JPH09217269A - 抗菌性繊維及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性繊維及びその製造方法

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JPH09217269A
JPH09217269A JP4844396A JP4844396A JPH09217269A JP H09217269 A JPH09217269 A JP H09217269A JP 4844396 A JP4844396 A JP 4844396A JP 4844396 A JP4844396 A JP 4844396A JP H09217269 A JPH09217269 A JP H09217269A
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chitosan
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solution
acid
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Teruo Akashi
輝雄 明石
Hiroyuki Kinouchi
裕之 木ノ内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (イ) アイロン等の熱による黄変を軽減した抗
菌性繊維、その製法。 (ロ) 熱黄変を軽減し、皮膚に対する被れ等を軽減した
抗菌性繊維、その製法。 【解決手段】 亜鉛とキトサンを含有する抗菌性繊
維。 繊維にキトサン溶液と亜鉛水溶液を付与する製
法。 亜鉛とキトサンを含有し、繊維PHが4.8〜
6.5である抗菌性繊維。 アルカリ性化合物でPH
4.8〜6.5に調製されたキトサン溶液と亜鉛水溶液
を付与する製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体に安全な抗菌
性、防臭性を有する繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、蟹や海老を原料として得られたキ
チンの脱アセチル化物であり、食品添加物としても認め
られている極めて安全性の高いキトサンを使用した繊維
の製造方法が、種々の目的、例えば、繊維染色物の染色
堅牢度向上(例1、特開平4−65579号公報)、風
合や光沢を改良(例2、特開平1−61572号公
報)、不織布の繊維間結合剤として使用し、微生物分解
性とする(例3、特開平3−27165号公報)、抗菌
防臭性繊維を得る(例4、特開平5−44165号公
報)等の目的で種々開示されている。
【0003】これらの目的を達成するために、従来、上
記例1〜4の代表例の様に、水不溶性であるキトサン
を、無機酸または有機酸の水溶液で溶解し、キトサン酸
塩とした水溶液単独、又は、他の物質を溶解混合したキ
トサン酸塩混合溶液(以下、キトサン溶液と略称す
る。)を、繊維に噴霧、浸漬・遠心脱水、又はマングル
脱水、コーティング等の方法により、キトサン溶液を付
与し、乾燥して、仕上げていた。上記例1〜4の方法に
よれば、キトサン溶液を繊維に付与し、乾燥するのであ
るが、乾燥中にキトサンが分解し黄変する現象がある。
そのために、乾燥温度を低くし、乾燥時間を長くする必
要があり、また、加工中の黄変が避けられたとしても、
裁断縫製時のアイロン、着用洗濯後のアイロン等で黄変
するという問題があった。
【0004】また、上記例1〜4の方法により得られた
繊維は、キトサンの脱アセチル化度、分子量等の種類、
キトサンの濃度、使用した酸の種類、酸の濃度にも因る
が、繊維PHが低く、酸による繊維の経時的な脆化や、
皮膚への刺激による炎症等の種々の問題を惹起する場合
がある。この様な問題を防止するための、キトサン溶液
となす限界より僅かに多い量の酸の使用は、充分な攪拌
を行っても、溶解に長時間を要して実用的でない。ま
た、キトサンは天然物由来の物質であるから、アセチル
化度や分子量は平均値であり一定しないために僅かの過
剰の酸の使用は避けられず、僅かの過剰の酸によりキト
サン溶液のPHの低下は著しく、繊維PHの低下は免れ
がたい。又、溶解を促進するため、温度を上げると、黄
褐色に分解着色する等の問題を発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に安全
で、且つ、抗菌防臭性に優れるキトサンを、繊維に付与
する工程中の乾燥等の熱による黄変及び、消費上での、
キトサンの黄変を軽減した繊維及びその製造方法を提供
しようとする事を第1の課題とする。また、本発明は、
キトサン溶液のPHを制御し、キトサン溶液を付与し、
乾燥した繊維の繊維PHを制御して、前記問題を惹起し
ない繊維及びその製造方法を提供しようとする事を第2
の課題とする。
【0006】平成7年1月1日付け発行の染織経済新聞
は、〔“テキスタイル・エコロジー分野の研究と試験に
関する国際協会”と“消費者と環境にやさしいテキスタ
イル協会”の両者が“エコ・テックス・スタンダード1
00”の共同使用を決定し、広域ヨーロッパの共通規格
の有力候補になろうとしている。〕と報じている。“エ
コ・テックス・スタンダード100”に拠れば、絹と羊
毛の繊維PHの限界値はPH4.0〜7.5であり、絹
と羊毛以外の繊維PHの限界値は、PH4.8〜7.5
である。従って、本発明の前記の第2の課題である繊維
PHは、この限界値の範囲内にあることは勿論である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記2課題
を達成するために鋭意研究した結果、2課題が互いに相
反する事なく、同時に解決する方法を見出し、本発明に
到ったものである。即ち、本発明は:第1の課題を達成
するために、水溶性亜鉛化合物を亜鉛に換算して0.0
05〜0.2重量%とキトサン0.1〜2重量%とを含
有する抗菌性繊維を提供するものである。その製造方法
は、酸で溶解したキトサンと水溶性亜鉛化合物の混合溶
液を繊維に付与するか、又は、酸で溶解したキトサンを
繊維に付与し、次いで、水に溶解した水溶性亜鉛化合物
を繊維に付与することことからなる。
【0008】更には、第1の課題を補完し、且つ、第2
の課題を達成するために、水溶性亜鉛化合物を亜鉛に換
算して、0.005〜0.2重量%とキトサンを、0.
1〜2重量%を含有し、且つ、繊維PHが4.8〜6.
5である抗菌性繊維を提供するものである。その製造方
法は、酸で溶解したキトサンと水溶性亜鉛化合物とアル
カリ性化合物を添加して、PH4.8〜PH6.5とし
た混合溶液を繊維に付与するか、又は、酸で溶解したキ
トサンとアルカリ性化合物を添加して、PH4.8〜P
H6.5とした混合溶液を繊維に付与し、次いで、水に
溶解した水溶性亜鉛化合物を繊維に付与することからな
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、繊維とは、羊毛、兎毛等の動物性繊維、木綿、
麻等の植物性繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアクリル等の合成繊維等の綿状
品、トウ、トップ、糸、不織布、編織地、袋状、筒状等
の各種の形態の製品、縫製品、上記繊維の混繊、交編織
地等の混合品を含む(以下、これら全てを総称して繊維
と称する。)。本発明に用いる繊維は、精練または精練
漂白により不要な不純物を除去した繊維でもよく、また
は染色された繊維であってもよい。
【0010】本発明で使用するキトサンは、蟹や海老の
クチクラより単離されたキチンの脱アセチル化により得
られる。脱アセチル化度を特定する必要はないが、85
%以上が溶解させ易い点で好ましい。キトサンの付与量
は繊維に対して0.1〜2重量%(以下、%は全て重量
%で表す。)、好ましくは0.2〜1%である。キトサ
ンの付与量が0.1%未満と少なければ抗菌性が不足
し、2%を越えて多ければ必要以上の抗菌性を与えて不
経済で且つ、繊維の風合が硬く、用途に適合し難い場合
がある。キトサンは水に難溶性であり、本発明において
は、キトサンを酸、又は、酸の水溶液に溶解して使用す
る。
【0011】本発明において、酸とはキトサンをキトサ
ン酸塩として溶解する公知の酸であり、例えば、塩酸、
硝酸等の無機酸、酢酸、乳酸、りんご酸、グルコン酸等
の有機酸で、好ましくは、臭気、価格、安全性の面よ
り、食品添加物である事等の観点から、乳酸、酒石酸等
が推奨される。キトサンの溶解方法は、キトサン粉末を
水に分散させ、次いで、酸を添加攪拌するか、又は酸を
水に溶解し、次いで、キトサン粉末を添加攪拌する。酸
が常温において固体状であれば、後者の方法が良い。
【0012】酸の使用量はキトサンが水に溶解する濃度
で良いが、酸の種類により変わる。酸の使用量が少なけ
ればキトサンが溶解しなかったり、溶解に長時間を要
し、酸の使用量が多ければ繊維PHを制御するためのア
ルカリ性化合物を多量に必要として不経済である。乳酸
の場合を例に挙げれば、キトサンの30〜200%、好
ましくは50〜100%が良い。本発明の水溶性亜鉛化
合物とは、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛等の水溶性の
亜鉛塩である。水に水溶性亜鉛化合物を溶解し、水溶液
(以下、亜鉛水溶液と称する。)として使用するのが好
ましい。
【0013】水溶性亜鉛化合物の付与量は、繊維重量に
対して亜鉛に換算して、0.005〜0.2%が好まし
く、より好ましくは0.01〜0.1%である。水溶性
亜鉛化合物の付与量が0.005%より少なければ効果
は低く、0.2%を越えて多ければ付与%に応じた効果
は得られ難くて不経済である。キトサン溶液中のキトサ
ンの濃度及び亜鉛水溶液の水溶性亜鉛化合物の濃度、又
はこれらの混合液の濃度は、特に規定されないが、希薄
であれば、乾燥に多大な熱量を必要とし、経済的でな
い。濃厚であれば粘性が高く、付与機械にもよるが、繊
維に付与し難い場合が生じる。
【0014】通常、液の付与率は50〜100%が好ま
しく、従ってこの液の付与率に合致した各溶液の濃度と
するのが好ましい。本発明において、アルカリ性化合物
とは、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属からなる、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、酢酸塩、燐
酸塩等の水溶液中においてアルカリ性を示す物質であ
り、具体的には例えば、水酸化リチウム、酢酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等が挙げられる。本発明においては、
これらのアルカリ性化合物を単独又は混合物の水溶液
(以下、アルカリ性水溶液と称する。)として使用する
のが好ましい。
【0015】アルカリ性化合物の使用量は、キトサンを
溶解するのに必要な酸の量以上に使用した酸即ち、過剰
の酸と、キトサンを付与しようとする繊維の繊維PH
と、PH4.8〜PH6.5の範囲内の希望する繊維P
Hにより決定される。本発明において、繊維PHとはJ
IS L1096 生地PH測定方法によるPH、又
は、このJIS法に準ずる方法により得られたPHのこ
とである。本発明を実施する以前の繊維に酸性物質を含
んでいて、繊維PHが4.8以下の場合は、PH4.8
以上に調整されたキトサン溶液が付与された繊維の繊維
PHは4.8以下となる場合があり得る。また、アルカ
リ性物質を含んでいて繊維PHが6.5以上であれば、
PH6.5以下に調整されたキトサン溶液が付与された
繊維の繊維PHは6.5以上となる場合があり得る。
【0016】従って、本発明は、キトサン溶液中の酸の
濃度及び、アルカリ性化合物の濃度を規定するものでは
なく、少なくとも、PH4.8〜PH6.5の範囲内の
PH値のキトサン溶液を繊維に付与することが肝要であ
る。キトサン溶液はPH6.5以上でキトサンが析出
し、ゲル状態となり、PH6.5以上の安定な溶液とす
ることは困難で、キトサン溶液のPHは、好ましくは、
PH4.8〜6.2である。更に、予め繊維PHを中性
付近に調製してから、本発明を実施するのが好ましい。
【0017】本発明の実施は以下の態様で行う。即ち、
キトサン溶液を繊維に付与し、次いで、亜鉛水溶液を
繊維に付与するか、又はキトサン溶液と亜鉛水溶液を
混合して繊維に付与する方法、又はキトサン溶液とア
ルカリ性水溶液を混合して繊維に付与し、次いで、亜鉛
水溶液を繊維に付与するか、又はキトサン溶液とアル
カリ性水溶液と亜鉛水溶液を混合して繊維に付与する方
法で行い、次いで乾燥する。
【0018】本発明において、キトサン溶液、亜鉛水溶
液、アルカリ性水溶液及びこれらの混合水溶液中に浸透
剤、吸水剤、柔軟剤、撥水剤等他の薬剤を含む場合も有
効である。及びの方法は及びに比較して、工程
は単純であるが、及びの繊維に付与する混合液に他
の薬剤を混合出来ない場合においても、及びの各水
溶液に他の薬剤を混合出来る場合がある利点があり、い
ずれの方法も良い。各水溶液の繊維への付与方法は、従
来公知の方法、例えば、スプレーノズルを備えた噴霧機
による噴霧法、繊維を連続的に浸漬しマングルで絞液す
るパッド法、コーティング機によるコーティング法等自
由である。
【0019】及びの方法において、亜鉛水溶液を繊
維に付与する際、繊維に先に付与したキトサン溶液が脱
落するのを防ぐために、乾燥を行う場合は、乾燥中のキ
トサンの黄変を防止する本発明の趣旨に反するが、キト
サン溶液を繊維に付与し、次いで、乾燥せずに亜鉛水溶
液を噴霧法で繊維に付与することにより、本発明の趣旨
に合致した目的が達成できる。乾燥条件は、繊維の種
類、繊維の集合状態、各水溶液の付与率、乾燥方法又は
乾燥機種、例えば、赤外線乾燥機、高周波乾燥機等によ
り異なるが、熱風乾燥機の場合を例に挙げれば60℃〜
180℃が好ましい。温度が低ければ時間を長く、高け
れば短くする。時間は20分〜1分が好ましい。
【0020】過度の乾燥は繊維自体の熱黄変を惹起し好
ましくない。乾燥工程中における黄変について、本発明
は特に、厚地等の乾燥し難い繊維集合体に効果的であ
る。本発明の製造工程後、更に他の工程を経ることを妨
げない。例えば、キトサン溶液を付与し、乾燥すること
により、キトサンの皮膜が繊維間接着剤となり編織地の
風合が硬化する場合があり、これを柔軟な風合にするた
め、水中で揉むか、他の機能性を与えるために、他の薬
剤を付与する等自由である。
【0021】
【作用】本発明のキトサンを使用した抗菌性繊維の製造
中の熱黄変及び、製造した抗菌性繊維の熱黄変の軽減
は、キトサンが金属とキレート化合物を作りやすいこと
に由来すると推定される。且つ、抗菌作用が失われない
のは、亜鉛の抗菌性に負う部分があると推定されるが確
かではない。
【0022】
【実施例】以下、実施例を掲げて、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。実
施例中、部は重量部である。各水溶液の作成に使用した
水はPH6.5の蒸留水である。温度は特に断らない限
り20℃である。 繊維に付与されたキトサンの%は全窒素定量法、繊
維からの抽出物のコロイド滴定法等により測定可能であ
るが、液濃度と繊維に付与した液の%から算出して表示
した。
【0023】 繊維に付与された亜鉛の%は蛍光X線
分析その他の方法により、容易に定量可能であるが、同
じく、液濃度と繊維に付与した液の%から算出して表示
した。 繊維の白色度はマクベス分光光度計CE−3000
(マクベス社製)で測定し、三刺激値X、Y、Zから、
式:W(W=4×0.847Z−3Y)で表した。 繊維の黄変性はJISL0879「乾熱処理に対す
る染色堅ろう度試験方法」に準じ測定し、判定した。具
体的には、10℃毎に加熱された熱板上に試料を置くこ
とが出来る昇華堅牢度試験器〔(株)大栄科学精器製作
所製〕を使用し、試料を30秒間、加熱し、判定は肉眼
により、変色した最低温度を表示した。
【0024】 繊維PHはTwinPHメータB21
2(堀場制作所)により測定した。 抗菌性はStaphylococcus aure
usATCC6538Pを使用し、菌数測定法(SEK
認定の抗菌効果試験方法)により測定した。尚、当測定
法によれば抗菌性は増減値差をもって表され、増減値差
が1.6以上をもって、抗菌性ありと判定される。
【0025】(実施例1)旭化成工業(株)製、ポリエ
ステル合成繊維、銘柄75d/50fからなる目付、1
50gr/m2 の丸編ジャージーを非イオン系界面活性
剤で精練し、乾燥し、試料(以下、試料1と称する。)
とした。0.6部の乳酸と48.4部の水に、1部のキ
トサンS〔太洋化学工業(株)製、アセチル化度85
%、平均分子量4万〕を溶解したキトサン溶液50部
と、49.9部の水に、0.1部の硫酸亜鉛〔7水塩〕
を溶解した亜鉛水溶液50部を混合し、この混合液に試
料1を浸漬し、マングルで脱液した。絞率は80%で、
試料1へのキトサン及び亜鉛の付与率はそれぞれ、0.
8%、0.0182%である。脱液後、130℃の空気
中、3分間の乾燥を行った。混合液のPH、乾燥後の試
料の白色度、繊維PH、抗菌性を表1に示す。
【0026】(実施例2)実施例1と同じキトサン溶液
50部と、24.88部の水に、0.12部の無水炭酸
ソーダを溶解したアルカリ性水溶液25部と、24.9
部の水に、0.1部の硫酸亜鉛〔7水塩〕を溶解した亜
鉛水溶液25部を混合し、この混合液に試料1を浸漬
し、マングルで脱液した。絞率は80%である。実施例
1と同じ条件で乾燥した。混合液のPH、乾燥後の試料
の白色度、繊維PH、抗菌性を表1に示す。
【0027】(比較例1)実施例1と同じキトサン溶液
50部と、水50部を混合し、この混合液に試料1を浸
漬し、マングルで脱液した。絞率は80%である。実施
例1と同じ条件で乾燥した。混合液のPH、乾燥後の試
料の白色度、繊維PH、抗菌性を表1に示す。
【0028】(比較例2)実施例2と同じキトサン溶液
50部及び、アルカリ性水溶液25部と、水25部を混
合し、この混合液に試料1を浸漬し、マングルで脱液し
た。 絞率は80%である。実施例1と同じ条件で乾燥
した。混合液のPH、乾燥後の試料の白色度、繊維P
H、抗菌性を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例3)(財)日本規格協会が販売す
るJIS染色堅牢度試験用添付白布キュプラを試料2と
する。実施例1と同じ混合液に試料2を浸漬し、マング
ルで脱液した。絞率は73%で、試料1へのキトサン及
び亜鉛の付与率はそれぞれ、0.73%、0.0166
%である。脱液後、105℃の空気中、90秒分間の乾
燥を行った。乾燥後の試料の白色度は測定誤差範囲内で
あった。乾燥後の試料の黄変性の判定結果、繊維PH、
抗菌性を表2に示す。
【0031】(実施例4)実施例2と同じ混合液に試料
2を浸漬し、マングルで脱液した。絞率は73%であ
る。実施例3と同じ条件で乾燥した。乾燥後の試料の白
色度は測定誤差範囲内であった。乾燥後の試料の黄変性
の判定結果、繊維PH、抗菌性を表2に示す。
【0032】(比較例3)比較例1と同じ混合液に試料
2を浸漬し、マングルで脱液した。絞率は73%であ
る。実施例3と同じ条件で乾燥した。乾燥後の試料の白
色度は測定誤差範囲内であった。乾燥後の試料の黄変性
の判定結果、繊維PH、抗菌性を表2に示す。
【0033】(比較例4)比較例2と同じ混合液に試料
2を浸漬し、マングルで脱液した。絞率は73%であ
る。実施例3と同じ条件で乾燥した。乾燥後の試料の白
色度は測定誤差範囲内であった。乾燥後の試料の黄変性
の判定結果、繊維PH、抗菌性を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の繊維は、人体に安全なキトサン
を使用し、キトサンの抗菌性を失わせる事なく、アイロ
ン等による変色が少ないため、シーツ、布団カバー、枕
カバー布団詰綿、毛布等の寝装材、エプロン、テーブル
クロス、カーテン、絨毯等の生活関連資材、手袋、靴
下、肌着、外着、セーター、ブラウス、スポーツシャツ
等の一般衣料、その他玩具等、繊維を使用したあらゆる
分野に使用可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性亜鉛化合物を亜鉛に換算して0.
    005〜0.2重量%とキトサン0.1〜2重量%とを
    含有する抗菌性繊維。
  2. 【請求項2】 水溶性亜鉛化合物を亜鉛に換算して0.
    005〜0.2重量%とキトサン0.1〜2重量%とを
    含有し、且つ、繊維PHが4.8〜6.5である抗菌性
    繊維。
  3. 【請求項3】 酸で溶解したキトサンと水溶性亜鉛化合
    物の混合溶液を繊維に付与することからなる抗菌性繊維
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸で溶解したキトサンを繊維に付与し、
    次いで、水に溶解した水溶性亜鉛化合物を繊維に付与す
    ることからなる抗菌性繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸で溶解したキトサンと水溶性亜鉛化合
    物とアルカリ性化合物を添加して、PH4.8〜PH
    6.5とした混合溶液を繊維に付与することからなる抗
    菌性繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸で溶解したキトサンとアルカリ性化合
    物とを添加して、PH4.8〜PH6.5とした混合溶
    液を繊維に付与し、次いで、水に溶解した水溶性亜鉛化
    合物を繊維に付与することからなる抗菌性繊維の製造方
    法。
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