JP2610157B2 - 繊維の抗菌処理法 - Google Patents

繊維の抗菌処理法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水難溶性である抗菌剤の3.4.4′−トリク
ロロカルバニリドを繊維に固着させ、すぐれた耐久性の
ある抗菌性を有する繊維を得る方法に関する。
〔従来の技術〕
従来より病院その他、サニタリー分野での病原菌の感
染防止を目的としたカーペツト、マツト、シーツ、カー
テン、フトン類への抗菌性付与、あるいは靴下、タイツ
類への防臭効果を目的とした抗菌性付与の検討が進めら
れている。しかしながら、その抗菌性は持続性に乏し
く、加工直後は優れた効果を発揮するものの、繰り返し
洗濯等により抗菌効果が失われる欠点を有していた。
更に又特定の抗菌剤を使用した繊維製品は燃焼時に人
体に有害なダイオキシン等の発生があつて、実用上極め
て危険で、その安全面からの問題点が指摘され、安全で
且つ耐久性のある抗菌性を有する繊維製品の開発が強く
要望されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
抗菌剤を有する繊維製品で着用中の洗濯にも耐え得る
恒久性を有し、且つ、着用して肌に直接触れても、皮膚
障害を起こさないこと、あるいは、廃棄燃焼等により、
有害物質を発生させない安全性を有すること、及び抗菌
性の付与方法が容易で経済的に有利で安価に実施出来る
こと、即ち抗菌剤を可及的小量使用しても、所期の効果
を発揮させ得る様に、抗菌剤を効率的に繊維に付着させ
ること、及び繊維への付着方法が容易に行えること、即
ち、工程負荷が少なく、付着処理時間及び手間が少なく
て行えることが望まれる。
また抗菌処理を施した繊維製品が非処理品に比較し
て、風合上及び表面特性、外観などに差異がないこと。
特に処理した繊維製品が撥水性を持つとか、風合硬化、
白度の黄変等が生じないことが強く望まれる。
本発明者らは、かかる問題点、或いは要望される特性
を兼備した抗菌性繊維製品を得る方法を提供するもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨は、3.4.4′−トリクロロカルバニリド
と多価アルコール又はその誘導体とカチオン性分散剤を
主成分とする乳化分散水性液を用いて繊維を処理するこ
とを特徴とする繊維の抗菌処理法にある。
本発明で使用する抗菌剤の3.4.4′−トリクロロカル
バニリドは優れた抗菌性を有する反面、人体に対する薬
害が極めて小さく、又燃焼時に発生するガス中にダイオ
キシンの発生も認められず、安全性が非常に高いもので
ある。
即ち抗菌剤で加工された繊維が、家庭洗濯で塩素漂白
され、しかるのちに焼却されたとして、その時の燃焼ガ
ス中に有害物質が存在するかどうかを木綿100%に付着
処理し、次亜塩素酸ソーダ液で漂白処理したものを約60
0℃で燃焼し、その発生ガスをキヤピラリ−GC−MSで分
析した結果、2.4.4′−トリクロロジフエニールエーテ
ル化合物はダイオキシンと総称される各質量の領域にピ
ークが確認されるのに対し、本発明で用いる3.4.4′−
トリクロロカルバニリドのそれには全くそのピークはな
く、ダイオキシンの発生がないことを示している。
本発明における繊維に耐久性を有する抗菌性を付与す
る方法は、3.4.4′−トリクロロカルバニリドと多価ア
ルコール又はその誘導体とカチオン性分散剤を主成分と
する乳化分散液を用いて繊維を処理する方法であるが、
繊維に耐久性を有する抗菌性を付与するための3.4.4′
−トリクロロカルバニリドの処理液濃度は0.01〜10%ow
f(対繊維重量)の範囲が好ましく用いられ、0.01%owf
未満の場合には充分な耐久性を得ることが出来ず、又10
%owfを越える場合は、繊維の風合を損なうこと及び加
工コストの面からも好ましくない。
更に、本発明は3.4.4′−トリクロロカルバニリドと
同時に、多価アルコール又はその誘導体とカチオン性分
散剤を用いる必要がある。
多価アルコール又はその誘導体としては3.4.4′−ト
リクロロカルバニリドの溶解剤としての機能と繊維に対
するキヤリヤー効果を有している。そして、カチオン性
分散剤は当然のことながら、水に難溶性である3.4.4′
−トリクロロカルバニリドを多価アルコール又はその誘
導体に溶解させて、良好な乳化分散水性液を得るために
不可欠であつて、同時にこのカチオン性分散剤が、抗菌
性を有するものは更に好ましい。
本発明において好ましく用いられる多価アルコール又
はその誘導体はエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、エチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテ
ル、フエニールグリコール、フエニールエチレングリコ
ール、フエニールプロピレングリコール、、エチルヘキ
シルグリコール等の化合物を挙げることが出来る。そし
て、2−エチルヘキシルグリコール、フエニルエチレン
グリコールは溶解剤としての機能ばかりでなく、繊維に
対するキヤリヤー効果に優れ、特に好ましく用いられ
る。
一方、カチオン性分散剤としては同時に抗菌性を有す
るものが特に好ましく用いられ、例えばドデシルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチル
アンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアン
モニウムクロライド等のトリメチル型第4級アンモニウ
ム塩、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、オクタデシルジメチルベンジルベンジルアンモニ
ウムクロライド等のベンジル型第4級アンモニウム塩を
挙げることが出来る。
多価アルコール又はその誘導体とカチオン性分散剤の
使用濃度は、3.4.4′−トリクロロカルバニリドが乳化
分散でき、常温で安定な水性液が作成できる濃度であれ
ばよい。通常、3.4.4′−トリクロロカルバニリドの濃
度に対し、0.5〜10倍の濃度が好ましく、そして多価ア
ルコール又はその誘導体とカチオン性分散剤の比率は、
カチオン性分散剤に対して、0.5〜3倍の多価アルコー
ル又はその誘導体の濃度が良好である。
例えば、3.4.4′−トリクロロカルバニリド0.2%ow
f、多価アルコールの誘導体として2−エチルヘキシル
グリコール0.8%owf、カチオン性分散剤として、テトラ
デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド0.8%o
wf、からなる乳化分散水性液に、アクリル繊維を浴比1:
50、98℃で30分浸漬処理すると、3.4.4′−トリクロロ
カルバニリドは0.17%owf繊維に選択的に吸着し、この
繊維は繰り返し20回、家庭電気洗濯機を用いて洗濯した
後でも優れた抗菌性能を有するアクリル繊維が得られ
る。
次に本発明で適用される繊維としてはアニオン性基含
有繊維であることが恒久性の抗菌効果を得る上で好まし
く、特にアクリル繊維、ポリアミド繊維、カチオン染料
可染型ポリエステル繊維、アセテート繊維、セルロース
繊維、羊毛繊維等に好ましく適用される。
又繊維の形状としては布帛、糸、原綿、トウ状いづれ
の形状についても適用される。
本発明での処理温度、時間等の条件はカチオン性分散
剤が繊維に吸着する条件を用いる必要があり、繊維の種
類によりかなり異なるが、通常、温度は40〜150℃の範
囲、時間は数10秒〜数10分の範囲で可能である。そして
処理方法はスチーム法、スプレーキユア法、染料加工機
による吸尽固着法及び原綿、原糸製造過程における仕上
処理工程での付加加工法が可能である。
〔実施例〕
以下本発明を実施例によつて説明する。
実施例1 アニオン性基含有繊維として、アクリル繊維(2d×51
mm)100%からなる、2/52(メートル番手)の紡績糸を1
80のシンカー編機を用いて、天竺組織の編地を作成し
た。この編地に対して以下の第1表のような条件で抗菌
処理を行ない、同表に示す如く抗菌性能を得た。
即ち、第1表の抗菌性能結果に示す如く、条件No.1の
本発明法によるものは、家庭洗濯5回処理後でも黄色ブ
ドウ球菌によるハロ−試験で明確な阻止帯(ハロ−)で
抗菌性能が確認されるのに対し、カチオン性分散剤がな
いNo.2の比較例は処理上りでは一応、抗菌性能が認めら
れるものの、洗濯を1回すると、その抗菌性は全く認ら
れず容易に脱落して、全く耐久性がないことがわかつ
た。
又、3.4.4′−トリクロロカルバニリドが0.007%owf
と著しく低濃度であるNo.3の条件は処理上りでは一応、
抗菌性が認められるが、洗濯によつて容易に抗菌性が失
われている。
一方、3.4.4′−トリクロロカルバニリドが著しく高
濃度であるNo.4及びNo.5のカチオン性分散剤並びに多価
アルコール誘導体が各々欠落した条件では、3回程度の
耐洗濯性しかなく実用性にやや劣る。
これに対し、とくにNo.6〜No.9の本発明法によるもの
は浴比の影響を殆ど受けることなく本発明の目的とする
耐久性のある抗菌性能を得ることが出来た。
実施例2 アクリル繊維(2d×51mm)原綿100%からなる、2/17
(メートル番手)の水廻りマツト用原糸を作り、200g綛
を作成した。この綛10kgを下記染色条件の中に、3.4.
4′−トリクロロカルバニリド0.5%owf、2−エチルヘ
キシルジグリコール2.5%owf及びラウリルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライド2.5%owfとなるように添加
し、噴射式綛染機を用いて同時に処理した。
糸染条件: カチロンブルーK−GLH(保土谷化学社製カチオン染
料) 0.1%owf 酢 酸 0.5%owf カチオゲンPAN(第一工業社製カチオン系緩染剤)1.0%
owf 浴 比 1:25 温度×時間 98℃×30分 染色、水洗後通常の柔軟処理を施して乾燥し、バスマ
ツトを作成した。そして、繰返し洗濯20回後の抗菌性能
をマツトの一部を切り取つて黄色ブドウ状球菌によるハ
ローテストで評価した所、ハローが確認され、優れた耐
久性を有する抗菌性バスマツトを得ることが出来た。
実施例3 ジアセテート繊維100%の起毛トリコツトを下記処理
浴に浸漬し、マングルで絞液し(絞り率95%)105℃の
熱風乾燥機で20分間乾燥処理を行つた。
3.4.4′−トリクロロカルバニリド 10g/ フエニールエチレングリコール 50g/ テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
50g/ 浴 比 1:50 温 度 25℃ 得られた起毛トリコツトを家庭洗濯機により20回繰返
し後の抗菌性を黄色ブドウ状球菌によるハロー試験法テ
ストした結果、生育阻止帯が確認され、耐久性の優れた
抗菌性を持つていることが確認された。
実施例4 アクリル繊維/ナイロン/ウールの混紡率が60/25/15
(wt%)からなる市販のカジアルソツクスを、下記処理
浴に浸漬し、遠心分離機を用いて脱水(絞り率40%)10
0℃で40分間乾燥した。
3.4.4′−トリクロロカルバニリド 1g/ 2−エチルヘキシルグリコール 3g/ ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド 3g/ 浴 比 1:50 温度×時間 40℃×30分 得られたソツクスは着用後に黄色ブドウ状球菌その他
の雑菌に起因する悪臭は全くないもので、洗濯30回後も
同様な性能を保持していた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3.4.4′−トリクロロカルバニリドと多価
    アルコール又はその誘導体とカチオン性分散剤を主成分
    とする乳化分散水性液を用いて繊維を処理することを特
    徴とする繊維の抗菌処理法。
  2. 【請求項2】3.4.4′−トリクロロカルバニリドと2−
    エチルヘキシルグリコール又はフェニールエチレングリ
    コールとカチオン性分散剤を主成分とする乳化分散水性
    液を用いてアニオン性基含有繊維を処理する第1請求項
    記載の繊維の抗菌処理法。
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