JP2002037789A - 銅又は鉄クロロフィリンNa、パルプ、色素水溶液、紙糸及びこれらの製造方法 - Google Patents

銅又は鉄クロロフィリンNa、パルプ、色素水溶液、紙糸及びこれらの製造方法

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JP2002037789A
JP2002037789A JP2000252883A JP2000252883A JP2002037789A JP 2002037789 A JP2002037789 A JP 2002037789A JP 2000252883 A JP2000252883 A JP 2000252883A JP 2000252883 A JP2000252883 A JP 2000252883A JP 2002037789 A JP2002037789 A JP 2002037789A
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iron
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光雄 木村
Kaiichirou Okamoto
改一郎 岡本
Toru Itoi
徹 糸井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を長時間維持でき、実用性に優れた銅
クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリンNa等を提供
し、これらを使用して日常の長期間の使用によっても抗
菌性を長期間維持できる種々の実用品を得る。 【解決手段】 植物から抽出された日光に堅牢な化学構
造を有する銅クロロフィリンNa(B)とした。例え
ば、銅クロロフィリンNa(B)を含むパルプ(3)及
び色素水溶液(4)は、植物の葉に含まれるクロロフィ
ル中のマグネシウムを銅に置換し、アルカリで加水分解
(ステップS1)した後に、分離(ステップS2)して
生成した残滓(1)を、更に弱アルカリ処理(ステップ
S3)し、その後、絞り処理(ステップS4)すること
により製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗菌性を長時間
維持でき、実用性の高い銅又は鉄クロロフィリンNa、
及びこれらを含んだパルプ、色素水溶液、紙糸及びこれ
らの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図8に示すような化学構造を有す
る銅クロロフィリンNa(A)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
化学構造を有する銅クロロフィリンNa(A)は、抗菌
性を有するが、図3に示すように、銅クロロフィリンN
a(A)に含まれる抗菌物質は20時間の露光でほとん
ど分解してしまう。即ち、日光に弱く(日光堅牢度が低
い)、抗菌性を長時間維持できないので、長期間の使用
に耐えることができず、実用性に乏しい。本発明は、上
記課題に鑑み、抗菌性を長時間維持でき、実用性に優れ
た銅クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリンNa等を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係る銅クロロ
フィリンNa(B)又は鉄クロロフィリンNaは、植物
から抽出された日光に堅牢な化学構造を有するものであ
る。また、この発明に係るパルプや色素水溶液は、上記
銅クロロフィリンNa(B)又は鉄クロロフィリンNa
を含む。上記銅クロロフィリンNa(B)又は鉄クロロ
フィリンは、例えば、植物の葉に含まれるクロロフィル
中のマグネシウムを銅又は鉄に置換し、アルカリで加水
分解した後に、分離することにより製造する。即ち、分
離により抽出された残滓(1)は、上記銅クロロフィリ
ンNa(B)又は鉄クロロフィリンNaを0.1%程度
含む。また、上記残滓(1)を、更に弱アルカリ処理す
ることで銅クロロフィリンNa(B)又は鉄クロロフィ
リンNaを製造する。即ち、更に弱アルカリ処理するこ
とで抽出された残滓(2)は、銅クロロフィリンNa
(B)又は鉄クロロフィリンNaを50%程度含む。ま
た、上記パルプ及び色素水溶液は、植物の葉に含まれる
クロロフィル中のマグネシウムを銅又は鉄に置換し、ア
ルカリで加水分解した後に、分離して生成した残滓を、
更に弱アルカリ処理し、その後、絞り処理することによ
り銅クロロフィリンNa(B)を含むパルプ(3)及び
色素水溶液(4)に分離するか、又は鉄クロロフィリン
Naを含むパルプ及び色素水溶液に分離することにより
製造する。また、この発明に係る紙糸は、上記銅クロロ
フィリンNa(B)又は鉄クロロフィリンNa、あるい
は上記パルプや色素水溶液を含む。上記紙糸は、紙パル
プと、上記パルプとを水中に分散させ、かつ耐水剤を添
加してから抄紙して上記銅クロロフィリンNa(B)又
は鉄クロロフィリンNa入りの紙を作成し、この紙を切
断した紙テープを撚ることにより紙糸を製造したり、紙
パルプに、上記色素水溶液を吸着させて、かつ耐水剤を
添加してから抄紙して上記銅クロロフィリンNa(B)
又は鉄クロロフィリンNa入りの紙を作成し、この紙を
切断した紙テープを撚ることにより紙糸を製造する。ま
た、上記紙糸は、上記紙テープに蒸気を当てた後に当該
紙テープを撚るようにして製造する。
【0005】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1を図1〜図3に基づき説明する。本実施の形
態1による日光に堅牢な化学構造を有する銅クロロフィ
リンNa(B)は、図1に示すように、クマザサの生葉
(緑葉)中に含まれるクロロフィル中のマグネシウム
(クロロフィル分子の中心に位置するマグネシウム)を
銅で置換し、アルカリでフィトール基を加水分解して水
溶性のNa塩にする処理,即ち、銅クロロフィリン化処
理(ステップS1)をした後、遠心分離(ステップS
2)することにより得られる。
【0006】即ち、上記遠心分離により抽出された残滓
(1)(=葉滓)中には、図2に示すような日光に堅牢
な化学構造を有する銅クロロフィリンNa(B)が含ま
れる。
【0007】上記遠心分離(ステップS2)により分離
された上澄液は中和して胃腸薬などの医薬品として用い
ることが可能である。この医薬品は、図8に示すような
化学構造を有する銅クロロフィリンNa(A)を含む。
【0008】尚、上記「クマザサ」とは、イネ目イネ科
の笹の一種であって、秋に葉の緑が白くなるので「隈
笹」と名付けられたものであり、古来、笹団子、笹飴、
粽などに使用され「粽笹」とも呼ばれて薬用に供されて
きたものである。
【0009】上記残滓(1)は、長期間に渡って緑色が
退色せず、抗菌性に優れている。その理由は、上記ステ
ップS1,S2の処理中に変化して図2に示すように日
光に堅牢な構造を持つ銅クロロフィリンNa(B)が
0.1%程度含まれているからである。この銅クロロフ
ィリンNa(B)は、図3に示すように、627nmに
極大吸収波長を有し、日光に堅牢である。即ち、銅クロ
ロフィリンNa(B)に含まれる抗菌物質は、20時間
露光でもほとんど分解しない。
【0010】従って、上記残滓(1)を、例えば、洗
剤、石鹸、シャンプー、化粧品、歯磨き剤、靴下、シー
ツ、ピロケース、ブランケット、タオル、バスタオル、
カーテン、壁紙、サポータ、包帯、ガーゼ、ばんそう
膏、下着、ブラジャー、帽子、日傘、ジャケット,シャ
ツ等の織物製品、ニット製品、プール/風呂の浄化剤、
冷蔵庫/戸棚等の消臭剤、シーリング剤、トイレの水の
浄化剤などの実用品を作る時に使用することにより、日
常の長期間の使用によっても抗菌性を長期間維持できる
上記種々の実用品を得ることができる。
【0011】実施の形態2.上記残滓(1)には銅クロ
ロフィリンNa(B)が0.1%程度しか含まれていな
いので、図4に示すように、上記残滓(1)を、ステッ
プS3のように更に弱アルカリで処理する(ステップS
3)ことにより、上記銅クロロフィリンNa(B)を5
0%程度含む残滓(2)を得ることができる。
【0012】従って、上記残滓(2)を、上記種々の実
用品を作る時に使用することにより、実施の形態1で得
られる実用品以上に、日常の長期間の使用によっても抗
菌性を長期間維持できる上記種々の実用品を得ることが
できる。
【0013】実施の形態3.尚、上記残滓(1),
(2)はそのままでは上記実用品の製造に用い難いの
で、図5に示すように、上記残滓(1)をアルカリ処理
(ステップS3)した後にローラ絞り処理(ステップS
4)して、銅クロロフィリンNa(B)を含む残滓パル
プ(3)と銅クロロフィリンNa(B)を含む残滓抽出
色素水溶液(4)とに分離する。この残滓パルプ
(3),残滓抽出色素水溶液(4)は、ステップS3の
弱アルカリ処理を経ているので、上記銅クロロフィリン
Na(B)を多く含む。従って、上記残滓パルプ
(3)、あるいは残滓抽出色素水溶液(4)を、上記種
の実用品を作る時に使用することにより、日常の長期間
の使用によっても抗菌性を長期間維持できる上記種々の
実用品を得ることができる。また、本実施の形態3によ
れば、上記実用品を製造する時に添加しやすく、上記実
用品の製造に用いやすい残滓パルプ(3)及び残滓抽出
色素水溶液(4)が得られる。
【0014】尚、図1のステップS1,S2に代えて、
植物の葉に含まれるクロロフィル中のマグネシウムを鉄
に置換し、アルカリで加水分解した後に、分離すること
により得られる残滓(=葉滓)や、更にこの残滓を図4
のステップS3と同じように弱アルカリで処理した残滓
や、更に上記植物の葉に含まれるクロロフィル中のマグ
ネシウムを鉄に置換し、アルカリで加水分解した後に、
分離することにより得られる残滓(=葉滓)を図5の上
記ステップS4と同じようにローラ絞り処理をして得ら
れた残滓パルプと残滓色素水溶液も、上記銅クロロフィ
リンNa(B)と同様に、日光に堅牢な化学構造(図2
の中央の「Cu」を「Fe」に代えた化学構造)を有す
る鉄クロロフィリンNaを含むので、これらを上記各実
施の形態と同じように上記各種の実用品を作る時に使用
することにより、上記各実施の形態と同様な効果が得ら
れる。
【0015】また、上記銅クロロフィリンNa(B)
(あるいは日光に堅牢な化学構造を有する鉄クロロフィ
リンNa)を含む残滓(1),(2)、残滓パルプ
(3)、残滓抽出色素水溶液(4)は、クマザサの生葉
以外の植物から上記各実施の形態と同様の処理によって
製造したものを、上記各種の実用品を作る時に使用する
ようにしても、上記各実施の形態と同様な効果が得られ
る。
【0016】実施の形態4.以下、上記銅クロロフィリ
ンNa(B)等を含む実用品として、抗菌性等に優れ、
健康に良い織物や編地を製作できる紙糸及びその製造方
法について説明する。従来、2mm〜10mm程度の幅
の紙テープを撚って糸として使用する紙糸が知られてい
る。例えば、特許第2994209号公報には、湿潤紙
力増強剤と乾燥紙力増強剤とを併用して耐水処理された
紙テープを撚って紐状にした紙糸が開示されている。し
かし、これら紙糸では、抗菌性等に優れ、健康に良い織
物や編地を製作できない。本実施の形態4による紙糸
は、紙パルプに、上述した抽出色素水溶液を吸着させ、
かつ耐水剤を添加してから抄紙して日光に堅牢な化学構
造を有する銅クロロフィリンNa(B)又は鉄クロロフ
ィリンNa入りの紙を作成するか、あるいは、紙パルプ
と、上述した残滓パルプとを水中に分散させ、かつ耐水
剤を添加してから抄紙して上記銅クロロフィリンNa
(B)又は鉄クロロフィリンNa入りの紙を作成し、こ
の紙を切断した紙テープを撚ることにより製造するよう
にした。具体的には、例えば和紙原料である楮パルプに
上記抽出色素水溶液(4)を吸着させて、かつ耐水剤を
添加してから抄紙して上記銅クロロフィリンNa(B)
入りの紙を作成したり、あるいは、上記残滓パルプ
(3)と上記楮パルプとを水中に分散させ、かつ耐水剤
を添加してから抄紙して上記銅クロロフィリンNa
(B)入りの紙を作成し、この紙を切断した紙テープを
撚ることにより紙糸を製造する。この場合、抽出色素水
溶液(4)であれば、その量は例えば楮パルプの1〜3
%、残滓パルプ(3)であれば混合率を例えば1〜2%
とするのが好ましい。また、上記紙テープは、例えば2
mm〜10mm程度の幅に切断される。この切断は、例
えば、後述する送りローラの前工程で専用の切断装置に
より行なわれる。
【0017】図6は本発明による好適な紙糸を製造する
ための撚り機の概要を示す概略構成図、図7は紙テープ
を送る送りローラとヒータボックスと紙テープとの関係
を示す斜視図である。撚り機は、上述したように作成し
た日光に堅牢な化学構造を有する上記銅クロロフィリン
Na(B)又は銅クロロフィリンNaを含む紙テープ1
を、紙テープ搬送手段としての送りローラ2で蒸気供給
手段としてのヒータボックス3側に送り、ヒータボック
ス3から出る蒸気を紙テープ1に均一に当てながら当該
紙テープ1を撚って紙糸10を製造する。上記送りロー
ラ2は、駆動軸2aにより回転する1本の長い回転ロー
ラ2Aと、紙テープ1本1本毎に割り付けられ、連結軸2
bで連結される複数の重りローラ2B,2B…とより構
成される。回転ローラ2Aは金属製ローラで構成され、
重りローラ2Bは、紙テープ1が切れ難いように金属製
ローラの外周にゴム等の管2cが取付けられて成る。上
記ヒータボックス3は、回転ローラ2Aの後側に設けら
れるもので、当該回転ローラ2Aの軸方向に沿って当該
回転ローラ2Aの位置より若干下方に設置される細長い
矩形状のボックスである。上記ヒータボックス3の内壁
には発泡スチロール等の断熱材4が取付けられている。
また、内部にはヒータ管5が配置され、収容された純水
6を暖めて蒸気6Hを発生させる。また、送りローラ2
からは遠い方のヒータボックス3の上縁3aには、各重
りローラ2Bの位置に対応して、撚止め3b,3b…が
設けられている。この撚り止め3bは、ヒータボックス
3の上縁3aに形成された丸みを帯びた角等で構成して
も良いし、上記ヒータボックス3の上縁3aにステンレ
ス製などの丸みを帯びた部材を設けて構成しても良い。
また、ヒータボックス3の上縁3aそのもの(即ち、上
縁3aの角)を撚止めとして利用しても良い。そして、
各撚止め3bの位置に対応するヒータボックス3の上面
3cにはそれぞれ蒸気吹出穴3dが形成されており、こ
の各蒸気吹出穴3dからの蒸気が、各重りローラ2Bの
位置から各撚止め3bに導かれる各紙テープ1に当たる
ようになっている。紙糸10の撚数は、通常、回転ロー
ラ2Aの回転速度とスピンドル7の回転数によって決ま
る。尚、図6中の、9は木管8に取付けられた円盤、9
aは円盤9の外周に取付けられ、撚られた紙糸10を木
管8に導くトラベラ、11は中間ガイド、12はスピン
ドル7を回転させる駆動ベルトである。また、10Aは
紙テープ1が撚止め3bを通過した後に撚られている状
態を示している。
【0018】従って、送りローラ2により送られてくる
各紙テープ1に蒸気が当たった後、各紙テープ1は各撚
止め3bに導かれ、撚止め3bを通過した直後に、蒸気
が供給されて柔らかくなった紙テープ1がスピンドル7
の回転により撚られて、スピンドル7により回転する木
管8に紙糸10となって巻き取られる。
【0019】実施の形態4により製造された紙糸10
は、上記銅クロロフィリンNa(B)又は鉄クロロフィ
リンNaにより抗菌性を長時間維持でき、実用性が高
く、健康に良い紙糸10となる。また、蒸気が均一に当
たった後に柔らかくなった紙テープ1を均一に撚るの
で、細く柔らかな紙糸10となる。
【0020】本実施の形態4による紙糸10は、ジャケ
ット地,シャツ地,シーツ,日傘,帽子,タオル等の織
物に使用されたり、各種ニット地,帽子,下着類,サポ
ータ,靴下等の編地に使用され、上記銅クロロフィリン
Na(B)又は鉄クロロフィリンNaにより抗菌性を長
時間維持でき、実用性が高く、健康に良く、かつ、柔ら
かい織物,編地が得られる。
【0021】尚、紙に使用している繊維は綿や麻等の衣
類用繊維と違い、その繊維が短いため(洋紙の原料は繊
維長さ2ミリ以下、和紙の原料は繊維長さ6ミリ以上で
ある)、上述のように、水中に分散させた紙パルプに耐
水剤を添加してから抄紙して紙を作るが、特に、和紙の
製作に際しては、水中に分散して二次元シートにする際
に、流し漉(すき)という工程を行なって、繊維の絡み
合いが増すようにしている。また、パルプ化(アルカリ
で煮る処理)して繊維中の樹脂分が洗い落とされた細胞
膜だけの多孔質構造の繊維を水中に分散して紙を製作し
ている。従って、このように製作された紙を切断した紙
テープ1を上述のように撚って成る紙糸10は、繊維自
身が多くの空隙を持つ構造になっている。従って、紙糸
10は、上記銅クロロフィリンNa(B)による抗菌性
等の効能を有するとともに、優れた断熱性を有し、吸排
湿性に優れてベトつき感が少なく、紫外線遮断効果を有
する。また、構造上、毛羽が無いことから、肌触りが良
く、アトピー性肌にも優しく、かつ、摩耗に強いという
特性を持つ。また、素材の紙が水分の少ない干物状態で
あることから、カビが発生しにくく、ダニ等の微生物も
増殖しにくい。また、強度の耐水性が付与されているの
で、洗濯機などで水洗いできる。この場合、20〜30
回以上の洗濯にも耐え(耐洗濯性能は綿を上回る)、タ
ンブラー乾燥も差し支えなく、むしろ柔らかくなる。
【0022】尚、上記実施の形態4では、蒸気を当てた
後に紙テープ1を撚るようにしたが、蒸気を当てずに紙
テープ1を撚って製造しても、銅クロロフィリンNa
(B)又は鉄クロロフィリンNaにより抗菌性を長時間
維持でき、実用性が高く、健康に良い紙糸が得られる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の日光に堅牢
な化学構造を有する銅クロロフィリンNaあるいは鉄ク
ロロフィリンNa又はこれらを含むパルプや色素水溶液
を使用することにより、日常の長期間の使用によっても
抗菌性を長期間維持できる種々の実用品を得ることがで
きる。また、植物の葉に含まれるクロロフィル中のマグ
ネシウムを銅又は鉄に置換し、アルカリで加水分解した
後に、分離することにより、上記銅クロロフィリンNa
あるいは鉄クロロフィリンNaを0.1%程度含む残滓
(1)を製造できる。また、上記残滓(1)を、更に弱
アルカリ処理することにより、上記銅クロロフィリンN
aあるいは鉄クロロフィリンNaを50%程度含む残滓
(2)を製造できる。また、植物の葉に含まれるクロロ
フィル中のマグネシウムを銅又は鉄に置換し、アルカリ
で加水分解した後に、分離して生成した残滓(1)を、
更に弱アルカリ処理し、その後、絞り処理することによ
り、上記銅クロロフィリンNaあるいは鉄クロロフィリ
ンNaを多く含み、かつ、上記実用品の製造に用いやす
いパルプ及び色素水溶液を得ることができる。また、本
発明に係る紙糸によれば、抗菌性を長時間維持でき、実
用性が高く、健康に良い紙糸が得られるので、抗菌性を
長時間維持でき、実用性が高く、健康に良い織物や編地
を製作できるようになる。また、本発明の紙糸の製造方
法によれば、抗菌性を長時間維持でき、実用性が高く、
健康に良い紙糸を製造できる。特に、紙テープに蒸気を
当てた後に紙テープを撚るようにして紙糸を製造するよ
うにすれば、細く柔らかな紙糸を製造できる。従って、
抗菌性を長時間維持でき、実用性が高く、健康に良く、
かつ、柔らかな織物や編地を製作できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による銅クロロフィリ
ンNa(B)を含む残滓(1)を製造するための手順を
示す図である。
【図2】 本発明の銅クロロフィリンNa(B)の化学
構造を示した図である。
【図3】 本発明の銅クロロフィリンNa(B)と従来
の銅クロロフィリンNa(A)の日光堅牢度の比較結果
を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態2による銅クロロフィリ
ンNa(B)を含む残滓(2)を製造するための手順を
示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態3による銅クロロフィリ
ンNa(B)を含む残滓パルプ(3)及び残滓抽出色素
水溶液(4)を製造するための手順を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態4による紙糸の製造方法
を実現するための撚り機の概要を示す図である。
【図7】 紙テープを送る送りローラとヒータボックス
と紙テープとの関係を示す斜視図である。
【図8】 従来の銅クロロフィリンNa(A)の化学構
造を示す図である。
【符号の説明】
(1),(2) 残滓、(3) 残滓パルプ(パル
プ)、(4) 残滓抽出色素水溶液(色素水溶液)、1
紙テープ、3d 蒸気吹出穴、10 紙糸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02G 3/08 D02G 3/08 4L048 D03D 15/02 D03D 15/02 D 4L055 D21H 17/02 D21H 17/02 // A61K 31/555 A61K 31/555 D03D 15/00 D03D 15/00 A D04B 1/14 D04B 1/14 Fターム(参考) 4C050 PA02 PA04 PA08 4C086 AA03 CB04 NA12 ZB35 4H011 AA02 BA01 BB09 BB16 BB22 DA13 DD07 DF03 4L002 AB00 AC00 EA00 FA00 FA01 4L036 MA08 PA21 UA26 4L048 AA56 AB37 AC00 CA00 DA01 DA14 DA23 4L055 AC01 AC05 AC09 AG39 AH50 FA12 GA27

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物から抽出された日光に堅牢な化学構
    造を有することを特徴とする銅クロロフィリンNa。
  2. 【請求項2】 植物から抽出された日光に堅牢な化学構
    造を有することを特徴とする鉄クロロフィリンNa。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の銅クロロフィリンNa
    又は請求項2に記載の鉄クロロフィリンNaを含むこと
    を特徴とするパルプ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の銅クロロフィリンNa
    又は請求項2に記載の鉄クロロフィリンNaを含むこと
    を特徴とする色素水溶液。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の銅クロロフィリンNa
    又は請求項2に記載の鉄クロロフィリンNaの製造方法
    であって、 植物の葉に含まれるクロロフィル中のマグネシウムを銅
    又は鉄に置換し、アルカリで加水分解した後に、分離す
    ることを特徴とする銅クロロフィリンNa又は鉄クロロ
    フィリンNaの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の銅クロロフィリンNa
    又は請求項2に記載の鉄クロロフィリンNaの製造方法
    であって、 植物の葉に含まれるクロロフィル中のマグネシウムを銅
    又は鉄に置換し、アルカリで加水分解した後に、分離し
    て生成した残滓を、更に弱アルカリ処理することを特徴
    とする銅クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリンNa
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の銅クロロフィリンNa
    又は鉄クロロフィリンNaを含むパルプ及び請求項4に
    記載の銅クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリンNa
    を含む色素水溶液の製造方法であって、 植物の葉に含まれるクロロフィル中のマグネシウムを銅
    又は鉄に置換し、アルカリで加水分解した後に、分離し
    て生成した残滓を、更に弱アルカリ処理し、その後、絞
    り処理することにより銅クロロフィリンNaを含むパル
    プ及び色素水溶液に分離するか、又は鉄クロロフィリン
    Naを含むパルプ及び色素水溶液に分離するようにした
    ことを特徴とするパルプ及び色素水溶液の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項2に記載の銅クロロ
    フィリンNa又は鉄クロロフィリンNa、あるいは請求
    項5又は請求項6に記載の製造方法により製造された銅
    クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリンNaを含むこ
    とを特徴とする紙糸。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載のパルプ、あるいは請求
    項7に記載の製造方法により製造されたパルプを混入し
    て成ることを特徴とする紙糸。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載の色素水溶液、あるい
    は請求項7に記載の製造方法により製造された色素水溶
    液を混ぜて作成されることを特徴とする紙糸。
  11. 【請求項11】 紙パルプと、請求項3に記載のパルプ
    あるいは請求項7に記載の製造方法により製造されたパ
    ルプとを水中に分散させ、かつ耐水剤を添加してから抄
    紙して上記銅クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリン
    Na入りの紙を作成し、この紙を切断した紙テープを撚
    ることにより紙糸を製造することを特徴とする紙糸の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 紙パルプに、請求項4に記載の色素水
    溶液あるいは請求項7に記載の製造方法により製造され
    た色素水溶液を吸着させて、かつ耐水剤を添加してから
    抄紙して上記銅クロロフィリンNa又は鉄クロロフィリ
    ンNa入りの紙を作成し、この紙を切断した紙テープを
    撚ることにより紙糸を製造することを特徴とする紙糸の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 上記紙テープに蒸気を当てた後に当該
    紙テープを撚るようにしたことを特徴とする請求項11
    又は請求項12に記載の紙糸の製造方法。
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