JP3758095B2 - 生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法 - Google Patents

生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3758095B2
JP3758095B2 JP10455296A JP10455296A JP3758095B2 JP 3758095 B2 JP3758095 B2 JP 3758095B2 JP 10455296 A JP10455296 A JP 10455296A JP 10455296 A JP10455296 A JP 10455296A JP 3758095 B2 JP3758095 B2 JP 3758095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compounds
derivative
drug
fiber
algae
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10455296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09273073A (ja
Inventor
英夫 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP10455296A priority Critical patent/JP3758095B2/ja
Publication of JPH09273073A publication Critical patent/JPH09273073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3758095B2 publication Critical patent/JP3758095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法に関し、さらに詳しくはかび、藻類、細菌等の生物の付着、増殖に対して抵抗性があり、さらにダニ類に忌避性を有する繊維製品の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、かび、藻類、細菌、及びダニ類に抵抗性を有する繊維製品が種々検討されており、例えばチアゾベンズイミダゾール(以下、TBZと記す)を含有する繊維製品が知られている。この薬剤は、25〜30年前より繊維製品や建材用途、壁紙や壁土用途等に多用されている。しかし、TBZはある種のかびや細菌には抵抗性を示すが、元々抵抗性を示さないかびや細菌があり、また耐性かびや耐性菌には抵抗性を示さず、抗菌スペクトルが狭い。従って、このような薬剤を用いた繊維製品は、居住環境に存在するかびや細菌に対し高々50%程度の有効性しかなかった。さらにこのような薬剤は、藻類、ダニ類に対して抵抗性を殆ど示さなかった。
【0003】
また第4級アンモニウム塩や銀含有セラミックス等の抗菌剤が近年特に衣料用繊維製品に多く使用されている。これらの抗菌剤は練り込みや繊維表面への後加工が主で、相応の抗菌性能を有しているが、細菌に対する抵抗性はあっても、かび、藻類、ダニ類に対しては、ほとんど抵抗性のあるものはない。
【0004】
一方、有機錫や微細な銅粉を繊維に付与し、水中や海中の付着性生物に対して抵抗性を有する繊維資材が開発されているが、有機錫の毒性や高濃度付与のため製造技術やコストに問題を残している。
【0005】
またダニ類の抵抗性(主として忌避性)を付与した繊維も市場に多く上市されており、その薬剤はジエチルトルアミド(DEET)の加工品(マイクロカプセル化)やアミド系、チオシアネート系、カルボン酸エステル類、ボルニルアルコール誘導体が主体である。これらの薬剤は人体への安全性を考慮し、ダニの忌避効果をうたうものが中心であり、一定以上の忌避率を示すが、かび、細菌、藻類に関して抵抗性を示すものは、ほとんど見当らないのが現状である。
【0006】
以上のように、かび、細菌、藻類、およびダニ類に対して十分な抵抗性を有し、かつ各生物類に対してスペクトルが広い繊維製品は未だ開発されておらず、複数の抵抗性が必要な用途や各抵抗性が従来の製品では満足されていない用途では、このような製品の開発が望まれている。
【0007】
一方、これらの機能加工薬剤を繊維に付与する手段として、大別すると原料段階で練り込む方法と樹脂を併用した後加工処理がある。
練り込み方法では、耐熱性、変色性、製綿、製糸性、ロットサイズ等で制約を受け、また後加工処理では耐久性や外観・風合い変化等の問題点が残されており、より経済的で効率の良い付与方法が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の欠点を解決するために創案されたものであり、その目的は、かび、細菌、藻類、およびダニ類に対して十分な抵抗性を有し、かつ各生物類に対してスペクトルが広い生物抵抗性を有する繊維製品の経済的で効率の良い加工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる目的を達成するために、かび、藻類、細菌等の生物の付着、増殖に対して抵抗性があり、さらにダニ類に忌避性を有する繊維製品の経済的で効率の良い加工方法について鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。
【0010】
即ち、本発明は生物抵抗性を有する下記薬剤(I)を繊維の染色工程及び/又は仕上加工工程に染料や仕上剤と共に付与し、前記染色工程及び/又は仕上加工工程時の加熱プロセスを活用し、そのプロセスで加熱処理によって下記薬剤(I)を繊維に対して0.01〜5.0重量%固着せしめる生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法である。
薬剤(I):ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物およびベンズイミダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも4種の化合物。
【0011】
本発明の好適な実施態様では、上記薬剤(I)が、ハロイソフタロニトリル誘導体、ピリジンチオール−1−オキシド誘導体、スルフォニルハロピリジン誘導体、ハロアルキルチオスルファミド誘導体、ヨードスルフォニルベンゼン誘導体、イソチアゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベンズイミダゾール誘導体およびベンズイミダゾールカルバミン酸誘導体からなる群より選択される少なくとも4種の化合物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される生物抵抗性を有する薬剤は、ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物およびベンズイミダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも4種の化合物であり、好ましくは少なくとも6種の化合物であり、特に好ましくは少なくとも7種の化合物である。薬剤の種類が4種未満の場合、得られた繊維製品は生物に対する抵抗スペクトルが狭く、耐性の生物の発生を抑えることができない。これらの化合物は、いずれも分解温度が高く、水に対する溶解性が低く、安全性の高い化合物である。
【0013】
ニトリル系化合物としては、例えばハロイソフタロニトリル誘導体等が挙げられ、ピリジン系化合物としては、例えばピリジンチオール−1−オキシド誘導体、スルフォニルハロピリジン誘導体等が挙げられる。ハロアルキルチオ系化合物としては、例えばハロアルキルチオスルファミド誘導体、テトラクロロエチルチオテトラヒドロフタルイミド誘導体等が挙げられる。有機ヨード系化合物としては、例えばヨードスルフォニルベンゼン誘導体、プロパルギルブチルカルバミン酸誘導体等が挙げられる。チアゾール系化合物としては、例えばイソチアゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベンズイミダゾール誘導体等が挙げられる。ベンズイミダゾール系化合物としては、例えばベンズイミダゾールカルバミン酸誘導体等が挙げられる。
【0014】
上記薬剤は、好ましくはハロイソフタロニトリル誘導体、ピリジンチオール−1−オキシド誘導体、スルフォニルハロピリジン誘導体、ハロアルキルチオスルファミド誘導体、ヨードスルフォニルベンゼン誘導体、イソチアゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベンズイミダゾール誘導体およびベンズイミダゾールカルバミン酸誘導体からなる群より選択される少なくとも4種の化合物、より好ましくは少なくとも6種の化合物、特に好ましくは少なくとも7種の化合物であり、より好ましくは、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルフォニルピリジン、N,N−ジメチル−N′−フェニル−N′−ジクロロフルオロメチルチオスルファミド、ジヨードメチル−p−トリルスルフォン、2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(4−チアゾリル)−1H−ベンゾイミダゾール、1H−2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチルからなる群より選択される少なくとも4種の化合物、特に好ましくは少なくとも6種の化合物、最も好ましくは少なくとも7種の化合物である。また、上記の生物に対する抵抗性が十分であり、スペクトルが狭くならず、耐性の生物の発生を抑えることができれば、同系化合物より2種以上選択してもよい。
【0015】
上記薬剤の中で、特にかびに対して抵抗性を有する化合物は、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルであり、特に細菌に対して抵抗性を有する化合物は、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルフォニルピリジンであり、特に藻類に対して抵抗性を有する化合物は、N,N−ジメチル−N′−フェニル−N′−ジクロロフルオロメチルチオスルファミドであり、ダニ類に対してはこれらの化合物の併用による複合作用であると考えられる。
【0016】
全薬剤に対する各薬剤の含有量は、好ましくは全薬剤中、1.0重量%〜90重量%、より好ましくは3.0重量%〜70重量%である。この含有量が1.0重量%未満の場合、各薬剤の効果が不十分となり、逆に90重量%を超える場合、他の薬剤の含有率が低くなってそれらの効果が不十分となるので好ましくない。薬剤の合計の付与量および各含有量は、得られる製品の使用環境等により、上記範囲内で適宜決定される。
【0017】
繊維製品に対する薬剤の付与量は0.05〜5重量%が好ましいが、練り込み法で付与する場合は、薬効が繊維ポリマーに希釈されるため、0.5〜5重量%の高率練り込みが必要となり、コストへの影響が大きく経済性に劣る。また練り込む相手繊維により、ポリマーの溶解(溶融)時に輝散、変色等の危険性を持っている。この傾向は、ポリエステルやナイロン等の紡糸温度の高い繊維ほど大きい。当該薬剤をできるだけ繊維表面へ固着させることが必要であり、アクリル系、酢ビ系、ウレタン系等の樹脂バインダーと併用する後加工法もあるが、風合いや外観及びテキスタイル化での加工性への影響があり、より経済的で効率の良い加工方法が望まれていた。
かかる要請を考慮して本発明者は当該薬剤を繊維の染色工程及び/又はその後の仕上加工工程時の加熱プロセスを活用し、そのプロセスで繊維表面へ固着させる経済的な加工法を見出し、本発明を完成した。繊維の過半は染色、仕上げ工程を通るため、これらの熱処理を有効に活用するものである。
【0018】
本発明の薬剤を染色と同時に又はその後の熱処理で熱固着させる方法は練り込み方式に比べて付与量が0.05〜1.0%程度と少なくてすみ、経済的であると同時に、練り込みの溶融温度より低い熱処理温度を利用するため、薬剤の安定性が向上する利点を持つ。
また紡糸以降の染色加工までのプロセスで当該薬剤を付与したものは、染色の熱処理により脱落しやすいため、本発明の染色工程及び/又は染色後の仕上加工工程の熱を利用する方法は練り込み方式の繊維に比べて劣るものの、洗濯やドライクリーニング等での脱落が少なく充分な耐久性を持つ。
【0019】
本発明の加工方法は、木綿、羊毛、麻、絹等の天然繊維、レーヨン、ポリノジック、アセテート等の化学繊維、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、モダアクリル、ポリウレタン等の合成繊維等の全ての繊維に適用できる。
また、加工の形態は、ステープル状、フィラメント状、編物状、織物状、及び不織布状等、その形態に適した染色仕上加工に適用できる。
【0020】
本発明の加工方法は染色加工及び仕上加工の熱を利用するため、本発明で使用される薬剤は粒径の小さいものほど均一付着と耐久性向上のために好ましく、粒径は10μm以下、好ましくは1μm以下の微粉体が好適である。
【0021】
このようにして得られた繊維製品は生物抵抗性を有する衣服類、生活用品、スポーツレジャー用品、建築土木資材、農林水産資材、産業用資材等種々の繊維製品に加工され、例えば製品を使用中又は保管中に生物が発生し、これらが製品に付着寄生し繁殖する場所において有効に使用される。
【0022】
本発明の方法で得られた繊維製品は、生活空間に存在する、かび、細菌、藻類、及びダニ類に対して広いスペクトルで抵抗性を有する。
本発明の方法で得られた繊維製品が抵抗性を有するかびとしては、例えばグロスポラ オリゼー、クラドスポリウム レジネ、クラドスポリウム ヘルバレム、クラドスポリウム クラドスポリオイダス、クラドスポリウム サファエロスペルマ、トリコデルマ コニンギ、トリコデルマ T−1、トリコデルマ ビリディ、フォーマ グロメラータ、フォーマ テレスチアス、プルラリア プルランス、グリオクラディウム ビレンス、ゲオトリカム ラクタス、ゲオトリカムカンディダム、ベスタロチア アダスタ、ベスタロチア ネグレクタ、ミロテシウム フェルカリア、アルテルナリア テナース、アルテルナリア ブラッシコーラ、アルテルナリア アルテルナータ、アスペルギルス ニガー、アスペルギルス フレーバス、アスペルギルス フェルシコール、アスペルギルス オリゼー、アスペルギルス テレウス、アスペルギルス フュミガタス、オーレオバシディウム プルランス、フザリウム モニリフォルメ、フザリウム セミテクタム、フザリウム プラリフェラタム、フザリウム ロゼウム、フザリウム ソラニ、フザリウム オキシスボラム、リゾプス ニグリカンス、リゾプス ストロニフェル、ペニシリウム シトリナム、ペニシリウム イクパンサ、ペニシリウム フュニキュローザム、ペニシリウム リラシナム、ペニシリウム ニグリカンス、ペニシリウム フレクエンタス、ペニシリウム シトレオビリティ、ムコール ラセマサス、ユーロチウム トナフィラム、トリコフィートン メンタグロフィテス、モニリア フルクチガーナ、ケトミウム グロボーサム、エビコッカム パープラセンス、アクレモニウム チャルティコーラ、ワレミア セビ、カンジタ アルビカンス、ストレプトフェテシリウム レティカレム、サッカロミセス セレビシ、ボトリティス シネレア等が挙げられる。
【0023】
藻類としては、例えばプロロコッカス スピーシーズ、アナベーナ スピーシーズ、クラドフォーラ グロモラータ、アナシィスティ ニダランス、アンキストロデマス アンガスタス、クラミディモーナス ラインハーティ、ノストカレス スピーシーズ、ウロトリカセー スピーシーズ、トレントポーリア オーダラータ、トレントポーリア オーレ、アナシィスティ モンタナ、アナシィスティ サマーリ、クロロコッカンマ スピーシィーズ、サイトニマ ホフマネ、キャロスリックス パルレティーナ、スキゾスリクス カルシコーラ、クロレラ エゾマーニ、クロレラ ブルガーレス、トライボニーマ スピーシーズ、スキゾスッリクス フリーシー、スキゾスッリクス ルベーラ、オッセラトリア ルーティーエー、ホーメディアム スピーシーズ、シリンドロキャプサ スピーシーズ、ナビキャーラ スピーシーズ等が挙げられる。
【0024】
細菌としては、例えば黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、枯草菌、変形菌、ブタコレラ菌、チフス菌、結核菌、ネズミチフス菌、肺炎桿菌等が挙げられる。ダニ類としては、例えばコナヒョウヒダニ、ヤケヒョウダニ等が挙げられる。
【0025】
【実施例】
次に本発明を実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例で得られた繊維製品に対して、防かび試験、防藻試験、抗菌試験およびダニ忌避試験を実施したが、これらの試験方法及び評価方法は次のとおりである。
【0026】
防かび試験
MIL STD 810D Method508・3変法を採用し、以下に示す62種の混合かびを使用した。湿式法による混合胞子懸濁液から直接接種し、ポテトデキストロースアガー培地(PDA、クロラムフェニコール等の抗生物質無添加)で、温度30℃±5℃、湿度95%±5%RH、風速60cm/秒の条件で28日間培養した。次の5段階によリ評価した。
0・・・かびの発育が全く見られない。
1・・・かびの発育が僅かにある。
2・・・かびの発育が少しある。
3・・・かびの発育がかなりある。
4・・・かびの発育が激しくある。
【0027】
防かび試験で使用したかびは次に示すかびであった:ニグロスポラ オリゼー、クラドスポリウム レジネ、クラドスポリウム ヘルバレム、クラドスポリウム クラドスポリオイダス、クラドスポリウム サファエロスペルマ、トリコデルマ コニンギ、トリコデルマ T−1、トリコデルマ ビリディ、フォーマ グロメラータ、フォーマ テレスチアス、プルラリア プルランス、グリオクラディウム ビレンス、ゲオトリカム ラクタス、ゲオトリカム カンディダム、ペスタロチア アダスタ、ペスタロチア ネグレクタ、ミロテシウム フェルカリア、アルテルナリア テナース、アルテルナリア ブラッシコーラ、アルテルナリア アルテルナータ、アスペルギルス ニガー、アスペルギルス フレーバス、アスペルギルス フェルシコール、アスペルギルス オリゼー、アスペルギルス テレウス、アスペルギルス フュミガタス、オーレオバシディウム プルランス、フザリウム モニリフォルメ、フザリウム セミテクタム、フザリウムプラリフェラタム、フザリウム ロゼウム、フザリウム ソラニ、フザリウムオキシスポラム、リゾプス ニグリカンス、リゾプス ストロニフェル、ペニシリウム シトリナム、ペニシリウム イクパンサ、ペニシリウム フュニキュローザム、ペニシリウム リラシナム、ペニシリウム ニグリカンス、ペニシリウム フレクエンタス、ペニシリウム シトレオビリティ、ムコール ラセマサス、ユーロチウム トナフィラム、トリコフィートン メンタグロフィテス、モニリア フルクチガーナ、ケトミウム グロボーサム、エピコッカム パープラセンス、アクレモニウム チャルティコーラ、ワレミア セビ、カンジタ アルビカンス、ストレプトフェテシリウム レティカレム、サッカロミセス セレビシ、バシルス サブティリス、バシルス メガテリウム、スタフィロコッカス オーレ、シュードモナス エルギノッサ、シュードモナス フルレッセンス、サルモネラ タイフィマリアム、エスケリチア コリ、ポトリティス シネレア、プロテウス バルガリス。
これらのかびは、それぞれ6℃±4℃で保存された30日以内のストックカルチャー純培養菌、またはサブカルチャー菌であった。
【0028】
防藻試験
以下に示す25種の混合藻を使用した。湿式法による混合藻分散液から直接接種し、以下に示す培地で、温度25℃〜30℃、湿度90%RH〜100%RHの条件で、フ卵器内で28日間培養した。培養中、1日4時間以上は、シャーレの上ブタを取り、1500Lux(60W陽光蛍光灯)照射した、7日毎に次の5段階により評価した。
0・・・藻の発育が全く見られない。
1・・・藻の発育が僅かにある。
2・・・藻の発育が少しある。
3・・・藻の発育がかなりある。
4・・・藻の発育が激しくある。
【0029】
使用した培地は以下の成分より構成された。
KNO3 1.25g
MgSO4 ・7H2 O 1.25g
NaCl 1.25g
FeSO4 ・H2 O 0.05g
CaCl2 0.1g
3 HPO4 0.35g
寒天 15g
純水 1000ml,pH5.8
【0030】
防藻試験で使用した藻類は次に示す藻であった:プロロコッカス スピーシーズ、アナベーナ スピーシーズ、クラドフォーラ グロモラータ、アナシィスティ ニダランス、アンキストロデマス アンガスタス、クラミディモーナス ラインハーティ、ノストカレス スピーシーズ、ウロトリカセー スピーシーズ、トレントポーリア オーダラータ、トレントポーリア オーレ、アナシィスティモンタナ、アナシィスティ サマーリ、クロロコッカンマ スピーシィーズ、サイトニマ ホフマネ、キャロスリックス パルレティーナ、スキゾスリクス カルシコーラ、クロレラ エゾマーニ、クロレラ ブルガーレス、トライボニーマ スピーシーズ、スキゾスッリクス フリーシー、スキゾスッリクス ルペーラ、オッセラトリア ルーティーエー、ホーメディアム スピーシーズ、シリンドロキャプサ スピーシーズ、ナビキャーラ スピーシーズ。
【0031】
抗菌試験
黄色ぶどう状球菌を用いた繊維製品衛生加工協議会(略称 SEK)の菌数測定法による菌増減値差を採用した。菌増減値差は標準白布(抗菌処理を行ってないもの)の18時間培養後の菌数(対数)と供試材の18時間培養後の菌数(対数)との差で示した。SEKでは、1.6以上で抗菌防臭効果があるとし、1.6未満では抗菌防臭効果がないとしている。
ダニ忌避試験
コナヒョウヒダニを用い、大阪府立公衆衛生研究所法で試験した。
【0032】
実施例 I
日本エクスラン工業(株)製のアクリルステープル(K82d×51mm)を、オーバーマイヤー染色機を用い、常法にてカチオン染料染色を実施した。
染色熱処理は70℃投入20分間で沸騰するまで昇温し、沸騰状態で45分間の工程とし、染色処理と同時に表1に記載の薬剤を添加し処理した(実施例1〜6、比較例1〜3)。
【0033】
【表1】
Figure 0003758095
【0034】
このアクリルステープルを綿番手20番の紡績糸とし、編機で丸編ニット生地を作成した。この生地をJIS−L−0217 103法に準じた家庭洗濯を10回繰り返し、未洗濯品を含めて、防かび、防藻、抗菌、及びダニ忌避試験の評価を行なった。
【0035】
その結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003758095
表2の結果からわかるように、本発明の実施例1〜6の生地は各評価において良好な結果を得ることができた。
【0036】
実施例 II
東洋紡績(株)のポリエチレンテレフタレートフィラメント150デニール/48フィラメントを用いて経65本/吋、緯50本/吋打込みの平織物を作成した。この織物を液流染色機を用いて60℃から130℃まで40分間で昇温し、130℃で25分間の常法分散染料染色を実施した。
染色と同時に表1に記載の薬剤を添加し、繊維表面へ熱固着させた(実施例1′〜6′、比較例1′〜3′)。この加工生地について実施例Iと同様の評価を行なった。
【0037】
その結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0003758095
表3の結果からわかるように本発明の実施例1′〜6′の生地は各評価において良好な結果を得ることができた。
【0038】
実施例 III
綿番手30番の木綿コーマー糸を用い、18G丸編機で丸編ニットを作成し、開反後、常法による精練、漂白、反応染料染色を実施してニット生地を作成した。表1に記載の薬剤とともに日華化学(株)製、柔軟仕上剤(サンソフロンFD−304)を繊維に対して1%o.w.f.となるようにパッド処理し、120℃で20分間ピンテンターを用いて乾燥処理をした(実施例1″〜6″、比較例1″〜3″)。この加工生地について実施例Iと同様の評価を行なった。
【0039】
その結果を表4に示す。
【表4】
Figure 0003758095
表4の結果からわかるように本発明の実施例1″〜6″の生地は各評価において良好な結果を得ることができた。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の加工方法によれば、かび、細菌、藻類およびダニ類に対して広く抵抗性を有する繊維製品を経済的に効率良く提供することができる。

Claims (2)

  1. 生物抵抗性を有する下記薬剤(I)を繊維の染色工程及び/又は仕上加工工程に染料や仕上剤と共に付与し、前記染色工程及び/又は仕上加工工程時の加熱プロセスを活用し、そのプロセスで加熱処理によって下記薬剤(I)を繊維に対して0.01〜5.0重量%固着せしめる生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法。
    薬剤(I):ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物、およびベンズイミダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも4種の化合物。
  2. 薬剤(I)が、ハロイソフタロニトリル誘導体、ピリジンチオール−1−オキシド誘導体、スルフォニルハロピリジン誘導体、ハロアルキルチオスルファミド誘導体、ヨードスルフォニルベンゼン誘導体、イソチアゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベンズイミダゾール誘導体およびベンズイミダゾールカルバミン酸誘導体からなる群より選択される少なくとも4種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法。
JP10455296A 1996-04-01 1996-04-01 生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法 Expired - Fee Related JP3758095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10455296A JP3758095B2 (ja) 1996-04-01 1996-04-01 生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10455296A JP3758095B2 (ja) 1996-04-01 1996-04-01 生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09273073A JPH09273073A (ja) 1997-10-21
JP3758095B2 true JP3758095B2 (ja) 2006-03-22

Family

ID=14383642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10455296A Expired - Fee Related JP3758095B2 (ja) 1996-04-01 1996-04-01 生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3758095B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4208331B2 (ja) * 1998-04-24 2009-01-14 東レ株式会社 抗菌性繊維構造物およびその製造方法
JP4258881B2 (ja) * 1999-03-19 2009-04-30 東レ株式会社 拭取布帛およびその製法
JP3882381B2 (ja) * 1999-03-19 2007-02-14 東レ株式会社 ワイピングクロスおよびその製造方法
JP2000345406A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Toray Ind Inc ハンカチおよびその製造方法
JP4214625B2 (ja) * 1999-07-08 2009-01-28 東レ株式会社 ワイピングクロスおよびその製造方法
JP4587137B2 (ja) * 2000-03-31 2010-11-24 第一ビル管理株式会社 抗菌組成物
WO2006006415A1 (ja) * 2004-07-08 2006-01-19 Kuraray Co., Ltd 塗料用親水性樹脂組成物および該樹脂組成物が分散されてなる塗料
JP6270622B2 (ja) * 2014-05-20 2018-01-31 日華化学株式会社 繊維用抗菌抗かび剤及び抗菌抗かび性繊維製品の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0411074A (ja) * 1990-04-27 1992-01-16 Senka Kk 繊維の抗菌加工方法
JPH05139918A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Nikka Chem Co Ltd 抗菌防臭剤
JPH0770935A (ja) * 1993-08-30 1995-03-14 Kanebo Ltd 洗濯耐久性抗菌防黴繊維構造物
JPH07268780A (ja) * 1994-03-24 1995-10-17 Matsui Shikiso Kagaku Kogyosho:Kk 抗菌性繊維製品類

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09273073A (ja) 1997-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6612375B6 (ja) 布地及び関連する基材のための消毒性組成物、及び抗菌的、抗ウイルス的、及び抗真菌的消毒性、洗浄耐久性を提供し、多機能的特性を用いて必要に応じて強化するための基材の処理方法
Sun et al. Durable and Regenerable Antibacterial Finishing of Fabrics: Biocidal Properties.
JP4335166B2 (ja) 抗菌仕上げ剤を有する繊維基体ならびその製造法および使用法
JP3495330B2 (ja) 改善された織物用抗菌剤としてのエステル化されたトリクロサン誘導体
US20080102217A1 (en) Process for anti-microbial textiles treatment
JP3758095B2 (ja) 生物抵抗性を有する繊維製品の加工方法
JP2003253559A (ja) 抗菌性を有する繊維構造物
Dhillon et al. Mosquito repellent eucalyptus and rosemary essential oil finishes for cotton fabric
JP2005154965A (ja) 生物抵抗性繊維布帛、その製造方法及びそれを用いた繊維製品
JPH06313269A (ja) 防かび性防水布帛およびその製造方法
Jain et al. Development of antimicrobial textiles using zinc pyrithione
CN109983172A (zh) 抗菌再生纤维素纤维及其制备方法
JPH09273075A (ja) 生物抵抗性を有する繊維の製造方法
JPS595703B2 (ja) 繊維製品類の耐洗濯性衛生加工方法
CN101660272A (zh) 织物及其制品通用防虫整理剂的配方及其工艺
Varan et al. The Effects of Quat-Silane Antimicrobials on the Physical and Mechanical Properties of Cotton and Cotton/Elastane Fabrics Used for Clothing
Rajendran et al. Development of a versatile antimicrobial finish for textile materials for healthcare and hygiene applications
JP3887053B2 (ja) 抗菌性繊維製品およびその製造法
KR102163245B1 (ko) 반영구적인 항균 및 항곰팡이성을 갖는 합성 섬유 및 이의 용도
Sagar Biodeterioration of textile materials and textile preservation
JP2002038373A (ja) 抗菌繊維
JPH09217269A (ja) 抗菌性繊維及びその製造方法
JPH0670305B2 (ja) 繊維質製品に耐光性および耐ドライクリーニング性を有する屋内塵性ダニ致死性加工を施す方法
JP4362708B2 (ja) 花粉付着防止能を有するセルロース系繊維又は繊維製品
JP2002235282A (ja) 抗菌繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140113

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees