JP3293973B2 - 加工繊維とその製造方法 - Google Patents

加工繊維とその製造方法

Info

Publication number
JP3293973B2
JP3293973B2 JP24825293A JP24825293A JP3293973B2 JP 3293973 B2 JP3293973 B2 JP 3293973B2 JP 24825293 A JP24825293 A JP 24825293A JP 24825293 A JP24825293 A JP 24825293A JP 3293973 B2 JP3293973 B2 JP 3293973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
treatment
humectant
dispersion
anionic surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24825293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07102480A (ja
Inventor
井 正 信 藤
福 憲治郎 安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP24825293A priority Critical patent/JP3293973B2/ja
Publication of JPH07102480A publication Critical patent/JPH07102480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3293973B2 publication Critical patent/JP3293973B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工繊維およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維にスクワレン・グリセリ
ンなどの保湿剤を付与するため、保湿剤をアクリル酸エ
ステル系樹脂・ポリウレタン系樹脂・メラミン系樹脂・
シリコーン系樹脂などのバインダーで付着させる方法が
知られている(特開平2−300301号公報)。この
方法によると繊維に保湿性を付与できるので、その処理
をした繊維を使った衣料には、肌を乾燥から守り肌あれ
を防ぎ得るという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法によ
るときは、上記のようなバインダーを使用するために、
そのバインダー処理を受けた繊維は、一般に柔軟性や耐
洗濯性に劣るという問題がある。本発明の目的は、保湿
性は付与されている一方、上記した問題の起きにくい新
規な加工繊維およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成しようといろいろ検討し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の加工繊維は、繊維がカチオン系界面
活性剤とアニオン系界面活性剤とで表面処理されてお
り、かつ処理表面部が難溶状態で保湿剤を含有している
ことを特徴とするものである。また、本発明の加工繊維
の製造方法は、繊維に対してカチオン系界面活性剤分散
液による処理および処理後の乾燥と、アニオン系界面活
性剤分散液による処理および処理後の乾燥とをおこな
い、その処理に際して両液中のいずれかの液に保湿剤を
含ませることを特徴とするものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の加工繊維から説明すると、繊維には、綿・絹・羊
毛などの天然繊維のほかナイロン・ポリエステルなどの
合成繊維があげられる。それらの繊維は、紡績糸、それ
を例えば編織布・不織布などに織ったもの、さらにこれ
らをランジェリー・肌着・ブラジャー・ボデイースーツ
・靴下などの衣料に加工したものであってもさしつかえ
ない。本発明の加工繊維は、カチオン系界面活性剤とア
ニオン系界面活性剤とで表面処理されている。カチオン
系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とは相互に反応し
あって不溶性の物質を構成するので、両物質で処理され
た結果繊維の表面で両活性剤が水や有機溶媒に溶脱しに
くいものとなる。ここで表面処理とは、表面部がこれら
で処理を受けていることをいう。
【0006】カチオン系界面活性剤としては、アルキル
アミン酢酸塩・アルキルアンモニウム塩・高級脂肪酸ア
ミドとその酢酸塩などがあげられ、より具体的には、オ
クタデシルアミン酢酸塩・オクタデシルトリメチルアン
モニウムクロライド・ステアリン酸ジエチレントリアミ
ドなどがあげられる。
【0007】また、アニオン系界面活性剤としては、高
級アルコール硫酸エステル塩・高級アルコールリン酸エ
ステル塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキルメ
チルタウリン酸塩・アルキルナフタリンスルホン酸塩・
ジアルキルスルホコハク酸塩などがあげられる。塩の種
類としては、ナトリウム塩が一般的である。
【0008】保湿剤の種類としては、具体的には、ムコ
多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン
硫酸、これらの塩、例えばナトリウム塩など)・キトサ
ン・海藻抽出物・コラーゲン・これらの誘導体などがあ
げられる。この保湿剤を含むことにより繊維は保湿性を
高め、肌の荒れを防止する。保湿剤は、ヌメリ感が生じ
勝ちでソフトな感じに乏しい場合が多いが、コラーゲン
が保湿剤の場合はそれがほとんどなく、また、コラーゲ
ン以外の例えば、ムコ多糖類・キトサン・海藻抽出物な
どの保湿剤にコラーゲンを併用すると、その風合いが温
かみのあるフンワリしたソフトなものとなり、繊維とし
て理想に近く一層好ましいものとなる。コラーゲン以外
のムコ多糖類・キトサンなどの保湿剤をコラーゲンと併
用するときの前者と後者の比率は、好ましくは前者1部
に対して後者0.2〜5.0部程度であり、またより好
ましくは前者1部に対して後者0.5〜1.5部程度で
ある。
【0009】また、表面処理により繊維に固定されるカ
チオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、および繊
維の処理表面部に含まれる保湿剤の割合は、繊維の重量
に対して多割りで、好ましくはそれぞれ0.1〜6%、
0.1〜6%、0.05〜4%である。あまり少ないと
効果が乏しく、またあまり多くてもそれ以上の効果は期
待できないからである。より好ましくは、それぞれ、
0.2〜3%、0.2〜3%、0.1〜2%である。
【0010】また、本発明の加工繊維は、カチオン系界
面活性剤とアニオン系界面活性剤で処理された繊維の表
面部に難溶状態で保湿剤を含有している。難溶状態であ
るか否かは、水による洗濯を30回おこなった場合に、
保湿性が低下したとしても、後述の皮膚水分量の測定に
おいて測定結果の値が約90くらいないしそれ以上を保
持しているか否かで確認することができる。
【0011】なお、本発明の加工繊維は、表面処理部
に、本発明の目的を損なわない範囲で任意の原料・成分
を含んでいてもさしつかえない。この原料・成分として
は、例えば、カチオン系界面活性剤やアニオン系界面活
性剤、さらには保湿剤が水に溶けがたいときに使用する
場合がある非イオン系界面活性剤などがあげられる。
【0012】次に、本発明の加工繊維の製造方法を説明
する。本発明の加工繊維の製造方法においては、繊維に
対してカチオン系界面活性剤分散液による処理および処
理後の乾燥と、アニオン系界面活性剤分散液による処理
および処理後の乾燥とをおこう。カチオン系界面活性剤
分散液とは、カチオン系界面活性剤を水に分散した液を
いう。分散液中のカチオン系界面活性剤の濃度は、通常
0.1〜1.0%程度でよい。カチオン系界面活性剤の
濃度があまり低いと、本発明の効果が生じにくくなり、
またあまり高くてもそれ以上の効果は生じにくいからで
ある。より好ましくは、0.2〜0.7%程度である。
【0013】カチオン系界面活性剤は通常水によく溶解
・分散するが、そのままでは水に溶解・分散しにくいも
のの場合は、適宜溶解助剤を用いて溶解・分散を図れば
よい。例えば高級脂肪酸アミドなどのようなものは、酢
酸や塩酸などで予め処理して酢酸塩などの水に溶解し易
い形に変えてから水への溶解・分散を図るとよい。この
点は、アニオン系界面活性剤や保湿剤の場合も同様であ
る。また、カチオン系界面活性剤が油性であることによ
り水に分散しにくい場合は、溶解助剤として、非イオン
系(ノニオン系)界面活性剤、例えば、高級アルコール
酸化エチレン縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪
酸の酸化エチレン縮合物、より具体的には、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンモノステアレートなどの水溶液を用い、その
水溶液に予めカチオン系界面活性剤を分散させてから、
残余の水と混ぜて水分散液とすればよい。その場合の、
カチオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤との割合
は、通常前者1部に対して後者0.01〜1部くらいで
十分である。なお、後述するアニオン系界面活性剤や保
湿剤が油性であって水に分散しにくい場合も、カチオン
系界面活性剤が油性で水に分散しにくい場合に準じて処
理し、水への分散を図ればよい。保湿剤で水に溶解しに
くいものとしては、例えば、油性のものとしてはラノリ
ン・蜜ロウ・糖の脂肪酸エステルなどがあり、また非油
性のものとしてはキトサンなどがあげられる。キトサン
の場合は有機酸や無機酸を溶解助剤として用いればよ
い。
【0014】繊維に対するカチオン系界面活性剤分散液
による処理とは、その繊維をカチオン系界面活性剤分散
液に接触させることをいい、通常は繊維をその界面活性
剤分散液に浸漬させる形でおこなう。浸漬の時間は、分
散液が繊維に十分ゆきわたればよいので、通常は数秒、
例えば3〜10秒もあれば十分である。浸漬後、繊維は
脱水する。脱水は、通常絞り率50〜200%、より好
ましくは80〜100%程度ですればよい。ここで絞り
率とは、下記の値(%)を示す。 絞り率=〔(脱水後の繊維重量−乾燥時〔処理前〕繊維
重量)/乾燥時〔処理前〕繊維重量〕×100 脱水の方法は任意であるが、遠心脱水やマングル脱水が
使用に便利である。このようにカチオン系界面活性剤分
散液で処理した後は、この繊維を乾燥する。乾燥により
カチオン系界面活性剤が繊維の表面に固定される。乾燥
の条件は限定的ではないが、通常80〜180℃の温度
で20秒〜60分間程度加熱処理すればよい。加熱によ
り乾燥・固定が促進される。より好ましくは95〜17
0℃で1〜40分くらいである。
【0015】本発明の製造方法によれば、繊維に対して
は更に、アニオン系界面活性剤分散液による処理と処理
後の乾燥をおこなう。アニオン系界面活性剤分散液と
は、アニオン系界面活性剤を水に分散した液をいう。水
に分散させるアニオン系界面活性剤の濃度は、限定的で
はないが、通常0.1〜1.0%程度でよい。アニオン
系界面活性剤の濃度があまり低いと、本発明の効果が生
じにくくなり、またあまり高くてもそれ以上の効果は生
じにくいからである。より好ましくは、0.2〜0.7
%程度である。繊維に対するアニオン系界面活性剤分散
液による処理とは、その繊維をアニオン系界面活性剤分
散液に接触させることをいい、通常は繊維をその分散液
に浸漬させる形でおこなう。浸漬の時間や浸漬後の乾燥
は、カチオン系界面活性剤分散液での処理に準じておこ
なえばよい。
【0016】繊維がカチオン系界面活性剤分散液による
処理とアニオン系界面活性剤分散液による処理を受ける
結果、繊維の表面で両界面活性剤が相互に反応しあって
難溶性のものとなり、繊維表面に固定され、また繊維か
ら溶脱しにくいものとなる。本発明の加工繊維の製造方
法においては、繊維に対してカチオン系界面活性剤分散
液による処理とアニオン系界面活性剤分散液による処理
に際して両液中のいずれかの液に保湿剤を含ませること
を特徴とする。保湿剤が両液中のいずれかの液に含まれ
ているので、繊維がカチオン系界面活性剤による処理と
アニオン系界面活性剤による処理を受け、繊維の表面で
両界面活性剤が難溶性のものとなる際に、保湿剤が両界
面活性剤に挟みこまれるためか、保湿剤は繊維の表面か
ら水や有機溶媒により溶脱され難いものとなる。
【0017】繊維に対するカチオン系界面活性剤分散液
による処理とアニオン系界面活性剤分散液による処理と
は、どちらの処理を先におこなってもさしつかえない。
通常は、保湿剤を含まないカチオン系界面活性剤分散液
による処理を先にして、次いで保湿剤を含むアニオン系
界面活性剤分散液による処理をする。
【0018】また、最後の処理になる界面活性剤分散液
による処理をした後の乾燥に際しては、その分散液がカ
チオン系界面活性剤分散液であれアニオン系界面活性剤
分散液であれ、乾燥を前段の予備乾燥と後段の仕上げ乾
燥とに分け、仕上げ乾燥は予備乾燥に比べてより高温で
おこない、特に合成繊維に必要な繊維品質の一定化を図
ることが好ましい。
【0019】なお、保湿剤はカチオン系界面活性剤分散
液とアニオン系界面活性剤分散液のいずれかに含ませる
が、その一つの態様として両方の液に分けて含ませても
さしつかえない。
【0020】
【作用】機構・作用(機作)は定かでないが、繊維がカ
チオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とで処理さ
れることにより、アニオン系界面活性剤が上記カチオン
系界面活性剤と強固に結びつき、その結びつきの際に保
湿剤が共存すると両界面活性剤に挟まれる形となり、洗
濯などによっても繊維から脱落しにくくなるのではない
かと推測される。ムコ多糖類やキトサンなどは保湿性に
優れ、これらにコラーゲンが併用されると、ふんわりし
てソフト感があり、温かみのある風合いが生ずるが、こ
の場合の機作も定かでない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明において%、比率は、全て重量%、重量比率
である。実施例1 下記の綿繊維を、下記配合のカチオン系界面活性剤分散
液に3秒間浸漬した後、絞り率96%で脱水してから1
00℃で3分間加熱して乾燥した。次いで下記配合のア
ニオン系界面活性剤分散液に3秒間浸漬した後、絞り率
96%で脱水してから100℃で3分間加熱して予備乾
燥をし、さらに160℃で2分間加熱をして仕上げの乾
燥をおこない、素材を綿とする加工繊維を製造した。
(処理前の繊維重量に対するカチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤および保湿剤の含有割合は、外割り
でそれぞれ、約0.5%、約0.5%および約0.5%
であった。) イ.綿繊維:マーセル加工をした60番手双糸の綿紡績
糸を用いて丸編機で編地を作成し、常法どおり精練・漂
白をおこなったもの。 (高級脂肪酸アミドとしては、具体的にはステアリン酸
ジエチルトリアミドを用いた。) ハ.アニオン系界面活性剤分散液: 原料の種類 配合割合(%) ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム 0.5 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5 清水 残量 合計 100(%)
【0022】実施例2 アニオン系界面活性剤分散液の配合を下記のとおりとし
たこと以外は実施例1の方法に従って加工綿繊維を製造
した。(処理前の繊維重量に対するカチオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤および保湿剤の含有割合は、
外割りでそれぞれ、約0.5%、約0.5%および約
1.0%であった。) アニオン系界面活性剤分散液: 原料の種類 配合割合(%) ジアルキルスルホコハク酸 0.5 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5 コラーゲン 0.5 清水 残量 合計 100(%)
【0023】実施例3 繊維を下記のポリエステル繊維としたこと以外は実施例
1の方法に従って加工ポリエステル繊維を製造した。
(処理前の繊維重量に対するカチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤および保湿剤の含有割合は、外割り
でそれぞれ、約0.5%、約0.5%および約0.5%
であった。) ポリエステル繊維:75デニールのポリエステルフィラ
メント糸を使用してポリエステル繊維を作成し、常法ど
おり精練をおこなったもの。
【0024】実施例4 繊維を下記のナイロン繊維としたこと以外は実施例1の
方法に従って加工ナイロン繊維を製造した。 ナイロン繊維:70デニールのナイロンフィラメント糸
を使用してナイロン繊維を作成し、常法どおり精練をお
こなったもの。
【0025】実施例5 アニオン系界面活性剤分散液による処理を先にし、カチ
オン系界面活性剤分散液による処理を後にした以外は実
施例1と同じ条件で処理して、加工繊維を製造した。
【0026】試験例 試験方法:実施例1において、使用する保湿剤を種々変
え、表1に示すとおり本発明に相当する加工繊維8種を
製造した。また、一部は保湿剤や、カチオン系やアニオ
ン系界面活性剤などを使用しないで他は実施例1に準じ
て処理して比較品の加工繊維4種を製造した。なお、保
湿剤としてキトサンを使用した場合は、そのキトサンと
ほぼ同重量の酢酸を溶解助剤として併用し、アニオン系
界面活性剤分散液を調製した。各加工繊維について30
回洗濯をし、洗濯に入る前および30回目の洗濯の後に
風合い(ソフト感と温かみ)および保湿性(皮膚水分
量)を測定した。 試験結果:結果は、表1に示すとおりであった。表か
ら、繊維に対してカチオン系界面活性剤分散液による処
理後乾燥と、保湿剤を含むアニオン系界面活性剤による
処理とその後の乾燥とがおこなわれて得られた加工繊維
は、洗濯に対する耐久性があること、さらに保湿剤とし
てムコ多糖類やキトサンなどと、コラーゲンと併用した
場合には、保湿性が損なわれることなく、そのうえ風合
いも優れた加工繊維となることが理解できる。また、本
発明による加工繊維は、風合いの状況から、柔軟性に富
むものであることも明らかである。
【0027】なお、洗濯の方法、皮膚水分量の測定法、
水分増加率の計算法および風合いの試験法は次のとおり
である。 イ.洗濯の方法 各試料をJIS L−0217記載の103法(ただ
し、洗濯時間は15分とする)で洗濯を行なった。洗濯
回数は30回とした。 ロ.皮膚水分量の測定法 20〜40才の女性パネラー5名を20℃、湿度60%
の恒温室に在室させ、上腕部内側に各試料(加工繊維)
を巻きつけ3時間後における同部位の皮膚の水分量を皮
膚角質層水分量測定機(西独のフラージ・カザカ社製:
コーネオメータ−CM−820)で測定し、平均値を算
出した。また、比較として各試料を巻きつける前の皮膚
水分量も測定した。なお、水分増加率は、次式で求め
た。 水分増加率(%) =〔(試料巻きつけ3時間後の水分量−巻きつけ前の水
分量)/巻きつけ前の水分量〕×100 ハ.風合いの測定法 (1)ソフト感 各試料を5名のパネラーが次の基準で評価し、その結果
を平均値で示した。 1:非常に柔らかい 2:柔らかい 3:変わらない 4:やや硬い 5:硬い (2)温もり感 各試料を5名のパネラーが温もり感(温かみのあるフン
ワリした感じ)を次の基準で評価し、その結果を平均値
で示した。 1:非常に温もり感がある 2:温もり感がある 3:やや温もり感がある 4:変わらない 5:やや冷たい感じがある 6:冷たい感じがある
【0028】
【表1】 表中、○、△、×はそれぞれ以下のことを示す。 イ.風合いについて ○:風合いがかなり優れている △:風合いが少し優れている ×:風合いはあまり優れていない ロ.保湿性について ◎:かなり優れている ○:優れている △:少し優れている ×:優れていない(よくない)
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明により、洗濯など
に際して耐久性に優れ、柔軟性も保持され、しかも保湿
性も良好な加工繊維が提供される。また、ムコ多糖類・
キトサンなどコラーゲン以外の保湿剤とコラーゲンを併
用するときは、温かみのある風合いの加工繊維が提供さ
れる。また、本発明の加工繊維の製造方法によれば、上
記の性質を備えた加工繊維が好適に製造される。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維がカチオン系界面活性剤とアニオン系
    界面活性剤とで表面処理されており、かつ処理表面部が
    難溶状態で保湿剤を含有しており、該保湿剤が、ムコ多
    糖類、コラーゲン、キトサン、海藻抽出物のいずれか1
    以上であることを特徴とする加工繊維。
  2. 【請求項2】保湿剤が、コラーゲンと、ムコ多糖類・キ
    トサン・海藻抽出物のいずれか1以上との組合せであ
    る、請求項1記載の加工繊維。
  3. 【請求項3】繊維に対してカチオン系界面活性剤分散液
    による処理および処理後の乾燥と、アニオン系界面活性
    剤分散液による処理および処理後の乾燥とをおこない、
    その処理に際して両液中のいずれかの液に、ムコ多糖
    類、コラーゲン、キトサン、海藻抽出物のいずれか1以
    上の保湿剤を含ませることを特徴とする加工繊維の製造
    方法。
  4. 【請求項4】保湿剤が、コラーゲンと、ムコ多糖類・キ
    トサン・海藻抽出物のいずれか1以上との組合せであ
    る、請求項3記載の加工繊維の製造方法。
JP24825293A 1993-10-04 1993-10-04 加工繊維とその製造方法 Expired - Lifetime JP3293973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24825293A JP3293973B2 (ja) 1993-10-04 1993-10-04 加工繊維とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24825293A JP3293973B2 (ja) 1993-10-04 1993-10-04 加工繊維とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07102480A JPH07102480A (ja) 1995-04-18
JP3293973B2 true JP3293973B2 (ja) 2002-06-17

Family

ID=17175411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24825293A Expired - Lifetime JP3293973B2 (ja) 1993-10-04 1993-10-04 加工繊維とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3293973B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7088106B2 (ja) 2019-03-28 2022-06-21 株式会社明電舎 導体接続構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7088106B2 (ja) 2019-03-28 2022-06-21 株式会社明電舎 導体接続構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07102480A (ja) 1995-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI481753B (zh) 抗靜電性丙烯腈纖維及其製造方法
JP2002504630A (ja) 改善された織物用抗菌剤としてのエステル化されたトリクロサン誘導体
US2087237A (en) Sizing fabric
JP3849791B2 (ja) 高白度高吸放湿性繊維構造体及びその製造方法
US1925914A (en) Process for ennobling cellulosic materials and product therefrom
JP3293973B2 (ja) 加工繊維とその製造方法
JP2842564B2 (ja) 抗菌性ビスコースレーヨン及びその製造方法
KR100352240B1 (ko) 쑥을 이용한 섬유 염색방법 및 그 제품
JP3008008B2 (ja) 繊維製品の加工方法
JP2000314035A (ja) 抗菌性繊維製品
JP4415421B2 (ja) 抗菌性アクリロニトリル系繊維およびその製造法
US2702228A (en) Method of modifying cellulose fibers with alkali solutions of copper or nickel biuret
JP3243370B2 (ja) 耐白化性を有する絹繊維からなる繊維構造物及びその製造方法
JP3593539B2 (ja) セルロース繊維品の処理方法
JP3888718B2 (ja) 恒久柔軟アクリル繊維の製造方法
KR970011943B1 (ko) 다림질풀 조성물
JP2002037789A (ja) 銅又は鉄クロロフィリンNa、パルプ、色素水溶液、紙糸及びこれらの製造方法
JP3949773B2 (ja) 抗菌性繊維
JPH03185183A (ja) 絹フィブロイン―合成重合体加工布帛及びその製造方法
WO2000068493A1 (en) Preparation of bast fiber fabric-like rayon-containing fabrics
JP3259834B2 (ja) ポリアミド系繊維品
DE943106C (de) Verfahren zur Herstellung wollaehnlicher Kunstseide
JP3724605B2 (ja) 木綿含有起毛またはパイル織編物の製造方法
US2378360A (en) Methods of finishing cellulosic fabrics
JP3544825B2 (ja) 抗菌性アクリル繊維及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140405

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term