成されるが、さらにウォータージェット加工により、より交絡が促進される。
【0033】
太繊度高収縮糸が染色などの熱処理による収縮処理により、極細繊維を浮き上げ、さらにウォータージェット加工による水圧により、1〜3%の収縮が生ずると同時に編糸を構成する単繊維が乱れ、表面の極細繊維の一部が糸内部に向かって太繊度繊維と絡み合うとともに、さらに編目の方向性がランダムになり、みえにくくなる。
【0034】
すなわち、脱海後の布帛を染色した後、50〜100Kg/cm2 の流体を小孔より布帛の表面に噴射させることにより、極細繊維はほぼ一本一本が分離し布帛表面に浮き出る形態を示す。この極細繊維が布帛の表面に選択的に浮き出るのは極細繊維よりも収縮率の大きい太繊度繊維の作用によるものである。すなわち、ウォータージェット加工することにより、繊維は配列を乱し、ランダムな配列となり、単繊維繊度の大きい高収縮糸が選択的に内層部を形成し、単繊維繊度の小さい極細繊維が表層部を形成し、ふくらみ感のあるワイピングクロスとすることができる。
【0035】
染色はポリエステルの通常の染色方法で加工される。すなわち分散染料を用いて、120〜135℃の高温染色が適用され、昇温速度は極細糸の染着性の点から0.5〜2℃/min がよい。ウォータージェット加工した布帛は乾燥および仕上セットされる。必要に応じて、帯電防止加工や吸水加工を施しても拭取性性に影響することは少なく何等差支えない。
【0036】
本発明においては、丸編であっても高収縮糸の収縮作用と流体交絡処理およびウォータージェット加工による交絡により、裁断面がほつれにくくなっている。本発明の高密度ポリエステル編物はワイピングクロスとして、従来にない優れた拭取性を有し、メガネ、レンズ、液晶材料、電子情報材料、機器類、真珠、宝石家具、自動車の窓などの油膜・汚れなどを精度高く拭きとることができる。
【0037】
なお、拭取性は次の方法で評価した。シリコーンオイルSH200 (東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)を注射針で約5mgガラス板上に落とし、直径45mm重さ1Kgの円柱状荷重の一端面に厚さ約1mm相当の織物を介して固定された試料(ワイピングクロス)をガラス板上に載せ1m/min の速度で移動し、シリコーンを拭きとる。次に乾式複写機用トナー(SF−76T(シャープ(株)製)をガラス板上に振りかけ、そのトナーを圧縮空気(1Kg/cm2 )で吹き飛ばす。ガラス板表面に積水化学工業(株)製のセロファンテープを貼り付けてガラス板上の残留トナーを剥ぎ取り、該セロファンテープに付着したトナーの程度を判定する。トナーがまったく付着しないもの(ガラス板のシリコーンを完全に拭きとったもの)を5級、トナーが極めて多量に残るものを1級として5段階で肉眼判定した。拭取作業性・風合・笑いの程度は官能評価した。
【0038】
【実施例】
以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0039】
実施例1
極細繊維は50デニール9フィラメント、[70島/フィラメント:東レ(株)製]の海島型ポリエステルで島成分がポリエチレンテレフタレートで海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶型ポリエステルからなる繊維(海島の比率は10/90)を用いた。この糸の沸騰水収縮率は5.8%であった。高収縮生糸は30デニール12フィラメントのポリエステル糸[東レ(株)製]を用いた。この糸の収縮率は13.8%であった。一方、極細繊維は脱海することなく仮ヨリ加工(仮ヨリ数:3000T/M、温度:180℃)し、高収縮生糸と引き揃えてエアー交絡(極細糸のオーバフィード率:2%、空気圧:3Kg/cm2 )し、複合糸を得た。さらに丸編機32G、36インチ)を用いてインターロック方式で編成し生機とした。この生機を一旦130℃×20分の熱処理後さらに80℃で30分間水酸化ナトリウム1%存在下で処理することにより完全に海成分を除去した。次に通常の方法で染色し、表面から100Kg/cm2 の圧力でウォータージェット加工した。その後130℃でヒートセットし、ウエル、コースを60本/inに設定した。得られた編物の極細繊維の割合は65重量%で、極細繊維を主体とする単繊維はウエル・コース共約35000本/in以上の高密度編物であった。目付は210g/m2 で、生機に対して、幅:68%、長さ:72%に収縮した。しかし、製品の160℃における乾熱収縮率は1.6%、洗濯収縮率も2%以下の寸法安定性のあるワイピングクロスであった。
【0040】
図1は上記実施例におけるウォータージェット加工後の編物表面SEM写真であり、図2は上記実施例における染色後でウォータージェット加工前の編物表面SEM写真である。図1に示すように本発明のワイピングクロスは外観は編物の組織を失いあたかもセーム調になり、風合いもしなやかであった。伸縮に起因する笑いもなかった。
【0041】
比較例1
実施例1と同様の複合糸からなる編物を染色加工まで同方法で作製し、ウォータージェット加工をせずに仕上げた。風合はしなやかで伸縮性に富むが、笑いが大きく寸法安定性に欠けるものであった。
【0042】
比較例2
実施例1と同一の海島型ポリエステルを仮ヨリ加工せず高収縮生糸と引き揃えた糸を用いて、実施例1と同様の方法で加工した。得られた編物の目付は195 g/m2 で、外観はセーム調であるが、ボリュウム感にやや欠け伸縮に起因する笑いが大きいものであった。
【0043】
比較例3
実施例1と高収縮糸単独を2本を引き揃えた糸だけを用いて、実施例1と同様の方法で加工した。得られた編物は硬く、柔軟性に欠けるものになった。
【0044】
比較例4
実施例1と同一の海島型ポリエステルと高収縮糸の複合糸からなる平織物(目付:230g/cm2 )を作製し、以下実施例1と同条件でワイピングクロスを試作した。風合が硬く拭取作業性が悪くワイピングクロスとしては不満足であった。 実施例1および比較例1〜4の拭取性および布帛の特性を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003824240
実施例1の布帛は優れた拭取性・拭取作業性・風合を有し、笑いがないものであった。比較例1はウォータジェット加工を施さないため、繊維の収縮が十分でなく、極細糸の分繊性も悪いため、笑いが強く実用上の問題であった。比較例2は単繊維間の絡みに欠けボリュム感も少なく、拭取作業性と笑いが欠点であった。比較例3は高収縮糸単独で単糸繊度も大きく、拭取性が悪い。比較例4は使用原糸は同じであるが織物構造のため、拭取作業性がわるく、風合が硬い。
【0046】
実施例2
極細繊維は100デニール18フィラメント[70島/フィラメント:東レ(株)製]の海島型ポリエステルで島成分がポリエチレンテレフタレートで海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶型ポリエステルからなる繊維(海島の比率は10/90)を用いた。高収縮生糸は30デニール12フィラメントのポリエステル糸[東レ(株)製]を用いた。以下実施例1と同様の方法で加工した。但し、製品のウエル、コースはそれぞれ38本/inに設定した。得られた編物の目付は238g/m2 で、外観はセーム調になり、風合もしなやかであった。伸縮に起因する笑いもなかった。
【0047】
比較例5
極細繊維50デニール9フィラメント[70島/フィラメント:東レ(株)製]の海島型ポリエステルで島成分がポリエチレンテレフタレートで海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶型ポリエステルからなる繊維(海島の比率は10/90)からなる平織物を実施例1の方法で脱海し、染色・ウォータージェット加工した。得られた織物の目付は80g/m2 で薄い生地であった。
【0048】
実施例2で得た編物と比較例5で得た織物のワイピングクロスとしての性能を調べ表2に示した。
【0049】
実施例2のものは高い拭取性とボリュウム感があり、拭取作業性も良好であった。一方、比較例5の織物は拭取性は良好であったが、厚みも少なくボリューム感に欠け拭取容量の点では不十分である。
【0050】
【表2】
Figure 0003824240
【0051】
【発明の効果】
本発明の高密度ポリエステル編物からなるワイピングクロスは、編物でありながら、寸法安定性に優れるとともに、裁断面からほつれ難く、しかも極細糸が編物表面にふくらみをもって出現しているため、風合が柔軟で、適度なボリューム感、摩擦抵抗、優れた拭取性・拭取作業性を有するという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるウォータージェット加工後の編物表面SEM写真である。
【図2】本発明の実施例1における染色後でウォータージェット加工前の編物表面SEM写真である。

Claims (9)

  1. 主として単糸繊度0.1デニール以下の仮ヨリ加工された極細合成繊維50〜80重量%と単糸繊度1デニール以上の太繊度合成繊維とからなる複合糸で構成され、該極細合成繊維を主体とする単繊維がウエル、コース共25000本/in以上で構成されてなる高密度編物からなり、上記太繊度繊維が比較的に編物の内層部を形成し、極細繊維が比較的に編物の表層部にふくらみをもって出現してなるとともに、これら両繊維は互いに交絡を形成しており、かつ、編物表層部は、編目が見えない程度に極細単繊維の配列が乱れてなることを特徴とする高密度編物からなるワイピングクロス。
  2. 極細合成繊維が太繊度繊維よりも3%以上の糸長差を有していることを特徴とする請求項1記載の高密度編物からなるワイピングクロス。
  3. 160℃における乾熱収縮率が5%以下、および洗濯収縮率が5%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高密度編物からなるワイピングクロス。
  4. 1Kg/35cm2荷重下での摩擦抵抗が400〜900gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高密度編物からなるワイピングクロス。
  5. 編物が丸編であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高密度編物からなるワイピングクロス。
  6. 編物の厚さが0.4〜0.8mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高密度編物からなるワイピングクロス。
  7. 極細合成繊維および太繊度合成繊維がポリエステルからなるものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高密度編物からなるワイピングクロス。
  8. 島成分の繊度が0.1デニール以下である海島構造を有する複合フィラメント繊維仮ヨリ加工糸と高収縮フィラメント繊維とからなる複合糸を用いて製編してなる編物を熱水中で処理し、海成分を除去した後、編物表面をウォータージェット加工して、島成分からなる極細単繊維の配列を、編物表層部の編目が見えない程度に乱すことを特徴とする請求項1記載の高密度編物からなるワイピングクロスの製造方法。
  9. 太繊度繊維の沸騰水収縮率が10〜25%の範囲のものであることを特徴とする請求項記載の高密度編物からなるワイピングクロスの製造方法。
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